特許第6398901号(P6398901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6398901
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月3日
(54)【発明の名称】情報コード読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20180920BHJP
【FI】
   G06K7/10 436
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-150571(P2015-150571)
(22)【出願日】2015年7月30日
(65)【公開番号】特開2017-33148(P2017-33148A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】寺内 嘉一
【審査官】 篠塚 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−20435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取口を有するケースと、
前記ケース内に設けられ、情報コードに対して前記読取口を介して照明光を常時照射する照明手段と、
前記情報コードを撮像する撮像手段と、を備え、
前記ケースは、前記読取口が一端側に形成される読取部と当該読取部の他端側に対して折れ曲がるように連結する連結部とを有し、
前記連結部の外面のうち前記読取口から離れた面を載置側面とするとき、前記載置側面には当該載置側面に沿って前記読取口から離れるように所定の方向に延びる突部が形成されることを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項2】
前記突部は、前記載置側面の一方の縁から他方の縁にかけて前記所定の方向に沿い連続的に延びるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
【請求項3】
前記突部は、前記載置側面の一方の縁から他方の縁にかけて前記所定の方向に沿い断続的に延びるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
【請求項4】
前記突部の頂面は、少なくとも一部が突出方向に凸となるように曲面状に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
【請求項5】
前記突部は、前記所定の方向に直交する断面が突出側ほど幅が狭くなるように形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
【請求項6】
前記読取口は、前記所定の方向と交差する所定の横方向に広がるように形成され、
前記連結部は、前記横方向の幅が前記読取部の前記横方向の幅よりも小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
【請求項7】
前記連結部は、前記横方向の幅が前記読取部の前記横方向の幅の50%以下となるように形成されることを特徴とする請求項6に記載の情報コード読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から提供されている情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置として、例えば、下記特許文献1に開示される手持ち型のバーコード読取装置が知られている。このバーコード読取装置は、ケースの読取口に設けられたウィンドゥの上部を介してバーコードに光が照射され、そのバーコードからの反射光がウィンドゥの下部を通りイメージセンサにて受光されるように構成されている。バーコード読取装置の外郭を構成するケースは、首折れ型に形成されており、一端側が読取口を有するヘッド部として構成され、読取口側とは反対側が作業者によって把持されるグリップ部として構成されている。このケースは、グリップ部が幅広く、ヘッド部と同じ程度の幅に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−049922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、情報コード読取装置を利用した情報コードの読取作業では、その作業性を高めるために、読取口を介して照明光を常時照射させた状態で読取作業がなされることが多い。そのため、照明光が読取口を介して照射されたまま情報コード読取装置を机面等に載置した載置状態では、その載置の仕方によって読取口が上方を向いてしまう場合があり、この場合には、上向きの読取口を介して上方に照射された照明光が誤って人の目に入ってしまう可能性がある。
【0005】
この問題を解決するため、情報コード読取装置の移動や傾き等を常時監視し、読取作業が想定される移動や傾きが検出されると、照明光を照射する制御を行い、読取作業が想定されない移動や傾き、例えば、所定の角度より上方向であることが検出されると、照明光を消灯する制御を行うことで、照明光の誤照射を防止することができる。しかしながら、上述のような構成では、ある程度上向きの状態で読み取りたい時等には照明光が照射されず、読取ができなくなるという問題があった。また、移動や傾き等の監視手段やこの監視手段の検視結果に応じた照明光の制御等、全体的な制御が複雑になり、装置の低コスト化が困難になるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、照明光を常時照射する構成であっても載置状態で照明光が上方に照射されることを防止し得る情報コード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の情報コード読取装置(1)は、読取口(4)を有するケース(3)と、前記ケース内に設けられ、情報コードに対して前記読取口を介して照明光(Lf)を常時照射する照明手段(21)と、前記情報コードを撮像する撮像手段(23)と、を備え、前記ケースは、前記読取口が一端側に形成される読取部(5)と当該読取部の他端側に対して折れ曲がるように連結する連結部(6)とを有し、前記連結部の外面のうち前記読取口から離れた面を載置側面(8)とするとき、前記載置側面には当該載置側面に沿って前記読取口から離れるように所定の方向に延びる突部(9,9a)が形成されることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、読取口を介して照明光を常時照射する照明手段がケース内に設けられており、ケースは読取口が一端側に形成される読取部と当該読取部の他端側に対して折れ曲がるように連結する連結部とを有している。そして、連結部の外面のうち読取口から離れた面を載置側面とするとき、この載置側面には当該載置側面に沿って読取口から離れるように所定の方向に延びる突部が形成される。
【0009】
これにより、ケースの外面において突部を基準に上記所定の方向に対して直交する方向にて対向する部位を一側接触部および他側接触部とするとき、載置側面が下方となるように情報コード読取装置を机面等に載置した載置状態では、当該情報コード読取装置の重心と突部の位置との関係から、机面等に対して突部が接触するとともに一側接触部および他側接触部のいずれか一方が接触する。すなわち、この載置状態では、情報コード読取装置は、机面等に対して突部にて支えられるように傾いて載置される。これにより、読取部も傾いた状態となるため、読取口が上方を向くこともなく、照明光が上方に照射されることもない。したがって、照明光を常時照射する構成であっても載置状態で照明光が上方に照射されることを防止することができる。
【0010】
請求項2の発明では、突部は、載置側面の一方の縁から他方の縁にかけて所定の方向に沿い連続的に延びるように形成されるため、突部と机面等との接触長さが長くなる。これにより、情報コード読取装置が机面等に対して突部にて支えられるように傾いて載置されやすくなるので、照明光が上方に照射されることを確実に防止することができる。特に、突部が連続的に延びるように形成されているため、連結部を違和感なく把持することができる。
【0011】
請求項3の発明では、突部は、載置側面の一方の縁から他方の縁にかけて所定の方向に沿い断続的に延びるように形成されるため、突部と机面等との接触長さが長くなる。これにより、情報コード読取装置が机面等に対して突部にて支えられるように傾いて載置されやすくなるので、照明光が上方に照射されることを確実に防止することができる。特に、連結部を把持する際の手の指の位置に合わせて突部を断続的に延びるように形成することで、情報コード読取装置を安定して把持させることができる。
【0012】
請求項4の発明では、突部の頂面は、少なくとも一部が突出方向に凸となるように曲面状に形成されるため、突部が単に断面方形状に形成される場合と比較して、上記所定の方向に直交する方向において突部と机面等との接触長さが短くなる。これにより、情報コード読取装置が机面等に対して傾いて載置されやすくなるので、照明光が上方に照射されることを確実に防止することができる。
【0013】
請求項5の発明では、突部は、所定の方向に直交する断面が突出側ほど幅が狭くなるように形成されるため、突部が単に断面方形状に形成される場合と比較して、上記所定の方向に直交する方向において突部と机面等との接触長さが短くなる。これにより、情報コード読取装置が机面等に対して傾いて載置されやすくなるので、照明光が上方に照射されることを確実に防止することができる。
【0014】
請求項6の発明では、連結部は、横方向の幅が読取部の横方向の幅よりも小さくなるように形成されるため、上記所定の方向に対して直交する方向において一側接触部および他側接触部が突部に近づくこととなる。これにより、一側接触部および他側接触部が連結部の一部となる場合には、連結部の横方向の幅が読取部の横方向の幅程度に大きくなる場合と比較して、机面等に対して一側接触部および他側接触部のいずれか一方が突部とともに接触する際の机面等に対する情報コード読取装置の傾き角度が大きくなる。このため、机面等に対する読取部の傾きも大きくなり照明光の照射方向が水平方向に近づくので、照明光が上方に照射されることを確実に防止することができる。
【0015】
請求項7の発明では、連結部は、横方向の幅が読取部の横方向の幅の50%以下となるように形成されるため、一側接触部および他側接触部が読取部の一部となりやすくなり、机面等に対して一側接触部および他側接触部のいずれか一方が突部とともに接触する際の机面等に対する情報コード読取装置の傾き角度がより大きくなる。このため、机面等に対する読取部の傾きも大きくなり照明光の照射方向がさらに水平方向に近づくので、照明光が上方に照射されることをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る情報コード読取装置を概略的に例示する斜視図である。
図2図1の情報コード読み取り装置を図1とは異なる方向から見た斜視図である。
図3図1の情報コード読取装置の断面を概略的に示す断面概略図である。
図4図1の情報コード読取装置の電気的構成を例示するブロック図である。
図5図1の情報コード読取装置の平面図である。
図6図1の情報コード読取装置の側面図である。
図7図1の情報コード読取装置の底面図である。
図8図1の情報コード読取装置の正面図である。
図9図9(A)は、図1の情報コード読取装置の背面図であり、図9(B)は、図6のA−A断面を概略的に示す断面概略図である。
図10図10(A)は、図6のB−B断面を概略的に示す断面概略図であり、図10(B)は、図6のC−C断面を概略的に示す断面概略図である。
図11図11(A)は、図6のD−D断面を概略的に示す断面概略図であり、図11(B)は、図6のE−E断面を概略的に示す断面概略図である。
図12図1等で示す情報コード読取装置のグリップ部の領域と、その領域を握ったときの使用者の手との関係を説明する説明図である。
図13図13(A)は、突部が机面に接触した状態を示す説明図であり、図13(B)は、図13(A)の状態から突部と一側接触部とが机面に接触した載置状態を示す説明図であり、図13(C)は、図13(B)の状態から読取口が水平方向に向いた載置状態を示す説明図である。
図14図14(A)は、突部が机面に接触した状態を示す説明図であり、図14(B)は、図14(A)の状態から突部と他側接触部とが机面に接触した載置状態を示す説明図であり、図14(C)は、図14(B)の状態から読取口が水平方向に向いた載置状態を示す説明図である。
図15図15(A)は、グリップ部とヘッド部の横方向の幅がほぼ等しい構成での突部が机面に接触した状態を示す説明図であり、図15(B)は、図15(A)の状態から突部と一側接触部とが机面に接触した載置状態を示す説明図である。
図16】本実施形態の変形例に係る突部を説明する拡大断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報コード読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(情報コード読取装置の概要)
まず、図1図4等を参照し、情報コード読取装置1の概要について説明する。図1図2等で示す情報コード読取装置1は、情報コードに対して読取口4を介して照明光Lfを照射する照明光源21や情報コードを撮像可能な撮像部23がケース3の内部に収容されると共に、ケース3の一端部にケーブル2が連結された構成となっている。ケース3は、ABS樹脂等の合成樹脂材料により形成される上側ケース3aおよび下側ケース3bが組み付けられて構成され、全体として折れ曲がり形状となっており、情報コードからの光を当該ケース3の内部に導入可能な読取口4が形成されたヘッド部5と、ヘッド部5に連結されて所定の延出方向に延びるグリップ部6とを備えている。グリップ部6は、読取口4が一端側に形成されるヘッド部5の他端側に対して折れ曲がるように連結している。なお、ヘッド部5およびグリップ部6は、「読取部」および「連結部」の一例に相当し得る。
【0018】
なお、本明細書では、グリップ部6が延びる方向(延出方向)を前後方向としている。また、前後方向と直交する方向であって且つ読取口4の開口が延びる方向と平行な方向を横方向(左右方向)としている。更に、前後方向及び横方向と直交する方向を縦方向(上下方向)としている。なお、図3図5図6等では、前後方向をX軸方向とし、上下方向をY軸方向とし、横方向(左右方向)をZ軸方向として示している。
【0019】
情報コード読取装置1は、例えば、バーコードなどの情報コードを読み取る機能を有しており、ヘッド部5の読取口4を読取対象物に接触させた状態での読み取り(いわゆるタッチ読み)や、ヘッド部5の読取口4を読取対象物に近接させた状態での読み取り(いわゆる近接読み)などを行うことができるように構成されている。
【0020】
図4等で示すように、情報コード読取装置1は、主に、照明光源21、撮像部23、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、LED43、ブザー44、バイブレータ45等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系とを備えている。そして、これらの一部又は全部が、図3で示す回路基板20に実装されている。
【0021】
光学系は、照明光源21、撮像部23、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明手段として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本構成では、撮像部23近傍に照明光源21が設けられており、読取口4を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを常時照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、紙、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに情報コードCが印刷、ダイレクトマーキングなどによって形成されている。なお、情報コードCとしては、例えば、バーコード等の一次元コードを好適に用いることができる。
【0022】
撮像部23は、撮像手段として機能するもので、読取対象物Rや情報コードCに照射されて反射した反射光Lrを受光可能な受光センサによって構成されている。この撮像部23は、例えばラインセンサとして構成されており、C−MOSやCCD等の固体撮像素子からなる受光素子を横方向に直線状に並べて配列した構成となっている。この撮像部23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光する構成となっている。
【0023】
結像レンズ27は、読取口4を介して入射する光を集光するように機能するものであり、撮像部23の視野範囲内に情報コードCが配置された場合には、撮像部23の受光面23aにこの情報コードCのコード画像を結像するように構成されている。
【0024】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、LED43、ブザー44、バイブレータ45、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0025】
光学系の撮像部23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、撮像部23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0026】
メモリ35は、半導体メモリ装置等によって構成されており、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)などがこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、撮像部23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0027】
制御回路40は、情報コード読取装置1を全体的に制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、図4の例では、LED43、ブザー44、バイブレータ45、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48には、情報コード読取装置1の上位システムに相当するホストコンピュータHSTなどを接続できるようになっている。図1等で示す例では、情報コード読取装置1と外部装置(ホストコンピュータHSTなど)とがケーブル2を介して接続されるようになっており、ケーブル2によって、電力やデータが伝送されるようになっている。
【0028】
(ヘッド部及びグリップ部等の詳細構成)
次に、ヘッド部5、グリップ部6等の詳細な構成について説明する。
図1図2等で示すように、情報コード読取装置1の外殻をなすケース3は、情報コードからの光を当該ケース3の内部に導入可能な読取口4(図3等)が形成されたヘッド部5と、ヘッド部5に連結されて所定の延出方向(前後方向)に延びるグリップ部6とを備えている。そして、図3のように、ヘッド部5内の収容空間と、グリップ部6内の収容空間とが連通した構成となっており、グリップ部6側からヘッド部5側に延びる構成で、撮像部23などを実装する回路基板20が配置されている。
【0029】
回路基板20は、グリップ部6を構成する上で、撮像部23の大きさや配置による影響を極力小さくしてグリップ部6をより望ましい形状(握りの安定性及び操作性を高めやすい形状)に構成するため、図3のようにグリップ部6内の収容空間とヘッド部5内の収容空間とに跨る構成で配置されており、グリップ部6の延出方向(前後方向)に対して所定角度で傾いた配置構造となっている。この回路基板20は、具体的には、一方の板面が上方側且つ後方側に斜めに向いており、他方の板面が下方側且つ前方側に斜めに向いており、前方側となるにつれて上方位置となるように傾いている。そして、回路基板20の前端部寄りの位置には、上述した撮像部23(ラインセンサ)が横長に配置されている。この撮像部23(ラインセンサ)は、ヘッド部5内において横方向(左右方向であり、図5等で示すZ軸方向)に延びた構成且つ受光面23aが読取口4側を向いた構成(即ち、下方側且つ前方側を向いた構成)で配置されている。そして、撮像部23(ラインセンサ)は、ヘッド部5内の収容空間においてグリップ部6の上下方向中心位置(図3で示す一点鎖線L1の位置)よりも上位置に設けられている。
【0030】
図1図2図3図6等で示すように、ヘッド部5は、他端側にてグリップ部6の前端部に連続的に連結され、このグリップ部6の前端部から前方側且つ下方側に斜めに延びている。そして、ヘッド部5は、図6のように側面視したときの外形形状が、先端部側となるにつれて厚さが小さくなる先細り形状となっている。なお、本構成では、図6のように側面視したときのケース3の下面外縁と直交する方向を厚さ方向と定義する。このように延びるヘッド部5の先端部には、図3図7のように、横方向に広い開口部として構成された読取口4が設けられている。図3のように、ヘッド部5は、内部に収容空間が構成される中空の筒状構造となっており、ヘッド部5内の空間は、グリップ部6との境界位置P1を基点として、前側且つ下側に斜めに延びるように構成されている。このように構成される収容空間の前端位置付近に読取口4が形成されている。
【0031】
図5図7図8等で示すように、ヘッド部5は、先端側となるにつれて横方向(Z軸方向)の幅が広くなる先広がり形状となっており、先端部付近には、幅が最も広い部分(最大幅部)が設けられている。ヘッド部5は、この最大幅部からグリップ部6側に近づくにつれて徐々に幅が狭くなっている。なお、図5では、最大幅部の幅をW1で示しており、最大幅部の位置から位置P1に至るまで、幅が増加せずに連続的に減少する構成となっている。
【0032】
図3図5図6図7で示すように、グリップ部6は、ヘッド部5の上端部付近且つ後端部付近から後方側に直線状に延びている。このグリップ部6も、内部に収容空間が構成される中空の筒状構造となっており、グリップ部6内の収容空間には、上述した回路基板20の大部分が配置されている。
【0033】
本構成では、図5のように、最大幅部を基点として後方側となるにつれてヘッド部5の幅が次第に狭くなっており、図5のように平面視したときのヘッド部5の外形の幅が最大幅部の幅W1の1/2となる位置P1をヘッド部5とグリップ部6との境界として定義する。二点鎖線P1は、ヘッド部5とグリップ部6との境界となる仮想平面(ZY平面と平行な面)の位置を概念的に示しており、図3図5図6では、このような位置P1をそれぞれ二点鎖線にて概念的に示している。更に、グリップ部6の前後方向中心位置を二点鎖線P2で概念的に示している。この二点鎖線P2は、前後方向において、位置P1とグリップ部6の後端部6cとの間の前後方向の領域を二等分する中心位置であり、二点鎖線P2は、このような中心位置となる仮想平面(ZY平面と平行な面)を概念的に示している。そして、図6のように、グリップ部6における位置P1での上下方向中心位置(位置P1における上端部M1と下端部M2との間の上下方向中心位置M3)と、位置P2での上下方向中心位置(位置P2における上端部N1と下端部N2との間の上下方向中心位置N3)を通る線がL1であり、このL1の方向を延出方向(前後方向)としている。
【0034】
そして、図8図11に示すように、グリップ部6の外面のうち読取口4から離れた面(上側の外面)を載置側面8とするとき、この載置側面8には当該載置側面8に沿って読取口4から離れるように所定の方向(前後方向)に延びる突部9が形成されている。このため、読取口4は、上記所定の方向と交差する横方向に広がるように位置することとなる。特に、突部9は、載置側面8の一方の縁から他方の縁、具体的には、載置側面8においてヘッド部5との境界位置P1から後端部6c近傍にかけて所定の方向に沿い連続的に延びるように形成されている。また、突部9は、その頂面が突出方向(上方向)に凸となるように曲面状に形成されている。
【0035】
このように構成されるグリップ部6には、延出方向(X軸方向として示す前後方向)と直交する断面(即ち、YZ平面と平行な断面)の外縁形状が突部9を除いて略円形状又は略楕円形状のいずれかの形状となる領域が続く把持対象部7が設けられている。把持対象部7は、少なくともグリップ部6における延出方向の中心位置よりもヘッド部5寄りの範囲にわたって設けられていることが望ましく、図6等で示す例では、グリップ部6の全領域が把持対象部7として機能している。そして、グリップ部6のどの位置で切断した断面でも、外縁形状が突部9を除いて略円形状又は略楕円形状のいずれかの形状となっている。例えば、図9(B)で示すA−A断面では、グリップ部6の外縁形状が突部9を除いて略円形状となっており、図10(A)(B)で示すB−B断面、及びC−C断面では、グリップ部6の外縁形状が突部9を除いて縦長の略楕円形状となっている。また、図11(A)(B)で示すD−D断面、及びE−E断面でも、グリップ部6の外縁形状が突部9を除いて縦長の略楕円形状となっている。
【0036】
この把持対象部7は、延出方向(X軸方向として示す前後方向)と直交する断面(即ち、上下方向及び左右方向と平行な断面)の外縁形状が、突部9を除いて「横方向の長さと縦方向の長さとが同一となる断面外縁形状」又は「横方向の長さが縦方向の長さよりも小さくなる断面外縁形状」のいずれかの形状となり、この「いずれかの形状」が延出方向の所定範囲にわたって続く構成となっている。例えば、図9(B)のように、把持対象部7における境界P1寄りのA−A断面の断面外縁形状は、横方向の長さLz1と縦方向の長さLy1とがほぼ同一又は縦方向が僅かに長い断面外縁形状となっており、このA−A断面よりも後方のB−B断面の断面外縁形状は、図10(A)のように、横方向の長さLz2よりも縦方向の長さLy2の方が大きい縦長の断面外縁形状となっている。また、このB−B断面よりも後方のC−C断面の断面外縁形状は、図10(B)のように、横方向の長さLz3よりも縦方向の長さLy3の方が大きい縦長の断面外縁形状となっており、このC−C断面よりも後方のD−D断面の断面外縁形状は、図11(A)のように、横方向の長さLz4よりも縦方向の長さLy4の方が大きい縦長の断面外縁形状となっており、このD−D断面よりも後方のE−E断面の断面外縁形状は、図11(B)のように、横方向の長さLz5よりも縦方向の長さLy5の方が大きい縦長の断面外縁形状となっている。また、A−A断面、B−B断面、C−C断面、D−D断面、E−E断面以外の位置においても、断面外縁形状は、突部9を除いて「横方向の長さと縦方向の長さとが同一となる断面外縁形状」又は「横方向の長さが縦方向の長さよりも小さくなる断面外縁形状」のいずれかの形状となっている。
【0037】
このように横幅が抑えられた構成となっているため、図12で示す使用者の手H1のように、掌をあまり横に広げすぎずにグリップ部6(把持対象部7)をしっかりと持ちやすくなる。
【0038】
また、図5のように、グリップ部6には、延出方向(前後方向)における当該グリップ部6の中央部(即ち、位置P2の部分)よりもヘッド部5寄りの位置に、この中央部よりも横方向の幅が狭い絞り部7aが設けられている。本構成では、グリップ部6の前端位置P1から後方側となるにつれて徐々に幅が狭くなっており、このような漸減領域の後方に絞り部7aが設けられている。漸減領域では、後方となるにつれて徐々に幅が狭くなるが、絞り部7aの位置に達すると前後方向一定領域においてそれ以上の幅の減少が無くなるようになっている。そして、絞り部7aの更に後方には、後方となるにつれて徐々に幅が大きくなる漸増領域が設けられており、このような漸増領域の後方に膨出部7bが設けられている。漸増領域では、後方となるにつれて徐々に幅が大きくなるが、膨出部7bの位置に達すると前後方向一定領域においてそれ以上の幅の増加が無くなるようになっている。そして、膨出部7bの更に後方には、後方となるにつれて徐々に幅が狭くなる漸減領域が設けられている。なお、図5では、絞り部7aの幅をW2で示し、膨出部7bの幅をW3で示している。
【0039】
本構成では、グリップ部6における延出方向(前後方向)の全領域において、当該グリップ部6の横方向の幅が、読取口4の横方向の幅よりも小さくなっている。このようにグリップ部6の全体の幅を相対的に小さくすることで、グリップ部6全体が持ちやすくなる。より具体的には、例えば、グリップ部6における延出方向(前後方向)の全領域において、当該グリップ部6の横方向の幅が、読取口4の横方向の幅の50%以下であることが望ましい。
【0040】
また、把持対象部7を厚みのある構成とすることで握りやすさを高めるため、把持対象部7の前後方向の過半領域或いは全領域において、厚さ(即ち、グリップ部6の厚さ)が、ヘッド部5の先端部の厚さよりも大きくなっている。少なくともヘッド部5の先端部側の過半領域において、ヘッド部5の厚さが把持対象部7の厚さ(即ち、グリップ部6の厚さ)よりも小さくなっている。
【0041】
また、ヘッド部5が延びる所定方向と、グリップ部6が延びる延出方向(前後方向)とのなす角度が直角又は鈍角となっている。なお、ヘッド部5が延びる所定方向は、図6のように側面視したときにヘッド部5の先端部の下面が延びる方向としてもよく、図6のように側面視したときにヘッド部5の先端部の上面が延びる方向としてもよい。本構成では、図6のように側面視したときにヘッド部5の先端部の下面が延びる方向と、グリップ部6が延びる延出方向(前後方向)とのなす角度が直角又は鈍角(例えば、90°〜135°の範囲内)となっており、図6のように側面視したときにヘッド部5の先端部の上面が延びる方向と、グリップ部6が延びる延出方向(前後方向)とのなす角度についても直角又は鈍角(例えば、90°〜135°の範囲内)となっている。
【0042】
グリップ部6の長さが、ヘッド部5の長さよりも大きくなっている。より具体的には、ヘッド部5の長さとグリップ部6の長さの比率が、例えば、2:3程度となっていると良い。また、グリップ部6の長さは、手の幅(例えば、一般成人男性又は一般成人女性の手の幅の平均値)よりも長いことが望ましい。
【0043】
また、グリップ部6は、ケーブル2の一部を収容する収容部6dを備えると共に収容部6dの一方側が開口してなる本体部6aと、本体部6aにおける収容部6dの開口を開閉する開閉部材6bとを備えている。なお、本体部6aは、上側ケース3aと下側ケース3bの一部によって構成されており、開閉部材6bは、下側ケース3bにおける本体部6a以外の残余部分によって構成されている。そして、図3のように、開閉部材6bが収容部6dの開口を閉塞している閉塞状態のときに、ケーブル2が本体部6aと開閉部材6bとの間に挟まれて保持され、開閉部材6bが収容部の開口を閉塞していない開放状態のとき(即ち、開閉部材6bが本体部6aから取り外されたとき)には、本体部6a及び開閉部材6bによるケーブル2の挟み込みが解除される構成となっている。なお、図11(A)(B)で示すように、開閉部材6bは、本体部6a(グリップ部6における開閉部材6b以外の部分)に対し、自身に設けられた一対の係合爪を係合させることで取り付けられるようになっており、この係合爪の係合を解除することで、開閉部材6bを本体部6aから取り外すことができるようになっている。
【0044】
次に、上述のように構成される情報コード読取装置1を机面Sに載置する場合について、図13および図14を参照して説明する。
本実施形態に係る情報コード読取装置1は、読取作業性を高めるため、読取口4を介して照明光Lfが常時照射される構成となっている。このように照明光Lfが読取口4から照射されている状態で読取口4が下方となるように情報コード読取装置1を机面Sに載置する場合には、読取口4が机面Sによって覆われるため、読取口4から照射される照明光Lfが誤って人の目に入ることもない。
【0045】
これに対して、照明光Lfが読取口4から照射されている状態で載置側面8が下方となるように情報コード読取装置1を机面Sに載置する場合、まず机面Sには突部9が接触する。この接触状態で情報コード読取装置1から手を離すと、情報コード読取装置1の重心と突部9の位置との関係から、情報コード読取装置1が傾いて突部9と異なるケース3の一部が突部9とともに机面Sに接触する。
【0046】
このケース3の一部は、ケース3の外面において突部9を基準に上記所定の方向に対して直交する方向にて対向する一側接触部11および他側接触部12のいずれか一方となる。すなわち、載置側面8が下方となるように情報コード読取装置1を机面Sに載置する場合には、情報コード読取装置1は、図13(A)に示す状態から図13(B)に示す状態となるように、突部9と一側接触部11とが机面Sに接触するように傾いた載置状態か、図14(A)に示す状態から図14(B)に示す状態となるように、突部9と他側接触部12とが机面Sに接触するように傾いた載置状態となる。
【0047】
このように傾いた載置状態では、図13(B)および図14(B)からもわかるように、読取口4が水平方向に近づくようにヘッド部5も傾いた状態となる。このため、読取口4が真上(上方)を向くこともなく、照明光Lfが真上(上方)に照射されることもない。本実施形態では、グリップ部6の横方向の幅が読取口4の横方向の幅の50%以下に設定されているため、一側接触部11および他側接触部12は、ヘッド部5の一部となっているが、グリップ部6の横方向の幅が比較的広くなる形状では、一側接触部11および他側接触部12は、グリップ部6の一部となる場合もある。
【0048】
特に、一側接触部11および他側接触部12と突部9との距離が近く、ヘッド部5は先広がり形状であり上述のように傾いた状態ではその傾き方向により傾こうとするので、情報コード読取装置1は、図13(B)に示す状態から図13(C)に示す状態となるように傾いた載置状態か、図14(B)に示す状態から図14(C)に示す状態となるように傾いた載置状態となる。この場合には、読取口4がさらに水平方向に近づくようにヘッド部5もさらに傾いた状態となるので、読取口4はほぼ水平方向を向き、照明光Lfはほぼ水平方向に向けて照射されることとなる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置1では、読取口4を介して照明光Lfを照射する照明光源21がケース3内に設けられており、ケース3は、読取口4が一端側に形成されるヘッド部(読取部)5と当該ヘッド部5の他端側に対して折れ曲がるように連結するグリップ部(連結部)6とを有している。そして、グリップ部6の外面のうち読取口4から離れた面を載置側面8とするとき、この載置側面8には当該載置側面8に沿って読取口4から離れるように所定の方向に延びる突部9が形成される。
【0050】
これにより、載置側面8を下方にするように情報コード読取装置1を机面S等に載置した載置状態では、当該情報コード読取装置1の重心と突部9の位置との関係から、机面S等に対して突部9が接触するとともに一側接触部11および他側接触部12のいずれか一方が接触する。すなわち、この載置状態では、情報コード読取装置1は、机面S等に対して突部9にて支えられるように傾いて載置される(図13(B)および図14(B)参照)。これにより、ヘッド部5も傾いた状態となるため、読取口4が上方を向くこともなく、照明光Lfが上方に照射されることもない。そして、図13(C)や図14(C)に例示するようにさらに傾くことで、照明光Lfを常時照射する構成であっても載置状態で照明光Lfが上方に照射されることを防止することができる。
【0051】
さらに、突部9は、載置側面8においてヘッド部5との境界位置P1から後端部6c近傍(載置側面8の一方の縁から他方の縁)にかけて所定の方向に沿い連続的に延びるように形成されるため、突部9と机面S等との接触長さが長くなる。これにより、情報コード読取装置1が机面S等に対して突部9にて支えられるように傾いて載置されやすくなるので、照明光Lfが上方に照射されることを確実に防止することができる。特に、突部9が連続的に延びるように形成されているため、グリップ部6の把持対象部7を違和感なく把持することができる。
【0052】
特に、突部9の頂面は、突出方向に凸となるように曲面状に形成されるため、突部9が単に断面方形状に形成される場合と比較して、上記所定の方向に直交する方向において突部9と机面S等との接触長さが短くなる。これにより、情報コード読取装置1が机面S等に対して傾いて載置されやすくなるので、照明光Lfが上方に照射されることを確実に防止することができる。なお、突部9の頂面は、突出方向に凸となるように曲面状に形成されることに限らず、少なくとも一部が突出方向に凸となるように曲面状に形成されてもよい。
【0053】
また、グリップ部(連結部)6は、横方向の幅がヘッド部(読取部)5の横方向の幅の50%以下となるように形成されるため、一側接触部11および他側接触部12がヘッド部5の一部となりやすくなり、机面等に対して一側接触部11および他側接触部12のいずれか一方が突部9とともに接触する際の机面等に対する情報コード読取装置1の傾き角度がより大きくなる。このため、机面等に対するヘッド部5の傾きも大きくなり照明光Lfの照射方向がさらに水平方向に近づくので、照明光Lfが上方に照射されることをより確実に防止することができる。
【0054】
なお、グリップ部(連結部)6は、横方向の幅がヘッド部(読取部)5の横方向の幅よりも小さくなるように形成されるために一側接触部および他側接触部がグリップ部6の一部となる場合であっても、図15に例示するようにグリップ部6eの横方向の幅がヘッド部5aの横方向の幅程度に大きくなる場合と比較して、机面S等に対して一側接触部および他側接触部のいずれか一方が突部9とともに接触する際の机面S等に対する情報コード読取装置1の傾き角度が大きくなる。このため、机面S等に対するヘッド部5の傾きも大きくなり照明光Lfの照射方向が水平方向に近づくので、照明光Lfが上方に照射されることを確実に防止することができる。
【0055】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)載置側面8は、ヘッド部5の上側の外面の少なくとも一部を含んでもよい。そして、突部9は、載置側面8においてヘッド部5との境界位置P1から後端部6c近傍(載置側面8の一方の縁から他方の縁)にかけて所定の方向に沿い連続的に延びるように形成されることに限らず、上記所定の方向に沿う長さが当該突部9の横方向の幅よりも長い形状(例えば、横方向の幅の2倍以上となる形状や横方向の幅の3倍以上となる形状)であればよい。
【0056】
(2)また、突部9は、載置側面8においてヘッド部5との境界位置P1から後端部6c近傍(載置側面8の一方の縁から他方の縁)にかけて所定の方向に沿い断続的に延びるように形成されてもよい。このように構成される場合でも、突部9と机面S等との接触長さが長くなり、情報コード読取装置1が机面S等に対して突部9にて支えられるように傾いて載置されやすくなるので、照明光Lfが上方に照射されることを確実に防止することができる。特に、グリップ部6を把持する際の手の指の位置に合わせて突部9を断続的に延びるように形成することで、情報コード読取装置1を安定して把持させることができる。
【0057】
(3)突部9は、上記所定の方向に直交する断面が突出側ほど幅が狭くなるように形成されてもよい。例えば、図16に例示する突部9aのように上記所定の方向に直交する断面が略三角形状となるように形成されてもよいし、上記所定の方向に直交する断面が略台形状となるように形成されてもよい。このようにしても、突部が単に断面方形状に形成される場合と比較して、上記所定の方向に直交する方向において突部9と机面S等との接触長さが短くなる。これにより、情報コード読取装置1が机面S等に対して傾いて載置されやすくなるので、照明光Lfが上方に照射されることを確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0058】
1…情報コード読取装置
3…ケース
4…読取口
5…ヘッド部(読取部)
6…グリップ部(連結部)
8…載置側面
9,9a…突部
21…照明光源(照明手段)
23…撮像部(撮像手段)
図1
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