(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
A.第1実施形態
A−1.半導体装置の構成
図1は、第1実施形態における半導体装置10の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態では、半導体装置10は、縦型のショットキーバリアダイオードである。
図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。
【0015】
図1のXYZ軸のうち、X軸は、
図1の紙面左から紙面右に向かう軸であり、+X軸方向は、紙面右に向かう方向であり、−X軸方向は、紙面左に向かう方向である。
図1のXYZ軸のうち、Y軸は、
図1の紙面手前から紙面奥に向かう軸であり、+Y軸方向は、紙面奥に向かう方向であり、−Y軸方向は、紙面手前に向かう方向である。
図1のXYZ軸のうち、Z軸は、
図1の紙面下から紙面上に向かう軸であり、+Z軸方向は、紙面上に向かう方向であり、−Z軸方向は、紙面下に向かう方向である。
【0016】
半導体装置10は、窒化ガリウム(GaN)を用いて形成されたGaN系の半導体装置である。半導体装置10は、基板110と、半導体層120と、配線層160と、絶縁層180と、ショットキー電極190と、裏面電極170とを備える。
【0017】
半導体装置10の基板110は、X軸およびY軸に沿って広がる板状を成す半導体層である。本実施形態では、基板110は、窒化ガリウム(GaN)から主に形成され、ケイ素(Si)をドナーとして含有するn型半導体層である。本明細書において、「主に形成される」とは、モル分率において90%以上含有することを示す。
【0018】
半導体装置10の半導体層120は、X軸およびY軸に沿って広がるn型半導体層である。本実施形態では、半導体層120は、窒化ガリウム(GaN)から主に形成され、ケイ素(Si)をドナーとして含有する。半導体層120は、基板110の+Z軸方向側に積層されている。半導体層120は、界面121を有する。界面121は、半導体層120が広がるXY平面に沿うとともに+Z軸方向を向いた面である。界面121の少なくとも一部は、曲面であってもよいし、起伏を有してもよい。本実施形態において、半導体層120の膜厚は10μmであり、ドナー濃度は1×10
16cm
−3である。
【0019】
半導体装置10の絶縁層180は、電気絶縁性を有し、基板110と半導体層120との+Z軸側の面を被覆する。絶縁層180は、第1の絶縁層181と、第2の絶縁層182とを備える。
【0020】
絶縁層180における第1の絶縁層181は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)から形成され、基板110及び半導体層120と接する層である。本実施形態では、第1の絶縁層181の厚みは、100nmである。絶縁層180における第2の絶縁層182は、二酸化ケイ素(SiO
2)から形成される。本実施形態では、第2の絶縁層182の厚みは、500nmである。
【0021】
絶縁層180には、第1の絶縁層181および第2の絶縁層182を貫通する開口部185が形成されている。開口部185は、ウエットエッチングにより形成される。
【0022】
半導体装置10のショットキー電極190は、導電性を有し、半導体層120の界面121にショットキー接合された電極である。ショットキー電極190は、半導体層120と接する層から順に、ニッケル層192と、パラジウム層194と、モリブデン層196とを備える。本明細書において、ショットキー電極とは、半導体層120の電子親和力とショットキー電極として用いられる金属の仕事関数との差が、0.5eV以上の電極をいう。
【0023】
ショットキー電極190におけるニッケル層192は、主に、ニッケル(Ni)から形成されている。本実施形態において、ニッケル層192の厚みは、100nmである。ショットキー電極190におけるパラジウム層194は、主に、パラジウム(Pd)から形成されている。本実施形態において、パラジウム層194の厚みは、100nmである。半導体装置10におけるパラジウム層194のチタン含有量は、1.0×10
18(atm/ cm
3)以下である。また、ショットキー電極190におけるモリブデン層196は、主に、モリブデン(Mo)から形成されている。本実施形態において、モリブデン層196の厚みは、10nmである。モリブデン層196の厚みは、均質な層とするためには5nm以上が好ましく、応力による剥がれを防止する観点から500nm以下が好ましい。なお、ニッケル層192は、半導体層120と接している。パラジウム層194は、ニッケル層192と接している。モリブデン層196は、パラジウム層194と接している。
【0024】
半導体装置10の配線層160は、パッド電極や引き出し配線用の電極としてショットキー電極の上に設けられた電極層である。配線層160は、一般的に、ショットキー電極層よりも抵抗が小さくなるよう、Al、Au、Cuなどの比較的抵抗率の低い金属材料を含み厚く設けることが多い。半導体装置10の配線層160は、ショットキー電極190と接する層から順に、第1のチタン層162と、窒化チタン層164と、第2のチタン層166と、アルミニウム層168と、を備える。
【0025】
配線層160における第1のチタン層162は、主に、チタン(Ti)から形成されている。本実施形態において、第1のチタン層162の厚みは、20nmである。配線層160における窒化チタン層164は、主に、窒化チタン(TiN)から形成されている。本実施形態において、窒化チタン層164の厚みは、200nmである。配線層160における第2のチタン層166は、主に、チタン(Ti)から形成されている。本実施形態において、第2のチタン層166の厚みは、20nmである。なお、第1のチタン層162は、モリブデン層196と接している。窒化チタン層164は、第1のチタン層162と接している。第2のチタン層166は、窒化チタン層164と接している。
【0026】
配線層160におけるアルミニウム層168は、アルミニウム(Al)を含む層である。本実施形態において、アルミニウム層168は、アルミニウムシリコン(AlSi)から形成されている。アルミニウム層168は、アルミニウム(Al)にシリコン(Si)が1%添加されたアルミニウムシリコン(AlSi)から形成されている。なお、アルミニウム層168としては、主に、アルミニウムにより形成されている層としてもよい。また、アルミニウム層168は、アルミニウム銅(AlCu)から形成されていてもよい。本実施形態において、アルミニウム層168の厚みは、2000nmである。配線層160およびショットキー電極190が、ショットキーバリアダイオードのアノード電極となる。なお、アルミニウム層168は、第2のチタン層166と接している。
【0027】
半導体装置10の配線層160のうち、ショットキー電極190側に形成された第1のチタン層162、窒化チタン層164、および第2のチタン層166はバリアメタル層とも呼ばれる。これらの層は、ショットキー電極190とアルミニウム層168との間での金属の拡散を抑制するために設けられた層である。
【0028】
半導体装置10の裏面電極170は、基板110の−Z軸方向側にオーミック接合された電極である。裏面電極170は、基板110と接する層から順に、(i)チタン(Ti)を含むチタン層171と、(ii)アルミニウム(Al)を含むアルミニウム層172と、(iii)チタン(Ti)を含むチタン層173と、(iv)窒化チタン(TiN)を含む窒化チタン層174と、(v)チタン(Ti)を含むチタン層175と、(vi)銀(Ag)を含む銀層176と、を備える。本実施形態において、チタン層171の厚みは30nmであり、アルミニウム層172の厚みは300nmであり、チタン層173の厚みは20nmであり、窒化チタン層174の厚みは200nmであり、チタン層175の厚みは20nmであり、銀層176の厚みは100nmである。
【0029】
A−2.半導体装置の製造方法
図2は、半導体装置10の製造方法を示す工程図である。半導体装置10を製造する際には、製造者は、工程P110において、エピタキシャル成長によって基板110の上に半導体層120を形成する。本実施形態では、製造者は、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を実現するMOCVD装置を用いたエピタキシャル成長によって、基板110上に半導体層120を形成する。
【0030】
半導体層120を形成した(工程P110)後、製造者は、工程P115において、半導体層120のY軸(
図1参照)と垂直な断面がメサ(台地)状となるようにエッチングを行なう。
【0031】
エッチング(工程P110)(
図2参照)後、工程P120において、半導体層120の界面121に、ショットキー電極190を形成する。工程P120は、工程P122と、工程P124と、工程P126とを備える。
【0032】
工程P122は、半導体層120の上に、主にニッケル(Ni)によりニッケル層192を形成する工程である。工程P124は、工程P122後に、ニッケル層192の上に、主にパラジウム(Pd)によりパラジウム層194を形成する工程である。工程P126は、工程P124後に、パラジウム層194の上に、主にモリブデン(Mo)によりモリブデン層196を形成する工程である。本実施形態では、製造者は、ショットキー電極190をリフトオフ法によって形成する。
【0033】
ショットキー電極190を形成した(工程P120)後、製造者は、工程P130において、基板110と半導体層120とショットキー電極190との+Z軸側の面に、絶縁層180を形成する。工程P130は、工程P132と、工程P134とを備える。
【0034】
工程P132は、基板110と半導体層120とショットキー電極190との+Z軸側の面に、酸化アルミニウム(Al
2O
3)から形成される第1の絶縁層181を形成する工程である。本実施形態では、製造者は、ALD(Atomic Layer Deposition)法によって第1の絶縁層181を形成する。
【0035】
工程P134は、工程P132後に、第1の絶縁層181の上に、二酸化ケイ素(SiO
2)から形成される第2の絶縁層182を形成する工程である。本実施形態では、製造者は、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法によって第2の絶縁層182を形成する。
【0036】
絶縁層180を形成した(工程P130)後、製造者は、工程P140において、絶縁層180に、ウエットエッチングを用いて開口部185(
図1参照)を形成する。本実施形態では、製造者は、フォトリソグラフィによって、開口部185を形成する。
【0037】
開口部185を形成した(工程P140(
図2参照))後、製造者は、工程P150において、基板110の−Z軸方向側の面に裏面電極170を形成する。本実施形態では、製造者は、基板110の−Z軸方向側に、チタン層171と、アルミニウム層172と、チタン層173と、窒化チタン層174と、チタン層175と、銀層176とをこの順で形成する。本実施形態において、裏面電極170の形成は、蒸着法を用いるが、スパッタ法を用いてもよい。
【0038】
裏面電極170を形成した(工程P150)後、製造者は、工程P160において、熱処理を行なう。本実施形態における熱処理は、窒素雰囲気において400℃30分行なう。
【0039】
熱処理を行なった(工程P160)後、製造者は、工程P170において、絶縁層180及びショットキー電極190の上に、配線層160を形成する。工程P170は、工程P172と、工程P174と、工程P176と、工程P178とを備える。
【0040】
工程P172は、ショットキー電極190であるモリブデン層196の上、及び絶縁層180である第2の絶縁層182の上に、主にチタン(Ti)により第1のチタン層162を形成する工程である。工程P174は、工程P172後に、第1のチタン層162の上に、主に窒化チタン(TiN)により窒化チタン層164を形成する工程である。工程P176は、工程P174後に、窒化チタン層164の上に、主にチタン(Ti)により第2のチタン層166を形成する工程である。工程P178は、第2のチタン層166の上に、アルミニウム(Al)を含むアルミニウム層168を形成する工程である。本実施形態において、配線層160の成膜は、スパッタ法を用いるが、蒸着法を用いてもよい。成膜後は不要な部分をエッチングにより除去することにより、配線層160を形成する。本実施形態において、エッチングとして、ICP(Inductively Coupled Plasma)によるドライエッチングを採用するが、他のエッチング法を用いてもよい。また、エッチングは行なわず、リフトオフ法を用いてもよい。
【0041】
配線層160を形成した(工程P170)後、製造者は、工程P180において、熱処理を行なう。本実施形態における熱処理は、窒素雰囲気において400℃30分行なう。
【0042】
これらの工程を経て、半導体装置10が完成する。
【0043】
本実施形態の半導体装置10は、半導体層120と、ニッケル層192と、パラジウム層194と、モリブデン層196と、第1のチタン層162と、窒化チタン層164と、第2のチタン層166と、アルミニウム層168とが、この順に積層されている。また、半導体装置10におけるパラジウム層194のチタン含有量は、1.0×10
18(atm/ cm
3)以下である。
【0044】
本実施形態の半導体装置10は、配線層160の最外層として、金(Au)層の代わりにアルミニウム(Al)層を用いる。このため、半導体装置の材料として金(Au)を含む場合と比較して、半導体装置10は安価に製造することができる。
【0045】
また、本実施形態の半導体装置10は、ニッケル層192とアルミニウム層168との間に、複数の層が積層されている。このため、ニッケル層192とアルミニウム層168とが接することに起因して生じる逆方向耐圧の低下を、半導体装置10によれば低減することができる。
【0046】
本実施形態の半導体装置10において、ショットキー電極190は、半導体層120と密着性を有するニッケル層192と、仕事関数の大きいパラジウム層194とを含む。ショットキー電極190としてパラジウム層194を含むため、半導体装置10によれば、半導体層120とショットキー電極とのバリア高さを向上できる。
【0047】
本実施形態の半導体装置10において、パラジウム層194と第1のチタン層162との間に、モリブデン層196が積層されている。このため、パラジウム層194へのチタン(Ti)の拡散が抑制され、半導体装置10におけるパラジウム層194のチタン含有量は、1.0×10
18(atm/ cm
3)以下となる。この結果、パラジウム層194と第1のチタン層162とが接することや、パラジウム層194に多量のチタン(Ti)が含有されていることに起因して生じる逆方向耐圧の低下を、半導体装置10によれば低減することができる。以下に、パラジウム層のチタン含有率と逆方向耐圧との関係を示す実験結果を示す。
【0048】
A−3.実験結果
本実験において、実施例と比較例とを用いた。実施例として、上記製造方法により製造された半導体装置10を用いた。比較例として、半導体装置10のパラジウム層194に予めチタン(Ti)を10
21(atm/ cm
3)混ぜた半導体装置10Aを用いた。なお、上記以外の部分において、実施例と比較例は同じである。
図3及び
図4は実施例の結果を示し、
図5及び
図6は比較例の結果を示す。
【0049】
図3は、半導体装置の深さと、各成分濃度との関係を示す図である。
図3のサンプルとして、上記製造方法により製造された半導体装置10(実施例)を用いた。
図3は、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)により得られた結果である。
図3において、縦軸は各成分の濃度(atm/ cm
3)を示し、横軸は半導体装置の深さ(μm)を示す。深さが0μmの地点は、半導体層120の任意の点を示し、深さが約1.6μm付近から約2.5μm付近までにショットキー電極190の各成分と、配線層160の各成分とが、この順に検出されている。
【0050】
図3において、深さが約1.8μmから約1.9μm付近に、パラジウム(Pd)のピークがある。他の材料と比較してパラジウム(Pd)の濃度が最も多い部分が、パラジウム層194である。
図3において、半導体装置10(実施例)のパラジウム層194のチタン含有量が1.0×10
18(atm/ cm
3)以下であることが分かる。なお、モリブデン層196のチタン含有量についても1.0×10
18(atm/ cm
3)以下であることが分かる。
【0051】
図4は、電流密度(A/cm
2)と逆方向電圧(V)との関係を示す図である。
図4のサンプルとして、半導体装置10(実施例)を用いた。
図4は、半導体装置10へ逆方向電圧を印加した場合における電流密度を示す。つまり、
図4は、半導体装置10の配線層160を電源の陰極と接続し、半導体装置10の裏面電極170を電源の陽極と接続した場合における電流密度を示す。
【0052】
図4において、半導体装置10へ印加した逆方向電圧が0Vから約20Vまでの範囲では、逆方向電圧の増加とともに電流密度が減少しているが、約20Vから200Vまでの範囲では、逆方向電圧の増加とともに電流密度が増加していることがわかる。
【0053】
図5は、半導体装置の深さと、各成分濃度との関係を示す図である。
図5のサンプルとして、半導体装置10A(比較例)を用いた。
図5は、
図3の結果と同様に、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)により得られた結果である。
図5において、縦軸は各成分の濃度(atm/ cm
3)を示し、横軸は半導体装置の深さ(μm)を示す。深さが0μmの地点は、半導体層の任意の点を示し、深さが約1.2μm付近から約1.9μm付近までにショットキー電極190Aの各成分と、配線層160Aの各成分とが、この順に検出されている。
【0054】
図5において、深さが約1.3μmから約1.4μm付近に、パラジウム(Pd)のピークがある。他の材料と比較してパラジウム(Pd)の濃度が最も多い部分が、半導体装置10Aのパラジウム層194Aである。
図5において、半導体装置10A(比較例)のパラジウム層194Aのチタン含有量が約1.0×10
21(atm/ cm
3)であることが分かる。
【0055】
図6は、電流密度(A/cm
2)と逆方向電圧との関係を示す図である。
図6のサンプルとして、半導体装置10A(比較例)を用いた。
図6は、
図4の結果と同様に、半導体装置10Aへ逆方向電圧を印加した場合における電流密度を示す。
【0056】
図6の結果から、半導体装置10Aへ印加した逆方向電圧の大きさによらず、電流密度が約1.0×10
−3(A/cm
2)であることが分かる。この結果から、半導体装置10Aは、電流がリークしており、ショートしていることがわかる。
【0057】
図4から
図6までに示される結果から、パラジウム層のチタン含有量が1.0×10
18(atm/ cm
3)より大きい半導体装置10Aの場合と比較して、パラジウム層のチタン含有量が1.0×10
18(atm/ cm
3)以下である半導体装置10の逆方向耐圧が高いことが分かる。つまり、パラジウム層のチタン含有率が高い場合に、逆方向耐圧が下がることが分かる。
【0058】
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態における半導体装置20の製造方法を示す工程図である。第1実施形態における半導体装置10の製造方法(
図2参照)と比較して、第2実施形態における半導体装置20の製造方法は、工程P160における熱処理を行なわない点が異なるが、それ以外は同じである。
【0059】
第2実施形態における半導体装置20の製造方法は、ニッケル層を形成する工程(工程P122)からアルミニウム層を形成する工程(工程P178)までに、熱処理する工程を含まず、アルミニウム層を形成する工程(工程P178)の後に、熱処理する工程(工程P180)を含む。このようにすることにより、熱処理に起因して第1のチタン層162からパラジウム層194までチタン(Ti)が拡散することを抑制できる。この結果として、パラジウム層194のチタン含有量の増加を抑制できる。このため、半導体装置20の製造方法によれば、逆方向耐圧の低下をより低減することができる。
【0060】
C.その他の実施形態
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0061】
上述の実施形態において、絶縁層の各層を形成する手法は、ALD法やCVD法に限らず、スパッタ法や塗布法などであってもよい。
【0062】
上述の実施形態において、ショットキー電極190の形成(工程P110)と、裏面電極170の形成(工程P150)と、配線層160の形成(工程P170)とが、この順で行なわれている。しかし、これに限られない。例えば、ショットキー電極190の形成後に、配線層160を形成し、その後に、配線層160の形成が行なわれてもよい。
【0063】
上述の実施形態において、絶縁層として、酸化シリコン(SiO
2)と酸化アルミニウム(Al
2O
3)とを用いたが、これに限られず、単層や上記以外の積層構造であってもよい。絶縁層としては、例えば、酸化シリコン(SiO
2)、窒化シリコン(SiN)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸窒化アルミニウム(AlON)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸窒化ジルコニウム(ZrON)、酸窒化シリコン(SiON)を用いてもよい。
【0064】
上述の実施形態において、n型半導体層に含まれるドナーは、ケイ素(Si)に限らず、例えば、ゲルマニウム(Ge)、酸素(O)などであってもよい。
【0065】
上述の実施形態において、半導体装置としてショットキーバリアダイオードを用いたが、これに限らず、MESFET(Metal-Semiconductor Field Effect Transistor)やHFET(hetero-FET)などのショットキー電極を備えた半導体装置に用いてもよい。
【0066】
上述の実施形態において、裏面電極の材質は、他の材料を用いてもよい。他の材料としては、例えば、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)などの他の金属であってもよい。
【0067】
上述の実施形態において、成膜装置については特に限定していないが、パラジウム層へのチタン(Ti)の混入を抑制する観点から、チタン(Ti)を備えない成膜装置を用いることが好ましい。