特許第6398965号(P6398965)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6398965POSシステム、登録装置、精算装置およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6398965
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月3日
(54)【発明の名称】POSシステム、登録装置、精算装置およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20180920BHJP
   G07G 1/14 20060101ALI20180920BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20180920BHJP
【FI】
   G07G1/12 321H
   G07G1/14
   G07G1/12 321E
   G06Q30/06
【請求項の数】9
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-247238(P2015-247238)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2016-119093(P2016-119093A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2017年6月2日
(31)【優先権主張番号】特願2014-257924(P2014-257924)
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 文克
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−119880(JP,A)
【文献】 特開2011−054053(JP,A)
【文献】 特開2001−202418(JP,A)
【文献】 特許第2776917(JP,B2)
【文献】 特開2003−115084(JP,A)
【文献】 特開2009−104553(JP,A)
【文献】 特開2014−010618(JP,A)
【文献】 特開平05−233963(JP,A)
【文献】 特開2014−142922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムであって、
前記登録装置は、
登録された前記商品の登録情報と、前記顧客が所望する現金の引き出しに関する情報とを出力する出力手段、
を備え、
前記精算装置は、
出力された前記現金の引き出しに関する情報に基づく現金の引き出しに関する処理と、出力された前記登録情報に基づ精算処理を行ことを特徴とするPOSシステム。
【請求項2】
前記登録装置は、前記商品の登録が完了するまでに、前記精算装置で精算する支払方法の種別を示す支払種別情報を出力する前に前記支払方法の種別を選択させる種別選択手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記種別選択手段により選択された支払方法の種別を示す情報を、前記顧客が前記商品の精算を行う際の支払方法の種別を示す支払種別情報として出力することを特徴とする請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項3】
前記種別選択手段は、前記支払方法の複数の種別を示すボタンで構成され、
前記登録装置は、前記精算装置の状態に応じて前記ボタンの表示態様を変えて表示することを特徴とする請求項2に記載のPOSシステム。
【請求項4】
前記種別選択手段は、前記支払方法の複数の種別を示すボタンで構成され、
前記登録装置は、前記顧客を識別するための客識別情報を取得する取得手段と、取得された前記客識別情報に基づいて、少なくとも前記客識別情報と顧客が予め登録した支払方法の種別を示す支払方法の種別とを対応付けて記憶する記憶手段とを備える装置から前記支払方法の種別を読み出す読出し手段とを備え、読み出した前記顧客の前記支払方法の種別に基づいて前記ボタンの表示態様を変えて表示することを特徴とする請求項2に記載のPOSシステム。
【請求項5】
前記登録装置は、選択された支払方法の支払金額の入力を受け付ける入力部をさらに備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のPOSシステム。
【請求項6】
前記精算装置は、前記登録装置から出力された情報に前記現金の引き出しを示す情報が含まれていた場合に、当該現金の引き出しに関する処理を行った後に、登録された商品の精算処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項7】
顧客が購入する商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムにおける登録装置であって、
前記登録装置は、
登録された前記商品の登録情報と、前記顧客が所望する現金の引き出しに関する情報とを出力する出力手段を備えることを特徴とする登録装置。
【請求項8】
顧客が購入する商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムにおける精算装置であって、
前記精算装置は、
登録された前記商品の登録情報と、前記顧客が所望する現金の引き出しに関する情報とを出力する出力手段、を備える登録装置から出力された前記現金の引き出しに関する情報に基づく現金の引き出しに関する処理と、出力された前記登録情報に基づ精算処理を行ことを特徴とする精算装置。
【請求項9】
顧客が購入する商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムとして、前記登録装置に相当する第一のコンピュータ及び前記精算装置に相当する第二のコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
前記第一のコンピュータに対し、
登録された前記商品の登録情報と、前記顧客が所望する現金の引き出しに関する情報とを出力する出力手段を実行させ、
前記第二のコンピュータに対し、
出力された前記現金の引き出しに関する情報に基づく現金の引き出しに関する処理と、出力された前記登録情報に基づ精算処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、商品を登録する登録装置と、登録された商品の精算を行う精算装置とが分離しているPOS(Point Of Sales)システムが存在する(例えば、特許文献1参照)。このようなPOSシステムでは、顧客自らが精算装置を操作して支払方法を選択し、商品の代金の精算を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−158993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、操作に慣れない顧客の場合、精算に時間がかかってしまうという問題があった。このような問題は、支払方法の選択に限らず、顧客が精算装置を操作して行う選択全てに共通する問題である。
上記事情に鑑み、本発明は、精算にかかる時間を短縮することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、顧客が購入する商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムであって、前記登録装置は、登録された前記商品の登録情報と、前記顧客が所望する現金の引き出しに関する情報とを出力する出力手段、を備え、前記精算装置は、出力された前記現金の引き出しに関する情報に基づく現金の引き出しに関する処理と、出力された前記登録情報に基づ精算処理とを行ことを特徴とするPOSシステムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記のPOSシステムであって前記登録装置は、前記商品の登録が完了するまでに、前記精算装置で精算する支払方法の種別を示す支払種別情報を出力する前に前記支払方法の種別を選択させる種別選択手段をさらに備え、前記出力手段は、前記種別選択手段により選択された支払方法の種別を示す情報を、前記顧客が前記商品の精算を行う際の支払方法の種別を示す支払種別情報として出力することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様は、上記のPOSシステムであって、前記種別選択手段は、前記支払方法の複数の種別を示すボタンで構成され、前記登録装置は、前記精算装置の状態に応じて前記ボタンの表示態様を変えて表示することを特徴とする。
本発明の一態様は、上記のPOSシステムであって、前記種別選択手段は、前記支払方法の複数の種別を示すボタンで構成され、前記登録装置は、前記顧客を識別するための客識別情報を取得する取得手段と、取得された前記客識別情報に基づいて、少なくとも前記客識別情報と顧客が予め登録した支払方法の種別を示す支払方法の種別とを対応付けて記憶する記憶手段とを備える装置から前記支払方法の種別を読み出す読出し手段とを備え、読み出した前記顧客の前記支払方法の種別に基づいて前記ボタンの表示態様を変えて表示することを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様は、上記のPOSシステムであって、前記登録装置は、選択された支払方法の支払金額の入力を受け付ける入力部をさらに備えることを特徴とする
【0013】
本発明の一態様は、上記のPOSシステムであって、前記精算装置は、前記登録装置から出力された情報に前記現金の引き出しを示す情報が含まれていた場合に、当該現金の引き出しに関する処理を行った後に、登録された商品の精算処理を行うことを特徴とする
【0021】
本発明の一態様は、顧客が購入する商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムにおける登録装置であって、前記登録装置は、登録された前記商品の登録情報と、前記顧客が所望する現金の引き出しに関する情報とを出力する出力手段を備えることを特徴とする登録装置である。
【0023】
本発明の一態様は、顧客が購入する商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムにおける精算装置であって、前記精算装置は、登録された前記商品の登録情報と、前記顧客が所望する現金の引き出しに関する情報とを出力する出力手段、を備える登録装置から出力された前記現金の引き出しに関する情報に基づく現金の引き出しに関する処理と、出力された前記登録情報に基づ精算処理を行ことを特徴とする精算装置である。
【0025】
本発明の一態様は、顧客が購入する商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムとして、前記登録装置に相当する第一のコンピュータ及び前記精算装置に相当する第二のコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記第一のコンピュータに対し、登録された前記商品の登録情報と、前記顧客が所望する現金の引き出しに関する情報とを出力する出力手段を実行させ、前記第二のコンピュータに対し、出力された前記現金の引き出しに関する情報に基づく現金の引き出しに関する処理と、出力された前記登録情報に基づ精算処理を実行させるコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、精算にかかる時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】POSシステム100のシステム構成を示す図である。
図2】登録装置20及び精算装置30の外観構成を示す斜視図である。
図3】本実施形態における登録装置20の構成を示す概略ブロック図である。
図4】登録装置20から送信される登録情報及び支払種別情報の具体例を示す図である。
図5】本実施形態における精算装置30の構成を示す概略ブロック図である。
図6】支払種別選択画面の表示例を示す図である。
図7】精算装置30に表示される支払画面の具体例を示す図である。
図8】本発明における登録装置20の処理の流れを示すフローチャートである。
図9】本発明における精算装置30の処理の流れを示すフローチャートである。
図10】管理装置10が記憶している会員情報ファイルの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、POSシステム100のシステム構成を示す図である。POSシステム100は、例えばスーパーマーケット等の店舗に設置される。POSシステム100は、管理装置10、登録装置20及び複数の精算装置30(図1では、3台)を備える。管理装置10、登録装置20及び精算装置30のそれぞれがLAN(Local Area Network)を介して通信可能に接続される。登録装置20及び精算装置30は、例えば、店舗フロア(不図示)に設置される。管理装置10は、例えば、店舗のバックヤード(不図示)などに設置される。
【0029】
管理装置10は、店舗フロアの各装置(登録装置20、精算装置30)や、店舗外部の装置(例えば、不図示の本部の装置)等と通信するコンピュータ(サーバ)である。管理装置10は、例えばストアコントローラである。管理装置10は、少なくとも、制御部(不図示)と、記憶部(不図示)と、通信部(不図示)と、を備える。
【0030】
記憶部は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部は、商品ファイルをマスタファイルとして記憶する。商品ファイルは、商品コード(例えば、JAN(Japanese Article Number))、商品名、販売価格等の商品に関する情報(以下、「商品情報」という。)が登録されたファイルである。
【0031】
また、記憶部は、取引情報ファイルを記憶する。取引情報ファイルは、精算処理が行なわれた1取引ごとの取引情報が登録されたファイルである。精算処理とは、顧客が購入する商品(以下、「買上商品」という。)の買上金額を決済する処理である。取引情報は、各取引を特定(識別)するための取引番号、各取引の明細情報を含む取引に関する情報、及び、商品の精算処理に関わる情報の種別を示す情報(以下、「種別情報」という。)を含む。種別情報の具体例として、支払方法の種別を示す情報(以下、「支払種別情報」という。)、レシートの種別を示す情報(以下、「レシート種別情報」という。)、領収書の種別を示す情報(以下、「領収書種別情報」という。)などがある。本実施形態では、種別情報の具体例として、支払種別情報を例に説明する。
【0032】
取引情報に含まれる明細情報には、取引の処理を行った装置(登録装置20又は精算装置30)の装置番号、顧客ID、種別情報(例えば、支払種別情報)、レシート番号(取引番号)、取引日時、商品名(又は商品コード)、単価、買上点数、買上金額(合計金額)、預り金額、釣銭金額などの情報が含まれていればよい。
取引情報に含まれる支払種別情報は、当該取引における精算の際の支払方法の種別を表している。支払種別情報は、少なくとも、支払方法が現金であるか、クレジットカードであるかを特定する。
【0033】
管理装置10の通信部は、制御部の制御によって種々の情報を送受信する。例えば、通信部は、外部(例えば、本部のサーバ)から商品ファイルを受信する。通信部が外部から受信した商品ファイルは、記憶部に記憶される。また、通信部は、記憶部に記憶した商品ファイルを登録装置20や精算装置30に送信する。また、通信部は、登録装置20や精算装置30との間で取引情報(取引実績)を送受信する。
制御部は、管理装置10全体を制御し、通信部によって受信された取引情報を取引情報ファイルに記録する。
【0034】
登録装置20は、商品(買上商品)を登録する登録処理を実行する装置である。店員(オペレータ)は、登録装置20を操作し、登録装置20に登録処理を実行させる。登録装置20は、登録処理において登録された買上商品の登録情報を生成するとともに、支払種別情報を生成する。登録装置20は、生成した登録情報と、支払種別情報とを出力する。例えば、登録装置20は、登録情報と、支払種別情報とを精算装置30に送信する。つまり、登録装置20は、精算装置30が精算処理に使用する登録情報と、顧客が精算装置30で買上商品の精算を行う際の支払方法の種別の情報とを精算装置30に送信する。登録情報には、少なくとも取引番号や登録された商品の商品情報などが含まれる。
【0035】
精算装置30は、登録装置20における登録処理によって登録された買上商品の代金を精算する精算処理を実行する装置である。顧客は、登録装置20における登録処理の完了後、精算装置30の設置場所に移動し、精算装置30を顧客自らが操作して精算装置30(セルフPOSレジスタ)に精算処理を実行させる。
【0036】
精算装置30は、例えば登録装置20から送信された登録情報に基づいて精算処理を実行する。精算装置30は、支払種別情報に応じた画面を表示し、顧客から商品の代金を受け付ける。例えば、支払種別情報によって特定される支払方法の種別が現金である場合、精算装置30は現金による精算を受け付ける旨の表示を行う。支払種別情報によって特定される支払方法の種別がクレジットカードである場合、精算装置30はクレジットカードによる精算を受け付ける旨の表示を行う。
【0037】
以上のように、登録装置20は、登録処理において登録情報及び支払種別情報を生成する。精算装置30は、登録装置20において生成された登録情報及び支払種別情報を取得し、取得した支払種別情報に応じた画面を表示し、登録情報で示される商品の代金を受け付ける。精算装置30が登録情報及び支払種別情報を取得する態様、すなわち、POSシステム100において、登録情報及び支払種別情報を登録装置20から精算装置30に供給する態様には、種々の態様がある。以下、1つの態様を例に説明する。
【0038】
(精算装置30を指定する態様)
この態様は、精算処理を実行させる精算装置30を登録装置20で指定し、LANを介して指定先の精算装置30に登録情報及び支払種別情報を供給する態様である。当該態様の場合、登録装置20は、精算処理を実行させる精算装置30を指定する入力を店員から受け付ける。なお、精算装置30の指定は、登録情報及び支払種別情報を精算装置30において読み出されるようにする宣言の1つである。
【0039】
登録装置20は、店員により精算処理を実行させる精算装置30を指定する入力があったときに、管理装置10を介して精算装置30に登録情報及び支払種別情報を送信するようにしてもよいし、直接、精算装置30に登録情報及び支払種別情報を送信してもよい。
【0040】
図2は、登録装置20及び精算装置30の外観構成を示す斜視図である。
登録装置20は、外部構成としてスキャナ部204と、店員用表示部205と、客用表示部206(図2では不図示)と、操作部207とを備える。登録装置20が備える各機能部の具体的な説明は後述する(図3)。
精算装置30は、外部構成として表示部304と、操作部305と、印刷部308と、釣銭釣札部309と、サインポール310とを備える。精算装置30が備える各機能部の具体的な説明は後述する(図4)。
図2に示されるように、本実施形態におけるPOSシステム100では、登録装置20と精算装置30とが分離されて構成される。
【0041】
図3は、本実施形態における登録装置20の構成を示す概略ブロック図である。
登録装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ部204と、店員用表示部205と、客用表示部206と、操作部207と、通信部208と、ブザー209とを備える。上記の登録装置20の各機能部は、バス2を介して互いに接続されている。
【0042】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出してRAM203に展開する。CPU201は、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、登録装置20全体の動作を制御する。例えば、CPU201は、店員の操作に応じて後述する支払種別選択画面を店員用表示部205に表示させる。
ROM202は、種々の情報を記憶する。例えば、ROM202は、CPU201によって実行されるプログラムや、自装置の装置番号などを記憶する。
【0043】
RAM203は、種々の情報を一時記憶する。例えば、RAM203は、ROM202から読み出されたプログラムや、当該プログラムの実行などによって取得又は生成される情報(例えば、商品情報、登録情報、取引情報など)を一時記憶する。なお、RAM203は、商品ファイルを一時記憶してもよい。
【0044】
スキャナ部204は、商品に付されたバーコードを光学的に読み取って当該商品の商品コードを取得(コード化されていた商品コードを逆変換して取得)する。スキャナ部204は、取得した商品コードをCPU201に通知する。
【0045】
店員用表示部205は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。店員用表示部205は、支払種別選択画面を表示する。支払種別選択画面は、商品の精算時における顧客の支払方法の種別を選択させる画面である。また、店員用表示部205は、支払方法の種別を選択させるための種別選択ボタン(種別選択手段)を表示する。種別選択ボタンは、例えば支払種別選択画面上に表示される。なお、店員用表示部205は、所定の商品(例えば、生鮮食料品)を登録するためのプリセットボタンを表示してもよい。また、店員用表示部205は、操作部207に代えて操作部207が備える操作ボタン(後述)と同様の機能を有する各種のGUI(graphical user interface)操作ボタンを表示してもよい。つまり、店員用表示部205は、液晶タッチディスプレイ装置であってもよい。店員用表示部205において店員の操作があった場合には、操作信号がCPU201に通知される。
【0046】
客用表示部206は、登録された商品の品名や単価、買上点数や買上商品の合計金額などの情報を顧客に対して表示する。また、客用表示部206は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を用いた発光型の表示デバイスであり、例えば7セグメント表示やドット表示(フルドット表示)によって数字などをその表面に発光して表示する。客用表示部206は、店員用表示部205と同様、液晶タッチディスプレイ装置であってもよい。客用表示部206において顧客の操作があった場合には、操作信号がCPU201に通知される。
【0047】
操作部207は、各種の操作ボタン(操作キー)を備える。例えば、操作部207は、数字ボタン(数字キー)、小計ボタン(小計キー)、精算装置指定ボタン(精算装置指定キー)、種別選択ボタン(種別選択キー)、確認ボタン(確認キー)、取消ボタン(取消キー)などを備える。また、操作部207は、上述のプリセットボタン(プリセットキー)を備えていてもよい。これら操作部207の操作ボタンは、メカキー(ハードキー)等のボタンとして配置されていてもよいし、店員用表示部205の表示面上に設けられたタッチパネルに配置されてもよい。操作部207において、店員の操作があった場合には、操作信号がCPU201に通知される。
【0048】
通信部208は、LANを介して他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、通信部208(出力手段)は、管理装置10から商品ファイルを受信する。また、例えば、通信部208(出力手段)は、登録情報及び支払種別情報を精算装置30に送信する。
ブザー209は、CPU201の制御に従って、エラー等が発生した場合にブザー音を発生させる。
【0049】
図4は、登録装置20から送信される登録情報及び支払種別情報の具体例を示す図である。
図4に示される登録情報及び支払種別情報は、登録装置20から精算装置30に送信される情報である。登録情報の具体例として、取引番号、・・・、買上点数、買上金額などの情報がある。なお、図4に示される登録情報の項目“・・・”には、買上商品の情報の項目が設けられる。例えば、買上商品の商品名、販売価格などである。また、支払種別情報の項目には、登録装置20にて選択された支払方法の種別を示す情報が含まれる。
【0050】
図5は、本実施形態における精算装置30の構成を示す概略ブロック図である。
精算装置30は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、表示部304と、操作部305と、通信部306と、ブザー307と、印刷部308と、釣銭釣札部309と、サインポール310と、人感知センサ311、カードリーダ312とを備える。上記の精算装置30の各機能部は、バス3を介して互いに接続されている。
【0051】
CPU301は、中央演算処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出してRAM303に展開する。CPU301は、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、精算装置30全体の動作を制御する。例えば、CPU301は、表示部304に対して支払種別情報に応じた支払画面を表示させ、支払画面に買上商品の合計金額を表示させる。
ROM302は、種々の情報を記憶する。例えば、ROM302は、CPU301によって実行されるプログラムや、自装置の装置番号などを記憶する。
【0052】
RAM303は、種々の情報を一時記憶する。例えば、RAM303は、ROM302から読み出されたプログラムや、当該プログラムの実行などによって取得又は生成される情報(例えば、登録情報、支払種別情報、取引情報など)を一時記憶する。なお、RAM303は、商品ファイルを一時記憶してもよい。
【0053】
表示部304は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置である。表示部304は、支払種別情報に応じた支払画面を表示し、表示した支払画面に買上商品の合計金額を表示する。表示部304は、操作部305に代えて操作部305が備える操作ボタン(後述)と同様の機能を有する各種のGUI操作ボタンを表示してもよい。つまり、表示部304は、液晶タッチディスプレイ装置であってもよい。表示部304において店員の操作があった場合には、操作信号がCPU301に通知される。
【0054】
操作部305は、各種の操作ボタン(操作キー)を備える。例えば、操作部305は、数字ボタン(数字キー)、小計ボタン(小計キー)、取消ボタン(取消キー)、精算実行ボタン(精算実行キー)などを備える。精算実行キーは、精算装置30に対して精算処理を開始させる際に顧客によって使用されるキーである。これら操作部305の操作ボタンは、メカキー(ハードキー)等のボタンとして配置されていてもよいし、表示部304の表示面上に設けられたタッチパネルに配置されてもよい。操作部305において、顧客又は店員の操作があった場合には、操作信号がCPU301に通知される。
【0055】
通信部306は、LANを介して他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、通信部306は、登録情報及び支払種別情報を登録装置20から受信する。また、例えば、通信部306は、取引情報を管理装置10に送信する。
ブザー307は、CPU301の制御に従って、エラー等が発生した場合にブザー音を発生させる。
【0056】
印刷部308は、CPU301の制御に従って印刷物を発行する。例えば、印刷部308は、CPU301の制御に従って明細情報が印字された印字レシートを発行する。
釣銭釣札部309は、現金投入口と現金払出口を有する。釣銭釣札部309は、現金投入口に現金が投入された場合、投入された貨幣の情報及び数量情報をCPU301に出力する。また、釣銭釣札部309は、CPU301から入力された差額情報に応じた金額の釣銭又は釣札を現金払出口から払い出す。
【0057】
サインポール310は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯又は点滅させることで精算処理を実行させる精算装置30が選択された装置であることを示す情報を顧客に報知したり、操作可能である旨を報知したりする。
人感知センサ311は、精算装置30の正面の所定圏内に人物(顧客)が侵入したことを検知するセンサである。人物(顧客)が侵入したことを検知すると、人感知センサ311はその旨をCPU301に通知する。
カードリーダ312は、磁気カードリーダや無線LANカードリーダである。カードリーダ312は、各種カード(例えば、クレジットカード)に記憶されている情報を読み取り(取得し)、読み取った(取得した)情報をCPU301に出力する。
【0058】
図6は、支払種別選択画面の表示例を示す図である。
支払種別選択画面は、店員が精算処理を実行させる精算装置30を選択した際に店員用表示部205に表示される。つまり、精算装置指定ボタンが押下されたことを示す操作信号がCPU201に通知されると、CPU201は支払種別選択画面を店員用表示部205に表示させる。図6に示される例では、支払種別選択画面には、店員に対する通知を示す文字列と、種別選択ボタンとして支払種別選択キー40及び41とが表示されている。店員に対する通知を示す文字列の具体例として、図6には「お支払方法を選択してください。」の文字列が表示されている。
【0059】
支払種別選択キー40及び41は、支払方法の種別を選択させるためのボタン(キー)である。例えば、支払種別選択キー40は支払方法の種別として現金を選択する場合に選択されるボタンであり、支払種別選択キー41は支払方法の種別としてクレジットカードを選択する場合に選択されるボタンである。なお、以下の説明において、支払種別選択キー40及び41を特に区別しない場合には支払種別選択キーと記載する。
【0060】
以下、支払種別選択画面が表示されている場合の登録装置20の処理について説明する。
まず、店員は、精算装置指定ボタンを押下して精算装置30を指定した後に、顧客に対して、支払方法の種別を問い合わせる。その後、店員は、顧客が所望する支払方法の種別に対応する支払種別選択キーを押下する。CPU201は、押下された支払種別選択キーに対応する支払方法の種別を示す支払種別情報と、顧客の買上商品の登録情報とを指定された精算装置30に送信する。
【0061】
図7は、精算装置30に表示される支払画面の具体例を示す図である。
図7(A)は、現金によるお支払の場合に表示部304に表示される支払画面である。図7(A)に示される支払画面は、支払種別情報で特定される支払方法が現金である場合に表示部304に表示される画面である。すなわち、CPU301は、登録装置20から送信された支払種別情報で特定される支払方法が現金である場合に表示部304に対して図7(A)に示される支払画面を表示させる。
【0062】
図7(A)に示される支払画面には、支払方法表示領域42及び支払金額表示領域43が表示される。支払方法表示領域42は、顧客に対して支払方法の情報が表示される領域である。図7(A)の例では、支払方法表示領域42には、現金によるお支払であることや、現金の支払いを促す情報(例えば、お金を入れてください)が表示される。支払金額表示領域43は、支払金額に関する情報が表示される領域である。図7(A)の例では、支払金額表示領域43には、顧客が支払う買上商品の合計金額であるお支払金額の情報や、顧客が支払った現金の合計金額であるお預り金額の情報などが表示される。
【0063】
図7(B)は、クレジットカードによるお支払の場合に表示部304に表示される支払画面である。図7(B)に示される支払画面は、支払種別情報で特定される支払方法がクレジットカードである場合に表示部304に表示される画面である。すなわち、CPU301は、登録装置20から送信された支払種別情報で特定される支払方法がクレジットカードである場合に表示部304に対して図7(B)に示される支払画面を表示させる。
【0064】
図7(B)に示される支払画面には、支払方法表示領域44及び支払金額表示領域45が表示される。支払方法表示領域44は、顧客に対して支払方法の情報が表示される領域である。図7(B)の例では、支払方法表示領域44には、クレジットカードによるお支払であることや、クレジットカードの支払いを促す情報(例えば、クレジットカードをカードリーダに挿入又は後押してください)が表示される。支払金額表示領域45は、支払金額に関する情報が表示される領域である。図7(B)の例では、支払金額表示領域45には、顧客が支払う買上商品の合計金額であるお支払金額の情報が表示される。
【0065】
図8は、本発明における登録装置20の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS10:CPU201は、商品の登録を受け付ける。その後、ステップS12の処理に進む。
ステップS12:CPU201は、小計キーが押下されたか否か判定する。小計キーが押下された場合、ステップS14の処理に進む。小計キーが押下されていない場合、ステップS10の処理に戻る。
【0066】
ステップS14:CPU201は、精算処理を実行させる精算装置30の選択を受け付ける。精算処理を実行させる精算装置30の選択がなされると、すなわち、精算装置指定ボタンが押下されると、ステップS16の処理に進む。
ステップS16:CPU201は、店員用表示部205に支払種別選択画面を表示させ、店員から支払方法の種別の選択を受け付ける。店員から支払方法の種別の選択がなされると、ステップS18の処理に進む。
ステップS18:通信部208は、登録情報及び選択された支払方法の種別を示す支払種別情報を、指定された精算装置30に送信する。
【0067】
図9は、本発明における精算装置30の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS20:通信部306は、登録装置20から送信された登録情報及び支払種別情報を受信する。その後、ステップS22の処理に進む。
ステップS22:通信部306は、登録装置20から送信された登録情報及び支払種別情報を受信する。その後、ステップS24の処理に進む。
【0068】
ステップS24:人感知センサ311により顧客が自装置の所定圏内に進入した旨の通知がなされると、CPU301は受信された支払種別情報で特定される支払方法に応じた支払画面を表示部304に表示させる。表示部304は、CPU301の制御に従って支払方法に応じた支払画面を表示する。その後、ステップS26の処理に進む。
【0069】
ステップS26:CPU301は、顧客から代金の支払いを受け付ける。例えば、支払種別情報で特定される支払方法が現金である場合、CPU301は釣銭釣札部309の現金投入口を開放して現金の入金を受け付ける。現金投入口に代金が入金されると、釣銭釣札部309は投入された代金の貨幣の情報及び数量情報をCPU301に出力する。また、支払種別情報で特定される支払方法がクレジットカードである場合、CPU301はカードリーダ312を制御してクレジットカードによる支払いを受け付ける。その後、ステップS28の処理に進む。
ステップS28:CPU301は、ステップS26の処理で受け付けた支払方法に基づいて、登録情報で特定される商品の精算を行う。その後、CPU301は、通信部306を制御して取引情報を管理装置10に送信する。
なお、上記ステップS24の処理とステップS26の処理とは同じタイミングで行われてもよいし、又は、逆(ステップS26の処理が行なわれた後にステップS24の処理)に行われてもよい。
【0070】
以上のように構成されたPOSシステム100によれば、顧客の精算時における手間を軽減することができる。具体的には、店員は、登録処理を行っている間に、顧客から支払方法を受け付ける。そして、店員は、受け付けた支払方法を選択する。これにより、登録装置20側で顧客の精算時の支払方法の種別を決定することができる。登録装置20は、決定した支払方法の種別情報を精算装置30に送信する。そして、顧客が精算時に精算装置30に精算処理を行うために精算実行キーを押下すると、精算装置30は、登録装置20にて決定された支払方法に応じた支払画面を表示する。したがって、顧客が精算時に支払方法を選択操作が無くなる。そのため、精算にかかる時間を短縮することが可能になる。
【0071】
<変形例>
本実施形態では、POSシステム100が備える登録装置20は1台であるが、POSシステム100は2台以上の登録装置20を備えるように構成されてもよい。本実施形態では、POSシステム100が備える精算装置30は3台であるが、POSシステム100は4台以上の精算装置30を備えるように構成されてもよいし、2台以下の精算装置30を備えるように構成されてもよい。
また、POSシステム100には、上記各装置(管理装置10、登録装置20及び精算装置30)に加えて監視装置などが接続されていてもよい。監視装置は、登録装置20や精算装置30の処理状況等の監視等を行う、所謂アシストモニターである。このように構成される場合、登録装置20又は精算装置30は、取引情報をアシストモニターに送信してもよい。
支払種別選択画面において、支払種別としてクレジットカードが選択された場合、登録装置20はクレジットカードの支払回数を選択させるように構成されてもよい。
【0072】
図2に示した登録装置20の店員用表示部205には、図6に示した画面(支払種別選択画面)等が表示される。また、図2に示した精算装置30の表示部304には、図7に示した画面(支払画面)等が表示される。
本実施形態では、登録装置20は、店員用表示部205に支払種別選択画面を表示する構成を示したが、支払種別選択画面を客用表示部206に表示してもよい。このように構成される場合、登録装置20は、商品の登録が開始されると、支払種別選択画面を客用表示部206に表示させる。そして、顧客によって支払種別の選択がなされると、登録装置20は上述のように、登録情報と支払種別情報とを指定された精算装置30に送信する。 このように構成されることによって、商品の登録に要する時間を利用して、待ち時間の間に顧客に支払種別を選択させることができる。さらに、登録装置20側で顧客が支払種別を選択するため、精算時とは異なり顧客はわからないことがあればその場で店員に質問することができる。したがって、操作に不慣れな顧客であっても操作にまごついてしまう可能性を軽減することができる。この操作によって、顧客が精算時に支払方法を選択操作が無くなる。そのため、精算にかかる時間を短縮することが可能になる。
【0073】
図6では、支払種別選択画面に表示される支払種別選択キーとして、2つの支払種別選択キー(支払種別選択キー40及び支払種別選択キー41)が表示されている例を示したが、これに限定される必要はない。例えば、支払種別選択画面には、支払種別選択キーとして3つ以上の支払種別選択キーが表示されてもよい。例えば、3つ以上の支払種別選択キーが表示される場合には、その他の支払種別選択キーに対応する支払方法の種別として、商品券、電子マネー(例えば、suica(登録商標)など)カードなどがある。
登録装置20は、1回の取引において複数の支払方法の種別を選択可能に構成されてもよい。このように構成される場合、登録装置20は、支払種別選択画面において支払種別選択キーの他に、複数の支払方法の種別を選択するための複数支払種別選択キーを表示する。店員は、複数支払種別選択キーを押下した後に複数の支払種別選択キーを選択する。登録装置20は、支払方法の種別毎に、支払金額を入力させる。例えば、支払金額の入力は、置数入力であってもよいし、支払金額を選択させてもよい。支払金額を選択させる場合には、残高全額、所定の桁以下の金額、所定の桁以上の金額などの項目が登録装置20に表示される。そして、登録装置20は、選択された複数の支払種別選択キーそれぞれに対応する支払方法の種別及び支払方法の種別毎の支払金額の情報を含む支払種別情報を精算装置30に送信する。
このように構成されることによって、顧客に複数の支払方法を選択させることができる。例えば顧客が、支払金額を電子マネーで支払い、不足部分を現金やポイントやクレジットカードなどで支払いたい場合などにも対応することができる。
【0074】
また、支払種別選択画面には、支払種別選択キーとして1つの支払種別選択キーが表示されて以下のような処理が行なわれてもよい。例えば、登録装置20は、1つの支払種別選択キーが店員に押下される度に、支払方法の種別を変更してもよい。具体的には、登録装置20は、1つの支払種別選択キーが店員に押下される度に、現金→クレジットカード→電子マネーカードなどのように1つの支払種別選択キーで複数の種別を切り替える。
【0075】
また、精算装置30の状態によっては、現金決済ができない場合やクレジットカードや電子マネー等による決済ができない場合がある。例えば、現金決済ができない場合とは、釣銭がエンド又はニアエンド、あるいはフル又はニアフルの場合である。また、例えば、クレジットカードや電子マネー等による決済ができない場合とは、精算装置30が外部通信不能な場合である。登録装置20は、支払種別選択画面を表示する際に精算装置30の状態を確認し、精算装置30が上記のいずれかの状態(現金決済ができない場合やクレジットカードや電子マネー等による決済ができない場合)である場合には、該当する状態に対応する支払種別選択キーを選択できないように表示させてもよい。具体的には、登録装置20は、精算装置30が上記のいずれかの状態である場合には、該当する状態に対応する支払種別選択キーを支払種別選択画面の選択枠から消してもよいし(支払種別選択画面に表示しないようにしてもよいし)、グレーアウトで表示させて選択できないようにしてもよいし、その他の方法で選択できないようにしてもよい。例えば、精算装置30が現金決済をできない場合には、登録装置20は支払種別選択画面の現金に対応する支払種別選択キー40を選択できないように表示させる。また、登録装置20は、精算装置30が上記のいずれかの状態(現金決済ができない場合やクレジットカードや電子マネー等による決済ができない場合)である場合には、該当する状態に対応する支払種別選択キーの色を反転させて選択可能な状態とはするが、選択しないほうが良いことを示すような表示としてもよい。
【0076】
本実施形態では、登録装置20で商品の精算処理に関わる情報の種別を選択する例を示したが、登録装置20において商品を入れるための袋(例えば、レジ袋かマイバック)を店員が選択できるように構成されてもよい。このように構成される場合、CPU201は、精算装置指定ボタンが押下された後に、商品を入れるための袋を選択するための画面を表示してもよい。
【0077】
本実施形態では、支払種別選択画面を表示させるタイミングとして、精算処理を実行させる精算装置30が選択された後に支払種別選択画面を表示させる構成を示したが、支払種別選択画面を表示させるタイミングはその他のタイミングであってもよい。例えば、支払種別選択画面は、1取引が開始されて1番最初に商品が登録された後に表示されてもよいし、1取引が開始される前に表示されてもよいし、会員カードが読み取られた後に表示されてもよいし、小計キーが押下された後に表示されてもよいし、その他のタイミングであってもよい。つまり、登録装置20の登録処理が完了するまでの間であれば、CPU201はどのタイミングで支払種別選択画面を店員用表示部205に表示させてもよい。登録装置20の登録処理が完了するタイミングとは、指定された精算装置30に登録情報及び種別情報が送信されたタイミングや、取引情報が管理装置10に送信されたタイミングである。
【0078】
以下、種別情報の別例について説明する。
(種別情報が支払種別情報の他にレシート種別情報を含む場合)
この場合、登録装置20は、精算装置指定ボタンが押下された後に、支払種別選択画面の他にレシート種別選択画面を店員用表示部205に表示する。レシート種別選択画面は、顧客が受け取るレシートの種別を選択させる画面である。レシートの種別として、例えば印字レシート(紙媒体に印字されたレシート)及び電子レシート(電子情報化されたレシート)がある。レシート種別選択画面は、例えば図6に示した支払種別選択画面と表示される内容のみが異なる画面である。すなわち、レシート種別選択画面には、「レシートを選択してください」の文字列と、レシートの種別を選択させるためのレシート種別選択ボタンとが表示される。レシート種別選択ボタンは、例えば、印字レシートを選択するためのボタン及び電子レシートを選択するためのボタンである。そして、登録装置20は、支払種別情報とレシート種別情報とを含む種別情報及び登録情報を精算装置30に送信する。なお、レシート種別選択画面を表示させるタイミングは、支払種別選択画面を表示させる前であってもよいし、後であってもよい。また、登録装置20は、商品の登録時にレシート種別選択画面を客用表示部206に表示するように構成されてもよい。なお、このように構成される場合、登録装置20がレシート種別選択画面を客用表示部206に表示させるタイミングは、支払種別選択画面を表示させる前であってもよいし、後であってもよい。
【0079】
精算装置30は、登録装置20から送信された種別情報及び登録情報を受信し、種別情報に含まれる支払種別情報で示される支払方法の種別に応じた支払画面を表示する。そして、精算装置30は、精算処理が完了した後に、種別情報に含まれるレシート種別情報で示されるレシートの種別でレシートを出力する。
このように構成されることによって、支払方法の種別の選択だけでなく、レシートの種別の選択も店員が行うため、顧客が精算装置で行う操作を減らすことができる。そのため、より精算にかかる時間を短縮することが可能になる。
【0080】
(種別情報が支払種別情報及びレシート種別情報の他に領収書種別情報を含む場合)
この場合、登録装置20は、精算装置指定ボタンが押下された後に、支払種別選択画面及びレシート種別選択画面の他に領収書種別選択画面を店員用表示部205に表示する。領収書種別選択画面は、領収書の種別を選択させる画面である。領収書の種別として、例えば領収書の有無(要否)、領収書が有り(必要)の場合には領収書を紙媒体に印字されたシート(以下、「印字領収書」という。)で発行するか、電子情報化されたシート(以下、「電子領収書」という。)で発行するか、印字領収書及び電子領収書の両方で発行するかなどがある。領収書種別選択画面は、例えば図6に示した支払種別選択画面と表示される内容のみが異なる画面である。すなわち、領収書種別選択画面には、「領収書を選択してください」の文字列と、領収書の発行有無を選択させるための領収書発行選択ボタンとが表示される。
【0081】
領収書の発行有りが選択された場合、次にCPU201は領収書の種別を選択させるための領収書種別選択ボタンを店員用表示部205に表示させる。領収書種別選択ボタンは、例えば、印字領収書を選択するためのボタン、電子領収書を選択するためのボタン及び印字領収書と電子領収書の両方を選択するためのボタンなどである。そして、登録装置20は、支払種別情報とレシート種別情報と領収書種別情報とを含む種別情報及び登録情報を精算装置30に送信する。なお、領収書種別選択画面を表示させるタイミングは、支払種別選択画面を表示させる前であってもよいし、後であってもよいし、レシート種別選択画面を表示させる前であってもよいし、後であってもよい。また、登録装置20は、商品の登録時に領収書種別選択画面を客用表示部206に表示するように構成されてもよい。なお、このように構成される場合、登録装置20が領収書種別選択画面を客用表示部206に表示させるタイミングは、支払種別選択画面を表示させる前であってもよいし、後であってもよいし、レシート種別選択画面を表示させる前であってもよいし、後であってもよい。
【0082】
精算装置30は、登録装置20から送信された種別情報及び登録情報を受信し、種別情報に含まれる支払種別情報で示される支払方法の種別に応じた支払画面を表示する。そして、精算装置30は、精算処理が完了した後に、種別情報に含まれるレシート種別情報で示されるレシートの種別でレシートを発行する。さらに、精算装置30は、種別情報に含まれる領収書種別情報で示される領収書の種別で領収書を出力する。
このように構成されることによって、支払方法の種別の選択及びレシートの種別の選択だけでなく、領収書の種別の選択も店員が行うため、顧客が精算装置で行う操作をさらに減らすことができる。そのため、より精算にかかる時間を短縮することが可能になる。
【0083】
本実施形態では、支払方法の種別を店員が選択する構成を示したが、顧客が会員である場合には、登録装置20は会員である顧客が予め登録した種別情報で示される支払種別情報を当該顧客の支払方法の種別と判定してもよい。ここで、会員とは、POSシステム100が設置されている店舗において、例えば、ポイントサービス(店は、商品の購入金額などに応じた点数(ポイント)を会員に付与し、会員は付与されたポイントを購入代金の一部に充当したり、商品と交換したりすることができるサービス)の提供を受けることができる人物である。このように構成される場合、管理装置10は会員情報ファイルを記憶し、登録装置20はカードリーダ(取得手段)を備えるように構成される。会員情報ファイルは、会員に関する情報(以下、「会員情報」という。)が登録されたファイルである。また、カードリーダは、磁気カードリーダや無線LANカードリーダである。カードリーダは、各種カード(例えば、クレジットカード、電子マネー(例えば、suica(登録商標)など)カード、会員カード)に記憶されている情報を読み取り(取得し)、読み取った(取得した)情報をCPU201に出力する。例えば、カードリーダは、会員カードに記憶されている会員ID(客識別情報)を読み取り、読み取った会員IDをCPU201に出力する。会員カードとは、顧客が会員情報を登録した店舗で顧客に対して発行されるカードである。
【0084】
図10は、管理装置10が記憶している会員情報ファイルの具体例を示す図である。
会員情報ファイルは、会員に関する情報を表すレコードを複数有する。レコードは、会員ID、顧客名及び種別情報の各値を有する。会員IDは、会員を識別するための識別情報を表す。顧客名は、会員の名前を表す。会員情報ファイルに登録されている種別情報は、会員が予め登録した、精算処理に関わる情報の種別の情報を表す。図10では、種別情報の具体例として支払方法の種別を例に、現金、クレジットカード及び−が示されている。なお、“−”は、精算処理に関わる情報の種別の設定がなされていないことを表す。また、会員情報ファイルには、種別情報として支払方法の種別の他にレシートの種別及び領収書の種別が登録されていてもよい。
【0085】
図10に示される例では、会員情報ファイルには3つの会員IDが登録されている。図10において、会員情報ファイルの最上段に登録されているレコードは、会員IDの値が“0001”、顧客名の値が“AAA”、支払方法の種別の値が“現金”である。すなわち、会員ID“0001”で識別される会員の名前が“AAA”であり、当該会員が予め登録した、精算時の支払方法が“現金”であることが表されている。
【0086】
また、図10において、会員情報ファイルの2段目に登録されているレコードは、会員IDの値が“0002”、顧客名の値が“BBB”、支払方法の種別の値が“クレジットカード”である。すなわち、会員ID“0002”で識別される会員の名前が“BBB”であり、当該会員が予め登録した、精算時の支払方法が“クレジットカード”であることが表されている。
【0087】
また、図10において、会員情報ファイルの3段目に登録されているレコードは、会員IDの値が“0003”、顧客名の値が“CCC”、支払方法の種別の値が“−”である。すなわち、会員ID“0003”で識別される会員の名前が“CCC”であり、当該会員において、精算時の支払方法が設定されていないことが表されている。
【0088】
以下、会員カードを利用する場合の処理について説明する。
顧客が店員の指示に応じて会員カードをカードリーダに近づけると、カードリーダは会員カードから会員IDを取得する。カードリーダは、取得した会員IDをCPU201に通知する。これにより、CPU201は会員IDを取得する。その後、CPU201(読出し手段)は、取得した会員IDに基づいて、会員IDによって識別される会員が予め登録した種別情報(例えば、支払種別情報、レシート種別情報及び領収書種別情報)を、通信部208を介して管理装置10から読み出す。
【0089】
具体的には、以下の通りである。
CPU201は、通信部208を制御して会員IDに対応する種別情報の問い合わせを行う。管理装置10は、記憶部に記憶されている会員情報ファイルのレコードから問い合わせされている会員IDに対応するレコードを取得する。次に、管理装置10は、取得したレコードの種別情報の項目に記録されている値を取得する。そして、管理装置10は、取得した値を登録装置20に送信する。その後、登録装置20のCPU201は、通信部208を介して管理装置10から種別情報を示す値を受信し、受信した値をRAM203に一時記憶させる。店員によって精算装置指定ボタンが押下されると、CPU201は、登録情報及びRAM203に一時記憶されている値で示される種別情報を、指定された精算装置30に送信する。
【0090】
このように構成されることによって、店員も種別情報で示される種別(例えば、支払方法の種別、レシートの種別及び領収書の種別)を選択する必要が無くなる。これにより、顧客一人当たりに対する処理時間を削減することができる。そのため、登録装置20において、待ち行列が発生してしまう可能性を軽減することが可能になる。
【0091】
しかし、上述したように店員も顧客(会員)も種別情報で示される種別(例えば、支払方法の種別、レシートの種別及び領収書の種別)を選択しない場合には、会員が、登録している種別情報で示される種別と異なる種別を選択したくても対応することができない。例えば、会員が、登録している支払方法の種別と異なる支払方法の種別(現金の場合、クレジットカードなど)で精算を行いたい場合に対応することができない。そこで、会員カードを利用する場合には以下のような処理が行なわれてもよい。なお、この説明では、支払方法の種別を例に説明する。
【0092】
店員によって精算装置指定ボタンが押下されると、CPU201は、店員用表示部205に支払種別選択画面を表示させ、店員から支払方法の種別の選択を受け付ける。この際、CPU201(制御手段)は、会員IDに応じて支払種別選択キーの表示態様を制御する。例えば、会員IDで識別される会員が予め登録した支払種別情報で示される支払方法の種別が現金である場合、CPU201(制御手段)は現金に対応する支払種別選択キー(図6では、支払種別選択キー40)の表示を、クレジットカードに対応する支払種別選択キー(図6では、支払種別選択キー41)と異なる態様で表示する。
【0093】
例えば、CPU201(制御手段)は、現金に対応する支払種別選択キーの背景に色を付けて表示させてもよいし、現金に対応する支払種別選択キーを他の支払方法(例えば、クレジットカード)の種別に対応する支払種別選択キーより大きく表示させてもよいし、現金に対応する支払種別選択キーを点滅させて表示させてよいし、その他の表示態様で現金に対応する支払種別選択キーを表示させてもよい。また、CPU201は、会員IDで識別される会員が予め登録した支払方法の種別が他の支払方法の種別(例えば、クレジットカード)である場合も、会員IDで識別される会員が予め登録した支払方法の種別が現金である場合と同様に、表示態様を制御する。また、CPU201は、会員IDで識別される会員が予め登録した他の種別情報(レシート種別情報及び領収書種別情報)の場合も上記と同様に表示態様を制御する。
【0094】
このように構成されることによって、店員は一目で会員の登録した支払方法の種別を判別することができる。また、会員ではない顧客の場合と比べて顧客に対して支払方法について問い合わせる際にも「支払方法はどうなさいますか」のように顧客に支払方法を毎回言わせるのではなく、「支払方法は○○と登録されていますが、この支払方法でよろしいですか」というように顧客がYes又はNOで返せるような言い方が可能になる。これによって、顧客に対して支払方法について毎回言わせるといった行動を抑えることができる。そのため、顧客に対して、毎回問い合わせされることによる発生し得るストレスを軽減させることができる。
【0095】
会員カードを利用する場合のその他の例について説明する。
顧客が店員の指示に応じて会員カードをカードリーダに近づけると、カードリーダは会員カードから会員IDを取得する。カードリーダは、取得した会員IDをCPU201に通知する。これにより、CPU201は会員IDを取得する。この際、CPU201は、取得した会員IDに基づく種別情報を管理装置10から読み出す処理を行わない。その後、実施形態に記載のように商品の登録、支払方法の種別の選択及び精算装置30の指定がなされると、CPU201は通信部208を制御して登録情報、種別情報及び会員IDを含む情報を、指定された精算装置30に送信する。精算装置30は、登録装置20から送信された情報を受信すると、受信した情報に会員IDが含まれるか否か判定する。受信した情報に会員IDが含まれない場合、精算装置30は図9に記載の処理を実行する。
【0096】
一方、受信した情報に会員IDが含まれる場合、精算装置30は以下の処理を実行する。まず、CPU301は、会員IDに基づいて、会員IDによって識別される会員が予め登録した種別情報を、通信部306を介して管理装置10から読み出す。具体的には、以下の通りである。CPU301は、通信部306を制御して会員IDに対応する種別情報の問い合わせを行う。管理装置10は、記憶部に記憶されている会員情報ファイルのレコードから問い合わせされている会員IDに対応するレコードを取得する。次に、管理装置10は、取得したレコードの種別情報の項目に記録されている値を取得する。そして、管理装置10は、取得した値を精算装置30に送信する。その後、精算装置30のCPU301は、通信部306を介して管理装置10から種別情報を示す値を受信し、受信した値をRAM303に一時記憶させる。その後、人感知センサ311により顧客が自装置の所定圏内に進入した旨の通知がなされると、CPU301は、RAM303に一時記憶させた値で示される種別情報に応じた処理を行う。例えば、CPU301は、種別情報に含まれる支払種別情報に応じた支払画面を表示部304に表示させる。また、例えば、CPU301は、精算処理後に、種別情報に含まれるレシート種別情報に応じたレシートを出力する。また、例えば、CPU301は、精算処理後に、種別情報に含まれる領収書種別情報に応じた領収書を出力する。
【0097】
このように構成されることによって、顧客が会員である場合には、登録装置20で精算処理に関わる情報の種別を選択する必要が無くなる。そのため、登録装置20で行われる処理に要する時間を削減することができる。また、精算装置30では、顧客が精算装置30の前に来たときには画面に顧客の支払方法の種別に応じた画面が表示されている。そのため、顧客は、精算装置30に来た時に即座に精算を行うことができる。
【0098】
また、登録装置20は、登録情報及び種別情報を、精算処理を実行させる精算装置30に送信する際に、精算装置30が通信を行うことが可能であるか否か判断する判断手段(不図示)によって、精算装置30が通信不能(オフラインやLANの断線等による通信不能)と判断された場合、登録した登録情報及び種別情報を呼び出すためのお会計券(登録商標)を発行するように構成されてもよい。このように構成される場合、登録装置20は印刷部を備え、精算装置30はスキャナ部を備える。お会計券は、ある取引の買上データ(登録情報)を特定するための情報がコード化(例えば、1次元バーコード化又は2次元コード(例えばQRコード(登録商標))化)されて印刷されたシートである。お会計券上のコードは精算装置30が備えるスキャナ部によって読み取られ、当該精算装置30に精算すべき取引情報が(一次元コードの場合は管理装置10又は登録装置20より、二次元コードの場合は二次元コードより)読み出される。印刷部は、CPU201の制御に従って印刷物を発行する。例えば、印刷部は、お会計券を発行する。
【0099】
また、本実施形態では、登録情報及び種別情報を登録装置20から精算装置30に供給する態様として、精算装置30を指定する態様を例に説明したが、その他の態様で登録情報及び種別情報を登録装置20から精算装置30に供給してもよい。以下、複数の態様について説明する。
【0100】
(お会計券を発行する態様)
登録装置20でお会計券を発行し、精算装置30でお会計券上のコード情報を読み取らせることによって、登録情報を供給する態様である。当該態様の場合、登録装置20は、お会計券を発行する旨の入力を店員から受け付ける。例えば、登録装置20は、操作部207の操作手段であるお会計券発行の指示の入力を店員から受け付ける。なお、お会計券を発行する旨の入力は、商品の登録情報を精算装置30において読み出されるようにする宣言の1つである。
【0101】
(取引番号を1次元バーコード化する態様)
登録装置20は、お会計券を発行する旨の入力があったときに、取引番号を1次元バーコード化した1次元バーコードを印刷したお会計券を発行する。精算装置30は、お会計券に印刷された1次元バーコードを読み取って取引番号を取得し、取得した取引番号によって特定される登録情報及び種別情報を登録装置20に要求し、登録装置20は、精算装置30からの要求に応じて該当する登録情報及び種別情報を精算装置30に送信すればよい。なお、精算装置30は、管理装置10に要求情報(登録情報及び種別情報を要求する情報)を送信してもよいし、直接、登録装置20に要求情報を送信してもよい。また、登録装置20は、管理装置10を介して精算装置30に登録情報及び種別情報を送信してもよいし、直接、精算装置30に登録情報及び種別情報を送信してもよい。
【0102】
なお、精算装置30は、スキャナ部により1次元バーコードが印刷されたお会計券から取引番号を取得した場合に、管理装置10から登録情報及び種別情報を取得してもよい。つまり、精算装置30は、登録装置20に記憶されている登録情報及び種別情報を当該登録装置20に要求するのではなく、管理装置10に記憶している登録情報及び種別情報(登録装置20が生成後に管理装置10に送信したもの)を管理装置10に要求してもよい。
【0103】
(登録情報及び種別情報を2次元バーコード化する態様)
また、登録装置20は、お会計券を発行する旨の入力があったときに、取引番号を1次元にコード化した1次元バーコードを印刷したお会計券に代えて、登録情報及び種別情報を2次元にコード(例えばQRコード)化した2次元バーコードを印刷したお会計券を発行するように構成されてもよい。このように構成される場合には、精算装置30は、お会計券に印刷された2次元バーコードをスキャナ部により読み取って登録情報及び種別情報を取得することができる。
【0104】
登録装置20は、精算装置指定ボタンの操作状態に応じて支払方法の種別を判定してもよい。例えば、登録装置20のCPU201は、精算装置指定ボタンがタップされた場合には支払方法の種別を現金と判定し、精算装置指定ボタンが長押しされた場合には支払方法の種別をクレジットカードと判定してもよい。この場合、CPU201は、判定した結果を支払種別情報として登録情報とともに通信部208を介して、指定した精算装置30に送信する。なお、支払方法の種別が3つ以上ある場合には、CPU201は、長押しの時間毎に支払方法の種別を判定してもよいし、支払方法の種別毎に操作状態(例えば、タップ、長押し、ピンチインなど)が対応付けて設定されていて操作状態に応じて支払方法の種別を判定してもよい。
このように構成されることによって、登録装置20は、支払方法の種別を選択するための画面(支払種別選択画面)を選択しなくて済む。これにより、画面遷移の回数を減らすことができ、より時間を短縮することができる。さらに、登録装置20にかかる処理負荷も軽減することができる。
【0105】
また、図6に示した支払種別選択画面は一例であり、これに限定される必要はない。例えば、予め登録装置20に設定された支払方法の種別の文字列と、YESボタン及びNOボタンとを支払種別選択画面に表示させ、店員にYESボタン又はNOボタンのいずれかのボタンを選択させるように構成されてもよい。このように構成される場合、支払種別選択画面には、店員に対する通知を示す文字列の具体例として「予め設定された支払方法の種別(例えば、現金)となっております。これでよろしいですか。」などの文字列が表示される。店員は、支払種別選択画面に表示されている内容と、顧客からの要望を聞いて該当するボタン(YESボタン又はNOボタン)を選択する。また、会員カードが読み取られた場合には、会員IDで識別される会員があらかじめ登録している支払方法の種別の情報を予め登録装置20に設定された支払方法の種別として支払種別選択画面に表示させてもよい。レシート種別選択画面及び領収書種別選択画面も支払種別選択画面と同様に変更されてもよい。
【0106】
管理装置10は、会員の取引情報に応じて会員情報ファイルに登録されている種別情報を変更するように構成されてもよい。具体的には、以下の通りである。管理装置10は、精算装置30から取引情報を受信し、受信した取引情報から会員ID、種別情報の各値を取得する。次に、管理装置10は、記憶部に記憶されている会員情報ファイルを読み出す。管理装置10は、読み出した会員情報ファイルに登録されているレコードのうち、取得した会員IDに対応するレコードを選択する。その後、管理装置10は、選択したレコードの種別情報の項目に登録されている値と、取得した種別情報が示す値とを比較する。種別情報の項目に登録されている値と、取得した種別情報とで一致しない種別情報の項目がある場合、管理装置10は一致しない種別情報の項目に登録されている値を、取得したその項目の種別情報の値で上書きすることによって種別情報の項目を更新する。例えば、種別情報で示される支払種別情報、レシート種別情報及び領収書種別情報それぞれの項目に登録されている値と、取得した種別情報に含まれる支払種別情報、レシート種別情報及び領収書種別情報それぞれとで一致しない種別情報の項目(例えば、支払種別情報の項目)がある場合、管理装置10は一致しない種別情報の項目(例えば、支払種別情報の項目)に登録されている値を、取得したその項目(例えば、支払種別情報の項目)の値で上書きすることによって一致しない種別情報の項目を更新する。
以上の処理によって、管理装置10は、会員の取引情報に応じて会員情報ファイルに登録されている種別情報を変更することができる。
【0107】
また、管理装置10は、会員の種別情報を、会員の取引情報が受信される度に更新してもよいし、同じ会員の取引情報が所定の回数(例えば、3回)受信された際に更新してもよい。管理装置10は、同じ会員の取引情報が所定の回数(例えば、3回)受信された際に会員の種別情報を更新する場合、所定の回数中に受信された取引情報に含まれる種別情報で示される支払種別情報、レシート種別情報及び領収書種別情報それぞれについて最も多い値(例えば、支払方法の種別を例にすると、現金を示す値が多い場合には、現金の値)で、種別情報を更新してもよいし、所定の回数が経過タイミングで受信された取引情報に含まれる種別情報種別情報で示される支払種別情報、レシート種別情報及び領収書種別情報それぞれで会員情報ファイルに登録されている種別情報を更新してもよい。
また、登録装置20は、精算処理に関わる情報の種別の選択が完了した後、登録情報及び種別情報を2次元バーコード(例えばQRコード)化した2次元バーコードの情報(コード情報)を精算装置30に送信するように構成されてもよい。
【0108】
本実施形態では、支払画面を表示させるタイミングとして、人感知センサ311により顧客が自装置の所定圏内に進入した旨の通知がなされた後に支払画面を表示させる構成を示したが、支払画面を表示させるタイミングはその他のタイミングであってもよい。例えば、精算装置30は、顧客が購入する商品を精算装置30の近傍に置いたタイミングで支払画面を表示してもよいし、顔認証がなされたタイミングで支払画面を表示してもよい。以下、それぞれのタイミングにおける処理について説明する。
【0109】
(顧客が購入する商品を精算装置30の近傍に置いたタイミング)
この場合、精算装置30の近傍には、顧客が購入する商品を置くための台が設置される。そして、台には重さを検知するセンサ(例えば、重量センサ)が取り付けられる。顧客によって商品が台の上に置かれると、商品が台の上に置かれた旨の通知をセンサが精算装置30に送信する。CPU301は、商品が台の上に置かれた旨の通知を受信すると、表示部304に支払画面を表示させる。
【0110】
また、上記の精算装置30側で商品が台の上に置かれた場合に支払画面を表示させる例では、全ての顧客が対象となってしまい、本来の精算対象となる顧客以外の顧客が台の上に商品を置いた場合であっても支払画面が表示されてしまう。そこで、POSシステム100はさらに以下のように構成されてもよい。
例えば、登録装置20側でも顧客が購入する商品の総重量(カゴの重さなども含む)を測定し、登録情報に総重量の情報を含めて精算装置30に送信する。登録装置20側で顧客が購入する商品の総重量を測定するタイミングとしては、店員によって精算装置指定ボタンが押下されたタイミングなどであってもよい。
【0111】
そして、精算装置30は、顧客によって商品が台の上に置かれると、上述した重さを検知するセンサ(例えば、重量センサ)から重量の情報を取得する。CPU301は、取得した重量の情報と、登録装置20から送信された登録情報に含まれる総重量の情報とを比較して重量差が所定の閾値未満である場合に表示部304に支払画面を表示させる。
このように構成されることによって、全ての顧客ではなく特定の顧客に対してのみ支払画面を表示させることができる。そのため、本来の精算対象となる顧客以外の顧客が台の上に商品を置いた場合であっても支払画面が表示されてしまう可能性を軽減することが可能になる。
【0112】
(顔認証がなされたタイミング)
この場合、登録装置20及び精算装置30は、顧客を撮像するための撮像部を備える。撮像部は、例えばカメラである。撮像部は、顧客の顔を撮像できる位置に設置される。まず、登録装置20の撮像部は、第1のタイミングで顧客を撮像する。第1のタイミングは、例えば店員が店員用表示部205を操作して撮像ボタンが押下されたタイミングであってもよいし、支払種別選択ボタンが押下されたタイミングであってもよいし、精算装置指定ボタンが押下された後であればどのようなタイミングであってもよい。そして、登録装置20は、登録情報、種別情報及び撮像された画像を精算装置30に送信する。
【0113】
精算装置30は、登録装置20から送信された登録情報、種別情報及び撮像された画像を受信する。そして、精算装置30の撮像部は、第2のタイミングで顧客を撮像する。第2のタイミングは、例えば人感知センサ311により顧客が自装置の所定圏内に進入した旨の通知がなされたタイミングであってもよいし、顧客が精算装置30の画面に触れたタイミングであってもよいし、その他のタイミングであってもよい。そして、CPU301は、精算装置30の撮像部によって撮像された画像と、受信された画像とを比較して特徴点の一致の割合が所定の閾値以上である場合に精算対象の顧客であると判定し、表示部304に支払画面を表示させる。
【0114】
また、登録装置20のみが撮像部を備え、精算装置30は登録装置から送信された画像を表示部304に表示させてもよい。このように構成される場合、人感知センサ311により顧客が自装置の所定圏内に進入した旨の通知がなされた場合にCPU301は、表示部304に支払画面を表示させる。
このように構成されることによって、顧客は自身が精算を行うための精算装置30を容易に判別することができる。
【0115】
子供、老人、車いす等の足の不自由な人、背の高い人等、人によって背の高さが異なるため精算装置30で精算を行う場合に不自由が生じる可能性がある。そこで、本実施形態における精算装置30の一部又は全ての精算時に利用される対象の位置の高さが調整可能に構成されてもよい。具体的には、精算装置30自体の高さや、精算装置30が備える表示部304、操作部305、印刷部308、釣銭釣札部309及びカードリーダ312のいずれか又は全ての精算時に利用される対象の位置の高さが調整可能に構成されてもよい。この場合、表示部304、操作部305、印刷部308、釣銭釣札部309及びカードリーダ312のそれぞれは、CPU301の制御に従って伸縮可能な伸縮部に接続される。このように構成される場合、登録装置20には、精算装置30において高さを調整する対象を選択するための変更ボタンが表示される。なお、変更ボタンは、支払種別選択画面に表示されていてもよいし、どのようなタイミングで登録装置20に表示されていてもよい。また、精算装置30は、昇降装置の上に設置される。昇降装置は、精算装置30の制御に従って高さが調整される。つまり、昇降装置によって精算装置30自体の高さが調整可能である。なお、昇降装置は、手動によって高さが自由に調整されてもよい。さらに、表示部304、操作部305、印刷部308、釣銭釣札部309及びカードリーダ312は、CPU301の制御によって、伸縮部が伸縮することによって操作位置の高さが調整される。変更ボタンは、操作部207に設けられてもよい。
【0116】
以下、精算装置30の一部又は全ての高さを調整する場合の処理について説明する。
まず、店員は、顧客を見て、精算装置30の高さを変える必要があると判断した場合、店員用表示部205に表示されている変更ボタンを押下する。変更ボタンが押下されると、CPU201は高さを調整する対象の情報(例えば、画像など)を店員用表示部205に表示する。そして、店員は、表示されている情報に従って、高さを調整する対象となる対象と、調整する高さを指定する。店員から、商品の登録、支払種別の選択、精算装置の指定及び高さ調整の指示が入力されると、登録装置20は入力された情報を含む通知を指定された精算装置30に出力する。精算装置30は、登録装置20から出力された通知に高さ調整の指示が含まれている場合、店員から指定された対象の高さを変更する。例えば、調整対象として精算装置30が選択された場合、CPU301は昇降装置の高さを、指定された高さとなるように伸縮させるように指示する。昇降装置は、精算装置30の制御に従って高さを伸縮させる。また、例えば、調整対象として表示部304が選択された場合、CPU301は表示部304が接続している伸縮部を伸縮させることによって指定された高さになるように制御する。なお、精算装置30は、手入力された高さの調整指示に応じて高さを調整するように構成されてもよい。
【0117】
このように構成されることによって、子供、老人、車いす等の足の不自由な人、背の高い人等、人によって背の高さが異なるため精算装置30で精算を行う場合に生じる可能性がある不自由を無くすことができる。子供、老人、車いす等の足の不自由な人にとってはボタンや画面が高いと操作に時間を要してしまうことも想定される。そこで、上記のように顧客が精算処理時に利用する可能性がある部位又は精算装置30自体の高さを変更することによって不自由を無くすことができる。
【0118】
顧客のステータス(例えば、客層(子供や大人など)や、顧客の身長など)に応じて精算装置30の表示態様を変更するように構成されてもよい。例えば、顧客が子供である旨の情報を店員が登録装置20で入力しておくことにより、精算装置30のCPU301はボタンの配置を子供が押しやすい位置に配置したり、ボタンを大きくしたりして表示部304に表示させる。子供が押しやすい位置は、予め設定された位置であってもよい。また、顧客が子供だった場合、顧客が子供である旨の情報を店員が登録装置20で入力しておくことにより、精算装置30のCPU301は子供用にメッセージの一部又は全部がひらがなとなっている支払画面を表示部304に表示する。これにより、通常のメッセージでは漢字が読めないような小さな子供でも、メッセージを読むことができ、スムーズに精算処理をすすめることができる。
【0119】
また、顧客が老人であった場合、顧客が老人である旨の情報を店員が登録装置20で入力しておくことにより、精算装置30のCPU301はボタンの配置を老人が押しやすい位置に配置したり、ボタンを大きくしたりして表示部304に表示させる。老人が押しやすい位置は、予め設定された位置であってもよい。また、顧客が老人だった場合、顧客が老人である旨の情報を店員が登録装置20で入力しておくことにより、精算装置30のCPU301は老人用にメッセージの文字の大きさを通常より大きくした支払画面を表示部304に表示させる、または音声ガイダンスを通常より大きな音量で読んだり、ゆっくり読んだりする。これにより、顧客にとって、通常のメッセージでは文字が小さいため読み難い場合であっても、文字が大きくなっているためメッセージを読むことができるようになる。また、顧客にとって、通常の音声では聞き取りにくい場合であっても、大きな音声又はゆっくりとした音声でガイダンスが読み上げられるため、スムーズに精算処理を進めることができる。
【0120】
また、顧客の身長が高いと店員が判断した場合、顧客の身長が閾値以上である旨の情報を店員が登録装置20で入力しておくことにより、精算装置30のCPU301はボタンの配置を身長の高い人が押しやすい位置に配置して表示部304に表示させる。また、顧客の身長が低いと店員が判断した場合、顧客の身長が閾値未満である旨の情報を店員が登録装置20で入力しておくことにより、精算装置30のCPU301はボタンの配置を身長の低い人が押しやすい位置に配置して表示部304に表示させる。身長の高い人が押しやすい位置及び身長の低い人が押しやすい位置は、予め設定された位置であってもよい。
【0121】
また、精算装置30は、レシートの発行時に、買上金額に応じた駐車券を発行するように構成されてもよい。このように構成される場合、精算装置30は、例えば、1000円未満の買上金額に対する精算の場合には30分間無料、1000円以上の買上金額に対する精算の場合には1時間無料、2000円以上の買上金額に対する精算の場合には2時間無料といったような買上金額に応じて無料化される駐車時間を変更した駐車券をレシートとともに発行する。あるいは、精算装置30は、買上金額の増加に応じて駐車料金を減額する駐車券をレシートとともに発行する。
このように構成されることによって、顧客に対するサービスを向上させることができる。
【0122】
また、現状において、免税による商品の販売にあっては、非居住者である顧客に免税手続についての説明シートを店員が提示して説明を行ったり、免税品が消耗品である場合には免税向けの特有の梱包を行ったりすることが必要である。このため、現状では有人対応による会計が行われている。その一方で、POSシステムとして、店員が商品の登録を行う登録装置と顧客が精算を行う精算装置とが分離された構成が知られている。このようなPOSシステムは、登録装置は有人対応であるものの、精算装置は店員による対応がない。しかし、例えば上記のようなPOSシステムについて、登録装置にて免税宣言操作を行ってから精算装置にて顧客が精算を完了するまでの所定のタイミング(例えば支払いのための現金の投入に応じたタイミング(投入開始時、投入中、または投入完了時)、あるいはクレジットカードの読み込みが行われたタイミングなど)で、説明シートで説明を行う店員を呼び出すように構成する。店員の呼出は、例えばランプなどの点灯、店員の端末への通知などにより実現できる。そして、精算後において店員により梱包が行われるようにする。このようにすれば、登録装置と精算装置とが分離された構成のPOSシステムにも本実施形態の構成を適用可能になる。
【0123】
POSシステム100は、クーポン券等の値引き券や商品引換券を利用可能に構成されてもよい。このように構成される場合、登録装置20のスキャナ部204は、値引き券や商品引換券に印刷されているバーコードを読み取る。このバーコードには、商品コードの他に、値引きに関する情報(例えば、値引きする金額の情報)や、商品の引換であることを示す情報が含まれる。登録装置20は、読み取った情報を含む登録情報と、支払種別情報とを精算装置30に出力する。精算装置30は、登録装置20から出力された登録情報及び支払種別情報に基づいて精算処理を行う。具体的には、まず精算装置30は、登録情報に含まれる値引きに関する情報に基づいて対象となる商品の金額を値引きし、又は、商品の引換であることを示す情報に基づいて対象となる商品の金額を0として買上商品の合計金額を算出する。次に、精算装置30は、支払種別情報で特定される支払方法に応じた支払画面を表示部304に表示させる。そして、精算装置30は、顧客から合計金額に対する支払いを受ける。
【0124】
POSシステム100は、精算装置30で現金の引き出し及び預入の操作を可能に構成されてもよい。このように構成される場合、登録装置20は、現金の引き出し及び預入を行う旨を選択させる画面(以下、「現金取り扱い画面」という。)を店員用表示部205に表示させる。なお、現金取り扱い画面は、支払種別選択画面が表示される前に店員用表示部205に表示されてもよいし、後に店員用表示部205に表示されてもよい。精算装置30は、指定された内容に基づいて現金の引き出しと、預入とのうち少なくとも一方の処理を行う。なお、登録装置20は、現金取り扱い画面の表示に代えて、現金の引き出しを行う旨を示すボタン(以下、「現金引き出しボタン」という。)及び預入を行う旨を示すボタン(以下、「現金預入ボタン」という。)を操作部207に備えるように構成されてもよい。
【0125】
以下、現金の引き出し及び預入に関する処理について説明する。ここでは、登録装置20が現金引き出しボタン及び現金預入ボタンを備えている場合について説明する。店員は、顧客から現金の引き出し又は預入の要求を受けると、要求に応じたボタンを押下する。CPU201は、支払種別情報と登録情報とともに、現金引き出しボタン又は現金預入ボタンのいずれが押下されたかを示す情報を指定された精算装置30に出力する。精算装置30は、登録装置20から出力された情報に現金の引き出し又は現金の預入を示す情報が含まれる場合、現金の引き出しや預入に関する処理を行う。現金の引き出しや預入に関する処理は、従来の現金の引き出しや預入に関する処理と同様である。精算装置30は、現金の引き出しや預入に関する処理が終了した後に支払画面を表示する。
【0126】
登録装置20は、所定の条件が満たされた場合、支払種別選択画面において所定の支払方法(例えば、現金のみによる精算又はクレジットカードのみによる精算)を除外した表示を行うように構成されてもよい。つまり、登録装置20は、所定の条件が満たされた場合、支払種別選択画面において選択させる支払方法(支払種別選択キー40及び41)のうち所定の支払方法のみ(支払種別選択キー40及び41のどちらか)を表示させるように構成されてもよい。所定の条件の具体例として、特定の日(例えば、5のつく日、祝日など)、特定の商品のみの買上、特定の割引券の使用などがある。このように構成される場合、登録装置20は、条件テーブルを記憶する。条件テーブルは、所定の条件と、所定の条件が満たされた場合に表示される支払方法に関する情報とが対応付けられたテーブルである。なお、所定の条件として、複数の条件が含まれていてもよい。例えば、複数の条件として、特定の日に、特定の割引券の使用などがある。
【0127】
POSシステム100は、POSA(登録商標)(Point Of Sales Activation)システムを利用可能に構成されてもよい。このように構成される場合、POSシステム100は、以下のように動作する。例えば、登録装置20で精算時にアクティベーションする。また、例えば、登録装置20における登録時にはアクティベーションせずに精算装置30で精算時にアクティベーションする。この場合、登録装置20は、商品の登録時にプリペイドカードのバーコードを読み取り、読み取った情報と、登録情報等とを精算装置30に出力する。精算装置30は、出力された情報に含まれるプリペイドカードのバーコードの情報に基づいてアクティベーションする。つまり、精算装置30は、プリペイドカードが使用可能となるような処理を実行する。また、精算装置30は、精算処理が完了した後にアクティベーションを自動的に行うように構成されてもよい。このように構成される場合、まず登録装置20は、商品の登録時にプリペイドカードのバーコードを読み取る。次に、登録装置20は、この時点ではアクティベーションを実行せず、登録情報、支払種別情報とともにバーコードの情報を精算装置30に出力する。精算装置30は、登録装置20から出力された登録情報及び支払種別情報に基づいて精算処理を実行した後に、バーコードの情報に基づいてプリペイドカードのアクティベーションを実行する。
【0128】
また、現状において、商品の予約や商品の配達にあっては、梱包を行ったりすることが必要である。このため、現状では有人対応による会計が行われている。本実施形態におけるPOSシステムでは、登録装置は有人対応であるものの、精算装置は店員による対応がない。しかし、例えば上記のようなPOSシステムについて、登録装置にて商品の予約又は商品の配達宣言操作を行ってから精算装置にて顧客が精算を完了するまでの所定のタイミング(例えば支払いのための現金の投入に応じたタイミング(投入開始時、投入中、または投入完了時)、あるいはクレジットカードの読み込みが行われたタイミングなど)で、担当の店員を呼び出すように構成する。店員の呼出は、例えばランプなどの点灯、店員の端末への通知などにより実現できる。また、精算装置は、サービスカウンターに向かうようなメッセージを表示するように構成される。
【0129】
なお、本発明の登録装置20及び精算装置30の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、登録装置20及び精算装置30の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0130】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0131】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本実施形態で示したPOSシステム100、登録装置20及び複数の精算装置30に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
顧客が購入する商品を登録する登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムであって、
前記登録装置は、
登録された前記商品の登録情報と、前記商品の精算処理に関わる情報の種別を示す種別情報とを出力する出力手段、
を備え、
前記精算装置は、
出力された前記登録情報に基づいて精算処理を行い、前記種別情報に応じた処理を行うことを特徴とするPOSシステム。
上記POSシステムによれば、登録装置20が登録された商品の登録情報と、顧客が精算装置30で選択する必要がある、精算処理に関する情報(例えば、支払方法、レシート、領収書)の種別を示す種別情報とを出力し、精算装置が、出力された情報に基づいて処理を行う。したがって、顧客が精算装置30で操作を行う必要が無くなる。そのため、精算にかかる時間を短縮することが可能になる。
(付記2)
前記登録装置は、前記出力手段が前記登録情報及び前記精算装置で精算する支払方法の種別を示す支払種別情報を出力する前に前記支払方法の種別を選択させる種別選択手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記種別選択手段により選択された支払方法の種別を示す情報を、前記顧客が前記商品の精算を行う際の支払方法の種別を示す支払種別情報として出力し、
前記精算装置は、
前記支払種別情報に応じた支払画面を表示させ、前記登録情報によって示される前記商品の代金の精算を行う制御手段を備えることを特徴とする付記1に記載のPOSシステム。
上記POSシステムによれば、登録装置に支払方法の種別を選択するための種別選択手段(実施形態の支払種別選択キー)が備えられるため、店員は容易に支払方法の種別を選択することができる。したがって、選択された支払方法の種別が、商品を購入する顧客の支払方法の種別となるため、顧客が支払方法の種別を選択する必要がない。さらに、登録装置20から出力された支払種別情報に応じた支払画面を精算装置30が表示するため、顧客が精算時に支払方法の種別を選択する必要がない。そのため、精算にかかる時間を短縮することができる。
(付記3)
前記種別選択手段は、前記支払方法の複数の種別を示すボタンで構成され、
前記登録装置は、前記顧客を識別するための客識別情報を取得する取得手段と、取得された前記客識別情報に基づいて、少なくとも前記客識別情報と顧客が予め登録した支払方法の種別を示す支払方法の種別とを対応付けて記憶する記憶手段とを備える装置から前記支払方法の種別を読み出す読出し手段と、読み出した前記顧客の前記支払方法の種別に基づいて前記ボタンの態様を制御する制御手段とをさらに備えることを特徴とする付記2に記載のPOSシステム。
上記POSシステムによれば、顧客が予め登録した支払方法の種別が、当該顧客が予め登録していない支払方法の種別の種別選択手段と異なる態様で表示される。そのため、店員は一目で会員の登録した支払方法の種別を判別することができる。
(付記4)
前記登録装置は、前記顧客を識別するための客識別情報を取得する取得手段と、取得された前記客識別情報に基づいて、少なくとも前記客識別情報と顧客が予め登録した支払方法の種別を示す支払方法の種別とを対応付けて記憶する記憶手段とを備える装置から前記支払方法の種別を読み出す読出し手段とをさらに備え、
前記出力手段は、読み出した前記支払方法の種別を前記支払種別情報として出力することを特徴とする付記2又は3に記載のPOSシステム。
上記POSシステムによれば、店員も支払方法の種別を選択する必要が無くなる。これにより、顧客一人当たりに対する処理時間を削減することができる。そのため、登録装置20において、待ち行列が発生してしまう可能性を軽減することが可能になる。
(付記5)
前記精算装置は、前記精算装置の筺体の高さと、前記顧客が確認又は操作する部分の高さとのうち少なくとも一つの高さを調整可能であり、
高さを調整する指示があった場合に、前記指示に応じて高さを調整することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載のPOSシステム。
上記POSシステムによれば、子供、老人、車いす等の足の不自由な人、背の高い人等、人によって背の高さが異なるため精算装置30で精算を行う場合に生じる可能性がある不自由を無くすことができる。
(付記6)
前記精算装置は、前記顧客の要求に応じて、現金の引き出しと、預入とのうち少なくとも一方の処理を前記精算処理の前に実行可能とすることを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載のPOSシステム。
上記POSシステムによれば、精算装置にて、現金の引き出し及び預入ができる。したがって、顧客は、現金が不足している場合に現金を引き出して精算を行うことができる。
また、現金の預入を行いたいが、ATMなどの現金自動預け払い機まで行くのが大変な顧客にとっては、買い物のついでに現金の預入ができる。そのため、1度の買い物で様々なサービスを提供することが可能になる。
(付記7)
前記登録装置は、所定の条件が満たされた場合、前記出力手段が前記登録情報及び前記精算装置で精算する支払方法の種別を示す支払種別情報を出力する前に前記支払方法の種別を選択させる種別選択手段における支払方法の種別を限定した表示を行うことを特徴とする付記2から6のいずれか一項に記載のPOSシステム。
上記POSシステムによれば、所定の条件が満たされた場合には支払方法が限定される。つまり、支払方法として、現金又はクレジットカードのいずれかに限定される。したがって、店員は、顧客に対して支払方法を問い合わせる必要がない。また、顧客は、精算時において支払方法を選択する必要がない。そのため、登録から精算までに要する時間を削減することができる。
(付記8)
前記登録装置は、予め、領収書の発行要否を選択させる領収書発行選択手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記領収書発行選択手段によって選択された結果を前記種別情報として出力することを特徴とする付記1に記載のPOSシステム。
上記POSシステムによれば、登録装置側で領収書の発行有無を選択することができる。したがって、精算完了後に顧客が領収書の発行有無を選択する必要が無くなる。そのため、精算にかかる時間を短縮することが可能になる。
(付記9)
顧客が購入する商品を登録する登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムにおける登録装置であって、
前記登録装置は、
登録された前記商品の登録情報と、前記商品の精算処理に関わる情報の種別を示す種別情報とを出力する出力手段を備えることを特徴とする登録装置。
上記の登録装置によれば、登録された商品の登録情報と、顧客が精算装置30で選択する必要がある、精算処理に関する情報(例えば、支払方法、レシート、領収書)の種別を示す種別情報とを出力することができる。したがって、精算処理時に必要となる情報を精算装置に出力することができる。そのため、精算にかかる時間を短縮することが可能になる。
(付記10)
顧客が購入する商品を登録する登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムにおける精算装置であって、
前記精算装置は、
登録された前記商品の登録情報と、前記商品の精算処理に関わる情報の種別を示す種別情報とを出力する出力手段、を備える前記登録装置から出力された前記登録情報に基づいて精算処理を行い、前記種別情報に応じた処理を行うことを特徴とする精算装置。
上記の精算装置によれば、登録装置から出力された情報に基づいて精算処理に関するあらゆる処理が実行される。したがって、精算装置で顧客が操作して精算処理に必要な情報を選択させることが無くなる。そのため、精算にかかる時間を短縮することが可能になる。
(付記11)
顧客が購入する商品を登録する登録処理を実行する登録装置と、前記登録処理によって登録された前記商品の代金を精算する精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステムとして、前記登録装置に相当する第一のコンピュータ及び前記精算装置に相当する第二のコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
前記第一のコンピュータに対し、
登録された前記商品の登録情報と、前記商品の精算処理に関わる情報の種別を示す種別情報とを出力する出力手段を実行させ、
前記第二のコンピュータに対し、
出力された前記登録情報に基づいて精算処理を行い、前記種別情報に応じた処理を実行させるコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0132】
10…管理装置, 20…登録装置, 30…精算装置, 201…CPU, 202…ROM, 203…RAM, 204…スキャナ部, 205…店員用表示部, 206…客用表示部, 207…操作部, 208…通信部, 209…ブザー, 210…印刷部(出力手段), 301…CPU, 302…ROM, 303…RAM, 304…表示部, 305…操作部, 306…通信部, 307…ブザー, 308…印刷部, 309…釣銭釣札部, 310…サインポール, 311…人感知センサ, 312…カードリーダ
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図10