(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線通信の制御方式が適用される通信ノードへ当該制御方式での制御に関する制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報を取得する取得部と、
前記品質関連情報に基づいて、前記通信ノードへの前記制御方式の適用を制御する制御部と、
を備え、
前記制御方式が適用される複数の通信ノードは、当該複数の通信ノードに関する情報に基づいて、前記バックホール回線の品質が近い前記通信ノードから成る1つ以上のグループに分類され、
前記制御部は、前記1つ以上のグループに含まれるグループごとに、グループに含まれる2つ以上の通信ノードについての前記品質関連情報から、前記制御方式の適用の決定に用いる指標を計算し、計算した当該指標に基づいて前記1つ以上の通信ノードへの前記制御方式の適用を制御する、通信制御装置。
前記複数の通信ノードに関する前記情報は、前記複数の通信ノードの位置の情報、前記複数の通信ノードにより使用される無線リソースの情報、及び、前記複数の通信ノードへ前記制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報のうちの、少なくとも1つを含む、請求項1に記載の通信制御装置。
無線通信の制御方式が適用される通信ノードへ当該制御方式での制御に関する制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報を取得することと、
前記品質関連情報に基づいて、前記通信ノードへの前記制御方式の適用を制御することと、
を含み、
前記制御方式が適用される複数の通信ノードは、当該複数の通信ノードに関する情報に基づいて、前記バックホール回線の品質が近い前記通信ノードから成る1つ以上のグループに分類され、
前記制御することは、前記1つ以上のグループに含まれるグループごとに、グループに含まれる2つ以上の通信ノードについての前記品質関連情報から、前記制御方式の適用の決定に用いる指標を計算し、計算した当該指標に基づいて前記1つ以上の通信ノードへの前記制御方式の適用を制御することを含む、通信制御装置により実行される通信制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付の図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.はじめに
2.本実施形態に係る通信システムの概略的な構成
3.各エンティティの構成
3.1.制御エンティティの構成
3.2.実行エンティティの構成
4.バックホール品質情報の蓄積
4.1.測定手続き
4.2.収集手続き
5.制御方式の適用制御
5.1.制御方式の適用の決定
5.2.制御方式の適用及び実行
6.その他
6.1.動作タイミングの調整
6.2.バックホール品質情報のフィルタリング
6.3.制御コマンドの適用タイミングの設定
7.応用例
8.まとめ
【0015】
<<1.はじめに>>
まず、
図1〜
図14を参照して、無線リソース、干渉制御、多地点協調送受信、バックホール回線、及び技術的課題を説明する。
【0016】
(無線リソース及びフォーマット)
−時間方向
3GPP(Third Generation Partnership Project)における無線通信では、時間方向に無線リソースが区切られる。例えば、LTEでは、無線リソースは、時間方向においてサブフレーム単位に区切られる。以下、この点について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0017】
図1は、FDD(Frequency Division Duplex)についての時間方向における無線リソースを説明するための説明図である。
図1を参照すると、10msの無線フレームに含まれる10のサブフレームが示されている。FDDでは、アップリンク用の周波数帯域及びダウンリンク用の周波数帯域が用意され、それぞれの周波数帯域において、サブフレーム単位でのリソース制御が行われる。なお、各サブフレームは、2つのスロットを含む。また、各スロットは、7のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルを含む。
【0018】
図2は、TDD(Time Division Duplex)についての時間方向における無線リソースを説明するための説明図である。
図2を参照すると、10msの無線フレームに含まれる10のサブフレームが示されている。TDDでは、サブフレーム単位でのリンク方向に応じて通信が行われる。即ち、各サブフレームは、ダウンリンクサブフレーム、アップリンクサブフレーム又はスペシャルサブフレームのいずれかである。スペシャルサブフレームは、ダウンリンクサブフレームからアップリンクサブフレームへの切換えの際に干渉を抑えるために設けられる。スペシャルサブフレームは、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、ガード期間(Guard Period)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)からなる。以下、
図3を参照して、TDDにおけるサブフレーム単位のリンク方向の具体例を説明する。
【0019】
図3は、3GPPにおいて定義されているリンク方向のコンフィギュレーションの例を説明するための説明図である。
図3を参照すると、LTEの技術規格(TS 36.211 Table 4.2-2)で定義されている7つのコンフィギュレーションが示されている。「D」により示されるサブフレームがダウンリンクサブフレームであり、「U」により示されるサブフレームがアップリンクサブフレームであり、「S」により示されるサブフレームがスペシャルサブフレームである。例えば、LTEでは、このような7つのコンフィギュレーションのいずれかのコンフィギュレーションが選択され、適用される。
【0020】
−周波数方向
また、例えばLTEでは、周波数方向にも無線リソースが区切られる。具体的には、周波数帯方向には、15kHzの間隔でサブキャリアが存在する。そして、12個のサブキャリア(即ち、180kHz)ごとに束ねられる。
【0021】
−時間方向及び周波数方向
例えばLTEでは、周波数方向において12個のサブキャリア、時間方向において1スロットにわたる無線リソースが、リソースブロック(Resource Block:RB)として取り扱われる。また、1サブキャリア及び1OFDMシンボルの無線リソースは、リソースエレメント(Resource Element)と呼ばれる。
【0022】
各REは、制御信号又はデータ信号の送信に用いられる。制御信号として、例えば、同期信号(Synchronization Signal)、リファレンス信号(Reference Signal:RS)等がある。
【0023】
また、1つ以上のリソースエレメントを含むチャネルが定義されている。LTEでは、ダウンリンクのチャネルとして、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PBCH(Physical Broadcast Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)及びPHICH(Physical HARQ Indicator Channel)が定義されている。一方、アップリンクのチャネルとして、PUCCH((Physical Uplink Control Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)及びPRACH(Physical Random Access Channel)が定義されている。
【0024】
なお、基本的には、データは、ダウンリンクではPDSCHで送信され、アップリンクではPUSCHで送信される。そして、データの送信に使用可能なREの数が、送受信されるデータのサイズに影響する。
【0025】
(リファレンス信号)
UE(User Equipment)は、リファレンス信号(RS)の受信を通じて、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)等を測定する。LTEでは、様々な種類のRSが定義されている。
【0026】
例えば、ダウンリンクのRSとして、CRS(Cell Specific Reference Signal)、DMRS(Demodulation Reference Signal)、MBFSFN(MBMS Single Frequency Network)リファレンス信号、PRS(Positioning Reference Signal)及びCSI−RS(Channel State Information Reference Signal)が定義されている。CRSは、主にデータ復号のためのチャネル推定及び測定のために利用される。DMRSは、主にデータ復号のためのチャネル推定のために利用される。MBFSFNリファレンス信号は、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Services)の際に利用される。PRSは、UEの位置の推定に利用される。CSI−RSは、主にダウンリンクのチャネル品質の推定に利用される。
【0027】
また、例えば、ダウンリンクのRSとして、DMRS(Demodulation Reference Signal)及びSRS(Sounding Reference Signal)が定義されている。DMRSは、主にデータ受信のためのチャネル推定に利用され、PDSCH及びPDCCHに関連して送信される。SRSは、主にCQI及びスケジューリングのための、アップリンクのチャネル品質の推定に、利用され、PDSCH及びPDCCHに関連しない。
【0028】
(干渉制御)
通信品質の向上のために様々な干渉制御技術が存在する。例えば、代表的な干渉制御の技術として、ICIC(Inter-Cell Interference Coordination)、ビームフォーミング(BF)等がある。また、ICICには、周波数ドメインICIC(Frequency Domain ICIC)と時間ドメインICIC(Time domain ICIC)とがある。
【0029】
−周波数ドメインICIC
周波数ドメインICICは、通信ノード間(又はセル間)で異なる周波数リソースが使用される干渉制御方式である。周波数リソースは、例えばLTEでは、サブキャリア、リソースブロック(RB)、サブバンド(リソースブロックの集合)、又はコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)(RB又はサブバンドの集合)等に該当し得る。以下、
図4及び
図5を参照して、周波数ドメインICICの具体例を説明する。
【0030】
図4は、周波数ドメインICICの第1の例を説明するための説明図である。
図4を参照すると、3つのセル10A、10B及び10Cが示されている。また、各セルで使用される周波数帯域(及びその電力)が示されている。例えば、この例のように、使用可能な周波数帯域が3つ帯域に分割され、当該3つの帯域の各々が、対応するセル10で使用される。これにより、セル10間での干渉が抑制される。
【0031】
図5は、周波数ドメインICICの第2の例を説明するための説明図である。
図5を参照すると、
図4と同様に、3つのセル10A、10B及び10Cが示されている。また、各セルについて、セルの中心部で使用される周波数帯域(及びその電力)と、セルエッジ付近で使用される周波数帯域(及びその電力)とが、示されている。例えば、この例のように、使用可能な周波数帯域が3つ帯域に分割され、当該3つの帯域の各々は、対応するセル10で大きい電力を伴い、その結果、対応するセル10全域で使用される。即ち、上記3つの帯域の各々は、対応するセル10のセルエッジでも使用される。当該3つの帯域の各々は、対応しないセル10で小さい電力を伴い、その結果、対応しないセル10の中心部で使用される。即ち、上記3つの帯域の各々は、対応しないセル10のセルエッジでは使用されない。これにより、セル10の中でもとりわけ干渉が起こりやすいセルエッジでの干渉が抑制される。このようなICICは、SFR(Soft Frequency Reuse)、PFR(Partial Frequency Reuse)又はFFR(Fractional Frequency Reuse)と呼ばれることもある。
【0032】
なお、以上のような干渉制御技術では、各セルで使用される周波数リソースが動的に変更されない限り、バックホール回線における遅延(即ち、制御に関する情報の送受信の遅延)による影響は極めて軽微であると考えられる。
【0033】
−時間ドメインICIC
時間ドメインICICは、通信ノード間(又はセル間)で異なる時間リソースが使用される干渉制御方式である。時間リソースは、例えばLTEでは、スロット、サブフレーム、又は無線フレーム等のシステムの時間単位に該当し得る。LTEでは、時間ドメインICICは、とりわけヘテロジニアスネットワーク(HetNet)に関連して注目されている。以下、
図6及び
図7を参照して、時間ドメインICICの具体例を説明する。
【0034】
図6は、時間ドメインICICの第1の例を説明するための説明図である。
図6を参照すると、マクロセルであるセル10Dと、スモールセルであるセル10Eとが示されている。また、各セル10における時間と送信電力との関係が示されている。換言すると、各セルにおいて通信が行われる時間が示されている。例えば、この例のように、セル10Dでの通信が行われる時間には、セル10Eでの通信が停止され、セル10Dでの通信が停止される時間に、セル10Eでの通信が行われる。これにより、セル10間での干渉が抑制される。このようにマクロセル(即ち、セル10D)での通信が停止される時間は、LTEではABS(Almost Blank Subframe)とも呼ばれる。なお、マクロセルでの通信が停止される時間の単位は、サブフレーム単位に限られず、別の時間の単位であってもよい。
【0035】
図7は、時間ドメインICICの第2の例を説明するための説明図である。
図7を参照すると、
図6と同様に、マクロセルであるセル10Dと、スモールセルであるセル10Eとが示されている。また、各セル10における時間と送信電力との関係が示されている。例えば、この例のように、セル10Dでの通信に大きい電力が使用される時間には、セル10Eでの通信が停止され、セル10Dでの通信に小さい電力が使用される時間に、セル10Eでの通信が行われる。これにより、セル10間での干渉が抑制されつつ、セル10D(即ち、マクロセル)での通信容量の無駄が抑えられる。このようなABSは、Reduced Power ABSと呼ばれる。
【0036】
以上のように、LTEでは、時間ドメインICICを実現するために、ABSというコンセプトが導入されている。簡単に言うと、ABSを実現する手法として、主に2つの手法がある。当該2つの手法のうちの第1の手法は、ABSをいずれのUEにも割り当てない手法である。上記2つの手法のうちの第2の手法は、MBSFNサブフレームという特殊なサブフレームを利用する手法である。以下、
図8及び
図9を参照して、上記第1の手法及び第2の手法の各々が採用される場合に利用可能になる無線リソースを説明する。
【0037】
図8は、ABSで利用可能な無線リソースの第1の例を説明するための説明図である。
図8を参照すると、1サブフレーム内の2つのRBが示されている。この例は、上記第1の手法が採用される場合の例である。上記第1の手法が採用される場合には、サブフレーム内のPDSCHでの信号の送信は停止されるが、PDCCHでの信号とCRSは送信される。即ち、ABSでは、PDSCHの期間内の無線リソースのうち、CRSが送信されない無線リソースが、利用可能になる。
【0038】
図9は、ABSで利用可能な無線リソースの第2の例を説明するための説明図である。
図9を参照すると、1サブフレーム内の2つのRBが示されている。この例は、上記第2の手法が採用される場合の例である。上記第2の手法が採用される場合には、PMCH(Physical MBMS Channel)での信号と、PMCHの期間内のCRSとが停止されるが、PDCCHでの信号と、PDCCHの期間内のCRSとは、送信される。即ち、PDSCHの期間内のいずれの無線リソースも利用可能になる。
【0039】
なお、時間ドメインICICは、ABSのタイミングをセル間で共有する必要がある。よって、上述した周波数ドメインICICと比べると、バックホール回線における遅延(即ち、制御に関する情報の送受信の遅延)による影響はより大きいと考えられる。ただし、ある程度連続するサブフレームをABSとして利用することにより、切替りのタイミング以外での影響を軽減することも可能である。
【0040】
−ビームフォーミング(BF)
ビームフォーミング(BF)は、複数のアンテナ素子を有する通信ノードにおいて各アンテナ素子の位相を調整することにより電波の指向性を制御する技術である。上記通信ノードは、電波の指向性を動的に変えることもできる。BFのタイプとして、いくつかのタイプが存在する。
【0041】
例えば、第1のタイプのBFでは、電波の指向性が固定される。即ち、通信ノードにより形成されるビームは固定される。このタイプのBFにより、例えば、通信ノード(例えば、基地局)の通信エリア(例えば、セル)を所望のエリアにすることができる。
【0042】
また、例えば、第2のタイプのBFでは、通信ノード(例えば、基地局)の通信相手(例えば、端末装置)に向けたビームが形成される。このタイプのBFにより、例えば、通信品質を向上させることができる。このタイプのBFでは、時間リソース及び/又は時間リソースごとに、ビームの方向が制御され得る。
【0043】
また、例えば、第3のタイプのBFでは、他の通信ノード(例えば、隣接する基地局)の通信への干渉を軽減するためのビームが形成される。即ち、上記他の通信ノード及び/又は当該他の通信ノードの通信相手の方向がヌル(null)点となるように、ビームが形成される。このタイプのBFは、ヌルステアリングとも呼ばれる。このようなBFにより、他の通信ノードの通信への干渉を抑制される。その結果、他のセルにおける通信品質が向上する。このタイプのBFでも、時間リソース及び/又は時間リソースごとに、ビームの方向が制御され得る。
【0044】
なお、BFのタイプによって、バックホール回線における遅延(即ち、制御に関する情報の送受信の遅延)による影響が異なると考えられる。例えば、上記第1のタイプ及び上記第2のタイプのBFについては、バックホール回線における遅延の影響は大きくないと考えられる。一方、上記第3のタイプのBFについては、ビームの方向が、他のセルのスケジューリング結果、他のセルにおける端末装置の位置等に依存するので、バックホール回線における遅延の影響は大きくなり得ると考えられる。
【0045】
(多地点協調(CoMP)送受信)
通信品質の向上のための技術として、多地点協調(Coordinated Multi-Point)送受信が存在する。CoMP送受信は、協調する複数の通信ノード(例えば、基地局)が1つの通信ノード(例えば、端末装置)へ信号を送信する技術である。
【0046】
CoMP送受信は、JT(Joint Transmission)、DPS(Dynamic Point Selection)等の個別の技術を含む。JTでは、複数の通信ノードが、1つの通信ノードへ同一の信号を同時に送信する。また、DPSでは、複数の通信ノードのうちの動的に選択される一方が、1つの通信ノードへ信号を送信する。
【0047】
CoMP送受信では、通信品質(例えば、通信レート、SINR(Signal-to-
Interference-plus-Noise Ratio)、等)が向上するように、通信制御が行われる。例えば、JTが行われる場合に、送信ダイバーシチを得るための複数の通信ノードにわたる時空間符号化(Space-Time Coding)、複数の通信ノードの各々でチャネル状態に応じた送信重みの使用、空間多重(Spatial Multiplexing)等が行われ得る。また、DPSが行われる場合に、複数の通信ノードのCSIに基づいて、送信を行う通信ノードが選択され得る。これらの動作は、MIMOのアンテナが複数の通信ノードに分かれて存在する場合における、送受信ダイバーシチ、空間多重、及びアンテナ選択であるとも言える。なお、複数の通信ノードは、同一の周波数リソース及び時間リソースを使用する。
【0048】
例えば、CoMP送受信のための通信システムの動作には、いくつかの例が存在する。以下、
図10及び
図11を参照して、CoMP送受信のための通信システムの動作の例を説明する。
【0049】
図10は、CoMP送受信のための通信システムの動作の第1の例を説明するための説明図である。
図10を参照すると、2つのeNB(evolved Node B)21A、21B、UE(User Equipment)31、及び、MME(Mobility Management Entity)41が示されている。MME41は、コアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)40に位置する。この例では、eNB21AとeNB21Bとが、UE31に対するCoMP送受信を行い、当該CoMP送受信は、eNB21A及び/又はeNB21Bにより制御される。まず、eNB21Aは、EPC40からデータを受信し(S81)、CoMPを行うことを決定し(S83)、X2インターフェースを介して、CoMP送受信に関する情報(制御情報及びデータ)をeNB21Bへ送信する(S85)。そして、eNB21A及びeNB21Bは、UE31に対するCoMP送受信を行う(S87)。
【0050】
図11は、CoMP送受信のための通信システムの動作の第2の例を説明するための説明図である。
図11を参照すると、
図10と同様に、2つのeNB21A、21B、UE31、及び、MME41が示されている。この例では、eNB21AとeNB21Bとが、UE31に対するCoMP送受信を行い、当該CoMP送受信の制御は、MMEにより制御される。まず、MME41が、CoMP送受信を行うこと(及び、CoMP送受信を行う無線リソース)を決定し(S91)、S1インターフェースを介して、CoMP送受信に関する情報(制御情報及びデータ)をeNB21A及びeNB21Bへ送信する(S93)。そして、eNB21A及びeNB21Bは、UE31に対するCoMP送受信を行う(S95)。
【0051】
CoMP送受信は、複数の基地局(例えば、eNB)に限らず、別の種類の通信ノードにより行われ得る。例えば、基地局(マクロセルの基地局、スモールセルの基地局を含む)、RRH(Remote Radio Head)、リレー局、局所ネットワーク(Localized Network:LN)のマスタ端末のうちの2つ以上により、CoMP送受信が行われてもよい。
【0052】
なお、CoMP送受信では、複数の通信ノード間で、送信データ及び制御情報(CSI、送信重み、無線リソースの情報、等)が、バックホール回線を通じて共有される。そして、CoMP送受信では、バックホール回線における遅延(即ち、制御に関する情報(送信データ及び制御情報)の送受信の遅延)による影響は、上記干渉制御技術と比べて大きいと考えられる。
【0053】
(バックホール回線)
通信システムの通信ノード(例えば、基地局)は、バックホール回線を通じて他の通信ノードと通信する。バックホール回線は、論理パスとして、通信ノード間を直接的に接続するように見える場合であっても、物理パスとしては、別の通信ノードを介して通信ノード間を接続し得る。また、バックホール回線は、利用形態及び物理メディアの観点から、様々な形で実装され得る。以下、これらの点について、
図12を参照してLTEにおける具体例を説明する。
【0054】
図12は、LTEにおけるバックホール回線の具体例を説明するための説明図である。
図12を参照すると、eNB21A、21B及びMME41が示されている。また、eNB21とコアネットワークノード(例えば、MME41)との間のバックホール回線51、及び、eNB21AとeNB21Bの間のバックホール回線53示されている。バックホール回線51は、コアネットワークノードとeNBと間の論理パスとしてS1インターフェースと呼ばれ、バックホール回線53は、eNB間の論理パスとしてX2インターフェースと呼ばれる。
【0055】
第1に、バックホール回線51及びバックホール回線53は、論理パスとしては、通信ノードを直接的に接続する回線であるようにも見えるが、物理パスとしては、別の通信ノードを介した回線であり得る。例えば、当該別の通信ノードとして、ルータ、スイッチ等が存在し得る。このように、物理パスでは、どのように通信ノードを経由するかによって、通信品質(例えば、通信での遅延)は変わり得る。
【0056】
第2に、バックホール回線51及びバックホール回線53は、利用形態の観点から、専用回線であってもよく、又は共用の回線(公衆回線)であってもよい。例えば、マクロセルのeNB、ピコセルのeNB等のために、通信システムのオペレータにより専用回線が用意される。一方、例えば、家庭、オフィス等に設置されるフェムトセルのeNBのためには、公衆回線(例えば、ADSL回線、CATV回線、光回線、等)が利用される。また、マクロセルのeNB、ピコセルのeNB等についても、例えばコスト削減のために、公衆回線が利用され得る。一般的に、専用回線では、通信品質の安定性は高いが、共用の回線(公衆回線)では、通信品質の安定性は低い。
【0057】
第3に、バックホール回線51及びバックホール回線53は、物理メディアの観点から、有線回線であってもよく、又は無線回線を含んでもよい。例えば、有線回線を確保できないような場所にeNBを設置する、有線回線の設置のコストを削減する等の目的のために、有線回線の代わりに無線回線が物理パスに含まれる。また、局所ネットワーク(LN)のマスタ端末は、バックホール回線として無線回線を利用し得る。一般的に、有線回線では、通信品質の安定性は高いが、無線回線では、通信品質の安定性は低い。
【0058】
なお、
図13及び
図14を用いて、バックホール回線の技術及び品質の例を説明する。
図13及び
図14は、バックホール技術の種類及び品質の第1の例及び第2の例をそれぞれ説明するため説明図である。
図13に示される例は、3GPPのTR36.932 Table 6.1−1に記載されている例である。一方、
図14に示される例は、3GPPのTR36.932 Table 6.1−2に記載されている例である。このように、バックホール回線の技術に応じて、レイテンシ及びスループットが異なる。
【0059】
(技術的課題)
上述したように、複数の通信ノード(例えば、複数の基地局)に関する制御(干渉制御、CoMP送受信、等)では、バックホール回線を通じて制御に関する情報(制御情報、制御に従って送信されるデータ、等)が送受信される。しかし、従来の技術では、バックホール回線での送受信の遅延(又は、バックホール回線間での遅延のばらつき)が考慮されていない。そのため、制御に関する情報を取得するタイミングが、複数の通信ノードのうちの一方と他方との間で大きくずれてしまう可能性がある。その結果、これらの通信ノードによる制御が適切なタイミングで行われなくなることが懸念される。
【0060】
さらに、今後の通信システムでは、通信容量の向上のためにHetNetの運用形態が導入される可能性が高い。即ち、ピコセル、フェムトセル等のためのeNBの導入が増加する可能性が高い。そのため、通信システムには、様々な通信品質を伴うバックホール回線が混在することが考えられる。このような状況下では、従来のように専用線がバックホール回線として使用される状況下とは異なり、複数の通信ノードに関する制御(干渉制御、CoMP送受信、等)が行われると、バックホール回線の品質に起因して、上記制御が適切なタイミングで行われなくなることは、十分に考えられる。
【0061】
そこで、本開示の実施形態は、複数の通信ノードに関する制御をより適切に行うことを可能にする。
【0062】
<<2.本実施形態に係る通信システムの概略的な構成>>
続いて、
図15を参照して、本開示の実施形態に係る通信システム1の概略的な構成を説明する。
図15は、本実施形態に係る通信システム1の概略的な構成の一例を示す説明図である。
図15を参照すると、通信システム1は、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)、及び、コアネットワークであるEPC40を含む。そして、通信システム1は、無線アクセスネットワークノードとして、マクロeNB(MeNB)21、ピコeNB(PeNB)23、RRH25、リレーノード(RN)27、ホームeNB(HeNB)29及びUE31を含む。また、通信システム1は、コアネットワークノードとして、MME41、サービングゲートウェイ(S−GW)43、HeNBゲートウェイ(HeNB−GW)45及びパケットデータネットワークゲートウェイ(PDN−GW)47を含む。この例では、通信システム1は、LTE、LTE−Advanced、又はこれらに準ずる通信方式に従ったシステムである。
【0063】
MeNB21は、マクロセル内に位置するUE31との無線通信を行う。PeNB23は、ピコセル内に位置するUE31との無線通信を行う。例えば、当該ピコセルは、マクロセルと一部又は全体で重なる。また、MeNB21及びPeNB23は、バックホール回線を介してコアネットワークノード(MME41又はS−GW43)と通信する。当該バックホール回線は、論理パスとしてS1インターフェースと呼ばれる。また、2つのMeNB21、2つのPeNB23、又は、MeNB21及びPeNB23は、バックホール回線を介して互いに通信する。当該バックホール回線は、論理パスとしてX2インターフェースと呼ばれる。これらのバックホール回線の各々は、物理パスとして、1つ以上の物理的な回線を含む。また、当該1つ以上の物理的な回線は、有線回線のみであってもよく、又は無線回線を含んでもよい。
【0064】
RRH25は、eNBのうちの無線部分(例えば、アンテナ及びRF(Radio Frequency)回路)を含み、セル内に位置するUE31との無線通信を行う。RRH25は、eNBのその他の部分と分離して設置される。一例として、RRH25は、ピコeNBの無線部分であり、ピコeNBのその他の部分はマクロeNB21Aの装置の中で実装される。この場合に、RRH25は、バックホール回線でマクロeNB21Aと通信する。当該バックホール回線は、いずれかの物理的な有線回線(例えば、光ファイバケーブル)である。
【0065】
RN27は、eNBとUE31との間の中継を行う。即ち、RN27は、RN27の通信可能範囲内に位置するUE31との無線通信を行う。また、RN27は、バックホール回線を介してeNBと通信する。この例では、当該eNBは、MeNB21Aである。また、上記バックホール回線は、論理パスとしてUnインターフェースと呼ばれ、物理的には無線回線である。
【0066】
HeNB29は、家庭、オフィス等に設置される小型のeNBである。HeNB29は、フェムトセルeNBとも呼ばれる。HeNB29は、ホームセル(又はフェムトセル)内に位置するUE31との無線通信を行う。HeNB29は、バックホール回線を介して、コアネットワークノード(HeNB−GW45)と通信する。また、例えば、HeNB29は、バックホール回線を介して、MeNB21、PeNB23、又は他のHeNB29と通信する。これらのバックホール回線は、物理パスとして、1つ以上の物理的な回線を含む。また、当該1つ以上の物理的な回線は、有線回線のみであってもよく、又は無線回線を含んでもよい。
【0067】
UE31は、MeNB21、PeNB23、RRH25、RN27及びHeNB29等の通信ノードとの無線通信を行う。例えば、UE31は、複数の通信ノードと同時に通信し得る。また、例えば、複数のUE31により、D2D(Device-to-Device)通信の局所ネットワーク(LN)が形成される。この場合に、LNのマスタ端末(即ち、上記複数のUE31のうちのいずれか)は、LNでの無線通信の制御を行う。そして、マスタ端末は、LNにとってのバックホール回線を介して、MeNB21、PeNB23、RRH25、RN27又はHeNB29と通信する。当該バックホール回線は、論理パスとしてUuインターフェースと呼ばれ、物理的には無線回線であってもよく、有線回線であってもよい。
【0068】
なお、PDN−GW47は、外部ネットワーク60(例えば、インターネット)との接続を可能にする。
【0069】
−本実施形態に係るエンティティ
とりわけ本実施形態では、通信システム1は、制御エンティティ100を含む。制御エンティティ100は、通信ノードへの制御方式の適用を制御する。また、例えば、通信システム1は、制御エンティティ100に加えて、実行エンティティ200を含む。実行エンティティ200は、適用される上記制御方式での制御を実行し、及び/又は、バックホール回線の品質に関する品質関連情報を取得し、提供する。
【0070】
制御エンティティ100は、通信システム1に含まれる上述した通信ノードのうちのいずれかにおいて実装されてもよく、又は、上述した通信ノードとは独立した装置に実装されてもよい。例えば、制御エンティティ100は、いずれかのコアネットワークノード(例えば、MME41)内に実装される。
【0071】
実行エンティティ200は、通信システム1に含まれる各通信ノードにおいて実装されてもよく、又は一部の通信ノードに実装されてもよい。一例として、実行エンティティ200は、無線アクセスネットワークノード(MeNB21、PeNB23、RRH25、RN27及びHeNB29)に実装され得る。
【0072】
<<3.各エンティティの構成>>
続いて、
図16及び
図17を参照して、本実施形態に係る制御エンティティ100及び実行エンティティ200の構成を説明する。
【0073】
<3.1.制御エンティティの構成>
まず、
図16を参照して、本実施形態に係る制御エンティティ100の構成の一例を説明する。
図16は、本実施形態に係る制御エンティティ100の構成の一例を示すブロック図である。
図16を参照すると、制御エンティティ100は、通信部110、記憶部120及び処理部130を備える。一例として、制御エンティティ100は、コアネットワークノード(例えば、MME41)内に実装される。
【0074】
(通信部110)
通信部110は、他の通信ノードと通信する。例えば、通信部110は、バックホール回線を通じて他の通信ノードと通信する。例えば、当該他の通信ノードは、MeNB21、PeNB23、RRH25、RN27、HeNB29及び/又はコアネットワークノードを含む。
【0075】
(記憶部120)
記憶部120は、制御エンティティ100の動作のためのプログラム及びデータを一時的にまたは恒久的に記憶する。例えば、記憶部120は、バックホール回線の品質に関する品質関連情報を記憶する。
【0076】
(処理部130)
処理部130は、制御エンティティ100の様々な機能を提供する。処理部130は、品質測定部131、情報収集部133、情報取得部135及び適用制御部137を含む。
【0077】
(品質測定部131)
品質測定部131は、バックホール回線の品質を測定する。
【0078】
例えば、品質測定部131は、バックホール回線の品質についての測定手続きを通じて、バックホール回線の品質を測定し、バックホール回線の品質に関する品質関連情報(以下、「バックホール品質情報」)を生成する。上記測定手続きについては後述する。
【0079】
また、例えば、品質測定部131は、生成されるバックホール品質情報を記憶部120に記憶させる。
【0080】
(情報収集部133)
情報収集部133は、他の装置からバックホール品質情報を収集する。
【0081】
例えば、情報収集部133は、バックホール回線の品質に関する品質関連情報(即ち、バックホール品質情報)についての収集手続きを通じて、当該バックホール品質情報を取得する。当該収集手続きについては後述する。
【0082】
また、例えば、情報収集部133は、収集されるバックホール品質情報を記憶部120に記憶させる。
【0083】
(情報取得部135)
情報取得部135は、無線通信の制御方式が適用される通信ノードへ当該制御方式での制御に関する制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報(即ち、バックホール品質情報)を取得する。
【0084】
−取得されるバックホール品質情報
例えば、上記バックホール品質情報は、上記バックホール回線の上記品質についての測定手続きを通じて生成される。そして、情報取得部135は、生成される上記バックホール品質情報を取得する。
【0085】
また、例えば、上記バックホール品質情報は、当該バックホール品質情報についての収集手続きを通じて、他の装置から収集される。そして、情報取得部135は、収集される上記バックホール品質情報を取得する。
【0086】
具体的には、例えば、品質測定部131が、上記測定手続きを通じて上記バックホール品質情報を生成し、記憶部120に記憶させ、又は、情報収集部133が、上記測定手続きを通じて別の通信ノードにより生成された上記バックホール品質情報を収集し、記憶部120に記憶させる。そして、情報取得部135は、上記バックホール品質情報を取得する。
【0087】
なお、上記収集手続きを通じた収集により、制御エンティティ100は、バックホール品質情報を有しない場合でも、他の装置が有するバックホール品質情報を利用することが可能になる。
【0088】
−制御方式
上記制御方式は、上記通信ノードを含む通信システムの通信容量を向上させるための方式である。
【0089】
第1の例として、上記制御方式は、2つ以上の通信ノードがそれぞれ関与する無線通信の間での干渉を抑制するための方式(以下、「干渉制御方式」と呼ぶ)を含む。例えば、当該干渉制御方式は、周波数ドメインICIC、時間ドメインICIC、BF(ヌルステアリング)等を含む。
【0090】
第2の例として、上記制御方式は、CoMP送受信を含む。
【0091】
−制御方式が適用される通信ノード
上記制御方式が適用される上記通信ノードは、例えば、基地局、リレー局、又は、複数の端末装置により形成される局所ネットワークでの無線通信を制御する端末装置である。
【0092】
本実施形態では、上記通信ノードは、上記制御方式での制御を実行する実行エンティティ200(又は実行エンティティ200が実装される通信ノード)である。より具体的には、例えば、上記通信ノードは、MeNB21、PeNB23、RRH25、RN27、HeNB29及び/又はコアネットワークノードのいずれかである。
【0093】
−制御関連情報及びバックホール回線
上記制御方式での制御に関する上記制御関連情報は、例えば、当該制御方式での制御のための制御情報、及び/又は、当該制御に従って送信されるデータを含む。
【0094】
−−干渉制御の場合
具体例には、例えば、上記制御方式が、干渉制御方式である場合に、上記制御関連情報は、干渉制御のための制御情報(例えば、制御コマンド)を含む。
【0095】
一例として、上記制御関連情報(制御情報)は、制御エンティティ100(例えば、MME41)により実行エンティティ200(例えば、MeNB21)に提供される。この場合に、例えば、上記制御関連情報(制御情報)を提供するために用いられるバックホール回線は、制御エンティティ100と実行エンティティ200との間のバックホール回線(例えば、S1インターフェース)である。
【0096】
−−CoMP送受信の場合
また、例えば、上記制御方式が、CoMP送受信である場合に、上記制御関連情報は、CoMP送受信で送信されるデータを含む。
【0097】
一例として、CoMP送受信で送信されるデータは、共有のために、CoMP送受信に関わる2つの実行エンティティ200(例えば、MeNB21)のうちの一方により他方に提供される。この場合に、上記制御関連情報を提供するための用いられるバックホール回線は、上記2つの実行エンティティ200間のバックホール回線(例えば、X2インターフェース)である。
【0098】
別の例として、CoMP送受信で送信されるデータは、制御エンティティ100(例えば、MME41)により、CoMP送受信に関わる実行エンティティ200(例えば、MeNB21)に提供されてもよい。この場合に、例えば、上記制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線は、制御エンティティ100と実行エンティティ200との間のバックホール回線(例えば、S1インターフェース)であってもよい。
【0099】
なお、上記制御関連情報は、CoMP送受信で送信されるデータの代わりに(又は、CoMP送受信で送信されるデータに加えて)、CoMP送受信のための制御情報(例えば、制御コマンド)を含んでもよい。この場合に、上記制御関連情報を提供するための用いられるバックホール回線は、制御エンティティ100と実行エンティティ200との間のバックホール回線(例えば、S1インターフェース)であってもよい。
【0100】
−バックホール回線の品質
また、例えば、上記バックホールの上記品質は、上記バックホール回線での遅延時間である。この場合に、上記バックホール品質情報は、バックホール回線での遅延時間に関する情報である。
【0101】
なお、上記バックホール回線の上記品質は、遅延時間に限られない。例えば、上記バックホール回線の上記品質は、遅延時間に加えて、又は遅延時間の代わりに、スループット等の、品質に関する別の情報を含んでもよい。
【0102】
(適用制御部137)
適用制御部137は、上記制御関連情報を提供するために用いられる上記バックホール回線の品質に関する上記バックホール品質情報に基づいて、上記通信ノードへの上記制御方式の適用を制御する。
【0103】
例えば、適用制御部137は、上記バックホール品質情報に基づいて、上記通信ノードを含む2つ以上の通信ノードへの上記制御方式の適用を制御する。この場合に、例えば、当該2つ以上の通信ノードについて、上記バックホール品質情報が取得される。
【0104】
−制御方式
また、上述したように、上記制御方式は、上記通信ノードを含む通信システムの通信容量を向上させるための方式である。
【0105】
例えば、上記制御方式は、干渉制御方式を含む。より具体的には、例えば、当該干渉制御方式は、周波数ドメインICIC、時間ドメインICIC、BF(ヌルステアリング)等を含む。
【0106】
バックホール品質情報に基づいて干渉制御方式の適用を制御することにより、例えば、バックホール回線の制約の中でより適切な干渉制御方式を選択して適用することが可能になる。これにより、干渉をより適切に抑制することが可能になる。その結果、通信品質が向上し、通信システム1の通信容量が向上し得る。
【0107】
また、例えば、上記制御方式は、CoMP送受信を含む。
【0108】
バックホール品質情報に基づいてCoMP送受信の適用を制御することにより、例えば、バックホール回線の制約の中で可能な場合に限りCoMP送受信を適用することが可能になる。これにより、CoMP送受信により通信品質を向上させつつ、CoMP送受信の失敗による通信品質の低下を抑えることが可能になる。その結果、通信品質が向上し、通信システム1の通信容量が向上し得る。
【0109】
以上のように、バックホール品質情報に基づいて、通信システムの通信容量を向上させるための制御方式の適用を制御することにより、例えば、通信品質が向上し、通信容量が向上し得る。
【0110】
−具体的な手法
まず第1のステップとして、例えば、適用制御部137は、上記バックホール品質情報に基づいて、2つ以上の
実行エンティティ200(又は実行エンティティ200が実装される2つ以上の通信ノード)への上記制御方式の適用を決定する。
【0111】
一例として、上記制御方式が、干渉制御方式である場合に、適用制御部137は、上記バックホール品質情報に基づいて、周波数ドメインICIC、時間ドメインICIC、及びBF(ヌルステアリング)のうちの1つを選択し、選択された干渉制御方式の適用を決定する。また、別の例として、上記制御方式が、CoMP送受信である場合に、適用制御部137は、上記バックホール品質情報に基づいて、CoMP送受信を適用するかを決定する。
【0112】
次に第2のステップとして、例えば、適用制御部137は、上記2つ以上の実行エンティティ200(又は実行エンティティ200が実装される上記2つ以上の通信ノード)に、当該制御方式を適用する。即ち、適用制御部137は、上記2つ以上の実行エンティティ200に、上記制御方式での制御を実行させる。
【0113】
一例として、適用制御部137は、
実行エンティティ200に、上記制御方式での制御のための制御コマンドを送信する。その結果、
実行エンティティ200が、上記制御方式での制御を実行する。
【0114】
−グループ単位での制御の適用
上記制御方式が適用される複数の通信ノードは、当該複数の通信ノードに関する情報に基づいて、1つ以上のグループに分類される。そして、適用制御部137は、上記1つ以上のグループに含まれるグループごとに、グループに含まれる1つ以上の通信ノードについての上記品質関連情報に基づいて、上記1つ以上の通信ノードへの上記制御方式の適用を制御する。
【0115】
具体的には、例えば、通信システム1に含まれる通信ノードのうちの、上記制御方式が適用される複数の通信ノードが、1つ以上のグループに分類される。そして、適用制御部137は、グループごとに、上記制御方式の適用を制御する。
【0116】
このようなグループ単位での上記制御方式の適用の制御により、グループごとに最適な制御を行うことが可能になる。
【0117】
第1の例として、上記複数の通信ノードに関する上記情報は、上記複数の通信ノードの位置の情報を含む。即ち、上記複数の通信ノードは、上記複数の通信ノードの位置の情報に基づいて、1つ以上のグループに分類される。
【0118】
これにより、例えば、位置が近い通信ノードを同一のグループに分類し、位置が近い通信ノードごとに上記制御方式の適用を制御することが可能になる。即ち、上記制御方式の適用が必要な通信ノードごとに、最適な制御を行うことが可能になる。
【0119】
第2の例として、上記複数の通信ノードに関する上記情報は、上記複数の通信ノードにより使用される無線リソースの情報を含む。即ち、上記複数の通信ノードは、上記複数の通信ノードにより使用される無線リソースの情報に基づいて、1つ以上のグループに分類される。当該無線リソースは、例えば、コンポーネントキャリア(CC)、サブバンド、リソースブロック(RB)等のいずれかの粒度の無線リソースである。
【0120】
これにより、例えば、同一の無線リソースを使用する通信ノードを同一のグループに分類し、同一の無線リソースを使用する通信ノードごとに上記制御方式の適用を制御することが可能になる。即ち、上記制御方式の適用が必要な通信ノードごとに、最適な制御を行うことが可能になる。
【0121】
第3の例として、上記複数の通信ノードに関する上記情報は、上記複数の通信ノードへ上記制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報(即ち、バックホール品質情報)を含んでもよい。即ち、上記複数の通信ノードは、上記複数の通信ノードに対応するバックホール品質情報に基づいて、1つ以上のグループに分類されてもよい。
【0122】
これにより、例えば、バックホール回線の品質(例えば、バックホール回線での遅延時間、バックホール回線の種類(有線/無線))が近い通信ノードを同一のグループに分類し、バックホール回線の品質が近い通信ノードごとに上記制御方式の適用を制御することが可能になる。そのため、例えば、バックホール回線の品質が良好な通信ノードについては、複数の制御方式(例えば、複数の干渉制御方式)のうちの、より高い効果を伴う制御方式(例えば、時間ドメインICIC、BF(ヌルステアリング)、等)を選択して適用することが可能になる。あるいは、例えば、バックホール回線の品質が良好な通信ノードについては、制御方式(例えば、CoMP送受信)をより高い頻度で適用することが可能になる。なお、バックホール品質情報に基づく分類により、グループ間での干渉が発生し得るので、発生し得る干渉が許容可能である場合に、バックホール品質情報に基づく分類が行われることが望ましい。
【0123】
例えば以上のように、グループごとに制御方式の適用の制御が行われる。これにより、より適切な制御を行うことが可能になる。
【0124】
−動作タイミングの調整を考慮した決定
なお、制御方式の適用の決定の際には、通信ノードでの動作タイミングの調整が行われることが考慮されてもよい。当該調整は、バックホール回線での遅延時間の差異が通信ノード間で小さくなるように行われる。このような調整により、通信ノード間で動作タイミングが異なることになり得る。よって、例えば、制御方式の適用の決定の際に、通信ノードでの動作タイミングの調整が行われることを考慮することにより(即ち、通信ノードでの調整後の動作タイミングを考慮することにより)、制御方式の適用の決定をより適切に行うことが可能になる。動作タイミングの調整については、後に詳細に説明する。
【0125】
以上のように、適用制御部137は、バックホール品質情報に基づいて、制御方式の適用を制御する。
【0126】
これにより、バックホール回線での遅延(又は遅延のばらつき)により制御方式を適切に適用できない場合には、当該制御方式の適用を回避することが可能になる。一例として、2つのeNBへの制御方式(例えば、BF(ヌルステアリング))の適用において、制御関連情報は、一方のeNBへほとんど遅延なく送信され、他方のeNBには長い遅延を伴い送信される。この場合に、制御方式を適用すると、一方のeNBへの適用は間に合っても、他方のeNBへの適用は間に合わない可能性がある。このような場合に、上記制御方式の適用を回避することが可能になる。なお、バックホール回線の遅延(又は遅延のばらつき)を考慮して、制御方式の適用に問題が生じない場合に、当該制御方式を適用することができる。このように複数の通信ノードに関する制御(例えば、干渉制御、CoMP送受信)をより適切に行うことが可能になる。
【0127】
なお、制御方式の適用の制御については、より具体的な内容を後述する。
【0128】
<3.2.実行エンティティの構成>
次に、
図17を参照して、本実施形態に係る実行エンティティ200の構成の一例を説明する。
図17は、本実施形態に係る実行エンティティ200の構成の一例を示すブロック図である。
図17を参照すると、実行エンティティ200は、アンテナ部210、無線通信部220、
ネットワーク通信部230、記憶部240及び処理部250を備える。例えば、実行エンティティ200は、MeNB21、PeNB23、RRH25、RN27及びHeNB29に実装される。
【0129】
(アンテナ部210)
アンテナ部210は、無線信号を受信し、受信された無線信号を無線通信部220へ出力する。また、アンテナ部210は、無線通信部220により出力された送信信号を送信する。
【0130】
(無線通信部220)
無線通信部220は、実行エンティティ200の通信可能範囲(例えば、セル)内に位置するUE31との無線通信を行う。
【0131】
(ネットワーク通信部230)
通信部230は、他の通信ノードと通信する。例えば、通信部230は、バックホール回線を通じて他の通信ノードと通信する。例えば、当該他の通信ノードは、MeNB21、PeNB23、RRH25、RN27、HeNB29及び/又はコアネットワークノードを含む。
【0132】
(記憶部240)
記憶部240は、実行エンティティ200の動作のためのプログラム及びデータを一時的にまたは恒久的に記憶する。
【0133】
また、例えば、記憶部240は、バックホール回線の品質に関する品質関連情報を記憶する。
【0134】
(処理部250)
処理部250は、実行エンティティ200の様々な機能を提供する。処理部250は、品質測定部251、情報収集部253、情報取得部255、情報提供部257及び通信制御部259を含む。
【0135】
(品質測定部251)
品質測定部251は、バックホール回線の品質を測定する。
【0136】
例えば、品質測定部251は、バックホール回線の品質についての測定手続きを通じて、バックホール回線の品質を測定し、バックホール回線の品質に関する品質関連情報(即ち、バックホール品質情報)を生成する。上記測定手続きについては後述する。
【0137】
(情報収集部253)
情報収集部253は、他の装置からバックホール品質情報を収集する。
【0138】
例えば、情報収集部253は、バックホール回線の品質に関する品質関連情報(即ち、バックホール品質情報)についての収集手続きを通じて、当該バックホール品質情報を取得する。当該収集手続きについては後述する。
【0139】
また、例えば、情報収集部253は、収集されるバックホール品質情報を記憶部240に記憶させる。
【0140】
(情報取得部255)
情報取得部255は、無線通信の制御方式が適用される通信ノードへ当該制御方式での制御に関する制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報(即ち、バックホール品質情報)の少なくとも一部を取得する。
【0141】
−取得されるバックホール品質情報
例えば、上記バックホール品質情報の上記少なくとも一部は、上記バックホール回線の上記品質についての測定手続きを通じて生成される。そして、情報取得部255は、生成される上記バックホール品質情報を取得する。
【0142】
また、例えば、上記バックホール品質情報の上記少なくとも一部は、当該バックホール品質情報についての収集手続きを通じて、他の装置から収集される。そして、情報取得部255は、収集される上記バックホール品質情報の上記少なくとも一部を取得する。
【0143】
具体的には、例えば、品質測定部251が、上記測定手続きを通じて上記バックホール品質情報を生成し、記憶部240に記憶させ、又は、情報収集部253が、上記測定手続きを通じて別の通信ノードにより生成された上記バックホール品質情報を収集し、記憶部240に記憶させる。そして、情報取得部255は、上記バックホール品質情報を取得する。
【0144】
なお、上記収集手続きを通じた収集により、実行エンティティ200は、バックホール品質情報を有しない場合でも、他の装置が有するバックホール品質情報を利用することが可能になる。
【0145】
−バックホール回線の構成
例えば、上記バックホール回線は、複数の個別のバックホール回線の組合せである。そして、上記バックホール品質情報の上記少なくとも一部は、上記複数の個別のバックホール回線のうちの少なくとも1つの個別のバックホール回線の品質に関する情報(以下、「個別バックホール品質情報」と呼ぶ)である。
【0146】
このような個別のバックホール回線の品質に関する情報の取得により、例えば、バックホール回線全体の品質に関する情報だけではなく、個別のバックホール回線の品質に関する情報を提供することが可能になる。これにより、例えば、バックホール回線に含まれる個別のバックホール回線の品質を考慮して、制御方式の適用をより適切に制御することが可能になる。また、例えば、バックホール回線の部分的な情報を組合せて、バックホール回線全体の品質に関する情報を生成し、又は収集することが可能になる。そのため、バックホール回線の品質の測定、又はバックホール品質情報の収集に要する手間が少なくなり得る。
【0147】
(情報提供部257)
情報提供部257は、上記品質関連情報(即ち、バックホール品質情報)の上記少なくとも一部を提供する。そして、上記バックホール品質情報は、上記制御方式が適用される通信ノードへの上記制御方式の適用の制御に用いられる情報である。
【0148】
例えば、情報提供部257は、上記バックホール品質情報の上記少なくとも一部を制御エンティティ100に提供する。
【0149】
これにより、制御エンティティ100が自らバックホールの品質を測定する手間を減らすことが可能になる。
【0150】
(通信制御部259)
通信制御部259は、制御エンティティ100による制御に応じて、上記制御方式を適用する。即ち、通信制御部259は、制御エンティティ100による制御に応じて、上記制御方式での制御を実行する。
【0151】
例えば、制御エンティティ100は、上記制御方式での制御のための制御コマンドを送信する。すると、通信制御部259は、当該制御コマンドに基づいて、上記制御方式での制御を実行する。
【0152】
なお、上記制御方式の適用及び実行については、より具体的な内容を後述する。
【0153】
<<4.バックホール品質情報の蓄積>>
続いて、
図18〜
図44を参照して、バックホール品質情報の蓄積について説明する。具体的には、バックホール回線の品質についての測定手続き、及びバックホール品質情報についての収集手続きを説明する。
【0154】
<4.1.測定手続き>
まず、
図18〜
図34を参照して、バックホール回線の品質についての測定手続きの第1〜第7の例を説明する。
【0155】
(第1の例)
まず、
図18〜
図20を参照して、上記測定手続きの第1の例を説明する。
【0156】
−測定手続きの流れ
図18は、バックホール回線の品質についての測定手続きの第1の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。ここで、例えば、エンティティXは、制御エンティティ100又は実行エンティティ200であり、エンティティYは、実行エンティティ200である。
【0157】
まず、エンティティXは、バックホール回線の品質の測定に関する要求メッセージを送信し、エンティティYは、上記要求メッセージを受信する(S401)。当該要求メッセージは、エンティティXとエンティティYとの間のバックホール回線の品質を測定するための情報を含む。
【0158】
すると、エンティティYは、上記要求メッセージに含まれる情報(及び上記要求メッセージの受信時間)に基づいて、バックホール回線の品質を測定する(S403)。
【0159】
その後、エンティティYは、バックホール回線の品質の測定に関する応答メッセージを送信し、エンティティXは、上記要求メッセージを受信する(S405)。当該応答メッセージは、バックホール回線の品質の測定結果を含む。また、上記応答メッセージは、エンティティXとエンティティYとの間のバックホール回線の品質を測定するための情報を含む。
【0160】
すると、エンティティXは、上記応答メッセージに含まれる情報(及び上記応答メッセージの受信時間)に基づいて、バックホール回線の品質を測定する(S407)。
【0161】
そして、エンティティXは、バックホール回線の品質の測定結果に基づいて、バックホール品質情報を生成する(S409)。
【0162】
−要求メッセージの内容
図19は、測定手続きの第1の例に係る要求メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
【0163】
図19を参照すると、上記要求メッセージは、当該要求メッセージの送信元(エンティティX)、当該要求メッセージの宛先(エンティティY)を含む。
【0164】
また、上記要求メッセージは、バックホール回線の品質の測定についての要求フラグを含む。当該要求フラグは、測定すべきバックホール回線の品質の種類(例えば、遅延時間、スループット等)を示す。上記要求メッセージは、複数の要求フラグを含んでもよい。これにより、1つの要求メッセージにより複数の品質の測定を要求することが可能になる。その結果、オーバーヘッドを抑えられる。
【0165】
また、上記要求メッセージは、当該要求メッセージの送信時間を示すタイムスタンプを含む。これにより、バックホール回線での遅延時間を測定することが可能になる。
【0166】
また、上記要求メッセージは、当該要求メッセージのデータサイズを含む。これにより、バックホール回線でのスループットを容易に測定することが可能になる。
【0167】
−応答メッセージの内容
図20は、測定手続きの第1の例に係る応答メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
【0168】
図20を参照すると、上記応答メッセージは、当該応答メッセージの送信元(エンティティY)、当該要求メッセージの宛先(エンティティX)を含む。
【0169】
また、上記応答メッセージは、バックホール回線の品質の測定についての応答フラグを含む。当該応答フラグは、測定されたバックホール回線の品質の種類(例えば、遅延時間、スループット等)を示す。上記応答メッセージは、複数の応答フラグを含んでもよい。これにより、1つの応答メッセージにより複数の品質の測定結果を提供することが可能になる。その結果、オーバーヘッドを抑えられる。
【0170】
また、上記応答メッセージは、バックホール回線の品質の測定結果を含む。上記応答メッセージは、1つの種類の品質の測定結果を含んでもよく、2つ以上の種類の品質の測定結果を含んでもよい。
【0171】
また、上記応答メッセージは、上記要求メッセージと同様に、上記応答メッセージの送信時間を示すタイムスタンプ、及び、当該応答メッセージのデータサイズを含む。これにより、バックホール回線での遅延時間及びスループットを測定することが可能になる。
【0172】
−まとめ
上記第1の例では、上記測定手続きは、送信時間を含む1つ以上のメッセージを送受信することを含む。これにより、バックホール回線を通じてメッセージの送信に要した時間を知ることが可能になる。そのため、例えば、バックホール回線での遅延時間を知ることも可能になる。
【0173】
また、上記第1の例では、上記測定手続きは、双方向でバックホール回線の品質を測定することを含む。これにより、一方向と他方向との間で品質の相違が大きい場合に、双方向についての品質の情報を得ることが可能になる。また、一方向と他方向との間で品質の相違が小さい場合であっても、より正確な品質の情報を得ることが可能になる。
【0174】
(第2の例)
次に、
図21〜
図23を参照して、上記測定手続きの第2の例を説明する。
【0175】
−測定手続きの流れ
図21は、バックホール回線の品質についての測定手続きの第2の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。
【0176】
図21を参照すると、要求メッセージの送受信(S411)、及び当該要求メッセージに基づく測定(S413)と、応答メッセージの送受信(S415)、及び当該応答メッセージに基づく測定(S417)とが、複数回繰り返される。
【0177】
そして、エンティティXは、バックホール回線の品質の測定結果に基づいて、バックホール品質情報を生成する(S419)。
【0178】
−要求メッセージの内容
図22は、測定手続きの第2の例に係る要求メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図22を参照すると、
図19を参照して説明した第1の例に係る要求メッセージに含まれる情報要素に加えて、第2の例では、要求メッセージは、要求メッセージの総数と、現在の要求インデックスとをさらに含む。現在の要求インデックスは、要求メッセージが全ての要求メッセージの中の何番目のメッセージであるかを示す。要求メッセージの総数により、全ての要求メッセージが受信されたか、又は要求メッセージのロスが生じたかを知ることが可能になる。
【0179】
−応答メッセージの内容
図23は、測定手続きの第2の例に係る応答メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図23を参照すると、
図20を参照して説明した第1の例に係る応答メッセージに含まれる情報要素に加えて、第2の例では、応答メッセージは、上記要求メッセージと同様に、応答メッセージの総数と、現在の応答インデックスとをさらに含む。
【0180】
−まとめ
上記第2の例では、上記測定手続きは、バックホール回線の品質を複数回測定することを含む。これにより、より正確な品質を測定することが可能になる。
【0181】
(第3の例)
次に、
図24〜
図26を参照して、上記測定手続きの第3の例を説明する。
【0182】
−測定手続きの流れ
図24は、バックホール回線の品質についての測定手続きの第3の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。
【0183】
図24を参照すると、要求メッセージの送受信(S421)、及び当該要求メッセージに基づく測定(S423)が、複数回繰り返し行われる。
【0184】
その後、応答メッセージの送受信(S425)、
当該応答メッセージに基づく測定(S427)、及び、バックホール品質情報の生成(S429)が、行われる。
【0185】
−要求メッセージの内容
図25は、測定手続きの第3の例に係る要求メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図25を参照すると、
図22を参照して説明した第2の例に係る要求メッセージと同様に、第3の例では、要求メッセージは、要求メッセージの総数と、現在の要求インデックスとをさらに含む。
【0186】
−応答メッセージの内容
図26は、測定手続きの第3の例に係る応答メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図26を参照すると、応答メッセージは、バックホール回線の品質の測定結果を含む。ここで、第3の例に係る応答メッセージは、バックホール回線の品質の測定結果として、複数の個別の測定結果を含んでもよく、又は、複数の個別の測定結果から得られた1つの測定結果(例えば、平均値(及び分散値))を含んでもよい。また、
図20を参照して説明した第1の例に係る応答メッセージに含まれる情報要素に加えて、第3の例では、応答メッセージは、測定の総数をさらに含む。これにより、パケットロスが生じているかを知ることも可能になる。
【0187】
−まとめ
上記第3の例では、上記測定手続きは、バックホール回線の品質を複数回測定することを含む。これにより、より正確な品質を測定することが可能になる。
【0188】
(第4の例)
次に、
図27及び
図28を参照して、上記測定手続きの第4の例を説明する。
【0189】
−測定手続きの流れ
図27は、バックホール回線の品質についての測定手続きの第4の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。
【0190】
図27を参照すると、
図18を参照して説明した測定手続きの第1の例と同様に、要求メッセージの送受信(S431)、当該要求メッセージに基づく測定(S433)、応答メッセージの送受信(S435)、
当該応答メッセージに基づく測定(S437)、及び、バックホール品質情報の生成(S438)が、行われる。
【0191】
そして、さらに、測定手続きの第4の例では、エンティティXは、バックホール回線の品質の測定に関する完了メッセージを送信し、エンティティYは、当該完了メッセージを受信する(
S439)。
【0192】
−完了メッセージの内容
図28は、測定手続きの第4の例に係る完了メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
【0193】
図28を参照すると、上記完了メッセージは、当該完了メッセージの送信元(エンティティX)、当該完了メッセージの宛先(エンティティY)を含む。
【0194】
また、上記完了メッセージは、バックホール回線の品質の測定についての完了フラグを含む。当該完了フラグは、測定されたバックホール回線の品質の種類(例えば、遅延時間、スループット等)を示す。上記完了メッセージは、複数の完了フラグを含んでもよい。
【0195】
また、上記完了メッセージは、バックホール回線の品質の測定結果を含む。例えば、当該測定結果は、バックホール品質情報である。上記応答メッセージは、複数の種類の品質の測定結果を含んでもよい。
【0196】
−まとめ
上記第4の例では、上記測定手続きは、バックホール回線の品質の測定を共有することを含む。これにより、測定に関わった複数の通信ノードが測定結果を得ることが可能になる。
【0197】
(第5の例)
次に、
図29及び
図30を参照して、上記測定手続きの第5の例を説明する。
【0198】
−測定手続きの流れ
−−第1の例
図29は、バックホール回線の品質についての測定手続きの第5の例の概略的な流れの第1の例を示すシーケンス図である。
【0199】
図29を参照すると、要求メッセージの送受信(S441)、及び当該要求メッセージに基づく測定(S443)が行われる。そして、エンティティYが、バックホール回線の品質の測定結果に基づいて、バックホール品質情報を生成する(S445)。
【0200】
−−第2の例
図30は、バックホール回線の品質についての測定手続きの第5の例の概略的な流れの第2の例を示すシーケンス図である。
【0201】
図30を参照すると、要求メッセージの送受信(S441)、及び当該要求メッセージに基づく測定(S443)が、複数回繰り返される。そして、エンティティYが、バックホール回線の品質の測定結果に基づいて、バックホール品質情報を生成する(S445)。
【0202】
−要求メッセージの内容
測定手続きの第5の例に係る要求メッセージは、
図19を参照して説明した測定手続きの第1の例に係る要求メッセージの内容と同様である。
【0203】
−まとめ
上記第5の例では、上記測定手続きは、一方向でのバックホール回線の品質を測定することを含む。これにより、オーバーヘッドが抑えられる。
【0204】
(第6の例)
次に、
図31を参照して、上記測定手続きの第6の例を説明する。
【0205】
−測定手続きの流れ
図31は、バックホール回線の品質についての測定手続きの第6の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。
【0206】
エンティティXは、運用での必要に応じて、タイムスタンプを含むいずれかのメッセージを送信し、エンティティYは、当該メッセージを受信する(S451)。
【0207】
すると、エンティティYは、上記メッセージに含まれる情報(及び上記要求メッセージの受信時間)に基づいて、バックホール回線の品質を測定する(S453)。
【0208】
その後、応答メッセージの送受信(S455)、当該当該応答メッセージに基づく測定(S457)、及び、バックホール品質情報の生成(S459)が、行われる。
【0209】
−応答メッセージの内容
測定手続きの第6の例に係る要求メッセージは、
図20を参照して説明した測定手続きの第1の例に係る応答メッセージの内容と同様である。
【0210】
−まとめ
上記第6の例では、上記測定手続きは、バックホール回線の品質の測定を目的としないメッセージを送受信することを含む。これにより、要求メッセージによるオーバーヘッドを削減することが可能になる。
【0211】
−その他
さらに別の例として、例えば、IEEE1588(PTP(Precision Time Protocol))、ping(ICMP(Internet Control Message Protocol)のecho request/reply)等のプロトコル機能を利用して、測定が行われてもよい。ただし、とりわけpingの場合に測定される遅延時間は、RTT(Round Trip Time)であることに留意する。この場合に、RTTの1/2の値が一方向での遅延時間とみなされてもよい。
【0212】
(第7の例)
次に、
図32〜
図34を参照して、上記測定手続きの第7の例を説明する。
【0213】
−測定手続きの流れ
−−第1の例
図32は、バックホール回線の品質についての測定手続きの第7の例の概略的な流れの第1の例を示すシーケンス図である。ここで、例えば、エンティティXは、制御エンティティ100又は実行エンティティ200であり、エンティティY及びエンティティZは、実行エンティティ200である。この例では、エンティティXとエンティティYとの間のバックホール回線の品質が測定される。
【0214】
まず、エンティティXは、バックホール回線の品質の測定に関する要求メッセージを送信し、エンティティ
Yは、上記要求メッセージを受信する(S461)。当該要求メッセージは、エンティティXとエンティティYとの間のバックホール回線の品質の測定を要求するメッセージである。
【0215】
そして、エンティティ
Yは、エンティティXとエンティティ
Yとの間のバックホール回線の品質を測定する(S463)。
【0216】
ここで、エンティティ
Yは、エンティティZとエンティティYとの間のバックホール回線の品質の測定結果を保有し、当該バックホール品質情報を取得する(S464)。
【0217】
その後、エンティティ
Yは、バックホール回線の品質の測定に関する応答メッセージを送信し、エンティティXは、上記
応答メッセージを受信する(S465)。当該応答メッセージは、エンティティXとエンティティ
Yとの間のバックホール回線の品質の測定結果と、エンティティZとエンティティYとの間のバックホール回線の品質の測定結果とを含む。
【0218】
そして、エンティティXは、エンティティXとエンティティZとの間のバックホール回線の品質を測定する(S467)。
【0219】
その後、エンティティXは、バックホール回線の品質の測定結果に基づいて、エンティティXとエンティティYとの間のバックホール回線の品質に関するバックホール品質情報を生成する(S469)。
【0220】
なお、一例として、エンティティXとエンティティ
Yとの間のバックホール回線は有線回線であり、及びエンティティZとエンティティYとの間のバックホール回線は無線回線である。この場合に、例えば、エンティティZはいずれかのeNBであり、エンティティYはRN27又はLNのマスタ端末(UE31F)である。
【0221】
なお、エンティティZとエンティティYとの間のバックホール回線の品質の測定結果は、エンティティZとエンティティYとの間のバックホール回線の品質に関するバックホール品質情報の形で保有されてもよい。
【0222】
−−第2の例
図33は、バックホール回線の品質についての測定手続きの第7の例の概略的な流れの第2の例を示すシーケンス図である。この例でも、エンティティXとエンティティYとの間のバックホール回線の品質が測定される。
【0223】
まず、
図32を参照して説明した第1の例と同様に、要求メッセージの送受信(S461)、及び当該要求メッセージに基づく測定(S463)が行われる。
【0224】
ここで、エンティティZは、エンティティZとエンティティYとの間のバックホール回線の品質の測定結果を保有していないので、当該バックホール回線の品質の測定を行う(S471〜
S477)。当該測定は、
図18を参照して説明した測定手続きの第1の例と同様に行われる。
【0225】
その後、
図32を参照して説明した第1の例と同様に、応答メッセージの送受信(S465)、
当該応答メッセージに基づく測定(S467)、及び、バックホール品質情報の生成(S469)が、行われる。
【0226】
−要求メッセージの内容
測定手続きの第5の例に係る要求メッセージは、例えば、
図19を参照して説明した測定手続きの第1の例に係る要求メッセージの内容と同様である。
【0227】
−応答メッセージの内容
図34は、測定手続きの第7の例に係る応答メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図34を参照すると、応答メッセージは、個別のバックホール回線の品質の測定結果を含む。例えば、応答メッセージは、エンティティXとエンティティZとの間のバックホール回線の品質の測定結果と、エンティティZとエンティティYとの間のバックホール回線の品質の測定結果とを含む。
【0228】
−まとめ
上記第7の例では、上記バックホール回線は、複数の個別のバックホール回線の組合せである。そして、上記測定手続きは、上記複数の個別のバックホール回線のうちの少なくとも1つの個別のバックホール回線の品質を測定することを含む。
【0229】
これにより、例えば、バックホール回線に含まれる個別のバックホール回線の品質を考慮して、制御方式の適用をより適切に制御することが可能になる。また、例えば、バックホール回線全体を構成する個別のバックホール回線の品質に関する情報を組合せて、バックホール回線全体の品質に関する情報を生成することが可能になる。そのため、バックホール回線の品質の測定に要する手間が少なくなり得る。
【0230】
<4.2.収集手続き>
次に、
図35〜
図44を参照して、バックホール品質情報についての収集手続きの第1〜第6の例を説明する。
【0231】
(第1の例)
まず、
図35〜
図37を参照して、上記収集手続きの第1の例を説明する。
【0232】
−収集手続きの流れ
図35は、バックホール品質情報についての収集手続きの第1の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。ここで、例えば、エンティティXは、制御エンティティ100又は実行エンティティ200であり、エンティティYは、実行エンティティ200である。
【0233】
まず、エンティティXは、バックホール回線の情報の収集に関する要求メッセージを送信し、エンティティYは、上記要求メッセージを受信する(S501)。一例として、当該要求メッセージは、エンティティYとエンティティZ(図示せず)との間のバックホール回線の品質に関するバックホール品質情報の提供を要求するメッセージである。
【0234】
ここで、エンティティYは、収集対象であるバックホール品質情報を保有する。よって、エンティティYは、当該バックホール品質情報を取得する(S503)。
【0235】
そして、エンティティYは、バックホール回線の情報の収集に関する応答メッセージを送信し、エンティティXは、上記応答メッセージを受信する(S505)。当該応答メッセージは、上記バックホール品質情報を含む。
【0236】
−要求メッセージの内容
図36は、収集手続きの第1の例に係る要求メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
【0237】
図36を参照すると、上記要求メッセージは、当該要求メッセージの送信元(エンティティX)、当該要求メッセージの宛先(エンティティY)を含む。
【0238】
また、上記要求メッセージは、バックホール回線の情報の収集についての要求フラグを含む。当該要求フラグは、収集すべきバックホール品質情報の種類(例えば、遅延時間、スループット、パケットロス率、等)を示す。これにより、1つの要求メッセージにより複数の種類のバックホール品質情報を収集することが可能になる。その結果、オーバーヘッドを抑えられる。
【0239】
また、上記要求メッセージは、上記バックホール品質情報に対応するバックホール回線の送信元と送信先を示す情報を含む。
【0240】
−応答メッセージの内容
図37は、収集手続きの第1の例に係る応答メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
【0241】
図37を参照すると、上記応答メッセージは、当該要求メッセージの送信元(エンティティY)、当該要求メッセージの宛先(エンティティX)を含む。
【0242】
また、上記応答メッセージは、バックホール情報を含む。当該バックホール情報は、バックホール品質情報を含む。また、上記
応答メッセージは、1つの種類のバックホール品質情報を含んでもよく、2つ以上の種類のバックホール品質情報を含んでもよい。また、バックホール情報は、バックホールの種類を示す情報を含んでもよい。なお、エンティティYが収集対象のバックホール品質情報を有しない場合には、上記
応答メッセージは、バックホール品質情報を有していないことを示す情報を、バックホール情報として含んでもよい。
【0243】
また、上記
応答メッセージは、上記バックホール品質情報に対応するバックホール回線の送信元と送信先を示す情報を含む。
【0244】
−まとめ
上記第1の例では、上記収集手続きは、バックホール品質情報の提供を要求することと、要求に応じてバックホール品質情報を提供することとを含む。これにより、バックホール品質情報を能動的に収集することが可能になる。
【0245】
(第2の例)
次に、
図38及び
図39を参照して、上記収集手続きの第2の例を説明する。
【0246】
−収集手続きの流れ
図38は、バックホール品質情報についての収集手続きの第2の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。
【0247】
まず、エンティティXは、バックホール回線の情報の収集に関する要求メッセージを送信し、エンティティYは、上記要求メッセージを受信する(S511)。
【0248】
ここで、エンティティYは、収集対象であるバックホール回線の品質に関するバックホール品質情報を保有しない。しかし、エンティティYは、当該バックホール品質情報を保有するエンティティ(例えば、エンティティZ)を知っている。そこで、エンティティYは、上記要求メッセージをエンティティZへ転送する(S513)。
【0249】
ここで、エンティティZは、収集対象であるバックホール回線の品質に関するバックホール品質情報を保有する。よって、エンティティYは、当該バックホール品質情報を取得する(S515)。
【0250】
そして、エンティティZは、バックホール回線の情報の収集に関する応答メッセージを送信し、エンティティXは、上記応答メッセージを受信する(S5
17)。当該応答メッセージは、上記バックホール品質情報を含む。
【0251】
−要求メッセージの内容
図39は、収集手続きの第2の例に係る要求メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。当該要求メッセージは、エンティティYによりエンティティZへ転送される要求メッセージである。
【0252】
図39を参照すると、転送される上記要求メッセージは、
図36を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る要求メッセージに含まれる情報要素を含む。ただし、情報要素のうちの、要求メッセージの宛先は、転送元のエンティティ(エンティティY)によって、転送元のエンティティ(エンティティY)から転送先のエンティティ(エンティティZ)へ変更される。
【0253】
なお、例えば、転送される上記要求メッセージには、さらに転送元(エンティティY)が追加さえる。
【0254】
−応答メッセージの内容
収集手続きの第2の例に係る
応答メッセージは、例えば、
図37を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る応答メッセージの内容と同様である。
【0255】
−まとめ
上記第2の例では、上記収集手続きは、バックホール品質情報の提供の要求を、当該バックホール品質情報を有する通信ノードへ転送することを含む。これにより、バックホール品質情報を保有する通信ノードを探し出す手間を減らすことが可能になる。
【0256】
(第3の例)
次に、
図40及び
図41を参照して、上記収集手続きの第3の例を説明する。
【0257】
−収集手続きの流れ
図40は、バックホール品質情報についての収集手続きの第3の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。
【0258】
まず、エンティティXは、バックホール回線の情報の収集に関する要求メッセージを送信し、エンティティYは、上記要求メッセージを受信する(S521)。
【0259】
ここで、エンティティYは、収集対象であるバックホール回線の品質に関するバックホール品質情報を保有しない。しかし、エンティティYは、当該バックホール品質情報を保有するエンティティ(例えば、エンティティZ)を知っている。そこで、エンティティYは、上記バックホール品質情報を保有するエンティティ(例えば、エンティティZ)の情報を含む応答メッセージを送信し、エンティティXは、当該応答メッセージを受信する(S523)。
【0260】
その後、エンティティX及びエンティティZとの間で、要求メッセージの送受信(S525)、バックホール品質情報の取得(S527)、及び応答メッセージの送受信(S529)が行われる。
【0261】
−要求メッセージの内容
収集手続きの第3の例に係る要求メッセージは、
図36を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る要求メッセージの内容と同様である。
【0262】
−応答メッセージの内容
図41は、収集手続きの第3の例に係る応答メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。当該応答メッセージは、バックホール品質情報を保有しないエンティティ(エンティティY)によって、要求元のエンティティ(エンティティX)へ送信される応答メッセージである。
【0263】
図41を参照すると、上記
応答メッセージは、
図36を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る
応答メッセージに含まれる情報要素を含む。例えば、バックホール情報には、バックホール品質情報を有していないことを示す情報が含まれる。そして、上記要求メッセージは、さらに、バックホール品質
情報の提供を要求されるべき宛先(エンティティZ)の情報を含む。
【0264】
なお、例えば、エンティティZによりエンティティXへ送信される
応答メッセージは、
図36を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る応答メッセージの内容と同様である。
【0265】
−まとめ
上記第3の例では、上記収集手続きは、バックホール品質情報の提供を要求することと、要求に応じて、当該バックホール品質情報を有する通信ノードを通知することとを含む。これにより、バックホール品質情報を保有する通信ノードを探し出す手間を減らすことが可能になる。
【0266】
また、上記第3の例では、上記第2の例と比べると、要求メッセージの送信から応答メッセージの受信までの時間が短くすることができる。また、上記第3の例では、転送が含まれないので、収集手続きがシンプルになる。
【0267】
(第4の例)
次に、
図42を参照して、上記収集手続きの第4の例を説明する。
【0268】
−収集手続きの流れ
図42は、バックホール品質情報についての収集手続きの第4の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。
【0269】
図42を参照すると、収集手続きの第3の例と同様に、エンティティX及びエンティティYとの間で、要求メッセージの送受信(S531)及び応答メッセージの送受信(S533)が行われる。また、エンティティYは、収集対象のバックホール品質情報をエンティティZが保有することを知っている。
【0270】
ただし、その後、エンティティX及びエンティティZとの間ではなく、エンティティY及びエンティティZとの間で、要求メッセージの送受信(S535)、バックホール品質情報の取得(S536)、及び応答メッセージの送受信(S537)が行われる。
【0271】
そして、エンティティYは、バックホール回線の情報の収集に関する応答メッセージを送信し、エンティティXは、上記応答メッセージを受信する(S539)。当該応答メッセージは、上記バックホール品質情報を含む。
【0272】
−要求メッセージの内容
収集手続きの第4の例に係る要求メッセージは、
図36を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る要求メッセージの内容と同様である。
【0273】
−応答メッセージの内容
収集手続きの第4の例に係る応答メッセージのうちの、最初の応答メッセージ(即ち、
図42のS533で送信される応答メッセージ)は、
図41を参照して説明した収集手続きの第3の例に係る
応答メッセージの内容と同様である。ただし、バックホール情報には、バックホール品質情報を有していないことを示す情報が含まれず、例えば、いずれの情報も含まれない。
【0274】
また、収集手続きの第4の例に係る応答メッセージのうちの、2番目の応答メッセージ(即ち、
図42のS539で送信される応答メッセージ)は、
図36を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る要求メッセージの内容と同様である。
【0275】
−まとめ
上記第4の例では、上記収集手続きは、バックホール品質情報の提供を要求することと、要求に応じて、当該バックホール品質情報を有する通信ノードにバックホール品質情報の提供をさらに要求することとを含む。これにより、バックホール品質情報の収集手続きにおける要求元(エンティティX)にとっての手間を減らすことができる。また、オーバーヘッドを減らすことが可能になる。
【0276】
(第5の例)
次に、
図43を参照して、上記収集手続きの第5の例を説明する。
【0277】
−収集手続きの流れ
図43は、バックホール品質情報についての収集手続きの第5の例の概略的な流れの例を示すシーケンス図である。
【0278】
図43を参照すると、エンティティXは、バックホール回線の情報の収集に関する要求メッセージを送信し、エンティティYは、上記要求メッセージを受信する(S541)。
【0279】
ここで、エンティティYは、収集対象であるバックホール品質情報を保有しないが、測定手続きを通じて当該バックホール品質情報を生成可能である。そこで、エンティティY及びエンティティZとの間で、バックホール品質の測定手続きが行われ、収集対象のバックホール品質情報が得られる(S543)。
【0280】
そして、エンティティYは、バックホール回線の情報の収集に関する応答メッセージを送信し、エンティティXは、上記応答メッセージを受信する(
S545)。当該応答メッセージは、上記バックホール品質情報を含む。
【0281】
−要求メッセージの内容
収集手続きの第5の例に係る要求メッセージは、
図36を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る要求メッセージの内容と同様である。
【0282】
−応答メッセージの内容
収集手続きの第5の例に係る応答メッセージは、
図37を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る応答メッセージの内容と同様である。
【0283】
−まとめ
上記第5の例では、上記収集手続きは、バックホール回線の品質の測定手続きを通じて、バックホール回線の品質に関するバックホール品質情報を生成することを含む。これにより、バックホール品質情報の収集手続きにおける要求元(エンティティX)にとっての手間を減らすことができる。また、オーバーヘッドを減らすことが可能になる。
【0284】
(第6の例)
次に、
図44を参照して、上記収集手続きの第6の例を説明する。
【0285】
なお、上記収集手続きの第6の例では、収集対象のバックホール回線情報は、複数の個別のバックホール回線の組合せである。具体的には、例えば、収集対象のバックホール品質情報は、エンティティYとエンティティZとの間のバックホール回線の品質に関するバックホール品質情報である。そして、当該バックホール回線は、エンティティYとエンティティWとの間の個別のバックホール回線と、エンティティWとエンティティZとの間の個別のバックホール回線とを含む。
【0286】
−収集手続きの流れ
収集手続きの第6の例に係る概略的な流れの例は、
図35を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る概略的な流れの例と同様である。
【0287】
−要求メッセージの内容
収集手続きの第6の例に係る要求メッセージは、
図36を参照して説明した収集手続きの第1の例に係る要求メッセージの内容と同様である。
【0288】
−応答メッセージの内容
図44は、収集手続きの第6の例に係る応答メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図44を参照すると、応答メッセージは、個別のバックホール回線についてのバックホール情報(バックホール品質情報、等)を含む。例えば、応答メッセージは、エンティティYとエンティティWとの間のバックホール回線についてのバックホール情報と、エンティティWとエンティティZとの間のバックホール回線についてのバックホール情報とを含む。
【0289】
−まとめ
上記第6の例では、上記バックホール回線は、複数の個別のバックホール回線の組合せである。そして、上記収集手続きは、上記複数の個別のバックホール回線のうちの少なくとも1つの個別のバックホール回線の品質に関する情報を収集することを含む。
【0290】
これにより、例えば、バックホール回線に含まれる個別のバックホール回線の品質を考慮して、制御方式の適用をより適切に制御することが可能になる。また、例えば、個別のバックホール回線の品質に関する情報の収集し、これらの情報を組み合わせることにより、バックホール回線全体の品質に関する情報を収集することが可能になる。そのため、バックホール回線の品質に関する情報の収集に要する手間が少なくなり得る。
【0291】
(その他)
なお、バックホール品質情報を収集する手法として、要求メッセージを個別のエンティティに送信する代わりに、要求メッセージをブロードキャストしてもよい。これにより、例えば、所望のバックホール品質情報をより素早く収集することが可能になる。
【0292】
また、要求メッセージの送信元のエンティティは、要求メッセージの送信後に、バックホール品質情報の収集のためのタイマを開始させてもよい。当該タイマには、所定の期限が設定される。当該期限内にいずれかの応答メッセージが受信されない場合には、例えば、上記エンティティは、バックホール品質情報の収集が失敗したと判定する。また、例えば、応答メッセージの送信元のエンティティがバックホール品質情報の収集を代行する場合には、要求メッセージの送信元のエンティティは、応答メッセージの内容から、上記タイマの期限の変更(例えば、延長)を行なってもよい。
【0293】
また、バックホール回線の品質の測定に関する要求メッセージ、及び/又は、バックホール回線の品質の測定に関する応答メッセージは、送信時刻を示す情報(タイムスタンプ)を含んでもよい。これにより、収集手続きにおいてもバックホール回線の品質を測定することが可能になる。
【0294】
<<5.制御方式の適用の制御>>
続いて、
図45〜
図57を参照して、制御方式の適用の制御について説明する。具体的には、制御方式の適用の決定、並びに、制御方式の適用及び実行について説明する。
【0295】
<5.1.制御方式の適用の決定>
まず、
図45を参照して、制御方式の適用の決定の具体例を説明する。上述したように、当該決定は、制御エンティティ100により行われる。
【0296】
(制御方式の適用の単位)
上述したように、例えば、制御方式が適用される複数の通信ノードが、1つ以上のグループに分類され、当該1つ以上のグループごとに、上記制御方式の適用が制御される。
【0297】
上述したように、一例として、上記複数の通信ノードは、当該複数の通信ノードの位置の情報、及び、当該複数の通信ノードにより使用される無線リソースの情報に基づいて、1つ以上のグループに分類される。なお、上記複数の通信ノードは、当該複数の通信ノードに対応するバックホール品質情報にさらに基づいて、1つ以上のグループに分類されてもよい。
【0298】
なお、以降に説明する処理(指標の算出、制御方式の適用の決定)は、グループごとに行われる。
【0299】
(制御方式の適用の決定に用いる指標の算出)
まず、制御方式の適用の対象となる2つ以上の通信ノード(即ち、グループ内の含まれる2つ以上の通信ノード)について、制御方式の適用の決定に用いる指標Tを算出する。一例として、バックホール回線の品質は、遅延時間であり、上記指標は、遅延時間に関する指標である。
【0300】
−指標の第1の例
第1の例として、指標Tは、上記2つ以上の通信ノードに制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質の中の最悪値と最良値との差分である。
【0301】
例えば、対象のバックホール回線のうちのバックホール回線iの品質をT
i、対象のバックホール回線のうちのバックホール回線jの品質をT
jとすると、指標Tは以下のように表される。
【0303】
例えば、制御エンティティ100(例えば、MME41)から3つの実行エンティティ200(例えば、MeNB21)への3つのバックホール回線が対象のバックホール回線である場合に、これらのバックホール回線の品質をT
1、T
2、T
3とする。この場合に、Tは、|T
1−T
2|、|T
2−T
3|及び|T
3−T
1|のうちの最大のものになる。
【0304】
このような指標Tを用いることにより、想定し得る最悪のケースに合わせて制御方式の適用を制御することになる。
【0305】
なお、上記指標は、必ずしも最悪値と最良値との差分でなくてもよい。例えば、統計上、最良値及び最悪値を除外することが望ましい場合もあるので、そのような場合には、例えば、m番目に悪い値とn番目に良好な値との差分であってもよい。当該m、nについては、指標Tを算出する通信ノード(例えば、制御エンティティ100)により予め決められてもよく、又は、通信システム1内の他の通信ノードにより指定されてもよい。
【0306】
また、上記指標は、最悪値と最良値との差分ではなく、最悪値であってもよい。この場合にも、想定し得る最悪のケースに合わせて制御方式の適用を制御することになる。
【0307】
−指標の第2の例
第2の例として、指標Tは、上記2つ以上の通信ノードに制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質と基準値(reference value)との差分の平均(又はばらつき(例えば、標準偏差))であってもよい。
【0308】
あるいは、指標Tは、バックホール回線の品質の統計情報(例えば、平均値、標準偏差、等)であってもよい。
【0309】
一例として、指標Tが、バックホール回線の品質の平均値である場合に、対象のバックホール回線の数をN
T、対象のバックホール回線のうちのバックホール回線iの品質をT
iとすると、指標Tは、例えば以下のように表される。
【0311】
別の例として、指標Tが、バックホール回線の品質の標準偏差である場合には、対象のバックホール回線の数をN
T、対象のバックホール回線のうちのバックホール回線iの品質をT
iとすると、指標Tは、例えば以下のように表される。
【0313】
(制御方式の適用の決定の具体例)
−干渉制御方式
例えば、上記制御方式は、干渉制御方式を含む。より具体的には、例えば、上記制御方式は、複数の干渉制御方式(例えば、周波数ドメインICIC、時間ドメインICIC、BF(ヌルステアリング)、等)を含む。この場合の制御方式の適用の決定を以下に説明する。
【0314】
例えば、制御エンティティ100(適用制御部137)は、上記バックホール品質情報に基づいて、複数の干渉制御方式のうちの1つの干渉制御方式を選択する。より具体的には、例えば、制御エンティティ100(適用制御部137)は、上記バックホール品質情報から算出される指標Tに基づいて、複数の干渉制御方式のうちの1つの干渉制御方式を選択する。以下、この点について、
図45を参照して具体例を説明する。
【0315】
図45は、干渉制御方式の適用の決定の具体例を説明するための説明図である。
図45を参照すると、各干渉制御方式とその適用条件が示されている。例えば、指標T(例えば、遅延時間又は遅延時間のばらつき)が閾値T
D1を超える場合には、バックホール回線での遅延の影響を受けにくい周波数ドメインICICの適用が決定される。また、例えば、指標Tが閾値T
D4以下であれば、バックホール回線での遅延の影響を受けやすいが無線リソースの高い利用効率を伴うBF(ヌルステアリング)の適用が決定される。このように、例えば、指標Tに対応する干渉制御方式が選択され、選択された干渉制御方式の適用が決定される。
【0316】
その後、第2のステップとして、制御エンティティ100(適用制御部137)は、各バックホール回線を介して、干渉制御方式が適用される各通信ノード(実行エンティティ200)に、当該干渉制御方式での制御に関する情報(例えば、制御コマンド)を提供する。
【0317】
以上のように、干渉制御方式が選択され、選択される干渉制御方式が適用される。これにより、バックホール回線の品質に適した干渉制御を行うことが可能になる。
【0318】
−多地点協調(CoMP)送受信
例えば、上記制御方式は、CoMP送受信を含む。この場合の制御方式の適用の決定を以下に説明する。
【0319】
例えば、制御エンティティ100(適用制御部137)は、上記バックホール品質情報に基づいて、CoMP送受信を適用するかを決定する。例えば、指標Tが、ある閾値を超える場合(即ち、バックホール回線間での遅延時間(又は遅延時間のバラつき)が大きい場合)に、CoMP送受信を適用しないことが決定される。また、指標Tが、ある閾値を超えない場合(即ち、バックホール回線間での遅延時間(又は遅延時間のバラつき)が大きくない場合)に、CoMP送受信を適用することが決定される。
【0320】
以上のように、CoMP送受信を適用するかが決定される。これにより、例えば、バックホール回線の品質から、CoMP送受信が可能な場合に限り、CoMP送受信が行われる。
【0321】
<5.2.制御方式の適用及び実行>
次に、
図46〜
図57を参照して、制御方式の適用及び実行の具体例を説明する。上述したように、当該適用は、制御エンティティ100により行われ、当該実行は、実行エンティティ200により行われる。
【0322】
(制御方式間の共通事項)
まず、制御方式の適用及び実行について、制御方式(例えば、周波数ドメインICIC、時間ドメインICIC、BF、CoMP送受信)間で共通の事項を説明する。
【0323】
−処理の流れ
−−ダウンリンク(DL)での制御方式の適用
図46は、ダウンリンクでの制御方式の適用及び実行の処理の流れを説明するための説明図である。
【0324】
まず、制御エンティティ100は、実行エンティティ200に制御コマンドを送信する(S601)。当該制御コマンドは、制御方式の種類を示す情報、制御方式での制御に必要なパラメータ等を含む。制御方式ごとの制御コマンドの内容については後に詳細に説明する。すると、実行エンティティ200は、コマンド応答メッセージを送信する(S603)。当該コマンド応答メッセージにより、制御エンティティ100は、制御コマンドの受信状況を確認できる。
【0325】
そして、実行エンティティ200は、制御コマンドに基づいて、当該制御コマンドにより示される制御方式での制御のための動作パラメータを変更する(S605)。これにより、制御方式での制御が行われる。そして、実行エンティティ200は、ダウンリンクで制御情報(スケジューリング情報、MCS(Modulation and Coding Set)、プリコーダ情報、等)及びデータを送信する(S607)。例えば、上記制御情報は、PDCCHにおいて送信され、上記データは、PDSCHにおいて送信される。その後、UE31は、実行エンティティ200にACK/NACKを送信する(S609)。
【0326】
なお、制御方式がCoMP送受信である場合には、少なくとも実行エンティティ200による制御情報及びデータの送信(S607)より前に、CoMP送受信を行う実行エンティティ200へのデータの送信がさらに行われ得る。
【0327】
−−アップリンク(UL)での制御方式の適用
図47は、アップリンクでの制御方式の適用及び実行の処理の流れを説明するための説明図である。
【0328】
まず、制御エンティティ100は、実行エンティティ200に制御コマンドを送信する(S621)。すると、実行エンティティ200は、コマンド応答メッセージを送信する(S623)。
【0329】
そして、実行エンティティ200は、制御コマンドに基づいて、当該制御コマンドにより示される制御方式での制御のための動作パラメータを変更する(S625)。これにより、制御方式での制御が行われる。そして、実行エンティティ200は、ダウンリンクで制御情報(スケジューリング情報、MCS(Modulation and Coding Set)、プリコーダ情報、等)を送信する(S627)。例えば、当該制御情報は、PDCCHにおいて送信される。その後、UE31は、アップリンクのスケジューリング情報に従って、アップリンクでデータを送信する(S629)。例えば、当該データは、PUSCHにおいて送信される。その後、実行エンティティ200は、UE31にACK/NACKを送信する(S631)。
【0330】
なお、実行エンティティ200での動作パラメータの変更の代わりに、又は当該変更と共に、UE31での動作パラメータの変更が行われてもよい。この場合に、
実行エンティティ200は、動作パラメータをUE31へ送信し、UE31は、当該動作パラメータを受信し、設定してもよい。一例として、UE31によるBF(ヌルステアリング)が行われる場合に、当該BFのためのパラメータ(例えば、アンテナ重み係数、送信電力、等)がUE31へ送信され、UE31により設定されてもよい。
【0331】
−コマンド応答メッセージの内容
図48は、制御コマンドに対するコマンド応答メッセージの内容の例を説明するための説明図である。
図48を参照すると、コマンド応答メッセージは、当該コマンド応答メッセージの送信元(実行エンティティ200)、当該コマンド
応答メッセージの宛先(制御エンティティ100)を含む。また、コマンド応答メッセージは、ACK又はNACKを含む。また、コマンド応答メッセージは、NACKを含む場合に、NACKの理由を含む。制御エンティティ100は、当該理由をその後の対応に役立てることが可能になる。
【0332】
−理由のカテゴリ
図49は、コマンド応答メッセージに含まれるNACKの理由のカテゴリの例を説明するための説明図である。
図49を参照すると、NACKの理由のカテゴリとして、例えば、通信誤りによるエラー検出(インデックス0)、制御方式への未対応(インデックス1)、制御パラメータの量が範囲外(インデックス2)及び制御開始時間が範囲外(インデックス3)、その他(インデックス4)がある。
【0333】
(周波数ドメインICICに関する事項)
次に、周波数ドメインICICに関する事項を説明する。
【0334】
−コマンド応答メッセージの内容
図50は、周波数ドメインICICの制御コマンドの内容の例を説明するための説明図である。
【0335】
図50を参照すると、まず、制御コマンドは、当該制御コマンドの送信元(制御エンティティ100)、当該制御コマンドの宛先(実行エンティティ200)を含む。
【0336】
また、制御コマンドは、制御方式を識別するための制御方式クラスIDを含む。この場合には、制御方式クラスIDは、周波数ドメインICICのクラスIDである。
【0337】
また、制御コマンドは、いつ制御コマンドを適用するか(例えば、制御方式での制御の実行を開始するタイミング)を示す情報を含む。また、制御コマンドは、周波数ドメインICICで使用すべき周波数リソース(RB、RBグループ、CC、又はそれらのセット、等)の情報を含む。実行エンティティ200は、制御コマンドにより示されるタイミング以降に、制御コマンドにより示される周波数リソースの範囲でのリソース割当て(スケジューリング)を行うように、動作パラメータを変更する。その結果、周波数ドメインICICが実現される。
【0338】
なお、FFRが用いられる場合には、実行エンティティ200は、制御コマンドにより示される周波数リソース以外の周波数リソースのリソース割当て(スケジューリング)を行ってもよい。また、制御コマンドは、周波数ドメインICICで使用すべき周波数リソースを示す情報の代わりに、周波数ドメインICICで使用すべきでない周波数リソースを示す情報を含んでもよい。この場合には、実行エンティティ200は、制御コマンドにより示されるタイミング以降に、制御コマンドにより示される周波数リソース以外の周波数リソースの範囲でのリソース割当て(スケジューリング)を行うように、動作パラメータを変更してもよい。
【0339】
また、FFRが用いられる場合には、制御コマンドは、電力量を示す情報を含む。
【0340】
−実行エンティティの処理の流れ
図51A及び
図51Bは、周波数ドメインICICが適用される場合の実行エンティティ200の処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。当該処理は、制御エンティティ100からの制御コマンドの受信後に実行される。
【0341】
実行エンティティ200は、FFRに対応しているか否かをチェックする(S701)。また、実行エンティティ200は、ICICのために使用する周波数リソースをチェックする(S703)。その後、実行エンティティ200は、ICICを考慮したスケジューリングを行う(S705)。また、実行エンティティ200は、送信電力、MCS、データサイズ等の設定を行う(S707)そして、実行エンティティ200は、通信相手(UE31)に提供する制御情報を生成する(S709)。
【0342】
そして、ダウンリンクでICICが実行される場合(S711:Yes)、実行エンティティ200は、制御情報を制御チャネル(例えば、PDCCH)で送信しつつ(S713)、データをデータチャネル(例えば、PDSCH)で送信する(S715)。その後、実行エンティティ200は、データ送信に対するACK/NACKを待つ(S717)。
【0343】
一方、アップリンクでICICが実行される場合(S711:No)、実行エンティティ200は、制御情報を制御チャネル(例えば、PDCCH)で送信し(S719)、アップリンクで送信されるデータをデータチャネル(PDSCH)で待つ(S721)。そして、実行エンティティ200は、データが受信されると(S723:Yes)データを復号する(S725)。さらに、実行エンティティ200は、復号に成功すると(S727:Yes)ACKを送信し(S729)、復号に失敗すると(S727:No)NACKを送信する(S731)。なお、実行エンティティ200は、データが受信されない場合(S723:No)も、NACKを送信する(S731)。
【0344】
(時間ドメインICICに関する事項)
次に、時間ドメインICICに関する事項を説明する。
【0345】
−コマンド応答メッセージの内容
図52は、時間ドメインICICの制御コマンドの内容の例を説明するための説明図である。
【0346】
図52を参照すると、
図50を参照して説明した周波数ドメインICICの制御コマンドと同様に、制御コマンドの送信元、制御コマンドの宛先、制御方式クラスID、及び、いつ制御コマンドを適用するかを示す情報を含む。この例では、制御方式クラスIDは、時間ドメインICICのクラスIDである。
【0347】
とりわけ時間ドメインICICでは、制御コマンドは、時間ドメインICICで使用すべき時間リソース(サブフレーム、サブフレームグループ、無線フレーム、又はそれらのセット、等)の情報を含む。実行エンティティ200は、制御コマンドにより示されるタイミング以降に、制御コマンドにより示される時間リソースの範囲でのリソース割当て(スケジューリング)を行うように、動作パラメータを変更する。その結果、時間ドメインICICが実現される。
【0348】
なお、Reduced Power ABSが用いられる場合には、実行エンティティ200は、制御コマンドにより示される時間リソース以外の時間リソースのリソース割当て(スケジューリング)を行ってもよい。また、制御コマンドは、時間ドメインICICで使用すべき時間リソースを示す情報の代わりに、時間ドメインICICで使用すべきでない時間リソースを示す情報を含んでもよい。この場合には、実行エンティティ200は、制御コマンドにより示されるタイミング以降に、制御コマンドにより示される時間リソース以外の時間リソースの範囲でのリソース割当て(スケジューリング)を行うように、動作パラメータを変更してもよい。
【0349】
また、Reduced Power ABSが用いられる場合には、制御コマンドは、電力量を示す情報を含む。
【0350】
−実行エンティティの処理の流れ
図53A及び
図53Bは、時間ドメインICICが適用される場合の実行エンティティ200の処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。当該処理は、制御エンティティ100からの制御コマンドの受信後に実行される。
【0351】
実行エンティティ200は、Reduced Power ABSに対応しているか否かをチェックする(S751)。また、実行エンティティ200は、ICICのために使用する時間リソースをチェックする(S753)。その後、実行エンティティ200は、ICICを考慮したスケジューリングを行う(S755)。また、実行エンティティ200は、送信電力、MCS、データサイズ等の設定を行う(S757)。そして、実行エンティティ200は、通信相手(UE31)に提供する制御情報を生成する(S759)。
【0352】
そして、ダウンリンクでICICが実行される場合(S761:Yes)、実行エンティティ200は、制御情報を制御チャネル(例えば、PDCCH)で送信しつつ(S763)、データをデータチャネル(例えば、PDSCH)で送信する(S765)。その後、実行エンティティ200は、データ送信に対するACK/NACKを待つ(S767)。
【0353】
一方、アップリンクでICICが実行される場合(S761:No)、実行エンティティ200は、制御情報を制御チャネル(例えば、PDCCH)で送信し(S769)、アップリンクで送信されるデータをデータチャネル(PDSCH)で待つ(S771)。そして、実行エンティティ200は、データが受信されると(S773:Yes)データを復号する(S775)。さらに、実行エンティティ200は、復号に成功すると(S777:Yes)ACKを送信し(S779)、復号に失敗すると(S777:No)NACKを送信する(S781)。なお、実行エンティティ200は、データが受信されない場合(S773:No)も、NACKを送信する(S781)。
【0354】
(ビームフォーミング(ヌルステアリング)に関する事項)
次に、BF(ヌルステアリング)に関する事項を説明する。
【0355】
−コマンド応答メッセージの内容
図54は、時間ドメインICICの制御コマンドの内容の例を説明するための説明図である。
【0356】
図52を参照すると、
図50を参照して説明した周波数ドメインICICの制御コマンドと同様に、制御コマンドの送信元、制御コマンドの宛先、制御方式クラスID、及び、いつ制御コマンドを適用するかを示す情報を含む。この例では、制御方式クラスIDは、BFのクラスIDである。
【0357】
とりわけBFでは、制御コマンドは、使用すべき重み係数(又はそのセット)を示す情報を含む。実行エンティティ200は、制御コマンドにより示されるタイミング以降に、制御コマンドにより示される重み係数でのBFを行うように、動作パラメータを変更する。その結果、BF(ヌルステアリング)が実現される。
【0358】
なお、制御コマンドは、アンテナの重み係数の代わりに、又は、当該重み係数とともに、BFによりカバーすべき角度範囲を示す情報を含んでもよい。
【0359】
−実行エンティティの処理の流れ
図55は、BF(ヌルステアリング)が適用される場合の実行エンティティ200の処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。当該処理は、制御エンティティ100からの制御コマンドの受信後に実行される。
【0360】
実行エンティティ200は、制御コマンドからアンテナの重み係数をチェックし(S801)、アンテナ重みを設定する(S803)。また、実行エンティティ200は、スケジューリングを行い(S805)、送信電力、MCS、データサイズ等の設定を行う(S807)。そして、実行エンティティ200は、通信相手(UE31)に提供する制御情報を生成する(S809)。
【0361】
そして、実行エンティティ200は、制御情報を制御チャネル(例えば、PDCCH)で送信しつつ(S811)、データをデータチャネル(例えば、PDSCH)で送信する(S813)。その後、実行エンティティ200は、データ送信に対するACK/NACKを待つ(S815)。
【0362】
なお、
図55を参照して、ダウンリンクで実行エンティティ200によるBF(ヌルステアリング)が行われる例を説明したが、アップリンクでUE31によるBF(ヌルステアリング)が行われてもよい。この場合に、実行エンティティ200は、各種パラメータ(例えば、アンテナの重み係数、送信電力、等)をUE31へ送信し、UE31は、当該各種パラメータを受信し、設定してもよい。そして、UE31は、制御情報に従って、データをデータチャネルで送信してもよい。これにより、UE31は、BF(ヌルステアリング)を行いつつ、データを送信することができる。
【0363】
(CoMP送受信に関する事項)
次に、CoMP送受信に関する事項を説明する。
【0364】
−コマンド応答メッセージの内容
図56は、CoMP送受信の制御コマンドの内容の例を説明するための説明図である。
【0365】
図56を参照すると、
図50を参照して説明した周波数ドメインICICの制御コマンドと同様に、制御コマンドの送信元、制御コマンドの宛先、制御方式クラスID、及び、いつ制御コマンドを適用するかを示す情報を含む。この例では、制御方式クラスIDは、CoMP送受信のクラスIDである。
【0366】
とりわけCoMP送受信では、制御コマンドは、CoMP送受信に関わる実行エンティティ200のID、及び、CoMP送受信が適用されるUEのIDを含む。
【0367】
また、とりわけCoMP送受信では、制御コマンドは、使用すべき周波数リソース(RB、RBのセット、又はそれらのセット、等)及び使用すべき時間リソース(サブフレーム、サブフレームグループ、又はそれらのセット、等)の情報を含む。なお、周波数リソース及び時間リソースについては、制御エンティティ100が決定するのではなく、実行エンティティ200が後で決定してもよい。
【0368】
また、制御コマンドは、使用すべきプリコーダのIDを含む。
【0369】
−実行エンティティの処理の流れ
図57A及び
図57Bは、CoMP送受信が適用される場合の実行エンティティ200の処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。当該処理は、制御エンティティ100からの制御コマンドの受信後に実行される。
【0370】
実行エンティティ200は、CoMP送受信に関わる他のエンティティをチェックする(S851)。そして、実行エンティティ200は、CoMP送受信を適用すべきUEが指定されていない場合(S853:No)、CoMP送受信を適用すべきUEを選択する(S855)。
【0371】
また、実行エンティティ200は、CoMP送受信を適用すべきUEへのリソースが指定されている場合(S857:Yes)、リソースの指示に従ってスケジューリングを行う(S859)。一方、実行エンティティ200は、CoMP送受信を適用すべきUEへのリソースが指定されていない場合(S857:No)、通常通りスケジューリングを行う(S861)。また、実行エンティティ200は、送信電力、MCS、データサイズ等の設定を行う(S863)。
【0372】
また、必要に応じて、実行エンティティ200は、CoMP送受信に関連する制御情報(CoMP送受信を適用すべきUE、スケジューリング情報、MCS、データサイズ、等)を、CoMP送受信に関わる他のエンティティと共有する(S865)。
【0373】
また、実行エンティティ200は、通信相手(UE31)に提供する制御情報を生成する(S867)。
【0374】
また、実行エンティティ200は、CoMP送受信に関わる他のエンティティと送信データを共有する(S869)。
【0375】
その後、実行エンティティ200は、制御情報を制御チャネル(例えば、PDCCH)で送信しつつ(S871)、データをデータチャネル(例えば、PDSCH)で送信する(S873)。その後、実行エンティティ200は、データ送信に対するACK/NACKを待つ(S875)。
【0376】
なお、
図57A及び
図57Bを参照して、ダウンリンクでのCoMP送受信が行われる例を説明したが、アップリンクでのCoMP送受信が行われてもよい。即ち、UE31により送信されるデータが、実行エンティティ200及び他のエンティティの両方により受信され、合成されてもよい。この場合に、実行エンティティ200及び他の実行エンティティは、送信データを共有し、協調して送信する代わりに、UE31により送信されるデータを共に受信し、受信されたデータを実行エンティティ200及び他の実行エンティティの一方で合成してもよい。これにより、アップリンクでのCoMP送受信を行うことが可能になる。
【0377】
<<6.その他>>
続いて、
図58〜
図65を参照して、動作タイミングの調整、バックホール品質情報のフィルタリング、及び制御コマンドの適用時刻の設定を説明する。
【0378】
<6.1.動作タイミングの調整>
まず、
図58〜
図65を参照して、動作タイミングの調整を説明する。
【0379】
上述したように、バックホール回線の品質は、非常に重要な事項であり、制御方式の適用の決定にも大きな影響を与える。そのため、実行エンティティ200における動作タイミングを調整することは、バックホール回線の品質による影響の軽減、及び、制御方式の適用における優位性の向上のために有効である。
【0380】
例えば、eNBのような基地局での動作タイミングは、例えば、GPS(Global Positioning System)の時刻等を利用して調整されることがある。しかし、バックホール回線の品質に応じて動作タイミングが調整されることはなかった。上述したように、通信システムのオペレータがバックホール回線を
用意する場合にはそれほど問題が生じなかったためである。
【0381】
−動作タイミングの調整手続き
図58は、実行エンティティ200の動作タイミングの調整手続きの概略的な流れの一例を示すシーケンス図である。
【0382】
制御エンティティ100は、動作タイミングの調整のための制御コマンドを送信し、実行エンティティ200は、当該制御コマンドを受信する(S901)。そして、実行エンティティ200は、上記制御コマンドに対する応答メッセージを送信する(S903)。
【0383】
そして、実行エンティティ200は、システム情報変更の通知を行い(S905)、その後、変更されたシステム情報を通知する(S907)。
【0384】
その後、実行エンティティ200は、所定のタイミングで動作タイミングを調整し(S909)、UE31は、調整後の動作タイミングに同期する(S911)。
【0385】
−制御コマンドの内容
図59は、動作タイミングの調整のための制御コマンドに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図59を参照すると、制御コマンドは、制御コマンドの送信元及び宛先の情報を含む。そして、制御コマンドは、動作タイミングの調整量の情報と、いつ調整を開始するか(調整開始のタイミング)の情報とを含む。
【0386】
−応答
メッセージの内容
図60は、動作タイミングの調整のための制御コマンドに対する応答メッセージに含まれる情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図60を参照すると、応答メッセージは、応答メッセージの送信元及び宛先の情報を含む。そして、応答メッセージは、ACK/NACKを含む。さらに、応答メッセージは、NACKを含む場合に、NACKの理由を含む。このような理由の情報により、制御エンティティ100は、動作タイミングの調整が可能になるタイミング、動作タイミングの調整可能量等の情報を知得し、再度調整を試みることが可能になり得る。以下、上記理由のカテゴリについて、
図61を参照して具体例を説明する。
【0387】
図61は、動作タイミングの調整のための制御コマンドに対する応答メッセージに含まれるNACKの理由のカテゴリの例を説明するための説明図である。
図61を参照すると、NACKの理由のカテゴリとして、例えば、通信誤りによるエラー検出(インデックス0)、動作タイミングの調整への未対応(インデックス1)、動作タイミングの調整量が範囲外(インデックス2)及び動作タイミングの調整開始時間が範囲外(インデックス3)、その他(インデックス4)がある。
【0388】
−システム情報変更の通知の内容
図62は、システム情報変更の通知に含まれる動作タイミングの調整に関する情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図62を参照すると、システム情報変更の通知は、動作タイミングが調整されることを示すためのフラグと、当該調整に関する情報を含むシステム情報のスケジューリング情報とを含む。これにより、UE31は、動作タイミングが調整されたか否か、及び、調整された場合に動作タイミングの調整に関する情報がいつ送信されるかを知得することができる。
【0389】
−システム情報の内容
図63は、システム情報に含まれる動作タイミングの調整に関する情報要素(IE)を説明するための説明図である。
図63を参照すると、システム情報は、制御
コマンドの送信元の情報、調整される動作タイミングの量の情報、及び、いつ動作タイミングが調整されるか(動作タイミングの調整のタイミング)の情報を含む。
【0390】
−動作タイミングの調整手続きにおける実行エンティティの処理
図64は、動作タイミングの調整手続きにおける実行エンティティ200の処理の概略的な流れの一例を示すシーケンス図である。
【0391】
実行エンティティ200は、動作タイミングの調整のための制御コマンドを受信するまで通常に動作し(S921)、制御コマンドを受信すると(S923:Yes)、制御コマンドをチェックし(S925)、当該制御コマンドに対する応答メッセージを送信する(S927)。
【0392】
そして、実行エンティティ200は、システム情報変更の通知を行い(S929)、その後、動作タイミングの調整に関する情報要素を含むシステム情報を通知する(S931)。また、実行エンティティ200は、所定のタイミングまで既存の動作タイミングを維持し(S933)、所定のタイミングで動作タイミングを調整する(S935)。そして、処理は終了する。
【0393】
−動作タイミングの調整手続きにおけるUEの動作
図65は、動作タイミングの調整手続きにおけるUE31の処理の概略的な流れの一例を示すシーケンス図である。
【0394】
UE31は、システム情報変更の通知を受信すると、当該通知をチェックし(S961)、動作タイミングの調整があるかを判定する(S963)。動作タイミングの調整がなければ処理は終了する。
【0395】
動作タイミングの調整がある場合には、UE31は、システム情報のスケジューリング情報をチェックし(S965)、その後システム情報が通知されると、当該システム情報を取得する(S967)。そして、UE31は、所定のタイミングで調整後の動作タイミングに同期する(S969)。そして、処理は終了する。
【0396】
<6.2.バックホール品質情報のフィルタリング>
次に、バックホール品質情報のフィルタリングを説明する。
【0397】
時間の経過により、あるエンティティ(例えば、制御エンティティ100、実行エンティティ200、等)には、同一のバックホール回線についてのバックホール品質情報について複数のサンプルが蓄積される可能性がある。そのため、当該複数のサンプルの処理により、バックホール回線についてのバックホール品質情報を平滑化することも可能である。
【0398】
例えば、バックホール品質情報はバックホール回線の品質(例えば、遅延時間)の情報を含む。そして、バックホール回線iの品質のk番目のサンプルをT
i,kとし、サンプル数をN
sampleとすると、平滑化後のバックホール品質T
iは、以下のように平均値で表され得る。
【0400】
なお、サンプル数N
sampleは、サンプルを有するエンティティにより決定されてもよく、又は、いずれかのエンティティ(例えば、制御エンティティ100)により指定されてもよい。
【0401】
平均値とは別の例として、フィルタリング係数を利用することも可能である。例えば、バックホール回線iの品質のk番目のサンプルをT
i,kとし、フィルタリング係数をaとすると、サンプル数nの場合のバックホール品質T
i(n)は、以下のように表され得る。
【0403】
なお、フィルタリング係
数aも、サンプルを有するエンティティにより決定されてもよく、又は、いずれかのエンティティ(例えば、制御エンティティ100)により指定されてもよい。また、フィルタリング係数aは、以下のように定義され、変数kが、決定され又は指定されてもよい。
【0405】
さらに別の例として、複数のサンプルを用いて処理を行わずに、以下のように、最新のサンプルをバックホール回線の品質として用いてもよい。
【0407】
なお、これは、平均値の例でサンプル数N
sampleが1であるケース、及び、フィルタリング係
数aを用いる例でフィルタリング係数aが1であるケースに相当する。
【0408】
例えば、以上のようなバックホール回線の品質の情報が、バックホール品質情報に含まれる。
【0409】
<6.3.制御コマンドの適用タイミングの設定>
次に、制御コマンドの適用時刻の設定を説明する。
【0410】
上述したように、例えば、制御コマンドには、情報要素として、いつ制御コマンドを適用するか(例えば、制御方式での制御の実行を開始するタイミング)を示す情報が含まれる。この情報は、例えば、制御エンティティ100により設定される。
【0411】
一例として、上記情報は、制御対象となる実行エンティティ200(例えば、同一のグループに分類された実行エンティティ200)と、制御コマンドを送信する制御エンティティ100との間のバックホール回線の品質(例えば、遅延時間)に基づいて、設定され得る。
【0412】
例えば、制御方式での制御の実行を開始するタイミングは、制御対象となる実行エンティティ200と制御エンティティ100との間の複数のバックホール回線の品質(例えば、遅延時間)のうちの最悪の品質(最大の遅延時間)に基づいて、設定される。一例として、制御方式での制御の実行を開始するタイミングは、制御コマンドの送信予定時刻に上記最大の遅延時間を加算した結果として得られる時刻である。
【0413】
このように、バックホール回線の品質に応じて、制御コマンドの適用のタイミングが設定することにより、制御対象となる実行エンティティ200の全てに制御方式での制御を実行させることが可能になる。
【0414】
<<8.応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、エンティティ(制御エンティティ100又は実行エンティティ200)は、タワーサーバ、ラックサーバ、又はブレードサーバなどのいずれかの種類のサーバとして実現されてもよい。また、エンティティ(制御エンティティ100又は実行エンティティ200)の少なくとも一部の構成要素は、サーバに搭載されるモジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール、又はブレードサーバのスロットに挿入されるカード若しくはブレード)において実現されてもよい。
【0415】
また、例えば、エンティティ(制御エンティティ100又は実行エンティティ200)は、マクロeNB又はスモールeNBなどのいずれかの種類のeNB(evolved Node B)として実現されてもよい。スモールeNBは、ピコeNB、マイクロeNB又はホーム(フェムト)eNBなどの、マクロセルよりも小さいセルをカバーするeNBであってよい。その代わりに、エンティティ(制御エンティティ100又は実行エンティティ200)は、NodeB又はBTS(Base Transceiver Station)などの他の種類の基地局として実現されてもよい。エンティティ(制御エンティティ100又は実行エンティティ200)は、無線通信を制御する本体(基地局装置ともいう)と、本体とは別の場所に配置される1つ以上のRRH(Remote Radio Head)とを含んでもよい。また、実行エンティティ200は、RRHであってもよい。また、後述する様々な種類の端末が一時的に又は半永続的に基地局機能を実行することにより、実行エンティティ200として動作してもよい。さらに、上記エンティティの少なくとも一部の構成要素は、基地局装置又は基地局装置のためのモジュールにおいて実現されてもよい。
【0416】
また、例えば、実行エンティティ200は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末、携帯型/ドングル型のモバイルルータ若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、実行エンティティ200は、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、実行エンティティ200の少なくとも一部の構成要素は、これら端末に搭載されるモジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)において実現されてもよい。
【0417】
(第1の応用例)
図66は、本開示に係る技術が適用され得るサーバ1100の概略的な構成の一例を示すブロック図である。サーバ1100は、プロセッサ1101、メモリ1102、ストレージ1103、ネットワークインタフェース1104及びバス1106を備える。
【0418】
プロセッサ1101は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)であってよく、サーバ1100の各種機能を制御する。メモリ1102は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ1101により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ1103は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。
【0419】
ネットワークインタフェース1104は、サーバ1100を有線通信ネットワーク1105に接続するための有線通信インタフェースである。有線通信ネットワーク1105は、EPC(Evolved Packet Core)などのコアネットワークであってもよく、又はインターネットなどのPDN(Packet Data Network)であってもよい。
【0420】
バス1106は、プロセッサ1101、メモリ1102、ストレージ1103及びネットワークインタフェース1104を互いに接続する。バス1106は、速度の異なる2つ以上のバス(例えば、高速バス及び低速バス)を含んでもよい。
【0421】
図66に示したサーバ1100において、
図16を参照して説明した処理部130に含まれる1つ以上の構成要素(品質測定部131、情報収集部133、情報取得部135及び/又は適用制御部137)は、プロセッサ1101において実装されてもよい。一例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)がサーバ1100にインストールされ、プロセッサ1101が当該プログラムを実行してもよい。別の例として、サーバ1100は、プロセッサ1101及びメモリ1102を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムをメモリ1102に記憶し、当該プログラムをプロセッサ1101により実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてサーバ1100又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるための上記プログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。これらの点については、
図17を参照して説明した処理部250に含まれる1つ以上の構成要素(品質測定部251、情報収集部253、情報取得部255、情報提供部257、及び/又は通信制御部259)も、処理部130に含まれる上記1つ以上の構成要素と同様である。
【0422】
(第2の応用例)
図67は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。eNB1200は、1つ以上のアンテナ1210、及び基地局装置1220を有する。各アンテナ1210及び基地局装置1220は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。
【0423】
アンテナ1210の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、基地局装置1220による無線信号の送受信のために使用される。eNB1200は、
図67に示したように複数のアンテナ1210を有し、複数のアンテナ1210は、例えばeNB1200が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、
図67にはeNB1200が複数のアンテナ1210を有する例を示したが、eNB1200は単一のアンテナ1210を有してもよい。
【0424】
基地局装置1220は、コントローラ1221、メモリ1222、ネットワークインタフェース1223及び無線通信インタフェース1225を備える。
【0425】
コントローラ1221は、例えばCPU又はDSPであってよく、基地局装置1220の上位レイヤの様々な機能を動作させる。例えば、コントローラ1221は、無線通信インタフェース1225により処理された信号内のデータからデータパケットを生成し、生成したパケットをネットワークインタフェース1223を介して転送する。コントローラ1221は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドリングすることによりバンドルドパケットを生成し、生成したバンドルドパケットを転送してもよい。また、コントローラ1221は、無線リソース管理(Radio Resource Control)、無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、移動性管理(Mobility Management)、流入制御(Admission Control)又はスケジューリング(Scheduling)などの制御を実行する論理的な機能を有してもよい。また、当該制御は、周辺のeNB又はコアネットワークノードと連携して実行されてもよい。メモリ1222は、RAM及びROMを含み、コントローラ1221により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、送信電力データ及びスケジューリングデータなど)を記憶する。
【0426】
ネットワークインタフェース1223は、基地局装置1220をコアネットワーク1224に接続するための通信インタフェースである。コントローラ1221は、ネットワークインタフェース1223を介して、コアネットワークノード又は他のeNBと通信してもよい。その場合に、eNB1200と、コアネットワークノード又は他のeNBとは、論理的なインタフェース(例えば、S1インタフェース又はX2インタフェース)により互いに接続されてもよい。ネットワークインタフェース1223は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線バックホールのための無線通信インタフェースであってもよい。ネットワークインタフェース1223が無線通信インタフェースである場合、ネットワークインタフェース1223は、無線通信インタフェース1225により使用される周波数帯域よりもより高い周波数帯域を無線通信に使用してもよい。
【0427】
無線通信インタフェース1225は、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、アンテナ1210を介して、eNB1200のセル内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース1225は、典型的には、ベースバンド(BB)プロセッサ1226及びRF回路1227などを含み得る。BBプロセッサ1226は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、各レイヤ(例えば、L1、MAC(Medium Access Control)、RLC(Radio Link Control)及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol))の様々な信号処理を実行する。BBプロセッサ1226は、コントローラ1221の代わりに、上述した論理的な機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ1226は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を含むモジュールであってもよく、BBプロセッサ1226の機能は、上記プログラムのアップデートにより変更可能であってもよい。また、上記モジュールは、基地局装置1220のスロットに挿入されるカード若しくはブレードであってもよく、又は上記カード若しくは上記ブレードに搭載されるチップであってもよい。一方、RF回路1227は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ1210を介して無線信号を送受信する。
【0428】
無線通信インタフェース1225は、
図67に示したように複数のBBプロセッサ1226を含み、複数のBBプロセッサ1226は、例えばeNB1200が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。また、無線通信インタフェース1225は、
図67に示したように複数のRF回路1227を含み、複数のRF回路1227は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、
図67には無線通信インタフェース1225が複数のBBプロセッサ1226及び複数のRF回路1227を含む例を示したが、無線通信インタフェース1225は単一のBBプロセッサ1226又は単一のRF回路1227を含んでもよい。
【0429】
図67に示したeNB1200において、
図17を参照して説明した処理部250に含まれる1つ以上の構成要素(品質測定部251、情報収集部253、情報取得部255、情報提供部257、及び/又は通信制御部259)は、無線通信インタフェース1225において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ1221において実装されてもよい。一例として、eNB1200は、無線通信インタフェース1225の一部(例えば、BBプロセッサ1226)若しくは全部、及び/又コントローラ1221を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB1200にインストールされ、無線通信インタフェース1225(例えば、BBプロセッサ1226)及び/又コントローラ1221が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB1200、基地局装置1220又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。これらの点については、
図16を参照して説明した処理部130に含まれる1つ以上の構成要素(品質測定部131、情報収集部133、情報取得部135及び/又は適用制御部137)も、処理部250に含まれる上記1つ以上の構成要素と同様である。
【0430】
(第3の応用例)
図68は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。eNB1230は、1つ以上のアンテナ1240、基地局装置1250、及びRRH1260を有する。各アンテナ1240及びRRH1260は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。また、基地局装置1250及びRRH1260は、光ファイバケーブルなどの高速回線で互いに接続され得る。
【0431】
アンテナ1240の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、RRH1260による無線信号の送受信のために使用される。eNB1230は、
図68に示したように複数のアンテナ1240を有し、複数のアンテナ1240は、例えばeNB1230が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、
図68にはeNB1230が複数のアンテナ1240を有する例を示したが、eNB1230は単一のアンテナ1240を有してもよい。
【0432】
基地局装置1250は、コントローラ1251、メモリ1252、ネットワークインタフェース1253、無線通信インタフェース1255及び接続インタフェース1257を備える。コントローラ1251、メモリ1252及びネットワークインタフェース1253は、
図67を参照して説明したコントローラ1221、メモリ1222及びネットワークインタフェース1223と同様のものである。
【0433】
無線通信インタフェース1255は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、RRH1260及びアンテナ1240を介して、RRH1260に対応するセクタ内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース1255は、典型的には、BBプロセッサ1256などを含み得る。BBプロセッサ1256は、接続インタフェース1257を介してRRH1260のRF回路1264と接続されることを除き、
図67を参照して説明したBBプロセッサ1226と同様のものである。無線通信インタフェース1255は、
図68に示したように複数のBBプロセッサ1256を含み、複数のBBプロセッサ1256は、例えばeNB1230が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、
図68には無線通信インタフェース1255が複数のBBプロセッサ1256を含む例を示したが、無線通信インタフェース1255は単一のBBプロセッサ1256を含んでもよい。
【0434】
接続インタフェース1257は、基地局装置1250(無線通信インタフェース1255)をRRH1260と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース1257は、基地局装置1250(無線通信インタフェース1255)とRRH1260とを接続する上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
【0435】
また、RRH1260は、接続インタフェース1261及び無線通信インタフェース1263を備える。
【0436】
接続インタフェース1261は、RRH1260(無線通信インタフェース1263)を基地局装置1250と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース1261は、上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
【0437】
無線通信インタフェース1263は、アンテナ1240を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース1263は、典型的には、RF回路1264などを含み得る。RF回路1264は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ1240を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース1263は、
図68に示したように複数のRF回路1264を含み、複数のRF回路1264は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、
図68には無線通信インタフェース1263が複数のRF回路1264を含む例を示したが、無線通信インタフェース1263は単一のRF回路1264を含んでもよい。
【0438】
図68に示したeNB1230において、
図17を参照して説明した処理部250に含まれる1つ以上の構成要素(品質測定部251、情報収集部253、情報取得部255、情報提供部257、及び/又は通信制御部259)は、無線通信インタフェース1255及び/又は無線通信インタフェース1263において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ1251において実装されてもよい。一例として、eNB1230は、無線通信インタフェース1255の一部(例えば、BBプロセッサ1256)若しくは全部、及び/又コントローラ1251を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB1230にインストールされ、無線通信インタフェース1255(例えば、BBプロセッサ1256)及び/又コントローラ1251が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB1230、基地局装置1250又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。これらの点については、
図16を参照して説明した処理部130に含まれる1つ以上の構成要素(品質測定部131、情報収集部133、情報取得部135及び/又は適用制御部137)も、処理部250に含まれる上記1つ以上の構成要素と同様である。
【0439】
(第4の応用例)
図69は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン1300の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン1300は、プロセッサ1301、メモリ1302、ストレージ1303、外部接続インタフェース1304、カメラ1306、センサ1307、マイクロフォン1308、入力デバイス1309、表示デバイス1310、スピーカ1311、無線通信インタフェース1312、1つ以上のアンテナスイッチ1315、1つ以上のアンテナ1316、バス1317、バッテリー1318及び補助コントローラ1319を備える。
【0440】
プロセッサ1301は、例えばCPU又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン1300のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ1302は、RAM及びROMを含み、プロセッサ1301により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ1303は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース1304は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン1300へ接続するためのインタフェースである。
【0441】
カメラ1306は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ1307は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン1308は、スマートフォン1300へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス1309は、例えば、表示デバイス1310の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス1310は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン1300の出力画像を表示する。スピーカ1311は、スマートフォン1300から出力される音声信号を音声に変換する。
【0442】
無線通信インタフェース1312は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース1312は、典型的には、BBプロセッサ1313及びRF回路1314などを含み得る。BBプロセッサ1313は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路1314は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ1316を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース1312は、BBプロセッサ1313及びRF回路1314を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース1312は、
図69に示したように複数のBBプロセッサ1313及び複数のRF回路1314を含んでもよい。なお、
図69には無線通信インタフェース1312が複数のBBプロセッサ1313及び複数のRF回路1314を含む例を示したが、無線通信インタフェース1312は単一のBBプロセッサ1313又は単一のRF回路1314を含んでもよい。
【0443】
さらに、無線通信インタフェース1312は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN(Local Area Network)方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ1313及びRF回路1314を含んでもよい。
【0444】
アンテナスイッチ1315の各々は、無線通信インタフェース1312に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ1316の接続先を切り替える。
【0445】
アンテナ1316の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース1312による無線信号の送受信のために使用される。スマートフォン1300は、
図69に示したように複数のアンテナ1316を有してもよい。なお、
図69にはスマートフォン1300が複数のアンテナ1316を有する例を示したが、スマートフォン1300は単一のアンテナ1316を有してもよい。
【0446】
さらに、スマートフォン1300は、無線通信方式ごとにアンテナ1316を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ1315は、スマートフォン1300の構成から省略されてもよい。
【0447】
バス1317は、プロセッサ1301、メモリ1302、ストレージ1303、外部接続インタフェース1304、カメラ1306、センサ1307、マイクロフォン1308、入力デバイス1309、表示デバイス1310、スピーカ1311、無線通信インタフェース1312及び補助コントローラ1319を互いに接続する。バッテリー1318は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、
図69に示したスマートフォン1300の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ1319は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン1300の必要最低限の機能を動作させる。
【0448】
図69に示したスマートフォン1300において、
図17を参照して説明した処理部250に含まれる1つ以上の構成要素(品質測定部251、情報収集部253、情報取得部255、情報提供部257、及び/又は通信制御部259)は、無線通信インタフェース1312において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ1301又は補助コントローラ1319において実装されてもよい。一例として、スマートフォン1300は、無線通信インタフェース1312の一部(例えば、BBプロセッサ1313)若しくは全部、プロセッサ1301、及び/又は補助コントローラ1319を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがスマートフォン1300にインストールされ、無線通信インタフェース1312(例えば、BBプロセッサ1313)、プロセッサ1301、及び/又は補助コントローラ1319が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてスマートフォン1300又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0449】
(第5の応用例)
図70は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置1320の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1320は、プロセッサ1321、メモリ1322、GPS(Global Positioning System)モジュール1324、センサ1325、データインタフェース1326、コンテンツプレーヤ1327、記憶媒体インタフェース1328、入力デバイス1329、表示デバイス1330、スピーカ1331、無線通信インタフェース1333、1つ以上のアンテナスイッチ1336、1つ以上のアンテナ1337及びバッテリー1338を備える。
【0450】
プロセッサ1321は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置1320のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ1322は、RAM及びROMを含み、プロセッサ1321により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
【0451】
GPSモジュール1324は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置1320の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ1325は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース1326は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク1341に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
【0452】
コンテンツプレーヤ1327は、記憶媒体インタフェース1328に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス1329は、例えば、表示デバイス1330の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス1330は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ1331は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
【0453】
無線通信インタフェース1333は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース1333は、典型的には、BBプロセッサ1334及びRF回路1335などを含み得る。BBプロセッサ1334は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路1335は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ1337を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース1333は、BBプロセッサ1334及びRF回路1335を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース1333は、
図70に示したように複数のBBプロセッサ1334及び複数のRF回路1335を含んでもよい。なお、
図70には無線通信インタフェース1333が複数のBBプロセッサ1334及び複数のRF回路1335を含む例を示したが、無線通信インタフェース1333は単一のBBプロセッサ1334又は単一のRF回路1335を含んでもよい。
【0454】
さらに、無線通信インタフェース1333は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ1334及びRF回路1335を含んでもよい。
【0455】
アンテナスイッチ1336の各々は、無線通信インタフェース1333に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ1337の接続先を切り替える。
【0456】
アンテナ1337の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース1333による無線信号の送受信のために使用される。カーナビゲーション装置1320は、
図70に示したように複数のアンテナ1337を有してもよい。なお、
図70にはカーナビゲーション装置1320が複数のアンテナ1337を有する例を示したが、カーナビゲーション装置1320は単一のアンテナ1337を有してもよい。
【0457】
さらに、カーナビゲーション装置1320は、無線通信方式ごとにアンテナ1337を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ1336は、カーナビゲーション装置1320の構成から省略されてもよい。
【0458】
バッテリー1338は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、
図70に示したカーナビゲーション装置1320の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー1338は、車両側から給電される電力を蓄積する。
【0459】
図70に示したカーナビゲーション装置1320において、
図17を参照して説明した処理部250に含まれる1つ以上の構成要素(品質測定部251、情報収集部253、情報取得部255、情報提供部257、及び/又は通信制御部259)は、無線通信インタフェース1333において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ1321において実装されてもよい。一例として、カーナビゲーション装置1320は、無線通信インタフェース1333の一部(例えば、BBプロセッサ1334)若しくは全部及び/又はプロセッサ1321を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがカーナビゲーション装置1320にインストールされ、無線通信インタフェース1333(例えば、BBプロセッサ1334)及び/又はプロセッサ1321が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてカーナビゲーション装置1320又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0460】
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置1320の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク1341と、車両側モジュール1342とを含む車載システム(又は車両)1340として実現されてもよい。即ち、処理部250に含まれる上記1つ以上の構成要素を備える装置として車載システム(又は車両)1340が提供されてもよい。車両側モジュール1342は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク1341へ出力する。
【0461】
<<8.まとめ>>
ここまで、
図1〜
図67を用いて、本開示の実施形態に係る装置及び各処理を説明した。本開示に係る実施形態によれば、制御エンティティ100(情報取得部135)は、無線通信の制御方式が適用される通信ノードへ当該制御方式での制御に関する制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報(バックホール品質情報)を取得する。そして、制御エンティティ100(適用制御部137)は、上記品質関連情報(バックホール品質情報)に基づいて、上記通信ノードへの上記制御方式の適用を制御する。
【0462】
これにより、バックホール回線での遅延(又は遅延のばらつき)により制御方式を適切に適用できない場合には、当該制御方式の適用を回避することが可能になる。一例として、2つのeNBへの制御方式(例えば、BF(ヌルステアリング))の適用において、制御関連情報は、一方のeNBへほとんど遅延なく送信され、他方のeNBには長い遅延を伴い送信される。この場合に、制御方式を適用すると、一方のeNBへの適用は間に合っても、他方のeNBへの適用は間に合わない可能性がある。このような場合に、上記制御方式の適用を回避することが可能になる。なお、バックホール回線の遅延(又は遅延のばらつき)を考慮して、制御方式の適用に問題が生じない場合に、当該制御方式を適用することができる。このように複数の通信ノードに関する制御(例えば、干渉制御、CoMP送受信)をより適切に行うことが可能になる。
【0463】
−制御方式
また、上記制御方式は、上記通信ノードを含む通信システムの通信容量を向上させるための方式である。
【0464】
バックホール品質情報に基づいて、通信システムの通信容量を向上させるための制御方式の適用を制御することにより、例えば、通信品質が向上し、通信容量が向上し得る。
【0465】
一例として、上記制御方式は、2つ以上の通信ノードがそれぞれ関与する無線通信の間での干渉を抑制するための方式(干渉制御方式)を含む。
【0466】
バックホール品質情報に基づいて干渉制御方式の適用を制御することにより、例えば、バックホール回線の制約の中でより適切な干渉制御方式を選択して適用することが可能になる。これにより、干渉をより適切に抑制することが可能になる。その結果、通信品質が向上し、通信システム1の通信容量が向上し得る。
【0467】
別の例として、上記制御方式は、多地点協調(CoMP)送受信を含む。
【0468】
バックホール品質情報に基づいてCoMP送受信の適用を制御することにより、例えば、バックホール回線の制約の中で可能な場合に限りCoMP送受信を適用することが可能になる。これにより、CoMP送受信により通信品質を向上させつつ、CoMP送受信の失敗による通信品質の低下を抑えることが可能になる。その結果、通信品質が向上し、通信システム1の通信容量が向上し得る。
【0469】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態を説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0470】
例えば、制御方式が、干渉制御方式又はCoMP送受信である例を説明したが、本開示は係る例に限定されない。制御方式は、複数の通信ノードに関する任意の制御の方式であってもよい。
【0471】
また、バックホール品質情報(品質関連情報)が、制御エンティティに蓄積される例を説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、バックホール品質情報(品質関連情報)は、制御エンティティの代わりに、別の装置(データベース)に蓄積されてもよい。そして、制御エンティティは、当該別の装置に蓄積されているバックホール品質情報を取得してもよい。
【0472】
また、制御エンティティは、既存のコアネットワークノード(例えば、MME)に実装される例を主として説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、制御エンティティは、新たなコアネットワークノードとして実装されてもよく、又は無線アクセスネットワークノード(例えば、eNB)に実装されてもよい。
【0473】
また、無線アクセスネットワークノード(例えば、eNB)が無線リソースの割当て(即ち、スケジューリング)を行う例を主として説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、コアネットワークノードである制御エンティティが、無線リソースの割当ての一部又は全部を行ってもよい。
【0474】
また、通信システムがLTE、LTE−Advanced、又はこれらに準ずる通信方式に準拠する例を説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、通信システムは、別の通信規格に準拠したシステムであってもよい。また、この場合に、通信システムは、MME、S−GW等の代わりに別のコアネットワークノードを含み、各種eNBの代わりにいずれかの基地局又はアクセスポイントを含み、UEの代わりにいずれかの端末装置を含んでもよい。
【0475】
また、本明細書の通信制御装置(制御エンティティ、実行エンティティ)における処理ステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、通信制御処理における処理ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。
【0476】
また、本明細書の装置(例えば、制御エンティティ若しくはそのモジュール、又は、実行エンティティ若しくはそのモジュール)に備えられるプロセッサ(例えば、CPU、DSPなど)を上記装置の1つ以上の構成要素として機能させるためのコンピュータプログラム(換言すると、上記プロセッサに上記装置の構成要素の動作を実行させるためのコンピュータプログラム)も作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記録した記録媒体も提供されてもよい。また、上記コンピュータプログラムを記憶するメモリと、上記コンピュータプログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサとを備える装置(例えば、完成品、又は完成品のためのモジュール(部品、処理回路若しくはチップなど))も提供されてもよい。また、上記装置の1つ以上の構成要素の動作を含む方法も、本開示に係る技術に含まれる。
【0477】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0478】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
無線通信の制御方式が適用される通信ノードへ当該制御方式での制御に関する制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報を取得する取得部と、
前記品質関連情報に基づいて、前記通信ノードへの前記制御方式の適用を制御する制御部と、
を備える通信制御装置。
(2)
前記制御部は、前記品質関連情報に基づいて、前記通信ノードを含む2つ以上の通信ノードへの前記制御方式の適用を制御する、前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記制御方式は、前記通信ノードを含む通信システムの通信容量を向上させるための方式である、前記(1)又は(2)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(4)
前記制御方式は、2つ以上の通信ノードがそれぞれ関与する無線通信の間での干渉を抑制するための方式を含む、前記(3)に記載の通信制御装置。
(5)
前記制御方式は、多地点協調送受信を含む、前記(3)又は(4)に記載の通信制御装置。
(6)
前記制御方式が適用される複数の通信ノードは、当該複数の通信ノードに関する情報に基づいて、1つ以上のグループに分類され、
前記制御部は、前記1つ以上のグループに含まれるグループごとに、グループに含まれる1つ以上の通信ノードについての前記品質関連情報に基づいて、前記1つ以上の通信ノードへの前記制御方式の適用を制御する、
前記(2)に記載の通信制御装置。
(7)
前記複数の通信ノードに関する前記情報は、前記複数の通信ノードの位置の情報、前記複数の通信ノードにより使用される無線リソースの情報、及び、前記複数の通信ノードへ前記制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報のうちの、少なくとも1つを含む、前記(6)に記載の通信制御装置。
(8)
前記品質関連情報は、前記バックホール回線の前記品質についての測定手続きを通じて生成され、
前記取得部は、生成される前記品質関連情報を取得する、
前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(9)
前記測定手続きは、双方向で前記バックホール回線の前記品質を測定することを含む、前記(8)に記載の通信制御装置。
(10)
前記測定手続きは、送信時間を含む1つ以上のメッセージを送受信することを含む、前記(8)又は(9)に記載の通信制御装置。
(11)
前記測定手続きは、前記バックホール回線の前記品質を複数回測定することを含む、前記(8)〜(10)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(12)
前記バックホール回線は、複数の個別のバックホール回線の組合せであり、
前記測定手続きは、前記複数の個別のバックホール回線のうちの少なくとも1つの個別のバックホール回線の品質を測定することを含む、
前記(8)〜(11)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(13)
前記品質関連情報は、当該品質関連情報についての収集手続きを通じて、他の装置から収集され、
前記取得部は、収集される前記品質関連情報を取得する、
前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(14)
前記バックホール回線は、複数の個別のバックホール回線の組合せであり、
前記収集手続きは、前記複数の個別のバックホール回線のうちの少なくとも1つの個別のバックホール回線の品質に関する情報を収集することを含む、
前記(13)に記載の通信制御装置。
(15)
前記バックホール回線の前記品質は、前記バックホール回線での遅延時間である、前記(1)〜(14)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(16)
前記通信ノードは、基地局、リレー局、又は、複数の端末装置により形成される局所ネットワークでの無線通信を制御する端末装置である、前記(1)〜(15)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(17)
無線通信の制御方式が適用される通信ノードへ当該制御方式での制御に関する制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報を取得することと、
前記品質関連情報に基づいて、前記通信ノードへの前記制御方式の適用を制御することと、
を含む、通信制御装置により実行される通信制御方法。
(18)
無線通信の制御方式が適用される通信ノードへ当該制御方式での制御に関する制御関連情報を提供するために用いられるバックホール回線の品質に関する品質関連情報の少なくとも一部を取得する取得部と、
前記品質関連情報の前記少なくとも一部を提供する提供部と、
を備え、
前記品質関連情報は、前記通信ノードへの前記制御方式の適用の制御に用いられる情報である、
通信装置。
(19)
前記品質関連情報の前記少なくとも一部は、前記バックホール回線の前記品質についての測定手続きを通じて生成され、
前記取得部は、生成される前記品質関連情報の前記少なくとも一部を取得する、
前記(18)に記載の通信装置。
(20)
前記バックホール回線は、複数の個別のバックホール回線の組合せであり、
前記品質関連情報の前記少なくとも一部は、前記複数の個別のバックホール回線のうちの少なくとも1つの個別のバックホール回線の品質に関する情報である、
前記(18)又は(19)に記載の通信装置。