特許第6398998号(P6398998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6398998
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月3日
(54)【発明の名称】コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/048 20060101AFI20180920BHJP
   H01G 9/00 20060101ALI20180920BHJP
【FI】
   H01G9/048 A
   H01G9/00 290D
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-560902(P2015-560902)
(86)(22)【出願日】2015年1月9日
(86)【国際出願番号】JP2015050524
(87)【国際公開番号】WO2015118901
(87)【国際公開日】20150813
【審査請求日】2016年7月5日
(31)【優先権主張番号】特願2014-22623(P2014-22623)
(32)【優先日】2014年2月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 環
(72)【発明者】
【氏名】服部 和生
(72)【発明者】
【氏名】井上 徳之
(72)【発明者】
【氏名】荒川 建夫
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 洋昌
【審査官】 五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−340091(JP,A)
【文献】 特開2012−144790(JP,A)
【文献】 特開2011−165683(JP,A)
【文献】 実開平1−113328(JP,U)
【文献】 特開2005−276923(JP,A)
【文献】 特開平9−74051(JP,A)
【文献】 特開2010−171256(JP,A)
【文献】 特開2009−302499(JP,A)
【文献】 特表2012−517717(JP,A)
【文献】 特開昭49−68256(JP,A)
【文献】 特表2010−526978(JP,A)
【文献】 特開2011−83448(JP,A)
【文献】 特開2011−192947(JP,A)
【文献】 特開2006−80266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/048
H01G 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔金属基材と、
前記多孔金属基材上に形成された誘電体層と、
前記誘電体層上に、誘電体層と接するように形成された上部電極と、
前記多孔金属基材に電気的に接続された第1端子電極と、
前記上部電極と電気的に接続された第2端子電極と
を有して成るコンデンサであって、多孔金属基材は、高空隙率部および低空隙率部を有し、低空隙率部は、多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在し、
前記上部電極を構成する材料は、Ni、Cu、Al、W、Ti、Ag、Au、Pt、Zn、Sn、Pb、Fe、Cr、Mo、Ru、Pd、Taおよびそれらの合金、ならびにTiN、TiAlN、TiON、TiAlONおよびTaNから選択される窒化金属から選択され
前記第1端子電極および前記第2端子電極が、前記多孔金属基材の低空隙率部が存在する対向する一対の側面に位置し、それぞれ、多孔金属基材の側面から上下面の低空隙率部上まで延在するように形成されていることを特徴とする、コンデンサ。
【請求項2】
さらに、別の低空隙率部が、多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在する低空隙率部の間に形成されていることを特徴とする、請求項に記載のコンデンサ。
【請求項3】
多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在する低空隙率部の間に形成されている別の低空隙率部が、多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在する低空隙率部を連結するように形成されていることを特徴とする、請求項に記載のコンデンサ。
【請求項4】
多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在する低空隙率部の間に形成されている別の低空隙率部が、多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在する低空隙率部とは離隔し、多孔金属基材の上面から下面に亘って形成されていることを特徴とする、請求項に記載のコンデンサ。
【請求項5】
さらに、少なくとも1つの低空隙率部が、多孔金属基材の上面部の一部に形成され、上面部に形成された該低空隙率部上に、第1端子電極および/または第2端子電極が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項6】
高空隙率部および低空隙率部を有する多孔金属基材を準備する工程と、
前記多孔金属基材上に誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層上に、誘電体層と接するように上部電極を形成する工程と、
前記多孔金属基材に電気的に接続するように第1端子電極を形成する工程と、
前記上部電極と電気的に接続するように第2端子電極を形成する工程と
を含み、
前記上部電極を構成する材料は、Ni、Cu、Al、W、Ti、Ag、Au、Pt、Zn、Sn、Pb、Fe、Cr、Mo、Ru、Pd、Taおよびそれらの合金、ならびにTiN、TiAlN、TiON、TiAlONおよびTaNから選択される窒化金属から選択され
前記第1端子電極および前記第2端子電極が、前記多孔金属基材の低空隙率部が存在する対向する一対の側面に位置し、それぞれ、多孔金属基材の側面から上下面の低空隙率部上まで延在するように形成されていることを特徴とするコンデンサの製造方法。
【請求項7】
誘電体層を原子層堆積法により形成することを特徴とする、請求項に記載のコンデンサの製造方法。
【請求項8】
上部電極を原子層堆積法により形成することを特徴とする、請求項またはに記載のコンデンサの製造方法。
【請求項9】
多孔金属基材の低空隙率部をプレスにより形成することを含む、請求項のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
【請求項10】
多孔金属基材の低空隙率部をレーザーにより形成することを含む、請求項のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固体電解コンデンサとして、ニオブ、タンタル、チタン、アルミニウムなどの弁金属またはその合金を陽極とし、その表面に酸化皮膜を形成して誘電体層とし、誘電体層の上に電解質層を形成したものが知られている。しかしながら、電解質層として二酸化マンガンを用いた場合は、等価直列抵抗(ESR)が大きくなり、電解質層として導電性高分子を用いた場合は、漏れ電流が大きくなるという問題があった。
【0003】
特許文献1は、ESRおよび漏れ電流が小さい固体電解コンデンサとして、弁金属粉末を成型し焼結することで形成した陽極と、その表面上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された陰極と、これらを覆う外装体樹脂とを備えた固体電解コンデンサを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−54906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような固体電解コンデンサは、陽極が、ニオブ、タンタル、チタン、アルミニウムなどの弁金属粉末の焼結体からなっている。このような焼結体は、空隙率が高い多孔質体であるので、大きな静電容量を取得することができるが、機械的強度が低い。従って、回路基板に実装できるような強度を確保するためには、特許文献1に記載のように外装体樹脂で被覆する必要があった。
【0006】
本発明の目的は、大きな静電容量を取得することができ、漏れ電流が小さく、優れた機械的強度を有するコンデンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記問題を解消すべく鋭意検討した結果、高空隙率である多孔金属基材の一部に低空隙率部を形成することにより、優れた機械的強度を有するコンデンサを提供することができることを見出した。
【0008】
本発明の第1の要旨によれば、
多孔金属基材と、
前記多孔金属基材上に形成された誘電体層と、
前記誘電体層上に形成された上部電極と、
前記多孔金属基材に電気的に接続された第1端子電極と、
前記上部電極と電気的に接続された第2端子電極と
を有して成るコンデンサであって、多孔金属基材は、高空隙率部および低空隙率部を有し、低空隙率部は、多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在することを特徴とするコンデンサが提供される。
【0009】
本発明の第2の要旨によれば、
高空隙率部および低空隙率部を有する多孔金属基材を準備する工程と、
前記多孔金属基材上に誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層上に上部電極を形成する工程と、
前記多孔金属基材に電気的に接続するように第1端子電極を形成する工程と、
前記上部電極と電気的に接続するように第2端子電極を形成する工程と
を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高空隙率部および低空隙率部を有する多孔金属基材を用いることにより、機械的強度が改善されたコンデンサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の1つの実施形態におけるコンデンサの概略断面図である。
図2図2(a)は、図1に示す断面図における高空隙率部の拡大図である。図2(b)は、別の態様における高空隙率部の拡大図である。
図3-1】図3−1(a)〜(d)は、図1のコンデンサの製造工程を示す図である。
図3-2】図3−2(e)〜(h)は、図3−1の続きであり、図1のコンデンサの製造工程を示す図である。
図3-3】図3−3(i)〜(m)は、図3−2の続きであり、図1のコンデンサの製造工程を示す図である。
図4図4は、本発明の好ましい態様におけるコンデンサの第2端子電極部分の概略拡大断面図である。
図5図5は、本発明のさらに別の態様におけるコンデンサの概略断面図である。
図6図6(a)および(b)は、本発明のさらに別の態様におけるコンデンサの概略断面図である。
図7図7は、本発明のさらに別の態様におけるコンデンサの概略断面図である。
図8図8(a)および(b)は、本発明のさらに別の態様におけるコンデンサの概略断面図である。
図9図9(a)および(b)は、本発明のさらに別の態様におけるコンデンサの概略断面図である。
図10図10(a)〜(e)は、図9(a)のコンデンサの製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のコンデンサについて、以下、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本実施形態のコンデンサおよび各構成要素の形状および配置等は、図示する例に限定されない。
【0013】
本実施形態のコンデンサ1は、略直方体形状を有しており、概略的には、図1および図2(a)に示されるように、中央部に高空隙率部2を有し、側面部に低空隙率部4を有して成る多孔金属基材6と、この上に形成された誘電体層8と、誘電体層8上に形成された上部電極10と、これらの上に、上部電極10と電気的に接続するように形成された配線電極12と、さらにこれらの上に形成された保護膜14とを有して成る。多孔金属基材6の側面には、対向するように第1端子電極16および第2端子電極18が設けられており、第1端子電極16は多孔金属基材6に電気的に接続されており、第2端子電極18は、配線電極12を介して上部電極10に電気的に接続されている。
【0014】
本明細書において、多孔金属基材の「空隙率」とは、多孔金属基材において空隙が占める割合を言う。当該空隙率は、下記のようにして測定することができる。
【0015】
まず、多孔金属基材を、収束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)加工で60nm以下の厚みの薄片に加工する。この薄片試料の所定の領域(5μm×5μm)を、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いて撮影する。得られた画像を画像解析することにより、多孔金属基材の金属が存在する面積を求める。そして、下記等式から空隙率を計算することができる。
空隙率 = (測定面積−基材の金属が存在する面積)/測定面積
【0016】
本明細書において、多孔金属基材の「高空隙率部」とは、空隙率が25%以上である領域を意味する。
【0017】
本明細書において、多孔金属基材の「低空隙率部」とは、高空隙率部と比較して、空隙率が低い部位、具体的には、高空隙率部の70%以下の空隙率である領域を意味する。
【0018】
本明細書において、多孔金属基材の「側面」とは、コンデンサの実装面に対して、略垂直な面を意味する。なお、図1〜10においては、下面がコンデンサの実装面である。
【0019】
上記多孔金属基材を構成する金属としては、導電性であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、タンタル、ニッケル、銅、チタン、ニオブおよび鉄等の金属、ならびにステンレス、ジュラルミン等の合金が挙げられる。
【0020】
好ましい多孔金属基材は、特に限定するものではないが、アルミニウムエッチング箔、タンタル粉焼結体、ニッケル粉焼結体、脱合金化法により合成される多孔金属等が挙げられる。
【0021】
上記多孔金属基材は、エッチング、焼結、脱合金化法など、当該分野でよく知られた方法により作製することができる。また、多孔金属基材は、市販の多孔金属基材を用いてもよい。
【0022】
多孔金属基材の厚みは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば10〜1,000μm、好ましくは30〜300μmであってもよい。なお、多孔金属基材の厚みとは、コンデンサの実装面に対して垂直な方向の長さを意味する。厚みを1,000μm以下とすることにより、小型化の点で有利となる。一方、10μm以上とすることにより、多孔金属機材の強度をより十分に確保することができる。
【0023】
図1に示されるように、多孔金属基材6は、その対向する一対の側面部に低空隙率部4を有し、その間に高空隙率部2を有する。
【0024】
多孔金属基材の高空隙率部の空隙率は、表面積を大きくして、コンデンサの容量をより大きくする観点から、30%以上が好ましく、35%以上がより好ましい。また、機械的強度を確保する観点から、80%以下が好ましく、65%以下がより好ましい。
【0025】
多孔金属基材の低空隙率部の空隙率は、機械的強度を高める観点から、高空隙率部の空隙率の60%以下の空隙率であることが好ましく、高空隙率部の空隙率の50%以下の空隙率であることがより好ましい。例えば、低空隙率部の空隙率は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。また、低空隙率部は、空隙率が0%であってもよい。
【0026】
低空隙率部は、多孔金属基材の側面部に対向して位置する。ここに、多孔金属基材の「側面部」とは、多孔金属基材の側面を含み、この側面からある一定の距離までの領域を意味する。即ち、低空隙率部の一部は、多孔金属基材の側面の少なくとも一部を構成してもよい。例えば、低空隙率部の一部は、多孔金属基材の側面の内、少なくとも30%以上の領域を構成することが好ましく、60%以上の領域を構成することがより好ましい。さらに好ましくは、低空隙率部の一部は、多孔金属基材の側面のすべて領域を構成する。換言すれば、多孔金属基材の側面は低空隙率部から成る。
【0027】
低空隙率部の幅(多孔金属基材の側面と共通の側面から、その面に対向する面までの長さ;図1〜10では紙面左右方向の長さ)は、3μm〜1mm、好ましくは10〜500μmである。低空隙率部の幅を3μm以上、より好ましくは10μm以上とすることにより、コンデンサの機械的強度を高めることができる。また、低空隙率部の幅を1mm以下とすることにより、同体積の多孔金属部材において、より大きな高空隙率部を確保することが可能になり、高い静電容量を得ることが可能になる。
【0028】
低空隙率部の形成方法は、所望の空隙率を得ることができれば特に限定されないが、例えば金型等によるプレスにより形成することが好ましい。プレスは、多孔金属基材の上下面から挟むようにプレスしてもよく、一方の面のみからプレスしてもよい。
【0029】
また、別法として、予め多孔化した多孔金属基材に対して、YVOレーザー、COレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、ならびにフェムト秒レーザー、ピコ秒レーザーおよびナノ秒レーザー等の全固体パルスレーザーを照射して孔を潰すことにより、低空隙率部を形成してもよい。より精細に低空隙率部の形状および空隙率を制御できることから、フェムト秒レーザー、ピコ秒レーザーおよびナノ秒レーザー等の全固体パルスレーザーが好ましい。
【0030】
低空隙率部は、上記のように高空隙率部の細孔を埋めることにより形成してもよいが、多孔化されていない金属基材に細孔を形成する過程において形成することもできる。例えば、多孔金属箔をエッチングにより作製する場合、低空隙率部を形成すべき箇所にマスキングを行ってからエッチングすることにより、マスキング箇所が非エッチング層となり、低空隙率部が形成される。また、下記に説明する図6(a)に記載の態様のように、箔の中心部に低空隙率部を形成する場合、箔の中心部まで細孔が形成される前にエッチング処理を停止することにより、中心部が非エッチング層となり、低空隙率部が形成される。
【0031】
上記プレス、レーザー加工、非エッチング層の形成を組み合わせることにより、種々の形状の低空隙率部を形成することができる。
【0032】
コンデンサ1において、上記多孔金属基材6上には、誘電体層8が形成されている。
【0033】
上記誘電体層を形成する材料は、絶縁性であれば特に限定されないが、好ましくは、AlO(例えば、Al)、SiO(例えば、SiO)、AlTiO、SiTiO、HfO、TaO、ZrO、HfSiOx、ZrSiO、TiZrO、TiZrWO、TiO、SrTiO、PbTiO、BaTiO、BaSrTiO、BaCaTiO、SiAlO等の金属酸化物;AlN、SiN、AlScN等の金属窒化物;またはAlO、SiO、HfSiO、SiC等の金属酸窒化物が挙げられ、AlO、SiO、SiO、HfSiOが好ましい。なお、上記の式は、単に材料の構成を表現するものであり、組成を限定するものではない。即ち、OおよびNに付されたx、yおよびzは任意の値であってもよく、金属元素を含む各元素の存在比率は任意である。
【0034】
誘電体層の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。誘電体層の厚みを5nm以上とすることにより、絶縁性を高めることができ、漏れ電流を小さくすることが可能になる。また、誘電体層の厚みを100nm以下とすることにより、より大きな静電容量を得ることが可能になる。
【0035】
誘電体層は、原子層体積(ALD:Atomic Layer Deposition)法により形成することができる。ALD法を用いることにより、厚みが薄く漏れ電流が小さい高絶縁性の誘電体層を形成することができるので、コンデンサの容量をより大きくすることが可能になる。
【0036】
コンデンサ1において、上記誘電体層8上には、上部電極10が形成されている。
【0037】
上記上部電極を構成する材料は、導電性であれば特に限定されないが、Ni、Cu、Al、W、Ti、Ag、Au、Pt、Zn、Sn、Pb、Fe、Cr、Mo、Ru、Pd、Taおよびそれらの合金層、例えばCuNi、AuNi、AuSn、ならびにTiN、TiAlN、TiON、TiAlON、TaN等の窒化金属などが挙げられ、TiN、TiONが好ましい。また、上部電極を構成する材料は、導電性高分子であってもよく、例えば、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸)、ポリアニリン、ポリピロールなどが挙げられる。
【0038】
上部電極の厚みは、特に限定されないが、例えば3nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。上部電極の厚みを3nm以上とすることにより、上部電極自体の抵抗を小さくすることができる。
【0039】
上部電極は、ALD法により形成することができる。ALD法を用いることにより、コンデンサの容量をより大きくすることができる。別法として、誘電体層を被覆し、多孔金属基材の細孔を実質的に埋めることのできる、化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、めっき、バイアススパッタ、Sol−Gel、導電性高分子充填などの方法で、上部電極を形成してもよい。また、誘電体層上にALD法で導電性膜を形成し、その上から他の手法により細孔を充填して上部電極を形成してもよい。
【0040】
なお、上部電極を形成後、上部電極がコンデンサ電極としての十分な導電性を有していない場合には、スパッタ、蒸着、めっき等の方法で、上部電極の表面に追加でAl、Cu、Ni等からなる引き出し電極層を形成してもよい。
【0041】
本発明の一の態様において、図2(b)に示されるように、上部電極10は、上部電極を構成する導電性物質が、多孔金属基材6の細孔を埋めるように形成されていてもよい。この態様において、上部電極10は、下記する配線電極を兼ねていてもよい。なお、多孔金属基材の細孔は、導電性物質により実質的に完全に充填されている必要はなく、細孔の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上が充填されていればよい。上部電極の抵抗を小さくできるという観点から、実質的に完全に充填されていることがさらに好ましい。
【0042】
コンデンサ1において、上部電極10上には、配線電極12が形成されている。
【0043】
配線電極を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、Cu、Ni、Sn、Al、Ag、Au等が挙げられる。配線電極の形成方法は、特に限定されず、例えばCVD法、めっき、スパッタ等を用いることができる。
【0044】
コンデンサ1において、これら誘電体層8、上部電極10、および配線電極12が形成された多孔金属基材は、保護層14により保護されている。
【0045】
好ましくは、保護層14は、端子電極との接続部分を除いて、上記多孔金属基材全体を覆うように形成される。保護層により、コンデンサの耐湿性、絶縁性、機械的強度をより高めることができる。
【0046】
保護層を構成する材料は、絶縁性であれば特に限定されず、例えば、上記誘電体層を形成する材料と同じもの、好ましくはSiN、SiO、AlTiO、AlO、より好ましくはSiO、またはポリエポキシ、ポリイミドなどの樹脂コート、ガラスコートなどを用いることができる。
【0047】
保護層の厚みは、所望の機能、例えば耐湿性または絶縁性を発揮し得る厚みであれば特に限定されないが、例えば、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜20μmであることが好ましい。
【0048】
保護層の形成方法は、特に限定されず、例えばCVD法、めっき、スパッタ、スプレー、スクリーン印刷、ディスペンサ、樹脂フィルムのラミネート等、その材料に応じて適宜選択することができる。
【0049】
コンデンサ1は、側面に一対の対向する第1端子電極16および第2端子電極18を有する。
【0050】
第1端子電極16は、多孔金属基材6に電気的に接続され、第2端子電極18は、上部電極10に電気的に接続され、第1端子電極と第2端子電極は、コンデンサ内において電気的に絶縁するように設置される。
【0051】
第1端子電極および第2端子電極(以下、まとめて「端子電極」ともいう)を構成する材料は、導電性であれば特に限定されず、例えば、Cu、Ni、Sn、Au、Ag、Pb等の金属、およびそれらの合金等を用いることができる。
【0052】
端子電極の厚みは、特に限定されないが、1〜50μmであり、好ましくは1〜20μmであってもよい。
【0053】
端子電極の形成方法は、特に限定されず、例えば、めっきにより形成してもよく、または、導電性ペーストを塗布して焼き付けて形成してもよい。
【0054】
このようなコンデンサは、多孔金属基材が、機械的強度の高い低空隙率部を有することにより、例えば、ガラスエポキシ基板、セラミック基板、樹脂基板等の基板への実装の際に加えられる応力、特にたわみ応力に対する高い耐久性を有する。また、誘電体層を形成した後の製造工程においても、低空隙率部が高い機械的強度を有することから、製造時における多孔金属基材の変形を抑制することができる。
【0055】
また、上記したようなALD法は、高い絶縁性を有する薄膜の形成を可能にするが、得られた誘電体膜は、多孔金属基材との界面強度(または付着性)が弱く、応力により剥離、デラミネーションおよびクラックを生じやすい。本発明のコンデンサは機械的強度が高いので、素子の変形による誘電体膜の剥離、デラミネーションおよびクラックの発生を抑制することができる。
【0056】
このように機械的強度が向上することにより、より低背なコンデンサとすることが可能になる。例えば、本発明のコンデンサは、厚みに対する長さの比を、3以上、好ましくは4以上とすることが可能になる。
【0057】
上記した本実施形態のコンデンサ1は、下記の製造プロセスにより、製造することができる。なお、下記において、図3−1、図3−2および図3−3は、まとめて図3という。
【0058】
図3(a)に示されるように、まず、多孔金属基材6を準備する。上記したように、多孔金属基材は、エッチング、焼結、脱合金化法など、当該分野でよく知られた方法により作製することができる。また、多孔金属基材は、市販の多孔金属基材を用いてもよい。
【0059】
次に、図3(b)に示されるように、多孔金属基材6に低空隙率部4を形成する。低空隙率部は、1つの多孔金属基材に、所望のコンデンサの大きさに応じた間隔で複数形成される。即ち、この多孔金属基材からは、複数の素子が形成される。低空隙率部は、上記したように、例えば金型等によるプレスに、COレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、およびフェムト秒レーザー、ピコ秒レーザーおよびナノ秒レーザー等の全固体パルスレーザーにより形成することができる。
【0060】
次に、図3(c)に示されるように、破線20に沿って、多孔金属基材を低空隙率部において(好ましくは、略中央部にて)切断する。ただし、この時点では、多孔金属基材を素子単位に完全には切断せず、一方の側面が隣接する素子と結合した状態を維持する。
【0061】
多孔金属基材の切断方法は、特に限定されないが、例えばレーザーによる切断、金型による抜き加工、ダイサー、超硬刃、スリッター、ピナクル刃でのカットなどの単独および組み合わせ等により切断することができる。
【0062】
本発明のコンデンサの製造においては、上記のように、多孔金属基材を切断する工程を含む。一般的に、多孔部位の存在は、この切断の際にバリおよび/または切断面の切断方向への延伸・変形など、ダレの発生の原因となる。しかしながら、本発明のコンデンサの製造方法では、切断部が低空隙率部であることから、このようなバリの発生を抑制することが可能になる。
【0063】
次に、図3(d)に示されるように、多孔金属基材6の表面上に(図示した例では、多孔金属基板の露出面全体に)、誘電体層8を形成する。誘電体層は、上記したように、ALD法により形成される。
【0064】
次に、図3(e)に示されるように、誘電体層8を形成した多孔金属基材の一部、具体的には後に第1端子電極16を形成する箇所に、マスク22を形成する。
【0065】
マスクを構成する材料は、特に限定されず、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0066】
マスクの形成方法は、特に限定されず、例えばスクリーン印刷、ディスペンサ、ディップ、インクジェット、スプレーなどが挙げられる。
【0067】
次に、図3(f)に示されるように、誘電体層8上に上部電極10を形成する。図示した例では、図2(b)に例示したように、素子全体を覆うように上部電極となる導電性物質層を形成しており、上部電極は配線電極を兼ねている。
【0068】
上部電極は、ALD法、CVD法、めっき、バイアススパッタ、Sol−Gel、導電性高分子充填などの方法で形成することができる。また、これらの方法は、組み合わせて用いることができる。例えば、誘電体層上にALD法で導電性膜を形成し、その上から他の方法により細孔を充填して上部電極を形成してもよい。
【0069】
次に、図3(g)に示されるように、多孔金属基材を、マスクを形成した低空隙率部において(好ましくは略中央部にて)切断し、各素子単位に分割する。切断方法は、上記図3(c)における切断と同様の方法を用いることができる。
【0070】
次に、図3(h)に示されるように、マスクを除去する。マスクの除去は、マスクを構成する材料等に応じて適切な方法で行うことができ、例えば洗浄または熱処理により除去することができる。
【0071】
次に、図3(i)に示されるように、保護層14を、素子全体を覆うように形成する。上記したように保護層は、例えばCVD法、めっき、スパッタ、スプレー、印刷などにより形成することができる。
【0072】
次に、図3(j)に示されるように、保護層の一部、具体的には端子電極を形成する箇所をエッチングし、多孔金属基材6(図において左側面)および上部電極10(図において右側面)を露出させる。
【0073】
最後に、図3(k)に示されるように、第1端子電極16および第2端子電極18を形成する。第1端子電極16は、多孔金属基材6と電気的に接続し、上部電極10と電気的に離隔するように形成される。第2端子電極18は、上部電極10と電気的に接続し、多孔金属基材6と電気的に離隔するように形成される。端子電極は、上記したように、めっきにより形成してもよく、また、導電性ペーストを塗布して焼き付ける、または硬化させることにより形成してもよい。
【0074】
保護層および端子電極の形成については、別法として、図3(l)に示されるように、先に第1端子電極および第2端子電極を形成し、次いで、図3(m)に示されるように、保護膜を、第1端子電極および第2端子電極が露出するように形成してもよい。
【0075】
以上、本発明のコンデンサおよびその製造方法を、上記実施形態のコンデンサ1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0076】
本発明の好ましい態様において、第1端子電極および第2端子電極は、多孔金属基材の低空隙率部が存在する対向する一対の側面に位置し、それぞれ、多孔金属基材の側面から上下面の低空隙率部上まで延在するように形成されている。具体的には、図4に示されるように(図4おいては代表的に第2端子電極18を示す)、第1および/または第2端子電極、より好ましくはすべての端子電極は、それらの全体が低空隙率部4上に位置するように形成される。端子電極は他の部位よりも外側に突出している場合が多く、特に端子電極の先端部には、コンデンサの実装時および作製時にかかる応力が集中しやすい。従って、端子電極の直下を機械的強度が高い低空隙率部とすることにより、コンデンサ全体の機械的強度をより高くすることができる。
【0077】
本発明のさらに別の態様において、図5に示されるように、図3(h)で切断された素子を複数個、例えば3つ重ねて積層体とし、その後、この積層体を図3(i)〜(k)の工程に付して、保護層および端子電極を形成してもよい。このような構成とすることにより、コンデンサの機械的強度および容量をより高めることができる。
【0078】
本発明のさらに別の態様において、本発明のコンデンサは、多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在する低空隙率部(以下、「側面低空隙率部」ともいう)の間に形成されている別の低空隙率部(以下、単に「別の低空隙率部」ともいう)を有していてもよい。
【0079】
上記別の低空隙率部は、図6(a)および(b)に示されるように、側面低空隙率部を連結するように形成されていてもよい。この連結部分である別の低空隙率部24は、多孔金属基材の厚み方向のいずれの位置にあってもよく、例えば、多孔金属基材の厚み方向の中心付近に位置してもよく(図6(a))、多孔金属基材の上面または下面に接するように位置してもよい(図6(b))。
【0080】
また、上記別の低空隙率部は、図7に示されるように、多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在する低空隙率部とは離隔し、多孔金属基材の上面から下面に亘って形成されていてもよい。この柱状の別の低空隙率部26は、多孔金属基材のいずれかの箇所に位置してもよいが、好ましくは図示したように中央部に位置する。
【0081】
また、上記別の低空隙率部は、多孔金属基材の高空隙率部に完全に覆われていてもよく、換言すれば、高空隙率部に埋設されるように位置してもよい。
【0082】
上記別の低空隙率部は、1つのみ存在してもよく、または2つ以上存在していてもよい。
【0083】
本発明の別の態様において、図8(a)に示されるように、第1端子電極および第2端子電極は、素子の側面に存在せず、上面のみに存在してもよい。また、図8(b)に示されるように、上面および下面の両方に存在してもよい。
【0084】
本発明のさらに別の態様において、図9(a)に示すように、多孔金属基材の対向する一対の側面部に存在する低空隙率部4とは別に、少なくとも1つの低空隙率部28が多孔金属基材の上面部の一部に形成され、上面部に形成された低空隙率部28上に、端子電極を形成してもよい。図示した例では、第2端子電極18のみが低空隙率部28上に位置するが、第1端子電極16の下方にのみ低空隙率部を形成してもよく、または第1端子電極16および第2端子電極18両方の下方に低空隙率部を形成してもよい。このような構成とすることにより、端子間の距離を短くすることができるので、等価直列抵抗の値を低減することが可能になる。
【0085】
この態様において、好ましくは、第1端子電極および第2端子電極の少なくとも1つは、端子電極全体が低空隙率部上に存在するように形成される。端子電極全体を、低空隙率部上に形成することにより、応力が集中しやすい端子電極の周囲の機械的強度が高くなるので、コンデンサ全体の機械的強度を高めることができる。
【0086】
また、図9(a)では、第1端子電極および第2端子電極は一対であるが、図9(b)に示されるように、2対の第1端子電極および第2端子電極を形成してもよい。このような形状とすることにより、より等価直列抵抗の値を低減することができる。
【0087】
図9(a)に示すような態様のコンデンサは、例えば、図10に示すように形成することができる。
【0088】
まず、図10(a)に示されるように、多孔金属基材の所定の位置に低空隙率部4を形成する。
【0089】
次に、図10(b)に示されるように、多孔金属基材上に誘電体層8を形成する。
【0090】
次に、図10(c)に示されるように、第1端子電極が形成される箇所にマスク22を施し、次いで、上部電極10を形成する。
【0091】
次に、図10(d)に示すように、破線20に沿って低空隙率部において切断し、マスクを除去する。
【0092】
次に、図10(e)に示すように、第1端子電極16および第2端子電極18を形成し、最後に保護膜14を形成する。
【0093】
なお、図1〜10は、断面図であり、長さ(紙面左右方向)および厚さ(紙面上下方向)を例示的に示すものであるが、図示した例に限定されない。低空隙率部、端子電極、配線電極などは、コンデンサの幅方向(紙面に垂直な方向)に所定の長さを有しており、これらはコンデンサの幅全体にわたって存在してもよく、一部のみに存在していてもよい。
【実施例】
【0094】
実施例1
多孔金属基材として厚み110μm、拡面率約400倍の市販のアルミ電解コンデンサ用アルミニウムエッチング箔を準備した(図3(a))。このアルミニウムエッチング箔を、縦1.0mm×横0.5mmの間隔で、約100μmの幅で箔の上下からプレスして、低空隙率部を形成した(図3(b))。
【0095】
上記のように形成した低空隙率部の内、コンデンサの一方の側面となる部分をレーザーにより切断した(図3(c))。切断後、ALD法により、多孔金属基材上に、厚さ30nmのAlO(xは、1.2以上)の膜を成膜し、誘電体層を形成した(図3(d))。
【0096】
次に、上記で切断しなかった低空隙率部の上部および下部にマスクを施し(図3(e))、ALD法により、上部電極となるTiNの膜を、上記で形成した誘電体層上に形成し、次いで、めっき法により、細孔内部および多孔箔表面にNi膜を形成し、配線電極を形成した(図3(f))。
【0097】
次に、マスクで被覆されている低空隙率部をカットした(図3(g))。次いで、400〜600℃で熱処理し、マスクを除去した(図3(h))。
【0098】
次に、CVD法によりSiOの保護層を、チップ全面が平均1μmの厚みで覆われるように形成した(図3(i))。次いで、素子の両端の保護層を、フッ素系ガスにてエッチングし(図3(j))、そこに、厚み5μmのNiをめっき形成し、その上にSnを3μmめっき形成し端子電極を形成し(図3(k))、図1に示すようなチップ形状のコンデンサを作製した。
【0099】
上記のように作製したコンデンサについて、空隙率を次のようにして測定した。
【0100】
コンデンサの高空隙率部および低空隙率部の略中央部をFIBによるマイクロサンプリング加工法を用いて、薄片試料厚みが約50nmとなるように薄片化した分析試料を準備した。なお、FIB加工時に形成された試料表面のダメージ層は、Arイオンミリングによって除去した。分析試料の加工には、FIBには、SMI 3050SE(セイコーインスツル社製)を、Arイオンミリングには、PIPS model691(Gatan社製)を用いた。
【0101】
試料の5μm×5μmの範囲を走査型透過電子顕微鏡(STEM)にて観察した。STEMはJEM−2200FS(JEOL製)を用いた(加速電圧=200kV)。観察領域の画像解析を行い、空隙率を求めた。結果は、高空隙率部の空隙率が60%であり、低空隙率部の空隙率が10%であった。
【0102】
実施例2
多孔金属基材として厚み110μm、拡面率約400倍の市販のアルミ電解コンデンサ用アルミニウムエッチング箔を準備し、このアルミニウムエッチング箔に、YVOレーザー(レーザー出力:10W、加工速度:100mm/秒)を照射して孔を潰すことにより、低空隙率部を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のコンデンサを作製した。
【0103】
実施例1と同様に画像解析により空隙率を求めた結果、高空隙率部の空隙率が60%であり、低空隙率部の空隙率が20%であった。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明のコンデンサは、機械的強度が高いので、種々の電子機器に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0105】
1…コンデンサ
2…高空隙率部
4…低空隙率部
6…多孔金属基材
8…誘電体層
10…上部電極
12…配線電極
14…保護膜
16…第1端子電極
18…第2端子電極
20…切断箇所
22…マスク
24…低空隙率部
26…低空隙率部
28…低空隙率部
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10