【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の部品実装基板は、複数のバンプが配列して形成された電子部品と、複数の樹脂層を積層してなり、複数のランド導体が形成された樹脂基板を有する回路基板と、を備え、複数のバンプを複数のランド導体に接合してなる。電子部品は、隣接するバンプの間隔が広い箇所がある。回路基板は、バンプの間隔が広い箇所に対向する箇所に、樹脂層の一部からなる突起部を有する。突起部は、電子部品におけるバンプの形成面に当接している。
【0012】
この構成では、電子部品が回路基板に実装される際に、突起部が電子部品のバンプが無い部分を保持する。これにより、電子部品が回路基板に安定して実装される。
【0013】
また、この発明の部品実装基板では、樹脂層は、可撓性樹脂からなることが好ましい。
【0014】
この構成では、突起部が可撓性を有するので、電子部品が回路基板に実装される際に、突起部が電子部品に押し込まれても、突起部および電子部品の破損が抑制される。
【0015】
また、この発明の部品実装基板では、樹脂層の弾性率は、3GPa以下であることが好ましい。
【0016】
この構成では、上述の突起部および電子部品の破損がより確実に抑制される。
【0017】
また、この発明の部品実装基板では、次の構成であることが好ましい。樹脂基板における電子部品が実装される側の表面を形成する樹脂層と突起部とは、一体に形成されている。
【0018】
この構成では、突起部を容易に形成することができる。
【0019】
また、この発明の部品実装基板では、表面を形成する樹脂層は、電子部品の実装面を平面視して、電子部品を囲み、電子部品に重ならない部分の全域を覆う形状であることが好ましい。
【0020】
この構成では、樹脂基板の表面を形成する樹脂層に設けられた凹部内に電子部品が配置される。これにより、電子部品が樹脂基板の表面から突出する高さが低くなる。また、後述のアンダーフィル材を形成する場合においては、アンダーフィル材の堰き止め効果がある。
【0021】
また、この発明の部品実装基板では、樹脂層は、熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
【0022】
この構成では、樹脂基板の形成が容易になり、且つ樹脂層間の接合の信頼性が向上する。
【0023】
また、この発明の部品実装基板では、電子部品と回路基板との間には、アンダーフィル材が形成されている。
【0024】
この構成では、電子部品のバンプと回路基板のランド導体との接合が保護され、信頼性が向上する。
【0025】
また、この発明の部品実装基板では、バンプとランド導体とは、超音波接合されている。
【0026】
この構成では、高熱をかけることなく、バンプとランド導体が接合される。これにより、特に、熱可塑性樹脂を用いた場合の接合が安定する。また、超音波接合では、電子部品を回路基板に押し付けるため、上述の突起部による接合の安定性がより有効に作用する。
【0027】
また、この発明の部品実装基板では、樹脂基板における電子部品が実装される側の表面を形成する樹脂層の表面には、電子部品と重ならない位置に、回路導体が形成されていてもよい。
【0028】
この構成では、形状を殆ど大きくすることなく、より多機能な回路が部品実装基板によって実現される。
【0029】
また、この発明の部品実装基板では、樹脂基板における電子部品が実装される側の表面を形成する樹脂層の表面には、回路導体に第2の実装部品が実装されていてもよい。
【0030】
この構成では、より多機能な回路が部品実装基板によって実現される。
【0031】
また、この発明は、複数のバンプが配列して形成され、且つ隣接するバンプの間隔が広い箇所がある電子部品と、複数の樹脂層を積層してなり、複数のランド導体が形成された樹脂基板を有する回路基板と、を備え、複数のバンプを複数のランド導体に接合してなる部品実装基板の製造方法に関する。この部品実装基板の製造方法は、電子部品を回路基板に重ねて視て、電子部品のバンプの間隔が広い箇所に対応する樹脂基板の箇所に、樹脂層の一部からなる突起部を設ける工程を有する。この製造方法は、突起部を電子部品におけるバンプの形成面に当接させて、複数のバンプと複数のランド導体とを接合する工程を有する。
【0032】
この製造方法では、電子部品と回路基板とが安定に接続された部品実装基板を容易に且つ確実に製造することができる。
【0033】
また、この発明の部品実装基板の製造方法では、次の工程を有することが好ましい。突起部を設ける工程は、複数のランド導体が露出する形状で側壁面が部分的に突起する形状の貫通孔を、樹脂基板の表層の樹脂層に設ける工程を有する。突起部を設ける工程は、表層の樹脂層を含む複数の樹脂層を積層して前記樹脂基板を形成する工程を有する、
この製造方法では、樹脂基板の表面側に設けた凹部内に突起部が容易に形成される。
【0034】
また、この発明の部品実装基板の製造方法では、次の工程を有することが好ましい。突起部を設ける工程は、表層の樹脂層を含む複数の樹脂層を積層して樹脂基板を形成する工程を有する。突起部を設ける工程は、樹脂基板を表層側からエッチングして、複数のランド導体が露出する形状で側壁面が部分的に突起する形状の凹部を形成する工程を有する。
【0035】
この製造方法では、樹脂基板の表面側に設けた凹部内に突起部が容易に形成される。また、この製造方法では、電子部品を囲む表層の樹脂層から突起部が離間している構造も容易に実現される。
【0036】
また、この発明の部品実装基板の製造方法では、複数のバンプと複数のランド導体とを接合する工程は、超音波接合であることが好ましい。
【0037】
この製造方法では、接合時の熱が低くなる。これにより、特に、熱可塑性樹脂を用いた場合の接合が安定する。また、超音波接合では、電子部品を回路基板に押し付けるため、上述の突起部による接合の安定性がより有効に作用する。
【0038】
また、この発明の部品実装基板の製造方法では、電子部品と樹脂基板との間にアンダーフィル材を充填する工程を、さらに有することが好ましい。
【0039】
この製造方法では、バンプとランド導体との接合がより安定した部品実装基板が確実に製造される。