(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プライマリセルと、非ライセンス周波数で運用される少なくとも1つのセカンダリセルとを用いるキャリアアグリゲーションをサポートする無線端末と通信可能な無線局であって、
前記非ライセンス周波数で運用されるセカンダリセルにおいて送信されるリファレンス信号のReference Signal Received Power (RSRP)及びReference Signal Received Quality (RSRQ)の少なくとも1つを測定するための第1の測定設定情報と前記非ライセンス周波数でのRSSI(Received Signal Strength Indicator)を測定するための第2の測定設定情報とを含むRadio Resource Control (RRC) Connection Reconfigurationメッセージを前記プライマリセルにおいて送信するトランスミッタと、
前記RSRPの値と前記RSRQの値の少なくとも1つを含む第1の測定報告を前記プライマリセルにおいて受信し、前記RSSIの値を含む第2の測定報告を前記プライマリセルにおいて受信するレシーバとを有し、
前記第1の測定設定情報は、前記非ライセンス周波数で運用されるセカンダリセルにおいてリファレンス信号が送信されるようスケジュールされる期間を示す情報を含み、
前記第2の測定設定情報は、前記RSSIの測定が実行される測定期間を含むことを特徴とする無線局。
プライマリセルと、非ライセンス周波数で運用される少なくとも1つのセカンダリセルとを用いるキャリアアグリゲーションをサポートする無線端末と通信可能な無線局の制御方法であって、
前記非ライセンス周波数で運用されるセカンダリセルにおいて送信されるリファレンス信号のReference Signal Received Power (RSRP)及びReference Signal Received Quality (RSRQ)の少なくとも1つを測定するための第1の測定設定情報と前記非ライセンス周波数でのRSSI(Received Signal Strength Indicator)を測定するための第2の測定設定情報とを含むRadio Resource Control (RRC) Connection Reconfigurationメッセージを前記プライマリセルにおいて送信し、
前記RSRPの値と前記RSRQの値の少なくとも1つを含む第1の測定報告を前記プライマリセルにおいて受信し、前記RSSIの値を含む第2の測定報告を前記プライマリセルにおいて受信し、
前記第1の測定設定情報は、前記非ライセンス周波数で運用されるセカンダリセルにおいてリファレンス信号が送信されるようスケジュールされる期間を示す情報を含み、
前記第2の測定設定情報は、前記RSSIの測定が実行される測定期間を含むことを特徴とする無線局の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0021】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る無線通信システム100の構成例を示している。無線通信システム100は、セルラシステム(e.g. LTEシステム、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、CDMA2000システム(EV-DO、1xRTT、HPRD)、又はGlobal System for Mobile Communications (GSM)システム)であってもよい。また、無線通信システム100は、非セルラシステム(e.g. WiMAXシステム、無線Local Area Network(LAN)システム)であってもよい。
【0022】
無線通信システム100は、無線局1、無線端末2、及び周波数制御部3を含む。無線局1は、セル11を運用し、セル11に帰属する無線端末2と通信する。無線局1は、例えば、基地局、中継局(Relay Node(RN))、又はアクセスポイントと呼ばれる。無線端末2は、例えば、移動局、User Equipment(UE)、又はWireless Transmit/Receive Unit(WTRU)と呼ばれる。セル11は、無線局1のカバレッジエリアを意味する。セル11は、セクタ・セルであってもよい。
【0023】
周波数制御部3は、無線通信システム100を含む複数の無線システムで共用される共用周波数の無線局1による使用を制御するよう動作する。周波数制御部3は、例えば、無線局1による共用周波数の使用可否を決定してもよい。また、周波数制御部3は、無線局1と無線端末2の間の通信のために共用周波数を使用するか否かを決定してもよい。また、周波数制御部3は、共用周波数を含む候補周波数の中から無線局1の割り当て周波数を決定してもよい。割り当て周波数は、無線局1と無線端末2の間の通信に使用される周波数である。
【0024】
共用周波数は、例えばTVWSのように、プライマリシステムにライセンスされた周波数帯域であってもよい。この場合、セカンダリシステムとしての無線通信システム100は、例えば、共用周波数がプライマリシステムによって時間的又は空間的に使用されていない場合に共用周波数を二次利用することができる。言い換えると、無線通信システム100は、無線通信システム100にライセンスされた周波数を利用できるだけでなく、無線通信システム100にライセンスされていない共用周波数(e.g. TVWS)を二次利用することができる。なお、プライマリシステムは存在しなくてもよい。この場合、共用周波数は、複数の無線通信システム、例えば、異なるオペレータによって運用される複数の無線通信システムによって平等に共用されてもよい。複数の無線通信システムは、同じ無線アクセス技術(e.g. LTE)を用いるシステムのみを含んでもよいし、異なる無線アクセス技術(e.g. LTE、CDMA2000、GSM、WiMAX)を用いるシステムを含んでもよい。
【0025】
既に述べたように、無線通信システム100においてTVWSのような共用周波数をするためには、無線端末2がコグニティブ無線に関する周波数センシング機能をサポートしなければならない。このことは、無線端末2のハードウェア又はソフトウェアの規模の増大または複雑化を招くおそれがある。
【0026】
この問題に対処するため、本実施形態では、無線端末2は測定部20を有する。測定部20は、無線通信システム100に適用される無線アクセス技術(e.g. LTE、CDMA2000、GSM、WiMAX)により定義される第1の端末測定を実行するために無線端末2に実装された端末測定プロシージャを利用して、共用周波数における第2の端末測定を実行するよう動作する。第2の端末測定の結果は、周波数制御部3に供給され、無線局1による共用周波数の使用を制御するために用いられる。
【0027】
一方、無線局1は、上述した第1及び第2の端末測定を無線端末2と協調して行うために、測定制御部10を有する。測定制御部10は、上述した第1及び第2の端末測定を制御するよう動作する。
【0028】
第1の端末測定は、少なくとも無線通信システム100にライセンスされた周波数(i.e. ライセンスバンド)の無線特性を測定することを含む。第1の端末測定は、無線通信システム100に適用される無線アクセス技術(e.g. LTE、UMTS、CDMA2000、GSM、WiMAX)に対応する端末測定プロシージャを用いて行われる。言い換えると、第1の端末測定は、無線通信システム100に適用される無線アクセス技術によって規定(又は定義)される端末測定プロシージャを用いて行われる。端末測定プロシージャは、一般的に、無線局1と無線端末2の間のシグナリングを含む。例えば、無線局1は、所定の要求メッセージを用いて無線端末2に端末測定報告を要求する。要求メッセージは、例えば、測定すべき周波数、報告されるべき測定項目、及び測定期間のうち少なくとも1つを指定する。無線端末2は、要求メッセージに従って、指定された周波数に対する測定を実行する。そして、無線端末2は、測定結果を示す端末測定報告を無線局1に送信する。端末測定報告は、例えば、以下の(a)〜(e)のうち少なくとも1つを含む。
(a)共用周波数における無線通信システム100の信号の受信電力又は受信強度;
(b)共用周波数における無線通信システム100の信号の受信品質;
(c)共用周波数における無線通信システム100の通信路品質;
(d)共用周波数に関する情報(e.g. 好ましい周波数、優先度);及び
(e)共用周波数におけるプライマリシステムの信号の受信電力又は受信強度。
【0029】
なお、第1の端末測定および端末測定プロシージャは、一般的に、複数のライセンスバンドの測定をサポートする。例えば、端末測定プロシージャは、複数のライセンスバンドの測定のために、異周波数間測定(inter-frequency measurement)プロシージャを含む。あるいは、端末測定プロシージャは、無線局1によってプライマリセル及びセカンダリセルが無線端末2に設定されている間のセカンダリセルを測定するためのプロシージャを含んでもよい。プライマリセル及びセカンダリセルは、互いに異なるライセンスバンドを使用する。無線局1がプライマリセル及びセカンダリセルを含む複数セルを運用する形態は、例えば、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation(CA))、又はデュアルセル運用(dual-cell operation)と呼ばれる。
【0030】
また、端末測定プロシージャは、無線端末2が無線局1と無線接続中に1つ以上のライセンスバンドの測定を行い、測定結果と無線端末2の位置情報とを無線局1に報告するためのプロシージャを含んでもよい。また、端末測定プロシージャは、無線端末2が無線局1と無線接続していない期間に1つ以上のライセンスバンドの測定を行い、測定結果と無線端末2の位置情報とをログとして保存し、無線局1と無線接続中に無線局1にログを報告するためのプロシージャなどを含んでも良い。前者のプロシージャは、例えば、即時MDT(Immediate Minimization of Drive Test)、後者のプロシージャは、例えば、ログMDT(Logged MDT)と呼ばれる(非特許文献2を参照)。
【0031】
測定制御部10及び測定部20は、上述した第1の端末測定のための端末測定プロシージャを利用して、共用周波数における第2の端末測定を実行する。例えば、測定制御部10及び測定部20は、ライセンスバンドを測定するための異周波数間測定プロシージャを、非ライセンスバンド(あるいは、専有できる周波数としてはライセンスされてない周波数バンド)である共用周波数の測定に適用してもよい。また、測定制御部10及び測定部20は、キャリアアグリゲーション(又はデュアルセル運用)におけるセカンダリセル測定プロシージャを共用周波数の測定に適用してもよい。
【0032】
図2は、本実施形態における共用周波数の使用制御手順の具体例を示すシーケンス図である。ステップS101では、無線端末2は無線局1の指示に従い、共用周波数の無線特性を取得するために、端末測定プロシージャを実行する。
図2の例では、端末測定プロシージャは、ステップS102〜S104を含む。ステップS102では、無線局1は、共用周波数における端末測定報告指示を無線端末2に送信する。端末測定報告指示は、例えば、ライセンスバンドにおいて利用可能な制御チャネル又はデータチャネルを用いて送信される。ステップS103では、無線端末2は、端末測定報告指示に従って共用周波数を測定する。ステップS104では、無線端末2は、共用周波数における測定結果を含む端末測定報告を無線局1に送信する。端末測定報告は、例えば、ライセンスバンドにおいて利用可能な制御チャネル又はデータチャネルを用いて送信される。
【0033】
ステップS105では、無線局1は、端末測定報告を周波数制御部3に送信する。なお、周波数制御部3が無線局1と一体的に配置される場合にはステップS105は省略されてもよい。ステップS106では、周波数制御部3は、共用周波数における測定結果を含む端末測定報告に基づいて、無線局1による共用周波数の使用を制御する。
【0034】
図2に示した端末測定プロシージャ(S101)は、例えば、周期的に実行されてもよいし、非周期的に実行されてもよい。非周期的な端末測定プロシージャ(S101)の実行は、例えば、運用管理装置(OAM)、周波数管理装置、又はGDBからの要求にトリガーされてもよい。周波数管理装置は、Spectrum Manager(SM)、周波数管理システム、又はCentral Control Pointとも呼ばれる。また、無線局1は、所定の条件を満たした場合に自発的に端末測定プロシージャ(S101)を開始してもよい。また、端末測定プロシージャ(S101)は、共用周波数に含まれる複数の候補周波数(部分周波数)について同時に実行されてもよいし、1つの候補周波数毎に実行されてもよい。
【0035】
また、本実施形態で述べた周波数制御部3は、無線局1への割り当て周波数の見直し(更新)手順を行なってもよい。また、周波数制御部3は、割り当て周波数の解放手順(つまり、無線局1による共用周波数の使用を停止する手順)を実行してもよい。周波数制御部3は、例えば、共用周波数の使用に関する所定の条件を満たさなくなった場合に(言い換えると、所定の解放条件を満たした場合に)、無線局1による共用周波数の使用を停止してもよい。
【0036】
また、周波数制御部3は、無線局1による共用周波数の使用の制御、例えば共用周波数を使用するかどうかの判定や、共用周波数の使用を許可するかどうかの判定を行うために、端末測定報告とは異なる他の条件を考慮してもよい。例えば、周波数制御部3は、無線局1の地理的位置を考慮してもよい。具体的には、周波数制御部3は、無線局1の地理的位置が共用周波数の使用が許可されるエリア内であるか否かを判定してもよい。また、周波数制御部3は、無線局1が使用可能な周波数を考慮してもよい。具体的には、周波数制御部3は、無線局1の使用可能な周波数範囲に共用周波数が含まれるか否かを判定してもよい。また、周波数制御部3は、無線局1のダウンリンク送信電力の最大値又は最小値を考慮してもよい。
【0037】
上述したように、本実施形態では、無線局1及び無線端末2は、無線通信システム100に適用される無線アクセス技術(e.g. LTE、UMTS、CDMA2000、GSM、WiMAX)により規定(又は定義)される第1の端末測定を実行するための端末測定プロシージャを利用して、共用周波数における第2の端末測定を実行するよう動作する。したがって、無線端末2は、共用周波数の測定のために追加の測定プロシージャをサポートする必要がない。従って、本実施形態は、複数の無線システムで共用される共用周波数(e.g. TVWS)を無線通信システム100が使用する際に、無線端末2がサポートするべき測定機能の簡素化に寄与することができる。
【0038】
ところで、周波数制御部3の配置は、ネットワークアーキテクチャの設計思想に基づいて、又は無線通信規格に応じて、適宜決定されるものである。例えば、
図3に示すように、周波数制御部3は、無線局1と一体的に配置されてもよい。この場合、無線局1は、例えば、以下の手順で共用周波数の使用を決定すればよい。まず、周波数制御部3を有する無線局1は、共用周波数の割り当て要求を図示されていない運用管理装置(OAM)に送信する。次に、無線局1は、運用管理装置(OAM)から少なくとも1つの候補周波数を示す通知を受信する。各候補周波数は、共用周波数に含まれる未使用の部分帯域とすればよい。そして、無線局1は、少なくとも1つの候補周波数の中から無線局1で使用される“割り当て周波数”を決定する。最後に、無線局1は、選択した割り当て周波数を示す報告(割り当て周波数報告)を運用管理装置に送信する。
【0039】
また、
図4に示すように、周波数制御部3は、運用管理装置(OAM)4と一体的に配置されてよい。この場合、運用管理装置4は、例えば、以下の手順で無線局1による共用周波数の使用を決定すればよい。まず、運用管理装置4は、共用周波数の割り当て要求を無線局1から受信する。次に、運用管理装置4は、端末測定報告の要求を無線局1に送信し、無線局1から返信される端末測定報告を受信する。そして、運用管理装置4は、受信した端末測定報告を用いて、無線局1への“割り当て周波数”を決定する。最後に、運用管理装置4は、決定した“割り当て周波数”を無線局1に通知する。
【0040】
また、
図5に示すように、周波数制御部3は、周波数管理装置5と一体的に配置されてもよい。周波数管理装置5は、Spectrum Manager(SM)、又は周波数管理システムとも呼ばれる。周波数管理装置5は、無線通信システム100を含む複数の無線システムに対する共用周波数の割り当てを管理する。複数の無線システムは、典型的には、異なるオペレータによって運用されるシステムを含む。
【0041】
<第2の実施形態>
本実施形態では、第1の実施形態の変形例について説明する。本実施形態に係る無線通信システム100の構成例は、
図1、3、4、又は5に示した第1の実施形態の構成と同様とすればよい。
【0042】
図6は、本実施形態に係る無線通信システム100における共用周波数の使用制御手順の具体例を示すシーケンス図である。
図6と
図2の比較から明らかであるように、
図6はステップS201を含む。ステップS201では、無線局1は、無線端末2による第2の端末測定のために、共用周波数において特定信号を送信する。特定信号は、所定期間または所定タイミングまで送信され、少なくとも無線端末2による共用周波数の測定(ステップS103)が行われる間に送信される。言い換えると、特定信号は、無線局1と無線端末2の間の通信における共用周波数の使用が周波数制御部3によって正式に許可される前に、試験的に送信される。したがって、特定信号は、テスト信号又はトレーニング信号と呼ぶこともできる。ここで、特定信号が送信される所定期間は、共用周波数を使用するための仮運用期間、準備期間、又はテスト期間と呼ぶことができる。仮運用期間は、共用周波数を使用するか否かを決定する為の期間、または共用周波数を使用可能か否かを決定する為の期間である。また、特性信号の送信の基準となる所定タイミングとは、共用周波数の使用を決定する時点、または共用周波数の使用を更新する時点、などが考えられる。
【0043】
特定信号は、無線局1と無線端末2の間の通常の通信において送信される無線信号に比べて制約が課されてもよい。例えば、特定信号は、ユーザーデータを送信するためのデータチャネル信号を含まなくてもよい。つまり、特定信号は、データチャネル信号を含まずに、パイロット信号、参照信号、及び同期信号のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0044】
特定信号の送信電力に対して制約が課されてもよい。例えば、特定信号は、無線通信システム100にライセンスされた周波数(i.e. ライセンスバンド)におけるダウンリンク信号に比べて低い送信電力で送信されてもよい。また、特定信号は、共用周波数の管理システムによって課された上限値以下の送信電力で送信されてもよい。ここで、共用周波数の管理システムは、例えば、周波数管理装置5、又はGeo-location Database(GDB)である。
【0045】
図6のステップS101〜S106における処理は、
図2に示した同一符号のステップ群における処理と同様とすればよい。なお、ステップS102における測定報告指示は、無線局1から送信される特定信号の設定情報を含んでもよい。
【0046】
以上に述べたように、本実施形態は、無線局1から共用周波数内の特定信号を送信しながら、無線端末2が第2の端末測定を行う。したがって、無線端末2は、共用周波数における第2の端末測定において、無線局1から送信された特定信号の受信電力又は受信品質を測定することがきる。これにより、以下に述べる利点がある。すなわち、無線端末2が単なるセンシング、つまり他の無線システム(e.g. プライマリシステム)からの干渉電力の測定、を行うだけでは、無線通信システム100に適した周波数の決定に不十分であるおそれがある。なぜなら、無線通信システム100が共用周波数を使用したときの通信品質(e.g. スループット)は、無線局1から送信される共用周波数信号の無線端末2における受信電力又は受信品質に依存するためである。したがって、単なるセンシングは、無線通信システム100が共用周波数を使用したときの通信品質が十分であることを保証できない。これに対して、本実施形態は、無線端末2が無線局1からの共用周波数信号(i.e. 特定信号)を十分な品質で受信できること、言い換えると無線通信システム100が共用周波数を効果的に利用できること、を保証できる。
【0047】
<第3の実施形態>
本実施形態では、第1及び第2の実施形態で説明した周波数制御部3の配置、及び無線局1への共用周波数の割り当て手順の具体例について説明する。具体的には、本実施形態は、周波数制御部3が無線局1と一体的に配置される例を示す。
【0048】
図7は、本実施形態に係る無線通信システム100を含む無線ネットワークの構成例を示している。
図7の例では、運用管理装置(OAM)4は、複数の無線局1を管理する。運用管理装置(OAM)4は、周波数管理装置(SM)5と通信し、共用周波数情報を周波数管理装置(SM)5から受信する。共用周波数情報は、使用可能な共用周波数(i.e. 少なくとも1つの候補周波数)を示す。なお、運用管理装置(OAM)4は、周波数管理装置(SM)5を介さずにGeo-location Database(GDB)から直接的に共用周波数情報を受信してもよい。
【0049】
図8は、本実施形態に係る無線通信システム100における共用周波数の使用制御手順の具体例を示すシーケンス図である。ステップS301では、無線局1は、周波数割り当て要求を運用管理装置(OAM)4に送信する。ステップS302では、運用管理装置(OAM)4は、共用周波数のうち割当可能な候補周波数の情報を取得する。運用管理装置(OAM)4は、周波数管理装置(SM)5又はGDBから候補周波数の情報を受信すればよい。ステップS303では、運用管理装置(OAM)4は、少なくとも1つの候補周波数を示す通知を無線局1に送信する。
【0050】
図8のステップS201並びにS101〜S104における処理は、
図6に示した同一符号のステップ群における処理と同様である。つまり、無線局1及び無線端末2は、無線局1から共用周波数(ここでは候補周波数)における特定信号を送信しながら、共用周波数(候補周波数)における第2の端末測定を行う。第2の端末測定は、無線通信システム100に適用される無線アクセス技術(e.g. LTE、UMTS、CDMA2000、GSM、WiMAX)により規定(又は定義)される端末測定プロシージャを用いて行われる。なお、候補周波数が複数である場合、無線局1及び無線端末2は、各候補周波数について第2の端末測定を行えばよい。
【0051】
ステップS304では、無線局1は、各候補周波数における端末測定結果に基づいて、少なくとも1つの候補周波数の中から無線局1で使用される“割り当て周波数”を決定する。具体的には、無線局1は、他の無線システムからの低い干渉電力、及び特定信号の高い受信品質が測定された候補周波数を“割り当て周波数”として選択すればよい。
【0052】
ステップS305では、無線局1は、選択した“割り当て周波数”を示す報告を運用管理装置(OAM)4に送信する。なお、いずれの候補周波数も割り当て周波数の決定条件を満たさなかった場合、無線局1は、周波数割り当てを行わないことを示す報告を運用管理装置(OAM)4に送信すればよい。ステップS306では、運用管理装置(OAM)4は、無線局1からの報告に基づいて、候補周波数の情報を更新する。ただし、ステップS306は省略されてもよい。
【0053】
図8に示した手順は、一例に過ぎない。例えば、運用管理装置(OAM)4による候補周波数情報の取得(S302)は、
図8の手順に先立って予め行われてもよい。また、無線局1が周波数割り当て要求(S301)を送信することなく、運用管理装置(OAM)4が自発的に無線局1に候補周波数を通知してもよい。
【0054】
図9は、無線局1による共用周波数の使用制御に関する動作の一例を示すフローチャートである。ステップS401では、無線局1は、共用周波数の割り当てが必要であるか否かを判定する。無線局1は、例えば、ライセンスバンドでのセル11の負荷(e.g. 通信量、無線端末数など)が所定の基準を超えた場合に追加の共用周波数が必要であると判定すればよい。ステップS402は、
図8のステップS301に対応する。すなわち、ステップS402では、無線局1は、周波数割り当て要求を運用管理装置(OAM)4に送信する。
【0055】
ステップS403は、
図8のステップS303に対応する。すなわち、ステップS403では、無線局1は、候補周波数通知を受信したか否かを判定する。ステップS404は、
図8のステップS203に対応する。すなわち、無線局1は、候補周波数通知を受信した場合に(ステップS403でYES)、候補周波数における特定信号を送信する。ステップS405及びS406は、
図8に示された端末測定プロシージャ(S101)に対応する。すなわち、無線局1は、候補周波数における特定信号を送信している間に、候補周波数での端末測定報告指示を無線端末2に送信し、無線端末2から返信される端末測定報告を受信する。
【0056】
ステップS407は、
図8のステップS304に対応する。すなわち、ステップS407では、無線局1は、端末測定報告に基づいて、少なくとも1つの候補周波数の中から自セル11Aの“割り当て周波数”を決定する。
【0057】
ステップS408は、
図8のステップS305に対応する。すなわち、ステップS308では、無線局1Aは、割り当て周波数報告を運用管理装置(OAM)4に送信する。割り当て周波数報告は、割り当て周波数として決定した候補周波数を示すか、又は周波数割り当てを行わないことを示す。
【0058】
第1の実施形態で述べたのと同様に、周波数制御部3は、割り当て周波数の解放手順(つまり、無線局1による共用周波数の使用を停止する手順)を実行してもよい。
【0059】
また、運用管理装置(OAM)4は、無線局1に候補周波数を通知する際に、特定信号に関する制約条件(e.g. 送信する信号種別、送信電力設定)を無線局1に通知してもよい。また、用管理装置(OAM)4は、無線局1による第2の端末測定を行うべき時間、又は無線局1から特定信号を送信してもよいタイミング又は期間などを無線局1に通知してもよい。また、運用管理装置(OAM)4は、無線局1に候補周波数を通知する際に、ダウンリンク送信電力の上限値を通知してもよい。また、運用管理装置(OAM)4は、候補周波数の使用可能期限を示す絶対時刻又は相対時刻を無線局1に通知してもよい。これらは、候補周波数間で共通でもよいし、異なっていてもよい。
【0060】
<第4の実施形態>
本実施形態では、第1の実施形態で説明した周波数制御部3の配置、及び無線局1への共用周波数の割り当て手順の具体例について説明する。具体的には、本実施形態は、周波数制御部3が運用管理装置(OAM)4と一体的に配置される例を示す。なお、本実施形態に係る無線通信システム100を含む無線ネットワークの構成例は、
図7に示した第2の実施形態の構成例と概ね同様とすればよい。ただし、周波数制御部3は、無線局1ではなく運用管理装置(OAM)4に配置される。
【0061】
図10は、本実施形態に係る無線通信システム100における共用周波数の使用制御手順の具体例を示すシーケンス図である。
図10のステップS301、S302、S201、並びにS101〜S104における処理は、
図8に示した同一符号のステップ群における処理と同様とすればよい。
【0062】
図10のステップS503では、運用管理装置(OAM)4は、候補周波数通知に加えて、端末測定報告の指示を無線局1A及び1Bに送信する。なお、候補周波数通知と端末測定報告指示は、別々のメッセージであってもよい。また、端末測定報告指示は、明示的に送信されなくてもよい。例えば、候補周波数通知は、それに示された候補周波数における端末測定報告の指示をも意味することが予め規定されてもよい。
【0063】
ステップS504では、運用管理装置(OAM)4からの端末測定報告指示に応答して、無線局1は、運用管理装置(OAM)4に端末測定報告を送信する。ステップS505では、運用管理装置(OAM)4は、無線局1Aの割り当て周波数を決定する。言い換えると、運用管理装置(OAM)4は、無線局1について共用周波数を使用するか否か(又は、無線局1による共用周波数の使用を許可するか否か)を判定する。ステップS505の判定では、端末測定報告が考慮される。
【0064】
ステップS506では、運用管理装置(OAM)4は、無線局1に対して、決定した割り当て周波数を通知する。なお、いずれの候補周波数についても条件を満たさない場合、運用管理装置(OAM)4は、周波数割り当てを行わないことを無線局1に通知する。ステップS507では、運用管理装置(OAM)4は、候補周波数の情報を更新する。ただし、ステップS507は省略されてもよい。
【0065】
図10に示した手順は、一例に過ぎない。
図8に関して述べたのと同様に、例えば、運用管理装置(OAM)4による候補周波数情報の取得(S302)のタイミングは、適宜変更されてもよい。また、無線局1が周波数割り当て要求(S301)を送信することなく、運用管理装置(OAM)4が自発的に無線局1に候補周波数通知及び端末測定報告指示を送信してもよい。
【0066】
図11は、無線局1による共用周波数の使用制御に関する動作の一例を示すフローチャートである。
図11のステップS401、S402、並びにS404〜S406における処理は、
図9に示した同一符号のステップ群における処理と同様とすればよい。
【0067】
図11のステップS603は、
図10のステップS503に対応する。すなわち、ステップS603では、無線局1は、候補周波数通知および端末測定報告指示を受信したか否かを判定する。これらを受信した場合(ステップS603でYES)、無線局1は、特定信号を送信しながら候補周波数における端末測定を制御する(ステップS404〜S406)。
【0068】
図11のステップS607及びS608は、
図10のステップS504及びS505に対応する。すなわち、無線局1Aは、端末測定報告を運用管理装置(OAM)4に送信する(ステップS607)。そして、ステップS608では、無線局1は、割り当て周波数の通知を受信したか否かを判定する。割り当て周波数の通知を受信した場合(ステップS608でYES)、無線局1は、割り当て周波数を用いてセル11Aを設定し、無線端末2との通信を開始すればよい。
【0069】
図12は、運用管理装置(OAM)4による共用周波数の使用制御に関する動作の一例を示すフローチャートである。ステップS701は、
図10のステップS301に対応する。すなわち、運用管理装置(OAM)は、無線局1から周波数割り当て要求を受信したか否かを判定する(ステップS301)。ステップS702及びS703は、
図10のステップS503及びS504に対応する。すなわち、運用管理装置(OAM)4は、候補周波数通知および端末測定報告指示を送信する(ステップS702)。そして、運用管理装置(OAM)4は、端末測定報告を受信したか否かを判定する(ステップS703)。
【0070】
図12のステップS704〜S706は、
図10のステップS505〜S507に対応する。すなわち、ステップS704では、運用管理装置(OAM)4は、無線局1から受信した端末測定報告に基づいて、少なくとも1つの候補周波数の中から無線局1に対する “割り当て周波数”を決定する。ステップS705では、運用管理装置(OAM)4は、割り当て周波数通知を無線局1に送信する。そして、ステップS706では、運用管理装置(OAM)4は、無線局1に対する候補周波数の割り当てに応じて、候補周波数の情報を更新する。
【0071】
<第5の実施形態>
本実施形態では、上述した第1〜第4の実施形態に係る無線通信システム100がLTEシステムである場合について具体的に説明する。無線通信システム100がLTEシステムである場合、無線局1は“無線基地局(i.e. eNB)”に対応し、無線端末2は“UE”に対応する。そして、第1〜第4の実施形態で説明した端末測定プロシージャは、UE測定プロシージャ(UE measurement procedure)と呼ぶことができる。
【0072】
本実施形態では、端末測定報告は、例えば、以下の(1a)〜(1e)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
(1a)共用周波数におけるLTEシステム100の信号の受信電力(Reference Signal Received Power(RSRP))又は受信強度(Received Signal Strength Indicator(RSSI));
(1b)共用周波数における無線通信システム100の信号の受信品質(Reference Signal Received Quality(RSRQ));
(1c)共用周波数におけるLTEシステム100の通信路品質(Channel Quality Indicator(CQI)又はChannel State Information(CSI));
(1d)共用周波数に関する情報(e.g. 好ましい周波数、優先度);及び
(1e)共用周波数におけるプライマリシステムの信号の受信電力(Received Interference Power)又は受信強度力(Received Interference Signal Strength)。
【0073】
また、本実施形態では、eNB1は、UE2への端末測定報告指示を“RRC Connection Reconfiguration”によって送信してもよい。また、UE2は、eNB1への端末測定報告を“(UE) Measurement Report”として送信してもよい。
【0074】
図13は、本実施形態における端末測定プロシージャの具体例を示すシーケンス図である。
図13のステップS902では、eNB1は、“RRC Connection Reconfiguration”メッセージをUE2に送信する。ステップS903では、UE2は、“RRC Connection Reconfiguration”によって示される端末測定の設定情報(Measurement Configuration)に従って、共用周波数における測定を実行する。ステップS903では、UE2は、 共用周波数での測定結果を示す“(UE) Measurement Report”をeNB1に送信する。
【0075】
また、本実施形態では、共用周波数における第2の端末測定を行うための端末測定プロシージャは、例えば以下の(2a)〜(2e)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
(2a)異周波数間測定(Inter-frequency measurement)プロシージャ;
(2b)異無線アクセス技術間測定(Inter-RAT measurement)プロシージャ;
(2c)デュアルレシーバ構成を有するUE2の第2レシーバ(Second Receiver)を用いて、追加キャリアとして設定された共用周波数を測定するプロシージャ;
(2d)キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation(CA))のセカンダリセル(又はセカンダリキャリア)として設定された共用周波数を測定するプロシージャ;及び
(2e)MDT(Minimization of Drive Test)の端末測定プロシージャ。
【0076】
図14は、共用周波数における第2の端末測定のために異周波数間測定(Inter-frequency measurement)を用いるプロシージャ(2a)の概念図である。
図14は、共用周波数がTVWSである場合について示している。UE2は、サービングキャリア又はサービングセルであるライセンスバンドの測定を行う。さらに、UE2は、eNB1による異周波数間測定(Inter-frequency measurement)の指示に従ってTVバンドの測定を行う。
【0077】
異周波数間測定(Inter-frequency measurement)は、
図13に示したシーケンス図に従って行うことができる。具体的には、ステップS902における“RRC Connection Reconfiguration”メッセージは、Inter-frequency measurementの測定設定情報(Measurement Configuration(MeasConfig))を含む。さらに、この測定設定情報は、例えば、以下の3つのうち少なくとも1つを含む。
・測定項目(e.g. RSRP、RSRQ、RSSI、又はCQI);
・異周波数間測定の為の通信中断期間の設定情報(Measurement Gap Configuration(MeasGapConfig));及び
・報告に関する設定情報(Report Configuration(ReportConfig))。
【0078】
図15は、プロシージャ(2c)の概念図である。
図15も、共用周波数がTVWSである場合について示している。UE2は、サービングキャリア又はサービングセルであるライセンスバンドの測定を行う。さらに、UE2は、eNB1による指示に従って、第2レシーバを用いて追加キャリアとしてのTVバンドを受信し、TVバンドの測定を行う。
【0079】
プロシージャ(2c)に基づく共用周波数の測定も、
図13に示したシーケンス図に従って行うことができる。具体的には、ステップS902における“RRC Connection Reconfiguration”メッセージは、異周波数測定(Inter-frequency measurement)の測定設定情報(Measurement Configuration(MeasConfig))を含む。測定設定情報の具体例は、上述した通りである。ここでは、UE2はデュアルレシーバ構成を有すること(言い換えると第2レシーバを有すること)をeNB1に予め通知している。したがって、eNB1は、UE2が第2レシーバを用いて共用周波数における端末測定を行えることを認識している。ステップS903では、UE2は、Intra-frequency 又は Inter-frequency measurementとして共用周波数の測定を行う。なお、eNB1及びUE2は、Inter-RAT measurementとして共用周波数の測定を行ってもよい。
【0080】
図16は、キャリアアグリゲーション(CA)のセカンダリセル(又はセカンダリキャリア)として設定された共用周波数を測定するプロシージャ(2d)の概念図である。
図16も、共用周波数がTVWSである場合について示している。UE2は、キャリアアグリゲーション(CA)のプライマリセル(又はプライマリキャリア)であるライセンスバンドの測定を行う。さらに、UE2は、eNB1による指示に従って、TVバンドのセル(又はキャリア)をキャリアアグリゲーション(CA)のセカンダリセル(又はセカンダリキャリア)として設定し、特定信号を受信し、TVバンドにおける端末測定を行う。なお、共用周波数が複数の候補周波数を含む場合、eNB1は、1つずつ順にセカンダリセルに設定しても良いし、複数の候補周波数を同時に複数のセカンダリセルとして設定してもよい。
【0081】
キャリアアグリゲーション(CA)を用いた共用周波数の測定も、
図13に示したシーケンス図に従って行うことができる。具体的には、ステップS902における“RRC Connection Reconfiguration”メッセージは、キャリアアグリゲーション(CA)のセカンダリセル(又はセカンダリキャリア)の設定情報(Secondary Cell Configuration(SCellConfig))、及び測定設定情報(Measurement Configuration(MeasConfig))を含む。ステップS903では、UE2は、Intra-frequency 又は Inter-frequency measurementとして共用周波数の測定を行う。ここで、セカンダリセル設定情報(SCellConfig)は、例えば追加又は修正されるセカンダリセルのリスト(SCellToAddModList)を含む。セカンダリセル・リスト(SCellToAddModList)は、例えば、以下の3つのうち少なくとも1つを含む。
・セカンダリセルのインデックス(SCellIndex);
・周波数情報(Absolute Radio Frequency Channel Number(ARFCN));及び
・無線リソース設定(Radio Resource Config)。
【0082】
なお、共用周波数における第2の端末測定のために異無線アクセス技術間測定(Inter-RAT measurement)を用いるプロシージャ(2b)も、
図13に示したシーケンス図に従って行うことができる。具体的には、ステップS902における“RRC Connection Reconfiguration”メッセージは、Inter-RAT measurementの測定設定情報(Measurement Configuration(MeasConfig))を含む。Inter-RAT measurementの測定設定情報の具体例は、上述したInter-frequency measurementのそれと同様である。
【0083】
また、本実施形態では、eNB1は、第2の実施形態で説明した特定信号を送信してもよい。共用周波数においてeNB1から送信される特定信号は、データチャネル信号を含まずに、パイロット信号、参照信号、及び同期信号のうち少なくとも1つを含んでもよい。例えば、特定信号は、以下の(3a)〜(3c)のうち少なくとも1つのみを含んでもよい。
(3a)セル内共通の参照信号(Common Reference Signal(CRS));
(3b)CSI算出用の参照信号(CSI Reference Signal(CSI-RS);及び
(3c)同期信号(Synchronization Signal)。
さらに、特定信号は、(3d)セル内共通のシステム制御情報(Master Information Block(MIB)又はSystem Information Block(SIB))を含んでもよい。
【0084】
また、特定信号の送信電力に対して制約が課されてもよい。例えば、特定信号は、LTEシステム100のライセンスバンド(Licensed Band)におけるダウンリンク信号に比べて低い送信電力で送信されてもよい。また、特定信号は、共用周波数の管理システム(e.g. GDB、SM)によって課された上限値以下の送信電力で送信されてもよい。
【0085】
<第6の実施形態>
本実施形態では、上述した第3の実施形態に係る無線通信システム100がLTEシステムであり、共用周波数がTVWSである場合について具体的に説明する。つまり、本実施形態は、周波数制御部3が無線局(i.e. eNB)1と一体的に配置される例を示す。
【0086】
図17は、本実施形態に係る無線通信システム(i.e. LTEシステム)100を含む無線ネットワークの構成例を示している。
図17の例は、2つのLTEシステム100A及び100Bを含む。LTEシステム100Aは、2つのeNB1A及び1Bを含む。eNB1Aは、セル11Aを運用し、セル11Aに帰属するUE2Aと通信する。eNB1Bは、セル11Bを運用し、セル11Bに帰属するUE2Bと通信する。運用管理装置(OAM)4Aは、LTEシステム100Aに含まれる複数の無線局1(eNB1A及び1Bを含む)を管理する。
【0087】
同様に、LTEシステム100Bは、2つのeNB1C及び1Dを含む。eNB1Cは、セル11Cを運用し、セル11Cに帰属するUE2Cと通信する。同様に、eNB1Dは、セル11Dを運用し、セル11Dに帰属するUE2Dと通信する。運用管理装置(OAM)4Bは、LTEシステム100Bに含まれる複数の無線局1(eNB1C及び1Dを含む)を管理する。
【0088】
運用管理装置(OAM)4A及び4Bは、周波数管理装置(SM)5と通信し、共用周波数情報を周波数管理装置(SM)5から受信する。共用周波数情報は、使用可能な共用周波数(i.e. 少なくとも1つの候補周波数)を示す。運用管理装置(OAM)4A及び4Bは、周波数管理装置(SM)5を介さずにGeo-location Database(GDB)6から直接的に共用周波数情報を受信してもよい。GDB6は、TV放送システム200にライセンスされた周波数帯域(i.e. TV band)の使用状況を管理し、二次利用可能な周波数帯域(e.g. TVWS)の情報を提供する。
【0089】
図18は、本実施形態に係るLTEシステム100Aにおける共用周波数の使用制御手順の具体例を示すシーケンス図である。
図18は、eNB1Aについて示しているが、eNB1Bの動作もeNB1Aと同様である。また、LTEシステム100Bも、
図18に示すLTEシステム100Aと同様の手順を実行すればよい。
【0090】
図18のステップS101〜S104、S201、S301、並びにS303〜S306における処理は、
図8に示した同一符号のステップ群における処理と同様とすればよい。
図18のステップS801及びS802は、
図8に示した“候補周波数情報の取得(ステップS302)”の具体例である。つまり、ステップS801では、運用管理装置(OAM)4Aは、候補周波数情報の要求をGDB6に送信する。ステップS802では、運用管理装置(OAM)4Aは、候補周波数情報の通知をGDB6から受信する。候補周波数情報は、少なくとも1つの候補周波数を示す。
【0091】
図18のステップS803及びS804は、割り当て周波数(i.e. TVWS)を用いた通信を開始するための処理を示している。ステップS803では、eNB1Aは、割り当て周波数の設定情報をUE2Aに送信する。ステップS804では、eNB1Aは、割り当て周波数においてUE2Aと通信する。
【0092】
図18に示した手順は、一例に過ぎない。
図8に関して述べたのと同様に、運用管理装置(OAM)4Aによる候補周波数情報の取得(S801及びS802)のタイミングは、適宜変更されてもよい。また、eNB1が周波数割り当て要求(S301)を送信することなく、運用管理装置(OAM)4が自発的にeNB1に候補周波数を通知してもよい。
【0093】
<第7の実施形態>
本実施形態では、上述した第4の実施形態に係る無線通信システム100がLTEシステムであり、共用周波数がTVWSである場合について具体的に説明する。つまり、本実施形態は、周波数制御部3が運用管理装置(OAM)4と一体的に配置される例を示す。なお、本実施形態に係るLTEシステム100を含む無線ネットワークの構成例は、
図17に示した第6の実施形態の構成例と概ね同様とすればよい。ただし、周波数制御部3は、無線局(i.e. eNB)1ではなく運用管理装置(OAM)4に配置される。
【0094】
図19は、本実施形態に係るLTEシステム100A及び100Bにおける共用周波数の使用制御手順の具体例を示すシーケンス図である。
図19は、eNB1Aについて示しているが、eNB1Bの動作もeNB1Aと同様である。また、LTEシステム100Bも、
図19に示すLTEシステム100Aと同様の手順を実行すればよい。なお、
図19に示されたステップ群における処理は、
図10又は
図18に示された同一符号のステップ群における処理と同様とすればよい。したがって、ここでは、
図19の各ステップに関する詳細な説明を省略する。
【0095】
図19に示した手順は、一例に過ぎない。
図10に関して述べたのと同様に、例えば、運用管理装置(OAM)4による候補周波数情報の取得(S302)のタイミングは、適宜変更されてもよい。また、eNB1が周波数割り当て要求(S301)を送信することなく、運用管理装置(OAM)4が自発的にeNB1に候補周波数通知及び端末測定報告指示を送信してもよい。
【0096】
<第8の実施形態>
上述した第7の実施形態は、以下に述べるように変形されてもよい。第7の実施形態では、各オペレータの運用管理装置(OAM)4A及び4Bが候補周波数(i.e. TVWS)の中から割り当て周波数を決定する例を示した。しかしながら、複数のオペレータ・ネットワークの周波数割り当て(i.e. 周波数管理)を周波数管理装置(SM)5が集中的に行なってもよい。
【0097】
図20は、本実施形態に係るLTEシステム100A及び100Bにおける共用周波数の使用制御手順の具体例を示すシーケンス図である。
図21は、eNB1A及び1Cについて示しているが、eNB1B及び1Dの動作もeNB1A及び1Cと同様である。
図20と
図19の比較から明らかであるように、
図20はステップS901を含む。ステップS901では、周波数管理装置(SM)5は、二次利用可能なTVWSの情報、つまり、候補周波数の情報、をGDB6から受信する。
【0098】
また、
図20は、
図19示されたステップS801及びS802に代えて、ステップS902及びS903を含む。ステップS902では、運用管理装置(OAM)4A及び4Bは、周波数割り当て要求(S301)をeNB1A及び1Cから受信したことに応じて、周波数割り当て要求を周波数管理装置(SM)5に送信する。運用管理装置(OAM)4A及び4Bは、eNB1A及び1Cからの周波数割り当て要求メッセージを周波数管理装置(SM)5に転送してもよい。ステップS903では、運用管理装置(OAM)4A及び4Bは、周波数管理装置(SM)5から候補周波数情報の通知を受信する。
【0099】
さらに、
図20は、
図19示されたステップS505に代えて、ステップS904〜S906を含む。ステップS904では、運用管理装置(OAM)4A及び4Bは、端末測定報告を周波数管理装置(SM)5に送信する。ステップS905では、周波数管理装置(SM)5は、端末測定報告に基づいて、eNB1A及び1Cの各々の割り当て周波数を決定する。ステップS906では、周波数管理装置(SM)5は、eNB1A及び1Cの割り当て周波数を示す通知を管理装置(OAM)4A及び4Bにそれぞれ送信する。
【0100】
さらにまた、
図20は、
図19示されたステップS507に代えてステップS907を含む。ステップS907では、周波数管理装置(SM)5は、eNB1A及び1Cの各々への候補周波数の割り当て結果を反映するために、候補周波数の情報を更新する。
【0101】
図20に示した手順は、一例に過ぎない。例えば、周波数管理装置(SM)5によるGDB6からの候補周波数情報の取得(S901)のタイミングは、適宜変更されてもよい。また、eNB1が周波数割り当て要求(S301)を送信することなく、運用管理装置(OAM)4A及び4Bが自発的に周波数管理装置(SM)5に候補周波数を要求してもよい。
【0102】
本実施形態で述べたように、周波数管理装置(SM)5のようなネットワークノード(又は装置)が、複数のオペレータ・ネットワーク(又は複数のオペレータ・システム)に対する周波数割り当てを行うことで、オペレータ間の公平性を保つことができ、最適なオペレータ・ネットワーク(又はオペレータ・システム)を共用周波数の割当先として選択することができる。
【0103】
なお、LTEシステムを想定した第7及び第8の実施形態において、TVWSをLTEシステムで利用する場合を例に用いた。しかしながら、第7及び第8の実施形態は、TV放送システム200のようなプライマリシステムが存在せず、複数のシステムが周波数を共用する場合にも適用できることは言うまでもない。また、複数のシステムとは、複数のLTEシステムであってもよいし、LTEシステムと別のシステムであっても良い。
【0104】
<その他の実施形態>
第1〜第8の実施形態で説明した測定制御部10、測定部20、及び周波数制御部3(又は3A〜3D)により行われる処理は、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)を含む半導体処理装置を用いて実現されてもよい。また、これらの処理は、少なくとも1つのプロセッサ(e.g. マイクロプロセッサ、MPU、Digital Signal Processor(DSP))を含むコンピュータシステムにプログラムを実行させることによって実現してもよい。具体的には、第1〜第8の実施形態で示された測定制御部10、測定部20、又は周波数制御部3に関するアルゴリズムをコンピュータシステムに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータに供給すればよい。
【0105】
このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD−ROM)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0106】
<参考の実施形態>
以下では、参考の実施形態(参考形態)について説明する。以下に述べる参考形態から把握される技術思想は、上述した第1〜第8の実施形態から把握される技術思想とは異なる課題の解決に寄与し、第1〜第8の実施形態から把握される技術思想とは独立に実施可能である。
【0107】
第2〜第8の実施形態では、無線局1について共用周波数を使用するか否か(又は、無線局1による共用周波数の使用を許可するか否か)を決定することを目的として、無線局1から共用周波数(又は候補周波数)における特定信号を送信しながら、無線端末2が共用周波数を測定する処理について説明した。当該処理は、第2の実施形態で述べたように、単なるセンシングに比べて、無線端末2が無線局1からの共用周波数信号(i.e. 特定信号)を十分な品質で受信できること、言い換えると無線通信システム100が共用周波数を効果的に利用できること、を保証できるとの効果を奏する。
【0108】
なお、当該効果を得るためには、無線通信システム100に適用される無線アクセス技術(e.g. LTE、UMTS、CDMA2000、GSM、WiMAX)により規定(又は定義)される第1の端末測定を実行するための端末測定プロシージャを利用して共用周波数における第2の端末測定を実行することを必須としない。言い換えると、第2〜第8の実施形態で説明された“無線局1から共用周波数における特定信号を送信しながら、無線端末2が共用周波数における第2の端末測定を行う処理”は、第1及び第2の端末測定が異なる端末測定プロシージャを用いる場合にも上述した効果を奏する。
【0109】
“無線局1から共用周波数における特定信号を送信しながら、無線端末2が共用周波数における第2の端末測定を行う処理”を含む参考形態は、例えば、以下の付記のように記載することができる。
【0110】
(付記1)
無線局及び前記無線局と通信する少なくとも1つの無線端末を備える無線通信システムであって、
前記少なくとも1つの無線端末は、前記無線通信システムにライセンスされた第1の周波数における第1の端末測定を実行するとともに、前記無線通信システムを含む複数の無線システムで共用される第2の周波数における第2の端末測定を実行するよう動作し、
前記無線局は、前記第2の端末測定が行われる際に、前記共用周波数において特定信号を送信するよう動作する、
無線通信システム。
(付記2)
前記特定信号は、ユーザーデータを送信するためのデータチャネル信号を含まない、付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)
前記特定信号は、パイロット信号、参照信号、及び同期信号のうち少なくとも1つを含む、付記2に記載の無線通信システム。
(付記4)
前記特定信号は、前記無線通信システムにライセンスされた周波数におけるダウンリンク信号に比べて低い送信電力で前記無線局から送信される、付記1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記5)
前記特定信号は、前記共用周波数の管理システムによって課された上限値以下の送信電力で前記無線局から送信される、付記1〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記6)
前記特定信号は、前記無線局と前記少なくとも1つの無線端末の間の通信における前記共用周波数の使用可否を決定するために送信される、付記1〜5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記7)
前記特定信号は、前記無線局と前記少なくとも1つの無線端末の間の通信における前記共用周波数の使用可否を決定するための仮運用期間、準備期間、及びテスト期間の少なくとも1つにおいて送信される、付記1〜6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記8)
前記第2の端末測定の結果に基づいて、前記無線局と前記少なくとも1つの無線端末の間の通信における前記共用周波数の使用を制御するよう動作する制御部をさらに備える、付記1〜7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【0111】
さらに、上述した実施形態及び参考形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態及び参考形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0112】
この出願は、2012年4月27日に出願された日本出願特願2012−102336を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。