(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6399314
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月3日
(54)【発明の名称】光走査装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20180920BHJP
B41J 2/47 20060101ALI20180920BHJP
H04N 1/113 20060101ALI20180920BHJP
G02B 7/00 20060101ALI20180920BHJP
【FI】
G02B26/10 F
B41J2/47 101D
H04N1/113
G02B7/00 F
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-192728(P2015-192728)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-67987(P2017-67987A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2017年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 隆
(72)【発明者】
【氏名】戸所 竜太郎
【審査官】
右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−176051(JP,A)
【文献】
特開2011−164221(JP,A)
【文献】
特開平11−174362(JP,A)
【文献】
特開2004−111507(JP,A)
【文献】
特開2003−172896(JP,A)
【文献】
特開2014−138046(JP,A)
【文献】
特開平09−015520(JP,A)
【文献】
特開2012−027395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10 − 26/12
B41J 2/47
H04N 1/113
G02B 7/00
G02B 7/18 − 7/24
H01S 5/00 − 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に光を出射する光源と 、
上記光源を保持する保持孔を有する光源保持部と、
上記光源の外周面に圧入されて固定される筒状部材と、
上記光源の筒状部材の外周面と上記保持孔の内周面との間に設けられ、該光軸方向から見て径方向に圧縮され且つ接着剤が染み込んだ弾性変形部材とを備え、
上記光源は、上記接着剤が硬化されていることにより、上記筒状部材を介して上記光源保持部に対して固定され、
上記光源における光軸方向の光出射側とは反対側の面からは端子が突出しており、
上記筒状部材は、径方向外側から見て上記光源保持部よりも光軸方向の光出射側とは反対側に突出している、光走査装置。
【請求項2】
請求項1記載の光走査装置において、
上記筒状部材のうち上記光源保持部の上記光出射側とは反対側に突出する部分は、上記光源の位置調整用治具により把持可能に構成されている、光走査装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光走査装置において、
上記筒状部材は、上記光源から突出する上記端子全体を囲むように形成されている、光走査装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光走査装置において、
上記保持孔は、上記筒状部材の外径よりも大径の円筒状孔からなり、
上記弾性変形部材は、内周面が上記筒状部材の外周面に当接し且つ外周面が上記保持孔の内周面に当接する円筒状をなしている、光走査装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光走査装置において、
上記保持孔の内周面には全周に亘って、複数の凹部が周方向に並んで形成されている、光走査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光走査装置において、
上記筒状部材の外周面には全周に亘って、複数の凹部が周方向に並んで形成されている、光走査装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光走査装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置に搭載される光走査装置は、光源と光源を保持する光源保持部とを備えている。この光源は例えばレーザーダイオードにより構成されている。光源から出射された光は、コリメータレンズ及びシリンドリカルレンズを通過した後、ポリゴンミラーに入射する。ポリゴンミラーは、レーザーダイオードからの入射光を走査光に変換して感光体ドラムの表面に入射させる。
【0003】
光源保持部に対する光源の固定する方法として種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この保持部は、略円筒状の保持孔を有しており、光源はこの保持孔に対して同軸に収容されている。光源の直径は保持孔の直径よりも小さく、光源の外周面と保持孔の内周面との間には、紫外線硬化樹脂(接着剤)が周方向に間隔を空けてスポット状に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−281852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に示す従来の光走査装置では、光源の位置調整を三次元的に(光軸方向のみでなく径方向においても)行うことができる。しかし、接着剤を光軸周りに複数箇所にスポット状に配置するようにしているので、接着剤と光源とが点接触する。このため、接着剤による光源の固定強度を十分に確保することができないという問題がある。また接着剤を使用すると、接着剤の液だれ等に起因して、接着剤硬化後における光源の固定位置がばらつくという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光源の位置調整を三次元的に行うことができ、且つ接着剤の液だれを生じさせることなく光源の固定強度を十分に確保することができる光走査装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る光走査装置は、光軸方向に光を出射する光源と、上記光源を保持する保持孔を有する光源保持部と、
上記光源の外周面に圧入されて固定される筒状部材と、上記光源の
筒状部材の外周面と上記保持孔の内周面との間に設けられ、該光軸方向から見て径方向に圧縮され且つ接着剤が染み込んだ弾性変形部材とを備え、上記光源は、上記接着剤が硬化されていることにより、
上記筒状部材を介して上記光源保持部に対して固定され
、上記光源における光軸方向の光出射側とは反対側の面からは端子が突出しており、をさらに備え、上記筒状部材は、径方向外側から見て上記光源保持部よりも光軸方向の光出射側とは反対側に突出している。
【0008】
本発明に係る画像形成装置は上記光走査装置を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光源の位置調整を三次元的に行うことができ、且つ接着剤の液だれを生じさせることなく光源の固定強度を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態における光走査装置を備えた画像形成装置を示す概略構成図である。
【
図3】
図3は、光源を保持した光源保持部を光軸方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
《実施形態1》
図1は、本実施形態における画像形成装置としてのレーザープリンター1の概略構成を示す断面図である。
【0013】
レーザープリンター1は、
図1に示すように、箱状のプリンター本体2と、手差し給紙部6と、カセット給紙部7と、画像形成部8と、定着部9と、排紙部10とを備えている。そうして、レーザープリンター1は、プリンター本体2内の搬送路Lに沿って用紙を搬送しながら、不図示の端末等から送信される画像データに基づいて用紙に画像を形成するように構成されている。
【0014】
手差し給紙部6は、プリンター本体2の1つの側部に開閉可能に設けられた手差しトレイ4と、プリンター本体2の内部に回転可能に設けられた手差し用の給紙ローラー5とを有している。
【0015】
カセット給紙部7は、プリンター本体2の底部に設けられている。カセット給紙部7は、互いに重ねられた複数の用紙を収容する給紙カセット11と、給紙カセット11内の用紙を1枚ずつ取り出すピックローラ12と、取り出された用紙を1枚ずつ分離して搬送路Lへと送り出すフィードローラ13及びリタードローラ14とを備えている。
【0016】
画像形成部8は、プリンター本体2内におけるカセット給紙部7の上方に設けられている。画像形成部8は、プリンター本体2内に回転可能に設けられた像担持体である感光ドラム16と、感光ドラム16の周囲に配置された帯電器17と、現像部18と、転写ローラー19及びクリーニング部20と、感光ドラム16の上方に配置された光走査装置30と、トナーホッパー21とを備えている。そうして、画像形成部8は、手差し給紙部6又はカセット給紙部7から供給された用紙に画像を形成するようになっている。
【0017】
尚、搬送路Lには、送り出された用紙を、一時的に待機させた後に所定のタイミングで画像形成部8に供給する一対のレジストローラ15が設けられている。
【0018】
定着部9は、画像形成部8の側方に配置されている。定着部9は、互いに圧接されて回転する定着ローラー22及び加圧ローラー23を備えている。そうして、定着部9は、画像形成部8で用紙に転写されたトナー像を当該用紙に定着させるように構成されている。
【0019】
排紙部10は、定着部9の上方に設けられている。排紙部10は、排紙トレイ3と、排紙トレイ3へ用紙を搬送するための排紙ローラー対24と、排紙ローラー対24へ用紙を案内する複数の搬送ガイドリブ25とを備えている。排紙トレイ3は、プリンター本体2の上部に凹状に形成されている。
【0020】
レーザープリンター1が画像データを受信すると、画像形成部8において、感光ドラム16が回転駆動されると共に、帯電器17が感光ドラム16の表面を帯電させる。
【0021】
そして、画像データに基づいて、レーザー光が光走査装置30から感光ドラム16へ出射される。感光ドラム16の表面には、レーザー光が照射されることによって静電潜像が形成される。感光ドラム16上に形成された静電潜像は、現像部18にて帯電したトナーにより現像されてトナー像として可視化される。
【0022】
その後、用紙は、転写ローラー19と感光ドラム16との間を通過する。その際、転写ローラー19に印加された転写バイアスにより感光体ドラム16上のトナー像が用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、定着部9において定着ローラー22と加圧ローラー23とにより加熱及び加圧される。その結果、トナー像が用紙に定着する。
【0023】
図2に示すように、光走査装置30は、筐体31と、筐体31の内部に収容されて光源32からの光を反射するポリゴンミラー35と、筐体31の内部においてポリゴンミラー35により反射された光の光路に設けられた結像レンズ36と、筐体31に装着された蓋部材37(
図1にのみ示す)とを備えている。
【0024】
ポリゴンミラー35は、ポリゴンモータ40を介して筐体31の底部に設けられている。ポリゴンミラー35は、回転多面鏡であってポリゴンモータ40により回転駆動される。
【0025】
光源32は、レーザダイオード(図示省略)を有するレーザー光源である。具体的には、光源32は、レーザーダイオードを内部に収容する光源本体32a(
図3及び
図4参照)を有している。光源本体32aは、大径筒部32bと大径筒部32bの軸方向の一側面から突出する小径筒部32cとを有している。レーザーダイオードから出射されたレーザー光は、小径筒部32cの軸方向の一側面から外部に出射される。大径筒部32bの軸方向の他側面(つまり光源32の光軸方向の光出射側とは反対側の面)からは3つの端子32dが突出している。レーザーダイオードは、この3つの端子32dを介して不図示の駆動基板に接続されている。駆動基板には、レーザーダイオードを駆動するための駆動回路等が設けられている。光源32とポリゴンミラー35との間には、コリメータレンズ41(
図2参照)及びシリンドリカルレンズ42が光軸方向に並んで配置されている。
【0026】
結像レンズ36は、
図2に示すように、ポリゴンミラー35の側方において筐体31の底部に設置されている。また、結像レンズ36は、筐体31の底に沿って長尺状に延びている。また、筐体31の内部には、結像レンズ36に対してポリゴンミラー35側と反対側に、反射ミラー38が配置されている。反射ミラー38は、結像レンズ36に沿って長尺状に延びている。
【0027】
光源32から出射したレーザー光は、コリメータレンズ41によって平行光束とされた後にシリンドリカルレンズ42によってポリゴンミラー35の反射面に集光される。ポリゴンミラー35に集光された光は、ポリゴンミラー35の反射面により反射され、走査光として結像レンズ36に入射する。結像レンズ36を通過した走査光は、反射ミラー38により開口部39(
図1参照)を介して筐体31の外部の感光ドラム16へ向けて反射され、感光ドラム16の表面に結像される。感光ドラム16の表面に結像された走査光は、ポリゴンミラー35の回転によって感光ドラム16の表面を主走査方向に走査するとともに、感光ドラム16の回転によって副走査方向に走査する。この結果、感光ドラム16の表面における走査光の照射領域に静電潜像が形成される。
【0028】
次に、
図3及び
図4を参照しながら筐体31に対する光源32の保持構造について説明する。光源32は、筐体31の底壁部に光源保持部50を介して保持されている。光源保持部50は、光軸方向に厚さを有する直方体状の樹脂材料からなる。光源保持部50は、筐体31に対して一体成形されている。尚、光源保持部50は、筐体31とは別体で構成されていてもよい。
【0029】
光源保持部50の高さ方向の中央部で且つ幅方向の中央部には円筒状の保持孔51が形成されている。保持孔51は、光源保持部50を光軸方向に貫通している。保持孔51内には、光源本体32aの大径筒部32bが挿通されて保持されている。保持孔51の内径は光源本体32aの大径筒部32bの外径よりも大きい。保持孔51の内周面と大径筒部32bの外周面との間には、円筒状の弾性変形部材52が径方向に圧縮された状態で挿入されている。弾性変形部材52の圧縮変形前の外径寸法は保持孔51の内周面よりも大きく、弾性変形部材52の圧縮変形前の内径寸法は光源本体32aの大径筒部32bの外径よりも小さい。弾性変形部材52には予め接着剤が染み込ましてあり、この接着剤が硬化することで光源本体32aが光軸方向及び径方向に移動不能に固定される。弾性変形部材52は、径方向に弾性変形可能で且つ接着剤が染み込み可能な部材であれば如何なる部材であってもよい。本実施形態では、弾性変形部材52としてスポンジを使用するようにしている。スポンジは、多数の気泡を有しているので接着剤の保持性に優れていて好ましい。接着剤は硬化時期を制御できることが好ましく、本実施形態では、紫外線硬化樹脂を使用するようにしている。尚、接着剤は、紫外線硬化樹脂に限ったものではなく、例えば熱硬化性樹脂であってもよい。
【0030】
光源32を光源保持部50に組み付ける際には、先ず、弾性変形部材52全体(弾性変形部材52の外周面及び内周面並びに弾性変形部材52の内部全体)に接着剤を染み込ませる。次いで、接着剤を染み込ませた弾性変形部材52を光源保持部50の保持孔51に挿入し、その後、弾性変形部材52の径方向内側に光源本体32aの大径筒部32bを挿入する。そして、光源本体32aの光軸方向の位置及び径方向位置(光軸に垂直な面内の位置)を調整し、この調整が完了した後に弾性変形部材52に向けて紫外線を照射する。これにより、弾性変形部材52に染み込んでいた接着剤(本実施形態では紫外線硬化樹脂)が硬化して、光源本体32aが光源保持部50に対して固定される。そうして、光源保持部50に対する光源32の組み付け作業が完了する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態では、光源32の外周面(光源本体32aの大径筒部32bの外周面)と上記保持孔51の内周面との間に、接着剤が染み込んだ弾性変形部材52を設けて、この接着剤を硬化させることで光源32を光源保持部50に固定するようにした。
【0032】
これによれば、接着剤を保持孔51の内周面に直接塗布するのではなく弾性変形部材52に染み込ませるようにしたので、接着剤の液だれを防止することができる。延いては、接着剤の液だれに起因して、光源32の固定位置がばらつくのを防止することができる。また、光源32の外周面と保持孔51の内周面とを弾性変形部材52を介して面接触させることができるので、光源32の外周面と保持孔51の内周面との間に接着剤をスポット状に配置する場合に比べて、光源32の固定強度を高めることができる。また、光源32の径方向の位置調整に際して、光源32を弾性変形部材52の弾性力に抗しながら少しずつ動かすことができる。よって、光源32の径方向の位置調整を精度良く行うことができる。
【0033】
また、本実施形態では、弾性変形部材52は、内周面が光源32の外周面に当接し且つ外周面が保持孔51の内周面に当接する円筒状をなしている。これによれば、光源32の外周面を全周に亘って弾性変形部材52で抱持して保持孔51の内周面に固定することができる。よって、光源32の固定強度を可及的に高めることができる。
【0034】
《変形例》
図5は、上記実施形態1の変形例を示している。この変形例は、保持孔51の内周面の形状が実施形態1とは異なっている。尚、以下の説明において、実施形態1と同じ構成部分には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0035】
本変形例において、保持孔51の内周面には全周に亘って、複数の凹部51aが形成されている。複数の凹部51aは、保持孔51の軸方向から見て径方向外側ほど周方向の幅が広くなる台形状をなしている。弾性変形部材52は、各凹部51aのそれぞれに入り込んで各凹部51aの壁面に密着している。したがって、保持孔51の内周面に凹部51aを形成しない場合に比べて、弾性変形部材52と保持孔51の内周面との接触面積を増加させることができる。これにより、弾性変形部材52と保持孔51の内周面との接着力を増加させて、弾性変形部材52を介した光源32の固定力をより一層高めることができる。
【0036】
《実施形態2》
図6及び
図7は実施形態2を示している。この実施形態では、光源32(本実施形態では光源本体32aの大径筒部32b)の外周面に圧入固定される筒状部材53をさらに備えている点で上記実施形態1とは異なる。
【0037】
筒状部材53は、本実施形態では円筒状の樹脂材からなる。筒状部材53の軸方向の一側端面(光軸方向の光出射側の端面)は、光源保持部50の軸方向の一側端面と同じ面内に位置している。筒状部材53の軸方向の他側端面(光軸方向の光出射側とは反対側の端面)は、光源保持部50の軸方向の他側端面よりも他側に位置している。すなわち、筒状部材53は、径方向外側から見て、光源保持部50よりも軸方向の他側(光軸方向の光出射側とは反対側に突出している。この突出部分は、3つの端子32dを保護する保護部として機能するとともに、光源32の位置調整を行う際にユーザーが専用治具で把持するための把持部として機能する。したがって、端子32dを保護しつつ光源32の三次元の位置調整作業を容易に行うことができる。
【0038】
《変形例》
図8は、上記実施形態2の変形例を示している。この変形例は、筒状部材53の外周面の形状が上記実施形態2とは異なる。
【0039】
すなわち、本変形例において、筒状部材53の外周面には全周に亘って、周方向に並ぶ複数の凹部53aが形成されている。複数の凹部53aは、筒状部材53の軸方向から見て径方向内側ほど周方向の幅が狭くなる逆三角形状をなしている。弾性変形部材52は、各凹部53aのそれぞれに入り込んで各凹部53aの壁面に密着している。したがって、筒状部材53の外周面に凹部53aを形成しない場合に比べて、弾性変形部材52と筒状部材53の外周面との接触面積を増加させることができる。これにより、弾性変形部材52と筒状部材53のとの接着力を増加させ、延いては、弾性変形部材52を介した光源32の固定力をより一層高めることができる。
【0040】
《他の実施形態》
上記実施形態では、コリメータレンズ41とシリンドリカルレンズ42とが別体である例について説明したが、コリメータレンズ41の機能とシリンドリカルレンズ42の機能とを併せもった一つのレンズを使用するようにしてもよい。この場合、コリメータレンズ41及びシリンドリカルレンズ42が別体である場合に比べて、光源32の径方向(光軸に垂直な面内)の位置調整を精度良く行う必要があり、本発明はかかる構成に対して特に有用である。
【0041】
上記実施形態では、光走査装置30が搭載される画像形成装置の一例としてレーザープリンターを挙げて説明を行ったが、これに限ったものではなく、画像形成装置は、複写機、複合機、又はファクシミリ等であってもよい。
【0042】
また、本発明は各実施形態及び変形例に限定されるものでなく、本発明には、これらの実施形態及び変形例を適宜組み合わせた構成が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、本発明は、光走査装置及び該光走査装置を備えた画像形成装置について有用である。
【符号の説明】
【0044】
1 レーザープリンター(画像形成装置)
30 光走査装置
32 光源
33 光源本体
34 端子
50 光源保持部材
51 保持孔
51a 凹部
52 弾性変形部材
53 筒状部材
53a 凹部