(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
膜分離段階として、少なくとも供給物流分離段階(1)と、残留物分離段階(2)と、透過物分離段階(3)とを有し、並びに前記供給物流分離段階(1)の供給物側に配置された少なくとも1つのコンプレッサ(4)及び/又は供給物流分離段階(1)の後方に配置された少なくとも1つの真空ポンプを有するガス分離装置であって、
前記供給流分離段階(1)は、少なくとも2種の成分からなる供給ガス流(5)を、第1の透過物流(6)と第1の残留物流(7)とに分離し、
前記残留物分離段階(2)は、第1の残留物流(7)を、第2の透過物流(9a+9b)と第2の残留物流(8)とに分離し、(9a)は、透過物制御装置(18)の前方でかつ残留物分離段階(2)の後方の部分流を表し、(9b)は、前記透過物制御装置(18)の後方の部分流を表し、かつ前記部分流(9b)は前記供給ガス流(5)に供給され、第2の残留物流(8)は生成物として取り出され、
前記透過物分離段階(3)は、第1の透過物流(6)を、第3の残留物流(10a+10b)と第3の透過物流(11)とに分離し、(10a)は、残留物制御装置(19)の前方でかつ前記透過物分離段階(3)の後方の部分流を表し、(10b)は、前記残留物制御装置(19)の後方の部分流を表し、かつ前記部分流(10b)は前記供給ガス流(5)に供給され、第3の透過物流(11)は生成物として取り出されるか又は廃棄され、前記コンプレッサ(4)に粗製ガス流(17)と前記部分流(9b)と前記部分流(10b)とが供給される、又は前記供給ガス流(5)に粗製ガス流(17)と前記部分流(9b)と前記部分流(10b)とが供給される、ガス分離装置において、
− 第2の透過物流(9a+9b)は、残留物分離段階(2)の透過物圧力を増大又は低減でき、かつ第1の残留物流(7)中の1つ又は複数の、前記第1の残留物流(7)の組成又は体積流量又は圧力の測定装置(20a)及び/又は第2の残留物流(8)中の1つ又は複数の、前記第2の残留物流(8)の組成の測定装置(20b)の測定値に基づいて制御される少なくとも1つの透過物制御装置(18)を有し、
及び/又は
− 第3の残留物流(10a+10b)は、透過物分離段階(3)の残留物圧力を増大又は低減でき、かつ第1の透過物流(6)中の1つ又は複数の、前記第1の透過物流(6)の組成又は体積流量又は圧力の測定装置(21a)及び/又は第3の透過物流(11)中の1つ又は複数の、前記第3の透過物流(11)の組成の測定装置(21b)の測定値に基づいて制御される少なくとも1つの残留物制御装置(19)を有する
ことを特徴とする、ガス分離装置。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】測定装置並びに制御装置を備えた本発明による接続を例示的に示す図。
【
図2】第1の残留物流の体積流量に依存する残留物分離段階の必要な透過物圧力を示す図。
【
図3】第1の透過物流の体積流量に依存する透過物分離段階の必要な残留物圧力を示す図。
【
図4】残留物分離段階の供給ガス量に対する、残留物分離段階の透過物圧力の依存性を示す図。
【
図5】透過物分離段階の供給ガス量に対する、透過物分離段階の残留物圧力の依存性を示す図。
【
図6】透過物分離段階の残留物圧力に対する、オフガス中のメタン濃度の依存性を示す図。
【
図7】透過物分離段階の透過物中のメタンガス含有量に対する、リサイクル率の依存性を示す図。
【
図8】残留物分離段階の透過物圧力に対する、生成物ガス中のメタン濃度の依存性を示す図。
【0015】
本発明による方法及び本発明による装置は、少なくとも供給物流分離段階(1)、残留物分離段階(2)及び透過物分離段階(3)を有する膜接続であり、この場合、残留物分離段階(2)の第2の透過物流(9a+9b)と透過物分離段階(3)の第3の透過物流(10a+10b)とを返送しかつ粗製ガス流と混合することを特徴とする。この2つの流(9a)及び(10a)の流量の制御、ひいては残留物分離段階(2)の透過物圧力及び/又は透過物分離段階(3)の残留物圧力の制御によって、意外にも上記の課題を解決することに成功した。
【0016】
本発明者は、残留物分離段階(2)及び透過物分離段階(3)の生成物流の純度及び収率を、互いに無関係に調節することができる方法又は装置を提供することに成功した。粗製ガス流中での変動の際でも極めて良好な純度と同時に極めて高い収率を達成することができる。
【0017】
更に、本発明による方法によって、主圧(残留物分離段階(2)の残留物圧力)を一定に保つことができるため、本発明による装置は付加的な圧縮装置なしでガス輸送導管に接続することができる。
【0018】
本発明による装置は、バイオガス装置からの粗製ガス流の精製のために特に良好に適している。このような装置の場合には、粗製ガスの生じる量及び粗製ガスの組成が極めて頻繁に変化する。本発明による調節は、この変動を問題なく補償する。
【0019】
本発明による調節は、簡単でありかつガス分離のために存在する装置に組み込むことができる。
【0020】
この本発明による方法は、複数の多様な種類のセンサを単独で又は一緒に使用することによりフレキシブルでもある。これらの流の組成は、分離段階(2)及び(3)での圧力の調節のためにも、同様に分離段階(2)及び(3)に供給される材料流の流量の調節のためにも使用することができる。特に、流量センサを使用する場合に、従って、校正によって、所望の、迅速な、正確でかつ簡単な方法が提供される。
【0021】
従って、本発明による主題は、請求項1及び17に記載の装置並びに請求項9に記載の方法である。好ましい実施態様は、従属請求項において保護される。
【0022】
本発明を次に詳細に記載する。前もっていくつかの重要な概念を定義する。
【0023】
これらの個々のガスの透過率の商は、2つのガスに関する分離のための膜の選択率であり、従ってこの膜がガス混合物を2つの成分に関してどの程度良好に分離できるかを示す。透過物として、膜、膜モジュール又は膜分離段階の低圧側に生じる全体の流れが表される。
【0024】
それぞれ膜で、膜モジュールで又は膜分離段階において透過物流中の、それぞれの流入流に対して濃縮された1つの成分/複数の成分を、透過ガスという。
【0025】
膜、膜モジュール又は膜分離段階の高圧側に生じる、膜を透過しない全体の流れを、残留物という。
【0026】
それぞれ膜で、膜モジュールで又は膜分離段階において残留物流中の、それぞれの流入流に対して濃縮された1つ/複数の成分を、残留ガスという。
【0027】
粗製ガス又は粗製ガス混合物又は粗製ガス流(17)は、少なくとも2つのガスからなる、本発明による方法又は本発明による装置によって分離されるべきガス混合物又はこのガス混合物の流を表す。
【0028】
供給物流(5)は、供給物流分離段階(1)に供給されるガス流を表す。この流は、この方法の実施の開始時に、粗製ガス流(17)又はコンプレッサにより圧縮された粗製ガス流に相当する。第2の透過物流(9b)と、第3の残留物流(10b)との返送により、供給物流(5)は、粗製ガス流(17)、第2の透過物流(9b)及び第3の残留物流(10b)のガスから構成される。この場合、この供給物流(5)は、流(9b)及び(10b)を両方とも、圧縮されていない粗製ガス流(17)と混合するか、又は両方とも、圧縮された粗製ガス流と混合するか、一方を圧縮されていない粗製ガス流と混合しかつもう一方を圧縮された粗製ガス混合物と混合するか、又は流(9b)及び/又は(10b)をコンプレッサ中で粗製ガス流(17)と混合することにより製造される。上述の変法の組合せは本発明に含まれる。
【0029】
供給物流分離段階(1)は、供給物流(5)を第1の透過物流(6)と第1の残留物流(7)とに分離するための膜分離段階を表す。
【0030】
残留物分離段階(2)は、第1の残留物流(7)を第2の透過物流(9a+9b)と第2の残留物流(8)とに分離するための、供給物流分離段階(1)とは同じ又は異なる構成であってもよい膜分離段階を表す。
【0031】
透過物分離段階(3)は、第1の透過物流(6)を第3の透過物流(11)と第3の残留物流(10a+10b)とに分離するための、供給物流分離段階(1)又は残留物分離段階(2)と同じ又は異なる構成であってもよい膜分離段階を表す。
【0032】
次に記載された好ましい及び特別な、本発明による方法の実施態様、並びに好ましい及び特に適した実施並びに図面及び図面の記載に基づいて、本発明を、単に例示的に詳細に説明する、つまり、本発明は、これらの実施例及び適用例又は個々の実施例内のそれぞれの特徴の組合せに限定されない。
【0033】
具体的な実施例との関連で述べられている及び/又は表されている個々の特徴は、この実施例又はこの実施例のその他の特徴との組合せに限定されず、技術的な可能性の範囲内で、本願明細書において特別に取り扱われていない場合であっても、他の全ての変法と組み合わせることができる。
【0034】
個々の図及び図面中の同じ符号は、同じ又は類似の構成要素又は同じ又は類似に作用する構成要素を表す。図中での描写に基づいて符号を備えていない特徴も、これらの特徴が後に記載されているか又は記載されていないかとは無関係に、明らかになる。他方で、本願明細書に含まれるが、図中には見られないか又は記載されていない特徴も、当業者にとって容易に理解できる。
【0035】
本発明は、膜分離段階として少なくとも供給物流分離段階(1)、残留物分離段階(2)及び透過物分離段階(3)を有し、並びに少なくとも1つのコンプレッサ(4)及び/又は少なくとも1つの、好ましくは1又は2つの真空ポンプを有し、
その際、
前記供給物流分離段階(1)は、少なくとも2種の成分からなる供給物流(5)を、第1の透過物流(6)と第1の残留物流(7)とに分離し、
前記残留物分離段階(2)は、第1の残留物流(7)を、第2の透過物流(9a+9b)と第2の残留物流(8)とに分離し、その際、(9a)は、制御装置(18)前でかつ前記残留物分離段階(2)の後の部分流を表し、及び(9b)は、前記制御装置(18)の後の部分流を表し、かつ前記部分流(9b)は前記供給物流(5)に返送され、第2の残留物流(8)は生成物として取り出されるか又は更に加工され、
前記透過物分離段階(3)は、第1の透過物流(6)を、第3の残留物流(10a+10b)と第3の透過物流(11)とに分離し、その際、(10a)は、制御装置(19)の前でかつ前記透過物分離段階(3)の後の部分流を表し、及び(10b)は、前記制御装置(19)の後の部分流を表し、かつ前記部分流(10b)は前記供給物流(5)に返送され、第3の透過物流(11)は生成物として取り出すか又は更に加工するか又は廃棄する、
ガスの分離装置に関する。
【0036】
本発明による装置は、
− 第2の透過物流(9a+9b)は、残留物分離段階(2)の透過物圧力を増大又は低減でき、かつ第1の残留物流(7)中の1つ又は複数の測定装置(20a)及び/又は第2の残留物流(8)中の1つ又は複数の測定装置(20b)の測定値に基づいて制御される少なくとも1つの透過物制御装置(18)を有し、
及び/又は
− 第3の残留物流(10a+10b)は、透過物分離段階(3)の残留物圧力を増大又は低減でき、かつ第1の透過物流(6)中の1つ又は複数の測定装置(21a)及び/又は第3の透過物流(11)中の1つ又は複数の測定装置(21b)の測定値に基づいて制御される少なくとも1つの残留物制御装置(19)を有する、
ことを特徴とする。
【0037】
本発明による方法及び本発明による装置は、粗製ガス流(17)の組成又は量又は圧力が変動する場合であっても、この粗製ガス流(17)を第2の透過物流(9b)及び第3の残留物流(10b)と一緒に供給物流(5)に供給し、この本発明による制御によって、両方の生成物ガス流(8)及び(11)の同じに保たれる収率及び品質を保証できるように構成することにより特徴付けられる。この場合、特に、生成物ガス流(8)及び(11)の純度は互いに無関係に調節できる、つまり先行技術の方法とは反対に、両方の生成物流の純度及び収率の調節が連動していないことが強調される。これには、返送流(9a+9b)及び(10a+10b)中に配置されている本発明により使用される制御装置(18)及び(19)が要因である。
【0038】
「制御装置」とは、本発明の範囲内で、返送流(9a)及び(10a)中で圧力の増大又は低減を可能にする、機器、部材、装置又は装置の一部であると解釈される。可能な制御装置のリストは、次のものを有するが、これに限るものではない:圧力低下弁又は圧力上昇弁、ガス放圧装置、真空ポンプ、送風機、圧縮機、特にコンプレッサ。
【0039】
これらの制御装置(18)及び(19)は、測定装置(20a)、(20b)、(21a)及び(21b)により測定された測定値に基づいて調節される。
【0040】
本発明の第1の好ましい実施態様の場合に、この測定装置(20b)及び(21b)は、生成物流(8)及び(11)のパラメータ、例えばこれらのガス流中の1つ又は複数の成分の含有率を測定する。生成物ガス流(8)及び/又は(11)の測定装置(20b)及び(21b)によるこのパラメータの測定は、使用した測定装置に応じて、オンラインで又はオフラインで行うことができる。好ましくはオンラインで測定が行われる、というのも、これにより調節を迅速に行うことができるためである。適切な測定装置は当業者に公知である。しかしながら、1つ又は複数の成分についてガス流の組成を測定することができるガス測定機、特にガス流中で(例えば赤外線吸収又は音速、密度、コリオリによって)直接測定するインライン測定機、及びこの流から試料を取り出しかつ連続的又は不連続的に測定する測定原理による外部測定機が好ましい。これらは、組成を極めて迅速に測定できかつ入力値としてこの調節に即座に提供するという利点を有する。
【0041】
粗製ガスの組成が変動するか又は粗製ガス流(17)及び/又は供給ガス(5)の量若しくは圧力が変化する場合、対抗制御なしでは、生成物流(8)及び(11)の特性、例えば組成が変化する。この測定装置(20b)及び(21b)により、相応する変化が記録され、かつ制御装置(18)及び(19)による対抗制御が行われるため、本発明による装置は、生成物ガス流(8)及び(11)の特性、特に組成が、再び所定の領域/範囲になるように調節を行える。この本発明による装置は、この場合、両方の生成物ガス流(8)及び(11)を同時に調節することができるが、この両方の流の一方だけを所定の範囲に維持するように調節することもできる。
【0042】
従って、本発明のこの第1の好ましい実施態様の場合に、本発明の主題は、次の選択肢:
i. 第2の残留物流(8)の透過しにくい成分Bの濃度(場合によりこれについて相関するパラメータによっても算出される)が予め設定された基準値より低く低下し、そのため第2の透過物流(9a)の圧力を、透過物制御装置(18)によって、上述のパラメータ、特に所望の濃度が再び基準範囲内になるまで下げる、
ii. 第2の残留物流(8)の透過しにくい成分Bの濃度(場合によりこれについて相関するパラメータによっても算出される)が予め設定された基準値より高く上昇し、そのため第2の透過物流(9a)の圧力を、透過物制御装置(18)によって、上述のパラメータ、特に所望の濃度が再び基準範囲内になるまで上げる、
iii. 第3の透過物流(11)の透過しにくい成分Bの濃度(場合によりこれについて相関するパラメータによっても算出される)が予め設定された基準値より低く低下し、そのため第3の残留物流(10a)の圧力を、残留物制御装置(19)によって、上述のパラメータ、特に所望の濃度が再び基準範囲内になるまで上げる、
iv. 第3の透過物流(11)の透過しにくい成分Bの濃度(場合によりこれについて相関するパラメータによっても算出される)が予め設定された基準値より高く上昇し、そのため第3の残留物流(10a)の圧力を、残留物制御装置(19)によって、上述のパラメータ、特に所望の濃度が再び基準範囲内になるまで下げる
の1つ又は複数により、本発明による装置の制御を行う方法である。
【0043】
第2の好ましい実施態様の場合に、本発明による装置は、測定装置(20a)及び(21a)を有する。これらの測定装置(20a)と(21a)とは、それぞれ第1の残留物流(7)のパラメータと第1の透過物流(6)のパラメータ、例えば体積流量を測定する。この実施態様の場合には、従って生成物流(8)及び(11)の特性を分析せず、第2の膜分離段階と第3の膜分離段階に供給されるガス流の特性を分析する。
【0044】
粗製ガス流(17)若しくは供給物流(5)の組成が変動するか又はその量若しくは圧力が変化する場合、対抗制御なしでは、第1の透過物流(6)又は第1の残留物流(7)の特性、例えば組成又は量及び圧力に影響を及ぼす。これらの測定装置(20a)及び(21a)は相応する変化を記録する。この装置の校正によって、第1の透過物流(6)のこの特性は第3の透過物流(11)(第2の生成物流)の特性と相関し、第1の残留物流(7)の特性は第2の残留物流(8)(第1の生成物流)の特性と相関することができる。従って、これらの測定装置(20a)及び(21a)によって、この両方の生成物流(8)及び(11)の特性、特に組成及び収率を調節することもできる。これは、新たに制御装置(18)及び(19)によって行われる。生成物流(8)及び(11)の組成の制御は、この実施態様の場合でも切り離され、互いに無関係に調節することができる。第2の残留物流(8)(第1の生成物流)及び第3の透過物流(11)(第2の生成物流)の特性とは、この場合、それぞれの流に関して測定できかつ本発明による装置によって所定の範囲内に維持されるか又は所定の範囲内に入れられるパラメータであると解釈される。特に、それぞれの生成物流の組成及び/又は圧力及び/又は量若しくは体積流量であるのが好ましい、というのもこれらのパラメータはパイプライン中の生成物ガスの供給のために所定の限界範囲内になければならないためである。これらの特性又はパラメータは、本発明の範囲内で、第1の残留物流(7)又は第1の透過物流(6)のそれぞれの体積流量と相関する特性としても表される。
【0045】
既に説明したように、本発明のこの実施態様の場合に、まず1回装置の校正を行わなければならない。しかしながらこの最初の手間は、この校正によって例えば流(6)及び(7)の簡単な流量測定を行うことができ、これは、例えば生成物ガス流(8)及び(11)の組成を連続的に調整するよりもより迅速かつ安価であることによって、十分に相殺される。
【0046】
次に、本発明による三段階接続を有するバイオガス装置の例に関する校正の基本原理を説明する。本発明による装置の校正は次のように行うことができる:
最初に、第3の透過物流(11)及び第2の残留物流(8)中の緩慢に透過する成分Bの基準濃度を定める。引き続き、例えば粗製ガス流(17)の組成を変化させ、測定装置(20a)及び(21a)によって、目標パラメータの変化、この校正例の場合には、第1の残留物流(7)及び第1の透過物流(8)の体積流量の変化を決定する。並行して、測定装置(20b)及び(21b)によって、例えばガスセンサを用いて、第3の透過物流(11)及び第2の残留物流(8)の組成の変化を決定する。更に、残留物分離段階(2)の透過物圧力及び透過物分離段階(3)の残留物圧力を測定する。制御装置(18)と(19)によって、それぞれ上述の透過物圧力と残留物圧力を、第3の透過物流(11)及び第2の残留物流(8)中の成分Bが基準濃度に再び到達するまで変化させることができる。ここで、第1の残留物流(7)の測定された体積流量を残留物分離段階(2)の透過物圧力に対して、及び第1の透過物流(6)の測定された体積流量を透過物分離段階(3)の残留物圧力に対してプロットすることができる。
図2には、例示的に、残留物流(8)中の透過しにくい成分Bの濃度を一定に保つために、残留物分離段階(2)の透過物中の圧力をどのように調節しなければならないのかを見ることができる。粗製ガス流の全体の組成がここでは曲線の平行推移を生じることを述べることができる。これは、3つの異なる粗製ガス組成(成分B 45%、55%及び65%)について第1の残留ガス流(7)の体積流量に依存する残留物分離段階(2)の必要な透過物圧力の曲線推移を示している
図2中でも見ることができる。見たとおり、各粗製ガス組成に対して1つの別個の独自の曲線が生じる。
【0047】
この分離の目標設定が、第2の残留物流(8)中の最低品質の透過しにくい成分Bを保証するだけであるなら、本発明による方法の簡素化のために、粗製ガスの透過しにくい成分の多様な濃度についての多様な曲線の測定を省きかつ容易に透過可能な成分Aの最高の濃度での作業曲線によるだけで作業することができる。これとは別に、透過しにくい成分Bの最低の濃度での曲線だけで作業することもできる。粗製ガス中の透過しにくい成分Bの濃度が上昇する場合、段階2の残留物ガス中のこの透過しにくい成分Bの濃度を一定に保つために、本来は段階2の透過物中の圧力を上昇させなければならない。この圧力を適合させない場合には、段階2の残留物中の成分Bの濃度は上昇するが、しかしながら、この濃度は、粗製ガス中の成分Bの最低の濃度を用いた校正直線の使用下で常に、定義された最低基準値を上回る。残留物流(8)の場合には、多様な粗製ガス組成で複数の曲線が生じたが、第1の透過物流(6)の体積流量に依存する透過物分離段階(3)の残留物の圧力でのデータは一つの曲線上にある(これについての例として
図3参照)。
【0048】
粗製ガス組成が変化するか又は多くの粗製ガスを精製すべき場合であっても、得られた曲線について導かれた数学的関数の使用下で、測定装置(20a)及び/又は(21a)を用いた体積流量の測定によるだけで、測定装置(20b)及び(21b)を用いた生成物流中の濃度のより煩雑な測定なしでも、装置の迅速な制御を保証することが可能である。
【0049】
変化する量の粗製ガスを精製するためには、コンプレッサの制御(調整装置)がバイオガス装置(例えばガス袋又は発酵槽中の圧力)の充填レベル測定機の信号又は粗製ガス流(17)中のセンサの信号を受ける場合が好ましい。コンプレッサは、次いで、粗製バイオガスの目標レベルを維持するように制御することもできる。この装置は、上記の調節メカニズムによるだけで調節される。この好ましい実施態様の詳細は更に下記されている。
【0050】
好ましくは、測定装置(20a)及び/又は(21a)として流量計(質量又は体積)が使用される。この測定装置(20a)及び(21a)を用いたパラメータの決定は、オンライン又はオフラインで行うことができる。好ましくはオンライン測定を行う。適切な測定装置は当業者に公知である。
【0051】
従って、この実施態様の場合の本発明の主題は、本発明による装置の制御を好ましくは次の選択肢:
v. 第1の残留物流(7)の体積流量(場合によりこれについて相関するパラメータによっても算出される)が予め設定された基準値より高く上昇し、そのため第2の透過物流(9a)の圧力を、透過物制御装置(18)によって、校正曲線に従って必要な圧力が達成されるまで及び第2の残留物流(8)の所望の特性、好ましくは第2の残留物流(8)の組成が再び基準範囲内になるまで下げる、
vi. 第1の残留物流(7)の体積流量(場合によりこれについて相関するパラメータによっても算出される)が予め設定された基準値より低く低下し、そのため第2の透過物流(9a)の圧力を、透過物制御装置(18)によって、校正曲線に従って必要な圧力が達成されるまで及び第2の残留物流(8)の所望の特性、好ましくは第2の残留物流(8)の組成が再び基準範囲内になるまで上げる、
vii. 第1の透過物流(6)の体積流量(場合によりこれについて相関するパラメータによっても算出される)が予め設定された基準値より高く上昇し、そのため第3の残留物流(10a)の圧力を、残留物制御装置(19)によって、校正曲線に従って必要な圧力が達成されるまで及び第3の透過物流(11)の所望の特性、好ましくは第3の透過物流(11)の組成が再び基準範囲内になるまで上げる、
viii. 第1の透過物流(6)の体積流量(場合によりこれについて相関するパラメータによっても算出される)が予め設定された基準値より低く低下し、そのため第3の残留物流(10a)の圧力を、残留物制御装置(19)によって、校正曲線に従って必要な圧力が達成されるまで及び第3の透過物流(11)の所望の特性、好ましくは第3の透過物流(11)の組成が再び基準範囲内になるまで下げる
の1つ又は複数により行う方法である。
【0052】
本発明による装置及び本発明による方法の多大な利点は、最大に可変の装置能力にあり、つまり装置出力を可変に制御できかつ生成物ガスの必要性に適合させることができる能力にある。これは、既に述べたように、膜面積の増減の切り替えなしに行うことができる。本発明による好ましい実施態様の場合に、このために本発明による装置の装置出力をコンプレッサ(4)の供給体積に変更によって上げるか又は下げて、それにより引き起こされる第2の残留物流(8)中の透過しにくい成分Bの濃度の変化に対しては方法選択肢i又はiiによって、及び/又はそれにより引き起こされる第3の透過物流(11)中の透過しにくい成分Bの濃度の変化に対しては方法選択肢iii又はivによって、及び/又はそれにより引き起こされる第1の残留物流(7)の流量の変化に対しては、方法選択肢v又はviによって、及び/又はそれにより引き起こされる第1の透過物流(6)の流量の変化に対しては、方法選択肢vii又はviiiによって対抗する。
【0053】
上述の方法i〜viiiは、互いに組み合わせて又は混合形態でも適用することができる。測定装置(20a)、(20b)、(21a)又は(21b)とは、個別の測定機器、装置などであるか、又は複数の機器、装置等の組み合わせ又は相互接続であると解釈される。これらの測定装置(20a)、(20b)、(21a)又は(21b)は、異なる方法選択肢において互いに柔軟に組み合わせることができる。よって、例えば、透過物制御装置(18)を調節するために、測定装置(20a)は測定装置(20b)と一緒に使用される。この場合、測定系を相互に調整しかつ防護することができるバックアップ測定系を有する。従って、例えば一つの測定装置が故障した場合に確認することができる。本発明の相応する実施態様は、当業者にとって、本発明の明細書及び実施例に基づいて容易に導き出せかつ本発明により把握される。
【0054】
使用される測定装置及び/又は制御装置並びにこの数に応じて、好ましくは測定装置と制御装置との間に少なくとも1つのデータ処理装置(図示されていない)、好ましくは少なくとも1つのコンピュータを介在させることができる。それにより、本発明による装置又は本発明による方法は、容易に中央統制することができ、多様な測定値又は調節段階を記録及び調整することができる。相応する技術的解決策は、市場で調達可能であるか又は当業者に公知であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0055】
特に好ましくは、本発明による方法の場合に、第1の残留物流(7)及び/又は第1の透過物流(6)中で、測定装置(20a)及び/又は(21a)として流量計が使用される。
【0056】
同様に、特に好ましくは、第2の残留物流(8)及び/又は第3の透過物流(11)中で、それぞれのガス混合物の組成の決定のためにオンライン又はオフライン測定装置(20b)及び/又(21b)が使用される。
【0057】
制御装置(18)及び(19)による材料流(9a+9b)及び(10a+10b)の制御の他に、上述のように、本発明は装置又は方法中で他の制御及び調節を行う実施態様も有する。
【0058】
他の好ましい実施態様の場合に、本発明による装置は、調整装置(24)(図示されていない)を有し、この調整装置(24)はコンプレッサ(4)の出力を好ましくはその回転数及びそれによる供給体積を調節する。これについての例は、周波数変換器である。
【0059】
調整装置を用いて、好ましくはコンプレッサの出力を分離すべき量の粗製ガス(例えば発酵槽中のバイオガスの生産)に合わせるか又は生産すべき量の生成物ガス(例えば残留物流(8)中のメタン流)に合わせる。粗製ガス(例えばバイオガス装置からの粗製バイオガス)の生産量の変化は、例えば、粗製ガス中間貯蔵容器の充填レベル標示で又は発酵槽中の粗製ガスの圧力で読み取ることができる。この充填レベル又は発酵槽中の圧力が上昇する場合、膜分離装置の分離能力は圧縮機の回転数の上昇によって高めることができる。従って、発酵槽中の圧力又は中間貯蔵容器中の充填レベルを一定に保持するか又は低下させることができる。これとは反対に、中間貯蔵容器中の充填レベル又は発酵槽中の圧力が低下する場合、コンプレッサの回転数を低下させることにより膜分離装置の分離能力を低下させ、それにより、中間貯蔵容器中の充填レベル又は発酵槽中の圧力を一定に保持するか又は低下させることができる。コンプレッサの回転数の変更により引き起こされる供給物体積流(5)の変化の際に、残留物流(8)及び透過物流(11)の組成の変化が生じる。本発明の大きな利点は、この変化をこの本発明における他の上記の調節メカニズムによって抑制できる点にある。能力及び生成物ガスの品質についてこの装置の本発明による制御によって、この装置の分離能力及び生成物ガス流(8)及び(11)の組成を互いに独立して制御できる。従って、装置の能力は、流(8)及び(11)中の生成物ガス品質を変えることなく、分離段階(1)及び(2)中の残留物圧力を適合させる必要がなく、及び膜分離面積の増減の切り替えの必要がなく、所定の範囲内で制御装置(18)及び(19)を利用してコンプレッサの調整装置を用いて変更することができる。
【0060】
この能力の柔軟性は、コンプレッサ回転数及びそれによる粗製ガス供給体積の所定の範囲に限定されていてもよく、この柔軟性は、特に分離段階中の圧力に関して、個々の分離段階(1)、(2)及び(3)中の膜の面積比に関して及び特に制御装置(18)及び(19)に関して及びそれぞれのガス流(9a)及び(10a)中の圧力の調節の際のその帯域幅に関して装置の設計により規定される。例えば透過物流(9a)中の可能な最低圧力は0.3baraである場合、これが供給ガス体積流(5)についての制限されるパラメータである。供給ガス体積流(5)の更なる向上は、残留物ガス流(8)中の緩慢な成分Bの濃度を基準値より低くし、それによりこの装置の所望の運転点をもはや維持できなくなることを意味する。同様のことが、透過物(9a)中の圧力が、例えば周囲圧力よりももはや更に高めることができない場合にも当てはまる。この圧力は、供給体積流(5)の低下を制限する、というのも供給体積流(5)を更に低下させる場合に残留物(8)中の透過しにくい成分Bの含有率が基準値を超えて上昇するためである。
【0061】
「調整装置」とは、この場合、コンプレッサの出力、好ましくはコンプレッサの回転数を調節する、コンプレッサの制御ユニットであると解釈される。この調整装置は、粗製ガス流(17)中及び/又は予備貯蔵する貯蔵容器又は生産装置中でのセンサによる測定データを加工するように構成することができる。例えば、測定装置の信号は、圧縮機の周波数変換器を制御することができる。相応するコンプレッサ及び調整装置又は制御装置は、市場で調達可能でありかつ当業者に公知である。
【0062】
上述の実施態様、つまりコンプレッサ出力の調節及び適合によって、膜分離装置の分離能力は粗製ガスの生産の要求及び/又は生成物ガス(8)及び(11)の必要量に合わせることを保証することができる。粗製ガス(17)の多様な加工されるべき量及びその組成から生じる流(8)及び(11)のガス組成内の変動は、制御装置(18)及び(19)によって相殺される。
【0063】
他の好ましい実施態様の場合に、本発明による装置は、第2の透過物流(9b)及び/又は第3の残留物流(10b)から返送されるガスの変化する量が、粗製ガス流(17)からの粗製ガスの供給される量の調節により、好ましくは自動的に補償されるように構成されている。特に好ましくは、これは、この場合にコンプレッサの回転数を変更することなく行われる。これは、簡単でかつ低コストの、調節可能でないコンプレッサの使用を可能にする。
【0064】
測定装置(22)及び(23)として、この実施態様の場合に、ガスセンサ、体積又は質量流量測定機、又は圧力測定機を第2の透過物流(9b)及び/又は第3の残留物流(10b)中で使用することができる。粗製ガスの供給される量の制御は、好ましくは粗製ガス流中の粗製ガス流制御装置(25)によって行われる。この粗製ガス流制御装置は、不足する量(=圧縮機の吸引量と返送される流(9b)及び(10b)の合計との間の差)を埋め合わせることができなければならない。これは、例えば粗製ガス流制御装置の、圧縮機(4)の吸引側での圧力測定としての実施により行われる。この圧力測定により制御された供給装置(例えば同様に調節可能な弁又は送風機又は圧縮装置)は、粗製ガス(17)の多様に供給される量によって圧力を一定に保持することができる。粗製ガスが、コンプレッサの吸引圧力の仕様に対応する圧力よりも低い場合、返送流(9b)及び(10b)に対して付加的に必要な粗製ガスの量は、付加的な粗製ガス制御装置(17)なしでコンプレッサにより直接吸引することができる。この場合でも、データ処理装置を、測定装置(22)及び(23)と粗製ガス流制御装置(25)との間に介在させることができる。
【0065】
基本的に、上述のデータ処理装置は多様な装置群であることができ、つまり本発明による方法の場合には、複数のデータ処理装置を使用することができる。これらのデータ処理装置は、任意に互いに接続されていてもよい。しかしながら、中央で全ての測定工程及び制御工程を監視しかつ調節する1つの中央のデータ処理装置だけを使用することが好ましい。
【0066】
本発明による装置(例示的に
図1参照)は、予め言及したように、少なくとも3つの膜分離段階の連係を内容とする。各段階は、1つ又は複数の物理的ガス分離モジュールからなり、このガス分離モジュールは1つの段階内で並列及び/又は直列に接続されている。このモジュール中のガス分離のための原動力として、その都度の膜分離段階で残留物側と透過物側との分圧の差を生じさせる。この分圧の差は、供給物流分離段階(1)の供給物側に配置されているコンプレッサ(4)を用いて、及び場合により、供給物流分離段階(1)の後方で、好ましくは第2の透過物流(9a+9b)中の残留物分離段階(2)の透過物流側で及び/又は第3の透過物流(11)中の透過物分離段階(3)の透過物側で、少なくとも1つ、好ましくは1つ又は2つの真空ポンプ(
図1に図示されていない)を用いて作り出される。場合により、膜分離段階の1つ又は複数において、この分圧の差を、透過物側の洗浄ガス流によって生成又は強化することが好ましい。
【0067】
本発明による好ましい実施態様の場合に、コンプレッサ(4)は、粗製ガス混合物を、又は粗製ガス流(17)と第2の透過物流(9b)及び/又は第3の残留物流(10b)とからなるガス混合物を、5〜100barの範囲内の所望の圧力に、好ましくは9〜75barの圧力にもたらす。粗製ガス流(17)は既に必要な圧力を有する場合には、コンプレッサ(4)は、更に第2の透過物流(9b)及び/又は第3の残留物流(10b)を、5〜100barの範囲内の所望の圧力に,好ましくは9〜75barの圧力にもたらさなければならないだけである。この得られた供給物流(5)を、供給物流分離段階(1)に導入する。供給物流分離段階(1)において、この粗製ガス混合物を、大部分が第1の段階の透過物に到達する、比較的容易に透過する成分(透過ガス)と、膜によって主に留められかつ残留物中で濃縮される、あまり迅速には透過しない成分(残留ガス)とに予備分離する。
【0068】
好ましい実施態様の場合に、本発明による方法又は本発明による装置は、この方法/装置が、供給物流分離段階(1)の少なくとも1つの透過ガスの濃度を、第2の透過物流(9b)及び第3の残留物流(10b)の供給物流(5)への返送により、それぞれ粗製ガス流(17)中の濃度と比較して高める、好ましくは少なくとも2%高める、特に好ましくは少なくとも3%高める、全く特に好ましくは3〜40%高めるように構成されていることを特徴とする。この上昇は粗製ガス流(17)の組成に依存することがあり、特に透過ガスの低い濃度(10〜20%)の場合にはっきりと現れる。透過ガスの1つの濃度の上昇は、粗製ガス流(17)中の透過ガスの含有量が30〜70%である場合に、好ましくは2〜15%、特に好ましくは3〜8%である。供給物流分離段階(1)において透過ガスの濃度を高める場合に、全体のプロセスの、残留ガスの収率は向上し、それにより残留ガスの損失が低下することが明らかになった。同じ段階分離カット(=考慮された段階の透過物流の供給物流に対する比率)では、供給物流分離段階(1)中での少なくとも1つの透過しやすい成分A又は供給物流(5)中の透過ガスAの濃度が高まる場合、明らかに少ない透過ガスが供給物流分離段階(1)の透過物中へ到達する。同様に、精製すべき供給物流(5)中の成分A又は透過ガスAの濃度が低下する場合にも低下が確認された。精製されるべき供給流(5)中の成分A又は透過ガスAの50%の濃度についてのこの段階分離カットは、10〜60%、好ましくは15〜55%、特に好ましくは20〜50%である。従って、本発明の特に好ましい実施態様の場合に、本発明による方法又は本発明による装置は、供給物流(5)中の供給物流分離段階(1)の透過ガスの含有率が、第2の透過物流(9b)及び第3の残留物流(10b)の返送後に、供給物流(5)の体積を基準として、40体積%以上、好ましくは50体積%より大きく、さらに特に55体積%より大きいように構成される。供給物流(5)中の透過ガスのこの濃度上昇により、既に述べたように、供給物流分離段階(1)の効率が高まり、このことがまた、少ない残留ガスBが第1の透過物流(6)中へ到達する結果となる。このことがまた、透過物分離段階(3)の効率を高められ、ここでも第3の透過物流(10+b)に到達する不所望な残留ガスが少なくなるという結果になる。特に、メタン含有の粗製ガスを分離する場合に、これは、環境に有害なメタンの不所望な排出を明らかに低減することができるという利点を生じさせる。
【0069】
一般に、供給物流分離段階(1)において、透過しやすい成分A、つまり透過ガスAの好ましくは20〜100%、特に好ましくは40〜70%が、供給物流(5)から透過物へ移行すると言うことができる。
【0070】
この供給物流分離段階(1)の残留物は、任意に存在する減圧弁(12)により任意に圧力低下されて、又は第1の残留物流(7)により圧力上昇されて、精製が行われる残留物分離段階(2)へ供給される。残留物分離段階(2)の残留物側では、つまり第2の残留物流(8)中では、好ましくは減圧弁(13)(
図1には示されていない)が存在し、この減圧弁(13)によってシステム中の主圧(分離段階(1)及び(2)の運転圧力=段階(1)及び(2)の残留物圧力)は維持されかつ一定に保持することができる。透過しにくい成分B、つまり残留ガスBの含有率は、残留物分離段階(2)において更に高められ、その結果、第2の残留物流(8)中の成分B又は残留ガスBの含有率は、90%より高い、好ましくは95%より高い、特に好ましくは97%より高い。特に好ましい変法の場合に、本発明による方法又は本発明による装置は、粗製ガス流(17)によって前記装置内へ導入される、供給物流分離段階(1)の残留物成分の少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%、特に好ましくは少なくとも99%、さらに特に好ましくは99.5%が第2の残留物流(8)を介して搬出されることを特徴とする。
【0071】
残留物分離段階(2)の段階分離カットは、第1の残留物流(7)中で50%の成分A又は透過ガスAの濃度の場合に、10〜60%、好ましくは20〜50%である。
【0072】
残留物分離段階(2)の透過物流は、第2の透過物流(9b)によって、特に好ましくは予め透過物流(9a又は9b)の割合が供給物流分離段階(1)の後方で第1の残留物流(7)に供給されることなしに、特に好ましくは完全に返送され、供給物流(5)に供給されかつ再び精製される。これは、既に「供給流」の概念の定義の際に予め説明されたように、コンプレッサ(4)又は多段階のコンプレッサ(4)が使用されるかどうかに応じて多様な方法様式で行うことができる。一段階のコンプレッサ(4)の場合には、第2の透過物流(9b)は好ましくはコンプレッサ(4)の吸引側に供給される。
【0073】
供給物流分離段階(1)の、成分A又は透過ガスAが著しく濃縮された透過物は、第1の透過物流(6)によって透過物分離段階(3)に供給される。透過物分離段階(3)の残留物流、つまり第3の残留物流(10a+b)中の残留物制御装置(19)によって、透過物分離段階(3)の残留物の圧力が周囲圧力にまで低下することを妨げる必要がある。このように、透過物分離段階(3)のための原動力を維持することができる。透過物分離段階(3)は、95%より高い、好ましくは97%より高い、特に好ましくは99%より高い透過しやすい成分A又は透過ガスAの含有率を有する透過物を生産し、この透過物は第3の透過物流(11)を介して装置から搬出される。特に好ましい実施態様の場合に、本発明による装置は、粗製ガス(17)によって装置内へ導入された、供給物流分離段階(1)の緩慢に透過する成分Bの最大5%、好ましくは最大3%、特に好ましくは最大1%、全くとくに好ましくは0.5%が、第3の透過物流(11)を介して搬出されるように構成される。
【0074】
透過物分離段階(3)の段階分離カットは、好ましくは50〜95%、特に好ましくは70〜93%である。
【0075】
第3の残留物流(10b)は返送され、供給物流(5)に供給され、再び精製される。これは、多様な様式で行うことができ、例えばコンプレッサ(4)又は多段階のコンプレッサ(4)が使用されるかどうかに依存することができる。一段階のコンプレッサ(4)の場合に、第3の残留物流(10b)は、このコンプレッサの吸引圧力が分離段階(3)の残留物圧力よりも低い場合に、好ましくはこのコンプレッサ(4)の吸引側に供給される。多段階のコンプレッサを使用する場合、その都度の段階でのコンプレッサの段階圧力が分離段階(3)の残留物圧力よりも低い場合に、第3の残留物流(10b)は、コンプレッサ中の2つの圧縮段階の間に導入するのが好ましい。
【0076】
本発明による方法又は本発明による装置は、他の好ましい実施態様の場合に、この方法/装置は、第2の透過物流(9b)及び第3の残留物流(10b)中に返送されるガス体積が、合計で、粗製ガス流(17)の体積の60体積%未満、好ましくは10〜50体積%、さらに特に好ましくは20〜40体積%であるように構成されていることを特徴とする。返送されるべき残留ガス流の量の制御は、生成物ガス流(8)及び(11)中の必要な純度に依存する。必要な純度が低くなればそれだけ、返送流(9b)及び(10b)は低減する。この返送流は、膜分離段階(1)〜(3)で使用される膜モジュールの種類及び選択率によって特に全く影響される。高い選択率を有する膜モジュールは、この場合、返送流(9b)及び(10b)の明らかな低下を生じさせる。システム中の主圧(=分離段階(1)及び(2)中の圧力)も、返送されるガスの量が影響する。システム中の圧力が高ければそれだけ、返送される量は少なくなる。他の影響する因子は、個々の段階中での膜面積の比率である。分離段階(3)中での大きな面積は、例えば返送流を低減させ、分離段階(2)中での大きな面積は、それに対して返送量を増大させる。従って、本発明による方法並びに装置は、極めて僅かな返送流であるにもかかわらず、上記で詳細に説明した、供給流(5)中での透過物成分の濃度の上昇を保証することを特徴とする。これは、全体の方法の効率を明らかに高める。
【0077】
既に説明したように、多段階のコンプレッサ(4)を使用する場合が特に好ましい。この場合、つまり透過物分離段階(3)の残留物の完全な放圧を省くことができる、それというのもこの透過物分離段階(3)の残留物はコンプレッサ(4)の2つの圧縮工程の間に供給することができるためである。
【0078】
残留物分離段階(2)は供給圧力に放圧する際に、通常の場合では選択率を制限する範囲内で運転されるため、第2の透過物流(9a)を多段階の圧力上昇ユニット、つまり多段階のコンプレッサ(4)の比較的高い圧力水準に単に放圧することが有意義である、それというのもそれにより圧縮ユニットの運転コストは、分離結果を明らかに悪化させずに軽減されるためである。本発明の特に好ましい実施態様の場合には、従って、多段階のコンプレッサ(4)を使用し、かつガス流(9b)及び(10b)をこのコンプレッサのそれぞれ2つの圧縮段階の間に供給する。
【0079】
好ましい実施態様の場合に、供給物流分離段階(1)を介した圧力低下は、1〜30bar、好ましくは2〜20bar、特に好ましくは3〜10barに制限される。同時に又はこれとは別に、好ましくは、供給物流分離段階(1)及び残留物分離段階(2)を介した圧力低下を、1〜100bar、好ましくは5〜80bar、特に好ましくは10〜70barに制限することが保証される。
【0080】
本発明による装置又は本発明による方法は、原則として、二成分のガス混合物又は多成分ガス混合物を分離することができる全ての膜を用いて実現することができる。しかしながら、膜材料として専らではないが好ましくはプラスチックが使用される。分離活性層中のプラスチックとして、特に好ましくはポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、セルロースアセタート及び誘導体、ポリフェニレンオキシド、ポリシロキサン、内在的な微小孔を有するポリマー、混合マトリックス膜、促進輸送膜、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、炭素膜又はゼオライト又はこれらの混合物が挙げられる。
【0081】
特に好ましい膜は、分離活性層のための材料として又は完全な膜のための材料として、一般式
【化1】
[式中、0≦x≦0.5及び1≧y≧0.5であり、Rは、基L1、L2、L3及びL4からなる群から選択される1個又はそれ以上の、同じ又は異なる基Rに相当する]のポリイミドを有する。
【0082】
特にx=0、y=1及びRは、64モル%がL2からなり、16%がL3からなり、20%がL4からなるポリマーが好ましい。このポリマーは、Evonik Fibres GmbH社の商品名P84又はP84 Typ 70(CAS番号9046−51−9)で入手可能である。x=0.4、y=0.6及びRは、80%がL2からなり、20%がL3からなる組成を有するポリマーを使用するのが特に好ましい。このポリマーは、Evonik Fibres GmbH社の商品名P84HT又はP84 HT 325(CAS番号134119−41−8)で入手可能である。同様に、上述のポリイミドの混合物を使用することも好ましい。
【0083】
これらの好ましいポリイミドから製造された膜は、Evonik Fibres GmbH社から商品名Sepuranで入手可能である。これらの好ましい膜の製造方法は、WO 2011/009919 A1に開示されている。この公開公報で開示された全ての膜は、本発明による方法において好ましく使用することができる。単に繰り返しを避けるために、この特許出願の内容は、これにより全体が参照される。この膜を用いて、最良の分離結果を達成できることが示された。
【0084】
これらの膜は、好ましくは中空糸膜の形及び/又は平膜の形で使用される。これらの膜は、分離目的で使用されるモジュールに取り付けられる。モジュールとして、技術的に公知の全てのガス分離モジュールは、例えばこれに限るものではないが、中空糸型ガス分離モジュール、スパイラル巻型ガス分離モジュール、クッション型ガス分離モジュール又は管束型ガス分離モジュールが使用される。
【0085】
これらのガス分離膜モジュールは、本発明の場合に、少なくとも30、好ましくは少なくとも35、特に好ましくは少なくとも40、さらに特に好ましくは少なくとも45、最も好ましくは少なくとも45〜80の、成分A(CO
2)及びB(CH
4)のガス分離選択率(=膜を介した物質流Aの物質流Bに対する比率)を有する。より高い選択率の膜は、分離がより効果的になりかつ残留物分離段階(2)からのより少ない透過物又は透過物分離段階(3)からのより少ない残留物を返送しなければならないという利点を有する。従って、特に一段階のコンプレッサ(4)を使用する場合、ガスが二重に圧縮されることが少なくなり、このことがこの装置の運転の際の経済的利点をもたらす。45の選択率を有する極めて選択性の膜モジュールの場合には、粗製ガスとして供給物流分離段階(1)中へ導入されるガスの約35%が二重に圧縮されるだけであり、10の選択率を有する膜モジュールを用いると、この二重圧縮は300%にまでなることがある。この35%又は300%の記載は、成分A及びBの等モル量を有する混合物(=供給物)を供給し、その際、段階(2)の残留ガス中には98.5%の成分Bが含まれ、段階(3)の透過物流中には99%の成分Bが含まれていた試験を参照する。
【0086】
選択的な膜を用いる本発明によるプロセスは、かなり経済的に実施することができ、コンプレッサの必要量及び必要なエネルギーを低減することができることは明らかである。
【0087】
本発明による方法/本発明による装置は、特に、純粋な膜分離方法であり、かつ透過物流(11)及び/又は残留物流(8)の付加的な精製なしで多くの適用のために十分であるという利点を有する。例えば、バイオガス又は天然ガスの精製(=メタンから二酸化炭素を分離)の際に、残留物の高度な精製のためにもはや圧力スイング吸着又はアミン洗浄の必要はなく、これを天然ガス網に供給することができる。
【0088】
更に、本発明による方法/本発明による装置によって、バイオガス精製及び天然ガス精製において、純粋な残留物流(8)と純粋な透過物流(11)とを同時に製造することができる。従って、これは、触媒的又は熱的な後燃焼又は熱併給発電プラント中での利用によりガスを更に処理する必要なしに、メタンの大きな損失なしにかつ環境を大きく損ねることなしに大気中へ排出できる。これは、従って、更なる装置部分への投資を不要にし、このことは、バイオガス及び天然ガスのための経済的な精製プロセスを生じさせる。
【0089】
本発明による装置は、大まかには既にWO 2012/000727に記載されている。従って、このWO 2012/000727の主題も、全範囲で本発明の記載に取り込まれる。
【0090】
WO 2012/000727では、粗製ガス流の組成の変動又は圧力又は流れの変動を補償することを可能にする制御を開示していない。このWO 2012/000727は、生成物ガスの良好な収率及び純度を維持するために守るべきであるコンプレッサ出力及び一般的な圧力範囲を開示しているだけである。本発明によって、初めて、この精製装置を可変の供給流のバイオガス装置に直接接続することを可能にするWO 2012/000727による膜接続の制御及び調節コンセプトが開示されている。従って、ほぼ均一な粗製ガス流を準備する特別な予備装置を省くことができる。従って、本発明は、WO 2012/000727の装置及び方法の卓越した改良を示す。これは特に有効である、というのも制御装置(18)及び(19)及び本発明によるそれらの調節により、粗製ガス(17)の処理すべき量及び/又は生成物ガス(8)及び/又は(11)の製造すべき量及び/又は粗製ガス組成が変化する場合であっても、流(8)及び(11)の一定のガス品質又は変更された要求に基づき変更されたガス品質を保証できるためである。この場合、流(8)及び(11)において要求されたガス品質の維持のために、システム中の主圧(分離段階(1)及び(2)中の運転圧力)及び分離段階(1)〜(3)の膜面積を変化させる必要がないことが好ましい。
【0091】
他の利点は、本発明による方法/本発明による装置が、先行技術に公知の方法と同様に、明らかに僅かな装置的及びエネルギー的コストによって足りることである。
【0092】
本発明による装置又は本発明による方法は、特に、少なくとも2種のガスを有するガス混合物の分離のために使用することができ、その際、更に特に好ましくはガス混合物として主に二酸化炭素とメタンからなるがこれらだけではない混合物又は主に水素とメタンからなるがこれらだけではない混合物又は主に一酸化炭素と水素とからなるがこれらだけではない混合物又は粗製バイオガス又は粗製天然ガスを分離する。
【0093】
次の実施例は、本発明を詳細に説明及び記載するが、本発明はこの実施例に制限されるものではない。
【0094】
一般的な試験構成
図1に基づいた3段階の接続を用いる膜分離装置で試験を行った。
− 粗製ガス組成 メタン 54%、CO
2 46%(=バイオガス装置からのバイオガス)
− Sepuran Greenの2”試験モジュール(1段階当たりそれぞれ1モジュール)3個の使用
− システム中の主圧(=残留物段階(2)の圧力)は17bara
− 空気圧 950mbara
− 透過物分離段階(3)の透過物圧力は1000mbara。
【0095】
実施例1:
この試験の目的は、供給物流(5)中の供給量又はコンプレッサ回転数が変化した場合でも、残留物分離段階(2)の透過物圧力の変更によって残留物流(8)中の生成物品質を一定に保持し、かつ透過物分離段階(3)の残留物圧力の変更によって透過物流(11)中のオフガス品質を一定に保持することを可能にする校正線を見つけることであった。
【0096】
この目的のために、一般的な試験構造による連続する3段階の接続で、コンプレッサ出力を段階的に高めた。残留物分離段階(2)の透過物の圧力の変化及び透過物分離段階(3)の残留物の圧力の変化によって、オフガス濃度(11)及び生成物ガス濃度(8)を狭い範囲で一定に維持することを試験した。当初60%から最終的に75%にまでコンプレッサ出力を高めることにより、供給体積流量(5)は3.83m
3/hから5.23m
3/hまで上昇又は36%向上する。この期間に、残留物分離段階(2)の透過物圧力を951mbaraから241mbaraへ低減させ、かつ透過物分離段階(3)の残留物圧力を3.6baraから4.43baraへ向上させる。この生成物ガス濃度(8)は、全てのコンプレッサ出力で、メタン95.23〜95.75%の間で変動し、メタンについてのオフガス濃度は0.5〜0.62%の間で変動する。この2つの値は、測定精度の範囲内で狭い範囲で調節されている。この試験についての詳細なデータを次の表1に示す:
【表1】
【0097】
更に、第2の残留物流(8)、第1の透過物流(6)、第3の透過物流(11)(=オフガス)及び第2の透過物流(9a)の体積流量を測定した。第2の残留物流(8)と第2の透過物流(9a)との体積流量値の合計から、第1の残留物流(7)の体積流量が算出できる。
【0098】
例えばコンプレッサ回転数の変化により又は粗製ガス組成の変化により、残留物分離段階(2)の供給量が変化する場合でも、生成物ガス濃度を一定に維持するために、第1の残留物流(7)の体積流量に依存する残留物分離段階(2)の透過物圧力のプロットにより校正曲線を算定することができる(
図4参照)。
【0099】
図4から推知されるように、良好に相関する線形の関係を有する複数の測定点を得ることができる。本発明による装置の制御を使用するために、この関係を利用することができる。この制御は、生成物ガス濃度を一定に維持するために、体積流量計(20a)を用いて計測された第1の残留物流(7)の流量値の算出後に、
図4に示す直線方程式によるこの透過物圧力の算出により、残留物分離段階(2)中の必要な透過物圧力を算定する。次いで、この圧力を、第2の透過物流中の制御装置(18)を用いて相応して調節する。
【0100】
同様に、例えばコンプレッサ回転数の変化により又は粗製ガスの組成の変化により、透過物分離段階(3)中の供給量が、つまり第1の透過物流(6)が変化する場合でも、透過物流(11)中のオフガス濃度を一定に維持するために、第1の透過物流(6)の量に依存する透過物分離段階(3)の残留物圧力のプロットにより校正曲線が得られる(
図5参照)。
【0101】
図5においても、良好に相関する線形の関係を有する複数の測定点が得られる。この関係を、残留物分離段階(2)についての上記の手法と同様に、本発明の装置の制御に使用するために利用することができる。この場合、まず、透過物流(11)中のオフガス濃度を一定に維持するために、体積流量計(21a)を用いて計測された第1の透過物流(6)の流量値を算出し、かつ
図5中の直線方程式から、透過物分離段階(3)中の必要な残留物圧力を算出し、かつ第3の残留物流(10)中の制御装置(19)を用いて調節する。
【0102】
実施例2:
第3の残留物流(10)中の制御装置(19)を用いた透過物分離段階(3)の残留物圧力の変更により、装置中のオフガス(第3の透過物流(11))中のメタン濃度の変化を達成しかつ校正曲線を得ることができるかどうかを調査すべきである。オフガス濃度の測定の際に変化が生じる場合には、この校正関係を用いてオフガス中のメタン含有率を適合させることができる。
【0103】
この目的のために、一定のコンプレッサ回転数で、透過物分離段階(3)の残留物圧力を、第3の残留物流(10)中の制御装置(19)によって変化させ、この場合、第3の透過物流(11)(オフガス)中の変化するメタン濃度を測定した。装置の体積流量も一緒に記録した。これらの値は、表2中に示されている。
【表2】
【0104】
表2が示すように、オフガス流(11)中のメタン濃度は、透過物分離段階(3)中の残留物圧力の向上によって高められる。このことは、
図6中でグラフによってみることができる。この依存性は、ここでも極めて良好な相関を示す線形である。この曲線は、校正曲線として制御のために使用することができる。
図6中の方程式に所望のメタン濃度を当てはめることにより、このために必要な残留物圧力を算出することができる。
【0105】
興味深いことに、著しく増加する二重圧縮率は、透過物分離段階(3)の低下する残留物圧力の場合及びそれによりオフガス中の低下するメタン濃度の場合に、
図7にグラフで示されていることがわかる。
【0106】
実施例3:
第2の透過物流(9a)中の制御装置(18)を用いた残留物分離段階(2)の透過物圧力の変更により、装置の生成物ガス(=第2の残留物流(8))中のメタン濃度の変更を達成することができる。生成物ガス濃度の測定の際に変化が生じる場合には、この校正関係を用いて生成物ガス中のメタン含有率を適合させることができる。
【0107】
この目的のために、一定のコンプレッサ回転数で、残留物分離段階(2)の透過物圧力を変更し、この場合に、生成物ガス中の変化するメタン濃度が測定された。これらの値は、表3中に示されている。
【表3】
【0108】
上述のように、生成物ガス(8)中のメタン濃度は、残留物分離段階(2)中の透過物圧力の低下によって高められる。このことは、
図8中でグラフによってみることができる。この依存性は、ここでも極めて良好な相関を示す線形である。この曲線は、校正曲線として制御のために使用することができる。
図5中の方程式に所望のメタン濃度を当てはめることにより、このために必要な透過物圧力を算出することができる。
【0109】
図面の説明
図1: 測定装置(20a)及び(20b)、(21a)及び(21b)、(22)及び(23)並びに制御装置(18)及び(19)を備えた例示的な本発明による接続。粗製ガス流(17)中の制御装置並びに調整装置及びデータ処理装置は図示されていない。しかしながら明細書の全体の関係から、配置及び利用は明らかである。
図1では、流(9b)及び(10b)をコンプレッサの吸引側に返送する本発明による配置が示されている。上記説明で述べた配置とは別の配置、例えば、流(9b)又は(10b)の一方または両方をコンプレッサ(4)の高められた圧縮段階中への返送の配置又は測定装置(22)及び(23)がない配置、又は測定装置(20a)及び(20b)及び/又は(21a)及び(21b)の一部だけを有する配置は、当業者にとって、
図1のバリエーションとして容易に導き出され、従って個別に示していない。
図1は、単に本発明の説明のために用いるもので、本発明の保護範囲を制限するものではない。
【0110】
図2: 第2の残留物流(8)中の成分Bの98.3%の残留物品質及び第3の透過物流(11)中の成分Bの0.7%の品質を達成するための、第1の残留物流(7)の体積流量に依存する残留物分離段階(2)の必要な透過物圧力を示す。膜分離段階中の膜の選択された面積割合は次のようであった:段階1:段階2:段階3:=2:2:3。粗製ガス流(17)中の成分B(この場合CH
4)の45、55及び65%の多様な濃度について3つの曲線が示されている。
【0111】
図3: 第2の残留物流(8)中の成分Bの98.3%の残留物品質及び第3の透過物流(11)中の成分Bの0.7%の品質を達成するための、第1の透過物流(6)の体積流量に依存する透過物分離段階(3)の必要な残留物圧力を示す。膜分離段階中の膜の選択された面積割合は次のようであった:段階1:段階2:段階3:=2:2:3。粗製ガス流(17)中の成分B(この場合CH
4)の45、55及び65%の多様な濃度について、互いに移行する3つの曲線が示されている。
【0112】
図4: 生成物ガス品質を一定に維持するための、残留物分離段階(2)の供給ガス量に対する、残留物分離段階(2)の透過物圧力の依存性。
【0113】
図5: オフガス品質を一定に維持するための、透過物分離段階(3)の供給ガス量に対する、透過物分離段階(3)の残留物圧力の依存性。
【0114】
図6: 透過物分離段階(3)の残留物圧力に対する、オフガス(11)中のメタン濃度の依存性。
【0115】
図7: 透過物分離段階(3)の透過物(11)中のメタンガス含有量に対する、リサイクル率の依存性。
【0116】
図8: 残留物分離段階(2)の透過物圧力に対する、生成物ガス(8)中のメタン濃度の依存性。