(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0010】
図1は、一実施形態による射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。
図2は、一実施形態による射出成形機の型締時の状態を示す図である。
図1および
図2に示す射出成形機は、フレームFr、型締装置10、射出装置40、エジェクタ装置50、入力装置70、表示装置80およびコントローラ90などを有する。
【0011】
型締装置10は、金型装置30の型閉、型締、型開を行う。型締装置10は、固定プラテン12、可動プラテン13、リヤプラテン15、タイバー16、トグル機構20、型締モータ21および運動変換機構25を有する。型締装置10の説明では、型閉時の可動プラテン13の移動方向(
図1および
図2中右方向)を前方とし、型開時の可動プラテン13の移動方向(
図1および
図2中左方向)を後方として説明する。
【0012】
固定プラテン12は、フレームFrに対して固定される。固定プラテン12における可動プラテン13との対向面に固定金型32が取り付けられる。
【0013】
可動プラテン13は、フレームFr上に敷設されるガイド(例えばガイドレール)17に沿って移動自在とされ、固定プラテン12に対して進退自在とされる。可動プラテン13における固定プラテン12との対向面に可動金型33が取り付けられる。
【0014】
固定プラテン12に対して可動プラテン13を進退させることにより、型閉、型締、型開が行われる。固定金型32と可動金型33とで金型装置30が構成される。
【0015】
リヤプラテン15は、固定プラテン12と間隔をおいて連結され、フレームFr上に型開閉方向に移動自在に載置される。尚、リヤプラテン15は、フレームFr上に敷設されるガイドに沿って移動自在とされてもよい。リヤプラテン15のガイドは、可動プラテン13のガイド17と共通のものでもよい。
【0016】
尚、本実施形態では、固定プラテン12がフレームFrに対して固定され、リヤプラテン15がフレームFrに対して型開閉方向に移動自在とされるが、リヤプラテン15がフレームFrに対して固定され、固定プラテン12がフレームFrに対して型開閉方向に移動自在とされてもよい。
【0017】
タイバー16は、固定プラテン12とリヤプラテン15とを間隔をおいて連結する。タイバー16は、複数本用いられてよい。各タイバー16は、型開閉方向に平行とされ、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー16には型締力検出器18が設けられてよい。型締力検出器18は、歪みゲージ式であってよく、タイバー16の歪みを検出することによって型締力を検出する。
【0018】
尚、型締力検出器18は、歪みゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式などでもよく、その取り付け位置もタイバー16に限定されない。
【0019】
トグル機構20は、可動プラテン13とリヤプラテン15との間に配設される。トグル機構20は、クロスヘッド20a、複数のリンク20b、20cなどで構成される。一方のリンク20bは可動プラテン13に揺動自在に取り付けられ、他方のリンク20cはリヤプラテン15に揺動自在に取り付けられる。これらのリンク20b、20cは、ピンなどで屈伸自在に連結される。クロスヘッド20aを進退させることにより、複数のリンク20b、20cが屈伸され、リヤプラテン15に対して可動プラテン13が進退される。
【0020】
型締モータ21は、リヤプラテン15に取り付けられ、クロスヘッド20aを進退させることにより、可動プラテン13を進退させる。型締モータ21とクロスヘッド20aとの間には、型締モータ21の回転運動を直線運動に変換してクロスヘッド20aに伝達する運動変換機構25が設けられる。運動変換機構25は例えばボールねじ機構で構成される。
【0021】
型締装置10の動作は、コントローラ90によって制御される。コントローラ90は、成形工程としての型閉工程、型締工程、型開工程などを制御する。
【0022】
型閉工程では、型締モータ21を駆動して可動プラテン13を前進させることにより、可動金型33を固定金型32に接触させる。可動プラテン13の位置や速度は、例えば型締モータ21のエンコーダ21aにより検出される。
【0023】
型締工程では、型締モータ21をさらに駆動させることで型締力を生じさせる。型締時に可動金型33と固定金型32との間にキャビティ空間34が形成され、キャビティ空間34に液状の成形材料が充填される。キャビティ空間34内の成形材料は、固化され、成形品となる。
【0024】
型開工程では、型締モータ21を駆動して可動プラテン13を後退させることにより、可動金型33を固定金型32から離間させる。
【0025】
尚、本実施形態の型締装置10は、駆動源として、型締モータ21を有するが、型締モータ21の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。また、型締装置10は、型開閉用にリニアモータを有し、型締用に電磁石を有してもよい。
【0026】
エジェクタ装置50は、金型装置30から成形品を突き出す。エジェクタ装置50は、例えばエジェクタモータ51、運動変換機構52、エジェクタロッド53を有する。エジェクタ装置50の説明では、型締装置10の説明と同様に、型閉時の可動プラテン13の移動方向(
図1および
図2中右方向)を前方とし、型開時の可動プラテン13の移動方向(
図1および
図2中左方向)を後方として説明する。
【0027】
エジェクタモータ51は、可動プラテン13に取り付けられる。エジェクタモータは、運動変換機構52に直結されるが、ベルトやプーリなどを介して運動変換機構52に連結されてもよい。
【0028】
運動変換機構52は、エジェクタモータ51の回転運動をエジェクタロッド53の直線運動に変換する。運動変換機構52は、例えばボールねじ機構などで構成される。
【0029】
エジェクタロッド53は、可動プラテン13の貫通穴において進退自在とされる。エジェクタロッド53の前端部は、可動金型33内に進退自在に配設される可動部材35と接触する。尚、エジェクタロッド53は、可動部材35に連結されてもよい。
【0030】
エジェクタ装置50の動作は、コントローラ90によって制御される。コントローラ90は、成形工程としてのエジェクタ工程などを制御する。
【0031】
エジェクタ工程では、エジェクタモータ51を駆動してエジェクタロッド53を前進させることにより、可動部材35を前進させ、成形品を突き出す。その後、エジェクタモータ51を駆動してエジェクタロッド53を後退させ、可動部材35を元の位置まで後退させる。エジェクタロッド53の位置や速度は、例えばエジェクタモータ51のエンコーダ51aにより検出される。
【0032】
射出装置40は、金型装置30にタッチされ、金型装置30内に成形材料を充填する。射出装置40は、例えばシリンダ41、ノズル42、スクリュ43、計量モータ45、射出モータ46、および圧力検出器47を有する。射出装置40の説明では、型締装置10の説明と異なり、充填時のスクリュ43の移動方向(
図1および
図2中左方向)を前方とし、計量時のスクリュ43の移動方向(
図1および
図2中右方向)を後方として説明する。
【0033】
シリンダ41は、供給口41aから供給された成形材料を加熱する。供給口41aはシリンダ41の後部に形成される。シリンダ41の外周には、ヒータなどの加熱源が設けられる。
【0034】
ノズル42は、シリンダ41の前端部に設けられ、金型装置30に対して押し付けられる。
【0035】
スクリュ43は、シリンダ41内において回転自在に且つ進退自在に配設される。
【0036】
計量モータ45は、スクリュ43を回転させることにより、スクリュ43の螺旋状の溝に沿って成形材料を前方に送る。成形材料は、前方に送られながら、シリンダ41からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ43の前方に送られシリンダ41の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ43が後退させられる。
【0037】
射出モータ46は、スクリュ43を進退させる。射出モータ46は、スクリュ43を前進させることにより、スクリュ43の前方に蓄積された液状の成形材料を金型装置30のキャビティ空間34に充填させる。その後、射出モータ46は、スクリュ43を前方に押し、キャビティ空間34内の成形材料に圧力をかける。不足分の成形材料が補充できる。射出モータ46とスクリュ43との間には、射出モータ46の回転運動をスクリュ43の直線運動に変換する運動変換機構が設けられる。
【0038】
圧力検出器47は、例えば射出モータ46とスクリュ43との間に配設され、スクリュ43が成形材料から受ける圧力、スクリュ43に対する背圧などを検出する。スクリュ43が成形材料から受ける圧力は、スクリュ43から成形材料に作用する圧力に対応する。
【0039】
射出装置40の動作は、コントローラ90によって制御される。コントローラ90は、成形工程としての充填工程、保圧工程、計量工程などを制御する。
【0040】
充填工程では、射出モータ46を駆動してスクリュ43を設定速度で前進させ、スクリュ43の前方に蓄積された液状の成形材料を金型装置30内に充填させる。スクリュ43の位置や速度は、例えば射出モータ46のエンコーダ46aにより検出される。スクリュ43の位置が所定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切替(所謂、V/P切替)が行われる。
【0041】
尚、充填工程においてスクリュ43の位置が所定位置に達した後、その所定位置にスクリュ43を一時停止させ、その後にV/P切替が行われてもよい。V/P切替の直前において、スクリュ43の停止の代わりに、スクリュ43の微速前進または微速後退が行われてもよい。
【0042】
保圧工程では、射出モータ46を駆動してスクリュ43を設定圧力で前方に押し、金型装置30内の成形材料に圧力をかける。不足分の成形材料が補充できる。成形材料の圧力は、例えば圧力検出器47により検出される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間34内の成形材料の固化が行われる。冷却工程中に計量工程が行われてよい。冷却工程は、設定時間の間行われる。
【0043】
計量工程では、計量モータ45を駆動してスクリュ43を設定回転数で回転させ、スクリュ43の螺旋状の溝に沿って成形材料を前方に送る。これに伴い、成形材料が徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ43の前方に送られシリンダ41の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ43が後退させられる。スクリュ43の回転数は、例えば計量モータ45のエンコーダ45aにより検出される。
【0044】
計量工程では、スクリュ43の急激な後退を制限すべく、射出モータ46を駆動してスクリュ43に対して設定背圧を加えてよい。スクリュ43に対する背圧は、例えば圧力検出器47により検出される。スクリュ43が所定位置まで後退し、スクリュ43の前方に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が終了する。
【0045】
尚、本実施形態の射出装置40は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式などでもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。
【0046】
コントローラ90は、CPU(Central P
rocessing Unit)91と、メモリなどの記憶
媒体92とを有する。コントローラ90は、記憶媒体92に記憶されたプログラムをCPU91に実行させることにより、型締装置10、射出装置40、エジェクタ装置50、入力装置70および表示装置80などを制御する。
【0047】
入力装置70および表示装置80は、例えばタッチパネルで構成され、一体化されてよい。入力装置70は、操作者による入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号をコントローラ90に出力する。表示装置80は、コントローラ90による制御下で、入力装置70における入力操作に応じた操作画面を表示する。操作画面は、射出成形機の複数の成形工程の設定に用いられる。操作画面は、複数用意され、切り替えて表示されたり、重ねて表示されたりする。操作者は、表示装置80で表示される操作画面を見ながら、入力装置70を操作することにより射出成形機の設定を行う。
【0048】
尚、本実施形態の入力装置70および表示装置80は、一体化されているが、独立に設けられてもよい。また、入力装置70は、複数設けられてもよい。
【0049】
図3は、一実施形態による型閉工程と充填工程とのラップ量の設定に用いる操作画面を示す図である。
図3に示す操作画面81は、モード入力部82と、ラップ量入力部83と、ラップ量限界入力部85とを有する。
【0050】
モード入力部82は、型閉工程中に充填工程を開始させるか否かを選択する入力欄である。モード入力部82には、現在の設定が文字などで表示されてよい。例えば
図3に示すようにモード入力部82に表示される文字が「入」の場合、型閉工程中に充填工程が開始される。一方、モード入力部82に表示される文字が「切」の場合、型閉工程後に充填工程が開始される。
【0051】
尚、モード入力部82に表示される文字は多種多様であってよい。例えば「切」の代わりに「未使用」、「通常モード」などの文字が表示されてもよい。また、「入」の代わりに「使用」、「型閉充填モード」などの文字が表示されてもよい。また、文字の代わりに、記号、図形などが表示されてもよい。
【0052】
操作者は、操作画面81を見ながら、入力装置70を操作することにより、型閉工程中に充填工程を開始させるか否かを選択する。コントローラ90は、ユーザの選択結果に応じて型閉工程中に充填工程を開始させるか否かを決定する。
【0053】
ラップ量入力部83は、型閉工程と充填工程とのラップ量を入力する入力欄である。ラップ量は、可動プラテン13の位置で表してよい。可動プラテン13の位置は、基準位置までの残りの距離で表してよい。ここで、可動プラテン13の基準位置は、任意に設定できるが、例えば機械的な前進限位置であってよい。充填工程開始時の可動プラテン13の位置を、以下、充填開始位置と呼ぶ。可動プラテン13の位置は、クロスヘッド20aの位置で表すことも可能である。尚、ラップ量は、位置ではなく、時間で表してもよい。
【0054】
ラップ量入力部83は、充填開始位置を数値として入力する入力欄でもよいし、充填開始位置を予め定められた複数の候補から選択する入力欄でもよい。後者の場合、候補リストが所定の入力操作に応じて操作画面81にポップアップ表示されてよい。操作者は、候補リストを見ながら入力装置70を操作することにより、予め定められた複数の候補の中から、実際に使用する充填開始位置を選択できる。ラップ量入力部83には、現在の設定が数値で表示されてよい。尚、数値入力式ではなく選択式の場合、数値の代わりに「大」「中」「小」などの量を表す文字が表示されてもよい。
【0055】
操作者は、操作画面81を見ながら、入力装置70を操作することで、充填開始位置をラップ量入力部83に入力する。コントローラ90は、型閉工程中に可動プラテン13の位置を監視し、可動プラテン13が充填開始位置に達したときに充填工程を開始させる。型閉工程と充填工程とをラップさせることで、サイクル時間を短縮できる。また、ラップ量を調整することで、サイクル時間を調整できる。
【0056】
ラップ量限界入力部85は、ラップ量入力部83に入力可能な範囲の限界を入力する入力欄である。コントローラ90は、上記範囲外の入力をラップ量入力部83において禁止する。操作者による充填開始位置の誤設定を防止できる。ラップ量限界入力部85には、現在の設定が数値などで表示されてよい。
【0057】
例えば、ラップ量限界入力部85は、充填開始位置の上限を入力する入力欄であってよい。コントローラ90は、上限を超える入力をラップ量入力部83において禁止する。充填開始位置の上限は、例えば成形材料の流動先端がキャビティ空間34のゲートに達する前に型閉工程が完了するように設定され、試験やシミュレーションの結果に基づいて設定される。バリなどの成形不良が抑制できる。
【0058】
尚、本実施形態のラップ量限界入力部85は、充填開始位置の上限を入力する入力欄であるが、充填開始位置の下限を入力する入力欄であってもよい。コントローラ90は、下限を下回る入力をラップ量入力部83において禁止する。下限を設定することで、サイクル時間を有意に短縮できる。両方の入力欄が操作画面81に設けられてもよい。
【0059】
図4は、一実施形態によるパスワード入力部を有する操作画面を示す図である。
図4に示す操作画面81Aは、所定の入力操作によって表示される。操作画面81Aは、パスワード入力部89Aを有する。
【0060】
パスワード入力部89Aは、パスワードを入力する入力欄である。パスワードは、例えばラップ量限界入力部85における入力禁止を解除するのに用いられる。パスワードは一部の操作者のみに開示される。特定の操作者のみがラップ量の限界を設定変更できる。
【0061】
操作者は、操作画面81Aを見ながら、入力装置70を操作することで、パスワードをパスワード入力部89Aに入力する。コントローラ90は、パスワード入力部89Aに入力されたパスワードと、記憶媒体92に予め登録済みのパスワードとを照合し、入力されたパスワードの正当性を確認する。入力されたパスワードが正当なものである場合、コントローラ90はラップ量限界入力部85における入力禁止を解除する。これにより、ラップ量限界入力部85における入力が許可され、ラップ量の限界の設定変更が可能になる。その後、設定変更が済んだ場合、または所定時間が経過した場合などに、コントローラ90はラップ量限界入力部85における入力禁止を再開してよい。
【0062】
尚、本実施形態のラップ量限界入力部85は、ラップ量入力部83と同一の操作画面に設けられるが、別の操作画面に設けられ、切り替えて表示されてもよい。ラップ量限界入力部85は、パスワード入力部89Aに正当なパスワードが入力された場合にのみ表示されてもよい。
【0063】
図5は、一実施形態による冷却工程と型開工程とのラップ量の設定に用いる操作画面を示す図である。
図5に示す操作画面81Bは、モード入力部82Bと、第1ラップ量入力部83Bと、第2ラップ量入力部84Bとを有する。
【0064】
モード入力部82Bは、冷却工程中に型開工程を開始させるか否かを選択する入力欄である。モード入力部82Bには、現在の設定が文字などで表示されてよい。例えば
図5に示すようにモード入力部82Bに表示される文字が「入」の場合、冷却工程中に型開工程が開始される。一方、モード入力部82Bに表示される文字が「切」の場合、冷却工程後に型開工程が開始される。
【0065】
尚、モード入力部82Bに表示される文字は多種多様であってよい。例えば「切」の代わりに「未使用」、「通常モード」などの文字が表示されてもよい。また、「入」の代わりに「使用」、「冷却型開モード」などの文字が表示されてもよい。また、文字の代わりに、記号、図形などが表示されてもよい。
【0066】
操作者は、操作画面81Bを見ながら、入力装置70を操作することにより、冷却工程中に型開工程を開始させるか否かを選択する。コントローラ90は、ユーザの選択結果に応じて冷却工程中に型開工程を開始させるか否かを決定する。
【0067】
第1ラップ量入力部83Bは、冷却工程と型開工程との第1ラップ量を入力する入力欄である。第1ラップ量は、型開量で表してよい。型開量とは、固定金型32と可動金型33との間隔のことである。型開量は、可動プラテン13の位置で表してよい。可動プラテン13の位置は、基準位置からの後退距離で表してよい。ここで、可動プラテン13の基準位置は、上述の如く、任意に設定できる。可動プラテン13の位置は、クロスヘッド20aの位置で表すことも可能である。
【0068】
第1ラップ量入力部83Bは、型開量を数値として入力する入力欄でもよいし、型開量を予め定められた複数の候補から選択する入力欄でもよい。後者の場合、候補リストが所定の入力操作に応じて操作画面81Bにポップアップ表示されてよい。操作者は、候補リストを見ながら入力装置70を操作することにより、予め定められた複数の候補の中から、実際に使用する型開量を選択できる。第1ラップ量入力部83Bには、現在の設定が数値で表示されてよい。尚、数値入力式ではなく選択式の場合、数値の代わりに「大」「中」「小」などの量を表す文字が表示されてもよい。
【0069】
操作者は、操作画面81Bを見ながら、入力装置70を操作することで、型開量を第1ラップ量入力部83Bに入力する。コントローラ90は、冷却工程完了時に型開量が設定値になるように冷却工程の途中から型開工程を開始させる。冷却工程と型開工程とをラップさせることで、サイクル時間を短縮できる。また、ラップ量を調整することで、サイクル時間を調整できる。
【0070】
第2ラップ量入力部84Bは、冷却工程と型開工程との第2ラップ量を入力する入力欄である。第2ラップ量は、型開速度で表してよい。型開速度とは、可動金型33の後退の速さのことである。型開速度は、例えば型締モータ21のエンコーダ21aによって検出できる。型開速度は、型締モータ21を定格で回転させたときの型開速度を100%とし、%で表してよい。冷却工程完了時の型開量が同じ場合、型開速度が小さいほど、ラップ時間が長い。
【0071】
第2ラップ量入力部84Bは、型開速度を数値として入力する入力欄でもよいし、型開速度を予め定められた複数の候補から選択する入力欄でもよい。後者の場合、候補リストが所定の入力操作に応じて操作画面81Bにポップアップ表示されてよい。操作者は、候補リストを見ながら入力装置70を操作することにより、予め定められた複数の候補の中から、実際に使用する型開速度を選択できる。第2ラップ量入力部84Bには、現在の設定が数値で表示されてよい。尚、数値入力式ではなく選択式の場合、数値の代わりに「大」「中」「小」などの量を表す文字が表示されてもよい。
【0072】
操作者は、操作画面81Bを見ながら、入力装置70を操作することで、型開速度を第2ラップ量入力部84Bに入力する。コントローラ90は、冷却工程の途中から型開工程を開始させ型開速度が設定値になるように型締モータ21を制御する。冷却工程と型開工程とをラップさせることで、サイクル時間を短縮できる。また、ラップ量を調整することで、サイクル時間を調整できる。
【0073】
尚、操作画面81Bは、第1ラップ量限界入力部、および第2ラップ量限界入力部の少なくとも一方を有してもよい。第1ラップ量限界入力部は、第1ラップ量入力部83Bに入力可能な範囲の限界を入力する入力欄である。第2ラップ量限界入力部は、第2ラップ量入力部84Bに入力可能な範囲の限界を入力する入力欄である。冷却不足による成形不良を抑制したり、サイクル時間を有意に短縮したりできる。
【0074】
特定の操作者のみが第1ラップ量の限界や第2ラップ量の限界を設定変更できるように、パスワードが設定されてもよい。パスワードは、ラップ量の種類毎に設定されてもよい。これらのパスワードを入力するパスワード入力部は、
図3に示すパスワード入力部89Aと同様であるので、図示および説明を省略する。
【0075】
図6は、一実施形態によるエジェクタ工程と型閉工程とのラップ量の設定に用いる操作画面を示す図である。
【0076】
図6に示す操作画面81Cは、モード入力部82Cと、ラップ量入力部83Cと、残量入力部87Cと、残量限界入力部88Cとを有する。
【0077】
モード入力部82Cは、エジェクタ工程中に型閉工程を開始させるか否かを選択する入力欄である。モード入力部82Cには、現在の設定が文字などで表示されてよい。例えば
図6に示すようにモード入力部82Cに表示される文字が「入」の場合、エジェクタ工程中に型閉工程が開始される。例えばエジェクタロッド53が前進完了位置から後退完了位置まで戻る途中で型閉工程が開始される。一方、モード入力部82Cに表示される文字が「切」の場合、エジェクタ工程後に型閉工程が開始される。
【0078】
尚、モード入力部82Cに表示される文字は多種多様であってよい。例えば「切」の代わりに「未使用」、「通常モード」などの文字が表示されてもよい。また、「入」の代わりに「使用」、「エジェクタ型閉モード」などの文字が表示されてもよい。また、文字の代わりに、記号、図形などが表示されてもよい。
【0079】
操作者は、操作画面81Cを見ながら、入力装置70を操作することにより、エジェクタ工程中に型閉工程を開始させるか否かを選択する。コントローラ90は、ユーザの選択結果に応じてエジェクタ工程中に型閉工程を開始させるか否かを決定する。
【0080】
ラップ量入力部83Cは、エジェクタ工程と型閉工程とのラップ量を入力する入力欄である。ラップ量は、エジェクタロッド53の位置で表してよい。エジェクタロッド53の位置は、基準位置までの残りの距離で表してよい。ここで、エジェクタロッド53の基準位置は、任意に設定できるが、例えばエジェクタ工程完了時の位置(後退完了位置)であってよい。型閉工程を開始するときのエジェクタロッド53の位置を、以下、型閉許可エジェクタ位置と呼ぶ。尚、ラップ量は、可動部材35の位置で表してもよい。また、ラップ量は、位置ではなく、時間で表してもよい。
【0081】
ラップ量入力部83Cは、型閉許可エジェクタ位置を数値として入力する入力欄でもよいし、型閉許可エジェクタ位置を予め定められた複数の候補から選択する入力欄でもよい。後者の場合、候補リストが所定の入力操作に応じて操作画面81Cにポップアップ表示されてよい。操作者は、候補リストを見ながら入力装置70を操作することにより、予め定められた複数の候補の中から、実際に使用する型閉許可エジェクタ位置を選択できる。ラップ量入力部83Cには、現在の設定が数値で表示されてよい。尚、数値入力式ではなく選択式の場合、数値の代わりに「大」「中」「小」などの量を表す文字が表示されてもよい。
【0082】
操作者は、操作画面81Cを見ながら、入力装置70を操作することで、型閉許可エジェクタ位置をラップ量入力部83Cに入力する。コントローラ90は、エジェクタ工程中にエジェクタロッド53の位置を監視し、エジェクタロッド53が型閉許可エジェクタ位置に達したときに型閉工程を開始させる。エジェクタ工程と型閉工程とをラップさせることで、サイクル時間を短縮できる。また、ラップ量を調整することで、サイクル時間を調整できる。
【0083】
残量入力部87Cは、エジェクタ工程が完了しているか否かの確認のタイミングを、型閉工程の残量で入力する入力欄である。コントローラ90は、型閉工程の残量が残量入力部87Cに入力されたものになるまでに、エジェクタ工程が完了しているか否かの確認を行う。
【0084】
型閉工程の残量は、可動プラテン13の位置で表してよい。可動プラテン13の位置は、基準位置までの残りの距離で表してよい。ここで、可動プラテン13の基準位置は、上述の如く、任意に設定できる。残量入力部87Cに入力する残量に対応する可動プラテン13の位置を、以下、エジェクタ戻り確認位置と呼ぶ。
【0085】
尚、型閉工程の残量は、クロスヘッド20aの位置で表すことも可能である。尚、残量は、位置ではなく、時間で表してもよい。
【0086】
残量入力部87Cは、エジェクタ戻り確認位置を数値として入力する入力欄でもよいし、エジェクタ戻り確認位置を予め定められた複数の候補から選択する入力欄でもよい。後者の場合、候補リストが所定の入力操作に応じて操作画面81Cにポップアップ表示されてよい。操作者は、候補リストを見ながら入力装置70を操作することにより、予め定められた複数の候補の中から、実際に使用するエジェクタ戻り確認位置を選択できる。残量入力部87Cには、現在の設定が数値などで表示されてよい。
【0087】
操作者は、操作画面81Cを見ながら、入力装置70を操作することで、エジェクタ戻り確認位置を残量入力部87Cに入力する。コントローラ90は、型閉工程中に可動プラテン13の位置を監視し、可動プラテン13がエジェクタ戻り確認位置に達するまでに、エジェクタ工程が完了しているか否かの確認を行う。
【0088】
この確認は、可動プラテン13がエジェクタ戻り確認位置に達する時、達する前のいずれのタイミングで行われてもよい。エジェクタ戻り確認位置は、エジェクタ工程が完了しているか否かの確認を行うリミット位置である。
【0089】
エジェクタ工程が完了しているか否かは、エジェクタロッド53が後退完了位置に戻っているか否かで確認できる。エジェクタロッド53が後退完了位置に戻っていることで、コントローラ90はエジェクタ工程が完了していると判断する。
【0090】
コントローラ90は、エジェクタロッド53が後退完了位置に戻っている場合など、エジェクタ工程の完了を確認できた場合に、型閉工程を継続する。一方、コントローラ90は、エジェクタロッド53が後退完了位置に戻っていない場合など、エジェクタ工程の完了を確認できない場合に、型閉工程を中断する。金型装置30やエジェクタ装置50の破損を防止できる。エジェクタ戻り確認位置は、型閉工程を続行するか否かの判断を行うリミット位置であってよい。
【0091】
コントローラ90は、エジェクタ工程の完了を確認できない場合に、成形品を繰り返し製造するサイクル運転を中断し、表示装置80などの出力装置に警報を出力させてよい。出力装置としては、表示装置80の他にスピーカなどが使用できる。
【0092】
コントローラ90は、エジェクタ工程の完了を確認できない場合に、型閉工程を一旦中断し、エジェクタ工程の完了を待ち、その後に型閉工程を再開させてもよい。型閉工程を一旦中断させてから所定時間内にエジェクタ工程が完了しない場合、コントローラ90は、サイクル運転を中断し、出力装置に警報を出力させてよい。
【0093】
残量限界入力部88Cは、残量入力部87Cに入力可能な範囲の限界を入力する入力欄である。コントローラ90は、上記範囲外の入力を残量入力部87Cにおいて禁止する。操作者によるエジェクタ戻り確認位置の誤設定を防止できる。残量限界入力部88Cには、現在の設定が数値などで表示されてよい。
【0094】
例えば、残量限界入力部88Cは、エジェクタ戻り確認位置の下限を入力する入力欄であってよい。コントローラ90は、下限を下回る入力を残量入力部87Cにおいて禁止する。エジェクタ戻り確認位置の下限は、金型装置30やエジェクタ装置50の破損を防止できるように設定され、試験やシミュレーションの結果に基づいて設定される。
【0095】
尚、本実施形態の残量限界入力部88Cは、下限を入力する入力欄であるが、上限を入力する入力欄であってもよい。コントローラ90は、上限を超える入力を残量入力部87Cにおいて禁止する。上限を設定することで、不必要な中断が頻繁に生じる事態を回避できる。両方の入力欄が操作画面81Cに設けられてもよい。
【0096】
特定の操作者のみが残量の限界を設定変更できるようにパスワードが設定されてもよい。
このパスワードを入力するパスワード入力部は、
図3に示すパスワード入力部89Aと同様であるので、図示および説明を省略する。
【0097】
尚、本実施形態の残量限界入力部88Cは、残量入力部87Cと同一の操作画面に設けられるが、別の操作画面に設けられ、切り替えて表示されてもよい。残量限界入力部88Cは、パスワード入力部に正当なパスワードが入力された場合にのみ表示されてもよい。
【0098】
以上、射出成形機の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【0099】
例えば、残量入力部や残量限界入力部は、
図6に示す操作画面81Cだけではなく、
図3に示す操作画面81、
図5に示す操作画面81Bなどに適用されてもよい。