【実施例】
【0049】
以下、本実施の形態をさらに詳細に説明するため、具体例を示しながら本願発明を説明するが、必ずしもこれらの事例に限定されるものではないことを予め断っておく。
【0050】
<実施例1>
・ 厚み12μmのPETフィルムを基材フィルムとして用いる。
・ 高周波加熱法により
PETフィルムの表面に50nmの厚みを有する銀蒸着層を設ける。
・ 銀蒸着層の上に、エポキシメラミン樹脂をグラビアコーティング法により厚み1μmとした金属蒸着保護層を設け、金属蒸着フィルム(A)を得る。
・ 金属蒸着フィルム(A)を0.38mmにマイクロスリットして糸とする。
・ 他方、糸太さが150デニールのマルチフィラメント24本よりなるレーヨン糸を用意する。これら2つの糸を丸撚して撚糸を得る。
・ この撚糸を穴が空いた平行プラスチック管に
巻き密度を0.4g/cm
3
巻き形状肩部分の半径を100mmとした略チーズ状の外観を有する巻糸とする。
・ 蛍光染料の量が1.0%owfとアニオン系ポリエステル繊維用蛍光増白剤0.1%owfの染色液に、染色温度を115℃、染色時間を30分に設定し、平行プラスチック管の内側とチーズ状に巻いた撚糸の外側とから交互に蛍光染液を循環させて撚糸をチーズ染色し、蛍光発色を呈するラメ糸を得る。(ラメ糸A)
【0051】
<実施例2>
・ 厚み12μmのPETフィルムを基材フィルムとして用いる。
・ 高周波加熱法により
PETフィルムの表面に50nmの厚みを有するアルミニウム蒸着層を設ける。
・ アルミニウム蒸着層の上に、エポキシメラミン樹脂をグラビアコーティング法により厚み1μmとした金属蒸着保護層を設け、金属蒸着フィルム(B)を得る。
・ 金属蒸着フィルム(B)を0.38mmにマイクロスリットして糸とする。
・ 他方、糸太さが150デニールのマルチフィラメント24本よりなるレーヨン糸を用意する。これら2つの糸を丸撚して撚糸を得る。
・ この撚糸を穴が空いた平行プラスチック管に
巻き密度を0.4g/cm
3
巻き形状肩部分の半径を100mmとした略チーズ状の外観を有する巻糸とする。
・ 蛍光染料の量が1.0%owfとアニオン系ポリエステル繊維用蛍光増白剤0.1%owfの染色液に、染色温度を115℃、染色時間を30分に設定し、平行プラスチック管の内側とチーズ状に巻いた撚糸の外側とから交互に蛍光染液を循環させて撚糸をチーズ染色し、蛍光発色を呈するラメ糸を得る。(ラメ糸B)
【0052】
<実施例3>
・ 厚み6μmのPETフィルムを基材フィルムとして用いる。
・基材フィルムの上に、ポリエステル樹脂をグラビアコーティング法により厚み1μmのアンダーコート層を設ける。
・ アンダーコート層の上に、高周波加熱法によ
り50nmの厚みを有する銀蒸着層を設ける。
・ 銀蒸着層の上に、エポキシメラミン樹脂をグラビアコーティング法により厚み1μmとした金属蒸着保護層を設ける。
・金属蒸着保護層同士が内側になるようにポリエステル接着剤で貼り合わせ2ply構成にした金属蒸着フィルム(C)を得る。
・ 金属蒸着フィルム(C)を0.38mmにマイクロスリットして糸とする。
・ 他方、糸太さが150デニールのマルチフィラメント24本よりなるレーヨン糸を用意する。これら2つの糸を丸撚して撚糸を得る。
・ この撚糸を穴が空いた平行プラスチック管に
巻き密度を0.4g/cm
3
巻き形状肩部分の半径を100mmとした略チーズ状の外観を有する巻糸とする。
・ 蛍光染料の量が1.0%owfとアニオン系ポリエステル繊維用蛍光増白剤0.1%owfの染色液に、染色温度を115℃、染色時間を30分に設定し、平行プラスチック管の内側とチーズ状に巻いた撚糸の外側とから交互に蛍光染液を循環させて撚糸をチーズ染色し、蛍光発色を呈するラメ糸を得る。(ラメ糸C)
【0053】
<比較例1>
・ 厚み12μmのPETフィルムを基材フィルムとして用いる。
・ 高周波加熱法により
PETフィルムの表面に50nmの厚みを有する銀蒸着層を設ける。
・ 銀蒸着層の上に、エポキシメラミン樹脂に対し蛍光塗料1.0%重量部を溶解して得られた塗料をグラビアコーティング法により厚みが1μmとなるようにこれを塗布し蛍光発色を呈する金属蒸着フィルム(W)を得る。
・ 金属蒸着フィルム(W)を0.38mmにマイクロスリットして糸とする。
・ 他方、糸太さが150デニールのマルチフィラメント24本よりなるレーヨン糸を用意する。これら2つの糸を丸撚して撚糸を得る。(ラメ糸W)
【0054】
<比較例2>
・ 厚み12μmのPETフィルムを基材フィルムとして用いる。
・ 高周波加熱法により
PETフィルムの表面に50nmの厚みを有する銀蒸着層を設ける。
・ 銀蒸着層の上に、エポキシメラミン樹脂をグラビアコーティング法により厚みが1μmとなるように塗布し金属蒸着保護層を設け、金属蒸着フィルム(X)を得る。
・ 金属蒸着フィルム(X)を0.38mmにマイクロスリットして糸とする。
・ 他方、糸太さが150デニールのマルチフィラメント24本よりなるレーヨン糸を用意する。これら2つの糸を丸撚して撚糸を得る。
・ この撚糸を穴が空いた平行プラスチック管に
巻き密度を0.9g/cm
3
巻き形状肩部分の半径を100mmとした略チーズ状の外観を有する巻糸とする。
・ 蛍光染料の量が1.0%owfとアニオン系ポリエステル繊維用蛍光増白剤0.1%owfの染色液に、染色温度を115℃、染色時間を30分に設定し、平行プラスチック管の内側とチーズ状に巻いた撚糸の外側とから交互に蛍光染液を循環させて撚糸をチーズ染色し、蛍光発色を呈するラメ糸を得る。(ラメ糸X)
【0055】
<比較例3>
・ 厚み12μmのPETフィルムを基材フィルムとして用いる。
・ 高周波加熱法により
PETフィルムの表面に50nmの厚みを有する銀蒸着層を設ける。
・ 銀蒸着層の上に、エポキシメラミン樹脂をグラビアコーティング法により厚みが1μmとなるように塗布し金属蒸着保護層を設け、金属蒸着フィルム(Y)を得る。
・ 金属蒸着フィルム(Y)を0.38mmにマイクロスリットして糸とする。
・ 他方、糸太さが150デニールのマルチフィラメント24本よりなるレーヨン糸を用意する。これら2つの糸を丸撚して撚糸を得る。
・ この撚糸を穴が空いた平行プラスチック管に
巻き密度を0.4g/cm
3
巻き形状肩部分の半径を100mmとした略チーズ状の外観を有する巻糸とする。
・ 蛍光染料の量が1.0%owfとアニオン系ポリエステル繊維用蛍光増白剤0.1%owfの染色液に、染色温度を145℃、染色時間を30分に設定し、平行プラスチック管の内側とチーズ状に巻いた撚糸の外側とから交互に蛍光染液を循環させて撚糸をチーズ染色し、蛍光発色を呈するラメ糸を得る。(ラメ糸Y)
【0056】
<比較例4>
・ 厚み12μmのPETフィルムを基材フィルムとして用いる。
・ 高周波加熱法によりPTEフィルムの表面に50nmの厚みを有する銀蒸着層を設ける。
・ 銀蒸着層の上に、エポキシメラミン樹脂をグラビアコーティング法により厚みが1μmとなるように塗布し金属蒸着保護層を設け、金属蒸着フィルム(Z)を得る。
・ 金属蒸着フィルム(Z)を0.38mmにマイクロスリットして糸とする。
・ 他方、糸太さが150デニールのマルチフィラメント24本よりなるレーヨン糸を用意する。これら2つの糸を丸撚して撚糸を得る。
・ この撚糸を穴が空いた平行プラスチック管に
巻き密度を0.4g/cm
3
巻き形状肩部分の半径を100mmとした略チーズ状の外観を有する巻糸とする。
・ 蛍光染料の量が1.0%owfのみの染色液に、染色温度を115℃、染色時間を30分に設定し、平行プラスチック管の内側とチーズ状に巻いた撚糸の外側とから交互に蛍光染液を循環させて撚糸をチーズ染色し、蛍光発色を呈するラメ糸を得る。(ラメ糸Z)
【0057】
<発明の評価>
(1)耐光性の評価
実施例、比較例で得られたラメ糸A〜C、W〜Zを
ISO規格 ISO 105−B02(JIS規格 L 08
43)に準じて耐光堅牢度について比較を行った。
* 耐光性
実施例1(ラメ糸A) → ○(4級)
実施例2(ラメ糸B) → ○(4級)
実施例3(ラメ糸C) → ○(4級)
比較例1(ラメ糸W) → ×(1級以下)
比較例2(ラメ糸X) → ○(4級)
比較例3(ラメ糸Y) → ○(4級)
比較例4(ラメ糸Z) → △(2級)
【0058】
(2)外観の評価
実施例、比較例で得られたラメ糸A〜C、W〜Zを、目視にて染色ムラ、蛍光発色性及び金属光沢の項目について外観品位の比較を行った。
染色ムラ 蛍光発色性 金属光沢
実施例1(ラメ糸A) ○(ムラ無し) ◎(良好) ◎(光沢良好)
実施例2(ラメ糸B) ○(ムラ無し) ○(良好) ○(光沢良好)
実施例3(ラメ糸C) ○(ムラ無し) ◎(良好) ◎(光沢良好)
比較例1(ラメ糸W) ○(ムラ無し) ×(鈍い) △(光沢やや劣る)
比較例2(ラメ糸X) ×(ムラ有り) ○(良好) ○(光沢良好)
比較例3(ラメ糸Y) ○(ムラ無し) ○(良好) ×(金属光沢消失)
比較例4(ラメ糸Z) ○(ムラ無し) △(若干鈍い) ◎(光沢良好)
【0059】
以上の通り、本願発明に準じて製造されたラメ糸A〜Cであれば蛍光ムラもなく蛍光発色性、金属光沢も良好なラメ糸を得ることが出来るのに対し、本願発明にて示された条件にそぐわない条件で得られたラメ糸であれば、蛍光ムラ、蛍光発色性、金属光沢のいずれかにおいて致命的な欠点が生じることがわかる。