特許第6400895号(P6400895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6400895表示装置、表示システム、および表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6400895
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月3日
(54)【発明の名称】表示装置、表示システム、および表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/36 20060101AFI20180920BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20180920BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20180920BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20180920BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20180920BHJP
【FI】
   G09G5/36 520K
   G09G5/00 510V
   G09G5/00 550C
   G09G5/14 A
   G09G5/00 555D
   H04N21/431
   H04N21/436
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-219730(P2013-219730)
(22)【出願日】2013年10月23日
(65)【公開番号】特開2015-82026(P2015-82026A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153110
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100131037
【弁理士】
【氏名又は名称】坪井 健児
(74)【代理人】
【識別番号】100099069
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 努
【審査官】 橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/105443(WO,A1)
【文献】 特開2010−199758(JP,A)
【文献】 特開2013−145451(JP,A)
【文献】 特開2013−125551(JP,A)
【文献】 特開2008−293419(JP,A)
【文献】 特開2008−269044(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0066763(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/36
G09G 5/00
G09G 5/14
H04N 21/431
H04N 21/436
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携行可能な端末機器に接続される表示装置であって、
該表示装置の周縁に点在するように配置され、前記端末機器に表示されている画像データと接続認証データを該端末機器から受信する複数の受信部と、
前記端末機器と該端末機器から接続認証データを近距離通信で受信した受信部の位置とを関連付けた受信位置情報を記憶する記憶部と、
前記受信した画像データを表示する表示部と、
前記受信した画像データの向きを設定して前記表示部に表示させる制御部とを備え、
該制御部は、前記受信位置情報に基づき、前記受信部の位置で前記端末機器に正対するように、前記受信した画像データを前記表示部に表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
該表示装置は、表示装置側のアドレスを前記端末機器に送信する送信部をさらに備え、
前記受信部は、前記端末機器が前記表示装置側のアドレスを用いて送信した、前記端末機器に表示されている画像データを前記端末機器から受信することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
携行可能な端末機器と、該端末機器に接続される表示装置とを有する表示システムであって、
前記表示装置は、該表示装置の周縁に点在するように配置され、前記端末機器に表示されている画像データと接続認証データを該端末機器から受信する複数の受信部と、前記端末機器と該端末機器から接続認証データを近距離通信で受信した受信部の位置とを関連付けた受信位置情報を記憶する記憶部と、前記受信した画像データを表示する表示部と、前記受信した画像データの向きを設定して前記表示部に表示させる制御部とを備え、該制御部は、前記受信位置情報に基づき、前記受信部の位置で前記端末機器に正対するように、前記受信した画像データを前記表示部に表示させ、
前記端末機器は、該端末機器に表示されている画像データを前記表示装置に送信する際、前記表示装置が予め前記端末機器に送信した表示装置側のアドレスを用いて送信することを特徴とする表示システム。
【請求項4】
携行可能な端末機器に接続される表示装置による表示方法であって、
前記表示装置の周縁に点在するように配置された複数の受信部で、前記端末機器に表示されている画像データと接続認証データを該端末機器から受信する受信ステップと、
前記端末機器と該端末機器から接続認証データを近距離通信で受信した受信部の位置とを関連付けた受信位置情報を記憶する記憶ステップと、
前記受信した画像データの向きを設定して表示部に表示させる制御ステップと、
前記受信した画像データを前記表示部に表示する表示ステップとを含み、
前記制御ステップでは、前記受信位置情報に基づき、前記受信部の位置で前記端末機器に正対するように、前記受信した画像データを前記表示部に表示させることを特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示システム、および表示方法に関し、詳細には、携行可能な端末機器に接続される表示装置、表示システム、および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示画面を有したPC(Personal Computer)などの表示装置では、その表示内容がキーボードの操作位置から読み取れるように表示されている。このため、表示内容はキーボードの操作位置以外の方向からは読み取り難くなる。
ここで、対面での打ち合わせ等では、表示画面を平置きするタイプの表示装置が活用されている。この場合、表示画面の操作者とは別の方向にいる者にも、その表示内容を読み取り可能にする必要がある。例えば、特許文献1,2には、表示内容を対面する2方向などからそれぞれ読み取り可能にした表示装置の技術が提案されており、当該技術を上記表示装置に利用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−197507号公報
【特許文献2】特開平8−179753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、スマートフォンやPDA(Personal Digital Assistant)などの携行可能な端末機器が急速に普及し、この端末機器の表示画面を液晶モニタ等の表示装置の大画面にそのまま表示させるMiracast(登録商標)という技術が知られている。このMiracastは、Wi-Fi Allianceで策定された無線接続規格であり、無線LANを使って表示装置と端末機器とを1対1で接続する。そのため、無線LANルータは不要となる。接続は簡単で、例えば、表示装置側の所定の入力切替ボタンを選択し、接続の待受中になったら、対応する端末機器側でMiracast用アプリケーションを起動させることにより、双方が相手を認識し、端末機器の画像データが表示装置の大画面に表示される。
【0005】
しかし、上記の特許文献1,2に記載の技術を利用した場合、表示方向の設定が必要になり、端末機器の使用者が見やすい向きの画像データを速やかに表示できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、Miracast接続などにより端末機器と同じ画像を表示装置に表示させた場合に、画像データを、端末機器の使用者に見やすい向きで速やかに表示できる表示装置、表示システム、および表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、携行可能な端末機器に接続される表示装置であって、該表示装置の周縁に点在するように配置され、前記端末機器に表示されている画像データと接続認証データを該端末機器から受信する複数の受信部と、前記端末機器と該端末機器から接続認証データを近距離通信で受信した受信部の位置とを関連付けた受信位置情報を記憶する記憶部と、前記受信した画像データを表示する表示部と、前記受信した画像データの向きを設定して前記表示部に表示させる制御部とを備え、該制御部は、前記受信位置情報に基づき、前記受信部の位置で前記端末機器に正対するように、前記受信した画像データを前記表示部に表示させることを特徴としたものである。
【0008】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、該表示装置は、表示装置側のアドレスを前記端末機器に送信する送信部をさらに備え、前記受信部は、前記端末機器が前記表示装置側のアドレスを用いて送信した、前記端末機器に表示されている画像データを前記端末機器から受信することを特徴としたものである。
【0009】
第3の技術手段は、携行可能な端末機器と、該端末機器に接続される表示装置とを有する表示システムであって、前記表示装置は、該表示装置の周縁に点在するように配置され、前記端末機器に表示されている画像データと接続認証データを該端末機器から受信する複数の受信部と、前記端末機器と該端末機器から接続認証データを近距離通信で受信した受信部の位置とを関連付けた受信位置情報を記憶する記憶部と、前記受信した画像データを表示する表示部と、前記受信した画像データの向きを設定して前記表示部に表示させる制御部とを備え、該制御部は、前記受信位置情報に基づき、前記受信部の位置で前記端末機器に正対するように、前記受信した画像データを前記表示部に表示させ、前記端末機器は、該端末機器に表示されている画像データを前記表示装置に送信する際、前記表示装置が予め前記端末機器に送信した表示装置側のアドレスを用いて送信することを特徴としたものである。
【0010】
第4の技術手段は、携行可能な端末機器に接続される表示装置による表示方法であって、前記表示装置の周縁に点在するように配置された複数の受信部で、前記端末機器に表示されている画像データと接続認証データを該端末機器から受信する受信ステップと、前記端末機器と該端末機器から接続認証データを近距離通信で受信した受信部の位置とを関連付けた受信位置情報を記憶する記憶ステップと、前記受信した画像データの向きを設定して表示部に表示させる制御ステップと、前記受信した画像データを前記表示部に表示する表示ステップとを含み、前記制御ステップでは、前記受信位置情報に基づき、前記受信部の位置で前記端末機器に正対するように、前記受信した画像データを前記表示部に表示させることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、端末機器からの画像データの受信に伴って画像データの向きを自動的に変更するので、従来のような表示方向の設定が不要になり、画像データを、端末機器の使用者に見やすい向きで速やかに表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る表示システムの外観構成例を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る表示装置および端末機器の機能的な構成例を示すブロック図である。
図3図2の表示装置による表示方法の一例を説明するためのフロー図である。
図4図2の表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る表示装置による表示方法の一例を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の表示装置、表示システム、および表示方法に係る好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る表示システムの外観構成例を示す図である。表示システムは、携帯端末2a,2bと、この携帯端末2a,2bに接続される液晶モニタ1とからなる。携帯端末2a,2bが本発明の携行可能な端末機器に、液晶モニタ1が本発明の表示装置にそれぞれ相当する。
【0014】
液晶モニタ1は、例えば、表示画面と液晶モニタの接地面との角度が0°程度の平置きタイプ(ホリゾンスタイルともいう)であり、携帯端末2a,2bに比べて大画面で構成されている。なお、本発明は、ペンライティングスタイル(表示画面と接地面との角度が10°程度)にも適用可能である。
大画面の液晶モニタ1と小画面の携帯端末2a,2bとは、例えば、Felica(登録商標)等のRFID(Radio Frequency Identification)システムを用いた無線接続や、前述のMiracast接続あるいは同様の機能を有する無線接続されており、これらのペアリングが終了した場合、携帯端末2a,2bで表示する画像データを液晶モニタ1に送信し、液晶モニタ1では携帯端末2a,2bと同じ画像を表示する。
【0015】
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置および端末機器の機能的な構成例を示すブロック図である。液晶モニタ1は、例えば計4つの送受信部11a〜11d、認証処理部12、制御部13、記憶部14、表示パネル制御部15、および表示パネル16を備える。なお、送受信部11a〜11dが本発明の受信部や送信部に、表示パネル16が本発明の表示部にそれぞれ相当するが、本発明に係る表示装置としては、液晶モニタ1以外の薄型表示装置であってもよく、有機ELパネル、プラズマディスプレイあるいは液晶テレビをモニタとして利用するものであってもよい。
【0016】
送受信部11a〜11dは、液晶モニタ1の周縁に沿って点在するように配置されている。例えば、図2に示した液晶モニタ1の手前側(図1に示した表示パネル16の手前側の長辺に相当する)では、左端近傍の送受信部11dと右端近傍の送受信部11cとを有し、液晶モニタ1の奥側(図1に示した表示パネル16の奥側の長辺に相当する)では、左端近傍の送受信部11aと右端近傍の送受信部11bとを有している。
【0017】
送受信部11a〜11dは、後述のように液晶モニタ側のアドレスを制御部13からの指示によって携帯端末2a,2bに送信し、その後、携帯端末2a,2bから送られてくる認証データを受信し、認証処理部12に送る。
認証処理部12は、携帯端末2a,2bからのペアリング要求があり、携帯端末2a,2bからの認証データと記憶部14のデータとの照合結果が正しい場合、その処理結果を制御部13に送り、制御部13は携帯端末2a,2bとの通信を確立させる。なお、この認証は、近距離通信に適用されるRFIDであり、一例としてNFC(Near Field Communication)が用いられる。
【0018】
制御部13は、液晶モニタ1の動作を制御するためのCPUなどで構成され、記憶部14の例えばROMに格納されている各種のプログラムやデータをRAMにロードし、このロードしたRAM内のプログラムを実行する。
また、制御部13は、認証位置判定部13a、接続処理部13b、および映像処理部13cを有している。
【0019】
認証位置判定部13aは、携帯端末2a,2bと通信した送受信部11a〜11dの位置を認証処理部12から受け取った場合、携帯端末2a,2bと送受信部11a〜11dの位置とを関連付けた受信位置情報を作成する。記憶部14はこの受信位置情報を記憶する。
接続処理部13bは、液晶モニタ1と携帯端末2a,2bとの通信が確立した後、携帯端末2a,2bから送受信部11a〜11d等を介して送られてくる画像データを解析、デコードし、デコード後の画像データを映像処理部13cに送る。
【0020】
映像処理部13cは、認証位置判定部13aによる受信位置情報に基づき、携帯端末2a,2bに表示されている画像データの向きと、送受信部11a〜11dの位置から図1に示した表示パネル16を見た際にこの表示パネル16に表示される画像データの向きとが同じ方向となるように、受信した画像データの向きを設定し、この設定結果を表示パネル制御部12に送る。このため、映像処理部13cが本発明の制御部に相当する。
【0021】
表示パネル制御部12は、表示パネル16の駆動制御を行うためのもので、映像処理部13cからの画像データを可視できる状態で表示パネル16に表示させる。表示パネル16は、本例では液晶パネルで構成される。
携帯端末2a,2bは、例えば、スマートフォンなどであり、送受信部21、表示部22、制御部23、および記憶部24を備える。なお、本発明に係る端末機器としては、携帯端末2a,2b以外であってもよく、例えば、タッチパネルを搭載したPCなどであってもよい。
【0022】
図3は、図2の表示装置による表示方法の一例を説明するためのフロー図であり、図4は、図2の表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
認証処理部12は、携帯端末2a,2bが所定範囲内に接近しているか否かを判定する(ステップS1)。送受信部11a〜11dでは起動信号(電磁波)が常時送信されており、例えば、携帯端末2a,2bの使用者が携帯端末2a,2bを送受信部11a〜11dにかざした場合、携帯端末2a,2bの送受信部21は、送受信部11a〜11dからの起動信号を受信する。この場合、例えば、携帯端末2a,2bの制御部23は、この起動信号の搬送波を整流して直流電源を作成して内部回路を駆動させ、応答信号を送受信部11a〜11dに送信する。
【0023】
この応答信号の受信により、認証処理部12は、携帯端末2a,2bが送受信部11a〜11dの所定範囲内に接近したと判定し(ステップS1のYES)、液晶モニタ側のアドレスを携帯端末2a,2bに送信する(ステップS2)。
次に、認証処理部12は、携帯端末2a,2bからのペアリング要求があるか否かを判定する(ステップS3)。
【0024】
携帯端末2a,2bがこの液晶モニタ側のアドレスを用い、ペアリングを要求する旨の信号を携帯端末2a,2bの認証データと共に、液晶モニタ1に送信した場合(ステップS3のYES)、認証処理部12は、携帯端末2a,2bの認証処理を行う(ステップS4)。そして、携帯端末2a,2bからの認証データと液晶モニタ1の記憶部14のデータとの照合結果が正しい場合、認証処理部12は、携帯端末2a,2bとの通信を確立させた送受信部11a〜11dの位置を認証位置判定部13aに送る。
【0025】
このように、液晶モニタ1から液晶モニタ側のアドレスを携帯端末2a,2bに送信しており、携帯端末2a,2bでは液晶モニタ側のアドレスを用いて液晶モニタ1に認証データを送信するので、携帯端末2a,2b側の秘密情報(例えば、携帯端末側アドレス等)が携帯端末2a,2bの使用者の意図に反して携帯端末2a,2bから流出するのを防止できる。
【0026】
続いて、認証位置判定部13aは、携帯端末2a,2bと送受信部11a〜11dの位置とを関連付けた受信位置情報を作成し(ステップS5)、接続処理部13bは、携帯端末2a,2bから送られてくる画像データを解析、デコードする(ステップS6)。
映像処理部13cは、認証位置判定部13aによる受信位置情報に基づき、接続処理部13bでデコードした画像データの向きを変更するか否かを判定する(ステップS7)。
【0027】
仮に、図4(A)に示すように、認証位置判定部13aによる受信位置情報では、携帯端末2aが図2で示した送受信部11dで認証された場合や(図3のステップS7のNO)、携帯端末2bが図2で示した送受信部11cで認証された旨を作成した場合(図3のステップS7のNO)、映像処理部13cは、携帯端末2a,2bの各画像を図4(A)に示した液晶モニタ1の手前側から読み取れるように、受信した画像データの向きを設定する。これにより、表示パネル16の大画面には、携帯端末2a,2bの表示部22に表示された各画像がいずれも同じ方向から読み取れるように、前述のMiracast接続を用いて表示される(ステップS9)。
【0028】
一方、例えば、図2図4(B)に示すように、認証位置判定部13aによる受信位置情報では、携帯端末2aが図2で示した送受信部11dで認証された場合(図3のステップS7のNO)、映像処理部13cは、携帯端末2aの画像を図4(B)に示した液晶モニタ1の手前側から読み取れるように、受信した画像データの向きを設定する。しかし、携帯端末2bについては図2で示した送受信部11bで認証された旨を作成した場合(図3のステップS7のYES)、映像処理部13cは、携帯端末2bの画像を図4(B)に示した液晶モニタ1の奥側から読み取れるように、受信した画像データの向きを反転して設定する(図3のステップS8)。
【0029】
これにより、表示パネル16の大画面には、携帯端末2aの表示部22に表示された画像がMiracast接続を用いて表示され(ステップS9)、また、携帯端末2bの表示部22に表示された画像は、携帯端末2aの画像に対して対面方向から読み取れるように、Miracast接続を用いて表示される(ステップS9)。
このように、携帯端末2a,2bの認証に伴って画像データの向きを自動的に変更するので、従来のような表示方向の設定が不要になり、画像データを、携帯端末2a,2bの使用者に見やすい向きで速やかに表示できる。
【0030】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る表示装置による表示方法の一例を説明するためのフロー図であり、本実施形態では、Miracast接続に替えて同様の機能を有する無線接続を利用している。
具体的には、携帯端末2a,2bの認証については、上記実施形態のステップS1〜S5と同じであるが、携帯端末2a,2bからの画像データの送信については、この認証に関するRFIDシステムを用いた無線通信とは別系統の無線通信で行われている。
【0031】
例えば、携帯端末2a,2bの使用者が携帯端末2a,2bを送受信部11a〜11dにかざし、携帯端末2a,2bが送受信部11a〜11dの所定範囲内に接近したと判定された場合(ステップS11のYES)、液晶モニタ1で画像データを受け取るために、液晶モニタ側のアドレスが携帯端末2a,2bに送信される(ステップS12)。
このように、画像データについても、携帯端末2a,2bでは液晶モニタ側のアドレスを用いて送信しているので、携帯端末2a,2b側の秘密情報(例えば、携帯端末側アドレス等)が携帯端末2a,2bの使用者の意図に反して携帯端末2a,2bから流出するのを防止できる。
【0032】
次に、液晶モニタ1の制御部13は、例えば、携帯端末2a,2bが有する画像のファイル名の一覧のデータを、送受信部11a〜11dを介して携帯端末2a,2bに要求する(ステップS13)。
携帯端末2a,2bの制御部23は、記憶部24から画像のファイル名の一覧のデータを読み出し、送受信部21を介して液晶モニタ1に送信する(ステップS14)。
【0033】
続いて、液晶モニタ1の制御部13は、受け取った画像のファイル名の一覧のデータを記憶部14に記憶し、例えば、このファイル名の一覧の画面を表示パネル16に表示する(ステップS15)。その後、ファイル名が選択された場合には(ステップS16のYES)、上記実施形態と同様に、映像処理部13cは、認証位置判定部13aによる受信位置情報に基づき、ファイル名が選択された画像データの向きを変更するか否かを判定し、設定した画像データの向きで表示パネル16の大画面に表示させる。
【0034】
このように、画像データに関する無線通信は、RFIDシステムを用いた無線通信とは別系統で構成されるため、当該システムを用いた場合に比べて通信速度が速く、携帯端末2a,2bからの画像データを速やかに受信して表示パネル16に表示可能になる。
【符号の説明】
【0035】
1…液晶モニタ、2a,2b…携帯端末、11a,11b,11c,11d…送受信部、12…認証処理部、13…制御部、13a…認証位置判定部、13b…接続処理部、13c…映像処理部、14…記憶部、15…表示パネル制御部、16…表示パネル、21…送受信部、22…表示部、23…制御部、24…記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5