(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスピーカの斜視図であり、
図2はスピーカの断面構造を示した図である。
このスピーカ10は、スピーカユニット21と、スピーカユニット21を駆動するスピーカ回路部31とを備え、車両のドアなどに取り付けられる車載用スピーカである。
スピーカユニット21は、大別すると、前面に向かって拡径する有底円筒形状のスピーカフレーム22と、スピーカフレーム22の前面に配置される振動板23(
図2参照)およびボイスコイルボビン24と、スピーカフレーム22の背面に配置されると共にボイスコイルボビン24の一部が入る孔部を有するドーナツ型の永久磁石25(
図2参照)とを備えている。スピーカ回路部31は、スピーカフレーム22の外周部に設けた箱状の回路支持部22Aに支持されている。この回路支持部22Aは、スピーカ10のガスケットと一体で形成する等の方法で固定されている。
【0016】
ボイスコイルボビン24には、ボイスコイル26(後述する
図3)が巻回され、このボイスコイル26は、配線として機能するフレキシブルプリント基板(FPC)41を介してスピーカ回路部31に接続されている。なお、
図2中、符号22Bは、箱状の回路支持部22Aを覆う蓋部材である。
【0017】
スピーカフレーム22は、ドーナツ型の底フレーム22Bと、底フレーム22Bよりも大径の環状に形成された外フレーム22Cと、底フレーム22Bと外フレーム22Cとを周方向に間隔をあけて架橋する複数本(本構成では4本)の支柱22Dとを一体に備えている。なお、本実施形態のスピーカフレーム22は金属製である。
底フレーム22Bの前面には、スピーカ10の軸線に対して垂直な平坦面を有する凹み部が形成され、この凹み部に、フレキシブルプリント基板41の後述するボビン側基板42が配置される。
また、この底フレーム22Bの内周に、環状の基板取付部材27が取り付けられ、この基板取付部材27と底フレーム22Bに、フレキシブルプリント基板41が配置固定される。これによって、フレキシブルプリント基板41がスピーカフレーム22に取り付けられる。
【0018】
ボイスコイルボビン24は、単一のボビンに複数のリード線を多層に巻き付けることにより複数のボイスコイル26が形成された多層型のボイスコイルボビン(多層ボイスコイルボビンとも言う)である。
スピーカ回路部31は、車載オーディオ装置(CDプレーヤーやカーナビゲーション装置等の音声出力装置)51から出力される音声信号SAに各種の信号処理を行って駆動用デジタル信号を生成し、各ボイスコイル26に供給する回路である。これら駆動用デジタル信号は、複数のボイスコイル26によって形成された磁場を加算して十分なスピーカ駆動力を得るための信号である。
【0019】
図3は、このスピーカの電気的構成を示しており、この
図2を参照しながらスピーカ回路部31の電気的構成を説明する。
スピーカ回路部31は、信号処理部32とドライバ回路33とを備えている。信号処理部32は、各種信号処理を行う演算処理回路で構成され、複数コイル用ΔΣ(デルタシグマ)変調回路35と、ミスマッチシェーピング回路36とを備えている。
複数コイル用ΔΣ変調回路35は、音声信号SAにΔΣ(デルタシグマ)変調処理を行うものであり、図示は省略するが、オーバーサンプリング部と、多値ΔΣ変調部と、コード変換部とを備える。そして、音声信号SAをオーバーサンプリング部でオーバーサンプリングすることによって、再量子化雑音の分布を広い帯域に分布させ、多値ΔΣ変調部でΔΣ変調することによって、再量子化雑音を整形する。その後、コード変換部が、多値ΔΣ変調部の多値ビット出力を、ボイスコイル数に対応したNビットの温度計コードに変換して出力する。
【0020】
温度計コードに変換することによって、複数のボイスコイル26に対応し、かつ、スピーカユニット21を直接デジタル信号で駆動可能な複数(本例では6つ)の駆動用デジタル信号を生成することができる。なお、この複数コイル用ΔΣ変調回路35には、特開2009−71872号公報に開示されるΔΣ変調回路が適用されているが、これに限らず、他のDA変換等に用いる公知のΔΣ変調回路を適用しても良い。
【0021】
ミスマッチシェーピング回路36は、複数コイル用ΔΣ変調回路35の出力側設けられ、コード変換部から出力される複数の駆動用デジタル信号SSにミスマッチシェーピング処理を行うことにより、複数のボイスコイルのバラツキやノイズによる再生音への影響を抑える。ミスマッチシェーピング回路36から出力された駆動用デジタル信号は、ドライバ回路33を経由してスピーカユニット21の各ボイスコイル26に供給され、各ボイスコイル26によって形成された磁場を加算してスピーカ駆動力を得る。
なお、ミスマッチシェーピング回路36には公知のミスマッチシェーピング回路を広く適用可能である。また、このスピーカの基本構成は、特開2012−227589号公報などに開示される公知の構成を広く適用可能である。
【0022】
図4は、フレキシブルプリント基板41の斜視図であり、
図5はフレキシブルプリント基板41の平面図である。
フレキシブルプリント基板41は、柔軟性を有するベースフィルムの上に、配線となる導体箔(
図4、
図5中、符号SLで示す)を配し、その上にカバーフィルムを形成した構造である。本構成では、更に、絶縁層として機能する絶縁フィルムを被せ、これによって優れたシールド特性を有している。
なお、本実施形態では、6個のボイスコイルが形成されるため、各ボイスコイルの両端に接続される導体箔SLの総数は12本となっている。
【0023】
図4および
図5に示すように、フレキシブルプリント基板41は、大別すると、ボイスコイルボビン24周囲に配置されるボビン側基板(ダンパー機能部)42と、ボビン側基板42からスピーカ回路部31に向けて延出する延出基板43とを一体に備えている。
ボビン側基板42は、全体形状として、中央に貫通孔(孔部)42Aを有するドーナツ形状に形成され、貫通孔42Aがボイスコイルボビン24と略同径に形成される。また、貫通孔42Aの縁部には、各導体箔SLの一端に連なる接続端子42B(
図4参照)が等角度間隔で突出し、上方(貫通孔42Aの軸線と平行)に向けて屈曲している。
【0024】
貫通孔42Aにはボイスコイルボビン24が挿入され(
図1、
図2参照)、このボイスコイルボビン24に各接続端子42Bが接合(接続)される。これによって、ボイスコイルボビン24に設けられた各ボイスコイル26がボビン側基板42に配線接続されるとともに、ボイスコイルボビン24とボビン側基板42の内周部とが物理的に一体に接続される。
このように、等間隔に設けた複数の接続端子42Bをボビン側基板42に接続するので、接続端子42Bを一カ所にまとめて接続した場合と比べて、ボイスコイルボビン24とボビン側基板42との接続強度を周方向に均等化することができる。
【0025】
また、ボビン側基板42の内周部をボイスコイルボビン24に接続するので、ボビン側基板42が、ボイスコイルボビン24の径方向外側に張り出す張出部材になるとともに、ボイスコイルボビン24の外周に沿って延びる円弧状の形状となる。なお、このような形状を有する点で、従来のボイスコイルボビンにフレキシブル配線基板を用いた特許文献1(特開2012−15874号公報)とは全く異なる形状である。
本構成では、
図1に示すように、ボビン側基板42の外周部が、スピーカフレーム22に環状の基板取付部材27を介して取り付けられるので、ボビン側基板42がボイスコイルボビン24を支持する支持部材として機能することは明らかである。
また、ボビン側基板42を、基板取付部材27を介して取り付けるので、ボビン側基板42を直接スピーカフレーム22に配置固定する場合と比べて、ボビン側基板42の外周径を小さくすることができる。これにより、フレキシブルプリント基板41を小型化でき、コスト低減にも有利となる。
【0026】
ボビン側基板42の外周部よりも内側の基板領域は、スピーカフレーム22および基板取付部材27には配置固定されていないので、弾性変形可能である。このため、ボイスコイルボビン24に電磁力が作用した場合に、ボイスコイル26の駆動(前後移動)を許容するとともに、ボビン側基板42が有する弾性力や減衰力により、ボイスコイル26の位置保持や振幅制限を行う。
これによって、ボビン側基板42は、ボイスコイル26の位置保持や振幅制限を行うダンパーとして機能するダンパー機能部として機能する。本構成では、ボビン側基板42だけでボイスコイル26の位置保持や振幅制限を行い、専用のダンパーを備えない構成とされている。
【0027】
このボビン側基板42について更に詳述する。
ボビン側基板42は、ボイスコイルボビン24に接続される環状の内周基板部(第1基板部)42Fと、内周基板部42Fよりも大径に形成されるとともにスピーカフレーム22に支持される環状の外周基板部(第2基板部)42Gと、内周基板部42Fおよび外周基板部42G間を架橋する架橋基板部(信号線部)42Hとを一体に有している。
この構成によれば、長方形形状のフレキシブルプリント基板と比べて、ボイスコイル26の駆動(前後移動)を許容し易く、且つ、ボイスコイル26に対して周方向に均等な弾性力および減衰力を発揮し易いので、ダンパーとしての性能を確保し易くなる。
【0028】
また、内周基板部42Fには、架橋基板部42Hから各接続端子42Bに向けて延びる配線を構成する導体箔SLが配置されている。この内周基板部42Fでは、各導体箔SLの幅が同一に形成されるとともに、各導体箔SLが、貫通孔42Aの周方向に等角度間隔でパターン形成され、内周基板部42Fの屈曲性(弾性特性、減衰特性)の均等化を図ることができる。これによっても、ダンパーとしての性能を向上させ易い。
【0029】
さらに、架橋基板部42Hは、内周基板部42Fおよび外周基板部42Gの導体箔SL間をつなぐ信号線部として機能するとともに、ボビン側基板42の屈曲特性(弾性特性、減衰特性)を調整する主要部分にすることができる。つまり、この架橋基板部42Hの形状(屈曲形状、幅、厚さなど)を調整することによって、所望のダンパー特性に調整し易くなる。
本実施形態では、架橋基板部42Hを、いわゆる蝶型ダンパーのアーム部を模した屈曲形状にすることにより、所望のダンパー特性を容易に得やすいことが明らかである。また、架橋基板部42Hのそれぞれには、配線を構成する導体箔SLが同一幅で配置され、屈曲特性の均等化が図られており、ダンパーとして有利である。
【0030】
また、外周基板部42Gは、スピーカフレーム22に支持される領域であって、架橋基板部42Hの配線(導体箔)と延出基板43の配線(導体箔)との間の配線部分を構成する導体箔SLが配置される。外周基板部42Gでは、導体箔SLは、外周基板部42Gの周方向に沿うように延出基板43に向けてパターン形成されており、外周基板部42Gの屈曲特性を周方向に均等化するとともに、配線長の短縮化を図っている。
また、導体箔SLは、各導体箔SLのインピーダンスが揃うように配線距離が長いほど広い幅に形成される。また、
図4、
図5中、符号GDは、所定の導体箔SLをスピーカフレーム22に接地させるためのアース部であり、金属ボルト5(
図1、
図2参照)を介してスピーカフレーム22や、スピーカフレーム22と接して固定される導電性のある部品(プレート等)に接地される。
【0031】
また、
図5中、符号Xは、外周基板部42Gの非配線領域である。本実施形態では、この非配線領域Xにも、配線を構成する導体箔SLと同一の導体箔(不図示)を配置している。すなわち、本構成では、外周基板部42Gの全体に導体箔がパターン形成される。これにより、外周基板部42Gの屈曲特性を均等化するとともに、外周基板部42Gの領域を効率よく利用して配線幅を広く確保し、インピーダンスを効率よく低減できる。このようにして、ボビン側基板42は、ダンパーおよび配線として有利な構成に形成されている。
【0032】
延出基板43は、ボビン側基板42から直線状に延びてスピーカ回路部31につながる。この延出基板43には、配線を構成する導体箔SLが同じ幅で延出基板43の延出方向に沿ってパターン形成される。そして、ボビン側基板42の反対側の端部がスピーカ回路部31に設けた単一のコネクタ部31A(
図1参照)に接続される。
このように、延出基板43を直線状に延出させたので、ボビン側基板42とスピーカ回路部31との配線長を短縮化し易く、これによってもインピーダンスを低減し易い。
【0033】
また、延出基板43は、
図1に示すように、スピーカフレーム22の支柱22D上に引き回してスピーカ回路部31側へ配策される。このように、支柱22Dを基板配置部材に利用することで、専用の基板配置部材が不要になるとともに、回路支持部22Aの位置をスピーカ10の周方向にずらしても、その回路支持部22A内のスピーカ回路部31に向けてフレキシブルプリント基板41を配置し易くなる。この構成によれば、各車両によりスピーカ取付条件が異なる場合に、周辺部品との干渉を避けるために回路支持部22Aの位置(=スピーカ回路部31の位置)を変更しても、それに合わせてフレキシブルプリント基板41を配策しやすくなる。この場合、新規金型作成などの発生を抑止することができる。
【0034】
また、多数のボイスコイル26につながる配線(導体箔SL)を一つにまとめるので、配線に必要なスペースを小さくできる。従って、スピーカフレーム22と振動板23との間の狭いスペースであっても、配線(フレキシブルプリント基板41)を配置し易くなり、組み立て性などに有利である。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、フレキシブルプリント基板41は、ボイスコイルボビン24に接続される接続部(接続端子42B近傍)との間に、ボイスコイルボビン24のダンパーとして機能するボビン側基板42を有するようにスピーカフレーム22に支持される。
この構成によれば、フレキシブルプリント基板41が有する弾性力や減衰力を利用して、ボイスコイルボビン24の位置保持や振幅制限を行うダンパーとして機能させることができる。これにより、従来から用いられた専用ダンパーを省略することができ、部品点数を低減することができる。また、仮に、専用ダンパーを省略しなくても、フレキシブルプリント基板41をダンパーの一部として機能させることができるので、専用ダンパーに求められる性能要求を低減でき、専用のダンパーを簡略化し易くなる。従って、構造の簡略化を図ることが可能になり、コスト低減にも有利である。また、ダンパー全体の性能を高める場合にも有利である。
【0036】
しかも、本構成では、ボイスコイルボビン24が、複数のボイスコイル26が形成された多層型のボイスコイルボビン(多層ボイスコイルボビン)であるため、多数の配線が必要となるスピーカ構成である。本構成では、上記ボイスコイルボビン24に単一のフレキシブルプリント基板41を接続する構成としたので、部品点数の低減による構造の簡略化、および、部品に必要なレイアウトスペース低減などによる組み立て性の向上などを効率よく図ることができる。
【0037】
また、本構成では、フレキシブルプリント基板41をボイスコイルボビン24に接続した構成であるため、ボイスコイルボビン24の材料が制約されない。従って、ボイスコイルボビンをフレキシブル配線基板で形成した従来構成(特許文献1参照)では、ボイスコイルボビンにアルミニウムなどの放熱性の高い材料を採用できず、放熱性が制約されるおそれがあるのに対し、本構成では、ボイスコイルボビン24に放熱性の高いアルミニウム材料などを容易に適用できる。従って、耐入力性能を容易に高めることが可能である。
【0038】
また、特許文献1などの従来構成では、インピーダンスを下げるために配線幅(配線のパターン幅)を広くすると、ボイスコイルボビンの振動に応じた屈曲がし難くなるおそれがある。つまり、配線幅を広くすると、配線の断面(配線の延びる方向に対して垂直方向の断面)がボイスコイルボビンの丸みに沿って湾曲することにより、屈曲性が低下する。この場合、ボイスコイルボビンの振動が阻害されるとともに、フレキシブル配線基板の屈曲耐久性が低下してしまい、断線のおそれが生じる。
これに対し、本構成では、ボイスコイルボビン24をフレキシブルプリント基板41で形成する必要がないため、上記の問題が生じず、屈曲耐久性を確保しつつインピーダンスを下げやすくなる。
【0039】
また、ダンパーとして機能する基板領域であるボビン側基板42は、ボイスコイルボビン24の径方向外側に張り出す張出部を形成するので、この張出部の内周部(内周基板部42F)がボイスコイルボビン24に連結され、張出部の外周部(外周基板部42G)がスピーカフレーム22に支持される。この構成によれば、張出部の外周部を基準にして内周部が大きく弾性変形し易く、ダンパーとしての変形量等を確保し易くなり、また、着脱性に優れ、組み立て性を向上できる。また、張出部(内周基板部42Fや外周基板部42Gなど)の幅調整により、ダンパー特性を容易に調整することも可能である。
【0040】
また、ボビン側基板42は、ボイスコイルボビン24の外周に沿って延びる円弧状であるため、ボイスコイルボビン26の周方向に均等なダンパー特性を得やすくなるとともに、屈曲耐久性を確保し易い。
【0041】
さらに、ボビン側基板42は、ボイスコイルボビン24に連結される環状の内周基板部(第1基板部)42Fと、内周基板部42Fよりも大径に形成されるとともにスピーカフレーム22に支持される外周基板部(第2基板部)42Gと、内周基板部42F、外周基板部42G間を架橋する架橋基板部(信号線部)42Hとを有している。この構成によれば、蝶型ダンパーを模した形状にすることができ、所望のダンパー特性を得やすくなる。また、各部の形状(屈曲形状、幅、厚さなど)を調整することによって、ダンパー特性を様々に調整し易くなる。
【0042】
また、架橋基板部42Hは、ボイスコイルボビン24の周方向に等間隔で設けられるので、ダンパー特性を周方向に均等に揃えやすくなる。
さらに、フレキシブルプリント基板41は、シールドされるとともにスピーカフレーム22に接地されるので、磁気回路などへの影響を抑え、スピーカ10の駆動への影響を抑えることができる。なお、シールド性が問題とならない場合は、シールド(絶縁層)を省略しても良い。
【0043】
また、ボイスコイルボビン24は、単一のボビンに複数のボイスコイル26を設けた多層ボイスコイルボビンであり、フレキシブルプリント基板41の配線を構成する導体箔SLの幅は、配線距離が長いほど広く形成されるので、インピーダンスを揃えやすくなる。
また、フレキシブルプリント基板41には、ボイスコイルボビン24の移動に伴って変形する領域にある非配線領域Xに導体箔が設けられるので、ダンパーとしての屈曲特性をより高精度に揃えやすくなる。
また、フレキシブルプリント基板41は、ボビン側基板42からスピーカフレーム22の径方向外側に直線状に延びてスピーカ回路部31につながる延出基板43を有するので、配線長を短縮化し易く、且つ、スピーカフレーム22の支柱22Dを利用して配策し易くなる。
【0044】
なお、架橋基板部42Hなどの形状は、本実施の形状に限らず、様々な形状を適用可能である。
図6は、フレキシブルプリント基板41の他の例を示した図である。
図6では、架橋基板部42Hとして、
図5の架橋基板部42Hとほぼ同じ屈曲形状に形成された第1架橋基板部42HXと、この第1架橋基板部42HXと対照形状(より具体的には表裏が逆形状)に形成された第2架橋基板部42HYとを交互に備えている。この構成によれば、ボイスコイル26駆動時に、内周基板部42Fが周方向に捻れにくくなる、という効果が得られる。
【0045】
上述した実施形態は、あくまで本発明の一態様に過ぎず、本発明の範囲内で任意に変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、ボビン側基板42の非配線領域X(
図3、
図4参照)にも導体箔を設ける場合を説明したが、これに限らず、非配線領域Xの導体箔を省略しても良い。
また、フレキシブルプリント基板41を、ボイスコイルボビン24の径方向外側に張り出す張出形状、且つ、ボイスコイルボビン24の外周に沿って延びる円弧状に形成する場合を説明したが、ダンパー性能を確保可能な範囲で他の形状を適用しても良い。
【0046】
さらに、上述の実施形態では、多層型のボイスコイルボビン24に接続されるフレキシブルプリント基板41に本発明を適用する場合を説明したが、多層型ではないボイスコイルボビンにフレキシブルプリント基板を接続し、本発明を適用するようにしても良い。つまり、公知のボイスコイルボビンを有するスピーカに本発明を広く適用可能である。また、車載用スピーカに本発明を適用する場合に限らず、車載用スピーカ以外のスピーカに本発明を適用しても良い。