【文献】
C.Bressy et al.,Poly(trialkylsilyl methacrylate)s:A family of hydrolysable polymers with tuneable erosion profiles,Polymer Degradation and Stability,2010年,95,1260−1268
【文献】
R. L. Bruce et al.,Molecular structure effects on dry etching behavior of Si-containing resists in oxygen plasma,J. Vac. Sci. Technol. B,American Vacuum Society,2010年 7月 6日,28(4),751−757
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アクリレートモノマーは、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート)、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートからなる群から選択され、前記重水素化アクリレートモノマーは、重水素化ブチル(メタ)アクリレート、重水素化プロピル(メタ)アクリレート)、重水素化エチル(メタ)アクリレート、重水素化メチル(メタ)アクリレートからなる群から選択され、前記アクリレートブロック修飾モノマーは、エチレンであり、
前記重水素化アクリレートブロック修飾モノマーは、重水素化エチレンであり、前記シリルアクリレートモノマーは、(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリエチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリイソプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリ−sec−ブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリイソブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(sec−ブチルメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(sec−ブチルジメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(ジメチルプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(モノメチルジプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(メチルエチルプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、ビス(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(ペンタメチルジリル)メチル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)メチル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)プロピル(メタ)アクリレート)、(ペンタメチルジシロキシ)メチル(メタ)アクリレート、(ペンタメチルジシロキシ)プロピル(メタ)アクリレート、(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート及び(トリエトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択され、前記重水素化シリルアクリレートモノマーは、重水素化(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリエチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリイソプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリ−sec−ブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリイソブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(sec−ブチルメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(sec−ブチルジメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(ジメチルプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(モノメチルジプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(メチルエチルプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化ビス(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化トリス(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(ペンタメチルジシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化トリス(トリメチルシロキシ)メチル(メタ)アクリレート、重水素化トリス(トリメチルシロキシ)プロピル(メタ)アクリレート)、重水素化(ペンタメチルジシロキシ)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(ペンタメチルジシロキシ)プロピル(メタ)アクリレート、重水素化(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート及び重水素化(トリエトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択され、シリルアクリレートブロック修飾モノマーがエチレンであり、前記重水素化シリルアクリレートブロック修飾モノマーは、重水素化エチレンから選択される、請求項1に記載の共重合体組成物。
前記ブロック共重合体は、<0.001重量%のポリ(メチルメタクリレート)−ブロック−ポリ((トリメチルシリル)メチルメタクリレート)ジブロック共重合体を含有する、請求項11に記載の共重合体組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
基板の表面に塗布する場合、本発明の共重合体組成物は、PS−b−PDMSなどのポリマーを含有する従来のシリコンを用いて得られたものと比較して、低欠陥構造へ指定の処理温度で、アニールするための改善された能力を示す。更に、本発明の共重合体組成物のポリ(シリルアクリレート)ドメイン内の無機部分の組み込みは、有機成分を除去するために、堆積した共重合体組成物の処理時に、耐エッチング性種(例えば、マスク)へ変換可能である。本発明の共重合体組成物は、例えば、20〜40nmの範囲で、基板を含有するシリコン上のライン/スペースパターンなどの、周期的なナノ構造を形成するために使用される、導かれた自己組織化用途における熱処理を可能にするための、顕著な価値を提供する。
【0012】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「PAcr−b−PSiAcrブロック共重合体」は、ポリ(アクリレート)−ブロック−ポリ(シリルアクリレート)のための短手であり、前記ポリ(アクリレート)ブロックは、アクリレートモノマー、重水素化アクリレートモノマー、アクリレートブロック修飾モノマー及び重水素化アクリレートブロック修飾モノマーの内の少なくとも一つ由来の残基を含み、前記ポリ(シリルアクリレート)ブロックは、シリルアクリレートモノマー、重水素化シリルアクリレートモノマー、シリルアクリレートブロック修飾モノマー及び重水素化シリルアクリレートブロック修飾モノマーの内の少なくとも一つ由来の残基を含む。
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「重水素アクリレートモノマー」は、少なくとも一つの水素が重水素で置換されている、アクリレートモノマーである。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「重水素化アクリレートブロック修飾モノマー」は、少なくとも一つの水素が重水素で置換されている、アクリレート変性モノマーである。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「重水素化シリルアクリレートモノマー」は、少なくとも一つの水素が重水素で置換されている、シリルアクリレートモノマーである。
【0016】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「重水素化シリルアクリレートブロック修飾モノマー」は、少なくとも一つの水素が重水素で置換されている、シリルアクリレート変性モノマーである。
【0017】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「(トリメチルシリル)メチルメタクリレート」及び「TMSMMA」は、以下の構造:
【化1】
を有するモノマーを指す。
【0018】
本発明のブロック共重合体を参照すると、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「M
N−BCP」は、本明細書の実施例において使用した方法に従って測定した、ブロック共重合体の数平均分子量である。
【0019】
本発明のブロック共重合体を参照すると、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「M
w−BCP」は、本明細書の実施例において使用した方法に従って測定した、ブロック共重合体の重量平均分子量である。
【0020】
本発明のブロック共重合体を参照すると、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「PD
BCP」は、以下の式:
【数1】
に従って決定したブロック共重合体の多分散性である。
【0021】
本発明のブロック共重合体を参照すると、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「Wf
PAcr」は、ブロック共重合体中のポリ(アクリレート)ブロックの重量パーセントである。
【0022】
本発明のブロック共重合体を参照すると、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「Wf
PSiAcr」は、ブロック共重合体中のポリ(シリルアクリレート)ブロックの重量パーセントである。
【0023】
ブロック共重合体は、二つ以上の異なるモノマーから合成され、化学的に異なる二つ以上のポリマー鎖セグメントを示すが、まだ互いに共有結合しているポリマーである。ジブロック共重合体は、二つの異なるモノマー(例えば、A及びB)に由来し、且つ、B残基のポリマーブロックに共有結合したA残基のポリマーブロックを含む構造(例えば、AAAAA−BBBBB)を有する、特別な種類のブロック共重合体である。
【0024】
本発明の共重合体組成物中に使用されるブロック共重合体は、少なくとも二つの異なるブロックを有するブロック共重合体を含み、ブロックの内の一つは、ポリ(アクリレート)ブロックであり、ブロックの内の一つはポリ(シリルアクリレート)ブロックである。本発明の共重合体組成物中で使用されるブロック共重合体は、必要に応じて、一つ以上の他のブロック(例えば、トリブロック共重合体)を含む。
【0025】
好ましくは、本発明の共重合体組成物中で使用されるブロック共重合体は、ポリ(アクリレート)ブロック及びポリ(シリルアクリレート)ブロックを含むPAcr−b−PsiAcrジブロック共重合体であり、実施例において、本明細書に記載の条件下で、基板上に堆積された場合、前記ブロック共重合体は、10〜100nm(好ましくは、14〜60nm、最も好ましくは20〜40nm)の膜ピッチ、L
0を示す。
【0026】
好ましくは、本発明の共重合体組成物中で使用されるブロック共重合体は、ポリ(アクリレート)及びポリ(シリルアクリレート)を含むPAcr−b−PsiAcrジブロック共重合体であり、ブロック共重合体は、1〜1,000kg/モル(好ましくは10〜500kg/モル、より好ましくは15〜300kg/モル、更により好ましくは15〜100kg/モル、最も好ましくは20〜60kg/モル)の数平均分子量(M
N)
−BCPを示し、且つ、ブロック共重合体は、1〜3(好ましくは1〜2、最も好ましくは1〜1.2)の多分散性(PD)
BCPを示す。
【0027】
好ましくは、本発明の共重合体組成物中で使用されるブロック共重合体は、ポリ(アクリレート)及びポリ(シリルアクリレート)のドメインを含むPAcr−b−PSiAcrジブロック共重合体であり、ジブロック共重合体は、0.69〜0.83(好ましくは0.69〜0.80、最も好ましくは0.70〜0.75)のポリ(アクリレート)の重量分率を有し、ジブロック共重合体は、10〜1,000kg/モル(好ましくは15〜200kg/モル、より好ましくは15〜100kg/モル、最も好ましくは20〜60kg/モル)の数平均分子量M
Nを有する。0.69〜0.83のWf
PAcr及び10〜1,000kg/モルの数平均分子量M
Nを有する本発明のジブロック共重合体は、ミクロ相はポリ(アクリレート)ドメインと異なる円筒状のポリ(シリルアクリレート)ドメインを示す傾向がある。本明細書に提供される教示を考慮すると、当業者は、そのようなPAcr−b−PsiAcrジブロック共重合体を含有する本発明の共重合体組成物を堆積することができ、例えば、(a)基板の表面エネルギー(即ち、材料の挿入を用いて基板の表面を前処理することによる)、(b)堆積した共重合体組成物の膜の厚さ、(c)堆積した共重合体組成物のベーキングプロファイル(即ち、ベーキング温度及びベーキング時間)及び、(d)堆積した共重合体組成物のアニールプロファイル(即ち、アニール温度及びアニール時間)などの、成膜条件の選択及び制御により、堆積された共重合体組成物中の円筒状ポリ(シリルアクリレート)ドメインは、基板の表面に平行で、基板の表面又は並列の組み合わせに垂直であり、基板の表面に垂直である、それらの対称軸を用いて、自分自身を配向するように自己組織化する。
【0028】
好ましくは、本発明のブロック共重合体は、ポリ(アクリレート)及びポリ(シリルアクリレート)のドメインを含むPAcr−b−PsiAcrジブロック共重合体であり、ジブロック共重合体は、0.39〜<0.69(好ましくは、0.44〜0.64、最も好ましくは0.49〜0.59)のポリ(アクリレート)重量分率、Wf
PAcrを有し、ジブロック共重合体は、10〜1,000kg/モル(好ましくは15〜200kg/モル、より好ましくは15〜100kg/モル、最も好ましくは20〜60kg/モル)の数平均分子量(M
N)を有する。0.39〜<0.69のWf
PAcr及び、10〜1,000kg/モルの数平均分子量M
Nを有する本発明のジブロック共重合体は、ポリ(アクリレート)及びポリ(シリルアクリレート)ラメラドメインから分離されたミクロ相を示す傾向がある。本明細書に提供された教示を考慮すると、そのようなPAcr−b−PsiAcrジブロック共重合体を含有する本発明の共重合体組成物を堆積することができ、例えば、(a)基板の表面エネルギー(即ち、材料の挿入を用いて基板の表面を前処理することによる)、(b)堆積した共重合体組成物の膜の厚さ、(c)堆積した共重合体組成物のベーキングプロファイル(即ち、ベーキング温度及びベーキング時間)及び、(d)堆積した共重合体組成物のアニールプロファイル(即ち、アニール温度及びアニール時間)などの、成膜条件の選択及び制御により、堆積された共重合体組成物中のラメラドメインは、基板の表面に平行で、基板の表面又は並列の組み合わせに垂直であり、基板の表面に垂直である、それらの対称軸を用いて、自分自身を配向するように自己組織化する。
【0029】
好ましくは、本発明の共重合体組成物中で使用されるブロック共重合体は、ポリ(アクリレート)及びポリ(シリルアクリレート)のドメインを含むPAcr−b−PsiAcrジブロック共重合体であり、ジブロック共重合体は、0.23〜<0.39(好ましくは、0.26〜0.34、最も好ましくは0.27〜0.30)のポリ(アクリレート)重量分率、Wf
PAcrを有し、ジブロック共重合体は、10〜1,000kg/モル(好ましくは15〜200kg/モル、より好ましくは15〜100kg/モル、最も好ましくは20〜60kg/モル)の数平均分子量(M
N)を有する。0.23〜<0.39のWf
PAcr及び、10〜1,000kg/モルの数平均分子量M
Nを有する本発明のジブロック共重合体は、ミクロ相がポリ(シリルアクリレート)から分離された円筒状ポリ(アクリレート)ドメインを示す傾向がある。本明細書に提供された教示を考慮すると、そのようなPAcr−b−PsiAcrジブロック共重合体を含有する本発明の共重合体組成物を堆積することができ、例えば、(a)基板の表面エネルギー(即ち、材料の挿入を用いて基板の表面を前処理することによる)、(b)堆積した共重合体組成物の膜の厚さ、(c)堆積した共重合体組成物のベーキングプロファイル(即ち、ベーキング温度及びベーキング時間)及び、(d)堆積した共重合体組成物のアニールプロファイル(即ち、アニール温度及びアニール時間)などの、成膜条件の選択及び制御により、堆積された共重合体組成物中の円筒状ポリ(シリルアクリレート)ドメインは、基板の表面に平行で、基板の表面又は並列の組み合わせに垂直であり、基板の表面に垂直である、それらの対称軸を用いて、自分自身を配向するように自己組織化する。
【0030】
好ましくは、ポリ(アクリレート)−b−ポリ(シリルアクリレート)ブロック共重合体は、ポリ(アクリレート)ブロックを有し、ポリ(アクリレート)ブロックは、アクリレートモノマー、重水素化アクリレートモノマー、アクリレートブロック修飾モノマー及び重水素化アクリレートブロック修飾モノマーの内の少なくとも一つ由来の残基を含み、ポリ(アクリレート)ブロックは、>75重量%(より好ましくは、>90重量%、最も好ましくは>95重量%)のアクリレートモノマー由来の単位を含む。
【0031】
好ましくは、アクリレートモノマーは、アリール(アルキル)アクリレート(例えば、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート)、アルキル(アルキル)アクリレート(例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート)、ハロゲン化アリール(アルキル)アクリレート(例えば、クロロフェニルアクリレート、クロロフェニルメタクリレート)、ハロゲン化アルキル(アルキル)アクリレート(例えば、フルオロプロピルアクリレート、フルオロプロピルメタクリレート)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、アクリレートモノマーは、C
6−14アリール(C
1−5アルキル)アクリレート、C
1−5アルキル(C
1−5アルキル)アクリレートからなる群から選択される。更により好ましくは、アクリレートモノマーは、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート)、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される。最も好ましくは、アクリレートモノマーは、メチルメタクリレートである。
【0032】
好ましくは、重水素化アクリレートモノマーは、重水素化アリール(アルキル)アクリレート(例えば、重水素化フェニルアクリレート、重水素化フェニルメタクリレート)、重水素化アルキル(アルキル)アクリレート(例えば、重水素化メチルアクリレート、重水素化メチルメタクリレート)、重水素化ハロゲン化アリール(アルキル)アクリレート(例えば、重水素化クロロフェニルアクリレート、重水素化クロロフェニルメタクリレート)、重水素化ハロゲン化アルキル(アルキル)アクリレート(例えば、重水素化フルオロプロピルアクリレート、重水素化フルオロプロピルメタクリレート)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、重水素化アクリレートモノマーは、C
6−14アリール(C
1−5アルキル)アクリレート、重水素化C
1−5アルキル(C
1−5アルキル)アクリレートからなる群から選択される。更により好ましくは、重水素化アクリレートモノマーは、重水素化ブチル(メタ)アクリレート、重水素化プロピル(メタ)アクリレート)、重水素化エチル(メタ)アクリレート、重水素化メチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される。最も好ましくは、重水素化アクリレートモノマーは、重水素化メチルメタクリレートである。
【0033】
好ましくは、アクリレートブロック修飾モノマーは、アルケン及びシクロアルケンからなる群から選択される。より好ましくは、アクリレートブロック修飾モノマーは、C
1−5アルケン及びC
3−7シクロアルケンから選択される。最も好ましくは、アクリレートブロック修飾モノマーは、エチレンである。
【0034】
好ましくは、重水素化アクリレートブロック修飾モノマーは、重水素化アルケン及び重水素化シクロアルケンからなる群から選択される。より好ましくは、重水素化アクリレートブロック修飾モノマーは、重水素化C
1−5アルケン及び重水素化C
3−7シクロアルケンから選択される。より好ましくは、重水素化アクリレートブロック修飾モノマーは、重水素化エチレンである。
【0035】
好ましくは、ポリ(アクリレート)−b−ポリ(シリルアクリレート)ブロック共重合体は、ポリ(シリルアクリレート)ブロックを有し、ポリ(シリルアクリレート)ブロックは、シリルアクリレートモノマー、重水素化シリルアクリレートモノマー、シリルアクリレートブロック修飾モノマー及び重水素化シリルアクリレートブロック修飾モノマーの内の少なくとも一つ由来の残基を含み、且つ、ポリ(シリルアクリレート)ブロックは、>75重量%(より好ましくは、>90重量%、最も好ましくは、>95重量%)のシリルアクリレートモノマー由来の単位を含む。
【0036】
好ましくは、シリルアクリレートモノマーは、以下の式
(R
1(R
2)(R
3)Si)
rR
4xOOCC(R
5)=CR
62
に従い、
式中、各R
1、R
2及びR
3は、独立して、C
1−18アルキル基、ハロゲン化C
1−18アルキル基、シリル化C
1−18アルキル基、シリル化ハロゲン化C
1−18アルキル基、オキシC
1−18アルキル基、オキシシリル化C
1−18アルキル基、オキシシリル化ハロゲン化C
1−18アルキル基、C
6−14アリール基、ハロゲン化C
6−14アリール基、オキシC
6−14アリール基、シリル化C
6−14アリール基、オキシシリル化C
6−14アリール基、オキシシリル化ハロゲン化C
6−14アリール基、C
1−18アリールアルキル基、ハロゲン化C
1−18アリールアルキル基、オキシC
1−18アリールアルキル基、シリル化C
1−18アリールアルキル基、シリル化ハロゲン化C
1−18アリールアルキル基、オキシシリル化C
1−18アリールアルキル基、オキシシシル化ハロゲン化C
1−18アリールアルキル基、C
6−14アルキルアリール基、ハロゲン化C
6−14アルキルアリール基、オキシC
6−14アルキルアリール基、シリル化C
6−14アルキルアリール基、オキシシリル化C
6−14アルキルアリール基、及びオキシシリル化ハロゲン化C
6−14アルキルアリール基(好ましくは、C
1−6アルキル基、シリル化C
1−6アルキル基、オキシC
1−6アルキル基、オキシシリル化C
1−6アルキル基、C
6−10アリール基、オキシC
6−10アリール基、シリル化C
6−10アリール基、オキシシリル化C
6−10アリール基、C
1−10アリールアルキル基、オキシC
1−10アリールアルキル基、シリル化C
1−10アリールアルキル基、オキシシリル化C
1−10アリールアルキル基、C
6−10アルキルアリール基、オキシC
6−10アルキルアリール基、シリル化C
6−10アルキルアリール基及びオキシシリル化C
6−10アルキルアリール基、より好ましくは、C
1−3アルキル基、最も好ましくは、メチル基からなる群から選択され、式中、rは、0、1、2及び3からなる群から選択され(好ましくは、1、2及び3、より好ましくは、rは1である)、式中R
4は、C
1−10アルキル、ハロゲン化C
1−10アルキル基、シリル化C
1−10アルキル基、シリル化ハロゲン化C
1−10アルキル基、オキシシリル化C
1−10アルキル基、及びハロゲン化オキシシリル化C
1−10アルキル基(好ましくは、C
1−3アルキル基及びハロゲン化C
1−3アルキル基、より好ましくは、C
1−3アルキル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、式中、xは、0及び1からなる群から選択され(好ましくはxは1である)、式中、R
5は、水素、ハロゲン、C
1−3アルキル基、シリル化C
1−3アルキル基及びハロゲン化C
1−3アルキル基(好ましくは、水素及びメチル基、より好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、式中、各R
6は、独立して、水素、ハロゲン、シリルメチル基、メチル基及びハロゲン化メチル基(好ましくは、水素及びメチル基、より好ましくは、水素)から選択され、シリルアクリレートモノマーは、少なくとも一つのSi原子を含む。より好ましくは、シリルアクリレートモノマーは、(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリエチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリイソプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリ−sec−ブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(トリイソブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(sec−ブチルメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(sec−ブチルジメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(ジメチルプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(モノメチルジプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(メチルエチルプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、ビス(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、(ペンタメチルジシリル)メチル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)メチル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)プロピル(メタ)アクリレート)、(ペンタメチルジシロキシ)メチル(メタ)アクリレート、(ペンタメチルジシロキシ)プロピル(メタ)アクリレート、(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート及び、(トリエトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択される。最も好ましくは、シリルアクリレートモノマーは、(トリメチルシリル)メチルメタクリレートである。
【0037】
好ましくは、重水素化シリルアクリレートモノマーは、以下の式
(R
7(R
8)(R
9)Si)
tR
10yOOCC(R
11)=CR
122
に従い、
式中、各R
7、R
8及びR
9は、独立して、C
1−18アルキル基、ハロゲン化C
1−18アルキル基、シリル化C
1−18アルキル基、シリル化ハロゲン化C
1−18アルキル基、オキシC
1−18アルキル基、オキシシリル化C
1−18アルキル基、オキシシリル化ハロゲン化C
1−18アルキル基、C
6−14アリール基、ハロゲン化C
6−14アリール基、オキシC
6−14アリール基、シリル化C
6−14アリール基、オキシシリル化C
6−14アリール基、オキシシリル化ハロゲン化C
6−14アリール基、C
1−18アリールアルキル基、ハロゲン化C
1−18アリールアルキル基、オキシC
1−18アリールアルキル基、シリル化C
1−18アリールアルキル基、シリル化ハロゲン化C
1−18アリールアルキル基、オキシシリル化C
1−18アリールアルキル基、オキシシリル化ハロゲン化C
1−18アリールアルキル基、C
6−14アルキルアリール基、ハロゲン化C
6−14アルキルアリール基、オキシC
6−14アルキルアリール基、シリル化C
6−14アルキルアリール基、オキシシリル化C
6−14アルキルアリール基、オキシシリル化ハロゲン化C
6−14アルキルアリール基、重水素化C
1−18アルキル基、重水素化ハロゲン化C
1−18アルキル基、重水素化シリル化C
1−18アルキル基、重水素化シリル化ハロゲン化C
1−18アルキル基、重水素化オキシC
1−18アルキル基、重水素化オキシシリル化C
1−18アルキル基、重水素化オキシシリル化ハロゲン化C
1−18アルキル基、重水素化C
6−14アリール基、重水素化ハロゲン化C
6−14アリール基、重水素化オキシC
6−14アリール基、重水素化シリル化C
6−14アリール基、重水素化オキシシリル化C
6−14アリール基、重水素化オキシシリル化ハロゲン化C
6−14アリール基、重水素化C
1−18アリールアルキル基、重水素化ハロゲン化C
1−18アリールアルキル基、重水素化オキシC
1−18アリールアルキル基、重水素化シリル化C
1−18アリールアルキル基、重水素化シリル化ハロゲン化C
1−18アリールアルキル基、重水素化オキシシリル化C
1−18アリールアルキル基、重水素化オキシシリル化ハロゲン化C
1−18アリールアルキル基、重水素化C
6−14アルキルアリール基、重水素化ハロゲン化C
6−14アルキルアリール基、重水素化オキシC
6−14アルキルアリール基、重水素化シリル化C
6−14アルキルアリール基、重水素化オキシシリル化C
6−14アルキルアリール基及び重水素化オキシシリル化ハロゲン化C
6−14アルキルアリール基(好ましくは、C
1−6アルキル基、シリル化C
1−6アルキル基、オキシC
1−6アルキル基、オキシシリル化C
1−6アルキル基、C
6−10アリール基、オキシC
6−10アリール基、シリル化C
6−10アリール基、オキシシリル化C
6−10アリール基、C
1−10アリールアルキル基、オキシC
1−10アリールアルキル基、シリル化C
1−10アリールアルキル基、オキシシリル化C
1−10アリールアルキル基、C
6−10アルキルアリール基、オキシC
6−10アルキルアリール基、シリル化C
6−10アルキルアリール基、オキシシリル化C
6−10アルキルアリール基、重水素化C
1−6アルキル基、重水素化シリル化C
1−6アルキル基、重水素化オキシC
1−6アルキル基、重水素化オキシシリル化C
1−6アルキル基、重水素化C
6−10アリール基、重水素化オキシC
6−10アリール基、重水素化シリル化C
6−10アリール基、重水素化オキシシリル化C
6−10アリール基、重水素化C
1−10アリールアルキル基、重水素化オキシC
1−10アリールアルキル基、重水素化シリル化C
1−10アリールアルキル基、重水素化オキシシリル化C
1−10アリールアルキル基、重水素化C
6−10アルキルアリール基、重水素化オキシC
6−10アルキルアリール基、重水素化シリル化C
6−10アルキルアリール基及び重水素化オキシシリル化C
6−10アルキルアリール基、より好ましくは、C
1−3アルキル基及び重水素化C
1−3アルキル基、最も好ましくは、メチル基及び重水素化メチル基から選択され、式中tは、0、1、2及び3から選択され(好ましくは、1、2及び3、より好ましくは、tは1である)、式中、R
10は、C
1−10アルキル、ハロゲン化C
1−10アルキル基、シリル化C
1−10アルキル基、シリル化ハロゲン化C
1−10アルキル基、オキシシリル化C
1−10アルキル基、ハロゲン化オキシシリル化C
1−10アルキル基、重水素化C
1−10アルキル、重水素化ハロゲン化C
1−10アルキル基、重水素化シリル化C
1−10アルキル基、重水素化シリル化ハロゲン化C
1−10アルキル基、重水素化オキシシリル化C
1−10アルキル基及び重水素化ハロゲン化オキシシリル化C
1−10アルキル基(好ましくは、C
1−3アルキル基及び重水素化C
1−3アルキル基、より好ましくはC
1−3アルキル基、最も好ましくはメチル基)からなる群から選択され、式中、yは0又は1であり(好ましくは、yは1である)、式中、R
11は、水素、重水素、ハロゲン、C
1−3アルキル基、重水素化C
1−3アルキル基、シリル化C
1−3アルキル基、重水素化シリル化C
1−3アルキル基、ハロゲン化C
1−3アルキル基及び重水素化ハロゲン化C
1−3アルキル基(好ましくは、水素、重水素、メチル基及び重水素化メチル基、より好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、式中、R
12は、独立して、水素、重水素、ハロゲン、シリルメチル基、重水素化シリルメチル基、メチル基、重水素化メチル基、ハロゲン化メチル基及び重水素化ハロゲン化メチル基(好ましくは、水素、重水素、メチル基及び重水素化メチル基、より好ましくは、水素)から選択され、重水素化シリルアクリレートモノマーは、少なくとも一つのSi原子を含み、重水素化シリルアクリレートモノマーは、少なくとも一つの重水素を含む。より好ましくは、重水素化シリルアクリレートモノマーは、重水素化(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリエチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリイソプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリ−sec−ブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(トリイソブチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(sec−ブチルメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(sec−ブチルジメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(ジメチルプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(モノメチルジプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(メチルエチルプロピルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化ビス(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化トリス(トリメチルシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(ペンタメチルジシリル)メチル(メタ)アクリレート、重水素化トリス(トリメチルシロキシ)メチル(メタ)アクリレート、重水素化トリス(トリメチルシロキシ)プロピル(メタ)アクリレート)、重水素化(ペンタメチルジシロキシ)メチル(メタ)アクリレート、重水素化(ペンタメチルジシロキシ)プロピル(メタ)アクリレート、重水素化(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、及び、重水素化(トリエトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択される。最も好ましくは、重水素化シリルアクリレートモノマーは、重水素化(トリメチルシリル)メチルメタクリレートである。
【0038】
好ましくは、シリルアクリレートブロック修飾モノマーは、アルケン及びシクロアルケンからなる群から選択される。より好ましくは、シリルアクリレートブロック修飾モノマーは、C
1−5アルケン及びC
3−7シクロアルケンから選択される。最も好ましくは、シリルアクリレートブロック修飾モノマーは、エチレンである。
【0039】
好ましくは、重水素化シリルアクリレートブロック修飾モノマーは、重水素化アルケン及び重水素化シクロアルケンからなる群から選択される。より好ましくは、重水素化シリルアクリレートブロック修飾モノマーは、重水素化C1〜5アルケン及び重水素コアC3〜7シクロアルケンから選択される。最も好ましくは、重水素化シリルアクリレートブロック修飾モノマーは、重水素化エチレンである。
【0040】
好ましくは、本発明の共重合体組成物は、(PAcr−b−PsiAcrブロック共重合体の重量に基づいて)≧2重量%の酸化防止剤を含む。より好ましくは、共重合体組成物は、(PAcr−b−PsiAcrブロック共重合体の重量に基づいて)2〜30重量%の酸化防止剤を含む。更により好ましくは、共重合体組成物は、(PAcr−b−PsiAcrブロック共重合体の重量に基づいて)5〜30重量%の酸化防止剤を含む。更により好ましくは、共重合体組成物は、(PAcr−b−PsiAcrブロック共重合体の重量に基づいて)10〜25重量%の酸化防止剤を含む。最も好ましくは、共重合体組成物は、(PAcr−b−PsiAcrブロック共重合体の重量に基づいて)15〜25重量%の酸化防止剤を含む。
【0041】
本発明の共重合体組成物中に含まれる酸化防止剤は、一次酸化防止剤及び二次酸化防止剤から選択することができる。好ましくは、酸化防止剤は、少なくとも一つの(好ましくは、少なくとも二つ、より好ましくは少なくとも三つ、最も好ましくは三つ又は四つの)2,6−ジ−tert−ブチルフェノール部分を含む酸化防止剤、少なくとも一つ(好ましくは少なくとも二つ、より好ましくは少なくとも三つ、最も好ましくは三つ〜四つの)式
【化2】
による部分を含む酸化防止剤、少なくとも一つ(好ましくは少なくとも二つ、最も好ましくは二つの)の、式
【化3】
による部分を含む酸化防止剤、及び、少なくとも一つ(好ましくは少なくとも二つ、最も好ましくは二つ)の、式
【化4】
による部分を含む酸化防止剤、及び、それらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、酸化防止剤は、
【化5】
及びそれらの混合物からなる群から選択される。更により好ましくは、酸化防止剤は、
【化6】
並びに、
【化7】
及び一つ以上の他の酸化防止剤の混合物からなる群から選択される。
【0042】
好ましくは、本発明の共重合体組成物中に含まれる酸化防止剤(又は酸化防止剤の混合物)は、平均分子量358g/mol以上である。より好ましくは、本発明の共重合体組成物中に含まれる酸化防止剤(又は酸化防止剤の混合物)は、平均分子量600g/mol以上である。最も好ましくは、本発明の共重合体組成物中に含まれる酸化防止剤(又は酸化防止剤の混合物)は、平均分子量1,000g/mol以上である。
【0043】
好ましくは、本発明の共重合体組成物中に含まれる酸化防止剤(又は酸化防止剤の混合物)は、>400℃の760mmHg(101.3kPa)で測定された平均沸点温度を有する。より好ましくは、本発明の共重合体組成物中に含まれる酸化防止剤(又は酸化防止剤の混合物)は、>500℃の760mmHg(101.3kPa)で測定された平均沸点温度を有する。更により好ましくは、本発明の共重合体組成物中に含まれる酸化防止剤(又は酸化防止剤の混合物)は、>700℃の760mmHg(101.3kPa)で測定された平均沸点温度を有する。更にまたより好ましくは、本発明の共重合体組成物中に含まれる酸化防止剤(又は酸化防止剤の混合物)は、>800℃の760mmHg(101.3kPa)で測定された平均沸点温度を有する。最も好ましくは、本発明の共重合体組成物中に含まれる酸化防止剤(又は酸化防止剤の混合物)は、>1,000℃の760mmHg(101.3kPa)で測定された平均沸点温度を有する。
【0044】
本発明の共重合体組成物は、必要に応じて、更に、溶媒を含む。溶媒は、動的光散乱により測定される、50nm未満の平均流体力学直径を有する、粒子又は凝集体にブロック共重合体を分散することができる液体を含む。好ましくは、使用される溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エトキシエチルプロピオネート、アニソール、乳酸エチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、アミルアセテート、γ−ブチロラクトン(GBL)、n−メチルピロリドン(NMP)及びトルエンから選択される。より好ましくは、使用される溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びトルエンから選択される。最も好ましくは、使用される溶媒はトルエンである。
【0045】
本発明の共重合体組成物は、必要に応じて、更に、添加剤を含む。添加剤は、追加のポリマー(ホモポリマー及びランダム共重合体を含む)、界面活性剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、消光剤、硬化剤、接着促進剤、溶解速度調整剤、光硬化剤、光増感剤、酸増幅剤、可塑剤、配向制御剤及び架橋剤を含む。本発明の共重合体組成物中で使用するための好ましい添加剤は、界面活性剤を含む。
【0046】
本発明の方法は、好ましくは、基板を提供することと、本発明の共重合体組成物を提供することと、共重合体組成物の膜を基板に塗布すること、任意に該膜をベーキングすることと、該膜をアニールすること、ポリ(アクリレート)ドメイン及びポリ(シリルアクリレート)ドメインのパターンを残すことと、アニールした膜を処理して該アニールした膜からポリ(アクリレート)ドメインを除去して、該アニールした基板中のポリ(シリルアクリレート)をSiO
xに変えることとを含む。
【0047】
本発明の方法で使用される基板は、本発明の共重合体組成物で覆われることが可能な表面を有する任意の基板を含む。好ましい基板は、層基板を含む。好ましい基板としては、シリコン含有基板(例えば、ガラス;二酸化ケイ素;窒化ケイ素;酸窒化シリコン;シリコンウエハ、シリコンウエハ断片、シリコンオンインシュレータ基板、シリコンオンサファイヤ基板、ベース半導体基盤上のシリコンのエピタキシャル層、シリコンゲルマニウム基板などを含有するシリコン);プラスチック;金属類(例えば銅、ルテニウム、金、プラチナ、アルミニウム、チタン及び合金);窒化チタン;及び非シリコン含有半導基板(例えば、非シリコン含有ウエハ断片、非シリコン含有ウエハ、ゲルマニウム、ガリウム砒素及びリン化インジウ)が挙げられる。最も好ましい基板は、シリコン含有基板である。
【0048】
本発明の共重合体組成物で被覆される基板の表面は、本発明の共重抗体組成物が塗布される前に、介在材で前処理されてもよい。好ましくは、ブロック共重合体と基板との間の接着を増強するために、ブロック共重合体と基板との間の前処理材は、本発明の共重合体組成物中の基板の表面とブロック共重合体との間に介在させる結束層のように作用する。好ましくは、介在材は、撮像層及び配向制御層から選択される層を形成する。
【0049】
本発明の方法での使用に適している撮像層は、例えば、パターン化又は選択的に活性化されることができる任意のタイプの材料を含む。そのような材料としては、例えば、ポリマーブラシ並びにシラン化合物及びシロキサン化合物の自己組織化単分子膜が挙げられる。
【0050】
本発明の方法での使用に適している配向制御層は、中性及び非中性配向制御層を含む。すなわち、配向制御層は、ポリ(アクリレート)ドメイン又はポリ(シリルアクリレート)ドメインのうちの1つによって優先的に湿らされる本発明の共重合体組成物において基板の表面とブロック共重合体との間に界面、すなわち、非中性配向制御層を形成することができる。中性配向制御層は、ポリ(アクリレート)及びポリ(シリルアクリレート)の両方によって同じように湿らされる本発明の共重合体組成物中の基板表面とブロック共重合体との間に界面を形成する層をいう。中性配向制御層は、好ましくは、アクリレートモノマー及びシリルアクリレートモノマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)−r−(トリメチルシリル)メチルメタクリレート)−OH)の両方の残基を含むランダム共重合体を鋳造することによって作製される膜を含む。
【0051】
好ましくは、共重抗体組成物中のブロック共重合体の誘導自己組織化を促進するために、本発明の共重合体組成物を堆積する前に基板の前処理を行う。具体的には、該処理は、ブロック共重合体膜の誘導自己組織化で用いられる従来の2つの方法、すなわちグラフォエピタクシー及びケミカルエピタクシーのうちの1つを促進することができる。グラフォエピタクシーでは、基板の表面は、ブロック共重合体中のブロックの自己組織化を方向づけるよう作用するトポグラフィ特徴(例えば溝、孔)を用いて該基板表面を事前パターン化する。
【0052】
ケミカルエピタクシーでは、基板の表面は、構成パターンを示す膜で処理され、構成パターンの種々の部分間の親和性は、ポリ(アクリレート)及びポリ(シリルアクリレート)に対して異なる。この化学親和性の差は、共重合体組成物中のブロック共重合体の誘導自己組織化を促進するよう作用する。
【0053】
好ましくは、介在層は、スピンコーティング、浸漬コーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング及びスプレーラミネーティング(スピンコーティングが最も好ましい)から選択される方法を用いて基板上に形成される。基板の表面に介在層を形成する材料を塗布した後、いかなる残留溶媒も除去するために、該材料はさらに処理されてもよい。好ましくは、介在層は、高温度(例えば、70〜340℃)で少なくとも10秒から5分間ベーキングされて、該介在層からいかなる残留溶媒も除去される。好ましくは、ベーキングした介在層は、結合してないいかなる残留介在層材を基板表面から除去することができる溶媒で洗い流し、次いで高温度(例えば70〜340℃)で少なくとも10秒から5分間再度ベーキングして、いかなる残留溶媒も除去する。
【0054】
本発明の共重合体組成物の膜を本発明の方法で基板に塗布することは、好ましくは、スピンコーティング、浸漬コーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング及びスプレーラミネーティング(スピンコーティングが最も好ましい)から選択される方法を用いて基板上に共重合体組成物を堆積することを含む。共重合体組成物を基板に塗布した後、いかなる残留溶媒も除去するために、堆積した共重合体組成物はさらに処理されてもよい。好ましくは、堆積した共重合体組成物は、高温度(例えば、70〜340℃)で少なくとも10秒から5分間ベーキングされて、共重合体組成物の堆積膜からいかなる残留溶媒も除去される。
【0055】
堆積膜のアニーリングは、任意のアニーリング技法、例えば、熱アニーリング、熱勾配アニーリング、及び溶媒蒸気アニーリングによって行われ得る。好ましくは、堆積膜は熱アニーリング技法を用いてアニールされる。より好ましくは、堆積膜は熱アニーリング技法を用いてアニールされ、該堆積膜は200〜340℃(より好ましくは、200〜300℃、最も好ましくは225〜300℃)の温度で0.5分間から2日間(より好ましくは0.5分間から2時間、さらに好ましくは0.5分間から0.5時間)加熱される。好ましくは、該堆積膜は、熱アニーリング技法を用いて気体雰囲気下でアニールされ、該気体雰囲気は、≧20重量%酸素を含有する雰囲気及び≦20重量%酸素を含有する雰囲気から選択される。より好ましくは、該堆積膜は、熱アニーリング技法を用いて気体雰囲気下でアニールされ、該気体雰囲気は、窒素ガス雰囲気及びアルゴンガス雰囲気から選択され、該気体雰囲気は、≦150ppm(より好ましくは≦10ppm、さらに好ましくは≦7.5ppm、さらに好ましくは≦6.5ppm、最も好ましくは≦5ppm)の酸素濃度を有する。最も好ましくは、該堆積膜は、≦100ppm(好ましくは≦7.5ppm、より好ましくは≦6.5ppm、最も好ましくは≦5ppm)の酸素濃度を有する窒素ガス雰囲気下で熱アニールされる。
【0056】
本発明の方法では、アニールされた膜は、該アニールされた膜中のポリ(アクリレート)ドメインを除去し、次いで該アニールされた膜中のポリ(シリルアクリレート)ドメインをSiO
xに変えるよう処理され、複数のボイド(すなわち、基板表面に垂直な溝形ボイド、基板表面に垂直な対称軸を有する円筒孔、基板表面に垂直な対称軸を有する複数の円筒状のSiO
x柱)を有する生成物膜を与える。この処理は、アニールされた膜からポリ(アクリレート)ドメインの除去及びポリ(シリルアクリレート)ドメインのSiO
xへの変換を促進するために、該膜中のポリ(シリルアクリレート)と比較して、ポリ(アクリレート)への反応差異を示す条件に該膜を曝すことを含む。好ましくは、該処理は、アニールされた膜の表面に形成されたいかなる濡れ層も除去するために、アニールされた膜をハロゲン含有プラズマ(例えばCF
4)に曝してもよく、それに続いてポリ(アクリレート)ドメインを除去して、ポリ(シリルアクリレート)ドメインをSiO
xに変えるために、アニールされた膜を反応性プラズマ又は反応性イオンエッチング雰囲気に曝すことを含む。最も好ましくは、該処理は、アニールされた膜上に形成されたいかなる濡れ層も除去するために、アニールされた膜をハロゲン含有プラズマに曝し、次いでアニールされた膜を反応性プラズマ又は反応性イオンエッチング雰囲気に曝すことを含み、該雰囲気は、低圧イオン化の酸化気体(好ましくはO
2)から構成されるプラズマを含み、アニールされた膜中のポリ(アクリレート)は除去され、アニールされた膜中のポリ(シリルアクリレート)ドメインをSiO
xに変える。
【0057】
ここで、本発明の一部の実施形態を以下の実施例で詳細に説明することにする。
【0058】
本明細書の実施例で使用する前に、以下の材料、すなわちテトラヒドロフラン(純度99.9%、Aldrichから入手可能)、スチレン(Aldrichから入手可能)及びシクロヘキサン(HPCLグレード、Fischerから入手可能)を、A−2グレード活性アルミナを充填したカラムに通した。本明細書の実施例で使用する前に、以下の材料、すなわち1,1−ジフェニルエチレン(Aldrichから入手可能)及びメチルメタクリレート(MMA)を、塩基性アルミナを充填したカラムに通した。本明細書の実施例で使用した他のすべての材料は、市販されている材料であり、そのまま使用した。
【0059】
本明細書の実施例で報告した膜厚は、NanoSpec/AFT2100膜厚測定具を用いて測定した。膜厚は、回折格子を通った白色光の干渉から決定された。膜厚を決定するために、「ポリイミド上のシリコン”Polyimide on Silicon”」と呼ばれる標準プログラムを用いて、成分波長(380〜780nm)を分析した。堆積ブロック共重合体組成物及びブラシ層の膜厚は、1高分子層として一緒に測定された。報告した膜厚は、堆積ブロック共重合体組成物とブラシ層とを合わせた厚みである。
【0060】
実施例で報告した数平均分子量(M
N)、及び多分散値は、Agilent1100シリーズ屈折率を備えたAgilent1100シリーズLCシステム及びMiniDAWN光散乱検出器(Wyatt Technology Co.)上でゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定された。試料は、約1mg/mLの濃度のHPCL用グレードのTHFに溶解させて、PLGel300×7.5mmのC混合カラム(5mm、Polymer Laboratories,Inc.)2本を通して注入する前に、0.20μmシリンジフィルタを通して濾過させた。流速を1mL/分、温度を35℃で維持した。これらのカラムを、狭分子量PS標準(EasiCal PDS−2、Polymer Laboratories,Inc.)で較正した。
【0061】
実施例で言及したプロトン核磁気共鳴(
1H NMR)分光測定結果は、Varian INOVA 400MHz NMR分光計で行った。重水素化クロロホルムを用いた。10秒の遅延時間を用いて、定量的統合のためにプロトンの完全な緩和を確実にした。化学シフトを、テトラメチルシランと比較して報告する。
【0062】
実施例で述べた反応性イオンエッチングのすべてのステップで、PlasmaTherm 790i/反応イオンエッチングプラトフォームを使用した。
【0063】
実施例で報告した膜の膜ピッチ、L
0は、ImageJ(パブリックドメイン、JAVAベースの画像処理プログラム)による膜のSEMSの画像解析を用いて測定した。空間較正を最初に行って、画像中のピクセルでの距離を所定のSEM像用のナノメートルでの距離に変換した。膜ピッチを測定するために、複数のSiO
x円筒を横切って、及び円筒に対して垂直に1本の線を引いた。描画した線の長さを(n−1)で分割することで、膜ピッチを較正した。nは描画した線が交差するSiO
x円筒の数である。
【実施例】
【0064】
実施例1:ヒドロキシル基末端ポリスチレンブラシの作製
窒素雰囲気下で2リットルのガラス反応器にシクロヘキサン(1,500g)を加えた。次いで、スチレン(50.34g)を、カニューレを介して該反応器に加えた。次いで、反応器内容物を40℃まで加熱した。次いで、sec−ブチルリチウム(19.18g)を含むシクロヘキサンを0.32Mの濃度まで希釈して、カニューレを介して反応器に加えると、反応器内容物が黄色に変わった。反応器内容物を30分間撹拌した。次いで、反応器内容物を30℃まで冷却した。次いで、エチレンオキシド(0.73g)を反応器に移した。反応器内容物を15分間撹拌した。次いでHCIを含む1.4Mメタノール溶液20mLを反応器に加えた。次いで、反応器中のポリマーを、ポリマー溶液500mL対イソプロパノール1,250mLの割合でイソプロパノールに沈殿させることで、単離した。次いで、結果として生じた沈殿物を濾過して、60℃の真空オーブン中で一晩乾燥させて、ヒドロキシル基末端ポリスチレン生成物42gを得た。ヒドロキシル基末端ポリスチレン生成物は、7.4kg/モルの数平均分子量(M
N)及び1.07の多分散(PD)を示した。
【0065】
比較実施例C1:PS−b−PDMSジブロック共重合体の作製
アルゴン雰囲気下で500mLの三つ口丸底反応器にシクロヘキサン(90mL)とスチレン(18.4g)を加えた。次いで、反応器内容物を40℃まで温めた。次いで、sec−ブチルリチウムを含む1.4Mシクロヘキサン溶液を0.5mLショットで、カニューレを介して反応器に迅速に加えると、反応器内容物は黄橙色に変わった。反応器内容物を30分間撹拌させておいた。次いで、反応器内容のごく一部を反応器から取り出し、形成されたポリスチレンブロックのゲル浸透クロマトグラフィー分析用の無水メタノールを含有する丸底小フラスコに加えた。次に、2,2,5,5−テトラメチルジシラフラン(337mg)を反応器に加えた。前述の橙色は、ゆっくりと薄くなり始めた。1時間後、反応器内容物はわずかな黄色になった。次いで、新たに昇華したヘキサメチルシクロトリシロキサン(10.1g)を、カニューレを介して反応器に移した。反応器内容物が無色になるまで、反応器内容物を1.5時間反応させておいた。次いで、乾燥テトラヒドロフラン(90mL)を反応器に加えて、反応を3.25時間、進行させておいた。次いで、クロロトリメチルシラン(1mL)を反応器に加えて、反応をクエンチした。生成物を、500mLのメタノールに沈殿させて、濾過することによって単離した。さらなるメタノールで洗浄した後、該ポリマーを塩化メチレン150mLに再溶解させて、脱イオン水で3回洗浄し、次いで500mLのメタノールに再沈殿させた。次いで、該ポリマーを濾過して、70℃の真空オーブンで一晩乾燥させて、22.1gを得た。ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロック共重合体(「PS−b−PDMS」)生成物は、35.8kg/モルの数平均分子量(M
N)、1.01の多分散(PD)、及び25.0重量%PDMS含有量を示した(
1H NMRで決定した)。
【0066】
実施例2:PMMA−b−PTMSMMAジブロック共重合体の作製
アルゴン雰囲気下で500mLの三つ口丸底反応器にテトラヒドロフラン(「THF」)(113g)を加えた。次いで、このTHFを反応器中で−78℃まで冷却した。次いで、反応器内容物が淡黄色を持続的に示すまで該反応器内容物をsec−ブチルリチウムを含む0.36Mシクロヘキサン溶液で滴定した。次いで、反応器内容物を30℃まで温めて、内容物の色が完全に消えるまで30℃で維持した(およそ10〜15分間)。次いで、シクロヘキサン(2.278g)に希釈した1,1−ジフェニルエチレン(0.116g)を、カニューレを介して反応器に移した。次いで、反応器内容物を−78℃まで冷却した。次いで、シクロヘキサンで0.065Mまで希釈したsec−ブチルリチウム(6.15g)を、カニューレを介して反応器に迅速に加えると、反応器内容物が濃いルビーレッドに変わった。反応器内容物を10分間撹拌させておいた。次いで、メチルメタクリレート(11.53g)を含むシクロヘキサン(5.31g)を、カニューレを介して反応器に移すと、反応器内容物の色が消えた。メチルメタクリレートを反応器に添加すると1分以内に反応器内容物は21℃の温度上昇を示した。次いで、反応器内容物を冷却して−78℃まで戻して、反応器内容物をさらに60分間撹拌させておいた。次いで、形成されたポリメチルメタクリレート(「PMMA」)ブロックのゲル浸透クロマトグラフィー分析用に反応器内容のごく一部を反応器から取り出した。次いで、シクロヘキサン(4.86g)に希釈した(トリメチルシリル)メチルメタクリレート(「TMSMMA」)(4.52g)を、カニューレを、介して反応器に移した。TMSMMAを反応器に添加して2分以内に、反応器内容物を−69℃まで温めてから、冷却して−78℃まで戻した。反応器内容物をさらに2.5時間撹拌し、その後、無水メタノールを反応器に添加することで反応をクエンチした。次いで、反応器内容物を1リットルのメタノールに沈殿させた。固形生成物を減圧濾過によって収集した。さらなるメタノールで洗浄した後に、該ポリマーを150mLの塩化メチレンに再溶解させ、脱イオン水で2回洗浄し、次いで、1リットルのメタノールに再沈殿させた。次いで、該ポリマーを濾過して、60℃の真空オーブンで一晩乾燥させて、15.1gを得た。生成物ポリ(メチルメタクリレート)−b−ポリ(トリメチルシリル)メチルメタクリレートブロック共重合体(「PMMA−b−PTMSMMA」)は、31.4kg/モルの重量平均分子量(M
W)、1.21の多分散(PD)、及び30重量%ポリ(トリメチルシリル)メチルメタクリレート含有量を示した(
1H NMRで決定した)。
【0067】
実施例3:PMMA−b−PTMSMMAジブロック共重合体の作製
アルゴン雰囲気下で500mLの三つ口丸底反応器にテトラヒドロフラン(「THF」)(142g)を加えた。次いで、THFを反応器中で−78℃まで冷却した。次いで、反応器内容物が淡黄色を持続的に示すまで該反応器内容物をsec−ブチルリチウムを含む0.36Mシクロヘキサン溶液で滴定した。次いで、反応器内容物を30℃まで温めて、内容物の色が完全に消えるまで30℃で維持した(およそ10〜15分間)。次いで、シクロヘキサン(1.63g)に希釈した1,1−ジフェニルエチレン(0.086g)を、カニューレを介して反応器に移した。次いで、反応器内容物を−78℃まで冷却した。次いで、シクロヘキサンで0.065Mまで希釈したsec−ブチルリチウム(4.5g)を、カニューレを介して反応器に迅速に加えると、反応器内容物が濃いルビーレッドに変わった。反応器内容物を21分間撹拌させておいた。次いで、メチルメタクリレート(11.5g)を含むシクロヘキサン(17.81g)を、カニューレを介して反応器に移すと、反応器内容物の色が消えた。メチルメタクリレートを反応器に添加すると1分以内に反応器内容物は15〜20℃の温度上昇を示した。次いで、反応器内容物を冷却して−78℃まで戻して、反応器内容物をさらに30分間撹拌させておいた。次いで、形成されたポリメチルメタクリレート(「PMMA」)ブロックのゲル浸透クロマトグラフィー分析用に反応器内容のごく一部を反応器から取り出した。次いで、シクロヘキサン(10.26g)に希釈した(トリメチルシリル)メチルメタクリレート(「TMSMMA」)(4.27g)を、カニューレを介して反応器に移した。TMSMMAを反応器に添加して2分以内に反応器内容物を−70℃まで温めてから、冷却して−78℃まで戻した。反応器内容物をさらに3.75時間撹拌し、その後、無水メタノールを反応器に添加することで反応をクエンチした。次いで、反応器内容物を1リットルのメタノールに沈殿させた。固形生成物を減圧濾過によって収集した。さらなるメタノールで洗浄した後に、該ポリマーを150mLの塩化メチレンで再溶解させ、脱イオン水で2回洗浄し、次いで、1リットルのメタノールに再沈殿させた。次いで、該ポリマーを濾過して、60℃の真空オーブンで一晩乾燥させて、15.1gを得た。生成物ポリ(メチルメタクリレート)−b−ポリ(トリメチルシリル)メチルメタクリレートブロック共重合体(「PMMA−b−PTMSMMA」)は、42.0kg/モルの重量平均分子量(M
W)、1.18の多分散(PD)、及び28重量%ポリ(トリメチルシリル)メチルメタクリレート含有量を示した(
1H NMRで決定した)。
【0068】
実施例4:基板の作製
自然酸化物層を有するシリコンウエハから小片(
〜1”×1”)を切断することによって基板を作製した。実施例1に従って作製したヒドロキシル基末端ポリスチレンブラシをトルエンに溶解させて、1.5重量%ブラシ溶液を形成した。次いで、該ブラシ溶液を3,000rpmで1分間、各基板上にスピンコートした。次いで、該基板を150℃に設定したホットプレート上に1分間置くことによって堆積ブラシ層をベーキングした。次いで、窒素雰囲気下で、250℃に設定した別のホットプレート上に20分間該基板を置くことによって堆積ブラシ層をアニールした。次いで、該基板基質を室温まで冷却した。次いで、該基板をトルエンに1分間浸漬した。次いで、該基板を3,000rpmで1分間スピン乾燥させた。次いで、110℃に設定したホットプレート上に該基板を1分間置き、次いで、使用するまで窒素中で保管した。
【0069】
比較実施例F1:膜堆積−自己組織化
比較実施例C1に従って作製したPS−b−PDMSブロック共重合体をプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(「PGMEA」)(Dowanol(登録商標)PMA、The Dow Chemcal Companyから入手可能)に溶解させて、1.6重量%溶液を形成した。次いで、該溶液を0.2μmのWhatmanシリンジフィルタを通して手動で濾過した。次いで、実施例4に従って作製した基板のポリスチレンブラシ表面上に濾過溶液を2,370rpmでスピンコートして、41.5nmのPS−b−PDMS膜を形成した。次いで、150℃に設定したホットプレート上に該基板を1分間置いて、該膜をベーキングした。次いで、50psig窒素下で、250℃に設定した別のホットプレート上に1時間、該基板を置いて、PS−b−PDMS膜をアニールした。
【0070】
PDMSの表面濡れ層が、アニールした膜上の大気と膜の界面で形成された。次いで、堆積PS−b−PDMS膜のブロック共重合体の形態を明らかにするために、アニールした膜を2つの連続した反応性イオンエッチング(RIE)ステップを用いて処理した。最初に、短いCF
4プラズマ(10mT、50W)RIE処理(プラズマ安定化後8秒)を用いて(PD)MSの表面濡れ層を除去した。次に、O
2プラズマRIE処理(プラズマ安定化後25秒)を用いて、ポリスチレンドメインを除去して(PD)MSドメインをSiO
xに変えた。
【0071】
次いで、プラズマ処理膜をHitachi製S−4500走査型電子顕微鏡(SEM)及び二次電子検出器を共に用いる走査電子顕微鏡法によって検査した。カーボン両面テープを用いて試験試料をSEMステージに取り付け、分析の前に窒素を吹き付けることによって清浄した。試験試料の画像は、50,000倍率で、4と8の間の作動距離で収集した。該膜は、32.0nmピッチを示した。
【0072】
比較実施例F2:膜堆積−自己組織化
実施例2に従って作製したPMMA−b−PTMSMMAブロック共重合体をプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)に溶解させて、1.2重量%溶液を形成した。次いで、該溶液を0.2μmのWhatmanシリンジフィルタを通して手動で濾過した。次いで、実施例4に従って作製した基板のポリスチレンブラシ表面上に濾過溶液をスピンコートして、PMMA−b−PTMSMMA膜を形成した。次いで、150℃に設定したホットプレート上に該基板を1分間置いて、該膜をベーキングした。次いで、空気下で、290℃に設定した別のホットプレート上に2分間、該基板を置いた。
【0073】
PTMSMMAの表面濡れ層が、アニールした膜上の大気と膜の界面で形成された。次いで、堆積PMMA−b−PTMSMMA膜のブロック共重合体の形態を明らかにするために、アニールした膜を2つの連続した反応性イオンエッチング(RIE)ステップを用いて処理した。最初に、短いCF
4プラズマ(10mT、50W)RIE処理(プラズマ安定化後8秒)を用いて、PTMSMMAの表面濡れ層を除去した。次いで、O
2プラズマRIE処理(プラズマ安定化後25秒)を用いて、ポリ(メチルメタクリレート)ドメインを除去して、PTMSMMAドメインをSiO
xに変えた。
【0074】
次いで、プラズマ処理生成膜をHitachi製S−4500走査型電子顕微鏡(SEM)及び二次電子検出器を共に用いる走査電子顕微鏡法によって検査した。カーボン両面テープを用いて試験試料をSEMステージに取り付け、分析の前に窒素を吹き付けることによって清浄した。試験試料の画像は、50,000倍率で、4と8の間の作動距離で収集した。該生成膜は、36.3nmピッチを示した。
【0075】
実施例5:膜堆積−自己組織化
実施例2に従って作製したPMMA−b−PTMSMMAブロック共重合体の及び5重量%の酸化防止剤ペンタエリトリトールテトラキス(3−(3,5−ジブチル−ターシャルブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート)(商品名IRGANOX(登録商標)1010でBASFから入手可能)の調合物をプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)に溶解させて1.2重量%溶液を形成した。次いで、該溶液を0.2μmのWhatmanシリンジフィルタを通して手動で濾過した。次いで、実施例4に従って作製した基板のポリスチレンブラシ表面上に濾過溶液をスピンコートして、PMMA−b−PTMSMMA膜を形成した。次いで、150℃に設定したホットプレート上に該基板を1分間置いて、該膜をベーキングした。次いで、空気下で、290℃に設定した別のホットプレート上に2分間、該基板を置いた。
【0076】
PTMSMMAの表面濡れ層が、アニールした膜上の雰囲気と膜の界面で形成された。次いで、堆積PMMA−b−PTMSMMA膜のブロック共重合体の形態を明らかにするために、アニールした膜を2つの連続した反応性イオンエッチング(RIE)ステップを用いて処理した。最初に、短いCF
4プラズマ(10mT、50W)RIE処理(プラズマ安定化後8秒)を用いて、PTMSMMAの表面濡れ層を除去した。次に、O
2プラズマRIE処理(プラズマ安定化後25秒)を用いて、ポリ(メチルメタクリレート)ドメインを除去して、PTMSMMAドメインをSiO
xに変えた。
【0077】
次いで、プラズマ処理生成膜をHitachi製S−4500走査型電子顕微鏡(SEM)及び二次電子検出器を共に用いる走査電子顕微鏡法によって検査した。カーボン両面テープを用いて試験試料をSEMステージに取り付け、分析の前に窒素を吹き付けることによって清浄した。試験試料の画像は、50,000倍率で、4と8の間の作動距離で収集した。該生成膜は、35.7nmピッチを示し、酸化防止剤の濃度の上昇による明らかな有害な影響は認められなかった。