(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成のように、駆動部に減速輪列を用いた場合、バッフルを開姿勢と閉姿勢との中間の姿勢で停止させたとき、歯車間のバックラッシによって、バッフルに回転ガタが発生し、バッフルの位置精度が低いという問題点がある。
【0006】
一方、特許文献2、3に記載の構成の場合、カム機構を用いたためにバッフルに引っ張りコイルバネを接続しており、歯車間のバックラッシの影響を抑制する技術ではない。また、引っ張りコイルバネによって、歯車間のバックラッシの影響を抑制しようとすると、フレームとバッフルとの間に、引っ張りコイルバネの長さ分のスペースを確保する必要があるため、ダンパ装置が大型化するという問題点がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、駆動部での歯車間のバックラッシの影響をバネによって抑制した場合でも、小型化を図ることのできるダンパ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るダンパ装置は、開口部が形成されたフレームと、前記開口部を開閉するためのバッフルと、モータの回転を減速輪列を介して前記バッフルに伝達して当該バッフルを回転させ、前記バッフルの姿勢を前記開口部を閉じた閉姿勢、前記開口部を開いた開姿勢、および前記閉姿勢と前記開姿勢との間の中間姿勢に切り換える駆動部と、巻回部が前記バッフルの回転中心軸線の周りに配置され、前記巻回部から延在した一方端が前記フレームに当接するとともに前記巻回部から延在した他方端が前記バッフルに当接して前記バッフルを前記開口部に対する閉方向および開方向のいずれか
一方に付勢する捩りコイルバネと、を有し、前記バッフルは、前記回転中心軸線の一方側から他方側に向けて当該回転中心軸線と同軸状に突出する軸部を備え、前記巻回部は、前記軸部の周りに配置され
、前記軸部は、前記回転中心軸線の前記一方側で前記駆動部に接続された第1軸部と、該第1軸部に対して前記回転中心軸線の前記他方側で前記巻回部の内側に位置する第2軸部と、を備え、前記第2軸部は、前記第1軸部より外径が小であり、前記第1軸部には、前記第2軸部の側とは反対側に向けて開口して前記駆動部の出力軸が嵌った穴が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明では、捩りコイルバネによってバッフルを付勢しているため、駆動部での歯車間のバックラッシの影響をバネによって抑制することができる。また、捩りコイルバネは、
バッフルの回転中心軸線の周りに配置されているため、捩りコイルバネを配置するためのスペースが小さくてよい。従って、ダンパ装置の小型化を図ることができる。
【0010】
また、前記バッフルは、前記回転中心軸線の一方側から他方側に向けて当該回転中心軸線と同軸状に突出する軸部を備え、前記巻回部は、前記軸部の周りに配置されている
ため、簡素な構成で捩りコイルバネを設ける部分を確保することができる。
【0011】
また、前記軸部は、前記回転中心軸線の前記一方側で前記駆動部に接続された第1軸部と、該第1軸部に対して前記回転中心軸線の前記他方側で前記巻回部の内側に位置する第2軸部と、を備え、前記第2軸部は、前記第1軸部より外径が小であり、前記第1軸部には、前記第2軸部の側とは反対側に向けて開口して前記駆動部の出力軸が嵌った穴が形成されている。従って、駆動部に接続された第1軸部より径方向外側に捩りコイルバネの巻回部が張り出すことを抑制することができるので、バッフルの回転中心軸線の周りに余計なスペースが発生しない。このため、ダンパ装置の小型化を図ることができる。
【0012】
本発明において、前記バッフルは、前記捩りコイルバネの前記他方端が当接する側の面に、当該バッフルの外縁に沿って延在するリブを備え、前記回転中心軸線方向からみたとき、前記リブは、前記軸部を含む前記バッフル全体において前記リブを除いた部分の厚さ方向の範囲内に位置することが好ましい。かかる構成によれば、バッフルの薄型化を図ることができる。
【0013】
本発明において、前記巻回部の外径は、前記第1軸部の外径より小であることが好ましい。かかる構成によれば、駆動部に接続された第1軸部より径方向外側に捩りコイルバネの巻回部が張り出さないので、バッフルの回転中心軸線の周りに余計なスペースが発生しない。このため、ダンパ装置の小型化を図ることができる。
【0014】
本発明において、前記捩りコイルバネは、前記第1軸部の前記第2軸部側の端面により前記第1軸部側における前記巻回部の位置が規定されていることが好ましい。かかる構成によれば、第2軸部の周りに捩りコイルバネの巻回部を装着することにより、捩りコイルバネの位置決めを行うことができる。
【0015】
本発明において、前記バッフルおよび前記フレームの少なくとも一方には、前記捩りコイルバネの前記他方側への移動を阻止するストッパが設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、捩りコイルバネが軸部から外れにくい。
【0016】
本発明において、前記回転中心軸線方向からみたとき、前記捩りコイルバネにおいて前記巻回部から前記他方端まで延在する部分が、前記軸部を含む前記バッフル全体の厚さ方向の範囲内に位置することが好ましい。かかる構成によれば、バッフルが開姿勢となったときでも、捩りコイルバネにおいて巻回部から他方端まで延在する部分がフレームに接することがない。
【0017】
本発明において、前記捩りコイルバネは、前記閉姿勢、前記開姿勢、および前記中間姿勢のいずれにおいても付勢力を発生させていることが好ましい。かかる構成によれば、ダンパ装置を組み立てる際、捩りコイルバネを装着しただけで、捩りコイルバネがフレームとバッフルとの間に保持される。
【0018】
本発明において、前記捩りコイルバネは、前記フレームの外縁より内側に位置することが好ましい。かかる構成によれば、ダンパ装置をダクト等に配置したときでも、捩りコイ
ルバネがダクトと接することがない。
【0019】
本発明において、前記モータはステッピングモータであり、前記捩りコイルバネは、前記バッフルを閉方向に付勢する構成を採用することができる。
【0020】
本発明において、前記バッフルは、前記モータの駆動力によって前記開口部の周りに押し付けられることが好ましい。かかる構成によれば、捩りコイルバネの付勢力が小さい場合でも、開口部を確実に閉状態とすることができる。
【0021】
本発明では、前記中間姿勢において前記バッフルが前記捩りコイルバネから受ける付勢力は、前記ステッピングモータのディテントトルクが前記バッフルに作用する停止力より小であることが好ましい。かかる構成によれば、中間姿勢においてバッフルが捩りコイルバネから受ける付勢力によって回転しない。
【0022】
本発明において、前記中間姿勢において、前記バッフルが前記捩りコイルバネの付勢力によって回転しようとする力は、前記バッフルが自重により回転しようとする力、および前記バッフルが前記開口部を通る気流から受ける圧力により回転しようとする力よりも大であることが好ましい。かかる構成によれば、バッフルが自重や気流から受ける圧力により回転しにくい。
【0023】
本発明では、前記中間姿勢において、前記バッフルが自重により回転しようとする方向と、前記バッフルが前記開口部を通る気流から受ける圧力により回転しようとする向きとが逆であることが好ましい。かかる構成によれば、バッフルが自重や気流から受ける圧力により回転しにくい。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、捩りコイルバネによってバッフルを付勢しているため、駆動部での歯車間のバックラッシの影響をバネによって抑制することができる。また、捩りコイルバネは、バッフルの回転中心軸線の周りに配置されているため、捩りコイルバネを配置するためのスペースが小さくてよい。従って、ダンパ装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明を適用した冷蔵庫用のダンパ装置について説明する。以下の説明では、バッフル4の回転中心軸線をLとし、回転中心軸線Lに沿う方向をX方向とし、開口部が向いている方向をZ方向とし、X方向およびZ方向に直交する方向をY方向として説明する。また、X方向の一方側をX1とし、X方向の他方側をX2とし、Y方
向の一方側をY1とし、Y方向の他方側をY2とし、Z方向の一方側をZ1とし、Z方向の他方側をZ2として説明する。また、回転中心軸線Lを水平方向とし、Y方向の一方側Y1を重力方向の下側とし、Y方向の他方側Y2を重力方向の上側として説明する。
【0027】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係るダンパ装置1の説明図であり、
図1(a)は、開口部210に対してバッフル4が配置されている側とは反対側からみた斜視図であり、
図1(b)は、開口部210に対してバッフル4が配置されている側からみた斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係るダンパ装置1を開口部210に対してバッフル4が配置されている側からみた正面図である。
【0028】
図1および
図2に示すように、本形態のダンパ装置1は、矩形の開口部210が形成されたフレーム2と、開口部210を開閉するためのバッフル4とを有している。フレーム2は、開口部210が形成された第1フレーム21と、内部に駆動部6が配置された第2フレーム22とを有している。第1フレーム21は、開口部210が形成された矩形の端板部211と、端板部211の外縁からZ方向の他方側Z2に突出した角筒状の胴部212とを有している。胴部212において、X方向の一方側X1に位置する部分は、Z方向の他方側Z2に突出した連結板部215になっており、かかる連結板部215は、第2フレーム22と連結されている。なお、第2フレーム22に対してバッフル4と反対側に、開口部230やバッフル5を配置する場合、第2フレーム22に対して第1フレーム21とは反対側に第3フレーム23が配置される。
【0029】
本形態において、駆動部6は、Z方向(水平方向)に延在する回転中心軸線L周りにバッフル4を回転させて開口部210を開閉する。駆動部6は、バッフル4の姿勢を、回転中心軸線Lを中心に矢印Aで示す閉方向にバッフル4を回転させて開口部210をバッフル4で塞ぐ閉姿勢(実線4Aで示す直立姿勢)と、回転中心軸線Lを中心に矢印Bで示す開方向にバッフル4を回転させて開口部210を開放する開姿勢(二点鎖線4Bで示す水平姿勢)と、閉姿勢と開姿勢との間の中間姿勢(点線4Cで示す斜め姿勢)とに切り換える。
【0030】
かかるダンパ装置1は、冷気通路を構成するダクトの内側に配置される。ここで、冷気は、
図1(a)に矢印Dで示すように、開口部210に対してバッフル4が配置されている側とは反対から開口部210を通って流れる。あるいは、
図1(b)に矢印Eで示すように、開口部210に対してバッフル4が配置されている側から開口部210を通って流れる。本形態では、
図1(b)に矢印Eで示すように、開口部210に対してバッフル4が配置されている側から開口部210を通って流れる。従って、中間姿勢において、バッフル4が自重により回転しようとする方向と、バッフル4が開口部210を通る冷気(気流)から受ける圧力により回転しようとする向きとが逆である。従って、バッフル4が自重や冷気から受ける圧力により回転しにくい。
【0031】
(バッフル4の構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係るダンパ装置1のバッフル4の説明図であり、
図3(a)は、バッフル4を開口部210の側からみた斜視図であり、
図3(b)は、バッフル4を開口部210とは反対側からみた斜視図である。
【0032】
図1、
図2および
図3に示すように、バッフル4は、開口部210よりサイズが大きな平板部41を備えた開閉板40と、開閉板40の開口部210側の面に貼り付けられた発泡ポリウレタン等からなる弾性シート49とを有しており、弾性シート49が開口部210の周りに当接して開口部210を塞ぐ。また、開閉板40において、平板部41の開口
部210とは反対側の面(後述する捩りコイルバネ9の他方端97が当接する側の面)には、バッフル4の外縁に沿って延在するリブ42、43、44、45が形成されている。ここで、上側のリブ42および下側のリブ43は、延在方向において同一の突出寸法を有しているのに対して、側方のリブ44、45は、上側から下方に向けて突出寸法が直線的に増大する台形形状を有している。
【0033】
また、バッフル4は、平板部41の下方位置で、X方向の一方側X1のリブ45を構成する側板部47の下方位置からX方向の他方側X2に向けて突出する軸部46を有している。軸部46は、回転中心軸線Lと同軸状に形成されており、軸部46のX方向の一方側X1は、駆動部6に接続される。このため、軸部46は、回転中心軸線Lの一方側で駆動部6に接続された第1軸部461と、第1軸部461から回転中心軸線Lの他方側に突出する第2軸部462とを備えており、第2軸部462は、第1軸部461より外径が小である。このため、第1軸部461は、第1軸部461の周りにX方向の他方側X2に向く端面460を有している。
【0034】
また、バッフル4は、平板部41の下方位置で、X方向の他方側X2のリブ44を構成する側板部48の下方位置に円柱部485を有しており、円柱部485からは、X方向の他方側X2(外側)に向けて、第1フレーム21に回転可能に支持される軸状の被支持部486が突出している。
【0035】
(駆動部6の構成)
図4は、本発明の実施の形態1に係るダンパ装置1の駆動部6の説明図であり、
図4(a)は、バッフル4を駆動するための構成を示す説明図であり、
図4(b)は、バッフル4とともに、
図1に示すバッフル5を駆動するための構成の一部を示す説明図である。
【0036】
図4(a)に示すように、駆動部6は、第2フレーム22の内側に配置されたモータ60と、減速輪列65と、モータ60の回転が減速輪列65を介して伝達される駆動歯車69と、駆動歯車69の回転に特定の区間において従動する従動歯車61とを有しており、本形態において、モータ60はステッピングモータである。モータ60は、第1フレーム21と第2フレーム22との間に保持され、減速輪列65は、第2フレーム22と第1フレーム21の連結板部215とによって回転可能に支持され、駆動歯車69および従動歯車61は、第2フレーム22によって回転可能に支持されている。
【0037】
減速輪列65は、モータピニオン601に噛合する大径歯車661を備えた1番車66と、1番車66の小径歯車(図示せず)に噛合する大径歯車671を備えた2番車67と、2番車67の小径歯車(図示せず)に噛合する大径歯車681を備えた3番車68を有しており、3番車68の小径歯車682に駆動歯車69が噛合している。
【0038】
駆動歯車69は、円筒部695と、円筒部695に対してZ方向の他方側X2に形成された扇形歯車696とを有している。従動歯車61は、筒部611と、筒部611の外周面に形成された扇形歯車612と、筒部611からZ方向の他方側X2に突出した出力軸613とを有している。このため、駆動歯車69の回転は、扇形歯車612、696が噛合した際のみ従動歯車61に伝達される。ここで、従動歯車61の扇形歯車612において、歯部615は、軸方向において分厚く形成されているのに対して、歯部616は、軸方向において薄く形成されており、歯部616が駆動歯車69に乗り上げたとき、歯部615が駆動歯車69の円筒部695の外周面に当接して従動歯車61の無駄な回転を阻止するようになっている。
【0039】
ここで、出力軸613は、外周面の一部に平面部が形成されている。また、
図3等を参照して説明したバッフル4の第1軸部461には、第2軸部462の側とは反対側に向け
て開口する穴469が形成されており、かかる穴469に出力軸613が嵌っている。穴469の内部には、出力軸613の平面部に重なる平面部が形成されている。従って、出力軸613の回転がバッフル4の第1軸部461に伝達される結果、バッフル4は、出力軸613および第1軸部461の中心軸線を回転中心軸線Lとして回転する。また、モータ60はステッピングモータであり、双方向に回転可能である。従って、バッフル4は開方向および閉方向のいずれにも回転駆動される。
【0040】
なお、バッフル4とともに、
図1に示すバッフル5を駆動する場合、
図4(b)に示すように、扇形歯車642および扇形の係合突起641を備えた伝達車64を駆動歯車69に対して重ねて配置するとともに、駆動歯車69には、係合突起641に対する駆動力伝達部を所定の角度位置に形成しておく。また、従動歯車61と同様なバッフル5用の従動歯車(図示せず)を従動歯車61と同軸状に配置する。かかる構成によれば、駆動歯車69が回転した際、所定の角度範囲では、伝達車64が回転するので、バッフル5用の従動歯車を介してバッフル5を所定のタイミングで駆動することができる。
【0041】
(捩りコイルバネ9の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係るダンパ装置1に設けた捩りコイルバネ9の説明図であり、捩りコイルバネ9が配置されている周辺をX方向の他方側X2からみた説明図である。
【0042】
図1(b)、
図2および
図5に示すように、本形態のダンパ装置1には、バッフル4を開口部210に対する閉方向および開方向のいずれか一方に付勢する捩りコイルバネ9が配置されている。本形態において、捩りコイルバネ9は、
図1(b)等に矢印Cで示すように、バッフル4を開口部210に対する閉方向に付勢する。そして、バッフル4は、モータ60の駆動力によって開口部210の周りに押し付けられる。このため、捩りコイルバネ9の付勢力が小さい場合でも、開口部210を確実に閉状態とすることができる。また、閉状態において、モータ60の駆動力によってバッフル4を開口部210に向けて押し付ける力は、捩りコイルバネ9がバッフル4を開口部210に向けて押し付ける付勢より大きい。
【0043】
より具体的には、捩りコイルバネ9は、巻回部90がバッフル4の回転中心軸線Lの周りに配置され、巻回部90から延在した一方端91がフレーム2に当接するとともに、巻回部90から延在した他方端97がバッフル4の開口部210とは反対側の面に対して当接している。ここで、巻回部90は、軸部46のうち、第2軸部462の周りに配置されている。この状態で、捩りコイルバネ9の巻回部90の外径は、第1軸部461の外径より小である。また、巻回部90は、第1軸部461の端面460に隣り合う位置にある。このため、第1軸部461側における巻回部90の位置が規定されている。
【0044】
本形態において、巻回部90から延在した一方端91は、第1フレーム21からZ方向の他方側Z2に突出した支持板部240に対してY方向の他方側Y2から一方側Y1に向けて弾性をもって当接している。
【0045】
また、巻回部90から延在した他方端97は、巻回部90から径方向外側に直線的に延在した延在部96の先端側でX方向の一方側X1に屈曲した部分からなる。このため、延在部96がバッフル4のX方向の中央から他方側X2にずれた位置で延在している場合でも、他方端97は、バッフル4のX方向の中央、かつ、X方向に対して直交する方向の中央に当接している。
【0046】
この状態で、
図5に示すように、回転中心軸線L方向からみたとき、捩りコイルバネ9において巻回部90から他方端97まで延在する部分は、軸部46を含むバッフル4全体
の厚さ方向の範囲内(矢印Sで示す範囲内)にある。かかる構成を実現するにあたって、本形態では、バッフル4の厚さ方向において、リブ43は、軸部46の外周面より低くなっており、リブ43と軸部46の外周面との高低差は、捩りコイルバネ9の線径より大になっている。また、バッフル4の厚さ方向において、リブ43は、リブ44、45および軸部46の外周面より低くなっており、そのリブ44、45とリブ43との連接部分には、捩りコイルバネ9の線径より大きな段差が形成されている。従って、
図5に示すように、バッフル4が開姿勢となったときでも、捩りコイルバネ9において巻回部90から他方端97まで延在する部分が第1フレーム21の支持板部240等に接することがない。
【0047】
また、バッフル4において、リブ42、43、44、45は、軸部46を含むバッフル4全体においてリブ42、43、44、45を除く部分の厚さ方向の範囲内(矢印Sで示す範囲内)にある。従って、バッフル4の薄型化を図ることができる。
【0048】
また、捩りコイルバネ9は、フレーム2の外縁より内側に位置する。このため、ダンパ装置1をダクト等に配置したときでも、捩りコイルバネ9がダクトと接することがない。
【0049】
このように構成した捩りコイルバネ9において、中間姿勢においてバッフル4が捩りコイルバネ9から受ける付勢力は、ステッピングモータからなるモータ60のディテントトルクがバッフル4に作用する停止力より小である。このため、バッフル4は、中間姿勢において捩りコイルバネ9から受ける付勢力によって回転しない。また、中間姿勢において、バッフル4が捩りコイルバネ9の付勢力によって回転しようとする力は、バッフル4が自重により回転しようとする力、およびバッフル4が開口部210を通る気流から受ける圧力により回転しようとする力よりも大であることが好ましい。このため、バッフル4が自重や気流から受ける圧力により回転しにくい。
【0050】
また、捩りコイルバネ9は、バッフル4が閉姿勢、開姿勢、および中間姿勢のいずれにおいても付勢力を発生させている。このため、バッフル4がいずれの姿勢の状態で捩りコイルバネ9を装着しても、捩りコイルバネ9がそれ自身の付勢力によってフレーム2とバッフル4との間に保持される。例えば、本形態では、バッフル4が開姿勢の状態で捩りコイルバネ9を装着するが、この場合でも、捩りコイルバネ9がそれ自身の付勢力によってフレーム2とバッフル4との間に保持される。
【0051】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のダンパ装置1においては、捩りコイルバネ9によってバッフル4を付勢しているため、駆動部6での歯車間のバックラッシの影響をバネによって抑制することができる。また、捩りコイルバネ9は、バッフル4の回転中心軸線Lの周りに配置されているため、捩りコイルバネ9を配置するためのスペースが小さくてよい。従って、ダンパ装置1の小型化を図ることができる。
【0052】
また、捩りコイルバネ9の巻回部90は、バッフル4の軸部46の周りに配置されているため、簡素な構成で捩りコイルバネ9を設ける部分を確保することができる。また、軸部46のうち、巻回部90の内側に位置する第2軸部462は、第1軸部461より外径が小であるため、第1軸部461より径方向外側に巻回部90が張り出すことを抑制することができる。従って、バッフル4の回転中心軸線Lの周りに余計なスペースが発生しない。しかも、巻回部90の外径は、第1軸部461の外径より小である。このため、第1軸部461より径方向外側に巻回部90が張り出すことがない。それ故、ダンパ装置1の小型化を図ることができる。また、巻回部90は、第1軸部461の端面460に隣り合う位置にあるため、第1軸部461側における巻回部90の位置が規定されている。従って、第2軸部462の周りに巻回部90を装着することにより、捩りコイルバネ9の位置決めを行うことができる。
【0053】
[実施の形態1の改良例]
図6は、本発明の実施の形態1の改良例に係るダンパ装置1に設けたストッパの説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0054】
図6に示すように、本形態のダンパ装置1では、バッフル4およびフレーム2の少なくとも一方には、捩りコイルバネ9が回転中心軸線Lの他方側(X方向の他方側X2)への移動を阻止するストッパが設けられている。かかるストッパとしては、バッフル4の開閉板40の平板部41において捩りコイルバネ9の他方端97に対してX方向の他方側X2で隣り合う位置に設けた突起419を利用することができる。また、ストッパとしては、バッフル4の開閉板40のリブ43において捩りコイルバネ9の延在部96に対してX方向の他方側X2で隣り合う位置に設けた突起439を利用することができる。また、ストッパとしては、第1フレーム21の支持板部240において、捩りコイルバネ9の一方端91に対してX方向の他方側X2で隣り合う位置に設けた突起219を利用することができる。かかる構成によれば、捩りコイルバネ9が軸部46から外れにくいという効果を奏する。
【0055】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係るダンパ装置1の説明図であり、
図7(a)は、開口部210に対してバッフル4が配置されている側とは反対側からみた斜視図であり、
図7(b)は、開口部210に対してバッフル4が配置されている側からみた正面図であり、
図7(c)は、捩りコイルバネ9をX方向の他方側X2からみた説明図である。
図8は、本発明の実施の形態2に係るダンパ装置1に設けた捩りコイルバネ9の説明図であり、捩りコイルバネ9が配置されている周辺をX方向の他方側X2からみた説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0056】
図7および
図8に示すように、本形態のダンパ装置1でも、実施の形態1と同様、バッフル4を開口部210に対する閉方向および開方向のいずれか一方に付勢する捩りコイルバネ9が配置されている。本形態において、捩りコイルバネ9は、
図7(a)に矢印Cで示すように、捩りコイルバネ9は、バッフル4を開口部210に対する閉方向に付勢する。
【0057】
より具体的には、捩りコイルバネ9は、巻回部90が、軸部46のうち、第2軸部462の周りに配置されている。
【0058】
本形態において、巻回部90から延在した一方端91は、第1フレーム21からZ方向の他方側Z2に突出した支持板部240に対してY方向の他方側Y2から一方側Y1に向けて弾性をもって当接している。ここで、支持板部240において、捩りコイルバネ9の一方端91に対してX方向の他方側X2で隣り合う位置には第1突起219が形成されており、かかる第1突起219は、捩りコイルバネ9の一方端91が回転中心軸線Lの他方側(X方向の他方側X2)に移動することを阻止するストッパとして機能する。
【0059】
ここで、巻回部90から延在した他方端94は、バッフル4の開閉板40においてY方向の一方側Y1に設けたリブ43のY方向の一方側Y1の面430のうち、Z方向の他方側Z2の縁付近に当接している。また、リブ43には、Y方向の一方側Y1に突出した第2突起438が形成されており、かかる第2突起438は、捩りコイルバネ9の他方端94が回転中心軸線Lの他方側(X方向の他方側X2)に移動することを阻止するストッパとして機能する。
【0060】
本形態では、捩りコイルバネ9の他方端94がバッフル4と当接している箇所を巻回部90よりZ方向の他方側Z2とするために、リブ43の突出寸法を、実施の形態1より大としてある。この場合でも、回転中心軸線L方向からみたとき、リブ42、43、44、45は、軸部46を含むバッフル4の厚さ方向の範囲内(
図8に矢印Sで示す範囲内)にある。従って、バッフル4の薄型化を図ることができる。また、回転中心軸線L方向からみたとき、捩りコイルバネ9において巻回部90から他方端94まで延在する部分は、軸部46を含むバッフル4の厚さ方向の範囲内(
図8に矢印Sで示す範囲内)にある。従って、
図8に示すように、バッフル4が開姿勢となったときでも、捩りコイルバネ9において巻回部90から他方端97まで延在する部分が第1フレーム21の支持板部240等に接することがない。
【0061】
また、捩りコイルバネ9において、中間姿勢においてバッフル4が捩りコイルバネ9から受ける付勢力は、ステッピングモータからなるモータ60のディテントトルクがバッフル4に作用する停止力より小である。このため、バッフル4は、中間姿勢において捩りコイルバネ9から受ける付勢力によって回転しない。また、中間姿勢において、バッフル4が捩りコイルバネ9の付勢力によって回転しようとする力は、バッフル4が自重により回転しようとする力、およびバッフル4が開口部210を通る気流から受ける圧力により回転しようとする力よりも大であることが好ましい。このため、バッフル4が自重や気流から受ける圧力により回転しにくい。また、捩りコイルバネ9は、バッフル4が閉姿勢、開姿勢、および中間姿勢のいずれにおいても付勢力を発生させている。このため、バッフル4がいずれの姿勢の状態で捩りコイルバネ9を装着しても、捩りコイルバネ9がそれ自身の付勢力によってフレーム2とバッフル4との間に保持される。例えば、本形態では、バッフル4が開姿勢の状態で捩りコイルバネ9を装着するが、この場合でも、捩りコイルバネ9がそれ自身の付勢力によってフレーム2とバッフル4との間に保持される。
【0062】
(その他の実施の形態)
なお、上記形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。例えば、上述した実施の形態におけるダンパ装置1は、冷蔵庫用であるが、必ずしも、冷蔵庫に用いられるダンパ装置に限定されるものではない。