【課題を解決するための手段】
【0027】
第1の態様において、本発明は、内部プラズマ蒸着プロセスによって光ファイバ用一次プリフォームの前駆体を製造する方法に関する。この方法は、
i)供給側と排出側を有する中空基材チューブを提供するステップと、
ii)排出側の反転点またはその近傍において前記基材チューブの内面の少なくとも一部に非ガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第1反応条件を有する第1プラズマ反応ゾーンを作り出し、その内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する基材チューブを提供するステップと、続いて、
iii)ステップii)で得られた内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する前記基材チューブにガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第2反応条件を有する第2プラズマ反応ゾーンを作り出し、非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを得るステップと、
iv)ステップiii)で得られた非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを冷却して、一次プリフォームの前駆体を得るステップと、
を備える。
【0028】
第2の態様において、本発明は、内部プラズマ蒸着プロセスによって光ファイバ用一次プリフォームの前駆体を製造する方法に関する。この方法は、
i)供給側と排出側を有する中空基材チューブを提供するステップと、
ii)排出側の反転点またはその近傍において前記基材チューブの内面の少なくとも一部に非ガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第1反応条件を有する第1プラズマ反応ゾーンを作り出し、その内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する基材チューブを提供するステップと、続いて、
iii)ステップii)で得られた内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する前記基材チューブにガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第2反応条件を有する第2プラズマ反応ゾーンを作り出し、非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを得るステップと、
iv)ステップiii)で得られた非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを冷却して、一次プリフォームの前記前駆体を得るステップと、
v)ステップiv)で得られた一次プリフォームの前駆体にコラプシング処理を施して一次プリフォームを得るステップと、
を備える。
【0029】
言い換えると、本発明の第2の態様は、内部プラズマ蒸着プロセスによって光ファイバ用一次プリフォームの前駆体を製造する方法に関し、本発明の第1の態様のステップiv)で得られた一次プリフォームの前駆体がコラプシング処理を受ける。これは従って、固体の一次プリフォームをもたらす。コラプシング処理の管、非ガラス状層がガラス状となる。
【0030】
これらの2つの態様の実施形態が以下に説明される。実施形態は、可能であればこれらの態様のそれぞれに適用可能であることに留意されたい。
【0031】
ある実施形態では、使用される電磁放射はマイクロ波である。
【0032】
これらの2つの態様のうち第1の面では、ステップii)蒸着された非ガラス状層は、前記基材チューブの内面の一部にのみ蒸着される。排出側の反転点またはその近傍における内面の少なくとも一部には、非ガラス状層が設けられる。供給側の反転点またはその近傍における内面の一部に非ガラス状層が設けられてもよい。
【0033】
前記2つの態様のうち第2の面では、ステップii)で蒸着された前記非ガラス状層は、実質的に前記基材チューブの全内面上に蒸着される。このように、非ガラス状層は、基材チューブの内面の大部分に供給されてよい。例えば、供給側近傍の反転点と排出側近傍の反転点との間などである。
【0034】
第1および第2の態様並びに第1および第2の面のある実施形態では、前記蒸着非ガラス状層の一部がエッチング除去される。
【0035】
ある実施形態では、本発明に係る方法は、さらに、ステップii)の後且つステップiii)の前に実行されるステップA)を備える。前記ステップA)は、前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部で、ステップii)で蒸着された前記非ガラス状シリカ層をエッチング除去することを備える。
【0036】
言い換えると、ステップA)は、ステップii)で蒸着された前記非ガラス状シリカ層の少なくとも一部をエッチング除去することを備える。本発明は、ステップiii)を実行する前にステップii)で得られた非ガラス状シリカ層をエッチング除去するステップをさらに備える、内部プラズマ蒸着プロセスによって光ファイバ用一次プリフォーム(の前駆体)を製造する方法に関する。
【0037】
本発明は、それ故、内部プラズマ蒸着プロセスによって光ファイバ用一次プリフォームの前駆体を製造する方法に関し、この方法は、
i)供給側と排出側を有する中空基材チューブを提供するステップと、
ii)排出側の反転点またはその近傍において前記基材チューブの内面の少なくとも一部に非ガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第1反応条件を有する第1プラズマ反応ゾーンを作り出し、その内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する基材チューブを提供するステップと、続いて、
A)前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部で、ステップii)で蒸着された前記非ガラス状シリカ層をエッチング除去するステップと、
iii)ステップii)で得られた内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する前記基材チューブにガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第2反応条件を有する第2プラズマ反応ゾーンを作り出し、非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを得るステップと、
iv)ステップiii)で得られた非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを冷却して、一次プリフォームの前駆体を得るステップと、
を備える。
【0038】
本発明は、内部プラズマ蒸着プロセスによって光ファイバ用一次プリフォームの前駆体を製造する方法に関し、この方法は、
i)供給側と排出側を有する中空基材チューブを提供するステップと、
ii)排出側の反転点またはその近傍において前記基材チューブの内面の少なくとも一部に非ガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第1反応条件を有する第1プラズマ反応ゾーンを作り出し、その内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する基材チューブを提供するステップと、続いて、
A)前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部で、ステップii)で蒸着された前記非ガラス状シリカ層をエッチング除去するステップと、
iii)ステップii)で得られた内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する前記基材チューブにガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第2反応条件を有する第2プラズマ反応ゾーンを作り出し、非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを得るステップと、
iv)ステップiii)で得られた非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを冷却して、一次プリフォームの前駆体を得るステップと、
v)ステップiv)で得られた一次プリフォームの前駆体にコラプシング処理を施して一次プリフォームを得るステップと、
を備える。
【0039】
第1および第2の態様の別の実施形態では、前記方法は、さらに、ステップii)の後且つステップiii)の前に実行されるステップB)を備える。前記ステップB)は、前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部で、ステップii)で蒸着された前記非ガラス状シリカ層をガラス化することを備える。
【0040】
言い換えると、ステップB)は、ステップii)で蒸着された前記非ガラス状シリカ層の少なくとも一部をガラス化することを備える。本発明は、ステップiii)を実行する前にステップii)で得られた非ガラス状シリカ層をガラス化するステップをさらに備える、内部プラズマ蒸着プロセスによって光ファイバ用一次プリフォーム(の前駆体)を製造する方法に関する。
【0041】
本発明は、それ故、内部プラズマ蒸着プロセスによって光ファイバ用一次プリフォームの前駆体を製造する方法に関し、この方法は、
i)供給側と排出側を有する中空基材チューブを提供するステップと、
ii)排出側の反転点またはその近傍において前記基材チューブの内面の少なくとも一部に非ガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第1反応条件を有する第1プラズマ反応ゾーンを作り出し、その内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する基材チューブを提供するステップと、続いて、
B)前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部で、ステップii)で蒸着された前記非ガラス状シリカ層をガラス化するステップと、続いて、
iii)ステップii)で得られた内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する前記基材チューブにガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第2反応条件を有する第2プラズマ反応ゾーンを作り出し、非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを得るステップと、
iv)ステップiii)で得られた非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを冷却して、一次プリフォームの前記前駆体を得るステップと、
を備える。
【0042】
本発明は、内部プラズマ蒸着プロセスによって光ファイバ用一次プリフォームの前駆体を製造する方法に関し、この方法は、
i)供給側と排出側を有する中空基材チューブを提供するステップと、
ii)排出側の反転点またはその近傍において前記基材チューブの内面の少なくとも一部に非ガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第1反応条件を有する第1プラズマ反応ゾーンを作り出し、その内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する基材チューブを提供するステップと、続いて、
B)前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部で、ステップii)で蒸着された前記非ガラス状シリカ層をガラス化するステップと、続いて、
iii)ステップii)で得られた内面の少なくとも一部に非ガラス状層を有する前記基材チューブにガラス状シリカ層の蒸着を生じさせるために、電磁放射によって前記中空基材チューブの内部に第2反応条件を有する第2プラズマ反応ゾーンを作り出し、非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを得るステップと、
iv)ステップiii)で得られた非ガラス状およびガラス状シリカ層が蒸着された基材チューブを冷却して、一次プリフォームの前駆体を得るステップと、
v)ステップiv)で得られた一次プリフォームの前駆体にコラプシング処理を施して一次プリフォームを得るステップと、
を備える。
【0043】
これら2つの実施形態によれば、非ガラス状シリカ層は、前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部からエッチング除去されるか、または、前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部でガラス化される。これらの両実施形態の結果、前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部でこのステップが実行された後に非ガラス状シリカ層は存在しない。
【0044】
非ガラス状シリカ層をもはや含有しない部分は、排出側近傍の反転点の長手位置200mm上流と供給側近傍の反転点の長手位置200mm下流との間の部分である。好ましくは、前記基材チューブの前記内面の前記少なくとも一部は、排出側近傍の反転点の長手位置100mm上流と供給側近傍の反転点の長手位置200mm下流との間の部分である。より好ましくは、前記基材チューブの前記内面の前記少なくとも一部は、排出側近傍の反転点の長手位置50mm上流と供給側近傍の反転点の長手位置50mm下流との間の部分である。
【0045】
言い換えると、前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部では、非ガラス状シリカ層はエッチング除去されていないか、またはガラス化されておらず、従って維持されている。この前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部は、排出側近傍の反転点と前記反転点の長手位置200mm上流との間の部分、好ましくは、排出側近傍の前記反転点と前記反転点の長手位置100mm上流との間の部分、より好ましくは、排出側近傍の前記反転点と前記反転点の長手位置50mm上流との間の部分である。
【0046】
言い換えると、前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部では、非ガラス状シリカ層はエッチング除去されていないか、またはガラス化されておらず、従って維持されている。この前記基材チューブの前記内面の少なくとも一部は、供給側近傍の反転点と前記反転点の長手位置200mm下流との間の部分、好ましくは、供給側近傍の前記反転点と前記反転点の長手位置100mm下流との間の部分、より好ましくは、供給側近傍の反転点と前記反転点の長手位置50mm下流との間の部分である。
【0047】
以下には本発明の異なる実施形態が開示される。これらの実施形態は、記述がない限り、本発明の全ての態様および面に適用可能である。
【0048】
ある実施形態では、第1反応条件は、30ミリバールよりも高い圧力、好ましくは60ミリバールよりも高い圧力を含む。
【0049】
別の実施形態では、第1反応条件は、30ミリバールよりも高い圧力、好ましくは40ミリバールよりも高い圧力、より好ましくは50ミリバールより高い圧力、さらにより好ましくは60ミリバールより高い圧力を含む。
【0050】
別の実施形態では、第1反応条件は、1000ミリバールよりも低い圧力、好ましくは800ミリバールよりも低い圧力、より好ましくは600ミリバールより低い圧力、さらにより好ましくは400ミリバールより低い圧力、またはさらに200ミリバールより低い圧力を含む。
【0051】
別の実施形態では、第2反応条件は、1から25ミリバールの圧力、好ましくは5から20ミリバールの圧力、より好ましくは10から15ミリバールの圧力を含む。
【0052】
別の実施形態では、第1反応条件は、1000ミリバールよりも低い圧力、好ましくは200ミリバールよりも低い圧力を含む。
【0053】
別の実施形態では、第2反応条件は、1から25ミリバールの圧力、好ましくは10から15ミリバールの圧力を含む。
【0054】
別の実施形態では、ステップii)において、1から200の非ガラス状シリカ層が蒸着される。
【0055】
別の実施形態では、非ガラス状シリカ層はそれぞれ、単独で、1から5マイクロメートルの厚さ、好ましくは2から3マイクロメートルの厚さを有する。
【0056】
別の実施形態では、非ガラス状シリカ層はそれぞれ、略同じ厚さを有する(すなわち、各層は、別々の層間において±5%の差で同じ厚さを有する)。
【0057】
別の実施形態では、非ガラス状シリカ層はそれぞれ、略同じ体積を有する(すなわち、各層は、別々の層間において±5%の差で同じ体積を有する)、基材チューブの内部空間が蒸着層の数の増加につれて減少するとき、体積が同じ状態のままであると層の厚さが増加する可能性がある(減少した直径が減少した内面をもたらす)。
【0058】
別の実施形態では、蒸着された非ガラス状シリカ層は全部で1から400マイクロメートルの厚さを有する。
【0059】
本発明はまた、光ファイバ用一次プリフォームの製造に用いられる、その内面に蒸着された非ガラス状およびガラス状シリカ層が設けられた一次プリフォームの前駆体に関する。
【0060】
本発明は、以下に詳細に説明される。
【0061】
(本明細書で用いられる定義)
以下の定義が、述べられた主題を規定するために本明細書および請求項で用いられる。以下で言及されていない他の用語は、当分野で一般的に認められている意味を有すると意図されている。
【0062】
「中空基材チューブ」:本明細書で使用されるとき、望ましくは細長い、内部に空洞(キャビティ)を有するチューブを意味する。通常、前記チューブの内側には、プリフォームの製造の間に複数のガラス層が設けられる(またはコーティングされる)。
【0063】
「一次プリフォームの前駆体」:本明細書で使用されるとき、1つまたは複数の追加のプロセスステップの後に一次プリフォームをもたらす中間生成物を意味する。
【0064】
「一次プリフォーム」:本明細書で使用されるとき、最終プリフォームになる前に外部から追加のガラスが設けられる必要のある固体ロッド(固体プリフォーム)を意味する。
【0065】
「最終プリフォーム」:本明細書で使用されるとき、それから光ファイバを線引きするために直接用いられる固体ロッド(固体複合プリフォーム)を意味する。
【0066】
「空洞(キャビティ)」:本明細書で使用されるとき、基材チューブの壁により囲まれる空間を意味する。
【0067】
「ガス供給側」または「供給側」:本明細書で使用されるとき、基材チューブの片側を意味し、ガスの入口として用いられる基材チューブの開口端である。供給側は、排出側の反対側である。
【0068】
「ガス外出側」または「排出側」:本明細書で使用されるとき、基材チューブの片側を意味し、ガスの出口として用いられる基材チューブの開口端である。排出側は、供給側の反対側である。
【0069】
「内面」:本明細書で使用されるとき、中空基材チューブの内側面または内部表面を意味する。
【0070】
「ガラス」または「ガラス物質」:本明細書で使用されるとき、蒸着プロセスによって蒸着された、結晶質またはガラス質(ガラス状)酸化物材料−例えばシリカ(SiO
2)またはさらに石英−を意味する。
【0071】
「シリカ」:本明細書で使用されるとき、化学量論的であろうとなかろうと、および結晶質または非晶質であろうとなかろうと、SiOxの形の任意の物質を意味する。
【0072】
「ガラス成形ガス」:本明細書で使用されるとき、ガラス層を形成するために蒸着プロセス間に使用される反応ガスを意味する。これらのガラス成形ガスは、ドーパントの前駆体(例えば、O
2およびSiCl
4および随意にその他)を含んでよい。
【0073】
「ドーパントの前駆体」:本明細書で使用されるとき、ガラス中に導入されたときに、ガラスの屈折率に影響を及ぼすドーパントになる化合物または組成を意味する。ドーパントの前駆体は、例えば、ガラス化されたときにドープガラス層を形成するために、ガラス成形ガス中で1つまたは複数の化合物と反応するガスであってよい。ガラス蒸着の間に、ドーパントの前駆体はガラス層中に導入される。
【0074】
「ドーパント」:本明細書で使用されるとき、光ファイバのガラス中に存在し、前記ガラスの屈折率に影響を及ぼす化合物または組成を意味する。それは、例えばダウンドーパント(down dopant)、すなわち、例えばフッ素またはホウ素(例えばF
2,C
2F
8SF
6,C
4F
8またはBCl
3)の形で前駆体として導入される)などの屈折率を減少させるドーパントであってよい。それは、例えばアップドーパント(up dopant)、すなわち、例えばゲルマニウム(例えばGeCl
2(二塩化ゲルマニウム)またはGeCl
4(四塩化ゲルマニウム)の形で前駆体として導入される)などの屈折率を増大させるドーパントであってよい。ドーパントは、(例えばFの場合には)ガラスの隙間に存在してもよいし、(例えばゲルマニウム、アルミニウム、リンまたはホウ素の場合には)酸化物として存在してもよい。
【0075】
「非ガラス状シリカ」:本明細書で使用されるとき、「煤(soot)」と同じであり、不完全にガラス化した(=ガラス化していない、または部分的にガラス化した)シリカを意味する。それは、非ドープまたはドープであってよい。
【0076】
「ガラス状シリカ」:本明細書で使用されるとき、「ガラス」と同じであり、ガラス成形化合物の完全なガラス化により生成されるガラス状物質を意味する。それは、非ドープまたはドープであってよい。
【0077】
「煤堆積(soot deposition)」:本明細書で使用されるとき、基材チューブの内壁への非ガラス状シリカの堆積を意味する。煤堆積は、白色不透明な微粒子物質として目に見える。
【0078】
「煤リング」:本明細書で使用されるとき、中空基材チューブの内面上に不透明リングとして現れる不規則なガラス固化物質を意味する。煤リングは、微粒子の非ガラス状シリカから構成されていないことに留意されたい。煤リングは、従って、上記で定義した煤堆積から構成されない。
【0079】
「反応ゾーン」:本明細書で使用されるとき、ガラス成形反応または蒸着が起こるゾーンまたは軸方向位置を意味する。このゾーンは、プラズマにより形成され、望ましくは基材チューブの長手方向に沿って相互に移動する。
【0080】
「反応条件」:本明細書で使用されるとき、(非ガラス状またはガラス状の)シリカ層の蒸着を生じさせるために使用される、例えば温度、圧力、電磁放射などの一連の条件を意味する。
【0081】
「プラズマ」:本明細書で使用されるとき、非常に高温において全体的な電荷がおおよそない状態をもたらす割合の正イオンおよび自由電子から成るイオン化ガスを意味する。プラズマは、電磁放射により、望ましくはマイクロ波により誘発される。
【0082】
「反転点」:本明細書で使用されるとき、アプリケータの移動が往復する基材チューブの軸方向の点または位置を意味する。言い換えると、後から前へおよび前から後への変化点である。それは、アプリケータのターニング・ポイントである。軸方向の点は、アプリケータの(長手方向)中央で測定される。
【0083】
「反転点近傍」:本明細書で使用されるとき、反転点までの距離が近い、または反転点と同じ位置である、基材チューブの軸方向位置を意味する。
【0084】
「反転点において」:本明細書で使用されるとき、反転点と同じ位置である、基材チューブの軸方向位置を意味する。
【0085】
「前後に移動」:本明細書で使用されるとき、往復運動または一直線に往復して移動することを意味する。
【0086】
「段階(phase)」:本明細書で使用されるとき、特定の屈折率値を有するガラス層が蒸着する蒸着プロセスの一部を意味する。特定の値は、一定値であってもよいし、勾配を示してもよい。例えば、単純なステップインデックス型ファイバについては、コアの蒸着とクラッドの蒸着はそれぞれ別々の段階と見なされる。
【0087】
「ストローク」または「パス」:本明細書で使用されるとき、基材チューブの長さ方向に沿ったアプリケータの往復運動のそれぞれを意味する。
【0088】
「上流」:本明細書で使用されるとき、供給側の方向を意味する。
【0089】
「下流」:本明細書で使用されるとき、排出側の方向を意味する。