(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ヘッドレール(11)内に該ヘッドレール(11)の長手方向に移動可能に配列されたマスターキャリア(15)により一方向へ牽引または逆方向へ押動される複数のキャリア(16)の夫々からルーバー(21)を吊り下げ支持した縦型ブラインドであって、
前記長手方向に延びるとともに前記ヘッドレール(11)内に回転可能に軸支され、前記マスターキャリア(15,15a,15b)にルーバーの回転あるいは前記長手方向へ移動させる駆動力を伝達する少なくとも一つの駆動軸と、
前記マスターキャリア(15,15a,15b)に対して前記一方向側に隣接するように、前記長手方向へ移動可能にヘッドレール(11)内に設けられ、少なくとも前記駆動軸を支持するロッド支持部材(17)とを備え、
前記マスターキャリア(15,15a,15b)は、軸方向が鉛直方向を向き、下端にルーバー(21a)を吊り下げるフック(156a)が形成された軸であって、前記ロッド支持部材(17)に隣接した状態において、前記軸の上端が前記ロッド支持部材(17)の下方に位置するように設けられたオフセット軸(156)を有することを特徴とする縦型ブラインド。
前記オフセット軸(156)は、前記吊り下げ軸(151)に対して、該吊り下げ軸(151)に吊り下げられるルーバー(21)の回転時に該ルーバー(21)が前記オフセット軸(156)に吊り下げられるルーバー(21a)を押動可能な位置に設けられることを特徴とする請求項2に記載の縦型ブラインド。
前記マスターキャリア(15)は、一端が前記吊り下げ軸(151)に着脱可能に形成され、他端が前記オフセット軸(156)に着脱可能に形成された連結部材(157)を更に有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の縦型ブラインド。
前記マスターキャリア(15a,15b)は、前記吊り下げ軸(151)に伝達された駆動力を前記オフセット軸(156)へ伝達する伝達機構(158a,158b,158c)を更に有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の縦型ブラインド。
前記マスターキャリア(15b)と該マスターキャリア(15b)に隣接するキャリア(16)または、隣接する複数のキャリア(16)間を牽引時に所定の間隔を有して連結するスペーサリンク(18,28)を更に備え、
前記マスターキャリア(15b)と該マスターキャリア(15b)に隣接するキャリア(16)とを連結するスペーサリンク(28)は、隣接する複数のキャリア(16)間を連結するスペーサリンク(18)に対して、牽引時の間隔が短くなるように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の縦型ブラインド。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
<第1の実施形態>
(縦型ブラインドの全体構成)
まず、本実施形態に係る縦型ブラインドの全体構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る縦型ブラインドのルーバーを展開した状態を示す全体正面図である。
図2は、
図1に示す縦型ブラインドのルーバーを閉鎖した状態を示す全体正面図である。なお、以降の説明において、縦型ブラインドの長手方向を側方、設置された縦型ブラインドを側方から見た場合に、設置面側(例えば開口窓側)を後側、その逆(例えば室内側)を前側として説明する。また、長手方向において、縦型ブラインドが展開状態となった場合にマスターキャリアが位置する側を展開側、その逆を畳み込み側として説明する。
【0013】
図1及び
図2に示すように、縦型ブラインド1は、図示しないブラケットによって窓枠や壁面等の固定部に固定されるヘッドレール11を備える。ヘッドレール11内には、ヘッドレール11の長手方向に延びる駆動軸である移動軸12及び回転軸13が前後方向に互いに異なる位置において回転可能に軸支されるとともに、1つのマスターキャリア15、複数のキャリア16、複数のロッド支持部材17が設けられる。また、ヘッドレール11内には、マスターキャリア15とキャリア16、またはキャリア16同士を連結するスペーサリンク18が設けられ、移動軸12の一端には移動操作部22が連結され、回転軸13の一端には回転操作部23が連結される。移動操作部22及び回転操作部23は任意の構成とすることができるが、本実施の形態においては、それぞれ、軸の一端に固定されたプーリと、このプーリに掛け渡された操作コードとから構成される。移動操作部22、回転操作部23それぞれの操作コードを操作してプーリを回転させることによって、プーリに連結される軸が回転駆動されるようになっている。
【0014】
マスターキャリア15、複数のキャリア16及び複数のロッド支持部材17は、ヘッドレール11内を長手方向に移動可能に設けられており、これらは、展開側から、複数のロッド支持部材17、マスターキャリア15、複数のキャリア16の順に配される。このうちマスターキャリア15のみが移動軸12の回転によって長手方向に移動し、複数のキャリア16はスペーサリンク18を介してマスターキャリア15に一方向に牽引されて展開側へ移動するとともに、マスターキャリア15に牽引方向とは逆方向に押動されて畳み込み側へ移動する。複数のロッド支持部材17は、ヘッドレール11に上下方向に係止されるように設けられ、磁気によって吸着されたマスターキャリア15に牽引されて畳み込み側へ移動するともともに、マスターキャリア15に押動されて展開側へ移動する。なお、複数のロッド支持部材17は、畳み込み側への移動において、それぞれのロッド支持部材17が長手方向に互いに異なる位置に係止するように構成される。また、移動軸12及び回転軸13による回転力は複数のロッド支持部材17には伝達されない。
【0015】
マスターキャリア15、及び複数のキャリア16のそれぞれには、遮蔽材であるルーバー21が吊り下げられる。また、マスターキャリア15には、ルーバー21に対して展開側に所定距離だけオフセットされたオフセットルーバー21aが吊り下げられる。このオフセットルーバー21aは、ルーバー21と同一の構成を有し、配設位置を異ならせたものである。それぞれのルーバー21は、対応するマスターキャリア15またはキャリア16を介して回転軸13の回転が伝達されることによって、
図1に示すように長手方向に対して略垂直となる全開状態、
図2に示すように略水平となる全閉状態となるように回転される。オフセットルーバー21aは、マスターキャリア15に対応するルーバー21に連動して回転するようになっており、その動作については後に詳述する。
【0016】
(キャリアの構成)
次に、マスターキャリア及びキャリアの構成について説明する。
図3は、マスターキャリアの構成を示す側面断面図である。
図4は、マスターキャリアの構成を示す分解斜視図である。
図5は、マスターキャリア及びキャリアの構成を示す斜視図である。
【0017】
図3及び
図4に示すように、マスターキャリア15はキャリアケース150、吊り下げ軸151、ウォーム152、ウォームホイール153、摩擦ばね154、リードナット155、オフセット軸156、連結部材157を備える。キャリアケース150は、その内部空間に吊り下げ軸151の一部、ウォーム152、ウォームホイール153、摩擦ばね154、リードナット155を内蔵する筐体であり、移動軸12及び回転軸13が貫通する貫通孔が形成される。
【0018】
吊り下げ軸151は、軸方向が鉛直方向を向く部材であり、キャリアケース150から下方に突出した一端にルーバー21を吊り下げるためのフック151aを有し、キャリアケース150内部に存する他端がウォームホイール153に連結される。ここで鉛直方向とは、ヘッドレール11の長手方向及び前後方向に対して直交する方向を示す。ウォーム152は、軸方向が長手方向を向くように設けられ、内周面とウォームホイール153に回転力を伝達する外周面を有する部材である。ウォーム152の内周面は、回転軸13の周面に形成された長手方向に延びる複数の溝のそれぞれに対して回転方向に移動可能且つ長手方向に摺動可能に噛み合っており、ウォーム152の外周面は、ウォームホイール153に噛み合う。ウォームホイール153は、その回転軸がヘッドレール11の前後方向の中央部において鉛直方向に向いており、吊り下げ軸151と同軸上且つ下部が吊り下げ軸151の上部と重なるように配置されて、吊り下げ軸151に回転力を伝達する。摩擦ばね154は、ウォームホイール153と吊り下げ軸151とが上下方向に一部重なり合う位置において、両者の間に介挿されており、両者に摩擦力を付与する。
【0019】
回転軸13の回転力は、ウォーム152、ウォームホイール153、摩擦ばね154を介して吊り下げ軸151に伝達され、吊り下げ軸151に吊下げられたルーバー21が回転するようになっている。また、ルーバー21に負荷が作用して回転できない状況においては、摩擦ばね154によってウォームホイール153が吊り下げ軸151に対して空転することができるために、ルーバー21またはウォーム152、ウォームホイール153及び吊り下げ軸151の破損を防止することができる。
【0020】
リードナット155は、貫通孔が設けられ、その貫通方向が長手方向を向くようにキャリアケース150に固定される部材であり、内周面には、移動軸12の雄ネジに螺合する雌ネジが形成される。このリードナット155によれば、移動軸12が回転されるとマスターキャリア15が移動軸12に沿って長手方向に移動する。
【0021】
オフセット軸156は、吊り下げ軸151と同様に、軸方向が鉛直方向を向く部材であり、下方一端にルーバー21aを吊り下げるためのフック156aを有し、吊り下げ軸151に対して長手方向における展開側に所定距離だけ離れた位置に配される。なお、このルーバー21aはルーバー21と同様のものであるが、ルーバー21と区別するため、以降の説明においてはオフセットルーバーと呼称する。連結部材157は、長手方向に延びるブリッジとその両端に設けられた2つの接続部とを有し、一方の接続部が吊り下げ軸151に着脱可能に接続され、他方の接続部がオフセット軸156に着脱可能に接続される。なお、吊り下げ軸151に対するオフセット軸156の長手方向の距離は、連結部材157のブリッジの長さに依存し、このブリッジの長さは、ロッド支持部材17の長手方向の厚み、ヘッドレール11に設けられるロッド支持部材17の総数、ルーバー21の幅などに基づく。また、連結部材157は、上下方向において、ロッド支持部材17の下端より下方に位置するように吊り下げ軸151及びオフセット軸156に接続され、より具体的には、接続されたオフセット軸156の上端がロッド支持部材17の下端より下方に位置するように接続される。
【0022】
図5に示すように、キャリア16は、キャリアケース160、吊り下げ軸161、ウォーム162と、図示されないウォームホイール、摩擦ばねを備える。吊り下げ軸161、ウォーム162、ウォームホイール、摩擦ばねの動作はマスターキャリア15と同様である。キャリア16は、マスターキャリア15と異なりリードナット155を備えておらず、キャリアケース160に設けられた貫通孔に移動軸12が挿通される。したがって、キャリア16には移動軸12の回転力は伝達されず、単に移動軸12に対して相対的に長手方向に移動可能になっている。
【0023】
マスターキャリア15のキャリアケース150の上部、キャリア16のキャリアケース160の上部には、スペーサリンク18を長手方向に摺動可能に固定するための固定溝が形成されている。また、この固定溝にはスペーサリンク18を長手方向に摺動可能且つ上下方向への移動を規制する爪が互いに前後方向に異なる位置に形成される。スペーサリンク18は、隣接して配されるキャリア16同士、またはマスターキャリア15とこれに隣接するキャリア16とを連結する。スペーサリンク18は、その一方の固定端18aが畳み込み側のキャリア16の固定溝に固定され、その他方の自由端18bがマスターキャリア15またはキャリア16の固定溝に固定された隣り合うスペーサリンク18の固定端18aの上側に重なるようにして、摺動可能に嵌め込まれる。このようなスペーサリンク18によれば、隣り合うキャリア間の離間距離が、スペーサリンク18の長さを最大距離として変化可能となる。
【0024】
(ロッド支持部材の動作)
次に、ロッド支持部材の動作について説明する。
図6は、マスターキャリアにより端部方向に移動されるロッド支持部材の状態を段階的に示すヘッドレール内の正面図である。
図7は、マスターキャリアにより端部方向に移動されるロッド支持部材の状態を示すヘッドレール内の平面図である。なお、
図6において、(a)はマスターキャリアが展開側へ移動する状態を示し、(b)はマスターキャリアがロッド支持部材に当接する状態を示し、(c)はマスターキャリアがロッド支持部材を押動する状態を示し、
図7は、
図6(a)と同様の状態を示す。
【0025】
図6(a)に示すように、複数のロッド支持部材17のうち、長手方向において最も畳み込み側に設けられたロッド支持部材17aは、縦型ブラインド1が畳み込み状態となる際にストッパーピン111に係止されることによって、ヘッドレール11の長手方向における所定の係止位置に配される状態となっている。ストッパーピン111は、
図7に示すように、ヘッドレール11に形成され、ロッド支持部材17aを畳み込み側へ移動不能に係止するように前後方向に突出する。ロッド支持部材17aには移動軸12の回転力は伝達されないため、マスターキャリア15が展開側へ移動している状態であっても、マスターキャリア15の展開側端部がストッパーピン111の位置より畳み込み側に位置する限り、ロッド支持部材17aは係止位置から移動されない。
【0026】
図6(b)に示すように、マスターキャリア15が移動してその展開側端部がロッド支持部材17aに当接し、更に展開側に移動すると、
図6(c)に示すように、ロッド支持部材17aがマスターキャリア15に押動されて係止位置から展開側へ移動する。ロッド支持部材17aの展開側に隣接して配されるロッド支持部材17bはロッド支持部材17aを介して間接的にマスターキャリア15に押動され、ロッド支持部材17bに対して展開側に隣接するロッド支持部材17cも同様に押動される。
【0027】
(オフセットルーバーの動作)
次に、オフセットルーバーの動作について説明する。
図8は、ブラインドを展開状態とした後にルーバー群を閉状態とした縦型ブラインドの状態を段階的に示すヘッドレール内の正面図である。
図9は、展開状態且つ全開状態にある縦型ブラインドを示すヘッドレール内の平面図である。
図10は、オフセットルーバーを全開状態から全閉状態とする場合のルーバー群の状態を示す平面図である。なお、
図8において、(a)は複数のロッド支持部材が展開側端部へ移動される状態を示し、(b)はロッド支持部材が展開側端部まで移動した状態を示し、(c)はルーバーを回転させて全閉させた状態を示す。また、
図10において、(a)は
図8(b)に対応する状態を示し、(d)は
図8(c)に対応する状態を示し、(b)及び(c)は(a)に示す状態から(d)に示す状態への過程を示す。
【0028】
図8(a)に示すように、ロッド支持部材17a〜17cは、マスターキャリア15によって直接的または間接的に展開側へ押動されると、
図8(b)に示すようにロッド支持部材17cがヘッドレール11の側端に当接し、縦型ブラインド1が展開状態となる。具体的には、
図9に示すように、移動軸12、回転軸13の展開側端部に設けられた規制部12a、規制部13aに当接して、展開側への更なる移動が規制される。このような展開状態において、回転操作部22が操作させると、回転軸13の回転力がマスターキャリア15及び複数のキャリア16に伝達されてルーバー群が回転し、
図8(c)に示すような全閉状態となる。この際、オフセットルーバー21aは、マスターキャリア15に対応するルーバー21の回転に連動して回転する。このオフセットルーバー21aの回転について以下に説明する。
【0029】
図10(a)に示すような全開状態において回転軸13が回転されると、
図10(b)に示すようにルーバー群が回転し、ルーバー群のうち、吊り下げ軸151に回転されるルーバー21がオフセットルーバー21aに当接する。更にルーバー21が回転されると、
図10(c)に示すように、オフセットルーバー21aはルーバー21に押動されて回転する。ここで、オフセットルーバー21aは、その幅方向においてオフセット軸156の軸心により分割した2つの分割領域の一方が押動領域として押動される。ルーバー21が全閉状態となるまで回転されると、
図10(d)に示すように、オフセットルーバー21aも全閉状態となる。なお、オフセットルーバー21aが全閉状態となるまで回転されるために、吊り下げ軸151に回転されるルーバー21は、全閉状態となった場合に、幅方向におけるオフセットルーバー21a側の端部がオフセットルーバー21aの押動領域に位置していることが望ましい。
【0030】
このように全開状態から全閉状態へ至る動作においては、吊り下げ軸151に回転されるルーバー21によってオフセットルーバー21aが回転される。一方、全閉状態から全開状態へ至る動作については、
図10(a)に示すように、全開状態においてルーバー群はヘッドレール11の長手方向に略直交する状態となっているため、オフセットルーバー21aは全閉状態から全開状態となる途中の状態となるまではルーバー21に押動され得るが、この途中の状態から完全に全開状態となるまでの間は押動されない。そのため、全開状態へ至る回転方向の回転力をオフセット軸156に付勢する機構を設けることが考えられる。このような機構としては、特開2010‐150857号公報に開示された回転伝達機構が挙げられる。
【0031】
このように、第1の実施形態に係る縦型ブラインドによれば、マスターキャリアの吊り下げ軸から展開側へ所定距離だけオフセットさせたオフセット軸を設けることによって、このオフセット軸に吊り下げられるオフセットルーバーがロッド支持部材の厚みに起因する間隙を覆うことができ、光漏れを低減することができる。また、吊り下げ軸とオフセット軸とを連結部材により連結することによって、移動軸及び回転軸の撓みを防ぐのに必要となるロッド支持部材の厚みや数に応じて、マスターキャリアの構成を変更することなく、ブリッジの長さが異なる連結部材を用いて間隙に対応することが可能となる。また、連結部材が吊り下げ軸及びオフセット軸に着脱可能となっているため、オフセット軸はマスターキャリアに対して着脱可能となっており、したがって、取り付け現場における縦型ブラインドの設置状況に応じて、オフセットルーバーを縦型ブラインドの設置後に取付けて光漏れを低減させることが可能となる。
【0032】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る縦型ブラインドについて説明する。本実施形態に係る縦型ブラインドは、マスターキャリアの構成が第1の実施形態と異なるため、以下、マスターキャリアの構成についてのみ説明する。
図11は、第2の実施形態に係る縦型ブラインドのマスターキャリアの構成を示す正面図である。
図12は、
図11に示すマスターキャリアの構成を示す正面断面図である。
【0033】
図11及び
図12に示すように、本実施形態に係るマスターキャリア15aは、吊り下げ軸151に伝達される回転力をオフセット軸156にも伝達する伝達機構を備える点が第1の実施形態におけるマスターキャリア15とは異なる。マスターキャリア15aのキャリアケース150aは、マスターキャリア15と同様に、その内部空間に吊り下げ軸151の一部、ウォーム152、ウォームホイール153、摩擦ばね154、リードナット155を内蔵するとともに、オフセット軸156の一部と伝達機構が内蔵される。ここでオフセット軸156は、第1の実施形態と同様に、吊り下げ軸151に対して長手方向における展開側に所定距離だけ離間し、その上端がロッド支持部材17の下端より下方に位置するように配置される。伝達機構は、一体回転するように吊り下げ軸151に設けられた回転ギヤ158a、この回転ギヤ158aに噛み合ってオフセット軸156に回転力を伝達する伝達ギヤ158b、一体回転するようにオフセット軸156に設けられ、伝達ギヤ158bに噛み合うオフセットギヤ158cにより構成される。ここで、伝達ギヤ158bは、吊り下げ軸157とオフセット軸156との間に配され、その回転軸が鉛直方向を向くようにキャリアケース150a内部に回転可能に固定される平歯車である。
【0034】
このように、マスターキャリア内に吊り下げ軸の回転力をオフセット軸に伝達する伝達機構を設けることによって、ルーバーをオフセットルーバーに当接させることなくオフセットルーバーを回転させることができ、延いてはルーバーとオフセットルーバーの回転角度を同期させて開閉動作時の意匠性を向上させることができる。
【0035】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係る縦型ブラインドについて説明する。本実施形態に係る縦型ブラインドは、マスターキャリア及びスペーサリンクの構成が異なるため、以下、これらの構成についてのみ説明する。
図13は、第3の実施形態に係る縦型ブラインドのマスターキャリアの構成を示す正面図である。
図14は、
図13に示すマスターキャリアの構成を示す正面断面図である。
図15は、マスターキャリアとキャリアとの距離とキャリア間の距離とを示すヘッドレール内の正面図である。
【0036】
図13及び
図14に示すように、本実施の形態に係るマスターキャリア15bは、吊り下げ軸151を備える代わりに、軸方向が鉛直方向を向く部材であり、上方端部がウォームホイール153に連結される鉛直回転軸151bを備え、回転ギヤ158は、この鉛直回転軸151bに一体回転するように設けられる。鉛直回転軸151bは、フック151aを有さない点のみが吊り下げ軸151と異なり、その動作については吊り下げ軸151と同様であるため、回転ギヤ158a、伝達ギヤ158b及びオフセットギヤ158cからなる伝達機構の動作についても第2の実施形態と同様である。
【0037】
また、吊り下げ軸151を備えないことに起因して、展開状態におけるマスターキャリア15bとこれに隣接するキャリア16との離間距離が第1及び第2の実施形態と異なる。したがって、本実施形態においては、マスターキャリア15bとこれに隣接するキャリア16とを連結する部材として、キャリア16同士を連結するスペーサリンク18よりも短いスペーサリンク28が用いられる。このスペーサリンク28は、スペーサリンク18とは長さのみが異なり、その他の構成についてはスペーサリンク18と同様である。スペーサリンク28の長さは、展開状態において、マスターキャリア15bのオフセット軸156と隣り合うキャリア16の吊り下げ軸161との離間距離が隣り合うキャリア16それぞれの吊り下げ軸161間の離間距離と一致することが望ましい。この場合、スペーサリンク28は、スペーサリンク18と比較して、長手方向における鉛直回転軸151bとオフセット軸156との離間距離分だけ短く構成される。
【0038】
このように、マスターキャリアにオフセット軸のみを設けて、展開状態におけるマスターキャリアとこれに隣接するキャリアとの距離を短くすることによって、オフセット軸と吊り下げ軸との離間距離を吊り下げ軸同士の離間距離と同様にすることができ、延いては、意匠性を保ちつつ光漏れを低減することができる。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、マスターキャリアをヘッドレールの長手方向に移動させる手段として移動軸を用いたが、ヘッドレール内にループ状に配回されるコードの一部をマスターキャリアに連結し、ヘッドレールの端部から垂下した部分のコードを操作することによって、コードに連結されたマスターキャリアを移動させるようにしても良い。また、移動軸及び回転軸を電動モータにそれぞれ連結し、これらの軸を電動で回転駆動させるようにしても良い。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。