【文献】
Stephanie Lefevre et al.,Exploiting Map Information for Driver Intention Estimation at Road Intersections,2011 IEEE Intelligent Vehicle Symposium(IV),ドイツ,IEEE,2011年 6月 5日,pp.583-588
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記追跡アルゴリズムを使用して、前記第2データの組から前記交差点の少なくとも一部を通過する単一の車両を追跡したことをそれぞれが示す複数の部分的な行路を取得し、
部分的な行路のそれぞれをリンクに関連付けることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示のより完全な理解及び多くの付随する優位性は、添付図面に関連したときに以下の詳細な説明を参照して、より理解されると共に、直ちに取得されるであろう。
【0017】
本開示で説明される図面は、ある態様の説明のために、本技術の材料、方法及びデバイスの概略的な特性を例示するものであることを理解すべきである。これらの図面は、所与の態様の特性を正確に反映するものでなくてもよく、本技術の範囲内の特定の実施形態を必然的に規定し又は限定するものではない。また、ある態様は、図面の組み合わせからの構成を包含する。
【0018】
以下の説明は、実際は、本開示の説明するためのみのものであり、本開示、本開示のアプリケーション及びユーザを限定するものでは全くない。本明細書で使用されるとき、A、B、及びCの少なくとも1つとの表現は、非排他的論理「or」を使用する論理(「A」or「B」or「C」)を意味すると解釈すべきである。方法に含まれる様々なステップは、本開示の概念を変更することなく異なる順序で実行されてもよいことを理解すべきである。範囲の開示は、全ての範囲の開示と、全体の範囲の内部の細分化された範囲とを含む。
【0019】
本明細書で使用される表題(「背景技術」及び「発明の概要」のような)及び副表題は、本開示の中の話題の概略的な組織化をするのみのものであり、技術の開示又は技術の何れかの態様を限定するものではない。示された構成を有する複数の実施形態の記述は、付加的な構成を有する他の実施形態、又は示された構成の様々な組み合わせを包含する他の実施形態を排除するものではない。
【0020】
本明細書で使用されるとき、用語「含む(comprise)」及び「含む(include)」並びにその異形は、連続する用語又はリストの表現が本技術のデバイス及び方法で有用であってもよい他の同様な用語を排除することがないように、非限定的なものである。同様に、用語「できる(can)」及び「してもよい(may)」並びにその異形は、ある要素又は構成を実施形態が有することができる、若しくはある要素又は構成を実施形態が有してもよいとの表現がこれらの要素又は構成を含まない本技術の他の実施形態を排除することがないように、非限定的なものである。
【0021】
本開示の広範な教示は、様々な形式で実現できる。このため、本開示は特定の例を含むが本開示の本来の範囲は、本明細書及び特許請求の範囲の理解に基づく他の変形が当業者に容易なので、特定の例に限定されるべきではない。
【0022】
本技術は、自動車のような車両によって走行されてもよい道路の交差点構図の接合確率モデリング及び推定に概して関連する。本明細書で使用されるとき、車両という用語は、狭く解釈すべきではなく、乗用車、トラック、オートバイ、オフロード車両、バス、ボート、飛行機、ヘリコプタ、芝刈り機、レクリエージョナルビークル、遊園地車両、農耕用作業車、建設車両、路面電車、ゴルフカート又は台車を含む全ての形式の車両を限定することなく含むべきである。
【0023】
運転手のサポート、及び半自律走行車両又は自律走行車両に関連する多くの課題(車両検出、車両追跡、経路プランニング及び経路制御のような)は、高精度の市街地図を使用することによる多くの利点を有する。道路の交差点は、路面塗料の欠如、正当な(合法又半合法の)車両の動きの数の増加、及び実際に運転された軌跡の変動性の増加による特有の課題がある。一例では、2つの車両が走行し、同時に左折すると、最終的に交差点の同一の車線に進入し且つ退出しても、交差点内で非常に種々の経路を横切ることができる。このため、本技術は、交差点の進入し且つ退出するレーンの間の一組の正当な接続を予測する確率モデル及び推定手段を検討するものである。
【0024】
本明細書で使用される様々なアルゴリズムにおける入力の非限定的な例は、車線マッピング情報及び/又は車線ノード情報と共に、テスト車両から取得されたLIDARデータから抽出された一組の車両の行路を含んでもよい。以下で詳細に説明されるように、行路は、行路の喪失又は他の様々な理由により、位置的なノイズを含み、交差点を実際には十分に横切らないかもしれない。また、追跡された車両と可能な交差点の構造との間に関連するデータに非常な不明確さがあるかもしれない。それにもかかわらず、本技術は、交差点の構造の全ての構成要素に亘って一緒に推論する確率モデルを提供することができる。モデルは、多種多様な現実世界の状況における交差点の構造を見出すことが可能なベイジアンモデル平均技術を、ノイズを含む入力データに使用して到達される。
【0025】
本開示の技術を使用するために、所与の交差点の車線ノード情報及び車両軌跡情報を識別することが望ましい。
図1は、適切な道路セグメント及び車線ノードを決定するために、究極的には1つが導き出される車線ノード又は地図データの識別に関連するある方法、又はある方法の一部を実現するために使用されてもよい例示的なコンピュータデバイス100のブロック図である。コンピュータデバイス100は、車載、ハンドヘルド、デスクトップ、又は他の形式の単一のコンピュータデバイスの何れかの形式であってもよく、複数のコンピュータデバイスで構成されてもよい。コンピュータデバイスの処理ユニットは、従来の中央演算装置(central processing unit、CPU)であってもよく、情報を操作又は処理する他の形式のデバイス、又は複数のデバイスであってもよい。コンピュータデバイス100のメモリ104は、ランダムアクセスメモリデバイス(RAM)又は他の適当な形式の記憶装置デバイスであってもよい。メモリ104は、バス108を使用してCPU102によってアクセスされるデータ106を含んでもよい。
【0026】
また、メモリ104は、オペレーティングシステム110と、インストールされたアプリケーション112とを含んでもよい。インストールされたアプリケーション112は、以下に説明する方法のCPU102による実行を可能にするプログラムを含んでもよい。また、コンピュータデバイス100は、メモリカード、フラッシュドライブ又は他の何れかの形式のコンピュータ読み取り可能な媒体等の二次的な、付加的な、又は外部の記憶装置を含んでもよい。インストールされたアプリケーション112は、全体又は一部が外部記憶装置114に記憶され、処理に必要なときにメモリ104にロードされてもよい。
【0027】
また、コンピュータデバイス100は、1つ又は2つ以上のセンサ116、118、120及び122に接続されてもよい。センサ116、118、120及び122は、慣性計測装置(inertial measurement unit、IMU)、推測航法システム、全地球測位システム(global navigation satellite system、GPS)、レーザ画像検出と測距(light detection and ranging、LIDAR)システム、レーザシステム、超音波探知システム、画像ベースのセンサシステム、又は車両が進む経路の特徴、又は他の局部的な位置のデータ及び/又は信号、及びデータ及び/又は信号に対応するCPU102への出力を含む車両の周囲の環境に特有な情報を捕捉することができる他の形式のシステムによって処理されるデータ及び/又は信号を捕捉できる。概して、姿勢予測及び動作予測は、GPSナビゲーションシステム内部のApplanix社のpos-LV220に由来してもよい。このシステムは、100Hzで姿勢予測を生成する。LIDERのデータは、レーザビームを使用し10Hで回転するVelodyne社のHDL-64 Eシステムからであってもよい。LIDARのリターンのそれぞれの3D位置に加えて、HDL-64 Eは、照射された表面の相対的な反射に対応する8ビットの強度を測定してもよい。
【0028】
また、センサ118及び120は、車両のX軸位置、Y軸位置及びZ軸位置の変化、速度、加速度、回転、角度及び回転角を示すデータを捕捉してもよい。センサ118及び120が推測航法システムのデータを捕捉するとき、車輪の回転速度、移動距離、ステアリング角、ステアリング角速度の変化は、捕捉されてもよい。センサ118及び120がGPSの信号を捕捉するとき、受信機は、グローバル座標で推定される車両の位置、及び速度を計算してもよい。複数の衛星は、3次元三角測量及び時間推定を使用して、車両の位置及び速度を推定するために使用してもよい。
【0029】
コンピュータデバイス100は、テスト車両又は実験データ採集車両の内部に配置されてもよく、車両から離れた遠隔の代替位置(不図示)に配置されてもよい。コンピュータデバイス100が車両から離れて遠隔に配置されるとき、車両は、コンピュータデバイス100と通信する機能を含んでもよい。様々な態様において、車両は、
図2に示すような所与の経路129に沿った1つの方向に運転されてもよい。経路129は、様々な異なる道路を含んでもよい。例えば、
図2は、入口ランプ及び出口ランプを有する複数車線の高速道路と、2車線の田舎道と、複数車線の双方向道路とを含んでもよい。
【0030】
車線データを採集するために、車両は、経路129に沿って1つの車線を少なくとも一度走行すべきである。複数回通過することによって、又は隣接する交通、ポールの反射性、車両速度又は他の要因により隠され又は邪魔されていたかもしれない付加的な道路の指標を拾い上げて、LIDARデータの精度を向上させてもよい。車線データ、車線ノード及び/又は車両の行路の推定経路を採集する付加的且つ例示的な方法は、参照することにより全体が本明細書に包含される2013年10月13日に出願された米国特許シリアル番号14/069,069及び2014年5月9日に出願された米国特許シリアル番号14/273,620に見出すことができる。
【0031】
本方法は、粗く構造化された従来の地図データを、正確なLIDAR測定に多くの推定アルゴリズムで組み合わせて、正確な道路車線情報を生成することができる。方法は、粗いLIDARデータ及び正確なLIDARデータから、自転車道路、入口ランプ、出口ランプ、道路車線の数の変化等と共に、車線の数、車線のそれぞれの中央を生成してもよい。
【0032】
ある態様において、
図1を参照して説明したセンサのような複数のセンサを含むテスト車両を使用して関連データを採集してもよい。センサの1つ又は2つ以上は、コンピュータデバイス100がテスト車両の位置及び方向の推定に使用するために、速度、加速度、車輪回転速度、及び周囲環境内部の物体との距離の変化を捕捉し、推測航法システムのためのステアリング角を捕捉し、画像センサの処理のための画像を捕捉し、複数の衛星からの信号に基づいてグローバル座標におけるテスト車両の位置を取得し、テスト車両の現在の状態を決定し、又は環境に対するテスト車両の位置を決定するために使用してもよい他の何れかのデータ及び/又は信号を捕捉するように構成されてもよい。
【0033】
例えば、センサが白黒カメラ又はLIDARシステムが使用するデータを捕捉するように構成されるとき、センサは、信号がセンサに戻る時間を測定することにより計算された測距距離を有してテスト車両の周囲の領域にある物理的対象からのレーザの戻りに関連するデータを捕捉してもよい。レーザの戻り又は光の戻りは、レーザ光等の光源、センサから発射した光、若しくは車両に搭載された又は車両に近接した他の光源から達した対象で反射した後方散乱光を含んでもよい。光が対象で反射すると、センサは、対象の点のそれぞれの強度値及び反射率を捕捉して、プロセッサ102、及びコンピュータデバイス100の内部に記憶され又はコンピュータデバイス100からアクセス可能なアプリケーション112の1つ等による対象の分析及び分類に使用されてもよい。
【0034】
本技術の方法を説明するために使用される1つの非限定的な例において、特定の道路の交差点150が提供される。
図3に示すように、交差点150は、2つの進入北行き車線、1つの北行き中央回転車線、及び2つの退出北行き車線、2つの進入南行き車線、1つの南行き中央回転車線、及び2つの退出北行き車線、2つの進入西行き車線、1つの西行き中央回転車線、及び2つの退出西行き車線、並びに2つの進入東行き車線、1つの東行き中央回転車線、及び1つのみの退出東行き車線を含む。
【0035】
図5〜9と共に、
図3を引き続き参照すると、道路の交差点150の車線ノード152及び154のそれぞれは、固有の識別子が割り当てられる。進入車線ノード152は、ひし形を有して示され、退出車線ノード154は、三角形を有して示される。一例では、符号N1、N2及びN3が付された車線ノードは、交差点150に通じる北方向に向かう車両の進入車線ノード152であり、符号N4及びN5が付された車線ノードは、交差点150から離れて北方向に向かう車両の退出車線ノード154である。符号W1、W2及びW3が付された車線ノードは、交差点150に通じる西方向に向かう車両の進入車線ノード152であり、符号W4及びW5が付された車線ノードは、交差点150から離れて西方向に向かう車両の退出車線ノード154である。同様に、符号S1、S2及びS3が付された車線ノードは、交差点150に通じる南方向に向かう車両の進入車線ノード152であり、符号S4及びS5が付された車線ノードは、交差点150から離れて南方向に向かう車両の退出車線ノード154である。そして、符号E1、E2及びE3が付された車線ノードは、交差点150に通じる東方向に向かう車両の進入車線ノード152であり、符号E4が付された車線ノードは、交差点150から離れて東方向に向かう車両の退出車線ノード154である。
【0036】
なお、この特定の交差点150の例示的な目的のために、南に進みノードS1を通る車両は、右折専用車線であり、西に回転しなければならず、退出車線ノードW4又はW5の何れかを通る。すなわち、このような車両は、車線ノードS4又はS5に向かって南に進むことは法律的に認められない。また、個々の中央回転車線は、左折専用であり、交差点の右折又は直進は対象としない。
【0037】
様々な態様において、本開示の方法は、記憶された第1データの組を使用して取得されてもよく及び/又は第1ソースから受信してもよい道路車線情報及び/又は車線ノード情報を含む第1データの組と、第2データの組を使用して取得されてもよく及び/又は第2ソースから受信してもよい道路の交差点の構造からの車両軌跡情報を含む第2データの組とを含むことが想定される。車線ノード位置又は道路セグメントノード位置が提供されない実施形態において、本開示の方法は、第1データの組及び第2データの組の少なくとも1つから既知のアルゴリズムを使用して車線ノード位置を決定することを含んでもよい。
【0038】
1つの例において、第1ソースは、オープンストリートマップ(open street map、OSM)又は均等物から取得したデータのような既存の地図データベースであってもよい。これは、街路の粗い構造上の有益な地図を提供し、交差点のおおよその位置を識別するのに有用である。他の態様では、車線の数並びに車線ノードのそれぞれの数及び位置は、地図データ116(
図1)又は他の適当なソースからから受信し又は取得してもよい。様々な態様において、地図データ116は、コンピュータデバイスのメモリ104に記憶され、又は外部記憶装置114に記憶されたデジタル地図情報であってもよく、デジタル地図データソースから無線伝送などにより、遠隔地からプロセッサ102に利用可能であってもよい。地図データ116は、道路の行き止まり又は分岐の存在及び位置と共に、先の行き止まりのそれぞれの道路に沿った所定の位置からの行き止まりの距離及びサブパス(sub-path)における車線の数を含んでもよい。また、ある態様において、道路の車線の数は、カメラ118から取得されてもよい。しかしながら、この地図情報は、道路及び街路のおおよその中央線のみを含み、車線の数又は車線の位置を含むものではないことを理解すべきである。加えて、報告される街路の位置は、左右誤差の数メートルによる誤差を有するかもしれない。このように、第1ソースは、LIDARデータ、道路データ又は他の関連するデータの組み合わせを使用した車線予測アルゴリズムから取得されるデータを付加的又は代替的に有してもよい。
【0039】
一例では、車両軌跡情報を提供する第2ソースは、LIDARデータ、レーザデータ、静止画データ、ビデオデータ、表形式データ及びこれらの組み合わせの少なくも1つを含んでもよい。LIDARデータが使用されると、車両検出アルゴリズム及び車両追跡アルゴリズムは、入力としてLIDARデータを使用して、交差点を横切る一組の車両行路を生成してもよい。
【0040】
様々な態様において、LIDARデータを採集するテスト車両から取得したデータの全てから能動的な一組の行路(例えば、交差点の内部又は交差点を横切る少なくとも一部に位置する)を分離又はフィルタリングすることが望ましい。例えば、
図4は、
図3の道路の交差点150の少なくとも一部を実際に通った車両の処理されたLIDARデータから取得した能動的な一組の車両行路156の例を示す図である。データの全てのスキャンから能動的な一組の行路を創出するために、(1)地面と障害物との間を判別し、一組の障害物の点をもたらし、(2)ダイナミックに生成されたMRFエネルギ最小化に基づいて障害物の点をクラスタリングし、(3)サイズに基づいてクラスタリングをフィルタリングし、(4)データ関連スキームを使用して、フィルタリングされたクラスタリングを能動的且つ新しい行路に組み込み、及び/又は(5)追跡された車両のそれぞれの状態(位置及び速度)を推定するフィルタを更新する、ステップのいくつかを実行してもよい。
【0041】
図4に示されるように、能動的な車両の行路は、リンク当たりの車両の行路の数及び追跡された経路に沿った位置において高い変動性を含む。本明細書で使用されるとき、リンクは、第1車線ノード又は第1車線ノードの近くから開始し、交差点を横切り、第1車線ノードとは相違する第2車線ノード又は第2車線ノードの近くで終了する行路を示す。動的情景を移動する対象、交差点に向かい又は離れるテスト車両の動き、失ったデータの関連、及び行路パイプラインの他の問題のより生じる可能性がある閉塞のため、
図4に示す行路の多くは、交差点を完全には横切っていない。このように、完全な行路に加えて多くの部分的な行路がある。加えて、行路位置予測の走行の変動及び誤差のために、同一のリンクを横切る2つの行路は、位置が著しく異なることがある。
【0042】
図5は、部分的な回転行路158、部分的な通過行路160、及び交差点の中央で車線を変更する車両からの行路のような合法ではない行路(例えば、車線ノードN2から車線ノードN4ではなく車線ノードN2から車線ノードN5に移動する車両)の完全な行路162の例を示す図である。本開示の方法に従うと、多くの又は全てのデータが使用されてもよいので、行路データTは、交差点を横切る行路、横切らない行路、及び非常に位置が変化する行路を含む。
【0043】
所与の交差点の構造において、本技術は、自律走行車に使用されてもよい交差点の構造を予測する確率モデリング及び推定を提供する。このために、完全な経路/完全なリンクの組から、合法的な経路/正当な経路、又は正当なリンクのみを含む交差点の構造のモデルが創出される必要性がある。
図6を参照すると、一例では、進入車線ノードN1を通る車両は、退出車線ノードの7つの異なる経路又はリンク−S4、S5、W4、W5、N4、N5及びE4−を技術的に有する。多くの米国の運転手は、
図6の正当なリンクは、N1からW4へのリンク又はN1からW5へのリンクのみであることを認識するであろう(N1からS4又はN1からS5は、合法/正当なUターンではないとする)。
【0044】
様々な態様において、本技術は、車線ノード位置の間の可能性がある完全な一組のリンクを集めて、リンクのそれぞれについて、リンクがモデル交差点に使用する正当なリンクである確率を評価する。
図3の交差点150は、異なる12個の進入車線ノード152を有し、それぞれが異なる7つの退出車線ノード154の確率を有するので、車線ノード位置の間に可能性がある84個の一組のリンクがある。様々な態様において、本技術の方法は、リンクが正当なリンクである確率値をリンクのそれぞれに割り当ててもよい。以下に詳細に説明されるように、確率値は、車両軌跡情報/車両行路データに基づいてもよい。方法は、所定のしきい値確率に基づいてリンクをフィルタリングし、一組の正当なリンクを生成することを含んでもよい。次いで、交差点の構造のモデルは、一組の正当なリンクに基づいて創出される。一組の正当なリンクは、技術的な「正当性」ではなく、運転手が通常運転するもの(例えば、車両軌跡データでサポートされるもの)であることを理解すべきである。このような一例は、
図5の経路162であってもよい。他の例は、W1からN5の代わりにW1からN4への運転のような、第2車線に右折するものであってもよい。
【0045】
様々な態様において、
図4の車両行路データは、完全な行路及び部分的な行路の間に車両行路を分類、分離及び/又はフィルタリングできるように処理されてもよい。完全な行路に分類された車両行路において、車両行路が2つの車線ノードを接続できる正当なリンクに関連付ける(例えば、車両は、2つのノード位置を追跡する)可能性が高く、特定な完全な行路又は正当なリンクは、交差点の構造のモデルの創出に使用されるべきである可能性が高い。例えば、完全な行路のそれぞれの確率値は、1の値を割り当てることができる。部分的な行路のそれぞれに、本技術は、部分的な行路が正当なリンクであるべきである確率を評価することが考えられる。部分的な行路のそれぞれの確率値は、0と1との間の分数値又は数値とすることになる。様々な態様において、部分的な行路は、少なくとも1つのノード位置を通過するかもしれないが、少なくとも1つのノード位置を通過する必要はない。
【0046】
個々のリンクのそれぞれ、及び所与の行路の組の確率を検証することが可能であるとき、このアプローチは、少なくとも2つ理由で不十分になるかもしれない。第1に、不必要なリンクが正しいリンクに大きくオーバラップするかもしれず、正しいリンクから生成された行路は、正しくない行路をサポートすることにもなる。第2に、非常に小さいデータ又はノイズを含むデータがあるかもしれない。これらの問題のために、個々のリンクのそれぞれを考慮し、良好な結果を産するアプローチの考案の実現は、難しいかもしれない。例えば、本技術は、種々のリンク構造の結合確率を考慮する方法を提案する。次いで、種々の構造(モデル)の可能性は、リンクのそれぞれを推論又は分析するために再結合される。所与のリンクλ
qの正当性を検討するために、本技術は、以下の式で説明できるベイジアンモデル平均アプローチを、与えられた行路の組Tのリンクの確率を予測するために、使用する。
【0048】
ここで、mは交差点モデルである。ベイジアンモデルを使用するときに一般に行われるように、一組のモデルMは、データを有する吝嗇性であると解釈される。平均化されるモデルの数は、可能なリンクの数の指数であるので、これは、コンピュータ計算の理由で行われてもよい。
【0049】
上記の式を評価する1つの重要な計算は、リンクλにおいて生成された行路tの確率p(λ
q|T)である。第1ステップは、しきい値距離γ
δより大きく離された行路-リンク対の全てについてこの確率をゼロ(0)に設定することである。
図5を参照すると、参照番号160で示される経路は、有意な使用を提供するには短すぎるかもしれない。他の行路について、確率の計算は、行路に沿った位置、及び進入車線ノード152及び退出車線ノード154の位置を使用して、(1)行路が進入ノード及び退出ノードの距離γ
node内を通過するか否かを計算し、双方が近い場合、行路は横切る又は行路は完全な行路であるとし、双方が近くない場合、行路は部分的に横切る又は行路は部分的な行路であるとし、(2)行路と、進入ノードから退出ノードに構成されたスプラインとの間の平均距離δ
tλを計算し、(3)部分的に横切る行路について、行路がカバーするスプラインの部分ρ
tλを計算する。
【0050】
上述のように、横切る行路では、確率p(t|λ)=1である。部分的に横切る行路では、
【0052】
である。これは、基本的に、平均距離及び行路の観察された距離の積である。ここで、ソフトしきい値アプローチは、
【0054】
によって使用されてもよい。これは、y=0.5と交差するxの交差値を決定するγ
i、及び傾きを決定するγ
sによってパラメータ化されるロジスティック関数又はシグモイド関数である。
【0057】
を評価して与えられる。交差点のモデルmは、正当であると評価される一組のリンクΛ
mを示す。モデルの確率及び所与の行路の組は、
【0061】
である。ここで、λ
m,tは行路tの最も確率が高いΛ
m内のリンクである。これは、モデル内の簡明化された仮定である。加えて、全ての正当なリンクが距離δ
tλ>γ
δを有するとき、λ
m,tはヌルリンク(null link)λ
noneに等しくなるであろう。p(t|λ
none)=γ
noneは一定値に規定される。
【0062】
様々な態様において、モデルmの先の確率p(m)はハンドデザインされ(hand-designed)、又は不利益をもたらすことなく、特定の交差点のリンクの適当な平均数をモデル化することを意味するカスタム機能である。先の確率は、データの項が優位なとき、大きな影響を有しないかもしれない。例えば、n
inが交差点への進入ノードであり、リンクの理想数(ideal number)を
【0066】
である。ここで、f
M(n
m)は、交差点のそれぞれのn
idealにより黙示的にパラメータ化され、交差点のそれぞれで相違してもよい。f
M(n
m)は、モデルのリンクの数n
mの関数であり、n
idealを中心とし、区分的線形であり、次の点と順次、
【0068】
によって接続され、さもなければ0である。定数γ
f及びγ
nのそれぞれは、理想からの遠方のオフセット及び近接したオフセットである。
【0069】
正規化定数は、全てのモデルのこの関数の和である。
【0071】
交差点のn
t個の可能なリンクでは、可能なモデルの数は、
【0075】
に適用するためには急激に多くなり過ぎるかもしれない。行路を分析し、及び横切る行路が1の確率を提供するという事実を使用することによって、一組のモデルは、横切る行路を有する全てのリンクを含み、部分的な行路を有するリンクを含んでもよく、対応する行路を有さないリンクを含まない一組のモデルのみに限定できる。n
pが部分的な行路のみを有するリンクの数である場合、吝嗇性のあるモデルのサイズは、
【0077】
であり、列挙し且つ総和を演算するために十分に小さい数である。
【0078】
したがって、上述の説明を考慮すると、当初の確率計算は、ここでは、
【0082】
をリンクλqにおける指標関数とし、モデルのリンクセットmに適用すると、最終の形式に到達する。
【0084】
上述のように、総和を演算するモデルの数のコンピュータ計算上の主たる問題は対処されたが、上述の式を高速化するいくつかの方法がある。例えば、正規化α
Mは、交差点のそれぞれで定数にして、キャッシュされてもよい。正規化α
Tは、論理パラメータγ
p,i、γ
p,s、γ
δ,i及びγ
δ,sが与えられた定数にして、キャッシュされてもよい。
【0087】
は、しきい値距離内のリンク‐行路の全ての対について予め計算される。上述の式の積において、固有の値は、モデルmのリンクλ
m,tに基づいて選択される。
【0088】
そして、正規化因数p(T)の計算は、少なくとも1つの横切った行路のリンクの確率λ
trが1、すなわちp(λ
tr|T)=1とすることより、更に簡明化される。吝嗇性のあるモデルを選択するため、全てのモデルについて、I(λ
tr∈Λm)=1とする。したがって、
【0090】
を得る。この式は、先の議論が適用された極めて直接的な値であろう。
【0091】
部分的な行路に関連するリンクについて、確率値が決定され又は割り当てられると、本技術の方法は、所定のしきい値確率値に基づいてリンクをフィルタリングする。例えば、一例では、約0.6よりも小さい確率値を有するリンクは、正当なリンクではなく、破棄すべきであると決定されてもよい。例えば、所定のしきい値確率値は0.6の値が割り当てられ、0.6よりも小さい確率値を有する全てのリンクは、一組の正当なリンクから除外される。
【0092】
図3の交差点において、
図4において見出される車両軌跡情報を使用すると、
図7は点線166で示される可能性がある正当な回転リンクのそれぞれを示す図であり、
図8は破線168で示される可能性がある正当な通過リンクのそれぞれを示す。
図9は、
図3の交差点のモデルを示し、
図7及び8の一組の正当なリンクの組み合わせである。したがって、進入車線ノード152を退出車線ノードに接続する84個の可能性があるリンクから、14個の正当な回転リンクと、6つの正当な通過リンクがある。
【0093】
実施形態の上述の説明は、説明のために提供されている。それは、包括的なものでなく、開示を制限するものでもない。特定の実施形態の個々の要素及び構成は、概略的なものであり、その特定の実施形態に限定するものではなく、適用可能な場合、置換可能であり、具体的に図示されず又は説明されない場合でも、選択された実施形態において使用してもよい。同一は、多くの方法で、変更してもよい。このような変形は、本開示からの逸脱として考えるべきでなく、全ての修正は、本開示の範囲内に含まれるものである。