【文献】
Samsung,RACH Parameters Optimisation,3GPP TSG-RAN WG3#64 R3-091193,2009年 5月 8日
【文献】
SAMSUNG,SON-RACH issues,3GPP TSG-RAN WG2#67 R2-094844,2009年 8月28日
【文献】
3GPP; TSG RAN; E-UTRAN; Self-configuring and self-optimizing network (SON) use cases and solutions (Release 9),3GPP TR 36.902 V9.3.1,2011年 3月,pp.15-19
【文献】
Ericsson,Necessary UE Measurement Support for the RACH Optimization Function,3GPP TSG-RAN WG3#64 R3-091154,2009年 5月 8日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受信されたPRACHプリアンブルに関するタイミングアドバンスト値を推定するステップであって、前記タイミングアドバンスト値が、前記基地局の第1のカバーエリアを示す、ステップと、
前記基地局の前記第1のカバーエリアで起こるタイミング同期の失敗のカウントを維持するステップとをさらに含む請求項4に記載の方法。
前記基地局に割り当てられている1つまたは複数のルート系列の割当てを示す情報をトークンに挿入するステップであって、前記1つまたは複数のルート系列が、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルを生成するために使用される、ステップと、
前記トークンを第2の基地局に解放するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
複数の基地局の間のルート系列の割当てを調整するステップであって、前記ルート系列が、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルを生成するために使用される、ステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
前記基地局に割り当てられている1つまたは複数のルート系列の割当てを示す情報をトークンに挿入するための手段であって、前記1つまたは複数のルート系列が、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルを生成するために使用される、手段と、
前記トークンを第2の基地局に解放するための手段とをさらに含む請求項25に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ロングタームエボリューション(LTE)システムにおいては、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)のプリアンブルが、基本ルート系列(例えば、Zadoff-Chu系列)から導出され得る。利用可能な系列の数を増やすために、それぞれの基本ルート系列から導出される異なるプリアンブルの間の特定のレベルの直交性を保ちながら、巡回シフトが基本ルート系列に適用され得る。ルート系列(すなわち、基本系列)の巡回シフトの値は、ZeroCorrelationZoneConfig(Ncs)パラメータによって表され得る。本システムおよび方法の態様によれば、自己最適化ネットワーク(SON)が、基地局およびネットワーク構成が実際の測定に基づいて自動的に調整され得ることを可能にすることができる。1つの構成において、本システムおよび方法は、LTE環境のSONがRACHプロセス中に起こるタイミング同期の失敗の測定値(例えば、カウント)に基づいてNcsの値を調整することを可能にする。例えば、Ncsの値は、例えば、基地局のカバーエリアの特定の地理的領域から生じたものとして検出される誤って復号されたPRACHプリアンブルの数を数えることによって最適化された値に調整される可能性がある。本システムおよび方法は、基地局が近隣の基地局に割り当てられているルート系列に基づいてルート系列のその基地局の割当てを調整することを可能にする可能性もある。
【0021】
以下の説明は、例を提供し、請求項に記載の範囲、適用の可能性、または構成を限定しない。本開示の精神および範囲を逸脱することなく、検討される要素の機能および構成にさまざまな変更がなされ得る。さまざまな実施形態は、必要に応じてさまざまな手順または構成要素を省略、置換、または追加する可能性がある。例えば、説明される方法は、説明される順序とは異なる順序で実行される可能性があり、さまざまなステップが、追加されるか、省略されるか、または組み合わされる可能性がある。また、特定の実施形態に関して説明される特徴が、その他の実施形態において組み合わされる可能性がある。
【0022】
はじめに
図1を参照すると、ブロック図が、ワイヤレス通信システム100の例を示す。システム100は、基地局(またはセル)105、通信デバイス115、およびコアネットワーク130を含む。基地局105は、さまざまな実施形態においてコアネットワーク130または基地局105の一部である可能性がある基地局コントローラの制御下で通信デバイス115と通信し得る。基地局105は、バックホールリンク132を通じてコアネットワーク130と制御情報および/またはユーザデータを通信し得る。一部の実施形態において、基地局105は、有線またはワイヤレス通信リンクである可能性があるバックホールリンク132を介して互いに直接的にかまたは間接的にかのどちらかで通信し得る。システム100は、複数のキャリア(さまざまな周波数の波形信号)での動作をサポートする可能性がある。マルチキャリア送信機は、変調された信号を複数のキャリアで同時に送信することができる。例えば、それぞれの通信リンク125は、さまざまな無線テクノロジーに従って変調されたマルチキャリア信号である可能性がある。それぞれの変調された信号は、異なるキャリアで送信される可能性があり、制御情報(例えば、基準信号、制御チャネルなど)、オーバーヘッド情報、データなどを運ぶ可能性がある。
【0023】
基地局105は、1つまたは複数の基地局アンテナを介してデバイス115とワイヤレス通信し得る。基地局105の場所のそれぞれは、それぞれの地理的エリア110に通信カバレッジを提供し得る。一部の実施形態において、基地局105は、ベーストランシーバステーション、無線基地局、アクセスポイント、無線トランシーバ、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、NodeB、進化型NodeB(eNodeBもしくはeNB)、ホームNodeB、ホームeNodeB、または何らかのその他の好適な用語で呼ばれる可能性がある。基地局のカバーエリア110は、カバーエリアの一部だけを構成するセクタに分割され得る。システム100は、異なる種類の基地局105(例えば、マクロ、ミクロ、および/またはピコ基地局)を含み得る。異なるテクノロジーの重なり合うカバーエリアが存在する可能性がある。
【0024】
一部の実施形態において、システム100は、LTE/LTE-Aネットワークである可能性がある。LTE/LTE-Aネットワークにおいて、用語、進化型NodeB(eNB)およびユーザ機器(UE)は、概して、それぞれ、基地局105およびデバイス115を説明するために使用される可能性がある。システム100は、異なる種類のeNBがさまざまな地理的領域にカバレッジを提供する異種LTE/LTE-Aネットワークである可能性がある。例えば、各eNB 105は、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/またはその他の種類のセルのための通信カバレッジを提供する可能性がある。マクロセルは、概して、比較的広い地理的エリア(例えば、半径数キロメートル)をカバーし、ネットワークプロバイダによるサービスに加入しているUEによる無制限のアクセスを許す可能性がある。ピコセルは、概して、比較的狭い地理的エリアをカバーし、ネットワークプロバイダによるサービスに加入しているUEによる無制限のアクセスを許す可能性がある。フェムトセルも、概して、比較的狭い地理的エリア(例えば、家)をカバーし、無制限のアクセスに加えて、フェムトセルとの関連付けを有するUE(例えば、限定加入者グループ(CSG)のUE、家の中のユーザのためのUEなど)による制限されたアクセスも提供する可能性がある。マクロセルのためのeNBは、マクロeNBと呼ばれる可能性がある。ピコセルのためのeNBは、ピコeNBと呼ばれる可能性がある。また、フェムトセルのためのeNBは、フェムトeNBまたはホームeNBと呼ばれる可能性がある。eNBは、1つまたは複数の(例えば、2つ、3つ、4つなどの)セルをサポートする可能性がある。一実施形態において、eNB 105は、ルート系列のシフトを定義する初期Ncsパラメータを設定し得る。ルート系列は、eNB 105とのタイミング同期手順を実行するためのプリアンブルを生成するためにUEが利用することができる可能性がある。eNB 105は、そのeNB 105自体とUE 115との間のタイミング同期の失敗のカウントが閾値を超えるかどうかを判定し得る。失敗の数が閾値を超える場合、eNB 105は、そのeNB 105の最初のNcsパラメータを動的に調整し得る。Ncsパラメータを調整することによって、eNB 105へのルート系列の割当てが変わる。eNB 105は、これらの変更を近隣のeNBに伝達し得る。近隣のeNBも、そのeNBのNcsパラメータを調整すべきかどうか(調整は、そのeNBのルート系列の割当てを変える)を判定し得る。そして、近隣のeNBは、そのeNBの変更を別の近隣のeNBに報告し得る。このプロセスが、システム100内の各eNBを通じて継続する可能性がある。
【0025】
コアネットワーク130は、バックホール132(例えば、S1など)によってeNB 105と通信し得る。また、eNB 105は、例えば、バックホールリンク134(例えば、X2など)を介しておよび/またはバックホールリンク132を介して(例えば、コアネットワーク130を通じて)を介して直接的または間接的に互いに通信し得る。ワイヤレスシステム100は、同期または非同期動作をサポートする可能性がある。同期動作に関して、eNBは、同様のフレームタイミングを有する可能性があり、異なるeNBからの送信は、時間的にだいたい揃えられ得る。非同期動作に関して、eNBは、異なるフレームタイミングを有する可能性があり、異なるeNBからの送信は、時間的に揃っていない可能性がある。本明細書において説明される技術は、同期動作かまたは非同期動作かのどちらかのために使用され得る。
【0026】
UE 115は、ワイヤレスシステム100中に散っている可能性があり、各UEは、移動しないかまたは移動する可能性がある。UE 115は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかのその他の好適な用語で呼ばれる可能性もある。UE 115は、セルラー電話、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局などである可能性がある。UEは、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、中継機などと通信することができる可能性がある。1つの構成において、UE 115は、UE 115とeNB 105との間で行われたタイミング同期の失敗の数を含むログを維持する可能性がある。UE 115は、このログを処理し、eNB 105のNcsパラメータが調整されるべきか否かを示すレポートをeNB 105に送信し得る。UE 115は、ログを処理せずにログを送信する可能性もある。そして、ログを用いて、eNB 105は、そのeNB 105のNcsパラメータを調整すべきか否かを判定するための処理を実行する可能性がある。
【0027】
ネットワーク100内に示された送信リンク125は、モバイルデバイス115から基地局105へのアップリンク送信、および/または基地局105からモバイルデバイス115へのダウンリンク送信を含む可能性がある。ダウンリンク送信は、順方向リンク送信とも呼ばれる可能性があり、一方、アップリンク送信は、逆方向リンク送信とも呼ばれる可能性がある。ワイヤレスシステム100がLTE/LTE-Advancedアーキテクチャに関連して説明されるが、当業者は、本開示全体を通じて示されるさまざまな概念がその他の種類のワイヤレスネットワークに拡張され得ることを容易に理解するであろう。
【0028】
図2は、本システムおよび方法によるeNB 105-aの一実施形態を示すブロック
図200である。eNB 105-aは、
図1のeNB 105の例である可能性がある。eNB 105-aは、eNB受信機モジュール205、調整モジュール210、およびeNB送信機モジュール215を含み得る。eNB 105-aは、自己最適化ネットワーク(SON)の一部である可能性がある。これらの構成要素のそれぞれは、互いに通信し得る。
【0029】
eNB105-aのこれらの構成要素は、ハードウェアで適用可能な機能の一部またはすべてを実行するように適合された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)で個々にまたは集合的に実装される可能性がある。代替的に、機能は、1つまたは複数の集積回路の1つまたは複数のその他の処理ユニット(またはコア)によって実行される可能性がある。その他の実施形態においては、当技術分野で知られている任意の方法でプログラムされ得るその他の種類の集積回路(例えば、ストラクチャード/プラットフォームASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびその他のセミカスタムIC)が、使用される可能性がある。各ユニットの機能は、1つまたは複数の汎用または特定用途向けプロセッサによって実行されるようにフォーマットされたメモリで具現化される命令によって全体または一部が実装される可能性もある。
【0030】
一実施形態において、eNB受信機モジュール205は、1つもしくは複数のUE 115から、および/または1つもしくは複数のその他のeNBからの通信を受信し得る。調整モジュール210は、eNB 105-aの特定のパラメータが調整されるべきであるかどうかを判定し得る。例えば、eNB 105-aは、UE 115とのワイヤレス通信のために使用する最初のパラメータを設定し得る。調整モジュール210は、eNB 105-aとUE 115との間の通信を分析して、これらのパラメータのうちの1つまたは複数が調整されるべきかどうかを判定し得る。eNB送信機モジュール215は、1つもしくは複数のUE 115および/または1つもしくは複数のその他のeNBに通信を送り得る。eNB 105の調整モジュール210に関するさらなる詳細が、以下で説明される。
【0031】
図3は、本システムおよび方法によるeNB 105-bのさらなる実施形態を示すブロック
図300である。eNB 105-bは、
図1および/または
図2のeNB 105の例である可能性がある。eNB 105-bは、eNB受信機モジュール205、調整モジュール210-a、およびeNB送信機モジュール215を含み得る。1つの構成において、eNB 105-bは、SONの一部である可能性がある。これらの構成要素のそれぞれは、互いに通信し得る。
【0032】
eNB105-bのこれらの構成要素は、ハードウェアで適用可能な機能の一部またはすべてを実行するように適合された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)で個々にまたは集合的に実装される可能性がある。代替的に、機能は、1つまたは複数の集積回路の1つまたは複数のその他の処理ユニット(またはコア)によって実行される可能性がある。その他の実施形態においては、当技術分野で知られている任意の方法でプログラムされ得るその他の種類の集積回路(例えば、ストラクチャード/プラットフォームASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびその他のセミカスタムIC)が、使用される可能性がある。各ユニットの機能が、1つまたは複数の汎用または特定用途向けプロセッサによって実行されるようにフォーマットされたメモリで具現化される命令によって全体または一部が実装される可能性もある。
【0033】
eNB受信機モジュール205およびeNB送信機モジュール215は、既に説明されたように動作し得る。調整モジュール210-aは、Ncs調整モジュール305およびルート系列調整モジュール310を含み得る。1つの構成において、Ncs調整モジュール305は、eNB 105-bで設定された現在のNcsパラメータが調整されるべきかどうかを判定し得る。パラメータに対する調整が実行されるべきであると判定すると、Ncs調整モジュール305は、パラメータを調整し得る。ルート系列調整モジュール310は、eNB 105-bに現在割り当てられているルート系列の割当てを調整すべきかどうかを判定し得る。1つの構成において、ルート系列調整モジュール310は、Ncs調整モジュール305から情報を受信し得る。受信される情報は、Ncsパラメータの調整を示す可能性がある。Ncsパラメータの調整情報を受信すると、ルート系列調整モジュール310は、eNB 105-bに現在割り当てられているルート系列の割当てを調整し得る。eNB送信機モジュール215は、eNB 105-bに割り当てられているルート系列の調整を示す情報を近隣のeNBに送信し得る。
【0034】
図4は、本システムおよび方法によるeNB 105-cのさらなる実施形態を示すブロック
図400である。eNB 105-cは、
図1、
図2、および/または
図3のeNB 105の例である可能性がある。eNB 105-cは、eNB受信機モジュール205、調整モジュール210-b、およびeNB送信機モジュール215を含み得る。一例において、eNB 105-cは、SONの一部である可能性がある。これらの構成要素のそれぞれは、互いに通信し得る。
【0035】
eNB105-cのこれらの構成要素は、ハードウェアで適用可能な機能の一部またはすべてを実行するように適合された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)で個々にまたは集合的に実装される可能性がある。代替的に、機能は、1つまたは複数の集積回路の1つまたは複数のその他の処理ユニット(またはコア)によって実行される可能性がある。その他の実施形態においては、当技術分野で知られている任意の方法でプログラムされ得るその他の種類の集積回路(例えば、ストラクチャード/プラットフォームASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびその他のセミカスタムIC)が、使用される可能性がある。各ユニットの機能は、1つまたは複数の汎用または特定用途向けプロセッサによって実行されるようにフォーマットされたメモリで具現化される命令によって全体または一部が実装される可能性もある。
【0036】
eNB受信機モジュール205およびeNB送信機モジュール215は、既に説明されたように動作し得る。調整モジュール210-bは、Ncs調整モジュール305-aを含み得る。1つの構成において、Ncs調整モジュール305-aは、プリアンブル検出モジュール405、タイミング推定モジュール410、カウンタモジュール415、および比較モジュール420を含み得る。
【0037】
一実施形態において、プリアンブル検出モジュール405は、eNB受信機モジュール205を介した1つまたは複数のプリアンブルの受信を検出し得る。プリアンブルは、UE 115から第1のメッセージ(例えば、MSG1)の一部として送信される可能性がある。プリアンブルは、eNB 105-cとの接続設定手順を開始するためにUE 115によって送信されるPRACHプリアンブルである可能性がある。PRACHプリアンブルは、ルート系列(例えば、Zadoff-Chu系列)から導出され得る。一実施形態においては、PRACHプリアンブルを生成するために利用され得る合計893個のルート系列が存在する可能性がある。1つの構成において、eNB 105-cは、サービスを提供されるUE 115を(1つまたは複数の)ルート系列を用いて構成する可能性があり、それらのルート系列から、UE 115は、RACHプロセスのMSG1として使用する64個のプリアンブルを生成し得る。eNBが接続設定手順を開始する異なるUEを区別するために、異なるUEによって異なるPRACHプリアンブルが送信され得る。UEは、プールからプリアンブルをランダムに選び出し、そのプリアンブルをeNBに送信し得る。一実施形態において、eNB 105の各セルは、UEが選び出すために利用し得る64個のRACHプリアンブルを含む可能性がある。
【0038】
プリアンブルの受信を検出すると、プリアンブル検出モジュール405は、受信された信号とルート系列の組との数学的相関を取って、どのプリアンブルID(または系列)が検出されたかを判定し得る。モジュール405が検出されたプリアンブルと基準ルート系列との間の一致(または部分的一致)を特定するとき、プリアンブル検出モジュール405は、プリアンブル識別情報(ID)を生成し得る。プリアンブルIDは、接続設定手順を開始するためにUE 115によって選択され、送信されたとeNB 105-cが確信しているプリアンブルを表し得る。「プリアンブルID」は、特定のルート系列を特定するために3GPP標準で使用される慣習的な命名である可能性がある。プリアンブルIDは、eNBによって構成される基本系列(PRACH物理ルート(PRACH physical root)とも呼ばれる)に関連する可能性もある。
【0039】
PRACH物理ルートは、3GPPの仕様では、1つまたは複数のテーブルによってPRACH論理ルート(PRACH logical root)にマッピングされる可能性もある。一実施形態において、PRACH論理ルートは、UE 115が物理ルートが使用されている順序を導出することを可能にし得る。例えば、必要とされる物理ルートの数がNcsの値に対して「X」である場合、eNB 105-cは、第1の論理ルートのみをUEに示す可能性がある。UEは、定義された3GPP標準を利用することによって実際の物理ルートおよびそれらの物理ルートの使用順序を導出し得る。
【0040】
1つの構成において、タイミング推定モジュール410は、eNB 105-cとプリアンブルを送信したUE 115との間の伝播遅延を推定するタイミングアドバンスト(TA)値を推定し得る。結果として、TAは、eNB 105-cからの距離、またはプリアンブルが生じたeNB 105-cによって認識されるeNB 105-cのカバーエリアの相対的な地理的領域を表す可能性がある。例えば、大きなTAは、プリアンブルを送信したUE 115がeNB 105-cから遠く離れたところにあるとeNB 105-cが認識することを示す可能性がある。eNB送信機モジュール215は、UE 115に第2のメッセージ(例えば、MSG2)を送信し得る。第2のメッセージは、プリアンブルID、およびeNB 105-cによって推定されたTA値を含み得る。eNB 105-cが特定のプリアンブルIDを検出し、TA値を推定するとき、eNBは、この情報をその他の情報とともにMSG2を利用してUE 115に伝達し得る。
【0041】
一例において、カウンタモジュール415は、第2のメッセージがUE 115に送信された後、第3のメッセージ(例えば、MSG3)が受信されない回数のカウントを維持する可能性がある。一実施形態において、UE 115は、プリアンブルIDおよびTA値を有する第2のメッセージを受信するとき、プリアンブルIDを分析して、プリアンブルIDがUE 115によって選択され、第1のメッセージの一部として送信された正しいプリアンブルを特定するかどうかを判定し得る。UE 115は、プリアンブルIDがプリアンブルを誤って特定すると判定する場合、第3のメッセージの送信を中止する可能性がある。1つの構成において、UE 115は、MSG1の送信を再び開始しようと試みる可能性がある。
【0042】
カウンタモジュール415が、第3のメッセージの非受信を検出するとき、モジュール415は、プリアンブルIDとともに送信されたTA値を分析し得る。TA値がセルの特定の地理的エリア(またはセルに対する特定の距離)を表す場合、カウンタモジュール415は、カウンタを増やす可能性がある。例えば、TA値が小さい(プリアンブルを有する第1のメッセージがeNB 105-cの比較的近くにあるUE 115から受信されたことをeNB 105-cが認識することを示す)場合、カウンタモジュール415は、第3のメッセージがUE 115から受信されないと判定するとき、カウンタを増やす可能性がある。比較モジュール420は、カウンタを閾値と比較し得る。セルの特定のエリアに関するカウンタが閾値を超えるとき、Ncs調整モジュール305-aは、eNB 105-cの現在のNcsパラメータを調整する可能性がある。
【0043】
1つの構成において、調整モジュール210-bは、ルート系列調整モジュール310-aも含み得る。モジュール310-aは、挿入モジュール425、抽出モジュール430、およびルート系列分析モジュール435を含み得る。一実施形態において、挿入モジュール425は、eNB 105-cへのルート系列の現在の割当てに関する情報をトークンに挿入し得る。一実施形態においては、NcsパラメータがNcs調整モジュールによって調整される場合、eNB 105-cに割り当てられているルート系列も、調整される。挿入モジュール425は、ルート系列の更新された割当てをトークンに挿入し得る。抽出モジュール430は、近隣のeNBから受信されたトークンから情報を抽出し得る。ルート系列分析モジュール435は、抽出された情報を分析して、トークンを送信した近隣のeNBに割り当てられているルート系列を判定し得る。この分析に基づいて、ルート系列調整モジュール310-aは、近隣のeNBに割り当てられているルート系列に基づいてeNB 105-cに割り当てられているルート系列の現在の割当てを調整し得る。ルート系列の割当てを調整すると、eNB 105-cは、そのeNB 105-cのNcsパラメータが調整されるべきかどうかを判定し得る。Ncsパラメータが調整される場合、eNB 105-cへのルート系列の割当てが、再び更新され、更新された割当て情報が、挿入モジュール425によってトークンに挿入される。そして、トークンが、eNB送信機モジュール215によって別の近隣のeNBに送信され得る。
【0044】
一実施形態において、トークンの受信は、eNBがそのeNBのNcsパラメータを調整すべきかどうかを判定することをトリガし得る。1つの構成において、eNBは、トークンを受信した後、この判定を行う可能性がある。トークンを持たないeNBは、それらのNcsパラメータが調整されるべきかどうかを判定するための手順を実行しない可能性がある。その他の手法が、明示的なトークンを使用せずに使用される可能性もある。例えば、どのeNBがそのeNBのNcsパラメータを調整すべきかどうかを判定するための手順を実行すべきかを判定するために、集中型のサーバが使用される可能性があり、またはeNBの事前に定義された順序が使用される可能性がある。加えて、Ncsパラメータを調整すべきかどうかを判定するこのプロセスは、各eNBで、または集中型の処理ユニットもしくはサーバで実行される可能性がある。このプロセスは、ライブネットワークの構成要素(例えば、eNB、UEなど)と直接的なインタラクションをしてまたはせずにシミュレーションツールまたはネットワーク計画ソフトウェアにより実行される可能性もある。
【0045】
一実施形態においては、本開示において定義される最後に使用された論理ルート(LULR: last used logical root)が、特定のeNBで使用された最後の物理ルート系列に対応する論理ルート値を表す可能性がある。一例において、LULRは、3GPP規格に記載されている開始物理ルート(starting physical root)にマッピングされる可能性がある。既に説明されたように、LTEにおいては、プリアンブル(すなわち、MSG1)を生成するために使用され得る839個の物理ルートが存在する。しかし、近隣のeNBは、同じ物理ルートを使用すべきでない。eNBが遠い距離で隔てられるとき(例えば、経路損失の減衰が潜在的な干渉を軽減することを可能にする場合)、それらのeNBは、同じルート系列を使用し得る。
【0046】
本システムおよび方法のNcsの大きさの決定の結果として、それぞれのeNBの必要とされる物理ルートの数が変わる可能性がある。Ncsパラメータへの変更が行われた後、すべての物理ルートが利用されていることを保証するために、論理ルートパッキングアルゴリズムが、ルート系列調整モジュール310-bによって使用され得る。一実施形態において、前のeNBのLULRが、抽出モジュール430によって、受信されたトークンから抽出され得る。新しい論理ルートは、式1に従って調整され得る。
Lseq_new = LULR + Dv 式1
【0047】
一実施形態において、Dvは、異なるeNBに割り当てられているルートの間のパッキング距離(packing distance)を表し得る。Dvは、正の値、負の値、またはゼロである可能性がある。1つの構成において、Dv = 0は、最後に使用された論理ルートおよび別のeNBによって使用されるルート系列による重なりがあることを示し得る。Dv値1は、重なりがないことを示し得る。正のDvの大きさは、eNB 105-cの最後に使用された論理ルートと近隣のeNBに割り当てられているルート系列との間の間隙を示し得る。負のDvの大きさは、eNB 105-cの最後に使用された論理ルートと近隣のeNBに割り当てられているルート系列との重なりの量を示し得る。
【0048】
図5は、eNB 105-dとUE 115との間の接続設定手順のメッセージフロー
図500である。eNB 105-dは、
図1、
図2、
図3、および/または
図4のeNB 105の例である可能性がある。UE 115は、
図1のUE 115の例である可能性がある。メッセージフローは、SONで行われる可能性がある。
【0049】
LTEにおいて、UE 115は、RACH手順を実行することによって最初のタイミング同期をとり得る。UE 115は、第1のMSG1のプリアンブル505-a-1を送信し得る。第1のMSG1のプリアンブルは、Zadoff-Chu系列から導出され得る。UEは、eNB 105-dのセルでブロードキャストされるシステム情報ブロック(SIB)に基づいて、選び出すために利用し得るプリアンブルを発見することができる。
【0050】
eNB 105-dは、MSG1のプリアンブル505-a-1を検出するとき、UEのタイムアドバンスト(time advanced)および検出されたプリアンブルIDを推定し得る。eNB 105-dは、第1のMSG2 510-a-1を送信することによってUE 115に応答し得る。第1のMSG2は、推定されたTA値および検出されたプリアンブルIDを含み得る。UE 115は、MSG2を正しく復号できる場合、TAの推定値を用いてMSG3のタイミングを調整し得る。しかし、eNB 105-dは、第1のMSG1のプリアンブル505-a-1のプリアンブルIDを誤って検出した場合、一致しないプリアンブルIDおよび誤ったTAの推定値をUE 115に伝達し得る。UE 115は、MSG2を復号するとき、MSG2に含まれるプリアンブルIDとMSG1でもともと送信されたプリアンブルIDとのマッチングにやはり失敗する可能性がある。これが起こるとき、UE 115は、MSG3によって応答しない可能性があり、eNB 105-dは、MSG3の非受信を検出する可能性がある(515-a-1)。
【0051】
MSG3が受信されないとき、RACH手順のこの試みは、タイミング同期の失敗と見なされる可能性がある。プリアンブルIDがeNB 105-dによって誤って検出される場合、TA値の推定値も誤っている可能性がある。UE 115が誤ったTAを用いてMSG3を送信したとするならば、MSG3は正しいアップリンクのタイミング調整を持たない可能性があり、したがって、eNB 105-dへのアップリンク送信が失敗する可能性がある。1つの構成において、eNB 105-dは、それぞれの検出されたプリアンブルIDおよび対応するTA値を記録する可能性がある。eNB 105-dは、それぞれのRACHの試みがうまくいったのかまたは失敗したかも記録する可能性がある。
【0052】
この情報を用いて、eNB 105-dは、どの範囲のTA値が高い失敗率を被っているか、およびUE 115がMSG1を送信しようと試みている最大のセルの範囲を判定し得る。一例において、eNB 105-dは、MSG3の非受信(つまり、RACHの試みの失敗、タイミング同期の失敗など)の数が特定のTA値またはTA値の範囲に関する閾値を超えるかどうかを判定し得る(520)。閾値が超えられる場合、eNB 105-dは、Ncsパラメータを調整する可能性がある(525)。
【0053】
図6は、eNB 105-eのセルのカバーエリアの一実施形態を示すブロック
図600である。eNB 105-eは、
図1、
図2、
図3、
図4、および/または
図5のeNB 105の例である可能性がある。eNB 105-eは、NcsパラメータがeNB 105-eによって実装されることに基づいてさまざまなカバレッジをサポートし得る。1つの構成において、現在のNcsパラメータは、eNB 105-eが第1のエリア605、第2のエリア610、および第3のエリア615をサポートすることを可能にし得る。第3のエリア615は、eNB 105-eの現在のNcsの構成によってサポートされる最大距離である可能性がある。eNB 105-eは、第3のエリア615よりも遠い距離で送信されるプリアンブル(例えば、MSG1のRACHプリアンブル)を誤って検出する可能性がある。
【0054】
一実施形態において、eNB 105-eは、PRACHプリアンブルを検出するための繰り返し観測期間を有する可能性がある。観測期間の長さは、現在のNcsの構成によってサポートされるeNB 105-eのカバーエリアに基づく可能性がある。eNB 105-eは、観測期間の始まりのより近くで受信されたプリアンブルがeNB 105-eの近くにあるUEから発せられ、一方、観測期間の終わりのより近くで受信されたプリアンブルがセルのNcsのカバーエリアの端に(例えば、第3のカバーエリア615の端に)あるUEから発せられたと判定する可能性がある。
【0055】
例として、eNB 105-eは、2マイクロ秒の繰り返し観測期間を有する可能性がある。eNB 105-eは、プリアンブルが観測期間中にいつ受信されるかに基づいてTA値を推定し得る。UEが選び出すために利用し得るプリアンブルは、「12345」、「51234」、「45123」などを含み得る。第1のUEが、第1のカバーエリア605からプリアンブル(例えば、「12345」)を送信する可能性がある。eNB 105-eとのこの近い距離は、送信のレイテンシを削減し得る。したがって、プリアンブル全体が、観測期間中の早い時期にeNB 105-eで受信される可能性がある。eNB 105-eは、受信されたプリアンブルを基準コードと比較し得る。eNB 105-eは、プリアンブル「12345」が基準コード「12345」と一致すると判定する可能性があり、eNB 105-eがプリアンブル「12345」を受信したことを示すプリアンブルIDを生成する可能性がある。eNB 105-eは、第1のUEから受信されるその後の送信のためのTA値を計算する可能性もある。TA値は、プリアンブルが観測期間中にいつ受信されたかに基づいて推定され得る。
【0056】
第2のUEが、第2のカバーエリア610からプリアンブル(例えば、「51234」)を送信する可能性がある。このプリアンブルは、観測時間枠(observation window)中の遅い時期に受信される可能性がある。第2のUEもNcsのカバーエリア内にあるので、eNB 105-eは、観測期間中にプリアンブル全体(例えば、「51234」)を受信し得る。eNB 105-eは、このプリアンブルを1組の基準コードとやはり比較する可能性があり、プリアンブル「51234」が基準コード「51234」と一致すると判定する可能性がある。eNB 105-eがプリアンブル「51234」を受信したことを第2のUEに知らせるプリアンブルIDが、生成され得る。eNB 105-eは、第2のUEのための異なるTA値を計算する可能性もある。TA値は、第2のUEとeNB 105-eとの間の送信のレイテンシを考慮するために異なる可能性がある。
【0057】
eNB 105-eのNcsのカバーエリアの外にある第3のUE(例えば、UE 115は第3のカバーエリア615外にある可能性がある)が、現在のNcs値によって示される巡回シフトによってルート系列から導出されるプリアンブル「45123」を送信する可能性がある。第3のUEは現在のNcs値に関連するNcsのカバーエリアの外にあるので、プリアンブルの巡回シフトは、短過ぎる可能性がある。この例において、eNB 105-eは、プリアンブルがUEから送信されてから2.1マイクロ秒後にそのプリアンブルを受信する可能性がある。したがって、プリアンブルは、2マイクロ秒の第1の観測期間中に受信されないが、第2の観測期間が始まってから0.1マイクロ秒後に受信される。一例においては、プリアンブルの一部(例えば、「45」)が、第1の観測期間の終わりに受信される可能性があり、プリアンブルの残りの部分(例えば、「123」)が、第2の観測期間の始めに受信される可能性がある。eNB 105-eは、前の観測期間中に受信された情報を使用しない可能性がある。したがって、eNB 105-eの観点から見ると、eNB 105-eは、観測期間の始めにプリアンブル「123」を受信した(プリアンブルの一部「45」は、前の観測期間中に受信された)。そして、eNB 105-eは、基準コードを受信されたプリアンブル「123」と比較し得る。eNB 105-eは、受信されたプリアンブル「123」が基準コード「12345」にほぼ一致すると判定する可能性がある。結果として、eNB 105-eは、第3のUEがプリアンブル「12345」を送信したと誤って結論づける可能性があり、eNB 105-eがそのeNB 105-eがプリアンブル「12345」を受信したと確信しているということを第3のUEに示すプリアンブルIDを生成する可能性がある。さらに、eNB 105-eは、プリアンブルが観測期間(すなわち、第2の観測期間)の始めに受信されたと確信しているので、第3のUEが第1のカバーエリア605内にあるかのようにTA値を計算する可能性がある。TA値は、eNB 105-eへのアップリンクでの将来の送信のためにUEのタイミングをどのように調整すべきかをそのUEに知らせる。
【0058】
計算されたプリアンブルIDおよびTA値が、UEに送り返される。UEは、プリアンブルIDを分析し、プリアンブルIDがeNB 105-eによって誤って検出されたと判定する可能性がある。結果として、UEは、その後のメッセージの送信を中止する可能性がある。eNB 105-eは、その後のメッセージの非受信を検出する可能性があり、タイミング同期の失敗のカウンタを増やす可能性がある。カウンタは、プリアンブルが例えば第1のカバーエリア605内にある(1つまたは複数の)UEから生じたことをTA値が示唆するときに発生した失敗(UEからのMSG3の非受信)の数を示す可能性がある。カウンタが閾値を超えるとき、eNB 105-eのNcs値が調整される可能性がある。一例においては、eNB 105-eは、プリアンブルが伝えられたところによればeNB 105-eの近くにあるUEから送信されたことをTA値が示した状態でたくさんのタイミング同期の失敗が起こっていることを検出する場合、これらのプリアンブルを送信したUEが実際にはNcsのカバーエリアの外にあると判定し得る。結果として、eNB 105-eは、eNB 105-eに割り当てられているルート系列の巡回シフトを増やすように現在のNcsパラメータを調整し得る。Ncsをより高い値に構成することは、eNB 105-eのカバーエリアが拡大することを可能にし得る。これは、ひいては、UEが新しいNcs値内で正常なRACHプロセスを実行することを可能にし得る。
【0059】
一実施形態においては、eNB 105-eは、第1のカバーエリア605に関するTA値の範囲に合うタイミング同期の失敗の数が閾値を超えないと判定する場合、eNB 105-eに割り当てられている基本ルート系列に適用される巡回シフトの長さを削減するために現在のNcsパラメータをより低い値に調整し得る。巡回シフトを減らすことは、Ncsの構成によってサポートされるeNB 105-eのカバーエリアを狭くする可能性がある。Ncs値は、第1のカバーエリアに関するTA値の範囲に対応する失敗の数が閾値を確かに超えるまで調整され続ける可能性がある。これが起こるとき、Ncs値は、カバーエリアを大きくするように調整される可能性があり、eNB 105-eは、最適なNcsの構成を使用する可能性がある。
【0060】
図7は、本システムおよび方法によるUE 115-aの一実施形態を示すブロック
図700である。UE 115-aは、
図1および/または
図5のUE 115の例である可能性がある。UE 115-aは、UE受信機モジュール705、報告モジュール710、およびUE送信機モジュール715を含み得る。一例において、UE 115-aは、SONの一部である可能性がある。これらの構成要素のそれぞれは、互いに通信し得る。
【0061】
UE 115-aのこれらの構成要素は、ハードウェアで適用可能な機能の一部またはすべてを実行するように適合された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)で個々にまたは集合的に実装される可能性がある。代替的に、機能は、1つまたは複数の集積回路の1つまたは複数のその他の処理ユニット(またはコア)によって実行される可能性がある。その他の実施形態においては、当技術分野で知られている任意の方法でプログラムされ得るその他の種類の集積回路(例えば、ストラクチャード/プラットフォームASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびその他のセミカスタムIC)が、使用される可能性がある。各ユニットの機能は、1つまたは複数の汎用または特定用途向けプロセッサによって実行されるようにフォーマットされたメモリで具現化される命令によって全体または一部が実装される可能性もある。
【0062】
一実施形態において、UE受信機モジュール705は、1つもしくは複数のその他のUEから、および/または1つもしくは複数のeNB 105からの通信を受信し得る。報告モジュール710は、eNB 105の特定のパラメータが調整されるべきであるかどうかを示す情報を収集し、報告し得る。例えば、eNB 105-aは、UE 115とのワイヤレス通信のために使用する最初のパラメータを設定し得る。報告モジュール710は、さまざまな種類の測定情報を集め、UE送信機モジュール715を介してeNB 105にそのような情報を伝達し得る。eNB 105は、情報を用いて、これらのパラメータのうちの1つまたは複数が調整されるべきであるかどうかを判定し得る。UE 115-aの報告モジュール710に関するさらなる詳細が、以下で説明される。
【0063】
図8は、本システムおよび方法によるUE 115-bの一実施形態を示すブロック
図800である。UE 115-bは、
図1、
図5、および/または
図7のUE 115の例である可能性がある。UE 115-bは、UE受信機モジュール705、報告モジュール710-a、およびUE送信機モジュール715を含み得る。これらの構成要素のそれぞれは、互いに通信し得る。
【0064】
UE 115-bのこれらの構成要素は、ハードウェアで適用可能な機能の一部またはすべてを実行するように適合された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)で個々にまたは集合的に実装される可能性がある。代替的に、機能は、1つまたは複数の集積回路の1つまたは複数のその他の処理ユニット(またはコア)によって実行される可能性がある。その他の実施形態においては、当技術分野で知られている任意の方法でプログラムされ得るその他の種類の集積回路(例えば、ストラクチャード/プラットフォームASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびその他のセミカスタムIC)が、使用される可能性がある。各ユニットの機能は、1つまたは複数の汎用または特定用途向けプロセッサによって実行されるようにフォーマットされたメモリで具現化される命令によって全体または一部が実装される可能性もある。
【0065】
1つの構成において、報告モジュール710-aは、失敗報告モジュール805を含み得る。モジュール805は、RACH手順の間にUE 115-bとeNB 105との間で起こるタイミング同期の失敗のログを維持する可能性がある。報告モジュール710-aは、TA報告モジュール810も含み得る。TA報告モジュール810は、RACHの試みの間にeNB 105から受信されたTA値を記録し得る。報告モジュール710-aは、ログに記録されたタイミング同期の失敗を対応するTA値とともにまとめてグループ化する可能性がある。UE 115-bは、失敗の数およびそれぞれの失敗に関する対応するTA値を示すレポートを生成し得る。レポートは、成功したRACHの試みの数および対応するTA値も示す可能性がある。レポートは、UE送信機モジュール715を介してeNB 105に送信され得る。
【0066】
図9は、本システムおよび方法によるUE 115-cの一実施形態を示すブロック
図900である。UE 115-cは、
図1、
図5、
図7、および/または
図8のUE 115の例である可能性がある。UE 115-cは、UE受信機モジュール705、報告モジュール710-b、およびUE送信機モジュール715を含み得る。これらの構成要素のそれぞれは、互いに通信し得る。
【0067】
UE 115-cのこれらの構成要素は、ハードウェアで適用可能な機能の一部またはすべてを実行するように適合された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)で個々にまたは集合的に実装される可能性がある。代替的に、機能は、1つまたは複数の集積回路の1つまたは複数のその他の処理ユニット(またはコア)によって実行される可能性がある。その他の実施形態においては、当技術分野で知られている任意の方法でプログラムされ得るその他の種類の集積回路(例えば、ストラクチャード/プラットフォームASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびその他のセミカスタムIC)が、使用される可能性がある。各ユニットの機能は、1つまたは複数の汎用または特定用途向けプロセッサによって実行されるようにフォーマットされたメモリで具現化される命令によって全体または一部が実装される可能性もある。
【0068】
1つの構成において、報告モジュール710-bは、失敗報告モジュール805-aを含み得る。モジュール805-aは、プリアンブルID検出モジュール905、プリアンブルIDロギングモジュール910、およびプリアンブルID分析モジュール915を含み得る。1つの構成において、プリアンブルID検出モジュール905は、eNB 105からのMSG2の受信を検出し得る。MSG2は、eNB 105から送信されたプリアンブルIDを含み得る。既に説明されたように、プリアンブルIDは、eNB 105が決定したプリアンブルがUE 115-cからMSG1として送信されたことを示し得る。プリアンブルIDロギングモジュール910は、検出されたプリアンブルIDをログに記録し得る。一実施形態において、プリアンブルID分析モジュール915は、検出されたプリアンブルIDがMSG1として送信されたプリアンブルを正しく特定するかどうかを判定し得る。
【0069】
報告モジュール710-bは、TA報告モジュール810-aも含み得る。TA報告モジュール810-aは、TA検出モジュール920、TAロギングモジュール925、およびTA分析モジュール930を含み得る。一例において、TA検出モジュール920は、MSG2の一部としてeNB 105から受信されるTA値を検出し得る。TAロギングモジュール925は、検出されたTA値をログに記録し得る。一例において、TA値は、eNB 105から同じMSG2の一部として受信された対応するプリアンブルIDとともにログに記録される可能性がある。TA分析モジュール930は、検出されたTA値を分析して、eNB105の近くのカバーエリアを表すいくつかのTA値を決定し得る。例えば、分析モジュール930は、eNB 105の第1のカバーエリア605に対応するTA値を特定し得る。
【0070】
一実施形態において、報告モジュール710-bは、eNB 105にレポートを送信し得る。レポートは、タイミング同期の失敗の数(例えば、UE 115-cがプリアンブルIDを受信したときにMSG3を送信しなかった場合の数)を示す情報を含み得る。レポートは、eNB 105の特定のNcsのカバーエリア内で起こった失敗の数も示す可能性がある。一実施形態において、UE 115-cは、レポートデータを分析して、eNB 105がそのeNB 105のNcsパラメータを調整すべきかどうかを判定し得る。別の実施形態において、UE 115-cは、レポートを送信する可能性があり、eNB 105は、レポートの処理を実行して、そのeNB 105がそのeNB 105のNcsパラメータを変更すべきかどうかを判定する可能性がある。レポートは、eNB 105に受動的に送信される可能性がある(例えば、タイミングサイクルに従ってレポートを送信する)。レポートは、UE 115-cがeNB 105からレポートを送信する要求を受信するときにeNB 105に能動的に送信される可能性もある。1つの構成において、レポートは、UE送信機モジュール715を介して送信され得る。
【0071】
モジュール805は、RACH手順の間にUE 115-bとeNB 105との間で起こるタイミング同期の失敗のログを維持する可能性がある。報告モジュール710-aは、TA報告モジュール810も含み得る。TA報告モジュール810は、RACHの試みの間にeNB 105から受信されたTA値を記録し得る。報告モジュール710-aは、ログに記録されたタイミング同期の失敗を対応するTA値とともにまとめてグループ化する可能性がある。UE 115-bは、失敗の数およびそれぞれの失敗に関する対応するTA値を示すレポートを生成し得る。レポートは、成功したRACHの試みの数および対応するTA値も示す可能性がある。レポートは、UE送信機モジュール715を介してeNB 105に送信され得る。
【0072】
図10は、UE 115-dとeNB 105との間の接続設定手順のメッセージフロー
図1000である。UE 115-dは、
図1、
図5、
図7、
図8、および/または
図9のUEの例である可能性がある。eNB 105は、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、および/または
図6のeNB 105の例である可能性がある。
【0073】
1つの構成において、UE 115-dは、eNB 105に第1のMSG1 1005-a-1を送信し得る。MSG1は、接続設定手順を開始するためのPRACHプリアンブルなどのプリアンブルを含み得る。eNB 105は、受信されたプリアンブルに関するプリアンブルIDおよびTAの推定値を含む第1のMSG2 1010-a-1で応答し得る。UE 115-dは、プリアンブルIDがeNB 105によって誤って検出されたのでMSG2を正しく復号することができない可能性がある。結果として、UE 115-dは、eNB 105へのMSG3の送信を中止し得る(1015-a-1)。このプロセスが、継続する可能性があり、UE 115-dは、eNB 105から受信されたMSG2を復号することができない場合、MSG3の送信を中止し続ける可能性がある。一実施形態において、UE 115-dは、eNB 105にタイミング同期レポート1020を送信し得る。レポート1020は、MSG1のプリアンブルおよび対応するMSG2のプリアンブルIDのログを含み得る。レポート1020は、それぞれのMSG2のプリアンブルIDに対応するTAの推定値のログをさらに含み得る。さらに、レポートは、それぞれの特定のMSG1/MSG2のペアがタイミング同期の失敗(例えば、MSG3の非送信)を引き起こしたかどうかを示し得る。レポート1020は、eNB 105がそのeNB 105のNcs値を調整すべきかどうかに関する指示も含み得る。例えば、レポートは、Ncsパラメータが調整されるべきであることをeNB 105に示す1つまたは複数のビットを含み得る。別の実施形態において、レポート1020は、情報を含む可能性があり、eNB 105は、情報を処理して、そのeNB 105の現在のNcsの構成を修正すべきかどうかを判定し得る。
【0074】
図11は、eNB 105-fおよびUE 115-eを含むMIMO通信システム1100のブロック図である。このシステム1100は、
図1のシステム100の態様を示す可能性がある。eNB 105-fは、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、および/または
図10のeNB 105の例である可能性がある。UE 115-eは、
図1、
図5、
図7、
図8、
図9、および/または
図10のUE 115の例である可能性がある。eNB 105-fは、アンテナ1134-aから1134-xを備える可能性があり、UE 115-eは、アンテナ1152-aから1152-nを備える可能性がある。システム1100において、eNB 105-fは、データを複数の通信リンクを介して同時に送信することができる可能性がある。各通信リンクは、「レイヤ」と呼ばれる可能性があり、通信リンクの「ランク(rank)」は、通信のために使用されるレイヤの数を示す可能性がある。例えば、eNB 105-fが2つの「レイヤ」を送信する2x2 MIMOシステムにおいて、eNB 105-fとUE 115-eとの間の通信リンクのランクは2である。
【0075】
eNB 105-fにおいては、送信プロセッサ1120が、データソースからデータを受信する可能性がある。送信プロセッサ1120は、データを処理し得る。送信プロセッサ1120は、基準シンボルおよびセル固有基準信号(cell-specific reference signal)を生成する可能性もある。送信(TX)MIMOプロセッサ1130は、適用可能な場合、データシンボル、制御シンボル、および/または基準シンボルに対して空間処理(例えば、プリコーディング)を実行する可能性があり、出力シンボルストリームを送信変調器1132-aから1132-xに与える可能性がある。各変調器1132は、(例えば、OFDMなどに関する)それぞれの出力シンボルストリームを処理して出力サンプルストリームを取得し得る。各変調器1132は、出力サンプルストリームをさらに処理(例えば、アナログ変換、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)してダウンリンク信号を取得し得る。一例において、変調器1132-aから1132-xからのダウンリンク信号は、それぞれ、アンテナ1134-aから1134-xを介して送信され得る。
【0076】
UE 115-eにおいて、UEのアンテナ1152-aから1152-nは、eNB 105-fからダウンリンク信号を受信する可能性があり、受信された信号を復調器1154-aから1154-nにそれぞれ与える可能性がある。各復調器1154は、それぞれの受信された信号を調整(例えば、フィルタリング、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)して入力サンプルを取得し得る。各復調器1154は、(例えば、OFDMなどに関する)入力サンプルをさらに処理して、受信されたシンボルを取得し得る。MIMO検波器1156は、すべての復調器1154-aから1154-nから受信されたシンボルを取得し、適用可能な場合、受信されたシンボルに対してMIMO検波を実行し、検波されたシンボルを提供し得る。受信プロセッサ1158は、検波されたシンボルを処理(例えば、復調、デインターリーブ、および復号)し、UE 115-eのための復号されたデータをデータ出力に与え、復号された制御情報をプロセッサ1180またはメモリ1182に与える可能性がある。一実施形態において、プロセッサ1180は、本明細書に記載のシステムおよび方法を実装するための報告モジュール710-cを含み得る。報告モジュール710-cは、
図7、
図8、および/または
図9のモジュール710の例である可能性がある。
【0077】
アップリンクでは、UE 115-eで、送信プロセッサ1164が、データソースからデータを受信し、処理し得る。送信プロセッサ1164は、基準信号に関する基準シンボルも生成し得る。送信プロセッサ1164からのシンボルは、適用可能な場合、送信MIMOプロセッサ1166によってプリコーディングされ、(例えば、SC-FDMAなどのために)復調器1154-aから1154-nによってさらに処理され、eNB 105-eから受信された送信パラメータに従ってeNB 105-fに送信され得る。eNB 105-fにおいて、UE 115-eからのアップリンク信号はアンテナ1134によって受信され、復調器1132によって処理され、適用可能な場合、MIMO検波器1136によって検波され、受信プロセッサによってさらに処理され得る。受信プロセッサ1138は、復号されたデータをデータ出力およびプロセッサ1140に与え得る。プロセッサ1140は、本明細書に記載のシステムおよび方法を実装するための調整モジュール210-cを含み得る。モジュール210-cは、
図2、
図3、および/または
図4の調整モジュール210の例である可能性がある。UE 115-eの構成要素は、ハードウェアで適用可能な機能の一部またはすべてを実行するように適合された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)で個々にまたは集合的に実装される可能性がある。示されたモジュールのそれぞれは、システム1100の動作に関連する1つまたは複数の機能を実行するための手段である可能性がある。
【0078】
同様に、eNB 105-fの構成要素は、ハードウェアで適用可能な機能の一部またはすべてを実行するように適合された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)で個々にまたは集合的に実装される可能性がある。示された構成要素のそれぞれは、システム1100の動作に関連する1つまたは複数の機能を実行するための手段である可能性がある。
【0079】
さまざまな開示された実施形態の一部を受け入れ得る通信ネットワークは、レイヤ化されたプロトコルスタックによって動作するパケットに基づくネットワークである可能性がある。例えば、ベアラまたはパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)レイヤでの通信は、IPに基づく可能性がある。無線リンク制御(RLC)レイヤは、論理チャネルを介して通信するためのパケットのセグメント分けおよび再組み立てを実行し得る。媒体アクセス制御(MAC)レイヤは、優先順位の処理、およびトランスポートチャネルへの論理チャネルの多重化を実行し得る。また、MACレイヤは、ハイブリッドARQ(HARQ)を用いてMACレイヤで再送信を行ってリンクの効率を改善し得る。物理レイヤで、トランスポートチャネルは、物理チャネルにマッピングされ得る。
【0080】
図12は、Ncsパラメータを調整するための方法1200の一実施形態を示す流れ図である。明確にするために、方法1200は、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図10、および/または
図11のeNB 105を参照して以下で説明される。1つの実装において、
図2、
図3、
図4、および/または
図11の調整モジュール210は、以下で説明される機能を実行するようにeNB 105の機能要素を制御するためのコードの1つまたは複数の組を実行し得る。
【0081】
ブロック1205において、最初のNcsパラメータが設定され得る。ブロック1210において、モバイルデバイス(例えば、UE 115)と基地局(例えば、eNB 105)との間のタイミング同期の失敗のカウントが閾値を超えるかどうかに関する判定が、行われ得る。タイミング同期の失敗のカウントが閾値を超えると判定すると、ブロック1215において、最初のNcsパラメータが、動的に調整され得る。
【0082】
したがって、方法1200は、UE 115とeNB 105との間で起こるタイミング同期の失敗の数に基づいて最初のNcs値を動的に調整することを行う可能性がある。方法1200は単なる1つの実装であり、方法1200の動作はその他の実装が可能であるように再構成されるかまたはそれ以外の修正がなされる可能性があることに留意されたい。
【0083】
図13は、Ncsパラメータを調整すべきかどうかを判定するためにタイミング同期の失敗のカウンタを維持するための方法1300の一実施形態を示す流れ図である。明確にするために、方法1300は、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図10、および/または
図11のeNB 105を参照して以下で説明される。1つの実装において、
図2、
図3、
図4、および/または
図11の調整モジュール210は、以下で説明される機能を実行するようにeNB 105の機能要素を制御するためのコードの1つまたは複数の組を実行し得る。
【0084】
ブロック1305において、プリアンブルを含む第1のメッセージが受信され得る。プリアンブルは、RACH手順を開始するために使用されるPRACHプリアンブルである可能性がある。ブロック1310において、プリアンブルIDが、受信されたプリアンブルに対して生成され得る。プリアンブルIDは、受信されたプリアンブルを1つまたは複数の基準コードと比較することによって生成され得る。受信されたプリアンブルとある程度の精度で一致する基準コードが、プリアンブルIDとして使用され得る。ブロック1315において、プリアンブルIDを含む第2のメッセージが送信され得る。ブロック1320において、第2のメッセージに応答して第3のメッセージが受信されるかどうかに関する判定が、行われ得る。第3のメッセージが受信されると判定される場合、第3のメッセージがブロック1325で処理され得る。しかし、第3のメッセージが受信されないと判定される場合、タイミング同期の失敗のカウンタが増やされ得る(1330)。
【0085】
したがって、方法1300は、UE 115とeNB 105との間で起こるタイミングの失敗のカウンタを維持することを行う可能性がある。方法1300は単なる1つの実装であり、方法1300の動作はその他の実装が可能であるように再構成されるかまたはそれ以外の修正がなされる可能性があることに留意されたい。
【0086】
図14は、eNB 105の特定のNcsカバーエリア内で起こるタイミング同期の失敗の数に基づいてNcsパラメータを調整するための方法1400の一実施形態を示す流れ図である。明確にするために、方法1400は、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図10、および/または
図11のeNB 105を参照して以下で説明される。1つの実装において、
図2、
図3、
図4、および/または
図11の調整モジュール210は、以下で説明される機能を実行するようにeNB 105の機能要素を制御するためのコードの1つまたは複数の組を実行し得る。
【0087】
ブロック1405において、PRACHプリアンブルを含む第1のメッセージが受信され得る。ブロック1410において、受信されたPRACHプリアンブルに関するプリアンブルIDが生成され得る。ブロック1415において、TA値が、受信されたPRACHプリアンブルに関して推定され得る。TA値は、その後のメッセージのためにUE 115のアップリンクのタイミングをどのように調整すべきかをそのUE 115に示すためにeNB 105によって生成され得る。したがって、TA値は、eNB 105がUE 115がNcsのカバーエリア内のどこにあると確信しているかを示す。
【0088】
ブロック1425において、第2のメッセージに応答して第3のメッセージが受信されるかどうかに関する判定が、行われ得る。第3のメッセージが受信されると判定される場合、第3のメッセージがブロック1430で処理され得る。しかし、第3のメッセージが受信されないと判定される場合、TA値がNcsのカバーエリアの内側のカバーエリア(例えば、第1のカバーエリア605)に対応するかどうかに関する判定1435が、行われ得る。TA値が内側のカバーエリアに対応しないと判定される場合、方法1400は、ブロック1405でPRACHプリアンブルを有する第1のメッセージを受信することに戻る可能性がある。しかし、TA値が内側のカバーエリアに確かに対応すると判定される場合、ブロック1440において、タイミング同期の失敗のカウンタが増やされる可能性がある。ブロック1445において、タイミング同期の失敗(すなわち、通信の失敗)が、TAの推定された値に相互に関連付けられる可能性がある。一例においては、通信の失敗が、推定されたTA値の範囲に分類される可能性がある。結果として、eNB 105は、TAの推定された値の任意の範囲に関して起こった通信の失敗の数を判定し得る。失敗のカウントが閾値を超えるかどうかに関する判定1450が、なされ得る。カウントが閾値を超えないと判定される場合、方法1400は、ブロック1405でPRACHプリアンブルを有する第1のメッセージを受信することに戻る可能性がある。しかし、タイミング同期の失敗のカウントが確かに閾値を超えると判定される場合、ブロック1455において、Ncsパラメータが調整され得る。
【0089】
したがって、方法1400は、eNB 105の特定のNcsのカバーエリア内で起こるタイミング同期の失敗の数に基づいてNcsパラメータを調整することを行う可能性がある。方法1400は単なる1つの実装であり、方法1400の動作はその他の実装が可能であるように再構成されるかまたはそれ以外の修正がなされる可能性があることに留意されたい。
【0090】
図15は、複数のeNB 105でプリアンブルを導出するために使用されるルート系列の割当てを動的に調整するための方法1500の一実施形態を示す流れ図である。明確にするために、方法1500は、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図10、および/または
図11のeNB 105を参照して以下で説明される。1つの実装において、
図2、
図3、
図4、および/または
図11の調整モジュール210は、以下で説明される機能を実行するようにeNB 105の機能要素を制御するためのコードの1つまたは複数の組を実行し得る。
【0091】
ブロック1505において、第2のeNB(すなわち、基地局)からトークンが受信され得る。ブロック1510において、トークンから情報が抽出され得る。情報は、第2のeNBに割り当てられている1つまたは複数のルート系列の割当てを示し得る。ブロック1515において、eNBに割り当てられている1つまたは複数のルート系列の割当てが、抽出された情報に基づいて調整され得る。ブロック1520において、eNBの現在のNcsの構成を調整すべきかどうかを判定するための手順が、実行され得る。Ncsが調整される場合、ルート系列の割当てが、さらに調整され得る。ブロック1525において、情報がトークンに挿入され得る。情報は、eNBに割り当てられている1つまたは複数のルート系列の割当てを示し得る。ブロック1530において、トークンが、第3のeNBに解放され得る。
【0092】
したがって、方法1500は、複数のeNB 105でプリアンブルを導出するために使用されるルート系列の割当てを動的に調整することを行う可能性がある。方法1500は単なる1つの実装であり、方法1500の動作はその他の実装が可能であるように再構成されるかまたはそれ以外の修正がなされる可能性があることに留意されたい。
【0093】
図16は、eNB 105に報告するタイミング同期の失敗のログを維持するための方法1600の一実施形態を示す流れ図である。明確にするために、方法1600は、
図1、
図5、
図7、
図8、
図9、
図10、および/または
図11のUE 115を参照して以下で説明される。1つの実装において、
図7、
図8、
図9、および/または
図10の報告モジュール710は、以下で説明される機能を実行するようにUE 115の機能要素を制御するためのコードの1つまたは複数の組を実行し得る。
【0094】
ブロック1605において、プリアンブルを含む第1のメッセージが、eNBに送信され得る。ブロック1610において、プリアンブルIDを含む第2のメッセージが、eNBから受信され得る。ブロック1615において、eNBへの第3のメッセージの送信が中止されるかどうかを示すログが、維持され得る。ブロック1620において、レポートがeNBに送信され得る。レポートは、タイミング同期の失敗のログを含み得る。レポートは、Ncsパラメータを調整すべきかどうかを判定するためにeNBによって使用され得る。
【0095】
したがって、方法1600は、eNB 105に報告するタイミング同期の失敗のログを維持することを行う可能性がある。方法1600は単なる1つの実装であり、方法1600の動作はその他の実装が可能であるように再構成されるかまたはそれ以外の修正がなされる可能性があることに留意されたい。
【0096】
本明細書で説明される技術は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA、およびその他のシステムなどのさまざまなワイヤレス通信システムのために使用され得る。用語「システム」および「ネットワーク」は、多くの場合、交換可能なように使用される。CDMAシステムは、CDMA2000、ユニバーサル地上無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access)(UTRA)などの無線技術を実装し得る。CDMA2000は、IS-2000、IS-95、およびIS-856規格を包含する。IS-2000リリース0およびAは、通常、CDMA2000 1X、1Xなどと呼ばれる。IS-856(TIA-856)は、通常、CDMA2000 1xEV-DO、高レートパケットデータ(HRPD: High Rate Packet Data)などと呼ばれる。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))およびCDMAのその他の変形形態を含む。TDMAシステムは、移動体通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications)(GSM(登録商標))などの無線技術を実装し得る。OFDMAシステムは、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、Evolved UTRA(E-UTRA)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash-OFDMなどの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS: Universal Mobile Telecommunication System)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)およびLTE-Advanced(LTE-A)は、E-UTRAを使用するUMTSの新しいリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、およびGSM(登録商標)は、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と名付けられた組織からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と名付けられた組織からの文書に記載されている。本明細書において説明された技術は、上述のシステムおよび無線テクノロジーならびにその他のシステムおよび無線テクノロジーのために使用され得る。しかし、以下の説明は、LTEシステムを例として示し、技術はLTEの応用以外に適用され得るが、LTEの用語が以下の説明の多くで使用される。
【0097】
添付の図面に関連して上で示された詳細な説明は、例示的な実施形態を説明し、請求項の範囲内で実装され得るまたは請求項の範囲内にある実施形態のみを示さない。この説明を通して使用される用語「例示的」は、「例、具体例、または事例としての役割を果たす」ことを意味し、「好ましい」、または「その他の実施形態よりも有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、説明される技術を理解させることを目的とする具体的詳細を含む。しかし、これらの技術は、これらの特定の詳細なしに実施され得る。場合によっては、説明される実施形態の概念を曖昧にすることを避けるために、よく知られた構造およびデバイスがブロック図の形態で示される。
【0098】
情報および信号は、さまざまな異なるテクノロジーおよび技術のいずれかを用いて表される可能性がある。例えば、上の説明を通して言及される可能性があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは磁気的粒子、光場もしくは光学的粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0099】
本明細書において本開示に関連して説明されたさまざまな例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくはその他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート(discrete gate)もしくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア部品、または本明細書において説明された機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサである可能性があるが、別法として、プロセッサは、任意の通常のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械である可能性がある。また、プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意のその他のそのような構成として実装され得る。
【0100】
本明細書において説明された機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または送信され得る。その他の例および実装は、本開示および添付の請求項の範囲および精神に含まれる。例えば、ソフトウェアの性質によって、上述の機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、配線、またはこれらのうちのいずれかの組み合わせによって実行されるソフトウェアを用いて実装され得る。機能を実装する特徴は、機能の一部が異なる物理的位置で実装されるように分散されることを含め、さまざまな位置に物理的に置かれる可能性もある。さらに、請求項を含め、本明細書において使用されるとき、「〜のうちの少なくとも1つ(at least one of)」が後ろに続く項目のリストで使用される「または(or)」は、例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」のリストがAもしくはBもしくはCまたはABもしくはACもしくはBCまたはABC(すなわちAおよびBおよびC)を意味するような選言的(disjunctive)リストを示す。
【0101】
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へとコンピュータプログラムを転送することを容易にする任意の媒体を含むコンピュータストレージ媒体と通信媒体との両方を含む。ストレージ媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体である可能性がある。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたはその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたはその他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を搬送もしくは記憶するために使用可能であり、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセス可能である任意のその他の媒体を含み得る。また、当然、任意の接続がコンピュータ可読媒体と呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、ラジオ波、およびマイクロ波などのワイヤレステクノロジーを用いてウェブサイト、サーバ、またはその他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、DSL、または赤外線、ラジオ波、およびマイクロ波などのワイヤレステクノロジーは、媒体の定義に含まれる。本明細書において使用されるとき、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD: compact disc)、レーザディスク(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタルバーサタイルディスク(DVD: digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)、およびブルーレイディスク(blu-ray disc)を含み、ディスク(disk)が、通常、磁気的にデータを再生する一方、ディスク(disc)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記のものの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0102】
本開示の上述の説明は、当業者が本開示を実施するまたは使用することを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義された包括的な原理は、本開示の精神または範囲を逸脱することなくその他の変更形態に適用され得る。本開示を通して、用語「例」または「例示的」は、例または具体例を示し、記載された例に関していかなる好ましさも示唆または要求しない。したがって、本開示は、本明細書において説明された例および設計に限定されるべきでなく、本明細書において開示された原理および新規性のある特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。