【実施例1】
【0016】
本発明が適用された遊技機の実施例1としてのスロットマシンを図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、
図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0017】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、
図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0018】
リール2L、2C、2Rの外周部には、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0019】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(
図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0020】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0021】
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
【0022】
前面扉1bには、
図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、後述のメダルセレクタ29内に詰まったメダルを排出させる際に操作される返却スイッチ26が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0023】
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
【0024】
また、前面扉1bには、
図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0025】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(
図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(
図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0026】
前面扉1bの内側には、所定のキーによる後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(
図4参照)、後述する後通路板145を開放するための返却ソレノイド27、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(
図4参照)を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(
図4参照)が設けられている。
【0027】
筐体1a内部には、
図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(
図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(
図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(
図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(
図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(
図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0028】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な満タンセンサ35a(
図4参照)が設けられている。
【0029】
電源ボックス100の前面には、
図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0030】
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、前述のように店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36bも、筐体1aの内部に設けられており、遊技場の店員によるキー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できないことから、遊技場に設置されている場合に、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできないようになっている。
【0031】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(
図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0032】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、
図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
【0033】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0034】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が、入賞ラインLN上に各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(
図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0035】
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
【0036】
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
【0037】
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0038】
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0039】
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
【0040】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、
図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0041】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0042】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、返却スイッチ26、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31a〜c、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0043】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、返却中LED28、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、返却ソレノイド27、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0044】
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
【0045】
メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0046】
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。
【0047】
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30、返却ソレノイド27に伝送する。LED駆動回路47は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
【0048】
本実施例においてメイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
【0049】
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用スイッチ56等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0050】
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用スイッチ56等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0051】
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用スイッチ56を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置などを演出装置として適用しても良い。
【0052】
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0053】
次に、前面扉1bの詳細な構造について説明する。
【0054】
図1〜
図3に示すように、前面扉1bは、筐体1aの開口を閉塞可能な正面視縦長長方形状に形成されており、正面視
左側端がヒンジ322a、322bを介して筐体1aと連結されることで、筐体1aに対して正面視
左側端を軸として回動自在に枢支されている。
【0055】
また、
図1に示すように、前面扉1bの正面視右側の略中央位置には、前面扉1bを開放するためのキー(図示略)が挿入可能な鍵穴部117が配設されているとともに、前面扉1b内部にはキーシリンダ(図示略)が設けられ、前面扉1bが筐体1aの開口を閉塞した状態ではキーシリンダにより施錠され、開放不能とされるとともに、鍵穴部117に挿入された所定のキーによる解錠操作により解錠されることで、前面扉1bを開放可能とされている。
【0056】
図1に示すように、前面扉1bの正面下部位置には、スピーカ53、54に対応する放音部122L、122Rが左右側に設けられている。また、これら放音部122L、122R間には、メダル払出口9が形成されており、最下部には、前方に向けて突設され、メダル払出口9から払い出されたメダルを貯留可能な受皿123が左右幅方向に延設されている。
【0057】
図1〜
図3に示すように、前面扉1bにおける左右上部には、前面から側面に沿って演出効果LED52の点灯により発光する発光部28L、28Rが形成されており、前面扉1bにおける上部には、前面から上面に沿って演出効果LED52の点灯により発光する発光部28Tが形成されている。
【0058】
図2及び
図3に示すように、前面扉1bの正面視右側面、すなわち筐体1aに対して枢支される側端とは反対側の側面の下部、特に発光部28R等の演出部を被覆しない位置であり、鍵穴部117が配設された位置よりも下方の位置に、ラベル201a、201bが貼付されたラベル貼着部材200が取り付けられる。
【0059】
ラベル201aは、遊技機の型式や製造業者名が表記されたラベルであり、ラベル201bは、製造番号や製造年月日等が表記された第三者機関発行のラベル(証紙)である。
【0060】
尚、本実施例では、これらのラベル201a、201bが、文字により遊技機の型式や製造業者名、製造番号、製造年月日等を表記するものであるが、例えば、1次元バーコードや2次元バーコードや記号等の文字以外の情報表示手段のみや1次元バーコードや2次元バーコード、記号等と文字とを合わせて製造業者名等を表記するものであっても良い。
【0061】
図3に示すように、ラベル201a、201bは、それぞれ略横長形状であり、ラベルの文字情報は、ラベルの長手方向に横書きで表記されている。そして、ラベル201a、201bが貼付されたラベル貼着部材200は、ラベル201a、201bに表記された各文字の上下がスロットマシン1の上下と一致する状態で前面扉1bの右側面に取り付けられている。
【0062】
図2に示すように、前面扉1bの右側面下部におけるラベル貼着部材200の取付位置には、ラベル貼着部材200とほぼ同形に形成され、ラベル貼着部材200を嵌め込み可能な貼着部材取付凹部524が凹設されている。そして、前面扉1bの内側の貼着部材取付凹部524に対応する箇所には、後述する不正防止部材220をネジ止めするためのネジ穴224aが形成された取付ボス224(
図8参照)が突設されており、不正防止部材220を取り付けられるようになっている。
【0063】
このように本実施例では、ラベル201a、201bが、前面扉1bの外側面に取り付けられるので、遊技中の遊技者の視界に入るスロットマシン1の正面視の意匠性が損なわれてしまうことがないうえに、ラベル201a、201bの取付位置によって前面扉1bの正面側に配置された放音部122L、122R、メダル払出口9等の配置が制限されてしまうことがない。
【0064】
また、前面扉1bの外側面のうち、筐体1aに枢支された側端とは反対側の外側面、すなわち前面扉1bの開状態において閉状態よりも正面視において視認容易となる外側面に取り付けられることで、前面扉1bを開放した際にラベル201a、201bを容易に確認することができる。
【0065】
また、本実施例では、ラベル201a、201bが、前面扉1bの外側面のうち発光部28R等の演出部を被覆しない位置に取り付けられるので、演出部の一部がラベル201a、201bによって隠れてしまうことを防止できるので、側面視の意匠性も高めることができる。
【0066】
尚、本実施例では、前面扉1bの外側面に演出部として発光部28L、28Rが形成される構成であるが、例えば、放音部等、発光部以外の演出部が形成される構成においても、これら演出部を被覆しない位置にラベル201a、201bが取り付けられることが好ましく、このような構成においても、演出部の一部がラベル201a、201bによって隠れてしまうことを防止でき、側面視の意匠性も高めることができる。
【0067】
また、本実施例では、ラベル201a、201bが、前面扉1bの外側面のうち鍵穴部117が配設された位置よりも下方の位置に取り付けられるので、キーを鍵穴部117に挿入し前面扉1bを開放する際に、手元よりも下方にラベル201a、201bが位置することとなり、前面扉1bを開放する者の手腕やキーが挿入された状態の鍵穴部117によって、ラベル201a、201bの視認性が阻害されてしまうことを防止できる。
【0068】
また、一般的に前面扉を開放するための鍵穴部は略中央の高さ位置に設けられることが多く、上述の発光部28Rのような演出部は、前面扉1bの上部に形成されることが多いが、鍵穴部117よりも下方にラベル201a、201bが取り付けられることで、上記のように演出部を被覆しない位置にラベル201a、201bを取り付ける構成とした場合でも、ラベル201a、201bの取付位置によって、前面扉1bの上部に配置される演出部のデザインが制限されてしまうことがない。さらに、遊技店の店員等が筐体1a内部のメンテナンスを行うのは、ホッパータンク34aへのメダルの補充やオーバーフロータンク35からメダルを取り出す場合、メダルセレクタ29のメダル詰まりを解消させる場合などであり、前面扉1bを開放した際に、視線を下方に向けて作業することが多いが、メンテナンス作業を行う際の視線の先にラベル201a、201bが取り付けられることで、これらラベル201a、201bの確認作業が容易となる。
【0069】
尚、本実施例では、ラベル201a、201bが、前面扉1bの外側面のうち鍵穴部117が配設された位置よりも下方の位置に取り付けられる構成であるが、
図9(a)に示すように、ラベル201a、201bの上端または下端までの範囲が、鍵穴部117の高さ位置と一部重複する高さ位置となるように、ラベル201a、201bが取り付けられる構成としても良く、このような構成とすることで、キーを鍵穴部117に挿入して前面扉1bを開放する際に、手元の近傍にラベル201a、201bが位置することとなり、前面扉1bの開放操作の際にラベル201a、201bを容易に認識することができる。
【0070】
また、本実施例では、横長形状、かつ長手方向に横書きで文字情報が表記されたラベル201a、201bが、表記された各文字の上下がスロットマシン1の上下と一致する状態で前面扉1bの右側面に取り付けられる構成であるが、
図9(b)に示すように、横長形状、かつ長手方向に横書きで文字情報が表記されたラベル201a’、201b’を貼付したラベル貼着部材200’を、ラベル201a’、201b’の下辺が前面扉1bの正面方向となるように前面扉1bの右側面に取り付ける構成としても良く、このような構成とすることで、幅狭な前面扉1bの側面にラベルを取り付けるにあたって、ラベルの取付位置の自由度が増すとともに、ラベルに表示された横書きの文字列が前面扉の正面側から自然に読字可能な状態となり、前面扉を開放させた際に、ラベルの確認作業を効率的に行うことができる。
【0071】
また、
図9(b)に示すように、複数のラベル201a’、201b’を長手方向に並べて貼付したラベル貼着部材200’を、ラベル201a’、201b’の下辺が前面扉1bの正面方向となるように前面扉1bの右側面に取り付ける構成とすることで、ラベル貼着部材200の高さを抑えることが可能となり、前面扉1bの右側面におけるより幅狭な目立たない部分にラベル201a’、201b’を取り付けることが可能となる。
【0072】
また、本実施例では、ラベル201a、201bを前面扉1bの外側面に取り付ける構成であるが、
図10に示すように、ラベル201a、201bを、前面扉1bの上面に取り付ける構成としても良く、このような構成とした場合でも、遊技中の遊技者の視界に入るスロットマシン1の正面視の意匠性が損なわれてしまうことがないうえに、ラベル201a、201bの取付位置によって前面扉1bの正面側に配置された放音部122L、122R、メダル払出口9等の配置が制限されてしまうことがない。
【0073】
また、ラベル201a、201bを、前面扉1bの上面に取り付ける構成とした場合には、正面視中央よりも右側、すなわち筐体1aに枢支された側端とは反対側に取り付けることが好ましく、このような構成とすることで、前面扉1bを開放した際にラベル201a、201bを容易に確認することができる。
【0074】
この場合には、さらに前面扉1bの上面における右側端部近傍にラベル201a、201bが取り付けられることが好ましく、このような構成とすることで、ラベル201a、201bをより目立たない位置に取り付けることが可能となる。
【0075】
また、ラベル201a、201bを、前面扉1bの上面に取り付ける構成とした場合にも、ラベル201a、201bが、前面扉1bの上面のうち発光部28T等の演出部を被覆しない位置に取り付けられることが好ましく、このような構成により演出部の一部がラベル201a、201bによって隠れてしまうことを防止できるので、上面視の意匠性も高めることができる。
【0076】
また、ラベル201a、201bを、前面扉1bの上面に取り付ける構成とした場合には、横書きで文字情報が表記されたラベル201a、201bの下辺が前面扉1bの正面方向となるように、ラベル201a、201bが取り付けられることが好ましく、このような構成とすることで、前面扉1bを開放しない状態であっても、正面からラベル201a、201bを容易に確認することができる。
【0077】
また、本実施例では、筐体1aの開口を閉塞する前面扉1bが回動により開閉可能とする構成であるが、少なくとも遊技機の前面に設けられ、回動により開閉可能な前面扉を備える構成において、前面扉が、閉状態において前面側に位置する前面領域と、閉状態において側面側に位置し、開状態において閉状態よりも正面視において視認容易となる側面領域と、を含み、ラベルが、前面扉の側面領域に取り付けられている構成であれば、遊技中の遊技者の視界に入るスロットマシン1の正面視の意匠性が損なわれてしまうことがないうえに、ラベルの取付位置によって前面扉の正面側に配置された演出部の配置が制限されてしまうことがない。
【0078】
遊技機の前面に設けられ、回動により開閉可能な前面扉としては、例えば、筐体1aの開口の上側を開閉可能な上側扉と、筐体1aの開口の下側を開閉可能な下側扉と、を設ける構成、筐体1aの開口の右側を開閉可能な右側扉と、筐体1aの開口の左側を開閉可能な左側扉と、を設ける構成等、複数の前面扉を備える構成としても良く、このような構成においては、いずれかの前面扉において開状態において閉状態よりも正面視において視認容易となる側面領域にラベルが取り付けられる構成であれば良い。
【0079】
また、前面扉は、必ずしも開口を塞ぐ扉である必要がなく、前面を単に被覆する扉であっても良い。
【0080】
また、回動方向は、縦方向を回動軸とする構成に限らず、横方向を回動軸とする構成、例えば、跳ね上げ式の扉を前面扉として適用し、開状態において閉状態よりも側面が正面視において視認容易となる構成でも良い。
【0081】
次に、ラベル貼着部材の構造について、
図2及び
図5〜
図9に基づいて説明する。
図2は、ラベル貼着部材及び不正防止部材の取付状態を示す斜視図である。
図5は、(a)はラベル貼着部材を示す正面図であり、(b)は右側面図、(c)は平面図である。
図6は、(a)は不正防止部材を示す正面図であり、(b)は不正防止部材を示す背面図であり、(c)は不正防止部材を示す右側面図であり、(d)は不正防止部材を示す平面図である。
図7は、不正防止部材を示す縦断面図である。
図8は、(a)は
図7のD−D断面図であり、(b)は
図7のE−E断面図である。
【0082】
図5に示すように、ラベル貼着部材200は、透明な合成樹脂材にて形成される正面視正方形の透光板200aと、該透光板200aの背面200cの左右側辺上部に突設される左右一対の上弾性係止片202、203と、背面200cの下辺部の左右側に突設される左右一対の下弾性係止片204、205と、から構成され、背面200cは前述したラベル201a、201bが貼着されるラベル貼着部とされている。
【0083】
透光板200aは、
図2に示すように、前面扉1bの右側面に凹設された貼着部材取付凹部524とほぼ同形に形成されており、該貼着部材取付凹部524に背面側が嵌合するように取り付けられるとともに、貼着部材取付凹部524に形成された貫通孔212、213に対応する位置に上弾性係止片202、203が配設され、貫通孔214、215に対応する位置に下弾性係止片204、205が配設されている。
【0084】
ラベル201a、201bの前面に形成される表示面には、文字情報が印刷された印刷層が設けられているとともに、該印刷層の前面には透明な粘着層が形成され、表示面をラベル貼着部材200の背面200cに対向させた状態で貼着できるようになっているため、透光板200aを通して該透光板200aの前面側から文字情報を視認できる。尚、本実施例では2枚のラベル201a、201bが貼着されているが、1枚あるいは3枚以上のラベルを貼着しても良い。
【0085】
上弾性係止片202、203は、幅寸法よりも長さ寸法の方が長寸の帯状板からなり、その外面には側方に向けて突出する係止爪202a、203aが形成されている。上弾性係止片202、203は、透光板200aの背面200cにおける左右側辺の上部位置に該左右側辺に沿って突設されるとともに、特に
図5(a)に示すように、係止爪202a、203aの頂部が透光板200aの側辺よりも外側に突出しないように、側辺の内側に突設されている。
【0086】
下弾性係止片204、205は、幅寸法よりも長さ寸法の方が長寸の帯状板からなり、その外面には、側方に向けて突出する係止爪204a、205aが形成されている。下弾性係止片204、205は、透光板200aの背面200cにおける下辺の左右位置に下辺に沿って突設されるとともに、特に
図5(a)に示すように、係止爪204a、205aの頂部が透光板200aの下辺よりも外側に突出しないように下辺の内側に突設されている。
【0087】
つまり、下弾性係止片204、205は、上弾性係止片202、203よりも下方位置に設けられているとともに、係止爪204a、205aが係止爪202a、203aの突出方向(左右側方)に対して直交する方向(下方)に形成されている。
【0088】
図6に示すように、不正防止部材220は、透光板200aよりもやや大きい板材からなる背面壁(壁部)220aと、該背面壁(壁部)220aの前面左側辺に突設される左側壁(壁部)220bと、右側辺に突設される右側壁(壁部)220cと、上辺に突設される上壁(壁部)220dと、下辺に突設される下壁(壁部)220eと、から前面が開口する箱状に形成されている。尚、左側壁(壁部)220bには、取付時において側方に配置されるスピーカ53Lとの干渉を回避する凹部221及び切欠部222が形成されている。
【0089】
背面壁(壁部)220aの上部左右側には、所定幅寸法を有する規制片252、253が前方に向けて横向きに突設されているとともに、背面壁(壁部)220aの下部左右側には、所定幅寸法を有する規制片254、255が前方に向けて縦向きに突設されている。また、背面壁(壁部)220aの中央位置には、不正防止部材220を前面扉1bの内面における貼着部材取付凹部524に対応する位置に取り付けるためのネジ260(
図8参照)が取り付けられる取付孔223が形成されている。
【0090】
規制片252は、上弾性係止片202における係止爪202aの反対側面である内面における幅方向の中央位置に左端が当接する位置に、上弾性係止片202に対して直交するように配置される。規制片253は、上弾性係止片203における係止爪203aの反対側面である内面における幅方向の中央位置に右端が当接する位置に、上弾性係止片203に対して直交するように配置される。
【0091】
規制片254は、下弾性係止片204における係止爪204aの反対側面である内面における幅方向の中央位置に下端が当接する位置に、下弾性係止片204に対して直交するように配置される。規制片255は、下弾性係止片205における係止爪205aの反対側面である内面における幅方向の中央位置に下端が当接する位置に、下弾性係止片205に対して直交するように配置される。
【0092】
次に、ラベル貼着部材200及び不正防止部材220の取付状況について、
図2及び
図7、
図8に基づいて説明する。
【0093】
まず、ラベル201a、201bは、その表示面をラベル貼着部材200の背面200cに対向させた状態で背面200cに貼着され、貼着された状態において、透光板200aを通して前面側から表示面を視認可能とされる。
【0094】
ラベル貼着部材200を貼着部材取付凹部524に取り付けるには、
図2に示すように、ラベル201a、201bが貼着された背面200cを貼着部材取付凹部524に対向させた状態で、まず下弾性係止片204、205を貫通孔214、215にそれぞれ差し込み、その状態で上部を貼着部材取付凹部524側に押し込み、上弾性係止片202、203を貫通孔212、213に挿通する。このように、下弾性係止片204、205は横向きに突設されているため、下弾性係止片204、205を貫通孔214、215に差し込んで透光板200aの下部を位置決めした状態で、該下弾性係止片204、205を中心として透光板200aの上部を回転させることにより、上弾性係止片202、203を貫通孔212、213に簡単に挿通することができる。
【0095】
そして、貫通孔212、213に挿通された上弾性係止片202、203は、係止爪202a、203aが貫通孔212、213の開口側縁背面に弾性的に係止されるとともに、貫通孔214、215に挿通された下弾性係止片204、205は、係止爪204a、205aが貫通孔214、215の開口下縁背面に弾性的に係止され、ラベル貼着部材200は貼着部材取付凹部524に前面側から取り付けられる。
【0096】
また、
図8に示すように、取り付けられた状態において透光板200aの背面部は貼着部材取付凹部524に嵌合され、ラベル201a、201bの背面が貼着部材取付凹部524の前面に密接されるとともに、各貫通孔212〜215の前面が透光板200aにより閉塞される。よって、透光板200aの周縁から背面200cと貼着部材取付凹部524の前面との間に針金等の不正部材を差し込みにくくなるとともに、特に各係止爪202a〜205aは弾性係止片202〜205の外面に突設されていることで、取付状態において弾性係止片202〜205の内面と貫通孔212〜215の開口縁との間の隙間が内側に形成されるため、透光板200aの周縁から差し込まれた針金を貫通孔212〜215内に挿通しにくくなる。
【0097】
このようにラベル貼着部材200を貼着部材取付凹部524に前面扉1bの前面側から取り付けた後、
図2に示すように、前面扉1bの内面における貼着部材取付凹部524に対応する位置に不正防止部材220を配置し、取付孔223に内面側から取り付けたネジ260を前面扉1bの内面に突設された取付ボス224のネジ穴224a(
図8参照)に螺入して前面扉1bの内面に不正防止部材220を取り付ける。
【0098】
不正防止部材220が取り付けられた状態において、上弾性係止片202における係止爪202aの反対側面である内面における幅方向の中央位置に規制片252の左端が当接し、上弾性係止片203における係止爪203aの反対側面である内面における幅方向の中央位置に規制片253の右端が当接し、下弾性係止片204における係止爪204aの反対側面である内面における幅方向の中央位置に規制片254の下端が当接し、下弾性係止片205における係止爪205aの反対側面である内面における幅方向の中央位置に規制片255の下端が当接する。
【0099】
これにより、上弾性係止片202、203及び下弾性係止片204、205の内側、つまり係止解除方向への弾性変形(移動)が規制されるため、係止爪202a〜205aの貫通孔212〜215の開口縁への係止状態が解除されることが防止される。
【0100】
尚、本実施例では、不正防止部材220が取り付けられた状態において、各弾性係止片202〜205の内面に各規制片252〜255が当接するようになっていたが、必ずしも当接しなくても良く、例えば、各弾性係止片202〜205の内面に近接して配置しても良く、このようにする場合、各係止爪202a〜205aが各貫通孔212〜215への係止状態を解除するのに必要な移動距離、つまりは各弾性係止片202〜205の弾性変形幅未満の範囲内で離間配置されていることが好ましい。
【0101】
また、前面扉1bの前面にラベル貼着部材200を嵌合させる大きな貫通孔を形成する必要がないばかりか、不正防止部材220の各壁部220b〜220eの前端が前面扉1bの内面に当接し、各貫通孔212〜215の背面が不正防止部材220により被覆されることで、ラベル貼着部材200を不正に取り外したり、取り付けた状態で貫通孔212〜215から針金等の不正部材を進入させても該不正部材の進入が各壁部にて阻止されるため、筐体1aに設けられる遊技部品等に対する不正行為を抑制することができる。
【0102】
また、規制部としての規制片252〜255及び被覆部としての各壁部220a〜220eは、前面扉1bの内面における貼着部材取付凹部524に対応する位置に着脱自在に取り付けられる単一の不正防止部材220に形成されていることで、規制部と被覆部とを前面扉1bの内面に対して一度に取り付け、取り外しできる。
【0103】
また、不正防止部材220は、貼着部材取付凹部524よりも面積が大きく、前面に規制片252〜255が各弾性係止片202〜205に対して直交するように突設された背面壁(壁部)220aと、該背面壁(壁部)220aの周縁から前面側に連設された周壁(壁部)220b〜220eとから構成されているため、規制部及び被覆部を簡単に一体成型できる。
【0104】
また、被覆部としての不正防止部材220に規制部としての規制片252〜255が形成され、前面扉1bへの取り付け時において各弾性係止片202〜205に当接して配置されることで、不正防止部材220の取り付け時における位置ずれやガタツキが防止されるため、仮に貫通孔212〜215から進入された針金等の不正部材により背面壁(壁部)220aや周壁(壁部)220b〜220eが前面側から押圧されることにより不正防止部材220が傾くなどして周壁(壁部)220b〜220eと前面扉1bの内面との間に大きな隙間が形成される虞がない。
【0105】
尚、本実施例では、規制片252〜255及び被覆部としての各壁部220a〜220eは単一の不正防止部材220に形成されていたが、それぞれ前面扉1bの内面に別個に取付可能な別部材に設けられていても良い。
【0106】
尚、この場合、規制片252〜255を有する規制部材は金属材にて構成されていることが好ましく、このようにすることで、規制部を熱溶解させることにより規制を解除するといった不正行為を抑制できる。
【0107】
また、縦向きの上弾性係止片202、203と横向きの下弾性係止片204、205を有することで、係止爪202a〜205aの係止状態を解除するには、上弾性係止片202、203及び下弾性係止片204、205双方をそれぞれ異なる方向に同時に弾性変形させなければならないため、取り外しが困難となる。
【0108】
また、各貫通孔212〜215は、貼着部材取付凹部524の周縁よりも内側に形成され、上下弾性係止片202〜205は、ラベル貼着部材200の背面200cにおける周縁よりも内側に突設され、かつ、各係止爪202a〜205aが外向きに突設されることで、ラベル貼着部材200が貼着部材取付凹部524に取り付けられた状態において、貫通孔212〜215がラベル貼着部材200の透光板200aにより前面側から確実に被覆されるので、前面扉1bの前面側から貫通孔212〜215に針金等の不正部材を進入させにくくすることができる。
【0109】
また、本実施例では、各貫通孔212〜215は、貼着部材取付凹部524の周縁よりも内側に形成されていたが、必ずしも内側に形成されている必要はなく、貼着部材取付凹部524の周辺に形成されていても良い。
【0110】
また、本実施例では、上下弾性係止片202〜205の外面に係止爪202a〜205aが突設されていたが、内面に形成されていても良い。また、係止部は上下弾性係止片202〜205の外面に突設される係止爪202a〜205aにて構成されていたが、例えば被係止部に係合可能な穴部等であっても良い。
【0111】
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例1に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。