特許第6401710号(P6401710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6401710コンポーネントキャリア及びコンポーネントキャリアアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6401710
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】コンポーネントキャリア及びコンポーネントキャリアアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20181001BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   H01L23/36 D
   H01L23/12 J
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-548377(P2015-548377)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-500485(P2016-500485A)
(43)【公表日】2016年1月12日
(86)【国際出願番号】EP2013076426
(87)【国際公開番号】WO2014095587
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年8月19日
(31)【優先権主張番号】102012113014.0
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】300002160
【氏名又は名称】エプコス アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】ファイヒティンガー、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ペチナ、アクセル
【審査官】 木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−156447(JP,A)
【文献】 特開平08−335782(JP,A)
【文献】 特開2012−244170(JP,A)
【文献】 特開2006−339559(JP,A)
【文献】 特開昭64−049247(JP,A)
【文献】 特開平08−148839(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/067203(WO,A1)
【文献】 特開2005−101367(JP,A)
【文献】 特開2010−171157(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/002268(WO,A1)
【文献】 特開2010−129759(JP,A)
【文献】 特開平07−058239(JP,A)
【文献】 特開2004−253579(JP,A)
【文献】 特開2012−204783(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0110629(US,A1)
【文献】 特開2012−204754(JP,A)
【文献】 特開2007−116217(JP,A)
【文献】 特開昭50−143073(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/089795(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/34−23/473
H01L 23/12−23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の印刷されたフィルムからなる積層構造を有する多層キャリア本体(15)を有するコンポーネントキャリア(10)であって、前記多層キャリア本体(15)は、構造化された機能領域(2)を含む基板(3)を備え、少なくともいくつかの前記フィルムは、基板(3)を構成する基板領域と機能領域(2)を構成する構造化領域とを備え、
前記基板(3)は、横方向並びに少なくとも部分的に前記機能領域(2)の上方及び下方に延び、
ヒートシンクとして機能する前記機能領域(2)は、円柱状の基本形状を有し、断面が鋸歯状の縁を有する円形の基本形状を有し、
平坦な構造(23)が、前記基板(3)の縦及び/又は横方向の軸に平行な前記機能領域(2)の基体から突出しており、
前記平坦な構造(23)は、構造化された層として形成され、前記機能領域(2)の前記基体の垂直な側面から前記基板(3)の内部に突出し、
前記平坦な構造(23)は前記基体と接続されており、
前記基板(3)の内部に延びる前記平坦な構造(23)は、前記基体の断面積を拡大し、前記平坦な構造(23)の輪郭は、前記基体の前記側面の輪郭から同じ距離にあり、
前記機能領域(2)は、前記基板(3)とは異なる材料を含み、該機能領域(2)は、金属であるか又は金属層を含み、前記機能領域(2)の材料は、前記基板(3)と比較して高い熱伝導率を有する、コンポーネントキャリア(10)。
【請求項2】
前記機能領域(2)が、少なくとも縦方向若しくは横方向又はその方向に延びる平面と平行である輪郭を有する、請求項1に記載のコンポーネントキャリア(10)。
【請求項3】
前記機能領域(2)が、前記基板(3)を貫通する連続した領域である、請求項1又は2に記載のコンポーネントキャリア(10)。
【請求項4】
前記機能領域(2)又は他の領域が、キャビティ又は空洞である、請求項1から3のいずれか1項に記載のコンポーネントキャリア(10)。
【請求項5】
前記基板(3)は、Al、又はAlとガラスとを含む、請求項1からのいずれか1項に記載のコンポーネントキャリア(10)。
【請求項6】
その下側にヒートシンク部材(6)を含む、請求項1からのいずれか1項に記載のコンポーネントキャリア(10)。
【請求項7】
前記多層キャリア本体の上部及び/又は底面上に絶縁層(5)を含む、請求項1からのいずれか1項に記載のコンポーネントキャリア(10)。
【請求項8】
前記基板(3)又は他の領域(8)は、前記機能領域(2)の内部にあるか、又は突出するようにその内部に配置されている、請求項1に記載のコンポーネントキャリア(10)。
【請求項9】
前記基板(3)は、横方向並びに全体的に前記機能領域(2)の上方及び/又は下方に延びる、請求項1に記載のコンポーネントキャリア(10)。
【請求項10】
前記基板(3)内部に延びる前記平坦な構造(23)は、ストリップ状又はウェブ状に形成される、請求項に記載のコンポーネントキャリア(10)。
【請求項11】
請求項1乃至1のいずれか1項に記載のコンポーネントキャリア(10)と、
前記機能領域(2)の上に配置されたコンポーネント(1)と、を含む、コンポーネントキャリアアセンブリ。
【請求項12】
ヒートシンク部材(6)が配置された多層キャリア本体(15)の下面に絶縁層(5)を含む、請求項1に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
【請求項13】
前記機能領域(2)の多層キャリア本体(15)の上部における断面積は、前記コンポーネント(1)の断面積に等しいか、又はそれよりも大きい、請求項1又は1に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
【請求項14】
前記機能領域(2)は、前記基板(3)内で縦方向及び/又は横方向の軸に平行に延びる構造化された層を有し、基板(3)は、構造化された層の上側及び/又は下側に延びている、請求項1から1のいずれか1項に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
【請求項15】
前記機能領域(2)は、キャリア本体(15)の上面に設けられたコンポーネント(1)の下に延在し、キャリア本体(15)の上面から絶縁層(5)まで延びる、請求項1に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
【請求項16】
第1の機能領域の下で、絶縁層(5)が、前記第1の機能領域と前記ヒートシンク部材(6)との間に設けられ、
前記絶縁層(5)は、前記コンポーネント(1)の下に拡がるが、前記多層キャリア本体(15)の底面を覆い尽くさないように延びる、請求項1に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
【請求項17】
前記多層キャリア本体(15)の上側に設けられた導体構造(4)と下側のヒートシンク部材(6)との間に拡がる第2及び第3の機能領域を更に備える、請求項1に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
【請求項18】
前記第2及び第3の機能領域は、長方形の断面を有する円筒状である、請求項17に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
【請求項19】
前記コンポーネント(1)は、前記多層キャリア本体(15)の上側に配置され、
前記多層キャリア本体(15)の下側のキャビティ(8)内に配置されたディスクリート部品(7)を更に備える、請求項1に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を有する多層キャリア本体を有するコンポーネントキャリア、コンポーネントキャリアアセンブリ及びこのような多層キャリア本体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高輝度発光ダイオードシステム、いわゆる高輝度LEDシステム又はHB−LEDシステムのような高性能チップに用いられるキャリア、いわゆるハイパワーチップキャリアの設計において、熱管理、発光効率及び寿命は、ますます重要な役割を果たしている。効率的な熱管理により、発光ダイオード(LED)の出力の蓄積を用いることが可能になる。LEDのキャリアの熱的性能は、システム全体で重要な役割を果たしている。HB−LEDへの応用において、基板材料が100W/mKよりも大きな高い熱伝導率を有している必要がある。回路構成を保護するための他の構成要素が、キャリア上に設けられていてもよい。
【0003】
また、キャリアの重要な要件は、熱源として作用する要素が、ヒートシンク要素のできるだけ近くに配置されていることで、そのためには、通常、500μm未満のキャリアの薄い設計を必要とする。また、熱源とヒートシンク部材との間には、典型的には3000Vの絶縁耐力を満たす電気的絶縁も必要とされる。
【0004】
通常、熱源又は熱源として作用する要素は、キャリアの上部に位置し、ヒートシンク要素は、キャリア本体の下側に配置されており、熱源からヒートシンク素子への良好な熱分散が望まれる。
【0005】
これまで、LED及びTVS素子(過渡電圧サプレッサ要素又はサプレッサダイオード)等の保護装置は、例えば、AlOx、AlNを含む群から選択される材料からなるセラミック基板又はシリコン基板上に組み付けられ、LEDは平坦な支持面上に配置されていた。これは、LEDとキャリアと保護成分を有するいわゆるレベル1のシステムである。このレベル1のシステムは、別のキャリアに搭載された場合は、レベル2のシステムと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、コンポーネントキャリア、コンポーネントキャリアアセンブリを提供し、良好な熱放散を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、独立請求項の特徴を有するコンポーネントキャリア及びコンポーネントキャリアアセンブリによって達成される。また、製造方法が提供される。
【0008】
コンポーネントキャリアは、構造化された機能領域が配置された多層基板を備えたキャリア本体を含む。基板は、横方向並びに少なくとも部分的に機能領域の上方及び下方に延び、かつ/または、基板は、横方向並びに完全に機能領域の上方及び下方に延び、かつ/または、基板または他の領域は、機能領域の内部にあるか、または突出するようにその内部に配置されている。
【0009】
キャリア本体は、基板と構造化された機能領域、すなわち基板内部の空間的に限定された領域に隣接しており、例えば、熱伝導又は電源等の機能を果たしている。したがって、熱を部品から放熱することができる集積型のヒートシンクは、これにより形成することができる。機能領域は、通常、複数の層にわたって上下方向に延びている。
【0010】
例えば、LED等の熱源からのハウジングへの熱放散は、熱強化ブロックの形で基板内で垂直方向及び/又は水平に延びたヒートシンク及び熱伝導率の高いセラミックスを使用することによって行うことができる。
【0011】
これにより、キャリア本体の厚さを小さくしつつ良好な放熱が可能になる。保護装置を、例えば、厚さ0.1mm以下と、非常に薄くすることが可能である。このような保護装置として、静電放電保護装置(例えば、MLV素子、すなわち多層バリスタによって、またはTVS要素によって)、過電流保護装置(例えば、PTC素子、サーミスタによって)又は温度センサ(NTC素子、サーミスタ)を用いることができる。
【0012】
積層されて積層体を形成し、例えば焼結によりキャリア本体上で固形化する複数のフィルムからなるため、複層又は多層キャリア本体は、層状構造を有している。これらのフィルムは、基板及び構造化された領域を示す。3次元構造を有する構造化された機能領域は、積層されたフィルムの構造化領域によって形成される。積層されたフィルムの層により形成される機能領域の垂直外表面は、構造化領域の輪郭、すなわち縁に対応している。3次元構造の湾曲した外表面は、層間で輪郭がわずかに異なるフィルムにより形成され、フィルムが積層することにより、湾曲した経路が形成される。シェルの輪郭は、下地の輪郭から構造領域の基礎を形成し、層の境界に輪郭を有する領域に至るよう、下地の輪郭のパターン領域の輪郭をはっきりとずらすことにより達成される。したがって、この輪郭は、その縦方向若しくは横方向又はその方向に延びる平面と平行である。
【0013】
このような積層層状キャリア本体は、上述及び後述のように、第1の領域に第1のペーストを塗布し、第2の領域に第2のペーストを塗布し、フィルムを積層及びラミネートする印刷法によって製造することができる。ラミネートは、加熱及び必要に応じ加圧することにより行われる。
【0014】
フィルムの輪郭の内部の第1及び第2の領域への印刷により、積層フィルムのためのフィルムが形成される。フィルムは、乾燥した第1及び第2のペーストにより印刷された領域から形成された薄いシート状である。それは、印刷された第1及び第2の領域を含み、それらの厚さは、フィルムの厚さと一致している。第3のペーストを用いて第3の領域を印刷してもよい。多層キャリア本体は、異なるペーストを用いて印刷された領域を有し、密接に接合され、積層され、印刷されたフィルムからなる。積層後、積層された第1の領域は、基板を形成し、第2の領域は、構造化された機能領域を形成する。ペーストは、基板または機能領域の材料を含んでいる。
【0015】
このようにして、任意の構造の機能領域を製造することができる。機能領域は、例えば、ビア又はヒートシンクとして作用できる基板を貫通する連続した領域であってもよい。
【0016】
機能領域は、平坦な構造、特にパターン化層は、基板の縦および/または横方向の軸に平行な機能領域の基体から突出するように形成することができる。基体は、例えば、平行線によって形成される平行な基部と頂面と外側面とから形成された円筒形状を有していてもよい。突出する構造化された層は、互いに異なる平面上にオフセット配置されてもよく、互いに同一平面上に配置されていてもよい。これらは、機械的な調整の改善のために使用され、材料の応力を低減する。
【0017】
機能領域またはその他の領域は、キャビティ又は空洞であってもよい。この場合、キャリア本体積層体を形成するフィルムは、凹部を有している。このような空洞又はこのようなキャビティは、任意の構造を有していてよい。
【0018】
機能領域は、基板とは異なる材料を含んでいる。機能領域は、例えば銅等の良好な熱及び電気伝導性を有する金属又は金属層であってよい。基板内に、機能領域により集積型ヒートシンクを形成するために、基板よりも熱伝導率の高い材料が用いられる。機能領域に用いられる材料の熱伝導率は、有利には、100W/mKよりも大きい。基板は、例えばAl等のセラミックスを含んでいる。基板は、Al及びガラス又はLTCCセラミックスを含んでいてもよい。
【0019】
有利には、多層キャリア本体の底部には、放熱部材が取り付けられており、それによって、基板を通して熱が放散される。絶縁層は、多層キャリア本体の上部及び/又は底部に設けられてもよい。集積型のヒートシンクによって起こりうる電気的干渉を防止するために、機能領域とヒートシンク部材との間に絶縁層を設けてもよい。
【0020】
上述のような多層キャリア本体は、多層キャリア本体を有するコンポーネントキャリアを有するコンポーネントキャリアアセンブリにおいて、集積型のヒートシンクとして機能する構造化された機能領域が配置される基板及び機能領域の上に配置された部品を有している。このような部品配置は、ヒートシンクが配置された多層キャリア本体の底部に絶縁層を含んでもよい。機能領域は、立方体または円柱形状を有していてもよく、多層キャリア本体の上部におけるその断面積は、デバイスのそれに対応していてもよく、或いはそれよりも大きくてもよい。これにより、良好な熱放散が可能になる。また、機能領域は、基板内で縦方向および/または横方向の軸に平行に延びる構造化された層を有していてもよく、基板は、構造化された層の上側及び/又は下側に延びている。
【0021】
以下、図面を参照しながら、実施例を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施の形態の断面図である。
図2】本発明の一実施の形態の断面図である。
図3】本発明の他の実施の形態の断面図である。
図4】本発明の他の実施の形態の断面図である。
図5】本発明の他の実施の形態の断面図である。
図6】本発明の他の実施の形態の断面図である。
図7】本発明の他の実施の形態の断面図である。
図8】本発明の他の実施の形態の断面図である。
図9】本発明の他の実施の形態の断面図である。
図10】本発明のさらに他の実施の形態の断面図である。
図11】本発明のさらに他の実施の形態の断面図である。
図12】本発明のさらに他の実施の形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、熱源として働く装置1、その上に配置されたコンポーネントキャリア10とを有するコンポーネントキャリアアセンブリの実施形態を示している。図は、コンポーネントキャリアアセンブリの縦軸31に沿った断面図である。図2は、このコンポーネントキャリアアセンブリの配置のA−A’線に沿った断面を示している。断面は、縦方向32と横方向軸33に延びる面とと平行に延びている。軸は、31、32、33に図示した座標系である。
【0024】
コンポーネントキャリア10は、両方の別々の構成要素、或いは構成要素1と同様に導体構造の支持体として機能することができる、多層キャリア本体15を備える。多層キャリア本体15は、積載されたシートからなり、例えばAlのセラミック等の担体材料を含む基板3を有している。構造化基板3には、機能領域2が設けられている。この機能領域2は、局所的に増大した熱伝導率を有する部分であり、熱放散のための集積型のヒートシンクとして機能する。
【0025】
多層キャリア本体15の上部に、部品1のボンディング及び/又は再配線によって導体構造4が形成されている。このような導体構造4は、部品1に接触するため、電圧及び電流供給用並びに信号伝送用のはんだパッドを備えていてもよい。配線は、基板4の上部の端子又はビアまで延びていてもよい。このような導体構造4は、銅等の金属からなるものであってもよい。
【0026】
多層キャリア本体15上には、動作中に熱を放射する部品1が固定されている。このような装置1は、LEDであってもよい。
【0027】
多層キャリア本体15の底部には、電気絶縁層5が形成されており、それは、基板3と同一又は別の材料と同じ材料からなるものであってもよい。3000Vの耐圧が達成されるように、絶縁層5の材料及び厚さを選択することができる。本実施形態において、絶縁層5は、キャリア本体15の下面全体にわたって延びている。絶縁層5の上には、ヒートシンク部材6が設けられている。これは、部品1からの熱を、基板3を通して導出又は透過させる、ヒートシンクや筐体である。しかし、接触も考えられる。
【0028】
この実施形態において、多層キャリア本体15の上部の構造化領域2は、絶縁層5まで延びている。部品1及び絶縁層5に隣接する領域において、構造2は、部品1の表面領域を越えてわずかに突出する四角形状の断面を有している。図2からわかるように、断面A−A’の領域において、構造2の側部は、キャリア本体15の縁まで延びており、それにより十字状の断面を形成している。基板3は、構造化領域の上側及び下側まで延びている。
【0029】
機能領域2の座標軸状の構造は、部品1の垂直方向への放熱だけでなく、水平方向への放熱も可能にするが、これは、十字状に断面が拡大することによりもたらされる。
【0030】
図3は、一実施の形態に係る多層キャリア本体の平面図とA−A’線に沿った断面図(右)を示している。
【0031】
本実施形態では、溝状の金属構造又は機能領域2は、セラミック基板3の側面及び底部で囲まれている。構造2において、さらに、ブロック状の構造体33、すなわち、例えば、他のセラミック材料等の別の材料からなる別の領域が形成されている。
【0032】
この多層キャリア本体15は、3種類の異なるフィルムから構成されている。上部領域Iは、複雑な配置の管理に対応している。長方形の第3の領域33は、枠状の第2及び第1の領域2、3に取り囲まれている。その下に位置する領域IIにおいて、フィルムは、内部輪郭を有しない第2の領域1を有している。第2の領域2は矩形である。下部領域IIIにおいて、フィルムは、ペーストを用いて、第1の領域3の全面に印刷されている。
【0033】
領域I、II、IIIの全てにおいて、このような同一の輪郭を有する同一のフィルムを積層することにより、輪郭が重ね合わさせる結果、これらの領域における構造の外表面がキャリア基板の垂直軸方向に平行な、すなわちフィルムの層が延びる方向に直交する多層キャリア本体15が得られる。互いに異なる領域上に配置された隣接するフィルムは、溝状構造との間の水平方向の界面を形成する。
【0034】
代替実施形態において、キャビティ状の他の構造33を代わりに設けてもよい。これは、凹部、すなわち、適切な場所に印刷されていない領域を有するフィルムから構成されている。
【0035】
図5は、熱源として機能する部品1をその上に配置したコンポーネントキャリア10を有するコンポーネントキャリアアセンブリのさらなる実施形態を示す。図は、コンポーネントキャリアアセンブリの縦軸に沿った断面図である。図6は、このコンポーネントキャリアアセンブリのA−A’線に沿った断面を示す。断面は、縦軸及び横軸によって画定される平面に平行な平面に沿って延びている。
【0036】
以下、上述の例示的な実施形態との相違点を中心に説明する。
【0037】
図5及び図6は、上部に配置されたLED等の部品1以外に、他のディスクリート部品7が、キャリア本体15の底部に設けられたキャビティ8の内部に配置されたコンポーネントキャリアアセンブリの一実施の形態を示す。
【0038】
本実施の形態は、3つの構造化された機能領域2を含んでいる。第1の機能領域2は、上部に配置された部品1の下側に配置され、キャリア本体15の上部から絶縁層5まで延びている。この、ヒートシンクとして機能する機能領域2は、断面を有する円筒状の基本形状を有しており、図6から明らかなように、その円形の基本形状は、鋸歯状の縁を有している。垂直側面から、水平方向に延びる領域23が、構造化された層として設計された基板3の内部に延びている。基板に延びる領域23は、基体の断面積を拡大したものであってもよく、その輪郭と、基材のシェル部分の輪郭との距離が一定である。或いは、それらを、ストリップまたはウェブ状に形成してもよい。それらの形状より、それらを電極構造と称してもよい。例えば、材料の応力が回避されることにより、それらは、基板と機能領域との遷移部における金属とセラミックスとの間の機械的な調整を向上させる。
【0039】
第1の機能領域2の下方には、絶縁層5が、これとヒートシンクとの間に設けられている。これは、部品1の下方に、部品の底面からはみ出るが、多層キャリア本体15の底面を覆い尽くさないように延びている。
【0040】
コンポーネントキャリアアセンブリはさらに、多層キャリア本体15の上部の導体パターン4と、底部のヒートシンク部材6との間に延びる第2および第3の機能領域20を有している。これらの機能領域は、長方形の断面を有する円筒状である。それらは、図示しない他の部品のためのビア又はヒートシンクとして機能しうる。
【0041】
図7は、熱源として機能する複数の部品1をその上に配置したコンポーネントキャリア10を有するコンポーネントキャリアアセンブリのさらなる実施形態を示す。図は、コンポーネントキャリアアセンブリの縦軸に沿った断面図である。LEDの空間的配置は、図9に示すもののようにしてもよい。
【0042】
以下では、前の例示的な実施形態との相違点を中心に説明する。
【0043】
コンポーネントキャリアアセンブリは、上部に配置された複数の部品1を含んでいる。これは、動作中に熱を発生するLEDであってもよい。部品1が配置される領域の下側には、部品1の共通のヒートシンクとして機能する構造化された機能領域2が延びている。機能領域2は、多層キャリア本体15の上部から絶縁層5まで延びる円筒形の本体を有している。絶縁層5の上には、共通のヒートシンク部材6が設けられている。また、基板3の内部を水平に延びる構造化された層23が設けられている。これらは、互いに異なる層上に配置されている。基板3は、これらの領域の上側及び下側に延びている。
【0044】
さらに、機能領域2の外に、例えば、NTC温度センサー又はMLV素子等の他の個別の部品7が、ESD(英語の「Electro Static Discharge」(静電放電)の略称)保護装置として、キャリア本体15の上部に配置されていてもよい。
【0045】
図8は、熱源として機能する部品1をその上に配置したコンポーネントキャリア10を有するコンポーネントキャリアアセンブリの他の実施形態を示す。図は、コンポーネントキャリアアセンブリの縦軸に沿った断面図である。図9は、このコンポーネントキャリアアセンブリのA−A’線に沿った断面を示す。断面は、縦軸及び横軸によって画定される平面に平行な平面に沿って延びている。
【0046】
続いて、前の実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、例えばLED等の部品1を7つ有するコンポーネントキャリアアセンブリを取り扱う。図9は、部品1の空間配置を示す。1つが中心に配置され、その他は、この部品1の周りにリング状に配置されている。
【0047】
図8は、構造化された機能領域2について、上述の実施形態と本質的に異なっている。本実施形態においても、延びる機能領域2は、部品1のヒートシンクとして提供される。キャリア本体15の中央部に、機能領域2が広く、しかし部品及びヒートシンクの下に当たる位置の上部及び底部のみに延びている。したがって、基板領域3は、多層キャリア本体15の端部だけでなく、部品1との間のキャリア本体上部にも存在する。独立したヒートシンク部材6が、部品1の下にも設けられている。機能領域は、基板領域の下部領域において、機能領域がヒートシンク要素6との間に延びる領域も有している。図9に概説されるように、多層キャリア本体の上部及び下部領域において、機能領域が延びている領域は、その断面が、部品1の底面にほぼ対応し、又は円形若しくは環状となり、部品1が環状又はリング状に配列されるように、島状であってよい。
【0048】
本実施形態においても、構造化された層23が、機能領域の基材から、基板3の内部に向かって延びている。
【0049】
図10は、図5及び図6に示したものと同様のさらなる実施の形態の断面を示している。
【0050】
本実施の形態において、キャリア本体15の上部には、部品1として、発熱量の多いLEDが、例示的な他の部品7として、MLV素子が配置されている。部品1は、レンズ9の下に配置されている。
【0051】
このようなLEDの幅D1は、例えば、1000μmであってもよい。それらは、例えば、SnAgCu系のはんだにより、キャリア本体15上のはんだパッド18に固定されている。他の部品7の幅D7は、300μmとすることができる。それは、例えば、Ag/Ni/Sn系のはんだパッド17の上に固定されている。
【0052】
多層キャリア本体15の底部に、ヒートシンク要素6が配置されている。このような多層キャリア本体15は、500μmの厚さD10を有していてもよく、基板3は、400μmの厚さD15を有している。
【0053】
基板3において、部品1のためのサーマルブロック又はヒートシンクとして機能する第1の機能領域2と、他の装置7の下側に配置され、ビアとして2つの別の機能領域22が配置されている。集積型のヒートシンクの幅D2は、縦方向及び横方向の両方とも、1500μmである。キャリア本体の端部からの距離が700μmに相当する(図11参照)。他の機能領域の幅は、他の部品7の幅に対応する。集積型のヒートシンクの幅D2は、縦方向及び横方向の両方とも、1500μmである。キャリア本体の端部までの距離D3は、700μmに相当する(図9参照)。他の機能領域の幅は、他の部品7の幅に対応し、300μmである。
【0054】
多層キャリア本体15は、層状構造を有しており、複数のフィルムを備え、これらが積層及びラミネートされ、キャリア基板15を形成している。個々のフィルムは、対応する面内におけるキャリア本体の断面に応じて設計された基板領域を有している。この様なフィルムは、異なるペーストを用いて異なる領域に印刷後、積層及びラミネートを行うことにより製造できる。このようにして、基板3の内部に任意の構造を製造することができる。したがって、例えば、機能領域の基板から突出する領域23の構造を、そのような層の印刷された機能領域をその下及び上に存在する層から突出させることにより、単純な方法で形成できる。換言すると、あるフィルム層又は複数のフィルム層の基材から延びる構造化された領域の輪郭上に、基板3の内部に延びる領域23を形成する。
【0055】
図11及び図12は、図10におけるI−I線及びII−II線に沿った部品の2つの別の断面を示す。図11は、I−I線に沿った断面を示しており、LEDが2つの接点で接続されていることが明確に示されている。II−II線に沿った断面では、他の部品7についても同様であることが示されている。
【0056】
各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。
[付記]
[付記1]
基板(3)を含む多層キャリア本体(15)を有するコンポーネントキャリア(10)であって、構造化された機能領域(2)が存在し、
・前記基板(3)は、横方向並びに少なくとも部分的に前記機能領域(2)の上方及び下方に延び、及び/又は、
・前記基板(3)は、横方向並びに全体的に前記機能領域(2)の上方及び/又は下方に延び、及び/又は、
・前記基板(3)又は他の領域(8)は、前記機能領域(2)の内部にあるか、又は突出するようにその内部に配置されている、コンポーネントキャリア(10)。
[付記2]
前記機能領域(2)が、少なくとも縦方向若しくは横方向又はその方向に延びる平面と平行である輪郭を有する、付記1に記載のコンポーネントキャリア(10)。
[付記3]
前記機能領域(2)が、前記基板(3)を貫通する連続した領域である、付記1又は2に記載のコンポーネントキャリア(10)。
[付記4]
平坦な構造(22)が、前記基板(3)の縦及び/又は横方向の軸に平行な前記機能領域(2)の基体から突出している、付記1から3のいずれか1つに記載のコンポーネントキャリア(10)。
[付記5]
前記機能領域(2)又は他の領域が、キャビティ又は空洞である、付記1から4のいずれか1つに記載のコンポーネントキャリア(10)。
[付記6]
前記機能領域(2)は、前記基板(3)とは異なる材料を含み、該機能領域(2)は、金属であるか又は金属層を含む、付記1から5のいずれか1つに記載のコンポーネントキャリア(10)。
[付記7]
前記機能領域(2)の材料は、前記基板(3)と比較して高い熱伝導率を有する、付記1から6のいずれか1つに記載のコンポーネントキャリア(10)。
[付記8]
前記基板(3)は、Al、又はAlとガラスとを含む、付記1から7のいずれか1つに記載のコンポーネントキャリア(10)。
[付記9]
その下側にヒートシンク部材(6)を含む、付記1から8のいずれか1つに記載のコンポーネントキャリア(10)。
[付記10]
前記多層キャリア本体の上部及び/又は底面上に絶縁層(5)を含む、付記1から9のいずれか1つに記載のコンポーネントキャリア(10)。
[付記11]
集積型のヒートシンクとして機能する構造化された機能領域(2)が配置される基板(3)及び前記機能領域(2)の上に配置されたコンポーネント(1)を含む多層キャリア本体(15)を有するコンポーネントキャリア(10)を含む、コンポーネントキャリアアセンブリ。
[付記12]
ヒートシンク部材(6)が配置された多層キャリア本体(15)の下面に絶縁層(5)を含む、付記11に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
[付記13]
前記機能領域(2)が、立方体又は円柱形状を有しており、前記コンポーネント(1)の前記多層キャリア本体(15)の上部におけるその断面積は、デバイスのそれに等しいか、又はそれよりも大きい、付記11又は12に記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
[付記14]
前記機能領域(2)は、前記基板(3)内で縦方向及び/又は横方向の軸に平行に延びる構造化された層を有し、基板(3)は、構造化された層の上側及び/又は下側に延びている、付記11から13のいずれか1つに記載のコンポーネントキャリアアセンブリ。
[付記15]
・第1の領域に第1のペーストを塗布し、第2の領域に第2のペーストを塗布することにより、フィルムを印刷することと、
・前記フィルムを積層及びラミネートすることとにより、付記1から14のいずれか1つに記載のキャリア本体(15)を製造する方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12