【実施例】
【0049】
以下、実施例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0050】
各評価項目の測定方法は、以下のとおりである。
・含水率:試験土壌を加熱乾燥式水分計で測定した。
・団粒粒径:目視で最頻近傍の団粒についてメジャーで測定した。
・かさ密度:100mlビーカーに100cm
3の土を入れ、土壌の重量を測定し、この重量を容量で除して求めた。
・土壌のpH:土懸濁液のpH試験方法(JGS 0211−2000)によって測定した。
・かさ増し材のpH:メーカーMSDSの記載値を参考とした。
【0051】
(実施例1)模擬草木根なしの場合
・試験土壌の性状
細粒分(φ0.075mm含有率):50〜60%
高含水粘性土(黒土:赤土=1:1):300cm
3
質量:300cm
3×1.47g/cm
3=441g
外観形状:目視では団粒が確認できない程度の泥状
模擬草木根:なし
【0052】
試験土壌の事前評価を実施したところ、含水率:47%、かさ密度1.47g/cm
3、土壌のpH6.4であった。これらの値から、団粒粒径、かさ密度、土壌のpHの目標値をそれぞれ10mm以下、1.0g/cm
3以下、pH6〜7と定め、かさ密度調整材として以下の配合及び添加量を決定した。
【0053】
・配合
<1>アクリル系樹脂(吸水性樹脂)=0.59g/cm
3
<2>ポリアクリルアミド系化合物(高分子化合物)=0.13g/cm
3
<3>炭酸カルシウム(かさ増し材)=3.69g/cm
3
・添加量
15kg/m
3
【0054】
上記<1>〜<3>の材料を袋内に入れて混合してかさ密度調整材を調製した後、これと試験土壌とを、針金撹拌子ミキサーを用いて土壌が上下方向に空気を巻き込むよう配慮しながら3分間混合した。
【0055】
処理後の事後評価を実施したところ、団粒粒径:2〜10mm、かさ密度0.811g/cm
3、土壌のpH6.2であった。これらはいずれも、定めた目標値を達成していた。
【0056】
(実施例2)模擬草木根ありの場合
・試験土壌の性状
細粒分(φ0.075mm含有率):50〜60%
高含水粘性土(黒土:赤土=1:1)300cm
3
質量:300cm
3×1.41g/cm
3=423.6g
外観形状:目視では団粒が確認できない程度の泥状
模擬草木根:2.33g
模擬草木根の長軸方向の平均長さ:3cm
【0057】
試験土壌の事前評価を実施したところ、含水率:50%、かさ密度1.41g/cm
3、土壌のpH6.4であった。これらの値から、団粒粒径、かさ密度、土壌のpHの目標値をそれぞれ10mm以下、1.0g/cm
3以下、pH6〜7と定め、かさ密度調整材として以下の配合及び添加量を決定した。
【0058】
・配合
<1>アクリル系樹脂(吸水性樹脂)=0.68g/cm
3
<2>ポリアクリルアミド系化合物(高分子化合物)=0.16g/cm
3
<3>炭酸カルシウム(かさ増し材)=7.62g/cm
3
・添加量
20kg/m
3
【0059】
上記<1>〜<3>の材料を袋内に入れて混合してかさ密度調整材を調製した後、これと試験土壌とを、針金撹拌子ミキサーを用いて土壌が上下方向に空気を巻き込むよう配慮しながら3分間混合した。
【0060】
処理後の対象土壌を、目開き9.5mmの篩を用いて篩分けした。
【0061】
処理後の事後評価を実施したところ、団粒粒径:2〜10mm、かさ密度0.835g/cm
3、土壌のpH6.9であった。これらはいずれも、定めた目標値を達成していた。また、篩い通過分は、全体量の92.54wt%以上であった。
【0062】
(実施例3)模擬草木根なしの場合;グリーンタフを用いた場合
・試験土壌の性状
細粒分(φ0.075mm含有率):50〜60%
高含水粘性土(黒土:赤土=1:1):200cm
3
質量:200cm
3×1.41g/cm
3=282g
外観形状:目視では団粒が確認できない程度の泥状
模擬草木根:なし
【0063】
試験土壌の事前評価を実施したところ、含水率:47%、かさ密度1.41g/cm
3、土壌のpH5.6であった。これらの値から、団粒粒径、かさ密度、土壌のpHの目標値をそれぞれ10mm以下、1.0g/cm
3以下、pH6〜7と定め、かさ密度調整材として以下の配合及び添加量を決定した。
【0064】
・配合
〔配合1〕
<3>グリーンタフ(かさ増し材)=40g/cm
3
すなわち、吸水性樹脂:高分子化合物:かさ増し材=0:0:100(質量比)の配合であり、本発明の範囲外の例である(比較例)。
〔配合2〕
<1>アクリル系樹脂(吸水性樹脂)=0.5〜2g/cm
3
<2>ポリアクリルアミド系化合物(高分子化合物)=0.1〜0.4g/cm
3
<3>グリーンタフ(かさ増し材)=9.4〜37.6g/cm
3
吸水性樹脂:高分子化合物:かさ増し材=5:1:94(質量比)の配合となるように調製した。
〔配合3〕
<1>アクリル系樹脂(吸水性樹脂)=1〜4g/cm
3
<2>ポリアクリルアミド系化合物(高分子化合物)=0.2〜0.8g/cm
3
<3>グリーンタフ(かさ増し材)=8.8〜35.2g/cm
3
吸水性樹脂:高分子化合物:かさ増し材=10:2:88(質量比)の配合となるように調製した。
〔配合4〕
<1>アクリル系樹脂(吸水性樹脂)=2〜8g/cm
3
<2>ポリアクリルアミド系化合物(高分子化合物)=0.2〜0.8g/cm
3
<3>グリーンタフ(かさ増し材)=7.8〜31.2g/cm
3
吸水性樹脂:高分子化合物:かさ増し材=20:2:78(質量比)の配合となるように調製した。
・添加量
配合1については40kg/m
3で、配合2〜4については10kg/m
3、20kg/m
3、40kg/m
3で試験した。
【0065】
上記<1>〜<3>の材料を袋内に入れて混合してかさ密度調整材を調製した後、これと試験土壌とを、針金撹拌子ミキサーを用いて土壌が上下方向に空気を巻き込むよう配慮しながら3分間混合した。
【0066】
処理後の事後評価を実施したところ、配合1では団粒粒径:20〜30mm、かさ密度1.4g/cm
3、土壌のpH6.0であった。配合2では団粒粒径:5〜40mm、かさ密度0.8〜1.0g/cm
3、土壌のpH6.2であった。配合3では団粒粒径:5〜20mm、かさ密度0.8〜1.0g/cm
3、土壌のpH6.0であった。配合4では団粒粒径:5〜20mm、かさ密度0.8〜1.0g/cm
3、土壌のpH6.2であった。配合2〜4では、かさ密度及びpHが目標値を達成していた。
【0067】
配合1〜4のそれぞれについて、かさ密度調整材の添加量と10mmふるい上割合(%)との関係を
図1に示した。配合1(比較例)ではかさ密度調整材を40kg/m
3添加した場合でも10mmふるいを通過しなかったが、配合2〜4ではかさ密度調整材を10kg/m
3、20kg/m
3、40kg/m
3添加した後の10mmふるい上割合が、いずれもかさ密度調整の目安である20%よりも小さくなった。