(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の構成を採用した場合でも、第1レンズ11の外周面110と第1レンズ保持用筒部74xとの間への水の侵入量が多くなると、その時の水圧でカシメ部77xが物体側L1に変形する。このため、第1レンズ11が位置ずれするという問題を解消することができない。一方、カシメ部77xが第1レンズ11に被さる幅寸法を広くした構成や、カシメ部77xの光軸方向の厚さを厚くした構成にして、カシメ部77xの強度を高めると、第1レンズ11に対する入射角度が制限されてしまう。このため、第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13および接合レンズ14によって広角レンズを構成した場合には、上記の構成を採用するのは困難である。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、第1レンズに対する入射角度を狭めずに、防水性を向上することのできるレンズユニットおよび光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るレンズユニットは、複数のレンズと、前記複数のレンズを保持するレンズバレルと、前記複数のレンズのうち、最も物体側に配置された第1レンズと前記レンズバレルとの間に配置されたシール部材と、を有し、前記第1レンズは、物体側に向くレンズ面と、該レンズ面の外周側から像側に突出した非レンズ部と、を備え、前記レンズバレルは、前記第1レンズに像側で重なる第1レンズ保持部を備え、前記シール部材は、前記非レンズ部より径方向内側で前記第1レンズと前記レンズバレルとの間に配置され、前記非レンズ部の像側には、前記第1レンズを前記第1レンズ保持部に固定する固定部が設けら
れ、前記固定部は、前記非レンズ部のうち、前記第1レンズ保持部に像側から重なる部分からなることを特徴とする。
【0009】
本発明において、最も物体側に配置された第1レンズは、レンズ面の外周側から像側に向けて突出した非レンズ部を備えており、非レンズ部の像側には、第1レンズを第1レンズ保持部に固定する固定部が設けられている。このため、第1レンズの物体側には、第1レンズに対する入射角度を狭める部位が存在しない。また、第1レンズの物体側には、水の侵入経路は存在しない。また、シール部材は、非レンズ部より径方向内側で第1レンズとレンズバレルとの間をシールしているため、第1レンズの像側に水が回り込んでも、第1レンズとレンズバレルとの間に水が侵入しない。それ故、本発明によれば、第1レンズに対する入射角度を狭めずに、防水性を向上することができる。
【0011】
例えば、本発明において、前記固定部は、像側に向けて突出した部分を前記第1レンズ保持部に像側から重なるように変形させたカシメ部からなる。
【0012】
本発明において、前記カシメ部は、前記第1レンズ保持部の径方向外側の端部に像側から重なっている構成を採用することができる。
【0013】
本発明において、前記カシメ部は、前記第1レンズ保持部に形成された穴の周りに像側から重なっている構成を採用してもよい。
【0014】
本発明において、前記非レンズ部には、像側に向けて突出して前記穴に嵌る突起が形成されており、前記カシメ部は、前記突起の像側の端部で前記穴の周りに像側から重なっていることが好ましい。かかる構成によれば、突起が第1レンズに対する回り止め部として機能する。従って、水圧が第1レンズに加わっても、第1レンズが光軸周りに回転しにくい。
【0015】
本発明において、前記シール部材は、前記第1レンズと前記レンズバレルとによって径方向で挟まれたゴム製のOリングからなることが好ましい。かかる構成によれば、Oリングの反発力が第1レンズを物体側あるいは像側に押圧する力として作用しにくいので、固定部に負荷が加わりにくい。
【0016】
本発明において、前記Oリングは、前記非レンズ部の内周面と、前記第1レンズ保持部において前記非レンズ部の内周面に径方向内側で対向する段部との間に挟まれている構成を採用することができる。
【0017】
本発明に係るレンズユニットを備えた光学装置は、前記レンズバレルを径方向外側で囲む胴部を備えたホルダと、前記レンズバレルと前記ホルダとの間を封止する封止部と、を有し、前記胴部には、前記封止部より物体側にホルダ側貫通穴が形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、レンズバレルとホルダとの間に侵入した水をホルダ側貫通穴から排出することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明において、最も物体側に配置された第1レンズは、レンズ面の外周側から像側に
向けて突出した非レンズ部を備えており、非レンズ部の像側に向く部分には、第1レンズを第1レンズ保持部に固定する固定部が設けられている。このため、第1レンズの物体側には、第1レンズに対する入射角度を狭める部位が存在しない。また、第1レンズの物体側には、水の侵入経路は存在しない。また、シール部材は、非レンズ部より径方向内側で第1レンズとレンズバレルとの間をシールしているため、第1レンズの像側に水が回り込んでも、第1レンズとレンズバレルとの間に水が侵入しない。それ故、本発明によれば、第1レンズに対する入射角度を狭めずに、防水性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
[実施の形態1]
(レンズユニットの構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係るレンズユニット1の説明図であり、
図1(a)、(b)は、レンズユニット1を物体側からみた正面図、およびレンズユニット1の断面図である。
【0022】
図1に示すように、本形態のレンズユニット1は、光軸L方向に複数のレンズが配置された広角レンズ10と、広角レンズ10を内側に保持する筒状のレンズバレル7とを有しており、撮像装置等の光学装置100に用いられる。
【0023】
広角レンズ10は、例えば190°である。広角レンズ10は、例えば、4群のレンズ群を備えている。より具体的には、広角レンズ10は、物体側(被写体側/前側)から順に、負のパワーを持つ第1レンズ11からなる第1レンズ群と、負のパワーを持つ第2レンズ12からなる第2レンズ群と、正のパワーを有する第3レンズ13からなる第3レンズ群と、正のパワーを有する接合レンズ14からなる第4レンズ群とを有している。第1レンズ11はガラスレンズまたはプラスチックレンズからなり、第2レンズ12および第3レンズ13はプラスチックレンズからなる。接合レンズ14は、負のパワーを有するプラスチックレンズからなる第4レンズ15と、正のパワーを有するプラスチックレンズからなる第5レンズ16との接合レンズである。レンズユニット1は、第3レンズ13と第4レンズ15との間に絞り18を有している。また、レンズユニット1は、接合レンズ14より像側L2に赤外線カットフィルタ17を有している。
【0024】
(第1レンズ11の詳細構成)
本形態において、第1レンズ11はプラスチックレンズからなる。このため、第1レンズ11の外周面110には、成形時のゲートに相当する部分に平坦面114が形成されている。第1レンズ11は、物体側L1に向かって湾曲した凸曲面からなる第1レンズ面111と、像側L2において、物体側L1に向かって湾曲した凹曲面からなる第2レンズ面112とを有しいている。
【0025】
また、第1レンズ11は、物体側L1に向く第1レンズ面111の外周側から像側L2
に突出した非レンズ部115を備えている。本形態において、非レンズ部115は円筒状に形成されており、非レンズ部115の外周面115bによって、第1レンズ11の外周面110が構成されている。
【0026】
第1レンズ11において、像側L2に向く部分は、径方向内側から径方向外側に向けて、第2レンズ面112を構成する凹曲面116、光軸Lに直交する環状の第1フランジ部117、第1フランジ部117の外縁から像側L2に向けて斜めに傾いた環状の第2フランジ部118、および光軸Lに直交する環状の第3フランジ部119を備えており、第3フランジ部119の径方向外側で非レンズ部115が像側L2に向けて突出している。
【0027】
(レンズバレル7の構成等)
第1レンズ11は、第2レンズ12、第3レンズ13、および接合レンズ14より外径寸法が大きい。第2レンズ12、第3レンズ13および接合レンズ14は外径寸法が略等しく、接合レンズ14において、第4レンズ15は、第5レンズ16より外形寸法が大きい。
【0028】
かかる形状に対応して、レンズバレル7は、像側L2に位置する第1筒部71と、第1筒部71より物体側L1に位置する第2筒部72とを有しており、第2筒部72は、第1筒部71と内径が略等しいが、第1筒部71より肉厚が小である。
【0029】
また、レンズバレル7は、第2筒部72の径方向外側に第1レンズ11に像側L2で重なる第1レンズ保持部73を有しており、本形態において、第1レンズ保持部73は、第2筒部72の径方向外側で光軸Lに直交する環状のフランジ部74と、環状のフランジ部74の径方向の途中位置から物体側L1に突出した円筒状の凸部75とを有している。このため、凸部75の外周面は、第1レンズ11の非レンズ部115の内周面115aに対して径方向内側で対向する段部750を構成している。第1レンズ保持部73の外径(フランジ部74の外径)は、非レンズ部115の内径よりわずかに小さく、第1レンズ保持部73の外周面730は、非レンズ部115の内周面との間にわずかな隙間を隔てて対向している。
【0030】
(シール部材5の構成)
レンズユニット1において、第1レンズ11とレンズバレル7との間にはシール部材5が配置されている。本形態において、シール部材5は、非レンズ部115より径方向内側で第1レンズ11とレンズバレル7との間に配置されている。より具体的には、シール部材5は、ゴム製のOリング50からなり、筒状の凸部75の外周面(段部750)と第1レンズ11の非レンズ部115の内周面115aとの間に挟まれた状態にある。
【0031】
(第1レンズ11の固定構造)
図2は、本発明の実施の形態1に係るレンズユニット1における第1レンズ11とレンズバレル7との固定部の説明図であり、
図2(a)、(b)は、第1レンズ11をレンズバレル7に固定する前の状態を示す説明図、および第1レンズ11をレンズバレル7に固定した後の状態を示す説明図である。
【0032】
図1に示すように、第1レンズ11の非レンズ部115の像側L2には、第1レンズ11を第1レンズ保持部73に固定する固定部4が設けられている。本形態において、固定部4は、第1レンズ11の非レンズ部115のうち、第1レンズ保持部73に像側L2から重なる部分からなる。
【0033】
より具体的には、
図2(a)に示すように、第1レンズ11をレンズバレル7に固定する前の状態において、第1レンズ11の非レンズ部115の像側L2の面115cには、
非レンズ部115の内縁から像側L2に向けて突出する突起115dが形成されている。従って、
図2(b)に示すように、突起115dを加熱して径方向内側に変形させれば、突起115dによって、第1レンズ保持部73の径方向外側の端部に像側L2から重なるカシメ部115e(固定部4)が形成される。
【0034】
(レンズの固定方法)
以下、レンズユニット1の製造方法を説明しながら、レンズバレル7に対するレンズの固定構造を説明する。
【0035】
まず、
図1(b)に示すように、第4レンズ15と第5レンズ16とを接合した接合レンズ14を物体側L1からレンズバレル7の第1筒部71の内側に圧入する。ここで、第4レンズ15は、第5レンズ16より大径であるため、第4レンズ15(接合レンズ14)の外周端部は第1筒部71の段部711で支持される。
【0036】
次に、絞り18を第4レンズ15に重ねた後、レンズバレル7の第1筒部71と第2筒部72との境界部分の内側に第3レンズ13を圧入する。
【0037】
次に、第2レンズ12をレンズバレル7の第2筒部72の内側に配置した後、第2筒部72の物体側L1の端部を内側に加熱変形させて、第2レンズ12の外周端部に被せ、第2レンズ12を第3レンズ13の側に押し付け固定する。
【0038】
次に、
図2(a)に示すように、レンズバレル7の第1レンズ保持部73を物体側L1から覆うように第1レンズ11を配置する。その際、第1レンズ保持部73の筒状の凸部75の外周面(段部750)にゴム製のOリング50からなるシール部材5を装着しておく。その結果、ゴム製のOリング50(シール部材5)は、筒状の凸部75の外周面(段部750)と第1レンズ11の非レンズ部115の内周面115aとの間に挟まれた状態になる。
【0039】
この状態で、第1レンズ11の第3フランジ部119は、第1レンズ保持部73の凸部75の物体側L1の端部に当接し、第1レンズ11は光軸L方向で位置決めされる。また、第1レンズ保持部73の外周面730は、非レンズ部115の内周面との間にわずかな隙間を隔てて対向し、第1レンズ保持部73の像側L2の面731は、非レンズ部115の像側L2の面115cの径方向内側に位置する。また、第1レンズ保持部73の像側L2の面731と非レンズ部115の像側L2の面115cとは光軸L方向において同一位置にある。従って、
図2(b)に示すように、第1レンズ11の非レンズ部115の内縁に形成されている突起115dを加熱して径方向内側に変形させれば、第1レンズ保持部73を第1レンズ11の第3フランジ部119との間に挟むカシメ部115e(固定部4)が形成され、第1レンズ11がレンズバレル7に固定される。
【0040】
(光学装置100の構成)
本形態のレンズユニット1を光学装置100に用いる際、レンズユニット1は、
図1(b)に示すように、レンズバレル7を径方向外側で囲む胴部20を備えたホルダ2に搭載される。ここで、ホルダ2の胴部20は、像側L2に位置する第1胴部21と、第1胴部21より物体側L1に位置する第2胴部22とを備えており、第2胴部22は、外径が第1胴部21と等しいが、内径は第1胴部21より大である。従って、レンズバレル7の第1筒部71の外周面に雄ねじ710を形成しておく一方、ホルダ2の第1胴部21の内周面に雌ねじ210を形成しておけば、雄ねじ710および雌ねじ210によって、レンズバレル7の第1筒部71をホルダ2の第1胴部21に固定することができる。
【0041】
ここで、ホルダ2の第1胴部21と第2胴部22との境界部分には段部23が形成され
ている。従って、レンズバレル7の第1筒部71をホルダ2の第1胴部21に固定する際、第1筒部71にゴム製のOリング60を装着しておけば、Oリング60によって、レンズバレル7の第1筒部71とホルダ2の第1胴部21との間を封止する封止部6が形成される。
【0042】
また、ホルダ2の第2胴部22において、第1レンズ11と重ならない個所には、第2胴部22を径方向に貫通するホルダ側貫通穴28が形成されている。
【0043】
(本形態の主な効果)
以上説明したレンズユニット1において、最も物体側L1に配置された第1レンズ11は、第1レンズ面111の外周側から像側L2に向けて円筒状に突出した非レンズ部115を備えており、非レンズ部115の像側L2には、第1レンズ11を第1レンズ保持部73に固定する固定部4が設けられている。このため、第1レンズ11の物体側L1には、第1レンズ11に対する入射角度を狭める凸部が存在しない。また、レンズユニット1の物体側L1の全体が、第1レンズ11の第1レンズ面111によって構成されているため、
図2(b)に矢印W0で示すように、物体側L1から高圧水流を供給しても、第1レンズ11とレンズバレル7との間に水が侵入しない。また、シール部材5は、非レンズ部115より径方向内側で第1レンズ11とレンズバレル7との間をシールしているため、第1レンズ11の像側L2に水が回り込んでも、第1レンズ11とレンズバレル7との間に水が侵入しない。それ故、本形態によれば、第1レンズ11に対する入射角度を狭めずに、防水性を向上することができる。よって、レンズユニット1および光学装置100を車外に監視カメラ等として搭載した場合、洗車時に高水圧の洗浄水が噴射されても、レンズユニット1および光学装置100に不具合が発生しにくい。
【0044】
また、固定部4は、非レンズ部115において像側L2に向けて突出した突起115dを第1レンズ保持部73の径方向外側の端部に像側L2から重なるように加熱変形させたカシメ部115eからなる。このため、非レンズ部115の像側L2において、第1レンズ11を第1レンズ保持部73に容易に固定することができる。
【0045】
また、シール部材5は、第1レンズ11とレンズバレル7とによって径方向で挟まれたゴム製のOリング50からなる。このため、Oリングの反発力が第1レンズ11を物体側L1あるいは像側L2に押圧する力として作用しにくいので、固定部4(カシメ部115e)に負荷が加わりにくい。それ故、カシメ部115eが変形しにくい。
【0046】
また、
図1(b)に示す光学装置100において、ホルダ2の第2胴部22にはホルダ側貫通穴28が形成されているため、光学装置100の状態で物体側L1から高圧水流が吹き付けられた際にホルダ2の内側に水が侵入しても、かかる水をホルダ側貫通穴28から排出することができる。
【0048】
[実施の形態2]
図3は、本発明の実施の形態2に係るレンズユニット1の説明図であり、
図3(a)、(b)は、レンズユニット1の断面図、およびレンズユニット1を像側からみた背面図である。
図4は、本発明の実施の形態2に係るレンズユニット1における第1レンズ11とレンズバレル7との固定部の説明図であり、
図4(a)、(b)は、第1レンズ11をレ
ンズバレル7に固定する前の状態を示す説明図、および第1レンズ11をレンズバレル7に固定した後の状態を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0049】
図3に示すレンズユニット1も、実施の形態1と同様、第1レンズ11は、物体側L1に向く第1レンズ面111の外周側から像側L2に突出した非レンズ部115を備えている。本形態においても、実施の形態1と同様、非レンズ部115は円筒状に形成されており、非レンズ部115の外周面115bによって、第1レンズ11の外周面110が構成されている。また、レンズバレル7は、第2筒部72の径方向外側に第1レンズ11に像側L2で重なる第1レンズ保持部73を有しており、本形態において、第1レンズ保持部73は、第2筒部72の径方向外側で光軸Lに直交する環状のフランジ部74と、フランジ部74の径方向の途中位置から物体側L1に突出した円筒状の凸部75とを有している。このため、凸部75の外周面は、第1レンズ11の非レンズ部115の内周面115aに対して径方向で対向する段部750を構成している。ここで、第1レンズ保持部73の外径(フランジ部74の外径)は、非レンズ部115の外径と略等しく、第1レンズ保持部73は、非レンズ部115の全体に像側L2で重なっている。
【0050】
このように構成したレンズユニット1において、第1レンズ11とレンズバレル7との間にはシール部材5が配置されている。シール部材5は、ゴム製のOリング50からなり、筒状の凸部75の外周面(段部750)と第1レンズ11の非レンズ部115の内周面115aとの間に挟まれた状態にある。
【0051】
第1レンズ11の非レンズ部115の像側L2には、第1レンズ11を第1レンズ保持部73に固定する固定部4が設けられている。本形態において、固定部4は、第1レンズ11の非レンズ部115のうち、第1レンズ保持部73に像側L2から重なる部分からなる。
【0052】
より具体的には、
図4(a)に示すように、第1レンズ保持部73において非レンズ部115に像側で重なる部分には、周方向の複数個所に穴745が形成されている。本形態において、穴745は、周方向の4個所に等角度間隔に形成されている。また、第1レンズ11をレンズバレル7に固定する前の状態において、第1レンズ11の非レンズ部115の像側L2の面115cには、穴745に嵌る突起115fが形成されており、突起115fの端部115gは、穴745を貫通して第1レンズ保持部73から像側L2に突出している。従って、
図4(b)に示すように、突起115fの端部115gを加熱して変形させれば、突起115fの端部115gによって、第1レンズ保持部73の穴745の周りに像側L2から重なるカシメ部115h(固定部4)が形成される。
【0053】
このように構成したレンズユニット1においても、実施の形態1と同様、最も物体側L1に配置された第1レンズ11は、第1レンズ面111の外周側から像側L2に向けて突出した非レンズ部115を備えており、非レンズ部115の像側L2には、第1レンズ11を第1レンズ保持部73に固定する固定部4が設けられている。このため、第1レンズ11の物体側L1には、第1レンズ11に対する入射角度を狭める部位が存在しない。また、
図4(b)に矢印W0で示すように、物体側L1から高圧水流を供給しても、第1レンズ11とレンズバレル7との間に水が侵入しない。また、シール部材5は、非レンズ部115より径方向内側で第1レンズ11とレンズバレル7との間をシールしているため、第1レンズ11の像側L2に水が回り込んでも、第1レンズ11とレンズバレル7との間に水が侵入しない。それ故、本形態によれば、第1レンズ11に対する入射角度を狭めずに、防水性を向上することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0054】
また、突起115fは、第1レンズ11に対する回り止め部として機能する。従って、水圧が第1レンズ11に加わっても、第1レンズ11が光軸L周りに回転しにくい。