(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御手段は、前記事故処理の進捗状況に関する表示として、前記所定の処理段階を時系列に従って順次表示する進捗状況順次表示領域を前記表示手段に表示させるように前記表示手段の表示を制御することを特徴とする請求項1に記載の事故処理進捗状況表示システム。
前記進捗具合表示領域は、列車の運転再開時を100%とした場合に、現時点での処理の進捗状況がどの程度であるかが棒グラフ状に表示されるものであることを特徴とする請求項4に記載の事故処理進捗状況表示システム。
事故現場における処理の進捗状況に関する情報であり列車の運転再開に対する影響度の大きさに基づいて重みづけされた情報であって入力用端末装置から入力された処理状況関連情報を随時時系列的に格納する処理状況記憶機能と、
重みづけされた前記処理状況関連情報に応じて、列車の運転再開までの事故処理の進捗具合を判定する進捗具合判定機能と、
前記進捗具合判定機能により判定された前記判定結果に基づいて事故処理の進捗具合を表示する進捗具合表示領域を表示手段に表示させる表示制御機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする事故処理進捗状況表示プログラム。
前記進捗具合表示領域は、列車の運転再開時を100%とした場合に、現時点での処理の進捗状況がどの程度であるかが棒グラフ状に表示されるものであることを特徴とする請求項9に記載の事故処理進捗状況表示プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1の実施形態]
図1から
図10を参照しつつ、本発明に係る事故処理進捗状況表示システム及び事故処理進捗状況表示プログラムの第1の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0025】
図1は、本実施形態に係る事故処理進捗状況表示システム100の全体構成を示す図である。
図1に示すように、事故処理進捗状況表示システム100は、処理状況情報サーバ装置2と、処理状況情報サーバ装置2から提供される情報に基づいて表示を行う端末装置(本実施形態では社員用端末装置3)とを備えている。
処理状況情報サーバ装置2は、後述する処理状況記憶部21等に記憶されている情報等を、インターネット(TCP/IP、HTTP(Hyper Text Link Transformer Protocol)等のプロトコルに基づいて相互リンクされたネットワーク)N等を介して適宜社員用端末装置3に提供するようになっている。
【0026】
処理状況情報サーバ装置2は、プログラム記憶部20、処理状況記憶部21、特定情報抽出部22、見込み時間算出部23、進捗具合判定部24、画面生成部25、及び外部装置等と接続されるI/F26等の機能部を備えており、これらはバス27により接続されている。
以下各機能部について説明する。
【0027】
プログラム記憶部20は、コンピュータである処理状況情報サーバ装置2において各機能部が各種処理を行うためのプログラムを記憶しているものである。
本実施形態では、事故処理進捗状況の表示を行うための各種機能をコンピュータに実現させるための事故処理進捗状況表示プログラム等がプログラム記憶部20に記憶されている。
【0028】
また、本実施形態では、プログラム記憶部20には、列車の運転再開時間の予測値及び運転再開確率を算出するためのパラメータが記憶されている。パラメータは、後述する列車の運転再開時間の予測値及び運転再開確率の算出に用いられる各プロセス(処理段階、本実施形態では、後述するようにプロセスA1〜プロセスC)の完了確率を表す対数正規分布における所要時間の平均値μとその分散度を表す標準偏差σの値(
図4におけるプロセスA1〜プロセスCの項目参照)、及び運転再開までのプロセス(後述のプロセスC)において関係者Aが「現場確認プロセスの順序を変更する確率」pの値である。
これらのパラメータは、過去の事象(事故)事例を分析することにより予め得られたものである。パラメータの正確性を高めるため、パラメータを求めるための事象はできるだけ多い方が好ましい。また、このパラメータは随時新しいものに更新されることが好ましく、新たに事象が発生した場合には、当該事例を分析した結果を随時パラメータに反映させていくことが好ましい。
【0029】
なお、事象の発生区分(事故の発生場所等の別)等の属性によって所要時間の平均値に大きく差が生じるような場合もあることから、過去の事象を分析する際には、発生区分等の属性によって事象を分類し、属性による差異がある場合には、属性ごとにパラメータを設定することが好ましい。
例えば、事象の発生区分(事故の発生場所等の別)が駅の業務形態の差異によって所要時間の平均値に大きな差が生じる場合には、各プロセスについてそれぞれこれら3種類の発生区分に応じた3種類のパラメータを用意する。
また、運転再開までのプロセス(後述のプロセスC)については、現場確認の有無に応じたケース(C−1及びC−2のケース)現場確認現場確認現場確認とでそれぞれ異なるパラメータが用意される(
図4におけるプロセスCの項目参照)。
【0030】
処理状況記憶部21は、事象発生現場における処理の状況に関する情報である処理状況関連情報を随時文字情報として蓄積するものである。
処理状況情報サーバ装置2は、I/F26を介して外部装置から処理状況関連情報等の情報を受け取るとともに処理状況記憶部21に処理状況関連情報を記憶させる。
なお、本実施形態において、事象とは、列車の駅や駅間で発生した事故を意味する。
事故(事象)が発生すると、当該事故の発生場所及び発生時刻等の情報が輸送指令室に無線等により報告される。事故の発生が報告されると、輸送指令室では、輸送指令員が、この情報(すなわち、処理状況関連情報)を無線等により社員(例えば駅構内に配置されて列車利用者の対応にあたる駅社員等)に音声で伝達するとともに、入力用端末装置10において入力処理を行う。そして、処理状況関連情報は文字情報として処理状況情報サーバ装置2に送信される。
【0031】
処理状況関連情報として文字情報化される情報は、事故現場における処理状況にかかわる情報を広く含んでいる。具体的には、例えば事故の発生時刻、事故が発生した線区や事故発生現場を示す位置情報(事故が駅構内で発生した場合には当該駅、事故が駅と駅の間で発生した場合にはどことどこの駅間であるか等)、列車の運行にかかわる社員の現場への到着時間や関係者への連絡時間、関係者の現場到着時間、線路外への退避活動の開始時間や終了時間、現場確認の有無、事故発生当時の天候等、100項目近い情報が処理状況関連情報に含まれている。
なお、本実施形態において、各線区や駅、駅間の位置情報等はコード化されており、処理状況関連情報は、これらを示すコードが事故の発生場所を特定する情報として付帯された状態で送信される。
なお、処理状況関連情報を文字情報化する入力処理は、輸送指令室の輸送指令員が行う場合に限定されない。例えば、輸送指令室から委託を受けた者(例えば外部業者等)が入力処理を担当し、処理状況関連情報を文字情報化して処理状況情報サーバ装置2に送信してもよい。
【0032】
本実施形態では、処理状況関連情報は、列車の運転再開に対する影響度の大きさに基づいてそれぞれ重みづけされており、処理状況記憶部21には、当該重み付け情報が付帯された状態で処理状況関連情報が記憶されている。
重みづけの手法は特に限定されず、社員の経験に基づいて設定される値であってもよい。また、過去の事象のデータから、処理状況関連情報に含まれる各項目が列車の運転再開に及ぼした影響を分析し、過去の複数のデータに基づく客観的な重みづけがなされていてもよい。この場合、新たに事象が発生した場合には、当該事例を分析した結果を反映させて、重みづけの値を随時更新していくことが好ましい。
【0033】
特定情報抽出部22は、処理状況記憶部21に記憶されている処理状況関連情報の中から列車の運転再開に対する影響度の大きい所定の処理段階(プロセス)の進捗状況に関する特定段階関連情報を抽出するものである。
前述のように輸送指令室に集約されて処理状況情報サーバ装置2に送信される処理状況関連情報には、100項目近い情報が含まれている。事故処理進捗状況表示システム100は、これらの処理状況関連情報に基づいて列車の運転再開に向けた事故処理の進捗状況を表示手段30に表示させるものであるが、処理状況関連情報の中には、事故後の列車の運転再開に大きく影響するものとそれほど影響しないものとがある。社員(駅社員等)の社員用端末装置3に事故の進捗状況を表示させる場合、多岐にわたる情報をすべて表示させると画面が見づらくなり、また、事故処理の流れが把握しづらくなって、かえって社員の混乱を招くおそれもある。このため、社員用端末装置3には、事故処理の進捗状況を把握するのに必要十分な情報に絞って表示させた方が分かり易く、好ましい。
そこで、本実施形態では、処理状況記憶部21に記憶されている処理状況関連情報のうち運転再開に大きく影響する所定の処理段階を予め定めておき、特定情報抽出部22により、当該所定の処理段階の進捗状況に関する情報である特定段階関連情報を処理状況関連情報の中から抽出する。
【0034】
本実施形態においては、特定情報抽出部22は、特定段階関連情報として、「現場責任者の現地への到着」「関係者Aの現地への到着」「関係者Bの現地への到着」「作業車の現地への到着」「線路外への退避完了」「車両点検終了」「現場確認の終了」「物品探索等の終了」「一部運転再開」「最終的な安全確認」「全面運転再開」に関する情報(すなわちこれらの時刻情報)を抽出する。
なお、特定情報抽出部22によって抽出される情報はここに挙げたものに限定されない。これよりも少ない項目であってもよいし、これ以外の情報が含まれていてもよい。
【0035】
見込み時間算出部23は、処理状況記憶部21に記憶される処理状況関連情報に基づいて、列車の運転が再開される確率(運転再開確率)を算出する。
本実施形態において運転再開確率とは、事象(事故)発生時(すなわち「0」時点)から現在までの経過時間をt
0、経過時間t
0後の時刻をT
0としたとき、Tに運転が再開されていない場合に、T
0からの経過時間t以内に運転が再開される条件付き確率をいう。
また、見込み時間算出部23は、処理状況関連情報に基づいて列車の運転再開時間の予測値(見込み時間)を算出するものである。
なお、前述のように、処理状況関連情報の中には、事故後の列車の運転再開に大きく影響するものとそれほど影響しないものとがある。この点、影響の少ない項目についても運転再開確率及び運転再開時間の予測値を算出する式を構成する項目に含めてしまうと、サンプル数が減少し、かえって正確な値を導き出すことが難しくなる。
そこで、本実施形態では、事象(事故)発生から運転再開までの各処理段階(以下のおいて「プロセス」ともいう。)のうち、時刻等の情報を入手することが可能であり(すなわち、処理状況関連情報として処理状況記憶部21に記憶されているものであり)、かつ特に運転再開時間に大きく影響を与える主たる処理段階(プロセス)の情報を抽出し、見込み時間算出部23は、抽出された項目について所定の公式に当てはめることにより列車の運転再開確率及び運転再開時間の予測値を算出する。
なお、公式に当てはめる項目は、特定情報抽出部22によって抽出された項目であってもよいが、本実施形態では、さらに項目を絞り込み、「事故の発生場所(発生区分)」「現場責任者の現地への到着時間」「関係者Aの現地への到着時間」「関係者Bの現地への到着時間」「線路外への退避完了時間」「現場確認の終了時間」「運転再開時間」とする。また、処理の流れを分ける要素として「現場確認の有無」と「現場確認の方法(すなわち、現場確認を他の作業より先に行うか、後に行うか)」を考慮する。
【0036】
図2は、本実施形態において公式に当てはめる項目として抽出された各処理段階(プロセス)の位置づけと、それぞれの所要時間の基準時刻を時系列に沿って模式的に示した説明図である。
事象(事故)が発生すると、事象発生の通報を受けて、まず現場責任者が現地に到着し、次に関係者Aが現地に到着し、さらに関係者Bが現地に到着し、線路外への退避活動が行われる。そして、線路外への退避が完了し、さらに現場確認を行った場合にはこれが終了した後に、列車の運転が再開される。
本実施形態では、
図2に示すように、現場責任者の到着までをプロセスA1とし、関係者Aの到着までをプロセスA2とし、関係者Bの到着までをプロセスA3としている。また、線路外への退避完了までをプロセスB1とし、現場確認の終了までをプロセスB2とし、列車の運転再開までをプロセスCとしている。
【0037】
各プロセスの所要時間及びその基準となる時刻(
図2において「基準時刻」)は下記の通りである。
プロセスA1(現場責任者の到着まで)の所要時間は、事象発生時刻を基準時刻(すなわち「0」)とし、現場責任者が到着するまでの時間を分単位で表した時間とする。
プロセスA2(関係者Aの到着まで)の所要時間は、事象発生時刻を基準時刻(すなわち「0」)とし、最初に関係者Aが到着するまでの時間を分単位で表した時間とする。
プロセスA3(関係者Bの到着まで)の所要時間は、事象発生時刻を基準時刻(すなわち「0」)とし、関係者Bが到着するまでの時間を分単位で表した時間とする。
また、プロセスB1(線路外への退避完了まで)の所要時間は、現場責任者が到着した時刻(すなわち、プロセスA1の完了時)を基準時刻(すなわち「0」)とし、線路外への退避が完了するまでの時間を分単位で表した時間とする。
また、プロセスB2(現場確認の終了まで)の所要時間は、最初に関係者Aが到着した時刻(すなわち、プロセスA2の完了時)を基準時刻(すなわち「0」)とし、現場確認が終了するまでの時間を分単位で表した時間とする。
プロセスC(列車の運転再開まで)の所要時間は、現場確認の有無及び現場確認の方法によって異なり、現場確認無しの場合、又は現場確認を列車の運行を止めずに実施する場合については、関係者Bの到着(すなわち、プロセスA3の完了)と線路外への退避の完了(すなわち、プロセスB1の完了)という2つの条件がともに満たされた時刻を基準時刻(すなわち「0」)とし、運行が再開されるまでの時間を分単位で表した時間である。また、列車の運行を止めて現場確認を行い、現場確認の終了後に列車の運行を再開する場合については、関係者Bの到着(すなわち、プロセスA3の完了)、線路外への退避の完了(すなわち、プロセスB1の完了)、現場確認の終了(すなわち、プロセスB2の完了)という3つの条件がすべて満たされた時刻を基準時刻(すなわち「0」)とし、運転再開するまでの時間を分単位で表した時間をプロセスCの所要時間とする。
【0038】
そして、事象(事故)発生からt
0分後の状態として理論上考えられる各処理段階(プロセス)の組み合わせである状態パターンを作成する。すなわち、「A1」「A2」「A3」「B1」「B2」「C」の各プロセスで、理論上考えられる「(プロセス)完了」又は「(プロセス)未完了」の状態の組み合わせパターンを作成する。結果的に、状態パターンとしては、状態1〜状態19のパターンが考えられる。
本実施形態では、前述の各項目(すなわち、「事故の発生場所(発生区分)」「現場責任者の現地への到着時間」「関係者Aの現地への到着時間」「関係者Bの現地への到着時間」「線路外への退避完了時間」「現場確認の終了時間」「運転再開時間」「現場確認の有無」及び「現場確認の方法」)を説明変量とし、上記の各状態パターンごとに運転再開確率及び運転再開時間の予測値を算出する公式を作成した。
【0039】
図3に、各項目の公式中における変数名と変数の型、変数の値の対応を示す。
図3に示すように、「事象の発生場所(
図3において「発生区分」)」の変数名は「k」であり、変数の値は、例えば、事象の発生場所に応じて「1」〜「6」の値が割り当てられる。
また、「現場責任者到着時間」の変数名は「t
A1」であり、変数の値は、事象発生からの経過時間(分)である。同様に、「関係者A到着時間」の変数名は「t
A2」であって、変数の値は、事象発生からの経過時間(分)であり、「関係者B到着時間」の変数名は「t
A3」であって、変数の値は、事象発生からの経過時間(分)であり、「線路外への退避完了時間」の変数名は「t
B1」であって、変数の値は、事象発生からの経過時間(分)であり、「現場確認終了時間」の変数名は「t
B2」であって、変数の値は、事象発生からの経過時間(分)であり、「運転再開時間」の変数名は「t
C」であって、変数の値は、事象発生からの経過時間(分)である。
また、「現場確認有無」の変数名は「i
1」であって、変数の値は、現場確認が無い場合には「1」、現場確認が有る場合には「2」となる。
さらに、「現場確認方法」の変数名は「i
2」であって、変数の値は、現場確認方法として、作業方法Aを採用する場合には「1」、作業方法Bを採用する場合には「2」となる。
なお、変数の型はいずれの項目についても整数となっている。
【0040】
図4は、各処理段階(すなわち、「プロセスA1」「プロセスA2」「プロセスA3」「プロセスB1」「プロセスB2」「プロセスC」)についての確率密度と累積確率を算出する式を示したものである。
また、
図5(a)及び
図5(b)は、時間の経過に伴う確率密度と累積確率の変化を示すグラフの一例を示したものである。
ここで、確率密度とは、時刻tに各プロセスが完了する確率であり、累積確率とは、時刻t以内に各プロセスが完了する確率である。
図5(a)に示すように、確率密度f(t)は、処理開始時点から所定の時間が経過した時点でピークをもつ。また、
図5(b)に示すように、累積確率F(t)は、処理開始時から時間が経過するにしたがって徐々に確率が上昇し、一定時間が経過すると100%に達する。
【0041】
上述のように、実際に事象が発生した場合には、各処理段階(プロセスA1〜プロセスC)が連続的、並行的又は選択的に行われ、事故発生から列車の運転再開に至るまでにあり得る状況(状態パターン)としては、前述した状態1〜状態19が考えられる。このうち、状態1については、すでに列車の運転が再開されている状態であるため、運転再開確率及び運転再開時間の予測値を算出する必要がない。
このため、本実施形態では、列車の運転再開確率及び運転再開時間の予測値を算出するために、上記の状態2〜状態19に対応した18個の公式を用意しており、見込み時間算出部23は、まず現在の状態が前述のいずれの状態パターンに当たるかを判断し、各状態パターンに応じて用意されている公式に必要項目を代入することで運転再開確率及び運転再開時間の予測値を算出する。
【0042】
ここで、以下に状態2〜状態19に対応する公式(式1〜式18)を示す。
以下の式1〜式18は、状態2〜状態19における運転再開確率を算定するための公式であり、式1は状態2、式2は状態3、式3は状態4、…式18は状態19にそれぞれ対応している。
これらの式を用いることによって、事象(事故)の発生時刻から現在までの経過時間t
0にプロセスCが完了していないとき、事象(事故)の発生時刻からt分以内にプロセスCが完了する条件付き累積確率F(t|t
0)を求めることができる。
【数1】
…式1
【数2】
…式2
【数3】
…式3
【数4】
…式4
【数5】
…式5
【数6】
…式6
【数7】
…式7
【数8】
…式8
【数9】
…式9
【数10】
…式10
【数11】
…式11
【数12】
…式12
【数13】
…式13
【数14】
…式14
【数15】
…式15
【数16】
…式16
【数17】
…式17
【数18】
…式18
【0043】
上記のような運転再開確率を算定するための式1〜式18によって各状態2〜19における、事象(事故)発生時刻からt分以内にプロセスCが完了する条件付き累積確率が求められる。
図6(a)は、累積確率を表したものであり、
図6(b)は、条件付き累積確率を表したものである。
そして、この求められた条件付き累積確率を用いて、下記の式19により、0<t≦t_maxの各tについてf(t|t
0)を求める。なお、tの最大値t_max(分)は適宜設定可能である。
【数19】
…式19
【0044】
次に、f(t|t
0)の1次モーメント(期待値)E(X)を以下の式20により算出し、運転再開時間の予測値とする。
【数20】
…式20
但し、E(X)はある瞬間の時刻であるため、この瞬間に実際に運転再開する確率は非常に低い。そこで、本実施形態では、運転再開が予想される時間をある一定の幅を持って示すようにする。この時間幅の下限をminT、上限をmaxTとする。
【0045】
事象発生時刻を0としたとき、時刻t
0にはまだ運転再開していないときに時刻0からE(X)までに運転再開する確率は、下記式21に示す通りである。
【数21】
…式21
【0046】
また、同様に、時刻t
0にはまだ運転再開していないときに時刻E(X)から時刻t_max(t_maxは確率計算を行う最大値)までに運転再開する確率は、下記式22に示す通りである。
【数22】
…式22
【0047】
このとき、予測時間幅の範囲内に確率pで実際に運転再開するように予測時間幅の下限minT、及び上限maxTを定める。
具体的には、下限minTは、下記式23を満たす値である。
【数23】
…式23
【0048】
同様に、上限maxTは、下記式24を満たす値である。
【数24】
…式24
図7は、運転再開時間の予測値E(X)、予測範囲の下限(minT)及び予測範囲の上限(maxT)をグラフ上に表したものである。
図7では、運転再開時間の予測値E(X)が17時50分であり、予測範囲の下限(minT)が17時40分であり、予測範囲の上限(maxT)が18時10分である場合を例示している。
【0049】
以上のような公式を用いることにより、見込み時間算出部23は、列車の運転再開確率と、列車の運転再開時間についての予測値E(X)及びその前後のある程度の幅を持った予測範囲(minT〜maxT)を算出する。
見込み時間算出部23による算出結果は処理状況記憶部21等に記憶される。
【0050】
進捗具合判定部24は、処理状況記憶部21に記憶される処理状況関連情報に応じて、列車の運転再開までの事故処理の進捗具合を判定するものである。
前述のように、本実施形態では、、処理状況記憶部21に記憶されている処理状況関連情報には、列車の運転再開に対する影響度の大きさに基づいて設定された重み付け情報が付帯されている。進捗具合判定部24は、この重みづけされた処理状況関連情報に応じて進捗具合の判定を行う。
【0051】
具体的には、本実施形態の進捗具合判定部24は、列車の運転再開時を100%とした場合に、現時点での処理の進捗具合が何%程度であるかを判定する。
列車の運転再開に対する影響度の大きな項目については、たとえ1項目でも完了すると、進捗具合判定部24は、進捗具合が大きく進展したと判定する。逆に、列車の運転再開に対する影響度の小さな項目については、複数項目完了しても、進捗具合判定部24は、進捗具合にあまり変化がないと判定する。
例えば、事故処理のプロセスの内、「関係者Aの現場への到着」の項目についての重みづけが「関係者Bの現場への到着」の項目についての重みづけの2倍高い場合を例とすると、例えば○○線区の駅構内において事故が発生した場合に、事故処理のプロセスの内、社員の現場への到着、関係者Bの現場への到着は完了しているが、関係者Aが到着していない場合と、社員の現場への到着、関係者Aの現場への到着は完了しているが、関係者Bが到着していない場合とでは、2つの項目について処理が完了していることは同じであっても、進捗具合判定部24は、後者の場合よりも前者の場合の進捗具合の方を低く判定する(例えば、前者の場合には進捗具合を8%と判定し、後者の場合には15%とする等。)。
【0052】
なお、進捗具合判定部24が進捗具合の判定に用いる項目は特に限定されない。処理状況記憶部21に記憶される処理状況関連情報の全てを参照して判定を行ってもよいし、処理状況関連情報のうち、特に列車の運転再開を左右する所定の項目のみを抽出して参照し、判定を行ってもよい。また、進捗具合判定部24は、特定情報抽出部22によって抽出される特定段階関連情報を参照して進捗具合の判定を行ってもよい。
進捗具合判定部24による判定結果は、処理状況記憶部21に記憶される。
なお、事故処理が進むにつれて処理が完了した項目が増えていき、事故処理の進捗具合は変化していく。このため、進捗具合判定部24は、随時最新の情報に基づいて判定処理を行い、新たな判定が行われると処理状況記憶部21に記憶される判定結果が更新されるようになっている。
【0053】
画面生成部25は、文字情報として蓄積されている処理状況関連情報や見込み時間算出部23による算出結果、進捗具合判定部24による判定結果等、処理状況記憶部21に記憶されている情報から、社員用端末装置3の表示手段30の表示画面を構成する画像データを生成する。
なお、社員用端末装置3に導入されているアプリケーション側のプログラムにより所定の情報から表示画面を構成することができる場合には、画面生成部25において表示画面用の画像データを生成する必要はない。
【0054】
本実施形態では、画面生成部25は、処理状況記憶部21に記憶されている処理状況関連情報のうち運転再開に大きく影響する所定の処理段階に関する情報として特定情報抽出部22によって抽出された特定段階関連情報に基づいて、事故処理の進捗状況に関する表示を行う表示画面を構成する画像データを生成する。
具体的には、画面生成部25は、事故処理の進捗状況に関する表示として、まず、所定の処理段階を時系列に従って順次表示させる進捗状況順次表示用の画像データを生成する。
進捗状況順次表示とは、事故発生後、列車の運転が再開されるまでの各種の段階の内、処理が完了した段階(ステップ)を表示画面上に順次表示させるものである。
進捗状況順次表示画面(
図8の進捗状況順次表示領域33参照)の構成は、特に限定されないが、例えば、ある段階(ステップ)について処理が完了すると、当該完了したステップが表示画面上に表示され、新しく処理が完了する度に、当該処理の項目を過去に処理された項目の上に表示さていく。このように表示させることで、表示画面の下方ほど前に処理が完了した項目であり、上に行くほど新しく処理が完了された項目となる。
なお、進捗状況順次表示として表示される項目は特定情報抽出部22によって抽出された特定段階関連情報に含まれる項目である。特定段階関連情報に含まれる項目すべてが表示する対象となってもよいし、一部のみを表示の対象としてもよい。
【0055】
また、画面生成部25は、事故処理の進捗状況に関する表示として、所定の処理段階の進捗状況に関わる項目を列挙表示させる進捗状況列挙表示用の画像データを生成する。
進捗状況列挙表示とは、事故発生後、列車の運転が再開されるまでの各種の段階(ステップ)をSTEP情報として表示画面上に列挙表示させるものである。
なお、進捗状況順次表示と同様に、進捗状況列挙表示として表示される項目は特定情報抽出部22によって抽出された特定段階関連情報に含まれる項目である。特定段階関連情報に含まれる項目すべてが表示する対象となってもよいし、一部のみを表示の対象としてもよい。進捗状況列挙表示として表示される項目は進捗状況順次表示として表示される項目と同じであってもよいし、これよりも絞り込んだ少ない項目であってもよい。
本実施形態では、特定段階関連情報に含まれる項目のうち、特に列車の運行再開に大きく影響する項目を10個選択し(すなわち、「現地に責任者到着」(STEP1)、「現地に関係者到着」(STEP2)、「現地に作業車到着」(STEP3)、…「最終的な安全確認」(STEP9)、「全面的運転再開」(STEP10)の10項目)、これをSTEP情報として進捗状況列挙表示画面(
図8の進捗状況列挙表示領域34参照)に列挙表示させる場合を例示する。
なお、ここに挙げたSTEP情報は一例であり、他の項目が含まれていてもよいし、これよりも少ない項目であってもよい。
【0056】
また、画面生成部25は、進捗具合判定部24により判定された判定結果に基づいて事故処理の進捗具合を表示させる表示画面用の画像データを生成する。
本実施形態において進捗具合は、列車の運転再開時を100%とした場合に、現時点での処理の進捗状況がどの程度であるかを%と棒グラフとにより表示される(
図8の進捗具合表示領域35参照)。画面生成部25は、進捗具合判定部24の判定結果に基づいて、棒グラフ状の表示画面の画像データを生成する。
また、運転再開見込み時間や運転再開確率を示す表示の他、発生した事故に関する基本的な情報(事故発生場所、事故の種類、発生時刻等)等を表示する表示画面の画像データについても、画面生成部25によって生成される画像データに含まれる。
【0057】
社員用端末装置3(
図1では、3台の社員用端末装置3を図示)は、例えば携帯電話機やタブレット型の端末装置等であり、各社員(例えば駅社員等)にそれぞれ付与されている。
社員用端末装置3は、通信機能を備え、インターネットN等を介して外部装置(例えば、処理状況情報サーバ装置2)との間で、無線方式にて随時情報の送受信が可能に構成されている。
社員用端末装置3は、処理状況情報サーバ装置2との間で無線方式にて通信を行うことにより、社員用端末装置3がどこにあっても(例えば、社員の休憩場所等)、処理状況情報サーバ装置2から事故処理に関する処理状況関連情報に基づくデータの配信を受けることができる。
なお、情報通信の手法はこれに限定されず、例えば社員用端末装置3を充電用のクレードル等にセットすることでケーブル等を介して通信を行うことができてもよい。
【0058】
社員用端末装置3は、液晶パネル等で構成された表示手段30を備えている。
本実施形態において、表示手段30はタッチパネル式の表示装置であり、表示画面をタッチ操作することでスクロール表示等を行うことが可能に構成されている。
また、社員用端末装置3は、表示手段30の表示を制御する表示制御手段31(
図1参照)を備えている。
表示制御手段31は、処理状況情報サーバ装置2の画面生成部25によって生成された表示用の画像データに基づいて事故処理状況に関する情報を表示する画面等を表示させ、また、適宜表示を切り替えるように表示手段30の表示を制御する。
【0059】
本実施形態では、表示制御手段31は、事故処理の進捗状況に関する表示として、所定の処理段階を時系列に従って順次表示する進捗状況順次表示領域33(
図8参照)を表示手段30に表示させるように表示手段30の表示を制御する。
また、表示制御手段31は、進捗状況順次表示領域33がタッチ操作されることでスクロール表示させるように表示手段30の表示を制御する。
また、表示制御手段31は、事故処理の進捗状況に関する表示として、所定の処理段階の進捗状況に関わる項目を列挙表示する進捗状況列挙表示領域34(
図8参照)を表示手段30に表示させるとともに、処理状況情報サーバ装置2から提供される特定段階関連情報に基づき、処理が終了した項目について反転表示させるように進捗状況列挙表示領域34の表示を切り替えるように表示手段30の表示を制御する。
また、表示制御手段31は、進捗具合判定部24により判定された判定結果に基づいて事故処理の進捗具合を表示する進捗具合表示領域35(
図8参照)を表示手段30に表示させるように表示手段30の表示を制御する。
さらに、表示制御手段31は、見込み時間算出部23によって算出された列車の運転再開時間の予測値を表示する見込み時間表示領域32(
図8参照)を表示手段30に表示させるように表示手段30の表示を制御する。
また、表示制御手段31は、見込み時間算出部23によって算出された所定の幅を有する時間を見込み時間表示領域32に表示させる。
また、表示制御手段31は、見込み時間算出部23によって算出された確率を見込み時間表示領域32に表示させる。
【0060】
図8は、画面生成部25によって生成された表示用の画像データに基づく運転再開見込み情報の表示画面が、上記表示制御手段31の制御により社員用端末装置3の表示手段30に表示された場合の表示画面例を示した図である。
図8に示すように、運転再開見込み情報の表示画面には、事故の発生場所、事故の種類、発生時刻といった事故に関する基本的な情報が表示される。
また、表示手段30には、見込み時間算出部23によって算出された列車の運転再開時間の予測値や、列車の運転再開確率を表示させる見込み時間表示領域32が表示される。
図8では、○○線の△△駅構内で17時に事故が発生した場合の運転再開見込み情報の表示画面を例示している。
見込み時間表示領域32には、見込み時間算出部23によって算出された予測値である17時50分が運転再開見込み時間として表示されている。また、本実施形態の見込み時間表示領域32には、見込み時間算出部23によって算出された所定の幅を有する予測範囲と、当該範囲内の時間に列車の運転が再開される確率が合わせて表示される。
図8では、予測範囲として17時40分から18時10分までの時間が示され、この時間内に列車の運転が再開される確率が80%であることが表示されている。
【0061】
また、表示手段30には、事故処理の進捗状況に関する表示として、所定の処理段階を時系列に従って順次表示させる進捗状況順次表示領域33が表示される。
図8に示すように、本実施形態の進捗状況順次表示領域33は、時系列の古いものが一番下に表示され、新たな処理が行われ処理状況関連情報が更新されると、当該新たな処理段階(項目)が順にその上に表示されていく。
すなわち、例えば17時5分に「現地に社員が向っている」との処理段階(項目)が表示され、その後17時11分に「現地に責任者が到着」との新たな処理が行われ処理状況関連情報が更新されると、「現地に社員が向っている」との項目の上に当該「現地に責任者が到着」との処理段階(項目)が表示される。同様に、17時17分に「現地に関係者が到着」との新たな処理が行われ処理状況関連情報が更新されると、「現地に責任者が到着」との項目の上にさらに「現地に関係者が到着」との処理段階(項目)が表示される。このように、進捗状況順次表示領域33は、常に最新の項目が一番上に表示されるようになっている。これにより、進捗状況順次表示領域33を見ることで、17時17分現在の最新の状況において、現地に関係者が到着している段階であることがわかる。
【0062】
なお、本実施形態では、進捗状況順次表示領域33は、表示画面をタッチ操作することでスクロール表示させることが可能に構成されている。
時間の経過に伴って、進捗状況順次表示領域33に表示される処理段階(項目)が増えていき、表示画面内に全ての項目が収まらなくなったときには、時間の古いもの(すなわち、進捗状況順次表示領域33の一番下に表示されている項目)から順に表示画面から消えていくが、画面をタッチしてスクロールさせることによって表示画面から消えた古い項目を再び画面上に表示させることができる。
【0063】
また、表示手段30には、事故処理の進捗状況に関する表示として、所定の処理段階の進捗状況に関わる項目を列挙表示する進捗状況列挙表示領域34が表示される。
図8では、「現地に責任者到着」(STEP1)、「現地に関係者到着」(STEP2)、「現地に作業車到着」(STEP3)、…「最終的な安全確認」(STEP9)、「全面的運転再開」(STEP10)の10項目がSTEP情報として進捗状況列挙表示領域34に列挙表示される場合を例示している。
【0064】
表示制御手段31は、処理状況情報サーバ装置2から提供される特定段階関連情報に基づいて、処理が終了した項目について反転表示させるように進捗状況列挙表示領域34の表示を切り替えるようになっている。
この場合、表示の色等は特に限定されない。例えば、処理が終了していない項目を白色で表示させ、処理が終了した項目を灰色や赤色で表示させてもよいし、処理が終了した項目を網掛け表示させてもよい。
図8では、既に処理が終了している「現地に責任者到着」(STEP1)及び「現地に関係者到着」(STEP2)の項目が網掛け表示され、それ以外の未処理の項目が白抜き表示されている場合を例示している。
【0065】
また、表示手段30には、進捗具合判定部24により判定された判定結果に基づいて事故処理の進捗具合を表示させる進捗具合表示領域35が表示される。
本実施形態において、進捗具合表示領域35は、
図8に示すように、列車の運転再開時を100%とした場合に、現時点での処理の進捗状況がどの程度であるかを棒グラフ状に表したものである。図示例では、棒グラフ状の表示の他、文字による%表示を並べて表示させている。
なお、進捗具合表示領域35は、表示を見る者に事故処理の進捗具合を直感的に伝えることのできるものであればよく、その表示のさせ方は図示例に限定されない。進捗具合表示領域35の表示は、例えば、円グラフ状の表示としてもよいし、進捗具合が上がるにしたがって色が変化するような表示としてもよい。
【0066】
その他、表示手段30の表示画面上には、初期画面等に戻るための「戻るボタン36」や表示画面の表示を最新のものに更新するための「情報更新ボタン37」等が設けられている。
なお、表示手段の30に表示される内容や表示画面のレイアウト等は、図示例に限定されない。
また、見込み時間表示領域32、進捗状況順次表示領域33、進捗状況列挙表示領域34、進捗具合表示領域35の配置や大きさ等のレイアウトは、社員用端末装置3のユーザが自由にカスタマイズすることが可能に構成されていてもよい。
【0067】
次に、本実施形態における事故処理進捗状況表示システムの作用について説明する。
【0068】
まず、事象(事故)が発生すると、当該情報が事故発生現場から輸送指令室に伝えられる。
輸送指令室の輸送指令員は、各所の社員(例えば駅社員等)に無線通信等を介して音声により事故の発生等の情報を連絡する他、入力用端末装置10により、事故の発生時間、発生場所、事故発生の第一報が連絡された時間等の処理状況関連情報を入力処理し、文字情報化する。文字情報化された処理状況関連情報は、随時処理状況情報サーバ装置2に送信され、処理状況記憶部21に記憶される。
事故現場からは、その後も随時事故処理の進捗状況に関する情報が輸送指令室に伝えられ、輸送指令室に伝えられた処理状況関連情報は入力用端末装置10において入力処理され、文字情報化されて随時処理状況情報サーバ装置2に送信されて処理状況記憶部21に随時格納される。
このとき、処理状況関連情報には、列車の運行再開に対する影響度の大きさに基づいてそれぞれ重みづけ情報が付帯される。この重みづけ処理は入力処理を行う輸送指令員によって行われてもよいし、過去に発生した類似の事故処理を分析することにより処理段階(プロセス)ごとに重みづけの値を予め規定しておき、当該規定された重みづけが処理段階(プロセス)に応じて自動的に付帯されてもよい。重みづけされた処理状況関連情報は処理状況記憶部21に記憶、蓄積される。なお、この処理状況関連情報への重みづけ処理は、処理状況情報サーバ装置2に送信された後に、処理状況情報サーバ装置2内において自動的に行われてもよい。
【0069】
画面生成部25は、処理状況記憶部21に記憶された処理状況関連情報に基づいて事故の発生場所や発生時間等の基本情報を表示させる画面を生成し、画面生成部25によって生成された画像データはインターネットNを介して、各社員用端末装置3に配信される。
また、事故処理が開始され、処理状況記憶部21に処理状況関連情報が蓄積されていくと、特定情報抽出部22によって処理状況関連情報の中から列車の運転再開に対する影響度の大きい所定の処理段階の進捗状況に関する特定段階関連情報が抽出される。
画面生成部25は、特定情報抽出部22によって抽出された特定段階関連情報に基づいて、表示手段30に進捗状況順次表示領域33を表示させるための画像データ、進捗状況列挙表示領域34を表示させるための画像データを生成し、生成された画像データを順次職員用端末装置3に送信する。
さらに、進捗具合判定部24は、重みづけされた処理状況関連情報に基づいて、事故処理の進捗具合を判定する。進捗具合判定部24による判定は、随時最新の情報に基づいて繰り返し行われる。画面生成部25は、進捗具合判定部24による判定結果に基づき、棒グラフ状の表示とパーセンテージを示す文字情報からなる進捗具合表示領域35を表示手段30に表示させるための画像データを生成し、生成された画像データを順次社員用端末装置3に送信する。
社員用端末装置3の表示制御手段31は、処理状況情報サーバ装置2から送られる情報に基づいて、表示手段30に適宜最新の情報に基づく表示画面を表示させる。
【0070】
また、見込み時間算出部23は、処理状況記憶部21に記憶された処理状況関連情報に基づいて列車の運転再開時間の予測値及び運転再開確率等を算出する。
図9及び
図10を参照しつつ、本実施形態における列車の運転再開時間の予測値及び運転再開確率等の算出処理について詳細に説明する。
図9は、見込み時間算出部23が行う処理の全体の流れを示すフローチャートである。
図9では、見込み時間算出部23は、事象(事故)発生からt
0分後にまだ列車の運転が再開されていない場合において、時刻tに運転再開する確率を算定するとともに、運転再開の予測時間(予測値)を算出する場合について示している。
図9に示すように、見込み時間算出部23は、まず、予測値を算出するためのパラメータを読み込む(ステップS1)。なお、パラメータが事象(事故)の属性ごとに設定されている場合には、当該事故の属性と合致するパラメータを選択する。
次に、発生した事象(事故)に関する各種データ(事象データ)と運転再開時刻の予測を行う時刻である現在の時刻t
0(すなわち、事象(事故)発生からの経過時間、単位は分)を読み込む(ステップS2)。
そして、見込み時間算出部23は、各プロセスA1〜Cが終了しているか否かの終了判定を行う。すなわち、各プロセスについての入力データの値(tA1、tA2、tA3、tB1、tB2、tC)と現在時刻t
0とを比較し各プロセスが終了しているか否かを判定する(ステップS3)。
さらに、見込み時間算出部23は、各プロセスの終了状態、現場確認の有無、現場確認の方法(すなわち、列車の運行を止めずに実施するか、列車の運行を停止して実施するか)を参照して、時刻t
0分後の状態が状態パターン(すなわち、状態1〜状態19)のいずれに該当するかを判定する(ステップS4)。
【0071】
ここで、
図10を参照しつつ、見込み時間算出部23による状態判定処理(
図9におけるステップS4)の流れを具体的に説明する。
図10は、各時点における状態がいずれの状態パターンに当てはまるかの判断処理を示すフローチャートである。
【0072】
図10に示すように、プロセスCが終了している場合(ステップS11)には、すでに列車の運転が再開されている場合を意味するため、
図10における状態1(前述の状態パターンの状態1)にあたり、運転再開時間の予測は不要である。プロセスCが未了の場合にはプロセスA3が終了しているか否かを判断し(ステップS12)、プロセスA3が終了している場合には、さらに、現場確認の有無(i
1)と方法(i
2)を判断する(ステップS13)。ここで、未だ現場確認の有無(i
1)と方法(i
2)について情報がない場合には、見込み時間算出部23は、パラメータp(すなわち、関係者Bが現場確認しない又は列車の運行を止めずに現場確認を実施する確率pの値)を用いて判断を行う。そして、現場確認が無い(i
1=1)か、又は現場確認を列車の運行を止めずに行う場合(i
2=1)には、プロセスB1が終了しているか否かを判断し(ステップS14)、プロセスB1が終了している場合(ステップS11)には、
図10における状態2にあたると判断する。これに対して、プロセスB1が終了していない場合には、見込み時間算出部23は、さらにプロセスA1が終了しているか否かを判断し(ステップS15)、プロセスA1が終了している場合には、
図10における状態3にあたり、終了していない場合には、状態4にあたると判断する。
また、ステップS13において、現場確認があり(i
1=2)、かつ現場確認が終了するまで列車の運行を止める場合(i
2=2)には、見込み時間算出部23は、プロセスB1が終了しているか否かを判断し(ステップS16)、プロセスB1が終了している場合には、さらにプロセスB2が終了しているか否かを判断する(ステップS17)。プロセスB2が終了している場合には、
図10における状態5にあたり、終了していない場合には、状態6にあたると判断する。
これに対して、ステップS16においてプロセスB1が終了していない場合には、見込み時間算出部23は、さらにプロセスB2が終了しているか否かを判断し(ステップS18)、プロセスB2が終了している場合には、プロセスA1が終了しているか否かを判断する(ステップS19)。プロセスA1が終了している場合には、
図10における状態7にあたり、終了していない場合には、状態8にあたると判断する。他方、ステップS18においてプロセスB2が終了していない場合には、さらにプロセスA1が終了しているか否かを判断する(ステップS20)。プロセスA1が終了している場合には、
図11における状態9にあたり、終了していない場合には、状態10にあたると判断する。
また、ステップS12においてプロセスA3が終了していない場合には、見込み時間算出部23は、さらにプロセスB1が終了しているか否かを判断し(ステップS21)、プロセスB1が終了している場合には、プロセスB2が終了しているか否かを判断する(ステップS22)。プロセスB2が終了している場合には、
図10における状態11にあたると判断する。他方、ステップS22においてプロセスB2が終了していない場合には、さらにプロセスA2が終了しているか否かを判断する(ステップS23)。プロセスA2が終了している場合には、
図10における状態12にあたり、終了していない場合には、状態13にあたると判断する。
また、ステップS21においてプロセスB1が終了していない場合には、見込み時間算出部23は、さらにプロセスB2が終了しているか否かを判断し(ステップS24)、プロセスB2が終了している場合には、プロセスA1が終了しているか否かを判断する(ステップS25)。プロセスA1が終了している場合には、
図10における状態14にあたり、終了していない場合には、状態15にあたると判断する。
他方、ステップS24においてプロセスB2が終了していない場合には、見込み時間算出部23は、さらにプロセスA1が終了しているか否かを判断し(ステップS26)、プロセスA1が終了している場合には、さらにプロセスA2が終了しているか否かを判断する(ステップS27)。プロセスA2が終了している場合には、
図10における状態16にあたり、終了していない場合には、状態17にあたると判断する。
また、ステップS26においてプロセスA1が終了していない場合には、見込み時間算出部23は、さらにプロセスA2が終了しているか否かを判断し(ステップS28)、プロセスA2が終了している場合には、
図10における状態18にあたり、終了していない場合には、状態19にあたると判断する。
【0073】
現在時刻t
0における状態パターン(すなわち、状態1〜状態19)が判定されると、見込み時間算出部23は、当該状態(予測値算出の必要がある状態2〜状態19)における運転再開確率を算定する(ステップS5)。運転再開確率を算定する際には、状態2〜状態19に対応して用意されている前述の公式(式1〜式18)を用いる。
また、見込み時間算出部23は、運転再開時間の予測値を算定する(ステップS6)。このとき、本実施形態では、見込み時間算出部23は、前述の公式(式19〜式24)を用いて、運転再開時間の予測値(すなわちピンポイントの時刻、例えば17時50分)と、所定の幅を持った予測範囲(例えば17時40分〜18時10分)とを算出する。
【0074】
見込み時間算出部23によって運転再開時間の予測値及び所定の幅を持った予測範囲が算出されると、画面生成部25によって当該算出結果を表示させる画面の画像データが生成され、生成された画像データはインターネットNを介して、各社員用端末装置3に配信される。そして、配信された画像データに基づいて見込み時間表示領域32に運転再開時間の予測値や運転再開確率が表示される。
なお、見込み時間算出部23による運転再開時間の予測値や運転再開確率の算出は、最新の情報に基づいて列車の運転が再開されるまで随時又は所定の時間間隔毎に繰り返し行われており、新たな算出結果が得られる毎に新たな画像データが生成されて、随時最新の算出結果が社員用端末装置3の表示手段30に表示されるようになっている。
【0075】
以上のように、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、処理状況関連情報が随時蓄積され、文字情報化された処理状況関連情報に基づく表示画面を社員用端末装置3の表示手段30に表示させることができる。このため、事故等の事象が発生した場合に、音声による伝達のように、聞き逃したり、聞き間違えたりするおそれがなく、事故処理の進捗状況について正確な情報をすべての社員が共有することができる。このため、列車利用者に従来よりも正確かつ詳細な情報を提供することが可能となる。
また、本実施形態では音声による情報伝達も並行して行われており、社員が情報を得る手段が多様化することで、より確実に情報を伝えることができる。
【0076】
また、処理状況関連情報のうち、列車の運転再開に対する影響度の大きい特定段階関連情報だけを抽出してこれに基づく所定の処理段階(項目)のみを進捗状況順次表示領域33や進捗状況列挙表示領域34に表示させる。このため、社員用端末装置3が小型のタブレット端末等である場合でも必要な情報を分かり易く表示させることができる。
また、上記のように列車の運転再開に影響の大きい項目に絞って進捗状況順次表示領域33や進捗状況列挙表示領域34に表示させることで、社員が現時点での事故処理の進捗状況を直感的に理解することができる。
また、進捗状況順次表示領域33は、表示手段30の表示画面をタッチ操作することでスクロール表示させることが可能に構成されている。このため、社員用端末装置3の表示画面が小さい場合でも処理段階(項目)を複数表示させることができる。
また、進捗状況列挙表示領域34は、表示制御手段31の制御により、処理が終了した項目について反転表示するようになっている。このため、進捗状況列挙表示領域34を見るだけで事故処理の進捗状況を直感的に理解することができる。
【0077】
また、処理状況関連情報は、列車の運転再開に対する影響度の大きさに基づいてそれぞれ重みづけされており、この重みづけされた処理状況関連情報に応じて、進捗具合判定部24が列車の運転再開までの事故処理の進捗具合を判定する。そしてその判定結果が進捗具合表示領域35に表示されるようになっている。このため、進捗具合表示領域35を見るだけで、あとどの程度で運転再開するかについて大よその予測をすることが可能となる。
特に本実施形態では、列車の運転再開時を100%とした場合、現時点での処理の進捗状況がどの程度であるかを棒グラフ状に表したものが進捗具合表示領域35に表示される。これにより、現時点での事故処理の進捗具合をより直感的にイメージすることができる。
【0078】
また、見込み時間算出部23によって列車の運転再開時間の予測値や列車の運転が再開される確率を算出し、これを表示手段30に表示させる。このため、社員の経験則に頼るよりもより正確で精度にばらつきのない列車の運転再開時間の予測値等を得ることができる。運転再開予測時間だけでなく、運転再開の確率まで表示させるため、駅社員や列車利用者にとって、列車の運転が再開される見込みを判断するための材料が増え、より適切に状況を把握することができる。
また、見込み時間算出部23は、所定の幅を有する予測範囲を算出し、見込み時間表示領域32は、この所定の幅を有する予測範囲を表示させる。列車の運転再開時間をピンポイントで予測することは難しいが、このようにある程度の幅を持った予測範囲を算出することで、運転がいつ頃再開されるかの情報をより確実に提供することができる。
そして、このような情報は、社員用端末装置に対して情報を提供するため、事故が発生した場合に、社員が各自の社員用端末装置において事故処理の進捗状況を確認することができ、事故処理状況に関する情報を列車利用者への情報提供等に活用することができる。
【0079】
[第2の実施形態]
次に、
図11及び
図12を参照しつつ、本発明に係る事故処理進捗状況表示システム及び事故処理進捗状況表示プログラムの第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、事故処理の進捗状況の表示を行う表示手段のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0080】
図11は、本実施形態に係る事故処理進捗状況表示システム200の全体構成を示す図である。
図11に示すように、事故処理進捗状況表示システム200は、第1の実施形態と同様に、処理状況情報サーバ装置2と、処理状況情報サーバ装置2から提供される情報に基づいて表示を行う端末装置として社員用端末装置3(
図11では、3台の社員用端末装置3を図示)とを備えている他、処理状況情報サーバ装置2から提供される情報に基づいて表示を行う端末装置として利用者端末装置4(
図11では、3台の利用者端末装置4を図示)を備えている。
処理状況情報サーバ装置2は、処理状況記憶部21等に記憶されている情報等を、インターネット(TCP/IP、HTTP(Hyper Text Link Transformer Protocol)等のプロトコルに基づいて相互リンクされたネットワーク)N等を介して適宜社員用端末装置3及び利用者端末装置4に提供するようになっている。
なお、処理状況情報サーバ装置2及び社員用端末装置3の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0081】
利用者端末装置4は、例えば携帯電話機やタブレット型の端末装置であり、列車利用者がそれぞれ保有しているものである。
利用者端末装置4は、通信機能を備え、インターネットN等を介して外部装置(例えば、処理状況情報サーバ装置2)との間で、無線方式にて随時情報の送受信が可能に構成されている。
処理状況情報サーバ装置2との間で無線方式にて通信を行うことにより、利用者端末装置4がどこにあっても、処理状況情報サーバ装置2から事故処理に関する処理状況関連情報等のデータの配信を受けることができる。
利用者端末装置4には、処理状況情報サーバ装置2から処理状況関連情報に基づくデータの配信を受けるためのアプリケーションが導入されている。
利用者端末装置4は、このアプリケーション側のプログラムにより処理状況関連情報から列車運行情報に関する表示画面を構成することができるようになっている。
【0082】
利用者端末装置4は、液晶パネル等で構成された表示手段40を備えている。
表示手段40は、処理状況情報サーバ装置2から配信される処理状況関連情報等のデータに基づいてアプリケーション側のプログラムにより生成された事故処理状況に関する情報を表示する画面等を表示させることができる。
また、利用者端末装置4は、表示手段40の表示を制御する表示制御手段41(
図11参照)を備えており、表示手段40は、表示制御手段41の制御にしたがって各種の画面を表示させ、また、適宜表示を切り替えるようになっている。
【0083】
図12は、利用者端末装置4の表示手段40に、処理状況関連情報等のデータに基づいて生成された表示用の画像データに基づく列車運行情報の表示画面を表示させた場合の表示画面例を示した図である。
図12に示すように、列車運行情報の表示画面には、事故の発生場所、事故の種類、発生時刻、現時点での列車の運行状況(何線のどこの区間で運転を見合わせている等)といった事故に関する基本的な情報が表示される。
また、表示手段40には、処理状況情報サーバ装置2の見込み時間算出部23によって算出された列車の運転再開時間の予測値や、列車の運転再開確率を表示させる見込み時間表示領域43が表示される。
図12では、○○線の△△駅構内で17時に事故が発生した場合の運転再開見込み情報の表示画面を例示している。
見込み時間表示領域43には、見込み時間算出部23によって算出された予測値である17時50分が運転再開見込み時間として表示されている。また、本実施形態の見込み時間表示領域32には、見込み時間算出部23によって算出された所定の幅を有する予測範囲と、当該範囲内の時間に列車の運転が再開される確率が合わせて表示される。
図12では、予測範囲として17時40分から18時10分までの時間が示され、この時間内に列車の運転が再開される確率が80%であることが表示されている。
【0084】
また、表示手段40には、処理状況情報サーバ装置2の進捗具合判定部24により判定された判定結果に基づいて事故処理の進捗具合を表示させる進捗具合表示領域44が表示される。
本実施形態において、進捗具合表示領域44は、
図12に示すように、列車の運転再開時を100%とした場合に、現時点での処理の進捗状況がどの程度であるかを棒グラフ状に表したものである。図示例では、棒グラフ状の表示の他、文字による%表示を並べて表示させている。
なお、進捗具合表示領域44は、表示を見る者に事故処理の進捗具合を直感的に伝えることのできるものであればよく、その表示のさせ方は図示例に限定されない。進捗具合表示領域44の表示は、例えば、円グラフ状の表示としてもよいし、進捗具合が上がるにしたがって色が変化するような表示としてもよい。
【0085】
その他、表示手段40の表示画面上には、初期画面等に戻るための「戻るボタン45」や表示画面の表示を最新のものに更新するための「情報更新ボタン46」等が設けられている。
なお、表示手段の40に表示される内容や表示画面のレイアウト等は、図示例に限定されない。
また、見込み時間表示領域43、進捗具合表示領域44の配置や大きさ等のレイアウトは、ユーザが自由にカスタマイズすることが可能に構成されていてもよい。
【0086】
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0087】
次に、本実施形態における事故処理進捗状況表示システムの作用について説明する。
【0088】
まず、第1の実施形態と同様に、事象(事故)が発生した際には、事故処理の進捗状況に関する情報が文字情報化されて処理状況情報サーバ装置2の処理状況記憶部21に記憶される。そして、この情報に基づいて、特定情報抽出部22による所定の情報の抽出処理、見込み時間算出部23による運転再開時間予測及び運転再開確率等の算出処理、進捗具合判定部24による事故処理の進捗具合の判定処理等が行われ、これらの処理により得られた結果が社員用端末装置3に送信されて、社員用端末装置3の表示手段30に表示される。
また、本実施形態では、見込み時間算出部23による運転再開時間予測及び運転再開確率等の算出結果、進捗具合判定部24による事故処理の進捗具合の判定結果が、所定のアプリケーションを介してインターネットNに接続した利用者端末装置4にも処理状況情報サーバ装置2から送信される。
そして、この処理状況情報サーバ装置2から送信されたデータに基づいて、アプリケーション側のプログラムによって列車運行情報の表示画面を構成する画像データが生成され、利用者端末装置4の表示手段40に
図12に示すような列車運行情報の表示画面が表示される。
なお、処理状況情報サーバ装置2からは随時最新の情報が配信されるようになっており、列車運行情報の表示画面は随時この最新の情報に基づくものに更新される。
【0089】
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0090】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、事故処理の進捗状況に関する情報が社員用端末装置3のみならず、列車利用者の有する利用者端末装置4にも送信されるようになっている。
このため、事故が発生した場合に、列車利用者も自分の有する端末装置から容易に事故処理の進捗状況を知ることができ、列車の乗継等を考える上での参考とすることができる。
【0091】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0092】
例えば、第1の実施形態では、事故処理の進捗状況に関する情報を社員用端末装置3の表示手段30に表示する場合を例としたが、情報を表示させる表示手段は社員用端末装置3に設けられているものに限定されない。
例えば運輸指令室や駅社員の控室等に設置されたモニタを表示手段30として、第1の実施形態で示したような表示画面を表示させてもよい。
また、第2の実施形態では、事故処理の進捗状況に関する情報を利用者端末装置4の表示手段40に表示する場合を例としたが、情報を表示させる表示手段は利用者端末装置4に設けられているものに限定されない。
例えば駅構内や列車車両内等に設置されたモニタを表示手段40として、第2の実施形態で示したような表示画面を表示させてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、特定情報抽出部22、見込み時間算出部23、進捗具合判定部24を処理状況情報サーバ装置2が備えており、特定情報抽出機能、見込み時間算出機能、進捗具合判定機能を処理状況情報サーバ装置2のコンピュータが実現する場合を例示したが、特定情報抽出部22、見込み時間算出部23、進捗具合判定部24として機能するコンピュータ及びこれらの処理を実現するためのプログラムは処理状況情報サーバ装置2に備えられている場合に限定されない。
例えば社員用端末装置3や利用者端末装置4に特定情報抽出部22、見込み時間算出部23、進捗具合判定部24等が設けられていてもよい。
この場合には、処理状況情報サーバ装置2から処理状況関連情報が加工されないまま各端末装置(社員用端末装置3や利用者端末装置4)に送られ、各端末装置において特定情報抽出処理、見込み時間算出処理、進捗具合判定処理等が行われて、その結果が各端末装置の表示手段に表示されるようにしてもよい。