(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
家庭等から排出されるごみは、例えば非特許文献1に記載される様に、一般的に、紙類や厨芥(生ごみ)類等の可燃ごみ、ガラス類等の不燃ごみ、大型の粗大ごみに分別されて収集されている。又、このうちの可燃ごみは、焼却施設に運搬され、焼却炉にて焼却処理が行われている。又、粗大ごみは、リサイクル施設に運搬され、可燃性粗大ごみと不燃性粗大ごみとに選別された後、破砕処理が行われ、その後、可燃性ごみと不燃性ごみとに選別される。そして、可燃性ごみは、焼却施設等にて焼却され、不燃性ごみは、資源として回収されるか、又は、埋立処理されている。
【0003】
ところで、可燃ごみには、野菜のくず等の厨芥(生ごみ)が多く含まれているが、この厨芥は、発熱量(カロリー)が低く、水分を多量に含んでいる事から、焼却炉の炉内温度を低下させ、燃焼効率の低下を引き起こす原因になる。この為、厨芥を焼却する事に起因した燃焼効率の低下を防止する為に、燃料となる重油の供給量を増やす事が、従来から行われている。但し、この様に、重油の供給量を増やす事は、環境保護の面や、燃料コストの上昇を招く事からも、好ましくない。
【0004】
そこで、厨芥に比べて高カロリーで燃え易い、粗大ごみから選別された可燃性ごみを、厨芥が多く含まれる可燃ごみと焼却施設内のピット(ごみピット)にて混合し、同時に焼却する事で、重油の供給量を抑える事が考えられている。又、この場合、可燃性ごみを適当な混合割合に調節する事が、重油の供給量を抑えつつ、焼却炉の燃焼効率の向上を図る上で重要になる。
【0005】
近年、可燃ごみを焼却する為の焼却施設と、粗大ごみを処理する為のリサイクル施設とを、一体の施設として同一敷地内に建設する事もある。そして、この様な場合には、粗大ごみから選別された可燃性ごみを、トラック等を介さずに、ベルトコンベアにより、ピットに直接搬送する事が行われている。この為、搬送物である可燃性ごみを、ベルトコンベアにより何kg搬送(搬出)したのか、正確に測定する事が求められる。
【0006】
ところが、従来から使用されているベルトコンベアの場合、搬送された可燃性ごみの重量を正確に測定する事は困難であった。即ち、従来構造のベルトコンベアの場合、ベルト上に積載されている搬送物の重量(合計重量)をロードセルにて連続的に測定し、この測定値から単位時間当たりの搬送量、更には積算値(所定時間の間に搬出された搬送物の合計重量)を算出している。この為、比重が一定の搬送物が、ベルト上に定量的に搬入される場合であれば、搬送量及び積算値を正確に算出する事が可能であるが、可燃性ごみの様に、比重が一定でなく、しかも、ベルト上に不定量で搬入される(搬入されたりされなかったり、搬入量が一定でない)搬送物の場合には、算出される単位時間当たりの搬送量の値が不正確になり(変動してしまい)、積算値を正確に算出する事はできなかった。従って、従来構造のベルトコンベアを使用した場合には、可燃性ごみを最適な割合で混合し、焼却する事は困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の様な事情に鑑み
、比重が一定でなく、しかも、
ベルト上に不定量で搬入され
る可燃性ごみの搬出重量を正確に測定
する事で、可燃性ごみを可燃ごみに最適な割合で混合できる、
可燃性ごみと可燃ごみとの混合方法を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の
可燃性ごみと可燃ごみとの混合方法及びベルトコンベアのうち、
可燃性ごみと可燃ごみとの混合方法に係る発明は、
ベルトコンベアのベルト上に不定量に搬入される、比重が一定でない固体状の搬送物
である可燃性ごみ
の搬出重量の積算値を求め、可燃ごみに混合する可燃性ごみの混合割合を調節する、可燃性ごみと可燃ごみとの混合方法に関する。
そして、可燃性ごみの搬出重量の積算値を求めるために、以下の工程を行う。
先ず、前記ベルト上に
可燃性ごみが搬入されてから搬出されるまでの搬送時間Tを、任意の2以上の整数NによりN分割する事で、測定間隔時間t(T/N)を算出する。
そして、前記ベルト上に積載されている
可燃性ごみの合計重量Mを、例えば1乃至複数のロードセルを利用して、前記測定間隔時間t経過ごとに連続的に順次測定する。
そして、測定回数Xの数に応じて、次の(1)(2)の処理を行う。
(1)測定回数Xが2以上かつN以下である場合には、請求項1に記載した発明の様に、X回目の測定結果である合計重量M
Xから、(X−1)回目の測定結果である合計重量M
X−1を減ずる事により、(X−1)回目の測定後からX回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に、前記ベルト上に新たに搬入された
可燃性ごみの重量m
Xを算出する。
(2)前記測定回数XがNよりも大きい場合には、請求項2に記載した発明の様に、X回目の測定結果である合計重量M
Xから、(X−1)回目までの測定結果から算出される、(X−1)回目の測定後からX回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に前記ベルト上に新たに搬入された
可燃性ごみ以外の
可燃性ごみの重量を減ずる事により、(X−1)回目の測定後からX回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に、前記ベルト上に新たに搬入された
可燃性ごみの重量m
Xを算出する。
尚、測定回数Xが1の場合(第1回目の測定時)には、測定結果である合計重量(M
1)が、測定を開始してから前記測定間隔時間tの間に前記ベルト上に搬入された
可燃性ごみの重量(m
1)と等しくなる。
【0010】
上述した請求項2に記載した発明の重量測定方法を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記(2)の処理で必要になる、(X−1)回目の測定後からX回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に前記ベルト上に新たに搬入された
可燃性ごみ以外の
可燃性ごみの重量(M
X−m
X)を、(X−1)回目の測定結果である合計重量M
X−1から、(X−1)回目の測定後からX回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に前記ベルトから搬出される
可燃性ごみの重量m
X−Nを減ずる事により算出する。
【0011】
又は、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記(2)の処理で必要になる、(X−1)回目の測定後からX回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に前記ベルト上に新たに搬入された
可燃性ごみ以外の
可燃性ごみの重量(M
X−m
X)を、下記(1)式で表される、(X−N)回目の測定後から(X−1)回目の測定時までの間に前記ベルト上に搬入された搬送物の重量の和により算出する。
【数2】
【0012】
又、本発明の重量測定方法を実施する場合には、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記重量m
Xを前記測定間隔時間tで除する事により、単位時間当たりの搬送量を算出する。
【0013】
これに対し、本発明のベルトコンベアは、請求項1〜
4のうちの何れか1項に記載した
可燃性ごみと可燃ごみとの混合方法を実施するもので、
可燃性ごみを搬送する為の無端状のベルトと、このベルトを駆動する為の駆動部と、このベルト上に積載されている
可燃性ごみの合計重量を測定する為の1乃至複数のロードセルと、このロードセルが測定した測定値に基づき、(X−1)回目の測定後からX回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に、前記ベルト上に新たに搬入された
可燃性ごみの重量m
Xを算出する制御部と、を備えている。
【発明の効果】
【0014】
以上の様な構成を有する本発明の
可燃性ごみと可燃ごみとの混合方法及びベルトコンベアによれば
、比重が一定でなく、しかも
、ベルト上に不定量で搬入される
可燃性ごみの搬出重量を十分に正確に測定できる。
即ち、本発明の場合には、前記ベルト上に積載されている
可燃性ごみの合計重量Mを、このベルト上に
可燃性ごみが搬入されてから搬出されるまでの搬送時間TをN分割して得られる、測定間隔時間t経過ごとに順次測定する。この為、この様に順次測定される合計重量を利用する事で、測定間隔時間tの間に、ベルト上に新たに搬入された
可燃性ごみの重量mを算出する事ができる。従って、本発明によれば、搬入される
可燃性ごみの比重が一定でなく、しかも、この
可燃性ごみがベルト上に不定量に搬入される場合にも、測定間隔時間tごとに搬出される
可燃性ごみの搬出重量を正確に算出する事ができ、所定時間の間に搬出された搬送物の合計重量(積算値)を十分に正確に求める事ができる。
したがって、可燃性ごみを可燃ごみに最適な割合で混合できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態の1例に就いて、
図1〜2を参照しつつ説明する。本例のベルトコンベア1は、可燃性粗大ごみを破砕処理及び選別処理した後に得られる可燃性ごみ2を、焼却施設のピット3へと搬送するのに利用するものである。この様なベルトコンベア1は、駆動プーリ4と、従動プーリ5と、これら両プーリ4、5に掛け渡された無端状のベルト6とを含んで構成されている。そして、このうちの駆動プーリ4を、不図示の駆動モータにより回転駆動する事で、前記ベルト6を、前記両プーリ4、5間で走行可能としている。
【0017】
又、前記ベルトコンベア1は、フレーム7により床面上に支持されており、これらベルトコンベア1とフレーム7との間には、合計4個のロードセル8、8が設けられている。又、前記駆動モータ及びこれら各ロードセル8、8と電気的に接続した状態で、制御器9が設けられている。この制御器9は、前記駆動モータの回転速度を所定の速度に調節すると共に、前記各ロードセル8、8から入力される信号に基づき、前記ベルト6上に積載されている全ての可燃性ごみ2の合計重量を算出するものである。特に本例の場合には、前記駆動モータの回転速度を一定に調整して、前記ベルト6の走行速度を一定としている。又、風袋引き処理を行う(ベルトコンベア1の重量を差し引く)事で、前記ベルト6上に積載されている全ての可燃性ごみ2の合計重量のみを算出可能としている。尚、合計重量は、前記各ロードセル8、8の出力値から直接求めても良いし、前記ベルトコンベア1の重量の影響を少なくする為に、実験又はシミュレーションにより求めた関係式(若しくはマップ)を利用して求めても良い。又、前記制御器9には、モニタを備えており、このモニタには、後述する様な各種情報(数値)をリアルタイムで表示する事ができる。
【0018】
又、前記ベルトコンベア1の一端側(
図1の左端側)の上方には、前記可燃性ごみ2を搬入(投下)するシュート10が設けられているのに対し、前記ベルトコンベア1の他端側(
図1の右端側)の下方には、前記ピット3が設けられている。この様な構成を有する本例の場合、可燃性粗大ごみを破砕・選別する事により得られた、形状及び比重が一定でない可燃性ごみ2が、前記シュート10から、前記ベルト6上に不定量(不連続、不等間隔)に投入され、このベルト6上を、一端側から他端側へと搬送された後、前記ピット3へと搬出される。
【0019】
本例の場合、上述の様な構成を有する前記ベルトコンベア1を利用して、次の様な手順で、前記可燃性ごみ2の重量を算出する。以下、
図2を参照しつつ説明する。
先ず、準備工程(初期設定)として、前記可燃性ごみ2が、前記シュート10(
図1参照)から前記ベルト6上に投入されてから、このベルト6から搬出されるまでの搬送時間Tを算出する。本例の場合、前記可燃性ごみ2は、前記ベルトコンベア1の一端側に投入され、このベルトコンベア1の他端側から搬出される為、前記搬送時間Tは、このベルトコンベア1の全長(機長)Lを、前記ベルト6の走行速度Sで除す事により算出される。尚、前記搬送時間Tは、前記制御器9により任意に設定する事も可能である。この場合には、走行速度Sを、搬送時間Tに合わせて自動的に調節する。
【0020】
前記搬送時間Tを算出したならば、この搬送時間Tを、任意の2以上の整数NによりN分割する。本例の場合、N=4として、搬送時間Tを4分割する事で、測定間隔時間t{T/N(=4)}を算出する。この様にして算出される測定間隔時間t{T/N(=4)}は、前記ベルト6が、ベルトコンベア1の全長LをN分割して得られる単位長さ{L/N(=4)}分だけ進むのに要する時間と等しい。又、前記制御器9を構成するモニタには、搬送時間T、測定間隔時間t、分割数(測定回数)N、単位長さ(測定間隔距離)等を、表示する事ができる。尚、本例の場合には、整数Nとして4を選択しているが、この整数Nは、2以上の整数であれば、例えば2、5、10、20など、任意に選択する事が可能である。
【0021】
以上の様な準備工程が終了したならば、前記制御器9の操作に基づき、前記ベルト6の走行を開始させると共に、前記シュート10からの前記可燃性ごみ2の投入を開始する。そして、前記測定間隔時間t経過ごとに、このベルト6上に積載されている全ての可燃性ごみ2αの合計重量Mを、このベルト6の走行を停止するまで連続的に順次測定していく。この為、或る特定の可燃性ごみ2(2a・・)は、前記ベルト6上に搬入されてから搬出されるまでの間に、前記測定間隔時間t経過毎に合計N回、その重量を測定される事になる。従って、前記整数Nは、或る特定の可燃性ごみ2(2a・・)が、前記ベルト6上に搬入されてから搬出されるまでの間にその重量を測定される、測定回数と等しい。
【0022】
第1回目の測定は、
図2の(B)に示す様に、前記ベルト6の走行を開始してから前記測定間隔時間t経過後に行い、このベルト6上に積載されている全ての可燃性ごみ2α(2a)の合計重量M
1を測定する。そして、第1回目の測定結果として、合計重量M
1を前記制御器9に記憶する。本例の場合、このベルト6の走行を開始する以前の状態で、同図の(A)に示す様に、このベルト6上に可燃性ごみを積載していない為、前記合計重量M
1は、前記ベルト6の走行を開始してから第1回目の測定時までの間に搬入された可燃性ごみ2aの重量m
1と等しくなる(M
1=m
1)。又、この様に算出された可燃性ごみ2aの重量m
1は、同図の(F)に示した、第1回目の測定後から4t経過後(測定開始後4tから5tの間)に、前記ピット3へと搬出される搬出重量と等しくなる。
【0023】
第2回目の測定は、
図2の(C)に示す様に、第1回目の測定から前記測定間隔時間t経過後(ベルト6の走行開始から2t経過後)に行い、前記ベルト6上に積載されている全ての可燃性ごみ2α(2a、2b)の合計重量M
2を測定する。そして、第2回目の測定結果として、合計重量M
2を前記制御器9に記憶する。この合計重量M
2は、このベルト6の走行を開始してから第1回目の測定時までの間に搬入された可燃性ごみ2aの重量m
1と、第1回目の測定後から第2回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2bの重量m
2との合計重量に等しい(M
2=m
1+m
2)。又、本例の場合には、第2回目の測定結果である合計重量M
2から、第1回目の測定結果である合計重量M
1を減ずる事により、第1回目の測定後から第2回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に、前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみ2bの重量m
2を算出する(m
2=M
2−M
1)。そして、第1回目の測定後から第2回目の測定時までの搬入量として、重量m
2を記憶する。この様に算出された可燃性ごみ2bの重量m
2は、第2回目の測定後から4t経過後(測定開始後5tから6tの間)に、前記ピット3へと搬出される搬出重量と等しくなる。
【0024】
第3回目の測定は、
図2の(D)に示す様に、第2回目の測定から前記測定間隔時間t経過後(ベルト6の走行開始から3t経過後)に行い、前記ベルト6上に積載されている全ての可燃性ごみ2α(2a、2b、2c)の合計重量M
3を測定する。そして、第3回目の測定結果として、合計重量M
3を前記制御器9に記憶する。この合計重量M
3は、このベルト6の走行を開始してから第1回目の測定時までの間に搬入された可燃性ごみ2aの重量m
1と、第1回目の測定後から第2回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2bの重量m
2と、第2回目の測定後から第3回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2cの重量m
3との合計重量に等しい(M
3=m
1+m
2+m
3)。そして、本例の場合には、第3回目の測定結果である合計重量M
3から、第2回目の測定結果である合計重量M
2を減ずる事により、第2回目の測定後から第3回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に、前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみ2cの重量m
3を算出する(m
3=M
3−M
2)。そして、第2回目の測定後から第3回目の測定時までの搬入量として、重量m
3を記憶する。この様に算出された可燃性ごみ2cの重量m
3は、第3回目の測定後から4t経過後(測定開始後6tから7tの間)に、前記ピット3へと搬出される搬出重量と等しくなる。
【0025】
第4回目の測定は、
図2の(E)に示す様に、第3回目の測定から前記測定間隔時間t経過後(ベルト6の走行開始から4t経過後)に行い、前記ベルト6上に積載されている全ての可燃性ごみ2α(2a、2b、2c、2d)の合計重量M
4を測定する。そして、第4回目の測定結果として、合計重量M
4を前記制御器9に記憶する。この合計重量M
4は、このベルト6の走行を開始してから第1回目の測定時までの間に搬入された可燃性ごみ2aの重量m
1と、第1回目の測定後から第2回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2bの重量m
2と、第2回目の測定後から第3回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2cの重量m
3と、第3回目の測定後から第4回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2dの重量m
4との合計重量に等しい(M
4=m
1+m
2+m
3+m
4)。そして、本例の場合には、第4回目の測定結果である合計重量M
4から、第3回目の測定結果である合計重量M
3を減ずる事により、第3回目の測定後から第4回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に、前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみ2dの重量m
4を算出する(m
4=M
4−M
3)。そして、第3回目の測定後から第4回目の測定時までの搬入量として、重量m
4を記憶する。この様に算出された可燃性ごみ2dの重量m
4は、第4回目の測定後から4t経過後(測定開始後7tから8tの間)に、前記ピット3へと搬出される搬出重量と等しくなる。
【0026】
これまでに説明した様に、測定回数が第1回から第4回までの間(測定回数がN以下である場合)には、前記ベルト6から可燃性ごみが搬出される事がない。この為、最新の測定値(合計重量M
X)から、1回前に測定した測定値(合計重量M
X−1)を減ずる事により、測定間隔時間tの間に前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみの重量(m
X)を算出する事ができる(m
X=M
X−M
X−1)。
【0027】
これに対し、測定回数が5回以上の場合(測定回数がNより大きい場合)になると、前記ベルト6から可燃性ごみが次々に搬出される。この為、最新の測定値(合計重量M
X)から、1回前に測定した測定値(合計重量M
X−1)を単に減じただけでは、測定間隔時間tの間に前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみの重量(m
X)を算出する事はできくなる。従って、本例の場合には、測定回数が5回以上になった場合には、前記制御器9により、以下に説明する2種類の演算処理のうち、何れか一方の演算処理を行う。
【0028】
先ず、第一の演算処理と第二の演算処理との共通部分に就いて説明する。
第1回から第4回目までの測定と同様、第5回目の測定を、
図2の(F)に示す様に、第4回目の測定から前記測定間隔時間t経過後(ベルト6の走行開始から5t経過後)に行い、前記ベルト6上に積載されている全ての可燃性ごみ2α(2b、2c、2d、2e)全体の合計重量M
5を測定する。そして、第5回目の測定結果として、合計重量M
5を前記制御器9に記憶する。この合計重量M
5は、第1回目の測定後から第2回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2bの重量m
2と、第2回目の測定後から第3回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2cの重量m
3と、第3回目の測定後から第4回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2dの重量m
4と、第4回目の測定後から第5回目の測定時までの測定間隔時間tの間に搬入された可燃性ごみ2eの重量m
5との合計重量に等しい(M
5=m
2+m
3+m
4+m
5)。この様に、第5回目の測定を行う際には、第1回目に測定した可燃性ごみ2a(重量m
1)が、前記ベルト6aから前記ピット3(
図1参照)へと搬出されている。
【0029】
そこで、第一の演算処理の場合には、第4回目の測定後から第5回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に、前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみ2e以外の可燃性ごみ2β(2b、2c、2d)の重量(M
5−m
5)を、第4回目の測定結果である合計重量M
4(=m
1+m
2+m
3+m
4)から、第4回目の測定後から第5回目の測定時までの測定間隔時間tの間に前記ベルト6から搬出された可燃性ごみ2aの重量m
1を減じる事により算出する。そして、得られた値(M
5−m
5)を、第5回目の測定結果である合計重量M
5から減じる事により、第4回目の測定後から第5回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみ2eの重量m
5を算出する。そして、第4回目の測定後から第5回目の測定時までの搬入量として、重量m
5を記憶する。この様に算出された可燃性ごみ2eの重量m
5は、第5回目の測定後から4t経過後(測定開始後8tから9tの間)に、前記ピット3へと搬出される搬出重量と等しくなる。
【0030】
第6回目以降の測定に就いても、上述した第5回目の測定と同様に、1回前に測定した測定値(合計重量M
X−1)から、1回前の測定後から今回の測定までの間にベルト6上から搬出される可燃性ごみの重量(m
x−4)を減じた値を、最新の測定値(合計重量M
X)から減ずる事で、1回前の測定後から最新の測定時までの前記測定間隔時間tの間に前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみの重量(m
x)を算出する。そして、この様にして算出された可燃性ごみの重量m
xは、4t経過後{測定開始後(X+3)tから(X+4)tの間}に、前記ピット3へと搬出される搬出重量と等しくなる。
【0031】
これに対し、第二の演算処理の場合には、第4回目の測定後から第5回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に、前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみ2e以外の可燃性ごみ2β(2b、2c、2d)の重量(M
5−m
5)を、下記(2)式により表される、第1回目の測定後から第4回目の測定時までの間に前記ベルト6上に搬入された可燃性ごみ2b、2c、2dの重量の和(m
2+m
3+m
4)として算出する。
【数3】
そして、得られた値(M
5−m
5)を、第5回目の測定結果である合計重量M
5から減じる事により、第4回目の測定後から第5回目の測定時までの前記測定間隔時間tの間に前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみ2eの重量m
5を算出する。そして、第4回目の測定後から第5回目の測定時までの搬入量として、重量m
5を記憶する。又、この様に算出された可燃性ごみ2eの重量m
5は、第5回目の測定後から4t経過後(測定開始後8tから9tの間)に、前記ピット3へと搬出される搬出重量と等しくなる。
【0032】
この様な第二の演算処理を行う場合にも、第6回目以降の測定に就いては、上述した第5回目の測定と同様に、上記
(2)式により算出される重量の和(M
x−m
x)を、最新の測定値(合計重量M
X)から減ずる事で、1回前の測定後から最新の測定時までの前記測定間隔時間tの間に前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみの重量(m
x)を算出する。そして、この様にして算出された可燃性ごみの重量m
xは、4t経過後{測定開始後(X+3)tから(X+4)tの間}に、前記ピット3へと搬出される搬出重量と等しくなる。
【0033】
又、本例の場合には、第1回目の測定から最終回の測定まで、各回の測定毎に、算出重量m
xを測定間隔時間tで除する事で、単位時間当たりの搬送量を算出し、その結果を前記モニタに表示させる事もできる。
【0034】
以上の様な構成を有する本例の場合、可燃性ごみ2のように、比重が一定でなく、しかも、ベルト6上に不定量に搬入される場合にも、可燃性ごみ2の搬出重量を十分に正確に測定(算出)できる。
即ち、本例の場合には、ベルト6上に積載されている可燃性ごみの合計重量Mを、このベルト6上に可燃性ごみが搬入されてから搬出されるまでの搬送時間TをN分割して得られる、測定間隔時間t経過ごとに順次測定する。この為、前述した様に順次測定される合計重量を利用する事で、測定間隔時間tの間に、前記ベルト6上に新たに搬入された可燃性ごみの重量mを算出する事ができる。従って、本例の場合には、測定間隔時間tごとに、このベルト6から搬出される可燃性ごみの搬出重量を、正確に算出する事ができる。又、この様にして算出される可燃性ごみの搬出重量の和を求める(m
1+m
2+m
3・・)事で、前記ベルト6の走行を開始してから所定時間の間に、前記ピット3へと搬出された可燃性ごみの搬出重量の積算値を十分に正確に求める事ができる。この結果、本例の測定方法を実施する事により、可燃性ごみと可燃ごみとを最適な割合で混合する事が可能になり、重油の供給量を抑えつつ、焼却炉の燃焼効率の向上を図る事が可能になる。