特許第6402081号(P6402081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6402081-電磁弁マニホールド 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402081
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】電磁弁マニホールド
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20181001BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20181001BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   F16K37/00 M
   F16K31/06 320A
   F16K27/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-176872(P2015-176872)
(22)【出願日】2015年9月8日
(65)【公開番号】特開2017-53406(P2017-53406A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2017年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岩本 丈司
(72)【発明者】
【氏名】岡島 直樹
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−301966(JP,A)
【文献】 特開2013−253693(JP,A)
【文献】 特開2000−257736(JP,A)
【文献】 特開平04−113085(JP,A)
【文献】 特開平01−203780(JP,A)
【文献】 特許第4381586(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37/00
F16K 31/06 − 31/11
F16K 27/00 − 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に連設された複数の電磁弁と、
外部に設けられる制御装置と接続される子局と、を備え、
前記子局は、前記制御装置の通信配線に接続される通信用外部側コネクタと、電源装置の電源配線に接続される電源用外部側コネクタと、各電磁弁の配線を集約する電磁弁側コネクタと、を有し、
前記電源配線から前記電源用外部側コネクタを介して前記子局に供給された電力が、前記電磁弁側コネクタを介して各配線へ流れて各電磁弁に供給される電磁弁マニホールドであって、
前記子局は、前記電源用外部側コネクタと前記電磁弁側コネクタとを電気的に接続する接続経路に設けられる電源スイッチと、予め定められた使用態様とは異なる態様か否かを判定して前記電源スイッチのオンオフを切り換える制御部と、を有し、
各電磁弁には抵抗器が設けられており、
前記複数の電磁弁の抵抗器は電気的に接続されており、
前記制御部は、前記複数の電磁弁の抵抗器が全て接続されている状態のときに得られる電圧か否かを判定することを特徴とする電磁弁マニホールド。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の電磁弁の抵抗器が全て接続されていない状態のときに得られる電圧に基づいて、隣り合う電磁弁がどの箇所で離間しているかを特定することを特徴とする請求項に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項3】
マニホールド本体の外面には押しボタンスイッチが設けられており、
前記制御部は、前記押しボタンスイッチの切り換えに基づいて、前記マニホールド本体が予め定められた位置から移動したか否かを判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁弁マニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電磁弁が連設された電磁弁マニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電磁弁マニホールドは、一方向に連設された複数のバルブブロックと、複数のバルブブロックの配列方向の一方の端部に配置される給排気ブロックと、複数のバルブブロック及び給排気ブロックを間に置いた両端部にそれぞれ配置されるエンドブロック及び仕切りブロックとを備えている。各バルブブロックには電磁弁が設けられている。よって、電磁弁マニホールドには、複数の電磁弁が連設されている。また、電磁弁マニホールドは、外部に設けられる制御装置(親局)と接続される子局を備えているものがある(例えば特許文献1)。子局は、制御装置の通信配線に接続される通信用外部側コネクタと、電源装置の電源配線に接続される電源用外部側コネクタと、各電磁弁の配線を集約する電磁弁側コネクタとを有する。そして、電源装置の電源配線から電源用外部側コネクタを介して子局に供給された電力は、電磁弁側コネクタを介して各電磁弁の配線へ流れて各電磁弁に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4381586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような電磁弁マニホールドにおいては、何らかの原因により電磁弁マニホールドに外力が加わって電磁弁マニホールドが予め定められた位置から移動したり、メンテナンス等で作業者が電磁弁マニホールドを分解したりする場合がある。このような場合において、例えば、隣り合う電磁弁同士が離間したり、各電磁弁の配線が電磁弁側コネクタから外れたりした際に、電源装置の電源配線から電源用外部側コネクタを介して子局に電力が供給されていると、各電磁弁の配線又は電磁弁側コネクタが外部と接触して、短絡を引き起こす虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、短絡を抑制することができる電磁弁マニホールドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電磁弁マニホールドは、一方向に連設された複数の電磁弁と、外部に設けられる制御装置と接続される子局と、を備え、前記子局は、前記制御装置の通信配線に接続される通信用外部側コネクタと、電源装置の電源配線に接続される電源用外部側コネクタと、各電磁弁の配線を集約する電磁弁側コネクタと、を有し、前記電源配線から前記電源用外部側コネクタを介して前記子局に供給された電力が、前記電磁弁側コネクタを介して各配線へ流れて各電磁弁に供給される電磁弁マニホールドであって、前記子局は、前記電源用外部側コネクタと前記電磁弁側コネクタとを電気的に接続する接続経路に設けられる電源スイッチと、予め定められた使用態様とは異なる態様か否かを判定して前記電源スイッチのオンオフを切り換える制御部と、を有する。
【0007】
上記電磁弁マニホールドにおいて、各電磁弁には抵抗器が設けられており、前記複数の電磁弁の抵抗器は電気的に接続されており、前記制御部は、前記複数の電磁弁の抵抗器が全て接続されている状態のときに得られる電圧か否かを判定することが好ましい。
【0008】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記制御部は、前記複数の電磁弁の抵抗器が全て接続されていない状態のときに得られる電圧に基づいて、隣り合う電磁弁がどの箇所で離間しているかを特定することが好ましい。
【0009】
上記電磁弁マニホールドにおいて、マニホールド本体の外面には押しボタンスイッチが設けられており、前記制御部は、前記押しボタンスイッチの切り換えに基づいて、前記マニホールド本体が予め定められた位置から移動したか否かを判定することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、短絡を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態における電磁弁マニホールドを示す斜視図。
図2】電磁弁マニホールドの電気的構成を模式的に示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、電磁弁マニホールドを具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、一方向に連設された複数のバルブブロック11と、複数のバルブブロック11の配列方向の一方の端部に配置される給排気ブロック12と、複数のバルブブロック11及び給排気ブロック12を間に置いた両端部にそれぞれ配置されるエンドブロック13a及び仕切りブロック13bとを備えている。給排気ブロック12は、エンドブロック13aに隣接している。各バルブブロック11には電磁弁14が内蔵されている。よって、電磁弁マニホールド10には、複数の電磁弁14が連設されている。また、電磁弁マニホールド10は、仕切りブロック13bに対してバルブブロック11とは反対側に隣接して配置される四角箱状の子局20を備えている。本実施形態では、複数のバルブブロック11、給排気ブロック12、エンドブロック13a、仕切りブロック13b及び子局20によって、電磁弁マニホールド10のマニホールド本体10aを構成している。
【0013】
図2に示すように、子局20は、外部に設けられる制御装置15(親局)と接続されている。子局20は、制御装置15の通信配線15aに接続される通信用外部側コネクタ21aと、電源装置16の電源配線16aに接続される電源用外部側コネクタ21bと、各電磁弁14の配線14aを集約する電磁弁側コネクタ22とを有する。電源用外部側コネクタ21bと電磁弁側コネクタ22とは接続経路23を介して電気的に接続されている。そして、電源装置16の電源配線16aから電源用外部側コネクタ21bを介して子局20に供給された電力は、接続経路23及び電磁弁側コネクタ22を介して各電磁弁14の配線14aへ流れて各電磁弁14に供給される。
【0014】
接続経路23には、電源スイッチ24が設けられている。電源スイッチ24は、接続経路23における電流の流れを許容するオン状態と、接続経路23における電流の流れを遮断するオフ状態とに切り換え可能である。また、子局20は、電源スイッチ24のオンオフを切り換えるとともに、各電磁弁14への電力供給を制御する制御部25(CPU)を有する。制御部25は、制御部用電源配線25sを介して電源用外部側コネクタ21bに接続されている。そして、電源装置16の電源配線16aから電源用外部側コネクタ21b及び制御部用電源配線25sを介して制御部25に電力が供給されることにより制御部25が駆動する。なお、制御部25は、各電磁弁14の駆動のオンオフの切り換え制御を行う。
【0015】
さらに、子局20は、制御部25から電磁弁側コネクタ22に向けて延びる第1配線25a及び第2配線25bを有する。また、子局20は、第1ユニット電源26a及び第2ユニット電源26bを有する。第1ユニット電源26aは、第1プルアップ抵抗器27aを介して第1配線25aに接続されている。第2ユニット電源26bは、第2プルアップ抵抗器27bを介して第2配線25bに接続されている。電磁弁側コネクタ22は、接続経路23、第1配線25a及び第2配線25bと電気的に接続されている。
【0016】
各電磁弁14には抵抗器14bが設けられている。第1プルアップ抵抗器27a、第2プルアップ抵抗器27b及び各抵抗器14bの抵抗値は同じである。隣り合う電磁弁14の抵抗器14b同士は電気的に接続されており、全ての抵抗器14bは直列接続されている。複数の電磁弁14のうち、子局20に最も近い位置に配置されている電磁弁14の抵抗器14bは、電磁弁側コネクタ22を介して第1配線25aに電気的に接続されている。また、電磁弁マニホールド10は、グランド(GND)に接続されるグランド配線28を有している。各電磁弁14は、グランド配線28に並列に接続される接続線14cを有している。各接続線14cは各抵抗器14bに電気的に接続されている。
【0017】
各接続線14cには、切換スイッチ14sが設けられている。各切換スイッチ14sは、各抵抗器14bとグランド配線28との間の電流の流れを許容するオン状態と、各抵抗器14bとグランド配線28との間の電流の流れを遮断するオフ状態とに切り換え可能である。なお、電磁弁マニホールド10では、複数の電磁弁14のうち、第1配線25a(第1ユニット電源26a)から最も離れた位置に配置されている抵抗器14bに対応する電磁弁14の接続線14cの切換スイッチ14sがオン状態となっており、その他の切換スイッチ14sは全てオフ状態となっている。第1ユニット電源26aから供給される電流は、第1プルアップ抵抗器27a、第1配線25a及び電磁弁側コネクタ22を介して各抵抗器14bを流れる。そして、各抵抗器14bを流れた電流は、第1配線25aから最も離れた位置に配置されている抵抗器14bに対応する電磁弁14の接続線14c及びグランド配線28を介してグランド(GND)に流れる。
【0018】
制御部25は、第1配線25aから制御部25に入力される電圧が、第1プルアップ抵抗器27a及び全ての抵抗器14bの合成抵抗値との分圧(以下、「妥当な電圧」と記載する)になっている場合、全ての抵抗器14bが接続されており、隣り合う電磁弁14同士が離間しておらず、複数の電磁弁14が正常に連設されている状態であると判定する。この状態は、電磁弁マニホールド10における予め定められた使用態様である。一方、制御部25は、第1配線25aから制御部25に入力される電圧が、妥当な電圧とは異なる電圧になっている場合、抵抗器14bの接続がある箇所で途切れて、隣り合う電磁弁14同士がある箇所で離間しており、複数の電磁弁14が正常に連設されていない状態であると判定する。この状態は、電磁弁マニホールド10における予め定められた使用態様とは異なる態様である。
【0019】
隣り合う電磁弁14同士がある箇所で離間すると、互いに離間した二つの電磁弁14のうち、子局20側の電磁弁14の抵抗器14bに対応する電磁弁14の接続線14cの切換スイッチ14sがオン状態に切り換えられる。そして、第1配線25aから制御部25に入力される電圧が、第1プルアップ抵抗器27a及び子局20側に接続されている各電磁弁14の抵抗器14bの合成抵抗値との分圧になる。この分圧は、妥当な電圧とは異なる電圧である。よって、制御部25は、制御部25に入力される電圧が妥当な電圧か否かを判定することで、抵抗器14bが全て接続されている状態のときに得られる電圧か否かを判定している。
【0020】
また、制御部25には、第1プルアップ抵抗器27a及び子局20側に接続されている各電磁弁14の抵抗器14bの合成抵抗値との分圧に基づいて、隣り合う電磁弁14がどの箇所で離間しているかを特定するためのプログラム(例えばマップ等)が予め記憶されている。そして、制御部25は、第1配線25aから制御部25に入力される電圧が妥当な電圧とは異なる電圧である場合、プログラムを用いて隣り合う電磁弁14がどの箇所で離間しているかを特定する。よって、制御部25は、抵抗器14bが全て接続されていない状態のときに得られる電圧に基づいて、隣り合う電磁弁14がどの箇所で離間しているかを特定する。
【0021】
図1に示すように、子局20の外面である底面20aには、押しボタンスイッチ20sが設けられている。押しボタンスイッチ20sは、図示しない付勢部によってオフ状態になるように付勢されている。そして、マニホールド本体10aが予め定められた位置にある場合には、マニホールド本体10aは図示しない支持面に支持されており、押しボタンスイッチ20sは、支持面に押し付けられることにより付勢部の付勢力に抗してオン状態になっている。
【0022】
図2に示すように、押しボタンスイッチ20sは、電磁弁側コネクタ22を介して第2配線25bに接続されている。また、押しボタンスイッチ20sはグランド(GND)に接続されている。押しボタンスイッチ20sがオンされている状態では、第2配線25bはグランド(GND)に接続されており、押しボタンスイッチ20sがオフされている状態では、第2配線25bはグランド(GND)に接続されていない。本実施形態では、マニホールド本体10aが予め定められた位置にある場合、押しボタンスイッチ20sがオンされた状態に維持されている。一方、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動して、支持面から押し付けられなくなると、押しボタンスイッチ20sがオフされた状態になる。
【0023】
制御部25は、押しボタンスイッチ20sがオンされて、第2配線25bから制御部25に入力される電圧がローレベルになっている場合、マニホールド本体10aが予め定められた位置にあると判定する。この状態は、電磁弁マニホールド10における予め定められた使用態様である。一方、制御部25は、押しボタンスイッチ20sがオフされて、第2配線25bから制御部25に入力される電圧がハイレベルになっている場合、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動した位置にあると判定する。この状態は、電磁弁マニホールド10における予め定められた使用態様とは異なる態様である。このとき、第2プルアップ抵抗器27bによって、第2配線25bから制御部25に入力される電圧がハイレベルに維持されている。よって、制御部25は、押しボタンスイッチ20sの切り換えに基づいて、制御部25に入力される電圧がハイレベルかローレベルか否かを判定することで、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したか否かを判定している。
【0024】
制御部25は、第1配線25aから制御部25に入力される電圧が妥当な電圧になっており、且つ第2配線25bから制御部25に入力される電圧がローレベルになっているときにのみ、電源スイッチ24を、接続経路23における電流の流れを許容するオン状態に維持する制御を行う。一方、制御部25は、第1配線25aから制御部25に入力される電圧が妥当な電圧とは異なる電圧になると、電源スイッチ24を、接続経路23における電流の流れを遮断するオフ状態に切り換える制御を行う。また、制御部25は、第2配線25bから制御部25に入力される電圧がローレベルからハイレベルになると、電源スイッチ24を、接続経路23における電流の流れを遮断するオフ状態に切り換える制御を行う。したがって、制御部25は、電磁弁マニホールド10における予め定められた使用態様とは異なる態様か否かを判定して電源スイッチ24のオンオフを切り換える。
【0025】
なお、電源スイッチ24がオフ状態に切り替わった後、第1配線25aから制御部25に入力される電圧が妥当な電圧とは異なる電圧から妥当な電圧になり、且つ第2配線25bから制御部25に入力される電圧がハイレベルからローレベルになったとしても、制御部25による電源スイッチ24をオン状態に切り換える制御は行われないようになっている。本実施形態では、作業者が安全の確認を行った後、子局20の電源を入れ直す作業を行うことで、電源スイッチ24がオン状態に切り替わるようになっている。
【0026】
次に、本実施形態の作用について説明する。
制御部25は、第1配線25aから制御部25に入力される電圧が妥当な電圧とは異なる電圧になると、電源スイッチ24を、接続経路23における電流の流れを遮断するオフ状態に切り換える制御を行う。これにより、隣り合う電磁弁14同士がある箇所で離間したときに、電源装置16の電源配線16aから電源用外部側コネクタ21bを介して子局20に電力が供給されていても、接続経路23における電流の流れが遮断される。よって、電磁弁14の配線14aが外部と接触することによる短絡が抑制される。また、制御部25は、第1配線25aから制御部25に入力される電圧が妥当な電圧とは異なる電圧である場合、プログラムを用いて隣り合う電磁弁14がどの箇所で離間しているかを特定する。
【0027】
制御部25は、第2配線25bから制御部25に入力される電圧がハイレベルになると、電源スイッチ24を、接続経路23における電流の流れを遮断するオフ状態に切り換える制御を行う。これにより、何らかの原因によりマニホールド本体10aに外力が加わってマニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したときに、電源装置16の電源配線16aから電源用外部側コネクタ21bを介して子局20に電力が供給されていても、接続経路23における電流の流れが遮断される。よって、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動した際に、隣り合う電磁弁14同士が離間してしまったり、各電磁弁14の配線14aが電磁弁側コネクタ22から外れてしまったりしたとしても、各電磁弁14の配線14a又は電磁弁側コネクタ22が外部と接触することによる短絡が抑制される。
【0028】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)子局20は、接続経路23に設けられる電源スイッチ24と、電磁弁マニホールド10における予め定められた使用態様とは異なる態様か否かを判定して電源スイッチ24のオンオフを切り換える制御部25とを有する。そして、制御部25は、電磁弁マニホールド10が予め定められた使用態様とは異なる態様であると判定すると、電源スイッチ24をオフして、接続経路23における電流の流れを遮断する。これにより、電磁弁マニホールド10が、予め定められた使用態様とは異なる態様であるときに、電源装置16の電源配線16aから電源用外部側コネクタ21bを介して子局20に電力が供給されていても、接続経路23における電流の流れを遮断することができる。よって、例えば、隣り合う電磁弁14同士が離間したり、各電磁弁14の配線14aが電磁弁側コネクタ22から外れたりといった予め定められた使用態様とは異なる態様であったとしても、各電磁弁14の配線14a又は電磁弁側コネクタ22が外部と接触することによる短絡を抑制することができる。
【0029】
(2)制御部25は、複数の電磁弁14の抵抗器14bが全て接続されている状態のときに得られる電圧か否かを判定する。そして、制御部25は、複数の電磁弁14の抵抗器14bが全て接続されている状態のときに得られる電圧ではないと判定すると、電源スイッチ24をオフして、接続経路23における電流の流れを遮断する。これによれば、隣り合う電磁弁14同士がある箇所で離間したときに、電源装置16の電源配線16aから電源用外部側コネクタ21bを介して子局20に電力が供給されていても、接続経路23における電流の流れを遮断することができる。よって、電磁弁14の配線14aが外部と接触することによる短絡が抑制される。
【0030】
(3)制御部25は、抵抗器14bが全て接続されていない状態のときに得られる電圧に基づいて、隣り合う電磁弁14がどの箇所で離間しているかを特定する。これによれば、作業者は、隣り合う電磁弁14がどの箇所で離間しているかを特定した制御部25からの情報によって、隣り合う電磁弁14がどの箇所で離間したかを素早く把握することができる。
【0031】
(4)制御部25は、押しボタンスイッチ20sの切り換えに基づいて、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したか否かを判定する。制御部25は、押しボタンスイッチ20sの切り換えに基づいて、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したと判定すると、電源スイッチ24をオフして、接続経路23における電流の流れを遮断する。これによれば、何らかの原因によりマニホールド本体10aに外力が加わってマニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したときに、電源装置16の電源配線16aから電源用外部側コネクタ21bを介して子局20に電力が供給されていても、接続経路23における電流の流れを遮断することができる。よって、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動した際に、隣り合う電磁弁14同士が離間したり、各電磁弁14の配線14aが電磁弁側コネクタ22から外れたりしたとしても、各電磁弁14の配線14a又は電磁弁側コネクタ22が外部と接触することによる短絡を抑制することができる。
【0032】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態において、押しボタンスイッチ20s、第2配線25b及び第2プルアップ抵抗器27bを設けずに、各電磁弁14に設けられる抵抗器14b、第1配線25a及び第1プルアップ抵抗器27aを設けるだけの構成にしてもよい。
【0033】
・ 実施形態において、各電磁弁14に設けられる抵抗器14b、第1配線25a及び第1プルアップ抵抗器27aを設けずに、押しボタンスイッチ20s、第2配線25b及び第2プルアップ抵抗器27bを設けるだけの構成にしてもよい。
【0034】
・ 実施形態において、複数の電磁弁14の抵抗器14bが並列接続されていてもよい。このとき、切換スイッチ14sを無くしてもよい。
・ 実施形態において、複数の抵抗器14bと第1プルアップ抵抗器27aとが接続される第1配線25aが制御部25に複数接続される構成であってもよい。
【0035】
・ 実施形態において、第1プルアップ抵抗器27a、第2プルアップ抵抗器27b及び各抵抗器14bの抵抗値が異なっていてもよい。
・ 実施形態において、例えば、子局20の外面である側面に押しボタンスイッチ20sが設けられていてもよい。
【0036】
・ 実施形態において、例えば、バルブブロック11の外面に押しボタンスイッチ20sが設けられていてもよい。要は、マニホールド本体10aを構成するものの外面であれば、押しボタンスイッチ20sが設けられる位置は特に限定されるものではない。
【0037】
・ 実施形態において、子局20は、制御部25が、押しボタンスイッチ20sの切り換えに基づいて、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したことを判定した際に、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したことを作業者に報知する報知部をさらに備えてもよい。これによれば、作業者は、報知部からの報知によって、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したことを素早く把握することができる。したがって、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したにも拘わらず、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動した状態で放置されてしまうことを抑制することができる。その結果、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動した状態で放置されて、例えば、周囲に配置されている機器の可動部等がマニホールド本体10aに衝突してしまうといった問題を回避することができる。
【0038】
・ 実施形態において、隣り合う電磁弁14同士がある箇所で離間したときに、互いに離間した二つの電磁弁14のうち、子局20側の電磁弁14の抵抗器14bに対応する電磁弁14の接続線14cの切換スイッチ14sがオン状態に切り換えられなくてもよい。この場合、第1配線25aから制御部25に入力される電圧は、妥当な電圧から第1プルアップ抵抗器27aによって維持されたハイレベルになる。そして、制御部25は、第1配線25aから制御部25に入力される電圧がハイレベルになっている場合、抵抗器14bの接続がある箇所で途切れて、隣り合う電磁弁14同士がある箇所で離間しており、複数の電磁弁14が正常に連設されていない状態であると判定する。
【0039】
・ 実施形態において、例えば、制御部25は、マニホールド本体10aの位置情報をカメラやセンサ等で取得し、マニホールド本体10aが予め定められた位置から移動したか否かを、カメラやセンサ等から取得した情報に基づいて判定するようにしてもよい。要は、制御部25が電磁弁マニホールド10における予め定められた使用態様とは異なる態様か否かを判定することができれば、その判定方法は限定されるものではない。
【符号の説明】
【0040】
10…電磁弁マニホールド、10a…マニホールド本体、14…電磁弁、14a…配線、14b…抵抗器、15…制御装置、15a…通信配線、16…電源装置、16a…電源配線、20…子局、20a…外面である底面、20s…押しボタンスイッチ、21a…通信用外部側コネクタ、21b…電源用外部側コネクタ、22…電磁弁側コネクタ、23…接続経路、24…電源スイッチ、25…制御部。
図1
図2