(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれの目標速度にしたがって車両を動作させるように各々が作動可能な複数の速度制御システムを備えた車両制御システムであって、速度制御が複数の速度制御システムのうちの第1のものから速度制御システムのうちの第2のものに移るときに、第2の速度制御システムの目標速度の値が第1の速度制御システムの目標速度の瞬間値に実質的に等しい値に設定され、前記第2の速度制御システムの目標速度値に向かって車両を加速し続ける、車両制御システム。
1つまたは2つ以上の速度制御システムは、1つまたは2つ以上のパラメータに依存して、その瞬間の目標速度未満であるそれぞれの一時的な最高速度値にしたがって車両が動作するように作動可能である請求項1に記載の車両制御システム。
1つまたは2つ以上の速度制御システムは、一時的な最高速度値が目標速度よりも大きいか等しくなるまたは速度制御システムが一時的な最高速度値にしたがって車両をもはや動作させない場合には、その目標速度での動作を再開するように作動可能である請求項2に記載の車両制御システム。
車両が動作している地形のタイプに応じて、1つまたは2つ以上の速度制御システムの一時的な最高速度値を設定するように作動可能である請求項2または3に記載の車両制御システム。
車両が動作している地形のタイプを示す1つまたは2つ以上の信号を受信するように作動可能であり、それにより前記システムが目標速度の最大許容値を設定することができる請求項4に記載の車両制御システム。
1つまたは2つ以上の速度制御システムに対する目標速度の前回値に関してデータを記憶し、1つまたは2つ以上の速度制御システムの1つが、選択が解除された後、再選択されて速度制御を担う場合、再選択されたシステムは、当該システムが最後に選択されたときに採用された目標速度の値で動作を再開するように作動可能である請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両制御システム。
複数の速度制御システムのうち第1のものから速度制御システムのうちの第2のものへと速度制御システムのうち第1のものによって車両を第一の目標値に向かって加速している間に移ると、速度制御システムのうちの第2のものは第1の速度制御システムの加速度に相当する加速度で車両の加速を継続するように作動可能であるように構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両制御システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
比較的低速度およびオフロード状態下での運転中に車速を制御できる車速制御システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る実施形態は、添付の請求項を参照しながら理解できる。
【0010】
本発明の態様によれば、システム、車両およびその方法が提供される。
【0011】
保護が求められる本発明に係る1つの態様では、それぞれの目標速度にしたがって車両を動作させるように各々が作動可能な複数の速度制御システムを備え、速度制
御が複数の速度制御システムのうちの第1のものから速度制御システムのうちの第2のものに移るときに、第2の速度制御システムの目標速度の値が第1の速度制御システムの目標速度に依存した値に設定される、車両制御システムが提供される。
【0012】
本発明の実施形態によれば、速度制御システムのうちの第2のものの目標速度が、現在の車速から独立して設定してもよいという長所を有する。したがって、ドライバが1つの速度制御システムから別の速度制御システムへの変更を指示したときに、車両が速度制御システムのうちの第1のものの目標速度の現在値より大きいまたはそれより小さい速度で暫定的に走行している場合には、速度制御システムのうちの第2のものの目標速度の値が、瞬間の車速ではなく第1の速度制御システムの目標速度の値に依存した値に設定することができる。
【0013】
新たに選択される速度制御システムが、新たな速度制御システムが選択された瞬間の車速にその目標速度の値を設定したとしたら、車両の安定性が影響を受けてドライバの負担が増加するであろうことが理解される。例示として、起動している速度制御システムのうちの第1のものにより動作している場合、第1の速度制御システムが、車両が走行している地形などの1つまたは2つ以上の要因に応じて目標速度の値を暫定的に減少させ得る。第1の速度制御システムは地形が目標速度のその値での走行に適していると判断した場合には、第1の速度制御システムはその後に車両を加速させて目標速度値に戻すことができる。速度制御システムのうちの第1のものが現在の目標速度値に向けて車両を加速している間、ドライバが第1のものから第2のものに速度制御システムを切り替えることを選択する場合がある。第2の速度制御システムがその瞬間の車速に目標速度の値を設定したとすると、第1の速度制御システムの目標速度値への加速が中断され、車両の安定性を低下させる可能性がある。ドライバが第1の速度制御システムの目標速度と同じ値で走行を実際に希望したとすると、ドライバは、第1の速度制御システムの値に第2の速度制御システムの目標速度を調節する必要があるであろう。したがって、本発明に係る実施形態よればドライバの負荷が軽減され得る。
【0014】
有利には、上記システムは、速度制御システムのうちの第2のものが、速度制御システムのうちの第1のものから車速
の制
御を引き受けるときに、速度制御システムのうちの第1のものの目標値の瞬間値に速度制御システムのうちの第2のものの目標速度を設定するように作動可能であってもよい。
【0015】
この特徴は、速度制御システムのうちの第2のものが速度制御システムのうちの第1のものから車速
の制
御を引き受けるときに、目標速度の急激な変化を回避できるという長所を有する。このことにより、車速の急変を防止し困難かつ変化の多い地形でトラクションを維持することで車両の安定性が向上し得る。
【0016】
たとえば、車両には、目標速度にしたがって車両を動作させるように各々が作動可能な低速進行制御(LSP)システム(または低速クルーズコントロールシステム)およびヒルディセント制御(HDC)システムを備え得る。LSPシステムが現在選択されて目標速度が10kphに設定されている場合に、ドライバがその後にヒルディセント制御(HDC)システムに速度制御を引き受けさせることを選択すると、HDCシステムは、同じ値すなわち10kphという目標速度に応じて車速を制御する。したがって、ドライバは、1つの速度制御システムから別の速度制御システムに円滑かつ調和のとれた移行を享受できる。
【0017】
好適なHDCシステムは、英国特許出願公開2342969号明細書、英国特許出願公開2341430号明細書、英国特許出願公開2325716号明細書および英国特許出願公開2308415号明細書に記載されており、その内容を本明細書に援用される。
【0018】
1つまたは2つ以上の速度制御システムは、1つまたは2つ以上のパラメータに依存して、その瞬間の目標速度未満であるそれぞれの一時的な最高速度値にしたがって車両が動作するように作動可能であってもよい。
【0019】
したがって、一時的な最高速度値がそれぞれの目標速度未満であると、選択された速度制御システムは、目標速度ではなく一時的な最高値にしたがって車両を動作させる。
【0020】
随意に、1つまたは2つ以上の速度制御システムは、一時的な最高速度値が目標速度よりも大きいか等しくなるまたは速度制御システムが一時的な最高速度値にしたがって車両をもはや動作させない場合には、その目標速度での動作を再開するように作動可能である。
【0021】
有利には、上記システムは、車両が動作している地形のタイプに応じて、1つまたは2つ以上の速度制御システムの一時的な最高速度値を設定するように作動可能であってもよい。
【0022】
上記システムは、車両が動作している地形のタイプを示す1つまたは2つ以上の信号を受信するように作動可能であってよく、それにより上記システムが目標速度の最大許容値を設定してもよい。
【0023】
上記1つまたは2つ以上の信号が1つまたは2つ以上の速度制御システムにより受信されてもよく、目標速度の最大許容値を次いで決定してもよい。または、上記1つまたは2つ以上の信号は、地形のタイプに応じて1つまたは2つ以上の速度制御システムの最高目標速度値を設定するように構成されたコントローラによって受信されてもよい。
【0024】
上記信号は、周辺温度、車両が動作している地形の路面の凹凸、路面の濡れ具合または湿気状態、車輪と地形間の表面摩擦係数および最大許容目標速度の選択に影響しうる地形または任意の他の適切な要因の1つまたは2つ以上に依存して設定される信号を含んでもよい。
【0025】
上記システムは、1つまたは2つ以上の速度制御システムに対する目標速度の前回値に関してデータを記憶するように作動可能であってもよく、1つまたは2つ以上の速度制御システムの1つが、選択が解除された後、再選択されて速度制御を担う場合、再選択されたシステムは、当該システムが最後に選択されたときに採用された目標速度の値で動作を再開するように作動可能である。
【0026】
この特徴は、速度制御が所与の速度制御システムにより再開される場合に、ドライバが当該速度制御システムにより採用された前回の目標速度で好都合に動作を再開することができるという長所を有する。
【0027】
したがって、ドライバが、第1のシステムから第2のシステムに速度制御システムを切り替えて、第2のシステムの目標値を第1のシステムが動作しているときに設定されていた目標速度よりも低下させた場合、第1のシステムに切り換え戻した際、ドライバには、第1のシステムの目標速度の前回設定値すなわち第1速度制御システムの選択を解除する前に設定された値で動作を再開する選択肢が与えられ得る。
【0028】
上記システムは、複数の速度制御システムのうち第1のものから速度制御システムのうちの第2のものへと速度制御
システムのうち第
1のもの
によって車両を第一の目標値に向かって加速している間に移ると、速度制御システムのうちの第2のものが第1の速度制御システムの加速度に相当する加速度で車両の加速を継続するように作動可能であるように構成されてもよい。
【0029】
この加速度は、第1の速度制御システムにより適用される加速度と実質的に等しくてもよい。
【0030】
速度制御システムのうちの第2のものは、速度制御システムの第2のものが車両の瞬間速度を上回る車速が求められていると判断することを条件として、実質的に同じ加速度で車両を加速し続けてもよい、と理解すべきである。速度制御システムのうちの第2のものは、第1の速度制御システムの目標速度と実質的に等しく設定されている目標速度まで車両を加速してもよい。ただし速度制御システムのうちの第2のものにより課される如何なる一時的な最高速度も第2の速度制御システムの目標速度値を超えることはないことを条件とする。
【0031】
保護が求められる本発明に係るさらなる態様では、別の態様による制御システムを備えた車両が提供される。
【0032】
保護が求められる本発明に係るさらに別の態様では、複数の速度制御システムのうちの1つにより車両の速度を制御することと、複数の速度制御システムのうち第1のものから速度制御システムのうちの第2のもの
に移すことを含む車両を制御する方法が提供され、前記方法が、速度制
御が複数の速度制御システムの第1のものから第2のものに移るときに、速度制御システムのうちの第1のものの目標速度に依存した値に速度制御システムのうちの第2のものの目標速度値を設定することを含む方法である。
【0033】
前記方法は、速度制御システムのうちの第1のものの目標速度に実質的に等しい値に速度制御システムのうちの第2のものの目標速度値を設定することを含んでもよい。
【0034】
保護が求められる本発明に係る1つの態様では、それぞれの目標速度にしたがって車両を動作させるように各々が作動可能な複数の速度制御システムを備えた車両制御システムが提供され、当該システムは、前記複数の速度制御システムの1つが選択されて所与の時点で車速を制御するように作動可能であり、
速度制
御が複数の速度制御システムの第1のものから速度制御システムの第2のものに移るときに、速度制御システムのうちの第2のものが、速度制御システムのうちの第1のものの目標速度値に対応する値にその目標速度値を設定するように作動可能である。
【0035】
本明細書において設定速度は「目標速度」ということもあり、用語「目標速度」と「設定速度」は本明細書では互換可能に使用される、と理解すべきである。
【0036】
本願の範囲内において、前述の項、請求項および/または以下の本発明の詳細な説明および図面ならびに特にその個別の特徴に記載されたさまざまな態様、実施形態、実施例および択一例が独立してまたは任意の組み合わせで実施されてもよいことは、明らかに意図されたものである。このような特徴が矛盾しない限り、1つの実施形態に関連した記載された特徴がすべての実施形態に適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本明細書において、機能ブロックなどのブロックを参照することは、1つまたは2つ以上の入力に応答して提供される出力であってもよい特定された機能または動作を実行するためのソフトウェアコードを参照することを含むと理解される。前記コードは、メインコンピュータプログラムにより呼び出されるソフトウェアルーチンやソフトウェア機能の形態であってもよいし、別のルーチンや機能ではないコードのフローのコード形成部分であってもよい。本発明に係る実施形態の動作手順の説明を容易にするために、機能ブロックを参照する。
【0039】
図1は、本発明に係る実施形態の車両100を示す。車両100は、自動変速機124を有する駆動系130に接続されるエンジン121を含むパワートレイン129を有する。さらに、本発明に係る実施形態は、手動変速機、無段変速機または他の適切な変速機を備えた車両用にも適する、と理解すべきである。
【0040】
駆動系130は、前輪用差動装置137および1対の前輪用ドライブシャフト118により、1対の車両前輪111、112を駆動するように構成されている。駆動系130は、補助ドライブシャフトつまりプロップシャフト132、後輪用差動装置135および1対の後輪用ドライブシャフト139により1対の後輪114、115を駆動するように構成された補助駆動系部131からもなる。本発明に係る実施形態は、変速機が、1対の前輪のみまたは1対の後車輪のみ(すなわち前輪駆動車両または後輪輪駆動車両)または選択可能な2輪駆動機構/4輪駆動車両を駆動するように構成された車両用に適する。
図1の実施形態では、変速機124は、動力伝達ユニット(PTU)131Pにより補助駆動系部131に解放可能に連結可能であり、選択可能な2輪駆動または4輪駆動動作をさせる。本発明に係る実施形態は、4輪より多い車輪を有する車両に適してもよくまたは2輪のみ、たとえば、3輪車両、4輪車両または4輪より多い車輪を備えた車両の2輪のみが駆動される場合に適してもよい、と理解すべきである。
【0041】
車両エンジン121用の制御システムは、車両制御ユニット(VCU)10という中央コントローラ、パワートレインコントローラ11、ブレーキコントローラ13およびステアリングコントローラ170Cを含む。ブレーキコントローラ13はブレーキシステム22(
図3)の一部を形成する。VCU10は、車両に設けられた種々のセンサおよびサブシステム(図示せず)間の複数の信号を受信し出力する。VCU10は、
図3に示す低速進行(LSP)制御システム12およびスタビリティコントロールシステム(SCS)14を含む。SCS14は、トラクションのロスを検出し制御することにより車両100の安全性を向上させる。トラクションまたはステアリング制御の低減が検出された場合には、SCS14は、自動的にブレーキコントローラ13に対して車両の1つまたは2つ以上のブレーキをかけるよう命令してユーザが走行したい方向に車両100をステアリングする手助けをするように作動可能である。示された実施形態では、SCS14がVCU10により実施される。いくつかの択一的な実施形態では、SCS14がブレーキコントローラ13により実施されてもよい。さらに択一的には、SCS14が別のコントローラにより実施されてもよい。
【0042】
図3に詳細には図示しないが、VCU10は、動的安定化制御(DSC)機能ブロック、トラクションコントロール(TC)機能ブロック、アンチロックブレーキシステム(ABS)機能ブロックおよびヒルディセント制御(HDC)機能ブロックをさらに含む。これらの機能ブロックは、VCU10の演算装置によって実行されるソフトウェアコードで実施されて、たとえば、DSC動作、TC動作、ABS動作、個々の車輪に対するブレーキの介入および車輪のスリップが生じた際にはVCU10からエンジン121に対するエンジントルクリクエストを示す出力を与える。前述の各々の事象は、車輪のスリップ事象が生じたことを示す。横揺れスタビリティコントロールシステムなどのその他の車両サブシステムが有用であってもよい。
【0043】
上述のように、車両100は、車両が25kphを超える速度で走行している場合に、選択された速度で車速を自動的に維持するように作動可能であるクルーズコントロールシステム16も含む。クルーズコントロールシステム16には、ユーザが既知の手順でクルーズコントロールシステム16に目標車速を入力できるクルーズ制御HMI(人間機械インターフェース)18が備えられている。本発明に係る1つの実施形態では、クルーズコントロールシステム入力制御部がハンドル171(
図5)に搭載されている。クルーズコントロールシステム16は、クルーズコントロールシステムセレクタボタン176を押すことによりスイッチが入れられる。クルーズコントロールシステム16のスイッチがオンの場合には、「設定速度」制御173の押下によりクルーズ制御設定速度パラメータの現在の値が設定される、すなわちクルーズ_設定速度が現在の車速に設定される。「+」ボタン174を押下することによりクルーズ_設定速度値を増加できる一方、「−」ボタン175を押下することによりクルーズ設定速度値を減少できる。ドライバの解除に続いてクルーズ_設定速度の瞬間値に速度制御を再開させるクルーズコントロールシステム16を制御するように作動可能である再開ボタン173Rが備えられている。本システム16を含む既知のオンハイウエイクルーズコントロールシステムは、ユーザがブレーキペダル163または手動変速機を備えた車両の場合にはクラッチペダルを踏み込んだ際に、クルーズ制御機能が取り消されて、車両100が車速を維持するためにはユーザによるアクセルペダル161からの入力が求められる手動モードに戻るように構成されている、と理解すべきである。また、トラクションのロスによっても起こりうるような車輪のスリップ事象が検出されると、クルーズ制御機能を取り消す効果もある。システム16による速度制御は、ドライバが次に再開ボタン173Rを押すと再開される。
【0044】
クルーズコントロールシステム16が車速を監視し、目標車速からのいかなるズレも、実質的に一定値、典型的には25kphを超える値に車速を維持するように、自動的に調節される。言いかえれば、クルーズコントロールシステムは、25kph未満の速度では無効である。クルーズ制御HMI18が、HMI18の画像表示を介してクルーズコントロールシステム16の状況についてユーザに警告を与えるように構成されてもよい。本実施形態では、クルーズコントロールシステム16は、25〜150kphの範囲の任意の値にクルーズ_設定速度値を設定できるように構成されている。
【0045】
LSP制御システム12は、ユーザからの如何なるペダル入力なしで車両が進行できる極低速の目標速度をユーザが選択することを可能にする、速度に基づいた制御システムをユーザに提供する。低速度制御(または進行制御)機能は、25kphを上回る速度でのみ動作するオンハイウエイクルーズコントロールシステム16によっては提供されていない。
【0046】
LSP制御システム12は、ハンドル171に搭載されたLSP制御システムセレクタボタン172により起動される。システム12は、選択的パワートレイン、トラクションコントロールおよびブレーキ動作を車両100の1つまたは2つ以上の車輪に与えるように作動可能であり、まとめてまたは個別に、所望の速度で車両100を維持する。
【0047】
LSP制御システム12は、クルーズコントロールシステム16およびHDC制御システム12HDと特定の入力ボタン173〜175を共有する、低速進行制御HMI(LSP HMI)20(
図1、
図3)を介して、ユーザが、LSP制御システム12に設定速度パラメータ、LSP_設定速度の所望値を入力できるように構成されている。車速がLSP制御システムの動作の許容範囲内に入っている(他の範囲も有用ではあるが、本実施形態では2から30kphの範囲である)という条件で、LSP制御システム12は、LSP_設定速度の値にしたがって車速を制御する。クルーズコントロールシステム16とは異なり、LSP制御システム12はトラクションイベントの発生からは独立して動作するように構成されている。すなわち、LSP制御システム12は、車輪のスリップの検出の際に速度制御を取り消すことはない。むしろ、スリップが検出された場合には、LSP制御システム12は積極的に車両動作を制御する。
【0048】
LSP HMI20が、ユーザにとって容易に利用できるように車両室中に備えられている。車両100のユーザは、LSP HMI20を介して、クルーズコントロールシステム16と同様に、「設定速度」ボタン173および「+」/「−」ボタン174、175により、ユーザが車両に走行を所望する速度(「目標速度」という)の指示をLSP制御システム12に入力できる。LSP HMI20は、LSP制御システム12の状況についてその上に情報および案内をユーザに提供できる画像表示も含む。
【0049】
LSP制御システム12は、ユーザがブレーキペダル163によりブレーキをかけた範囲を示す、車両のブレーキシステム22からの入力を受信する。LSP制御システム12は、ユーザがアクセルペダル161を踏み込んだ範囲を示す、アクセルペダル161からの入力も受信する。入力は、変速機すなわち自動変速機124からもLSP制御システム12に提供される。この入力は、たとえば、変速機124の出力シャフトの速度、トルクコンバーターのスリップおよびギヤ比のリクエストを表す信号を含んでもよい。LSP制御システム12に対するその他の入力は、クルーズコントロールシステム16の状況(オン/オフ)を表すクルーズ制御HMI18からの入力およびLSP制御HMI20からの入力も含む。
【0050】
VCU10のHDC機能ブロックが、HDCシステム12HDの一部を形成する。HDCシステム12HDが起動している場合、システム12HDは、ユーザが設定してもよいHDC設定速度パラメータHDC_設定速度の値に対応する値に車速を制限するために、ブレーキシステム22(ABS機能ブロックがその一部を形成する)を制御する。HDC設定速度は、HDC目標速度ともいう。ユーザがアクセルペダル161を踏み込むことによりHDCシステム解除しないという条件で、HDCシステムが起動している場合には、HDCシステム12HDは、車速がブレーキシステム22(
図3)を制御し車速がHDC_設定速度を超えないようにする。本実施形態では、HDCシステム12HDは正方向のドライブトルクを与えるにように作動可能ではない。むしろ、HDCシステム12HDは負方向のブレーキトルクを与えるようにのみ作動可能である。
【0051】
HDCシステムHMI20HDには、ユーザがHDC_設定速度の値を設定することも含み、HDCシステム12HDを制御してもよい手段が提供されている。HDCシステムセレクタボタン177には、ユーザがHDCシステム12HDを起動して車速を制御してもよい手段がハンドル171に備えられている。
【0052】
上述のように、HDCシステム12HDは、クルーズコントロールシステム16およびLSP制御システム12と同じ制御部を用いて、ユーザがHDC設定速度パラメータHDC_設定速度値を設定しHDC_設定速度値を調節できるように作動可能である。したがって、本実施形態では、HDCシステム12HDが車速を制御している場合には、クルーズコントロールシステム16およびLSP制御システムの設定速度と同様に、同じ制御ボタン、173、173R、174、175を用いて、HDCシステム設定速度を増減させてもよくまたは車両の瞬間速度、すなわち車両の現行速度に設定してもよい。HDCシステム12HDは、2〜30kphの範囲の任意の値にHDC_設定速度値を設定するように作動可能である。その他の値も有用である。
【0053】
車両100が30kph以下の速度で走行し、これ以上の速度制御システムが動作中ではない場合にHDCシステム12HDが選択されると、HDCシステム12HDは待機モードに入る。ユーザが次に「設定速度」ボタン173を押すと、HDCシステム12HDは、その瞬間つまり現行車速にHDC_設定速度の値を設定する。車両100が30kphを超える速度で走行しているが50kphを超えずドライバがアクセルペダル161を踏み込んでいない場合にHDCシステム12HDが選択されると、HDCシステム12HDは、30kphに車両を減速するように構成されており、その値は、最大許容値を超えない減速度でパワートレイン129および/またはブレーキシステム22によるHDC_設定速度の最大許容値である。その減速度は、1.25ms−2または他の適切な値であってもよい。その後、HDCシステムは、ドライバがHDC_設定速度の値を設定するまでは待機モードに入る。
【0054】
VCU10は、VCU10が選択された運転モードに応じて1つまたは2つ以上の車両システムまたはパワートレインコントローラ11のようなサブシステムの設定を制御する、上記種類の既知の地形応答(TR)(RTM)システムを実施するように構成されている、と理解すべきである。運転モードは、運転モードセレクター141S(
図1)によりユーザが選択してもよい。運転モードは、地形モード、地形応答モード、地形プログラムまたは制御モードともいう。
図1の実施形態では、4つの運転方法が提供されている。すなわち運転路面と車両の車輪の間に比較的高い表面摩擦係数が存在する、比較的硬く円滑な運転路面での運転に適切な「オンハイウエイ」運転モード、砂地の地形の上の運転に適切な「サンド」運転モード、草、砂利または雪の上の運転に適切な「草、砂利または雪」運転モード、岩の表面の緩速運転に適切な「ロッククロール」運転モードおよびぬかるんだわだちの地形での運転に適切な「泥とわだち」運転モードである。その他の運転方法もさらにまたはその代わりに提供されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、LSP制御システム12は、起動状態、待機状態および「オフ」状態のいずれかにあってもよい。起動状態では、LSP制御システム12がパワートレイントルクおよびブレーキシステムトルクの制御により積極的に車速を管理する。待機状態では、LSP制御システム12は、ユーザが再開ボタン173Rまたは「設定速度」ボタン173を押すまで車速を制御しない。オフ状態では、LSP制御システムセレクタボタン172が押下げられない限り、LSP制御システム12は入力制御に応答しない。
【0056】
本実施形態では、LSP制御システム12は、起動モードの状態に類似する中間状態に入るように作動可能でもあるが、LSP制御システム12はパワートレイン129による車両100の1つまたは2つ以上の車輪に対して正方向のドライブトルクを与える命令を出すことは許されない。したがって、ブレーキトルクのみが、ブレーキシステム22および/またはパワートレイン129により与えられる。したがって、システム12は、下り坂で過大な速度に到達しないようにすることができる。中間モードは、HDCシステム12HDと実質的に同様に機能するので、LSPヒルディセント(またはLSP−HD)モードともいう。いくつかの実施形態では、LSP制御システム12が中間モードに入る場合には、LSP制御システム12は、HDCシステム12HDを始動して車速を制御するように構成されている。その他の構成も有用である。
【0057】
起動しているLSP制御システム12により、ユーザが「+」および「−」ボタン174、175により車両設定速度を増減させてもよい。なお、ユーザがアクセルまたはブレーキペダル161、163をそれぞれ軽く押すことにより車両設定速度を増減させてもよい。いくつかの実施形態では、起動しているLSP制御システム12により、LSP_設定速度値の調節がアクセルおよびブレーキペダル161、163によってのみできるように、「+」および「−」ボタン174、175の動作が不能にされる。この後者の特徴は、たとえば、「+」または「−」ボタン174、175のうちの1つを偶然押すことにより、設定速度の意図しない変化が生じないようにする。偶然に押すことは、たとえば、ステアリング角の比較的大きくて頻繁な変化が求められることがある困難な地形を通行する場合に起こることがある。その他の構成も有用である。
【0058】
本実施形態では、LSP制御システム12が2〜30kphの範囲の設定速度値にしたがって車両を走行させるように作動可能である一方、他の値も有用ではあるが、クルーズコントロールシステムが車両を25〜150kphの範囲の設定速度値にしたがって車両を走行させるように作動可能である、と理解すべきである。車速が30kphを超えるが50kph未満または実質的に50kphに等しい場合にLSP制御システム12が選択されると、LSP制御システム12は、ブレーキシステム22が採用されパラメータLSP_設定速度値に対応する設定速度値に車両100を減速する中間モードに入る。一旦、車速が30kphまたはそれを下回るまで低下すると、LSP制御システム12は、正方向のドライブトルクをLSP_設定速度値にしたがって車両を制御するために、パワートレイン129を介して正方向のドライブトルクを与えるとともにパワートレイン129(エンジンブレーキによる)およびブレーキシステム22を介してブレーキトルクを与えるように起動状態に入る。LSP設定速度値が設定されていないと、LSP制御システム12が、待機モードに入る。
【0059】
LSP制御システム12が起動モードにあると、クルーズコントロールシステム16の動作が禁止される、と理解すべきである。したがって、2つのシステム12、16は互いに独立して動作し、車両が走行している速度に応じて、いつでも一方だけが作動できるようになる。
【0060】
いくつかの実施形態では、クルーズ制御HMI18およびLSP制御HMI20は、たとえば、速度選択が、LSP入力とクルーズ制御入力の間で切り替わるように設けられている1つまたは2つ以上の別個のスイッチにより、同じハードウェアを介して入力されるように、同じハードウェア内に構成されてもよい。
【0061】
図4は、車速がLSP制御システム12において制御される手段を図示する。上記のとおり、ユーザが選択した速度(設定速度)が、LSP制御HMI20を介してLSP制御システム12に入力される。パワートレイン129(
図1に図示)に関連した車速センサ34が、LSP制御システム12に車速を示す信号36を提供する。LSP制御システム12は、測定速度36とユーザが選択した設定速度38(「目標速度」38ともいう)を比較して比較を示す出力信号30を提供するコンパレータ28を含む。出力信号30が、LSP_設定速度の速度を維持するために車速を加速するまたは減速する必要があるかどうかに応じて、車両の車輪111〜115に与えるべき追加トルクの要求または車両の車輪111〜115に与えるトルク減少の要求のいずれかとして出力信号30を解釈するVCU10の評価ユニット40に提供される。トルクの増加は、たとえば、エンジン出力シャフト、車輪または他の適切な位置の、パワートレインの所定位置に伝達されるパワートレイントルクの量を増加させることにより一般に遂行される。所定の車輪において、さらに少ない正方向またはさらに多い負方向である値までのトルク減少は、車輪に伝達されるパワートレイントルクを減少させるおよび/または車輪上のブレーキ力を増加させることにより遂行されてもよい。パワートレイン129が発電機として1つまたは2つ以上の動作可能な電気機械を有するいくつかの実施形態では、負方向のトルクは、電気機械によってパワートレイン129により1つまたは2つ以上の車輪に与えられてもよい、と理解すべきである。負方向のトルクは、いくつかの状況では、車両100が動いている速度に少なくとも一部に応じて、エンジンブレーキより与えられてもよい。推進モータとして作動可能な1つまたは2つ以上の電気機械が備えられると、正方向のドライブトルクが1つまたは2つ以上の電気機械によって与えられる。
【0062】
評価ユニット40からの出力42が、パワートレインコントローラ11およびブレーキコントローラ13に与えられ、次に車両の車輪111〜115に与えられる正味のトルクを制御する。正味のトルクは、評価ユニット40が正方向または負方向のトルクを要求するかどうかに応じて増減されてもよい。車輪に必要な正方向または負方向のトルクを与えるために、評価ユニット40は、パワートレイン129により車両の車輪に正方向または負方向のトルクを与えることおよび/またはブレーキシステム22により車両の車輪にブレーキ力を与えることを命令してもよく、その一方または両方が、必要な車速を達成して維持するために必要なトルクの変化を実施するために用いられてもよい。図示された実施形態では、トルクが必要な速度で車両を維持するように車両の車輪に個別に与えられるが、別の実施形態では、トルクが必要な車速を維持するようにまとめて車輪に与えられてもよい。いくつかの実施形態では、パワートレインコントローラ11は、後輪駆動ユニット、前輪駆動ユニット、差動装置または任意の他の適切な構成部品などの駆動系構成部品を制御することにより1つまたは2つ以上の車輪に与えるトルクの量を制御するように作動可能であってもよい。たとえば、駆動系130の1つまたは2つ以上の構成部品が、1つまたは2つ以上の車輪に与えるトルクの量を変えるように作動可能な1つまたは2つ以上のクラッチを含んでもよい。その他の構成も有用である。
【0063】
パワートレイン129が1つまたは2つ以上の電気機械、たとえば、1つまたは2つ以上の推進モータおよび/または発電機を含んでいる場合には、パワートレインコントローラ11は、1つまたは2つ以上の電気機械によって1つまたは2つ以上の車輪に与えられるトルクを調節してもよい。
【0064】
LSP制御システム12は、生じた車輪のスリップ事象を示す信号48も受信する。これは、車両のオンハイウエイクルーズコントロールシステム16に供給される同じ信号48であってもよく、後者の場合には、後者は、オンハイウエイクルーズコントロールシステム16による車速の自動制御が中断または取り消されるように、オンハイウエイクルーズコントロールシステム16における動作の解除または禁止モードを起動する。しかしながら、LSP制御システム12は、車輪のスリップを示す車輪スリップ信号48の受信に応じて動作を取り消すまたは中断するようには構成されていない。むしろ、システム12は、ドライバの負荷を軽減するように、車輪のスリップを監視して次に制御するように構成されている。スリップ事象の間、LSP制御システム12は、LSP_設定速度の値と測定車速を比較し続け、選択値で車速を維持するように車両の車輪に与えるトルクを自動的に制御し続ける。したがって、LSP制御システム12は、クルーズコントロールシステム16とは異なるように構成されており、車輪のスリップ事象は、車両の手動操作が再開されなければならないすなわちクルーズコントロールシステム12による速度制御が再開ボタン173Rまたは設定速度ボタン173を押すことにより再開されなければならないように、クルーズ制御機能の解除に影響を及ぼす、と理解すべきである。
【0065】
本発明に係る別の実施形態では(図示せず)、車輪のスリップ信号48は、車輪速度の比較に由来するだけでなく、車両の地表速度を示すセンサデータを使用してさらに絞り込まれる。このような地表速度の測定は、全地球測位システム(GPS)データまたは車両100の移動と車両が走行している地面の相対的動きを測定するように構成されている車両搭載レーダーまたはレーザーに基づいたシステムにより行われてもよい。いくつかの実施例では、カメラシステムが地表速度を測定するために採用されてもよい。
【0066】
LSP制御プロセスの任意の段階で、ユーザはアクセルペダル161および/またはブレーキペダル163を踏み込むことにより機能を解除して正の方向または負の方向の意味で車速を調節できる。しかしながら、車輪のスリップ事象が信号48を介して判断された際には、LSP制御システム12は起動したままであり、LSP制御システム12による車速の制御は中断されない。
図4に示すように、これは、LSP制御システム12に車輪のスリップ事象信号48を提供し、その後LSP制御システム12により制御されることにより実施されてもよい。
図1に示す実施形態では、SCS14が車輪のスリップ事象信号48を発生し、LSP制御システム12およびクルーズコントロールシステム16にそれを供給する。
【0067】
トラクションのロスが車両の車輪のうちのいずれかの1つにでも生じた場合に、車輪のスリップの事象が始動される。車輪およびタイヤは、たとえば、雪、氷、泥または砂および/または険しい斜面または横断勾配上を走行している場合に、トラクションのロスを一層受けやすいことがある。車両100は、正常なオンロード状態でのハイウエイ上を運転に比較して、地形が一層起伏に富むまたはスリップしやすい環境下ではトラクションのロスを一層受けやすい。したがって、本発明に係る実施形態では、車両100がオフロード環境下または車輪のスリップが一般に生じることがある状態下で運転されている場合に、格別の利点が見出される。このような状態下ではユーザによる手動運転が難しく、多くの場合ストレスの多い経験になり得て、乗員にとって乗り心地が悪くなることがある。
【0068】
車両100には、車両の動きと状況に関連した種々の異なるパラメータに応答する追加センサ(図示せず)も備えられる。これらは、LSPまたはHDC制御システム12、12HD、一部の乗員拘束システムまたは任意の他のサブシステムに特有の慣性システムであってもよく、車体の動きを示すことができるジャイロおよび/または加速度計などのセンサからデータを提供でき、LSPおよび/またはHDC制御システム12、12HDに有用な入力を提供できる。センサからの信号は、車両が走行している地形状態の性状を示す複数の運転条件指標(地形指標とも呼ばれる)を提供するまたは計算するために用いられる。
【0069】
車両に搭載されたセンサ(図示せず)は、VCU10に連続的なセンサ出力信号16を与えるセンサを含み、これに限定するものではないが、既述で
図5に示した車輪速度センサ、周囲温度センサ、気圧センサ、タイヤ圧センサ、車輪連結センサ、車両の片揺れ、横揺れ、縦揺れとその割合を検出するジャイロスコープセンサ、車速センサ、縦方向の加速度センサ、エンジントルクセンサ(またはエンジントルク推定装置)、ステアリング角センサ、ステアリング車輪速度センサ、勾配センサ(または勾配推定装置)、スタビリティコントロールシステム(SCS)の一部であってもよい横方向加速度センサ、ブレーキペダル位置センサ、ブレーキ圧センサ、アクセルペダル位置センサ、縦方向、横方向、垂直方向運動センサおよび車両の渉り支援システムを形成する水検出センサ(図示せず)を含む。その他の実施形態では、前述のセンサからの選択したもののみを用いてもよい。
【0070】
VCU10は、ステアリングコントローラ170Cからの信号も受信する。ステアリングコントローラ170Cは、電子式パワーアシストステアリングユニット(ePASユニット)の形態である。ステアリングコントローラ170Cは、VCU10に車両100のステアリング可能な主車輪111、112に与えられるステアリング力を示す信号を供給する。この力は、ePASユニット170Cにより発生したステアリング力と組み合わせてユーザによりハンドル171に与えられる力に対応する。
【0071】
VCU10は、種々のセンサ入力を評価し、車両が走行している特定の地形タイプ(たとえば、泥、わだち、砂、草/砂利/雪)に対応する各々の制御モードにより、車両サブシステムに関する複数の異なる制御モード(運転モード)の各々が適切である確度を判断する。
【0072】
ユーザが自動運転モード選択状態に車両の動作を選択すると、VCU10は、制御モードのうちの最も適切なものを選択し、選択されたモードに応じてサブシステムを制御するように自動的に構成される。本発明に係るこの態様は、各々の内容が本明細書に援用される当社の同時係属出願である英国特許出願公開1111288.5号明細書、英国特許出願公開1211910.3号明細書および英国特許出願公開1202427.9号明細書にさらに詳細に記載されている。
【0073】
車両が走行している地形の性状(選択された制御モードを参照して判断される)が、車両の車輪に与えるドライブトルクの適切な増減を決定するために、LSP制御システム12で利用されてもよい。たとえば、ユーザが、車両が走行している地形の性状に適さないLSP_設定速度の値を選択すると、システム12が車両の車輪の速度を低下させることにより自動的に車速を下方に調節するように作動可能である。いくつかの場合には、たとえば、ユーザが選択した速度が、特定の地形タイプ、特に起伏があるまたは凹凸のある路面の場合に達成可能ではないまたは適切ではないこともある。システム12が、ユーザが選択した設定速度とは異なる設定速度を選択すると、速度制約の視覚表示がLSP HMI20を介してユーザに与えられ、択一的な速度が採用されたことを示す。
【0074】
上記のとおり、車両100には3つの速度制御システムがある。すなわち、低速進行制御(LSP)システム12、オンハイウエイクルーズコントロールシステム16およびヒルディセント制御(HDC)システム12HDである。システムの各々は、そのシステムに関連した対応する設定速度パラメータの現在の値をメモリに記憶するように構成されている。
【0075】
速度制御システム12、16、12HDは、互いにそれぞれの設定速度値を「共有する」ためにその間に接続している制御ラインを介して相互に連絡するように作動可能である。いくつかの実施形態では、システム12、16、12HDがプライベートネットワークまたは任意の他の適切な手段によりコントローラエリアネットワーク(CAN)バスを介して互いに連絡するように構成されている。いくつかの実施形態では、制御システム12、16、12HDがメモリ中のそれぞれの制御システムの設定速度に関するデータを記憶する単一の計算装置上で実行されるソフトウェアコードで実施される。その他の構成も有用である。
【0076】
制御システム12、16、12HDが車速を制御す
る「起動」状態で制御システム12、16、12HDのうちのいずれか1つにより動作している場合には、ユーザは、「+」と「−」ボタン174、175により設定速度を増減させてもよくまたは「設定速度」制御ボタン173を押下することにより現在の車速に設定速度を設定させてもよい。
【0077】
ユーザが、対応するセレクター制御172、176、177により必要な速度制御システムを選択するだけで1つの速度制御システム(「現在選択されている」速度制御システムである)から別の速度制御システムへ切り替えできる。
【0078】
ユーザがこの操作を行う場合には、「新たに選択された」速度制御システムが車速の瞬間値をチェックする。車速の瞬間値が新たに選択された速度制御システムの動作を許可する速度値の範囲外にあると、VCU10は、異なる速度制御システムに切り替えるというユーザのリクエストを無視して現在選択されている速度制御システムが車速の制御を引き続き行う。ユーザに対してVCU10がリクエストを無視した理由を示す通知が行われてもよい。
【0079】
車両100の瞬間速度が新たに選択された速度制御システムの動作の許容値の範囲内に入っていると、VCU10は、現在選択されている速度制御システムの設定速度パラメータの値が新たに選択されたシステムの許容値の範囲内に入っているかをチェックする。その値が実際に許容値の範囲内に入っていると、新たに選択されたシステムが現在選択されているシステムの設定速度パラメータの値にその設定速度パラメータの値を設定する。その後、現在選択されている速度制御システムの選択が解除され、新たに選択された速度制御システムが車速の制御に入る。その後、新たに選択された速度制御システムがその設定速度パラメータの値にしたがって車速を制御する。
【0080】
いくつかの実施形態では、現在の車速が新たに選択した速度制御システムが起動できる許容速度の範囲内にないときにユーザが対応するセレクター制御172、176、177により新たな速度制御システムを選択し、ユーザが、所定期間(1秒など)を超える期間、「セレクト」状態にセレクター制御を保持するかまたは1秒(たとえば)(または任意の他の適切な値)の時間内に2度以上新たな速度制御システムを選択すると、VCU10は、新たに選択された速度制御システムの速度の許容値の範囲内に車速を入れるように車速の変更を命令するように構成されている。
【0081】
新たに選択された速度制御システムが速度制御を引き受ける前に、現在選択されている速度制御システムの設定速度パラメータの値は新たに選択されたシステムの速度値の許可範囲内にはないが、瞬間車速は新たに選択されたシステムが正方向のドライブトルクを与える命令はできないがブレーキトルクを与える命令(たとえば、パワートレイン129および/またはブレーキシステム22により)を出してもよい中間モードに入ることが許可される値の範囲内に入っていると新たに選択された速度制御システムが判断すると、新たに選択された速度制御システムの設定速度の値が現在選択されている速度制御システムの値に最も近い許容値である値に設定される。その後、新たに選択された速度制御システムが動作の中間モードに入り、前回選択された速度制御システムの選択が解除される。この状況の下で、一旦、車速が引き続いて起動状態(またはモード)において新たに選択された速度制御システムの許容値の範囲内に入ると、新たに選択された速度制御システムが起動状態(またはモード)に入り、その速度制御システムの設定速度パラメータの値にしたがって車速の制御を引き受ける。
【0082】
先に述べたとおり、瞬間車速が、起動または任意の動作の中間モードのいずれかにおいて新たに選択された速度制御システムの動作に許可された値の範囲外にあると、現在選択されている速度制御システムがその車速を制御し続け得る。新たに選択された速度制御システムが現在の車速では作動不能であることをユーザに知らせる表示をユーザに提供してもよい。したがって、新たな速度制御システムは、車両100の現在の速度が新たな速度制御システムの起動または動作の中間モードの速度の許容範囲に入る場合にのみ車速制御について選択可能である。その他の構成も有用である。
【0083】
例として、現在使用中の車両100が、起動しておりクルーズ_設定速度パラメータの現在の値にしたがって車
速維持
を行うクルーズコントロールシステム16により、オンハイウェイで走行してもよい。その後、ドライバが、LSP制御システムセレクタボタン172を押下してクルーズコントロールシステム16からLSP制御システム12に速度制御を切り替える。
【0084】
この状況下で、LSP制御システム12は、瞬間車速が中間または起動モード(2〜50kph)でLSP制御システム12が作動するための許容範囲内に入っているかをチェックする。瞬間速度が許容範囲内に入っていると、システム12がクルーズ_設定速度パラメータの現在の値をチェックする。クルーズ_設定速度パラメータの値がLSP_設定速度の許容値の範囲内、すなわち2〜50kphの範囲内に入っていると、LSP制御システム12がクルーズ_設定速度の現在の値にLSP_設定速度の値を設定する。その後、クルーズコントロールシステム16の選択が解除され、LSP制御システム12が車速に応じて中間または起動モードの動作に選択される。
【0085】
クルーズ_設定速度の値がLSP_設定速度の最大許容値よりも大きいが、車速が中間または起動モードでLSP制御システムの動作の範囲内に入っていると、LSP制御システム12は、瞬間速度がLSP_設定速度の許容値の範囲内に入っていると、瞬間車速にLSP_設定速度の値を設定する。瞬間速度がLSP_設定速度の最大許容値を上回っていると、LSP制御システム12は、LSP_設定速度の最大許容値(本実施形態では30kphである)にLSP_設定速度の値を設定する。その後、クルーズコントロールシステム16の選択が解除され、LSP制御システム12が選択されて車速に応じて中間または起動モードで作動する。
【0086】
上記のとおり、動作の中間モードにある場合には、LSP制御システム12は、ブレーキシステム22およびパワートレイン129を用いてLSP_設定速度値に車両を減速するように構成されている。しかしながら、中間モードにある場合には、LSP制御システム12は正方向のドライブトルク(正方向のパワートレイントルク)を与えることは許可されない。LSP制御システム12の動作の中間モードがHDCシステム12HDの動作の起動モードに類似している、と理解すべきである。すなわち、パワートレイン129およびブレーキシステム22が車両を減速するように採用されてもよいが、HDCシステム12HDには正方向のパワートレイントルクを命令することは許可されない。
【0087】
車速が、LSP制御システム12の動作の中間モードに入るようであれば、LSP制御システム12は、LSP_設定速度に車両100を減速するために、必要に応じてパワートレイン129およびブレーキシステム22を採用する。一旦、車速が起動モード(すなわち2〜30kphの範囲)でLSP制御システム12の動作の許容範囲内に入ると、LSP制御システム12は、起動モードに入りLSP_設定速度値にしたがって車速を制御しようとする。VCU10が、LSP_設定速度の値が現行の地形状態には高すぎると判断すると、LSP制御システム12は、低下された設定速度にしたがって車両を制御するように一時的に命令されてもよい。
【0088】
クルーズコントロールシステム16が現在選択されている速度制御システムである場合に、ドライバが、瞬間または現行車速が起動モードでLSP制御システム12の値の許容範囲内に入っており、クルーズ_設定速度の値がLSP_設定速度の値の許容範囲内に入っている場合に、LSP制御システムセレクタボタン172を押下すると、LSP_設定速度の値はクルーズ_設定速度の現在の値と実質的に等しくなるように設定される。その後、クルーズコントロールシステム16の選択が解除され、LSP制御システム12が動作の起動モードで速度制御
を行うシステムとして選択される。
【0089】
ドライバが新たな速度制御システムを選択後に初めて再開ボタン173Rを押し、新たな速度制御システムが起動もしくは中間のモードまたは状態にあると、新たに選択された速度制御システムの設定速度の値が、その制御システムが起動していた最後に制御システムにより採用された設定速度の直近の値に設定される。
【0090】
したがって、ドライバがLSP制御システム12を選択後に初めて再開ボタン173Rを押し、LSP制御システム12が起動モードまたは中間のモードのうちの1つに入ると、LSP_設定速度の値は、最後にLSP制御システム12が起動していたときにLSP制御システム12により採用されたLSP_設定速度の直近の値に設定される。その他の構成も有用ではあるが、この機能がHDC制御システム12HDおよびクルーズコントロールシステム16にも提供される、と理解すべきである。いくつかの実施形態では、LS_設定速度の値を変更させる前に、設定速度の直近の前回値が、現在の地形状態に適切であるか(たとえば、選択された地形モードを参照および/または車両が水渉りをしているかどうかの判断により)を確認するためのチェックを行ってもよい。
【0091】
図6は、車両100を運転している間ドライバに見える車両100の速度計190Sの概略図である。速度計は、実質上円形の目盛版191D上の速度表示値を指示してそれにより現在の車速を示す針191Nを有する。
【0092】
LSP制御システム12またはHDCシステム12HDのいずれかが起動して場合、システム12または12HDがその設定速度の値を設定するように作動可能である速度の範囲が、バンド192の形態で速度計190S上に強調表示される。これにより、ドライバは、針191Nが示した現在の車速が設定速度の許容値内に入っているかをすぐに判断できる。示された例では、LSP制御システム12が起動しておりバンド192が2から30kphまでの速度範囲を強調表示している。
【0093】
速度指標のアイコンまたはチャプレット193Cが速度計目盛板191Dの外縁に表示されてLSP_設定速度の現在の値を示す。クルーズコントロールシステム16またはHDC制御システム12HDが起動している場合にも、同様のチャプレットが表示されてクルーズ_設定速度およびHDC_設定速度の現在の設定値をそれぞれ示す。
【0094】
ゴーストチャプレット193GCが、速度計191Sに表示されてもよい。ゴーストチャプレット193GCは、現在選択されている速度制御システムが前回選択されて車速を制御していた場合に採用されていた設定速度の値に対応する位置で表示される。したがって、ドライバが、LSP制御システム12から別のシステム12HD、HDC制御システム12HDなどの16に切り替えると、LSP制御システム12は、そのメモリにLSP_設定速度の値を記憶し、LSP制御システム12が次に選択される場合に用いるために保持している。LSP制御システム12が次に選択される場合には、LSP制御システム12は、前回記憶されたLSP_設定速度の値を検索し、前回記憶された値に対応する位置でゴーストチャプレット193GCを表示する。その他の構成も有用である。
【0095】
車両100が起動しているLSP制御システム12により動作しており、ドライバがクルーズコントロールシステムセレクタボタン176を押下することによりクルーズコントロールシステム16の動作を選択すると、クルーズコントロールシステム16は、LSP_設定速度の現在の値がクルーズ_設定速度の値の許容範囲内に入っているか(すなわちLSP_設定速度の値がLSP_設定速度およびクルーズ_設定速度の値の重複する範囲である、25〜30kphの範囲に入っているか)および車速がクルーズコントロールシステム16の動作の値の許容範囲内(すなわち25〜150kph)に入っているかを判断する。LSP_設定速度の値が25〜30kphの範囲内に入っており車速が25〜150kphの範囲内に入っていると、クルーズコントロールシステム16は、LSP_設定速度の現在の値と実質的に等しいクルーズ_設定速度の値を設定する。その後、LSP制御システム12の選択が解除され、クルーズコントロールシステム16が速度制御
を行うシステムとして選択される。いくつかの実施形態では、瞬間車速がLSP_設定速度の現在の値より大きく、車速が起動モードのクルーズコントロールシステム16の許容値の範囲内に入っていると、クルーズ_設定速度の値が車速の瞬間値に設定される。
【0096】
車速がクルーズコントロールシステム16が作動するための許容値の範囲内に入ってはいるが、LSP_設定速度の値がクルーズ_設定速度の最小許容値を下回るときに、ドライバがクルーズコントロールシステム16の作動を選択すると、LSP_制御システム12が起動しなくなりクルーズコントロールシステム16が待機モードに入る。ユーザが次に設定速度ボタン173を押すと、クルーズコントロールシステム16が起動モードに入り、通常の方法で車速の瞬間値にクルーズ_設定速度の値を設定する。代わりにドライバが再開ボタン173Rを押すと、クルーズコントロールシステム16が起動モードに入り、クルーズ_設定速度の値がクルーズ_設定速度の前回記憶した値に設定される。記憶された値は、上記のとおり、クルーズコントロールシステム16が最後に起動していた場合に採用されていたクルーズ_設定速度の最直近の値に相当する。
【0097】
本発明に係る実施形態は、車両の安定性が向上できるという長所を有する。これは、ユーザが1つの速度制御システムから別の速度制御システムに切り替える場合に、新たな速度制御システムは、選択された瞬間の実際の車速である「スナップショット」を単純には採用せず現在の車速にそのシステムの設定速度パラメータの値を設定しないからである。むしろ、新たな速度制御システムの設定速度パラメータが、前回の速度制御システムにより採用された値に設定される。
【0098】
本特徴の利点は、第1の速度制御システムが設定速度値を下回る速度から設定速度値まで車両を加速する過程にあるときにドライバが第1のものに代わり第2の異なる速度制御システムを選択する状況を考慮することにより理解され得る。上記のとおり、種々の条件が満たされていることを条件として、第2の速度制御システムが速度制
御を引き受けると第2の速度制御システムは同じ設定速度値に向かって車両を加速し続ける。それゆえに、本発明に係るいくつかの実施形態では、新たな速度制御システムが車両制御を引き受けるときに、車両の加速度を維持することにより車両の安定性を向上させる。さらに、新たな速度制御システムを選択するということは、前回選択された速度制御システムで採用された設定速度とは別の新たな設定速度値を選択することがさもなければ必要であろうから、本発明のある実施形態ではドライバの負荷を軽減できる。この要求事項は、ドライバの負荷に動作ステップをさらに加えて潜在的に車両の進行を阻害するであろう。
【0099】
システム動作の1つの例では、車両100が、起動しており30kphのLSP_設定速度の値にしたがって車速を制御しているLSP制御システム12により運転されていてもよい。車両100のドライバがブレーキペダル163を踏み込んで一時的に車両100の速度を20kphの速度まで減速してもよい。LSP制御システム12は、ブレーキシステム22またはパワートレイン129を制御するいかなる処置をも講ずることのない待機モードに入ることにより応答する。ドライバが次に再開ボタン173Rを押す場合に、LSP制御システム12が起動モードに入り、LSP_設定速度値(本例では30kph)に向けて車両100を加速し始める。その後、ユーザがクルーズコントロールシステム16の動作を選択すると、クルーズコントロールシステム16は、現在の車速がクルーズコントロールシステム16の動作の許容範囲内に入っているかをチェックする。クルーズコントロールシステムセレクタボタン176が押下された場合に、車速が25kphを超えたという条件で、クルーズコントロールシステム16は、LSP_設定速度の値がクルーズ_設定速度の許容値の範囲内に入っていることを確認する。30kphの値は25から150kphまでの範囲内に入っているので、クルーズコントロールシステム16は、LSP_設定速度の現在の値にクルーズ_設定速度の値を設定する。その後、LSP制御システム12の選択が解除され、クルーズコントロールシステム16が速度制御
を行うシステムとして選択される。その後、クルーズコントロールシステムが現在の速度からクルーズ_設定速度値(30kph)まで車両100を加速し続ける。
【0100】
ドライバが、LSP制御システム12またはクルーズコントロールシステム16が起動している場合に、HDC制御システム12HDの動作を選択すると、HDC制御システム12HDは、車速がHDCシステム12HDの速度の値の許容範囲内(すなわち2〜50kph)に入っているかをチェックする、と理解すべきである。速度が値の許容範囲内に入っていると、システム12HDは、現在選択されている速度制御システムの設定速度パラメータの値がHDC_設定速度の値の許容範囲内(すなわち2〜30kph)に入っているかをチェックする。この状態も満たされると、HDCシステム12HDは、現在選択されている速度制御システムの設定速度の値にHDC_設定速度の値を設定して起動モードに入る。その後、HDCシステム12HDは、HDC_設定速度の値にしたがって車速を制御させる。すなわち、HDシステム12HDは、HDC_設定速度の値を超えないように車速を制御する。
【0101】
1つの状況例では、ユーザは、クルーズコントロールシステム16を起動させて、所望のクルーズ_設定速度の値(例えば50kph)でハイウエイ上で車両100を運転し得る。ドライバは、車両100が農道に近づき、次いで農道を走行するとき、25kphの値までクルーズ_設定速度の値を低下させてもよい。農道の運転路面の凹凸が大きくなると、ドライバはLSP制御システムセレクタボタン172を押すことによりLSP制御システム12を選択してもよい。クルーズ_設定速度の値(25kph)がLSP制御システム12の許容値の範囲内(すなわち2〜30kph)に入っており車速がLSP制御システム12の起動モードで作動する許容値の範囲内に入っているので、LSP制御システム12は、LSP_設定速度の値をクルーズ_設定速度(すなわち25kph)の値に設定し、起動モードでの作動に入る。
【0102】
農道が更に凹凸しおよび/または滑りやすくなると、ドライバは、LSP_設定速度の値をさらに低下させてもよい。その後、農道の勾配は、ドライバがHDC制御システム12の選択を決定するほど十分に険しくなる場合がある。HDC制御システム12は、現在の車速(たとえば、10kph)がHDC制御システムの動作の許容範囲(2〜50kph)内に入っていることおよびLSP_設定速度の値がHDC_設定速度(2〜30kph)の値の許容範囲内に入っているかをチェックする。これらの状態が満たされると、HDC制御システム12HDがLSP_設定速度の瞬間値にHDC_設定速度の値を設定する。その後、LSP制御システム12の選択が解除され、HDC制御システム12HDが車速の制御に入る。
【0103】
その後、ユーザは、ハンドル171上に搭載した制御部を用いてHDC_設定速度の値を調節してもよい。
【0104】
ドライバが次にLSP制御システム12を再選択すると、LSP制御システム12は、車速がLSP制御システム12の値の許容範囲内に入っているかをチェックする。この場合は、LSP_制御システムは、HDC_設定速度の現在の値がLSP_設定速度の許容値の範囲内に入っているかをチェックする。この場合は、LSP_設定速度の値がHDC_設定速度の瞬間値に設定される。HDC制御システム12HDの選択が解除され、LSP制御システム12が、車速に応じて起動モードまたは中間モードで速度制御に入る。上記のように、LSP制御システム12が動作の起動モードまたは中間モードで最後であった場合に採用したLSP_設定速度の値がゴーストチャプレット193GCにより速度計190Sに表示される。ドライバは、再開ボタン173Rを押下することによりゴーストチャプレット193GCにより示される値にLSP_設定速度の現在の値を設定してもよい。
【0105】
たとえば、車両が25km/hの設定速度LSP_設定速度で、実質的に25km/hの速度でLSP制御システム12の制御下で走行し、ドライバがHDC制御システム12HDを選択すると、HDC制御システム12HDは、25km/hにHDC_設定速度の値を設定し、LSP制御システム12の代わりに車速の制御に入る。その後、ドライバは、車速の制御をLSP制御システム12に切り替え戻す前に、HDC_設定速度の値を10km/h(たとえば)に低下させてもよい。その後、LSP制御システム12は、10km/hに設定されたLSP_設定速度の値で車速の制御に入ることになる。ドライバが次に再開ボタン173Rを押すと、LSP制御システム12は、LSP制御システム12が動作していた前回に採用していた直近の値、すなわち25km/hにLSP_設定速度の値を設定する。
【0106】
ドライバが次にHDC制御システム12HDを再選択すると、HDC制御システム12HDにより最後に採用されていたHDC_設定速度の値がゴーストチャプレット193GCにより表示され、HDC制御システム12が、再開ボタン173Rを押すことによりゴーストチャプレット193GCにより示された速度に選択されている場合には、ドライバは、HDC_設定速度の現行値を設定してもよい。
【0107】
図7は、本発明に係る実施形態による方法を図示したフローチャートであり、1つのシステム(システムA)による速度制御が、別のシステム(システムB)による速度制御を選んで、取り消されてもよい。
【0108】
ステップS103では、速度制御システムAが起動している。速度制御システムAは、クルーズコントロールシステム16、LSP制御システム12またはHDC制御システム12HDなどの任意の適切な速度制御システムであってもよい。
【0109】
ステップS105では、VCU10などのコントローラは、速度制御システムBに切り替えるリクエストを受けたかを決める。速度制御システムBは、車両100がシステムA以外を備えている2つまたはそれ以上の速度制御システム16、12、12HDのうちの任意の他の1つであってもよい。このようなリクエストを受けていないと、ステップS103でその方法が継続する。このようなリクエストを受けていると、ステップS107でその方法が継続する。
【0110】
ステップS107では、速度制御システムBは、車速の現在の値がシステムBの動作の許容範囲内に入っているかをチェックする。速度が許容範囲内に入っていないと、ステップS103でその方法が継続する。システムBの作動が許可されない指示がユーザに与えられる。速度が許容範囲内に入っていると、ステップS109でその方法が継続する。
【0111】
ステップS109では、システムBは、システムAの設定速度値がシステムBの値の許容範囲内であるかをチェックする。設定速度が許容範囲内に入っていると、ステップS111でおよびシステムBの設定速度がシステムAの設定速度の値に設定されるとその値でその方法が継続する。
【0112】
ステップS109でシステムAの設定速度の値がシステムBの値の許容範囲内に入っていないと判断されると、ステップS113でその方法が継続する。
【0113】
ステップS113では、システムBの設定速度の値がシステムAの設定速度の瞬間値に最も近い許容値に設定される。
【0114】
ステップS115では、速度制御システムAの選択が解除され、速度制御システムBが車速制御に選択される。
【0115】
ステップS115で、速度制御システムBが選択されたとき、システムBが動作の複数のモードのうちの1つを引き受けさせられ得る、と理解すべきである。たとえば、システムBの設定速度がシステムAよりも高い値に設定されておりシステムBが設定速度に車両を加速するように正方向のドライブトルクを与える能力がある場合、システムBは、そのシステムが正方向のドライブトルクを与える命令を出すように作動可能ではない待機モードに入ってもよい。その他の構成も有用である。
【0116】
上記で説明した実施形態は、例示のみを目的として記載したものであり、本発明、添付した請求項に定義した本発明の範囲を限定しようとするものではない、と理解される。
【0117】
本発明に係る実施形態は、以下の番号を付した項を参照して理解できる。
【0118】
本明細書の発明の詳細な説明および請求項を通して、「からなる」および「含む」の用語ならびにこれらの用語の変形形態、たとえば、「からなり」および「からなって」などの用語は、「含むがそれに限定するものではない」という意味であり、その他の部分、付加物、構成要素、整数またはステップを排除しようとするものではない(および排除するものでもない)。
【0119】
本明細書の発明の詳細な説明および請求項を通して、単数形は、文脈上別の意味を示していると判断されない限り、複数形のものも含む。特に、不定冠詞を用いた場合には、本明細書では、文脈上別の意味を示していると判断されない限り、単数形のみならず複数形のものも含むと理解すべきである。
【0120】
発明に係る特定の態様、実施形態または実施例に関連して説明した特徴、整数、特性、化合物、化学的部分または基は、それらの内容と矛盾しない限り、本明細書において説明した任意の他の態様、実施形態または実施例に適用可能であることを理解すべきである。
【0121】
本出願は、そのすべての内容が本明細書に明らかに援用される同時係属出願中の英国特許出願公開第1214651.0号明細書から優先権を主張する。