【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は下記の実施形態を含む。
【0009】
[1] スポーツボールであって、
a 複数のパネル(46)を備える表面層(45)と、
b 表面層(45)の下に延在する格子構造(100;20;300;40;50;60;70;1100)であって、格子構造(100;20;300;40;50;60;70;1100)は、径方向延在要素(130;230;330;630;730;1130)を備える複数の格子セルを備える、格子構造(100;20;300;40;50;60;70;1100)と、
を備え、
c 少なくとも、表面層(45)に隣接する格子セルは、パネル(46)の平均直径よりも小さい寸法を少なくとも1つ有する、スポーツボール。
【0010】
[2] 少なくとも、表面層(45)に隣接する格子セルは、5cm未満、好ましくは3cm未満、特に好ましくは1cm未満の寸法を少なくとも1つ有する、[1]に記載のスポーツボール。
【0011】
[3] 複数の格子セルは、球形状の格子を形成する、[1]または[2]に記載のスポーツボール。
【0012】
[4] 格子構造(100;20;70;1100)は、第1の球形格子シェル(110;210;710;1110)と、第2の球形格子シェル(120;220;720;1120)とを備え、第1の球形格子シェル(110;210;710;1110)は、第2の球形格子シェル(120;220;720;1120)を包囲する、[1]から[3]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0013】
[5] 表面層に隣接する格子セルの少なくともいくつかは、中空でない側壁(611)および/または中空でない内壁(612)を備える、[1]から[4]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0014】
[6] 表面層に隣接する格子セルの少なくともいくつかは、発泡材料(690)、好ましくは、発泡熱可塑性ポリウレタンおよび/または発泡ポリエーテルブロックアミドからなる、[1]から[5]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0015】
[7] 格子構造(100;20;70;1100)は、格子の幾何学的形状および/または材料特性の異なる2つ以上の格子層(110、120;210、220;710、720;1110、1120)を備える、[1]から[6]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0016】
[8] 格子構造は、少なくとも1つの膨張促進格子セル(800)を備える、[1]から[7]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0017】
[9] 格子構造は、第1の複数の格子セルと、第2の複数の格子セルとを備え、第1の複数の格子セルの大きさは、第2の複数の格子セルよりも大きい、[1]から[8]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0018】
[10] スポーツボールであって、
a 表面層と、
b 表面層の下に延在する球形状の均質なシェル(900)と、
を有し、
c シェル(900)は、複数の開口部(910)を備える、スポーツボール。
【0019】
[11] 格子構造またはシェルは、高分子材料、好ましくは、熱可塑性ポリウレタンおよび/またはポリアミドからなる、[1]から[10]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0020】
[12] 格子構造またはシェルは、少なくとも部分的に、3Dプリンティング、射出成形および/または熱成形によって製作される、[1]から[11]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0021】
[13] 完全な格子構造または完全なシェルは、一体的に製作される、[1]から[12]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0022】
[14] スポーツボールは、膨張式ブラダー(1200)を備える、[1]から[13]のいずれかに記載のスポーツボール。
【0023】
[15] 膨張式ブラダーは、少なくとも1つの補強要素(1220)を備える、[14]に記載のスポーツボール。
【0024】
[16]サッカーボールであって、
a 複数のパネル(46)を備える表面層(45)と、
b 表面層(45)の下に延在する格子構造(100;20;300;40;50;60;70)であって、格子構造(100;200;300;40;50,60;70)は、径方向延在要素(130;230;330;630;730)を備える複数の格子セルを備える、格子構造(100;20;300;40;50;60;70)と、
を備え、
c 少なくとも、表面層(45)に隣接する格子セルは、パネル(46)の平均直径よりも小さい寸法を少なくとも1つ有する、サッカーボール。
【0025】
[17]少なくとも、表面層(45)に隣接する格子セルは、5cm未満、好ましくは3cm未満、特に好ましくは1cm未満の寸法を少なくとも1つ有する、[16]に記載のサッカーボール。
【0026】
[18]複数の格子セルは、球形状の格子を形成する、[16]または[17]に記載のサッカーボール。
【0027】
[19]格子構造(100;20;70)は、第1の球形格子シェル(110;210;710)と、第2の球形格子シェル(120;220;720)とを備え、第1の球形格子シェル(110;210;710)は、第2の球形格子シェル(120;220;720)を包囲する、[16]から[18]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0028】
[20]表面層に隣接する格子セルの少なくともいくつかは、中空でない側壁(611)および/または中空でない内壁(612)を備える、[16]から[19]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0029】
[21]表面層に隣接する格子セルの少なくともいくつかは、発泡材料(690)、好ましくは、発泡熱可塑性ポリウレタンおよび/または発泡ポリエーテルブロックアミドからなる、[16]から[20]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0030】
[22]格子構造は、四面体タイプ(170)である、[16]から[21]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0031】
[23]格子構造は、少なくとも1つの、ボールの湾曲に垂直な方向に向けられる格子セルを備える、[16]から[22]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0032】
[24]格子構造(100;20;70)は、格子の幾何学的形状および/または材料特性の異なる2つ以上の格子層(110、120;210、220;710、720)を備える、[16]から[23]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0033】
[25]格子構造は、少なくとも1つの膨張促進格子セル(800)を備える、[16]から[24]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0034】
[26]格子構造は、第1の複数の格子セルと、第2の複数の格子セルとを備え、第1の複数の格子セルの大きさは、第2の複数の格子セルよりも大きい、[16]から[25]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0035】
[27]格子構造は、少なくとも部分的に、3Dプリンティング、射出成形および/または熱成形によって製作される、[16]から[26]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0036】
[28]完全な格子構造は、一体的に製作される、[16]から[27]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0037】
[29]格子構造は、高分子材料、好ましくは、熱可塑性ポリウレタンおよび/またはポリアミドからなる、[16]から[28]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0038】
[30]格子構造(100)は、少なくとも1つの空隙(160)を備える、[16]から[29]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0039】
[31]サッカーボールであって、
a 表面層と、
b 表面層の下に延在する球形状の均質なシェル(900)と、
を有し、
c シェル(900)は、複数の開口部(910)を備える、サッカーボール。
【0040】
[32]シェルは、高分子材料、好ましくは、熱可塑性ポリウレタンおよび/またはポリアミドからなる、[31]に記載のサッカーボール。
【0041】
[33]シェルは、少なくとも部分的に、3Dプリンティング、射出成形および/または熱成形によって製作される、[31]または[32]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0042】
[34]完全なシェルは、一体的に製作される、[31]から[33]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0043】
[35]格子構造はまたはシェルは、2mの高さから鋼板の上に落下させたとき、サッカーボールが少なくとも0.5m、少なくとも1.0mまたは少なくとも1.35m跳ね上がるように構成される、[16]から[34]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0044】
[36]格子構造はまたはシェルは、50km/hの速度で鋼板に対して2000回衝突させた後に、ボールの真球度からのずれが5%未満、2%未満または1.5%未満であるように構成される、[16]から[35]のいずれかに記載のサッカーボール。
【0045】
一実施形態において、この課題は、(i)複数のパネルを備える表面層と、(ii)表面層の下に延在する格子構造と、を備えるスポーツボールによって、少なくとも部分的に解決される。格子構造は、径方向延在要素を備える複数の格子セルを備え、少なくとも、表面層に隣接する格子セルは、パネルの平均直径よりも小さい寸法を少なくとも1つ有する。スポーツボールは、例えば、サッカーボールであり得る。
【0046】
上述の実施形態は、スポーツボールの膨張式ブラダーを、および可能であるならカーカスをも、ボールを(再)膨張させる必要なく一貫した跳ね上がりおよび跳ね返り特性と安定性とがもたらされるような、膨張式ブラダーおよびカーカスと同様の均質な弾性回復性と安定性とをボールにもたらすコア構造によって置き換えるという全体的な考え方に基づいている。換言すれば、ボールは、ブラダーを備えなくてよく、膨張式でなくてよい。更には、ボールは、従来の膨張式ボールのブラダーの周囲に典型的に設けられて、(空気を保持する)ブラダーを保護し、構造および剛性を提供するカーカス(carcass)を備えなくてよい。
【0047】
代わりに、均質な弾性回復性および安定性は、径方向延在要素(radially extending element)を有し、従って特に径方向の弾性回復性および安定性をもたらし得る格子構造によって提供され得る。例えばキック、跳ね上がりなどにより外側からボールに与えられる力は、表面層に隣接する格子セルを介してボールに与えられる。これらの格子セルは、例えば、ボールのパネルよりも小さいような十分に小さい寸法を備えるので、均質な跳ね上がり/跳ね返り/緩衝特性がもたらされる。このような格子の小さな「粒状度」によって、ボールとの正確な接触位置に関わらず、同一の跳ね上がり特性(例えば、地面で跳ね上がるとき)、跳ね返り特性、および同一の感触(例えば、ボールを蹴るとき)が、ボールによってもたらされる。格子構造は、ボール全体の周りに実質的に均質で等方的な圧力/力分布を達成することを可能にする。
【0048】
格子構造は、無数の設計の選択肢を与えるので、ボールの跳ね上がり/跳ね返り特性および感触は、必要に応じて、ことによると個々の消費者による要望に応じて、調整され得る。例として、サッカーボールの跳ね上がりおよび/または跳ね返り特性は、室内サッカー(例えば、フットサル)における要望に特に適合され得る。更には、格子構造は、完全に回転対称に設計され得、完全に均衡のとれたボールが提供される。格子構造の小さな「粒状度」は、完全に均質な跳ね上がり/跳ね返り特性を保証し得るように格子構造をボールの周りへ均一に分布し、ボールの均衡を取ることを容易にする。格子構造は、任意に、流体に、例えば大気圧の空気または任意の他の流体に浸漬され得る。
【0049】
格子構造は、ボールの慣性の角運動量を設計するためにも使用され得る。ボール内部での重量分布は、必要に応じて適合され得、例えば膨張式ブラダーを有する従来のサッカーボールのようにボールの質量をその外側面の近くに分布させることに限定されない。
【0050】
パネルの平均直径は、パネルの2つの対向する端部の間の最大距離とパネルの2つの対向する端部の間の最小距離との平均値であると考えられ得る。いくつかの例においては、少なくとも、表面層に隣接する格子セルは、パネルの最小直径、例えば、パネルの対向する2つの端部の間の最小距離よりも小さい寸法を少なくとも1つ有する。もしもボールが幾何学的形状の異なるパネルを備えるなら、ボールのパネルの平均直径および最小直径は、ボールのパネル全体の平均であると考えられ得る。
【0051】
表面層は、任意の適切な材料から提供されてよい。スポーツボール、特にはサッカーボールにおいて知られている表面層が使用され得る。例えば、表面層は、耐水性、耐摩耗性および/または柔らかな感触などをボールにもたらし得る。しかしながら、本発明によるボールは、例えば3Dプリンティングなどの付加製造処理によって製作された表面層も備え得る。表面層は、格子構造と同様の製造プロセスによって製作され得る。
【0052】
格子構造は、一揃いの梁状要素を備え得、梁状要素はその端部において互いに接続されている。梁は、例えば三角形、四角形、五角形、円形および/または楕円形などの任意の断面を有してよい。他の例において、他の形状が使用されてもよい。ある一定の数のこのような要素が、セルを形成し得、例えば、ある一定の数の梁状要素が、四面体のセルを形成するために配列され得る。他の例において、格子セルは、梁状要素によって形成されなくてもよい。格子セルは、部分構造を全く備えなくてもよい。例えば、格子セルは、球形状の物体によって構成されてよく、球形状の物体の表面を介して様々なセルが互いに接続される。また、球形状以外の他の物体形状も使用されてよく、かつ/または、様々な形状がセルを形成するために組合わせられてもよい。例えば、このような物体は、中空(例えば、気泡など)でよく、または中空でなくてもよい。物体は様々な大きさを有してよい。格子構造の格子セルは、例えば不規則に分散された発泡体小球とは対照的に、規則正しく(例えば、立方晶、正方晶、斜方晶、六方晶、三方晶、単斜晶、三斜晶など)配列され得る。格子セルの所定の配列のおかげで、格子構造の力学的特性を予め定めることができ、特には、上述したように、実質的に均質で等方的な特性を得ることができる。原理上は、格子構造は、非対称および/または不規則に配列することもできる。
【0053】
格子構造は、一揃いの梁状要素に加えて、またはそれに代えて、一揃いの筒状要素を備えてもよいことに留意されたい。筒状要素は、例えば、梁状要素について上述したものと同様に配列され得る。筒状要素を使用することによって、ある一定の程度の剛性が、より少ない材料で、従ってより少ない重量でもたらされ得る。筒状要素は、様々な内側および外側の断面形状を備えてよい。例えば、梁状要素と同様に、筒状要素は、例えば三角形、四角形、五角形、円形または楕円形の外側断面形状を備えてよい。同様に、および外側断面形状とは無関係に、必要に応じて、所望の内側断面形状が筒状要素に備えられてよい。例としては、筒状要素は、中空の円筒として提供され得る。
【0054】
表面層が複数のパネルを備えることは必須ではないことが強調される。例えば、表面層は単一の均質な層であり得、いくつかの副層を備え得、または任意の他の適切な表面層が使用され得る。パネルを有するまたは有さないスポーツボールにおいて、少なくとも、表面層に隣接する格子セルは、ボールの、関連性のある衝突領域の平均直径よりも小さい寸法を少なくとも1つ有し得る。例えば、衝突領域は、ボールが地面で跳ね上がるときに物理的に地面と接触するボール表面の領域であり得る。関連性のある衝突領域は、例えばボールがキックされたときまたは打たれたときに足または手と接触するボールの領域によっても与えられ得る。典型的なサッカーボールでは、関連性のある衝突領域の平均直径は5cm、3cm、1cmまたは0.5cmである。他のタイプのボール、例えばハンドボール、バレーボール、バスケットボールなどでも、同様の衝突領域が存在し得る。
【0055】
結果として、サッカーボールであって、少なくとも、表面層に隣接する格子セルは、5cm未満、3cm未満、1cm未満または0.5cm未満の寸法を少なくとも1つ有する、パネルを有するまたは有さないサッカーボールが提供され得る。
【0056】
いくつかの例において、表面層に隣接する格子セルの全ての寸法(例えば、径方向寸法および横方向寸法)が、前述の大きさ制限(すなわち、5cm未満、3cm未満、1cm未満または0.5cm未満)よりも小さい。他の例において、横方向寸法だけが、または横方向寸法の少なくとも1つが前述の大きさ制限よりも小さい。
【0057】
概して、パネルの機能の1つは、ボールに良好な接触特性をもたらすこと、および変形を少なくするためにある一定の程度の弾性回復性をもたらすことであることを留意されたい。本発明による格子構造は、その外側面に、所望の感触および変形を少なくするための所望の程度の弾性回復性をもたらすとともに、高品質なボールに求められる全体的な安定性と、跳ね上がり/跳ね返り特性をもボールにもたらすように設計され得る。換言すれば、格子構造は、従来のボールのブラダーおよび/またはカーカスを上述のように置き換えることに加えて、従来のボールのパネルも置き換えることができる。従って、例えば、表面層は、皮膜、または保護箔などの箔として実装され得る。
【0058】
いくつかの例においては、スポーツボールは、表面層を全く有さなくてもよいことに留意されたい。例えば、ボールに水またはほこりが入る虞が小さいインドアサッカーボールでこのようなことがあり得る。表面層を有さないサッカーボールでは、少なくとも、ボールの表面に位置する格子セルが、前述の大きさ制限よりも小さい寸法(すなわち、5cm未満、3cm未満、1cm未満または0.5cm未満)を少なくとも1つ有する。例えば、全ての寸法が、または横方向寸法だけが、または横方向寸法の少なくとも1つが、前述の大きさ制限よりも小さくなり得る。
【0059】
複数の格子セルは、球形状の格子を形成し得る。従って、格子構造は、スポーツボールの表面全体の周りに提供され得、格子によって均質な跳ね上がりおよび/または跳ね返り特性がボールの表面全体に亘ってもたらされ得る。他の例において、例えば、サッカーボール以外のボール、例えばラグビーボールまたは他の卵形のボールが提供される場合には、複数の格子セルは、卵形の格子を形成し得る。
【0060】
格子構造は、第1および第2の球形格子シェルを備えていてもよく、第1の球形格子シェルは、第2の球形格子シェルを包囲する。従って、ボール内に、異なる特性を有する格子シェルが提供され得る。例えば、第1の、外側の格子シェルが、第2の、内側の格子シェルよりも柔らかくなり得る。従って、ボールをキックしたときに特定の良好な感触が得られる。また、3つ以上の球形格子シェルが設けられてもよく、これらは連続的なシェルとして、例えば連続的に包囲するような方法で配置され得る。同様に、第1の、外側の格子シェルが、第2の、内側の格子シェルよりも大きな物質密度を有し得る。このような密度分布は、概してボールの外側により大きな力が生じることを考慮に入れたものであり得る。
【0061】
表面層に隣接する格子セルの少なくともいくつかは、中空でない側壁および/または内壁を備え得る。従って、格子構造の、より大きな力が予測され得る外側面に、追加的な安定性がもたらされ得る。
【0062】
表面層に隣接する格子セルの少なくともいくつかは、発泡材料、好ましくは、発泡熱可塑性ポリウレタンおよび/または発泡ポリエーテルブロックアミドからなり得る。従って、外力が最初に与えられる格子セルは、特に柔軟で弾性回復的に提供され得る。これは、ボールの感触の更なる改良を可能にし得、格子の粒状性がボールの跳ね上がりまたはキック特性に影響する可能性を事実上除去する。例えば、発泡材料として発泡熱可塑性ポリウレタンの不規則な方向を向いた小球を使用することで、特に良好な跳ね上がり特性、例えば、大きなエネルギーリターンをもたらすことができ、これは時間が経過しても安定しており、例えば、急速に劣化することがなく、温度からの影響が非常に小さい。この文脈において、例えばEP2649896A2において記載される発泡材料への参照がなされる。
【0063】
特には、発泡材料からなる格子セルの少なくともいくつかは、中空でない側壁および/または内壁を備え得、発泡材料は、格子セルの少なくともいくつかの、この側壁および/または内壁によって包まれる。従って、発泡材料に起こる変形形態は、実質的に伸長および圧縮に限定され得る。これらの変形形態では、特に有利な弾性回復性が、発泡材料によってもたらされ得る。特には、発泡材料の屈曲変形が、従って、回避され得る。
【0064】
いくつかの例において、格子構造は、四面体タイプであり得る。このような格子構造は、複数の四面体の格子セルを有する。このタイプの格子構造は、格子構造の破壊強度対その重量の好都合な比率を有しつつ所望の量の弾性回復性をもたらし得ることが分かっている。しかしながら、概して、他のタイプの多面体、例えば、立方体、および/または八面体および/または十二面体も使用され得る。
【0065】
格子構造は、少なくとも1つの、ボールの湾曲に垂直な方向、例えば、径方向に向けられる格子セルを備え得る。例として、少なくとも1つの格子セルが、ボールの湾曲に垂直な方向、例えば、径方向に向けられる軸または主軸を有し得る。従って、ボールの力応答は可能な限り自然になり得、等方的な跳ね上がり/緩衝およびキック特性がもたらされる。例えば、表面層に隣接するセルは、全て径方向に向けられてよい。セルの更なる群がこれらのセルに隣接して(いっそうボールの中心に向かって)配置され得、この更なる群のセルも径方向に向けられ得る。更なる群のセルは、表面層に隣接するセルの大きさに比べると僅かに小さい大きさを有し得る。1つまたは複数の更なる群のセルが、いっそう径方向内側に配置され得る。いくつかの例において、格子構造の全てのセルが、径方向に向けられ得る。
【0066】
格子構造は、格子の幾何学的形状および/または材料特性の異なる2つ以上の格子層を備え得る。1つの格子層から他の格子層へと、様々なパラメータ、例えば、格子のタイプ(例えば、四面体から単純な立方体へなど)、格子セルの大きさ、格子の配列(例えば、正方晶から斜方晶へなど)、格子の方向および/またはその材質が、変化され得る。従って、格子の物理的特性は、1つの格子層から別の格子層へと様々な手段で変更され得る。従って、格子の特性は、必要に応じて最適化され得る。例えば、格子構造の剛性は、ボールの中心に向かうにつれて増加し得る。様々な格子層は、一体的に製造され得る。あるいは、格子構造の一部分、例えば個々の層が、個別に製造され、その後に、例えば接着剤の塗布、機械的な接続要素を有する部品の設置、および/または熱の付与(例えば、溶接など)によって結合されてもよい。2つ以上の格子層が、互いに隣接され得ることに留意されたい。2つ以上の層は、同一の製造プロセスにおいて製造され得る。2つ以上の格子層の間には、急激な遷移があってよい。あるいは、2つ以上の格子層の間に、格子構造の幾何学的形状および/または材料特性が連続的に変化する1つまたは複数の遷移帯域があってよい。2つ以上の格子層は、互いに対して滑らかに併合され得る。後者は、スポーツボール内での力の円滑な誘導を保証し得、このことはボールの跳ね上がりおよび/または跳ね返り特性を向上させ得る。
【0067】
格子構造は、少なくとも1つの膨張促進格子セル(auxetic lattice cell)を備え得る。膨張促進セルは、概して、負のポアソン比を有するセルと定義される。例えば、伸長されたとき、これらのセルは、与えられた力に垂直な方向に厚くなる。これは、伸長されたときに屈曲するヒンジ状のセル構造によって実現され得る。このようなセルによって、高エネルギー吸収および/または高耐破壊性がもたらされ得る。結果として、高い弾性回復性および耐久性を有するスポーツボール、特にはサッカーボールが、より小さな重量で提供され得る。
【0068】
格子構造は、第1の複数の格子セルおよび第2の複数の格子セルを備え得、第1の複数の格子セルの大きさは、第2の複数の格子セルよりも大きい。第1および第2の複数のセルは、格子構造の異なる層に配置され得、既に説明されたように、これらは異なる特性を備え得る。しかしながら、これに代わって、またはこれに加えて、第1および第2の複数のセルは、可能な層構造に関わらず、格子構造において組み合わされてもよい。例えば、表面層に隣接するより大きな格子セルとより小さな格子セルとを組み合わせることで、跳ね上がりおよび/またはキックなどの外力に対する格子構造の反応の均質性および等方性を向上させることを助け得る。
【0069】
格子構造は、少なくとも部分的に、付加製造処理、一次成形および/または形成、例えば、3Dプリンティング、射出成形および/または熱成形によって製作され得る。例えば、格子構造は、3Dプリンティングおよび/または他の付加製造処理、例えば、熱溶解積層法(fused deposition modeling)、選択的加熱焼結、選択的レーザー焼結、熱溶解フィラメント製法(fused filament fabrication)、光造形、デジタルライ卜プロセッシングなどによって製作され得る。これは、厳密に制御された格子構造を提供するための、特にコスト効率が良く柔軟な方法をもたらし得る。
【0070】
完全な格子構造は、一体的に製作され得る。例えば、上述の製作方法のうちの1つが、この目的に使用され得る。他の例において、既に説明されたように、格子構造の一部分だけが適切な方法で一体的に形成され、その後に単に結合される。
【0071】
格子構造は、高分子材料、例えば、熱可塑性ポリウレタンおよび/またはポリアミド、例えばポリエーテルブロックアミドからなり得る。このような材料を使用することで、所望の量の弾性回復性および安定性が、重量が過度になることなくもたらされ得る。特には、非発泡熱可塑性ポリウレタンおよび/またはポリアミドが使用され得る。これに加えて、またはこれに代わって、発泡熱可塑性ポリウレタンおよび/またはポリアミドもまた使用され得る。
【0072】
格子構造は、少なくとも1つの空隙を備え得る。例えば、少なくとも1つの空隙は、大気圧の空気よって充填され得る。例えば、格子構造は、完全な球形状を備え得、その中心に球形状の空隙を備え得る。このような中空の球体を使用することで、軽量なボールが提供され得る。これに加えて、またはこれに代わって、一揃いの空隙が使用されてよく、例えば、一揃いの空隙は格子構造内で対称的に、例えば、ボールの半径の半分を有する球上におよび/またはボールの中心への他の距離に、配置され得る。
【0073】
本発明の別の実施形態によると、前述の課題は、表面層と、表面層の下に延在する球形状の均質なシェルとを有するスポーツボールによって、少なくとも部分的に解決される。シェルは、複数の開口部を備える。
【0074】
驚くべきことに、材料特性およびシェル厚の適切な組み合わせによって、ボールの内部に配置されたシェルは、膨張式ブラダーを有するボールと同様の跳ね上がりおよび跳ね返り特性をボールが有するように、ボールに均質で等方的な弾性回復性をもたらすことができることが分かっている。しかしながら、ボールは、膨張式ブラダーを有さなくてもよいことは理解される。シェルの開口部の配置および大きさを適切にすることで、シェルによってもたらされる弾性回復性およびシェルの変形特性は、シェルに使用される材料とは別個に、変更または適合され得る。シェルは、例えば、剛性の高分子材料などの適切な自立的材料を使用して提供され得る。
【0075】
格子構造の実施形態について説明されたことと同様に、開口部は、ボールの任意のパネルの平均直径よりも小さい、またはボールの関連性のある衝突領域の平均直径よりも小さい寸法を少なくとも1つ有し得ると、考え得る。
【0076】
表面層は、例えば、複数のパネルによって提供され得る。表面層は、皮膜、または保護箔などの箔として提供され得る。表面層は、スポーツボールを水分またはほこりから保護し得、スポーツボールに追加的な緩衝性をもたらし得、かつ/またはボールの感触を向上させ得る。しかしながら、表面層を持たないスポーツボールもまた、提供され得ることに留意されたい。特に、ボールに水分またはほこりが入る虞が小さいインドアサッカーボールでこのようなことがあり得る。
【0077】
シェルは、高分子材料、例えば、熱可塑性ポリウレタンおよび/またはポリアミド、例えばポリエーテルブロックアミドからなり得る。これらの材料は、破壊強度対重量の好都合な比率を有しつつ適切な弾性回復性をもたらし得ることが分かっている。特には、非発泡熱可塑性ポリウレタンおよび/またはポリアミドが使用され得る。しかしながら、これに加えて、またはこれに代わって、発泡熱可塑性ポリウレタンおよび/またはポリアミドもまた使用され得る。
【0078】
シェルは、少なくとも部分的に、付加製造処理、一次成形および/または形成、例えば、3Dプリンティング、射出成形および/または熱成形によって製作され得る。従って、シェルは、コスト効率が良く柔軟な方法で大量生産され得、その形状は厳密に制御され得る。
【0079】
完全なシェルは、一体的に製作され得る。例えば、上述の製作方法のうちの1つが、この目的に使用され得る。他の例において、既に説明されたように、格子構造の一部分だけが適切な方法で一体的に形成され、その後に単に結合される。
【0080】
上述のサッカーボールは、2mの高さから鋼板の上に落下させたとき、サッカーボールが少なくとも0.5m、少なくとも1.0mまたは少なくとも1.35m跳ね上がるように構成された格子構造またはシェルを備え得る。従って、高品質なサッカーボールの跳ね上がり/跳ね返り特性は、膨張式ブラダーを必要とすることなくもたらされ得る。
【0081】
同様に、上述のサッカーボールは、50km/hの速度で鋼板に対して2000回衝突させた後に、ボールの真球度からのずれが5%未満、2%未満または1.5%未満であるように構成された格子構造またはシェルを備え得る。従って、高品質なボールに対して求められるように、時間が経過してもその形状を失わないサッカーボールが、膨張式ブラダーがなくとも、提供され得る。
【0082】
最後に、サッカーボールに加えて、他のスポーツボール、例えば、従来は概して膨張式ブラダーを備えたスポーツボールもまた、これまでの節で説明された態様を備え得ることに留意すべきである。特には、例えば、ハンドボール、バスケットボール、バレーボールなどが、上述のように提供され得る。同様に、アメリカンフットボール、カナディアンフットボール、オーストラリアンフットボール、ラグビーボールもまた、上述のように提供され得る。メディシンボール、ゴルフボールなどの非膨張式のスポーツボールもまた、本明細書において説明された態様を備え得る。
【0083】
概して、スポーツボールは、表面層と、その幾何学的形状が、三次元的に、ボールに均質で等方的な跳ね上がりおよび/または跳ね返り特性をもたらすように、およびボールに均衡のとれた重量分布を与えるように構成される、非膨張式のコア構造(例えば、格子構造または球形状の均質なシェル)と、を備え得る。
【0084】
既に述べたように膨張式ブラダーに関連する欠点を回避することに加えて、膨張式ブラダーがないことは、ボールに電子部品、例えば、ディスプレイ、センサ、LEDまたはOLEDなどの発光要素などを提供することも容易にし得る。ボールの内部は、膨張式ブラダーによって占められる代わりに、これらの部品を配置するために自由に使用され得る。このために、格子構造は、このような部品のためのキャリアとして使用され得、例えば、1つまたは複数の部品が挿入され得る1つまたは複数の空隙または凹部などを備え得る。
【0085】
最後に、ボール以外のスポーツ用品もまた、本明細書に説明される態様から恩恵を受け得る。例えば、態様はアイスホッケーのパックもしくは類似のスポーツ用投射物または保護ヘッドギアなどの保護ギア、ヘルメットなどを改良するために使用され得る。更に、履物の緩衝性も、本明細書に説明される態様から恩恵を受け得る。
【0086】
いくつかの例において、格子構造および/または均質なシェルは、膨張式ブラダーと組み合わせることもできる。例えば、本明細書で説明されるスポーツボールはどれも、膨張式ブラダーを備え得る。
【0087】
例えば、スポーツボールは、格子構造を備え得、格子構造は、径方向延在要素を備える複数の格子セルを備え、格子構造は、膨張式ブラダーを包囲する。例えば、格子構造は、空隙、例えば球形状の空隙を備え得、膨張式ブラダーはこの空隙の内部に配置され得る。別の例において、スポーツボールは、格子構造を備え得、格子構造は、径方向延在要素を備える複数の格子セルを備え、格子構造は、膨張式ブラダーの内側に配置される。格子構造は、本明細書で説明される特徴のいずれかを備え得、本明細書で説明される任意の更なる要素および/または特徴、例えばパネルを有する表面層などと組み合わされ得る。
【0088】
更なる例によると、スポーツボールは、複数の開口部を備える均質なシェルを備え得、シェルは、膨張式ブラダーを包囲する。別の例において、スポーツボールは、複数の開口部を備える均質なシェルを備え得、シェルは、膨張式ブラダーの内側に配置される。シェルは、本明細書で説明される特徴のいずれかを備え得、本明細書で説明される任意の更なる要素および/または特徴、例えば表面層などと組み合わされ得る。
【0089】
上記の例では、説明されたような格子構造および/または均質なシェルに関する利点(例えば、カスタマイズされた跳ね上がり/跳ね返り特性、慣性の運動量の設計など)をブラダーによって提供される更なる設計の自由さと組み合わせることもできる。例えば、ブラダーが、基本的な跳ね上がり特性を提供し、その周りに配置された格子構造を、掴み特性(例えば、アメリカンフットボールまたは任意の他のスポーツボールのため)の設計、または跳ね返り特性の微調整(例えば、サッカーボールを、インドアサッカー、フットサルにより適するように、概してトリックの実行により適するように、またはアウトドアサッカーにより適するように適合することができる)のために使用することができる。
【0090】
格子構造または均質なシェルをブラダーと組み合わせることは、ブラダーおよび格子構造/均質なシェルの両方について、広い範囲の材料の使用の可能性をも開く。例えば、もしも追加的な安定性および/または基本的な跳ね返り特性がブラダー(または格子構造/均質なシェル)によって提供されるなら、格子構造または均質なシェル(またはブラダー)に関する材料要件の厳格さが弱められ得る。従って、新たな材料群が使用でき、より単純なおよび/またはよりコスト効率のよい製造を促進し得る。
【0091】
別の態様において、ブラダーを格子構造または均質なシェルと組み合わせることは、ブラダー内部に必要とされる圧力の低減を可能にし得る。このことは、概して、ブラダーのより少ない漏れとより高い耐久性とをもたらす。
【0092】
例えば、膨張式ブラダーを包囲する格子構造は、それぞれが複数のセルを備える2つ以上の格子層を備え得る。外側格子層の1つまたは複数のセルは、内側格子層の1つまたは複数のセルの寸法に対しておよそ1.5倍から3倍、例えばおよそ2倍の大きさの少なくとも1つの寸法を備え得る。この少なくとも1つの寸法は、セルの径方向寸法および/または1つもしくは2つの横方向寸法であり得る。
【0093】
ブラダーは、少なくとも1つの補強要素を備え得る。このことは、より低い圧力までしか膨張させ得なくても、ブラダーにより大きな安定性をもたらし得る。例えば、少なくとも1つの補強要素は、布地を備え得る。例えば、少なくとも1つの補強要素布地は、ブラダーに、接着剤を用いてまたは用いないで、接合され得る。いくつかの例において、複数の補強要素が、重なり合うようにブラダーに配置され得る。いくつかの例において、布地は、繊維強化され得る。
【0094】
いくつかの例において、ブラダーは、気密性があり得かつ/または弾性を有し得る膜を備え得る。膜は、少なくとも1つの補強要素を備え得る。少なくとも1つの補強要素は、布地を備え得る。例えば、少なくとも1つの補強要素布地は、膜に、接着剤を用いてまたは用いないで、接合され得る。いくつかの例において、複数の補強要素が、重なり合うように膜に配置され得る。いくつかの例において、布地は、繊維強化され得る。膜自体が繊維強化されることも可能である。膜は、ラテックス、ゴム、特にはブチルゴム、および/または熱可塑性ポリウレタンからなり得る。
【0095】
ブラダーは、カーカスを備えなくてよい。しかしながら、いくつかの例において、追加的にカーカスを備えることは、有益であり得る。
【0096】
ブラダーは、格子構造または均質なシェルに接触するように構成された少なくとも1つの滑り抑制要素を備え得る。これに加えて、またはこれに代わって、ブラダーは、例えば接合によって、格子構造または均質なシェルに結合され得る。従って、ブラダーと格子構造と均質なシェルとの間の相対移動が、それぞれ、抑制され得る。
【0097】
いくつかの例において、ブラダーは、およそ0.01バールから0.5バール、0.02バールから0.3バール、0.05バールから0.15バールまたはおよそ0.1バールの圧力まで膨張されるように構成され得る。同時に、ブラダーは、前述の圧力範囲において、所定の形状、例えばサッカーボールの場合は球形状、または例えばアメリカンフットボールの場合は全体として回転楕円形状を呈するように構成され得る。概して、格子構造または均質なシェルによってもたらされる追加的な安定性のおかげで、このような圧力範囲は、スポーツボール(例えば、サッカーボール、アメリカンフットボール、ラグビーボール、バレーボール、バスケットボールなど)のために、一貫した跳ね上がり特性をもたらすのに十分であり得る。圧力が小さくなると、漏れが少なくなり得、スポーツボールの耐久性を増加し得る。
【0098】
ブラダーは、バルブを備え得、ブラダーおよび/または格子構造および/または均質なシェルは、バルブの重量の均衡がとれるように(例えば、均衡のとれたボールが提供されるように)構成される。
【0099】
格子構造または均質なシェルは、回転楕円形状、例えば球形状を有し得る。ブラダーは、格子構造または均質なシェル内に挿入され得、またはその周りを包み得る。格子構造および均質なシェルは、単一の部品として製造され得る。次いで、ブラダーは、例えば、格子構造または均質なシェルの開口部を通って挿入され得る。あるいは、格子構造および均質なシェルは、いくつかの部品として製造され得、次いでこれらの部品は互いに結合されてブラダーを包囲する。いくつかの例において、格子構造または均質なシェルは、例えば3Dプリンティングまたは任意の他の付加製造技法によって、ブラダーに付加製造され得る。
【0100】
格子構造および均質なシェルは、高分子材料、例えば、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、および/またはポリエーテルブロックアミドからなり得る。前述したように、それらは、概して、少なくとも部分的に、付加製造され、一次成形(例えば、鋳造)されおよび/または形成され得る。
【0101】
以下の詳細な説明において、以下の図面を参照して、本発明の可能な実施形態が更に説明される。