特許第6402246号(P6402246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6402246高度成形アルミニウム製品用の合金及びその作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402246
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】高度成形アルミニウム製品用の合金及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   C22C 21/00 20060101AFI20181001BHJP
   C22F 1/04 20060101ALI20181001BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20181001BHJP
【FI】
   C22C21/00 L
   C22F1/04 B
   !C22F1/00 602
   !C22F1/00 623
   !C22F1/00 630A
   !C22F1/00 630K
   !C22F1/00 682
   !C22F1/00 683
   !C22F1/00 685Z
   !C22F1/00 691B
   !C22F1/00 691C
   !C22F1/00 692B
   !C22F1/00 693A
   !C22F1/00 693B
   !C22F1/00 694B
   !C22F1/00 694A
   !C22F1/00 694Z
   !C22F1/00 673
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-512294(P2017-512294)
(86)(22)【出願日】2015年9月10日
(65)【公表番号】特表2017-531094(P2017-531094A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】US2015049321
(87)【国際公開番号】WO2016040562
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2017年3月2日
(31)【優先権主張番号】62/049,445
(32)【優先日】2014年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100088801
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 宗雄
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン・コ
(72)【発明者】
【氏名】デフン・カン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ハマートン
【審査官】 川口 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−067664(JP,A)
【文献】 特開2013−087304(JP,A)
【文献】 特開2004−010941(JP,A)
【文献】 特開平07−256416(JP,A)
【文献】 特開2014−198879(JP,A)
【文献】 特表2016−525630(JP,A)
【文献】 特表2008−500453(JP,A)
【文献】 特開2004−244701(JP,A)
【文献】 特開昭56−169758(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0215926(US,A1)
【文献】 米国特許第05041343(US,A)
【文献】 米国特許第03318738(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0014043(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 21/00
C22F 1/04
C22F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
.25〜0.35重量%のSiと、0.40〜0.50重量%のFeと、0〜0.40重量%のCuと、1.10〜1.50重量%のMnと、0.10重量%以下のMgと、0.001〜0.05重量%のCrと、0〜0.3重量%のZnと、0.01〜0.09重量%のTiと、最大0.15重量%の不純物とを含み、残りがAlであり、Mn含有分散質が形成された、アルミニウム合金。
【請求項2】
.25〜0.35重量%のSiと、0.40〜0.50重量%のFeと、0.08〜0.22重量%のCuと、1.10〜1.30重量%のMnと、0.10重量%以下のMgと、0.001〜0.03重量%のCrと、0.07〜0.13重量%のZnと、0.01〜0.09重量%のTiと、最大0.15重量%の不純物とを含み、残りがAlであり、Mn含有分散質が形成された、請求項1に記載のアルミニウム合金。
【請求項3】
.25〜0.30重量%のSiと、0.40〜0.45重量%のFeと、0.10〜0.20重量%のCuと、1.15〜1.25重量%のMnと、0.10重量%以下のMgと、0.003〜0.02重量%のCrと、0.07〜0.10重量%のZnと、0.01〜0.09重量%のTiと、最大0.15重量%の不純物とを含み、残りがAlであり、Mn含有分散質が形成された、請求項1または2に記載のアルミニウム合金。
【請求項4】
前記Mn含有分散質が、各々1μm以下の直径を有する、請求項に記載のアルミニウム合金。
【請求項5】
請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム合金を含むボトル。
【請求項6】
請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム合金を含む缶。
【請求項7】
金属薄板を生産する方法であって、
アルミニウム合金を直接チル鋳造して鋳塊を形成することであって、前記アルミニウム合金が、0.25〜0.35重量%のSiと、0.40〜0.50重量%のFeと、0〜0.40重量%のCuと、1.10〜1.50重量%のMnと、0.10重量%以下のMgと、0.001〜0.05重量%のCrと、0〜0.3重量%のZnと、0.01〜0.09重量%のTiと、最大0.15重量%の不純物とを含み、残りがAlである、形成することと、
前記鋳塊を均質化して、複数のMn含有分散質を含有する鋳塊を形成することと、
前記複数のMn含有分散質を含有する前記鋳塊を熱間圧延して、金属薄板を生産することと、
前記金属薄板を冷間圧延することと、を含む、前記方法。
【請求項8】
前記均質化工程が、二段階均質化サイクルである、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記二段階均質化サイクルが、
前記鋳塊を少なくとも600℃のピーク金属温度に加熱することと、
前記鋳塊を、前記ピーク金属温度で4時間以上放置させることと、
前記鋳塊を、550℃以下の温度に冷却することと、
前記鋳塊を、最大20時間放置させることと、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のMn含有分散質が、1μm以下の直径を有するMn含有分散質を含む、請求項7〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記アルミニウム合金が、0.25〜0.35重量%のSiと、0.40〜0.50重量%のFeと、0.08〜0.22重量%のCuと、1.10〜1.30重量%のMnと、0.10重量%以下のMgと、0.001〜0.03重量%のCrと、0.07〜0.13重量%のZnと、0.01〜0.09重量%のTiと、最大0.15重量%の不純物とを含み、残りがAlである、請求項7〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記アルミニウム合金が、0.25〜0.30重量%のSiと、0.40〜0.45重量%のFeと、0.10〜0.20重量%のCuと、1.15〜1.25重量%のMnと、0.10重量%以下のMgと、0.003〜0.02重量%のCrと、0.07〜0.10重量%のZnと、0.01〜0.09重量%のTiと、最大0.15重量%の不純物とを含み、残りがAlである、請求項7〜11のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月12日に出願された、米国仮特許出願第62/049,445号の利益を主張し、該出願は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。
【0002】
本発明は、新規合金を提供する。一実施形態では、本合金は高成形性アルミニウム合金である。本発明はさらに、ボトル及び缶を含む、高度成形アルミニウム製品を生産するための、合金の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
高度成形缶及びボトルの製造における使用のための、成形性合金が所望される。成形ボトルについて、製造過程には典型的に、絞り及び壁部しごき(DWI)過程を使用して、まず円筒を生産することが含まれる。結果として生じる円筒は、次いで、例えば一連の全体ネッキング工程、吹込成型、もしくは他の機械的な成形、またはこれらの過程の組み合わせを使用して、ボトル形状に形成される。かかる過程または過程の組み合わせにおいて使用される任意の合金の需要は複雑である。したがって、ボトル成型過程のための機械的成形及び/または吹込成型の間に高い水準の変形を維持することが可能であり、かつ開始円筒プリフォームを作製するために使用されるDWI過程で良好に機能する、合金が必要である。加えて、現在の缶体合金AA3104によって示されるもの等の、高速及び高い水準の走行性で、合金からプリフォームを作製するための方法が必要である。AA3104は、鋳造の間に形成され、均質化及び圧延の間に改質される、高い体積分率の粗金属間粒子を含有する。これらの粒子は、DWI過程の間、ダイ洗浄において主要な役割を果たし、ダイに溜まった任意のアルミニウムまたは酸化アルミニウムを除去することに役立ち、金属表面の外観及び薄板の走行性の両方を改良する。
【0004】
合金の他の要件は、現在の世代のアルミニウムボトルよりも低重量で、機械的性能(例えば、最終成形製品における、柱強度、剛性、及び最小底部ドーム反転圧力)の目標を満たすボトルを生産することが可能でなければならないことである。設計の大きな修正を伴わずに、より低い重量を達成する唯一の方法は、ボトルの壁の厚さを低減することである。これは、機械的性能要件を満たすことをより一層困難にする。
【0005】
最終要件は、高速でボトルを形成する能力である。商業的な生産において高処理量(例えば、1分間当たり500〜600本のボトル)を達成するために、ボトルの形成は、非常に短い時間で完了しなければならない。よって、材料は非常に高い歪み速度を用いて変形させられ得る。アルミニウム合金は、概して室温では歪み速度感受性でないと知られるが、高温成形性は、特にMg含有合金について、歪み速度が上昇すると著しく低減する。当業者に既知のように、低い歪み速度型における形成温度の上昇に関連する破断伸びの増加は、歪み速度を上昇させると段階的に縮小する。
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、上昇温度で高歪み速度成形性を示す新規合金が提供される。該合金は、ボトル及び缶を含む、高度成形アルミニウム製品を生産するために使用され得る。本明細書に記載されるアルミニウム合金は、約0.25〜0.35%のSi、0.40〜0.60%のFe、0〜0.40%のCu、1.10〜1.50%のMn、0〜0.76%のMg、0.001〜0.05%のCr、0〜0.3%のZn、最大0.15%の不純物を含み、残りがAlである(全て重量パーセント(重量%))。いくつかの実施形態では、該アルミニウム合金は、約0.25〜0.35%のSi、0.40〜0.50%のFe、0.08〜0.22%のCu、1.10〜1.30%のMn、0〜0.5%のMg、0.001〜0.03%のCr、0.07〜0.13%のZn、最大0.15%の不純物を含み、残りがAlである(全て重量パーセント(重量%))。いくつかの実施形態では、該アルミニウム合金は、約0.25〜0.30%のSi、0.40〜0.45%のFe、0.10〜0.20%のCu、1.15〜1.25%のMn、0〜0.25%のMg、0.003〜0.02%のCr、0.07〜0.10%のZn、最大0.15%の不純物を含み、残りがAlである(全て重量パーセント(重量%))。任意選択的に、該合金は0.10重量%以下の量のMgを含む。該合金は、Mn含有分散質を含み得、各々が1μm以下の直径を有し得る。該合金は、直接チル鋳造、均質化、熱間圧延、及び冷間圧延によって生産され得る。いくつかの実施形態では、該均質化工程は、二段階均質化過程である。任意選択的に、該方法は、バッチ焼鈍工程を含み得る。本明細書に記載されるアルミニウム合金を含む製品(例えばボトル及び缶)もまた本明細書に提供される。
【0007】
金属薄板を生産する方法が本明細書でさらに提供される。該方法は、本明細書に記載されるアルミニウム合金を直接チル鋳造して鋳塊を形成する工程と、鋳塊を均質化して複数のMn含有分散質を含有する鋳塊を形成する工程と、該複数のMn含有分散質を含有する該鋳塊を熱間圧延して金属薄板を生産する工程と、該金属薄板を冷間圧延する工程と、を含む。任意選択的に、該複数のMn含有分散質は、1μm以下の直径を有するMn含有分散質を含む。いくつかの実施形態では、該均質化工程は二段階均質化過程である。該二段階均質化過程は、該鋳塊を少なくとも600℃のピーク金属温度に加熱することと、該鋳塊をピーク金属温度で4時間以上放置させることと、該鋳塊を550℃以下の温度に冷却することと、最終鋳塊を最大20時間放置させることと、を含み得る。任意選択的に、該方法は、バッチ焼鈍工程を含み得る。該方法に従って得られる製品(例えばボトルまたは缶)もまた本明細書で提供される。
【0008】
本発明の他の目的及び利益は、下記の本発明の実施形態の詳細な説明から明らかとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1a】約540℃で従来の低温サイクルを使用して均質化された、Mn含有分散質試料の再結晶粒組織を示す写真である。
図1b】600℃で8時間均質化された、Mn含有分散質試料の再結晶粒組織を示す写真である。
図2a】本明細書に記載されるプロトタイプ合金及び比較合金についての、0.58s−1の歪み速度での全引張伸びを示すグラフである。図2Aにおいて、「3104」は、比較合金AA3104を表し、「LC」、「H2」、「0.2Mg」、及び「0.5Mg」は、プロトタイプ合金を表す。
図2b】本明細書に記載されるプロトタイプ合金及び比較合金についての、0.058s−1の歪み速度での全引張伸びを示すグラフである。図2Bにおいて、「3104」は、比較合金AA3104を表し、「LC」、「H2」、「0.2Mg」、及び「0.5Mg」は、プロトタイプ合金を表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
アルミニウム缶及びボトルの商業的な製造において、材料の形成過程は、該過程を経済的に成り立たせるために必要とされる処理量を達成するために、高速で実行されるべきである。さらに、ブランドオーナー及び消費者の所望に応じて、より複雑な形状及びより大きく拡大した直径を有する容器を形成するためには、形成の間の上昇温度の適用が必要とされ得る。したがって、かかる用途に使用される材料は、高歪み速度及び上昇温度で変形させた場合、高い成形性を達成することが可能であることが、必須である。
【0011】
温間成形の間、回復及び加工硬化の、2つの重要な微細構造過程が同時に起こる。しかしながら、該2つの過程は、材料の総転位密度に逆の効果を与える。回復過程が、転位配置を再編成することによって、マトリクスにおける転位密度を低減する一方で、加工硬化は、新しい転位を生成することにより、転位密度を上昇させる。該2つの過程の速度が同じ規模に到達すると、材料の伸びは大いに増強される。
【0012】
定義及び説明
本明細書で使用される、「発明(invention)」、「本発明(the invention)」、「本発明(this invention)」、「本発明(the present invention)」という用語は、本特許出願及び下記の請求項の主題全てを広く指すことが意図される。これらの用語を含む陳述は、本明細書に記載される主題を限定したり、下記の特許請求項の意味または範囲を限定したりしないと理解されるべきである。
【0013】
本説明では、AA番号及び「シリーズ」等の他の関連呼称によって識別される合金に言及する。アルミニウム及びその合金の命名及び識別に最も一般的に使用される番号指定システムの理解には、両方The Aluminum Association出版の、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」を参照されたい。
【0014】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の意味は、文脈が明確に別様を示さない限り、単数形及び複数形の指示物を含む。
【0015】
以下の実施形態では、アルミニウム合金は、重量パーセント(重量%)における、その元素組成に関して説明される。各合金において、全不純物の合計を最大重量%で0.15%有し、残りはアルミニウムである。
【0016】
合金組成物
本明細書に記載されるのは、上昇温度(例えば最大250℃の温度)で良好な高歪み速度成形性を呈する新しいアルミニウム合金である。本明細書で使用される場合、「高歪み速度」は少なくとも0.5s−1の歪み速度を指す。例えば、高歪み速度は、少なくとも0.5s−1、少なくとも0.6s−1、少なくとも0.7s−1、少なくとも0.8s−1、または少なくとも0.9s−1であり得る。
【0017】
本明細書に記載される合金組成物は、アルミニウム含有合金組成物である。該合金組成物は、上昇温度で良好な高歪み速度成形性を呈する。高歪み速度成形性は、合金の元素組成によって達成される。具体的には、本明細書に記載される合金は、表1に提供されるように、以下の元素組成を有し得る。組成物の構成要素は、合金の総重量に基づく重量パーセント(重量%)を単位として提供される。
【表1】
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される合金は、表2に提供されるように、以下の元素組成を有し得る。組成物の構成要素は、合金の総重量に基づく重量パーセント(重量%)を単位として提供される。
【表2】
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される合金は、表3に提供されるように、以下の元素組成を有し得る。組成物の構成要素は、合金の総重量に基づく重量パーセント(重量%)を単位として提供される。
【表3】
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される合金は合金の総重量に基づいて0.25%〜0.35%(例えば、0.25%〜0.30%または0.27%〜0.30%)の量で、ケイ素(Si)を含む。例えば、該合金は、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.30%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、または0.35%のSiを含み得る。全て重量%で表示。
【0021】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される合金は、合金の総重量に基づいて0.40%〜0.60%(例えば、0.40%〜0.5%または0.40%〜0.45%)の量で、鉄(Fe)もまた含む。例えば、該合金は、0.40%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.50%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、または0.60%のFeを含み得る。全て重量%で表示。
【0022】
いくつかの実施形態では、記載される合金は、合金の総重量に基づいて最大0.40%(例えば、0.08%〜0.22%または0.10%〜0.20%)の量で、銅(Cu)を含む。例えば、該合金は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.20%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.30%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、または0.40%のCuを含み得る。いくつかの実施形態では、Cuは合金中に存在しない(すなわち0%)。全て重量%で表示。
【0023】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される合金は、合金の総重量に基づいて1.10%〜1.50%(例えば、1.10%〜1.30%または1.15%〜1.25%)の量で、マンガン(Mn)を含み得る。例えば、該合金は、1.10%、1.11%、1.12%、1.13%、1.14%、1.15%、1.16%、1.17%、1.18%、1.19%、1.20%、1.21%、1.22%、1.23%、1.24%、1.25%、1.26%、1.27%、1.28%、1.29%、1.30%、1.31%、1.32%、1.33%、1.34%、1.35%、1.36%、1.37%、1.38%、1.39%、1.40%、1.41%、1.42%、1.43%、1.44%、1.45%、1.46%、1.47%、1.48%、1.49%、または1.50%のMnを含み得る。全て重量%で表示。本明細書に記載される合金中の、1.10%〜1.50%の量でのMnの包含は「高Mn含有量」と称される。下記にさらに記載され、実施例において示されるように、高Mn含有量は、均質化サイクル中の微細Mn含有分散質の所望の析出をもたらす。
【0024】
高Mn含有量は、材料の特性に二重の効果を有する。第一に、高Mn含有量は高強度合金をもたらす。Mnは、アルミニウム中の、固溶体または析出硬化元素である。固溶体中のMn含有量が高いほど、最終合金の強度は高くなる。第二に、高Mn含有量は、高成形特性を有する合金をもたらす。具体的には、Mn原子は均質化サイクル中にAl及びFe原子と化合し、分散質(すなわちMn含有分散質)を形成する。理論に束縛されるものではないが、これらの微細で均質に分布した分散質は、再結晶の間に粒界を固定し、粒径の精製及びより均一な微細構造の形成を可能にする。再結晶の間、粒界が粒子と交差すると、交差領域に匹敵する境界の領域が効果的に除去されるため、粒界はこれらの微細Mn含有分散質に引きつけられる。順に、全体組織の自由エネルギーの低減が達成される。粒径を精製することに加え、微細Mn含有分散質は、転位すべりバンド間隔を低減することにより、材料の、粒界破壊への耐性を改良する。微細Mn含有分散質はさらに変形の間、極端なせん断バンドを形成する傾向を低減する。Mn含有分散質のこれらの有益な効果の結果、材料の全体成形性が改良される。
【0025】
所望の強度要件を得るために、マグネシウム(Mg)が、本明細書に記載される合金中に含まれ得る。しかしながら、本明細書に記載される合金において、材料の全伸びは、Mg含有量を許容可能な限度まで制御することにより、著しく改良される。任意選択的に、本明細書に記載される合金は、最大0.76%(例えば、最大0.5%または最大0.25%)の量でMgを含み得る。いくつかの実施形態では、該合金は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.5%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.6%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.7%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、または0.76%のMgを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される合金は、0.76%未満のMgを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、Mgは0.5%以下のMgの量で存在する。いくつかの実施形態では、Mgは、0.25%以下、0.20%以下、0.15%以下、0.10%以下、0.05%以下、または0.01%以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、Mgは該合金中に存在しない(すなわち0%)。全て重量%で表示。
【0026】
本明細書に記載される合金中の、最大0.50%(例えば最大0.25%)の量でのMgの包含は、「低Mg含有量」と称される。下記にさらに記載され、実施例において示されるように、低Mg含有量は、上昇温度(例えば最大250℃の温度)での所望の高歪み速度成形性及び材料の改良された伸びをもたらす。
【0027】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される合金は、合金の総重量に基づいて、0.001%〜0.05%(例えば、0.001%〜0.03%または0.003%〜0.02%)の量でクロム(Cr)を含む。例えば、該合金は、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.011%、0.012%、0.013%、0.014%、0.015%、0.016%、0.017%、0.018%、0.019%、0.02%、0.021%、0.022%、0.023%、0.024%、0.025%、0.026%、0.027%、0.028%、0.029%、0.03%、0.031%、0.032%、0.033%、0.034%、0.035%、0.036%、0.037%、0.038%、0.039%、0.04%、0.041%、0.042%、0.043%、0.044%、0.045%、0.046%、0.047%、0.048%、0.049%、または0.05%のCrを含み得る。全て重量%で表示。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される合金は、合金の総重量に基づいて、最大0.30%(例えば、0.07%〜0.30%、0.05%〜0.13%、または0.07%〜0.10%)の量で亜鉛(Zn)を含む。例えば、該合金は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%,0.10%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、または0.3%のZnを含み得る。いくつかの実施形態では、Znは合金中に存在しない(すなわち0%)。全て重量%で表示。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される合金は、合金の総重量に基づいて最大0.10%(例えば0%〜0.10%、0.01%〜0.09%、または0.03%〜0.07%)の量でチタン(Ti)を含む。例えば、該合金は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、または0.10%のTiを含み得る。いくつかの実施形態では、Tiは合金中に存在しない(すなわち0%)。全て重量%で表示。
【0030】
任意選択的に、本明細書に記載される合金組成物は、各々0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量で、不純物と称されることもある、他の微量元素をさらに含み得る。これらの不純物は、V、Zr、Ni、Sn、Ga、Ca、またはそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。したがって、V、Zr、Ni、Sn、Ga、またはCaは、各々が0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量で合金中に存在し得る。概して、不純物準位は、Vについては0.03%未満、Zrについては0.01%未満である。いくつかの実施形態では、全不純物の合計は0.15%を超えない(例えば0.10%)。全て重量%で表示される。合金の残りのパーセントはアルミニウムである。
【0031】
作製方法
本明細書に記載される合金は、直接チル(DC)過程を使用して鋳塊に鋳造され得る。DC鋳造過程は、当業者に既知の、アルミニウム産業において一般的に使用される基準に従って実施される。いくつかの実施形態では、製品の所望の微細構造、機械特性(例えば高成形性)、及び物理特性を達成するために、合金は連続鋳造方法を使用して加工されない。鋳造鋳塊は、次いで、さらなる加工工程を受け、金属薄板を形成し得る。いくつかの実施形態では、加工工程は、金属鋳塊に、二工程均質化サイクル、熱間圧延工程、焼鈍工程、及び冷間圧延工程を受けさせることを含む。
【0032】
均質化は、2つの段階において実行され、Mn含有分散質を析出する。第1の段階では、本明細書に記載される合金組成物から調製された鋳塊は、少なくとも575℃(例えば、少なくとも600℃、少なくとも625℃、少なくとも650℃、または少なくとも675℃)のピーク金属温度を得るために、加熱される。該鋳塊は、次いで、第1の段階の間の時間放置させる(すなわち、指示された温度で維持する)。いくつかの実施形態では、該鋳塊は、最大10時間(例えば、包括的に30分〜10時間の時間)放置させる。例えば、鋳塊は、少なくとも575℃の温度で、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、または10時間放置させ得る。
【0033】
第2の段階では、該鋳塊は第1の段階で使用される温度よりも低い温度に冷却され得る。いくつかの実施形態では、該鋳塊は、550℃以下の温度に冷却され得る。例えば、鋳塊は400℃〜550℃または450℃〜500℃の温度に冷却され得る。鋳塊は、次いで第2の段階の間の時間、放置させ得る。いくつかの実施形態では、該鋳塊は、最大20時間(例えば、1時間以下、2時間以下、3時間以下、4時間以下、5時間以下、6時間以下、7時間以下、8時間以下、9時間以下、10時間以下、11時間以下、12時間以下、13時間以下、14時間以下、15時間以下、16時間以下、17時間以下、18時間以下、19時間以下、または20時間以下)放置させる。
【0034】
該二工程均質化サイクルは、Mn含有分散質の析出をもたらす。任意選択的に、Mn含有分散質は1μm以下の直径を有する。例えば、Mn含有分散質の直径は、1μm以下、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、0.3μm以下、0.2μm以下、または0.1μm以下であり得る。任意選択的に、Mn含有分散質はアルミニウムマトリクス中をわたって均質に分散される。本明細書に記載される粒径及び分布に従って析出されるMn含有分散質は、再結晶焼鈍の間等の、後続の工程の間粒径を制御し得る。
【0035】
二工程均質化サイクルに次いで、熱間圧延工程が実施され得る。いくつかの実施形態では、鋳塊は5mmの厚さ基準以下に熱間圧延され得る。例えば、鋳塊は、4mmの厚さ基準以下、3mmの厚さ基準以下、2mmの厚さ基準以下、または1mmの厚さ基準以下に熱間圧延され得る。最終材料の材質の適切なバランスを得るために、熱間圧延速度及び温度は、熱間圧延された材料の完全再結晶(すなわち自己焼鈍)が、タンデムミルの出口でのコイル巻きの間に達成されるように、制御され得る。自己焼鈍が生じるように、出口温度は少なくとも300℃に制御される。あるいは、熱間圧延されたコイルのバッチ焼鈍が、一定の時間350℃〜450℃の温度で実行され得る。例えば、バッチ焼鈍は、最大1時間の放置時間の間に実施され得る。本過程では、熱間圧延速度及び温度は、高温タンデムミルの出口でのコイル巻きの間、制御される。いくつかの実施形態では、自己焼鈍は生じない。いくつかの実施形態では、熱間圧延されたコイルは次いで、0.1mm〜1.0mm(例えば0.2mm〜0.9mmまたは0.3mm〜0.8mm)の最終基準厚さに冷間圧延され得る。いくつかの実施形態では、冷間圧延工程は、最少の冷間圧延パス数を使用して実行され得る。例えば、冷間圧延工程は、所望の最終基準を達成するために、2つの冷間圧延パスを使用して実行され、所望の最終基準を達成し得る。いくつかの実施形態では、冷間圧延過程の前または後に加熱処理工程が実施されない。
【0036】
本明細書に記載される方法は、高度成形缶及びボトルを調製するために使用され得る。上記の冷間圧延薄板は、一連の従来の缶及びボトル作製過程を受け、プリフォームを生産し得る。該プリフォームは、次いで焼鈍され、焼鈍プリフォームを形成し得る。任意選択的に、プリフォームは絞り及び壁部しごき(DWI)過程を使用してアルミニウム合金から調製され、缶及びボトルは当業者に既知の他の成形過程に従って作製される。
【0037】
以下の実施例は、本発明をさらに例示する役割を果たし得るが、同時に、そのいかなる限定も構成することはない。対照的に、本明細書中の説明を読んだ後に、本発明の精神から逸脱することなく、当業者に明らかになり得るように、その様々な実施形態、修正、及び等価物を用い得ることが明確に理解されるはずである。
【実施例】
【0038】
実施例1
合金を本発明に従って調製し、本明細書に記載される二工程均質化サイクルまたは従来の低温サイクル(すなわち約540℃)を使用して均質化した。再結晶粒組織が、再結晶焼鈍過程を使用して、各試料中に構築された。上記の二工程均質化サイクルに従って均質化された試料の再結晶粒組織は、図1bに示される。従来の低温サイクル(すなわち約540℃)を使用して均質化された試料の再結晶粒径は図1aに示される。比較によると、粒径は、本発明に従う(すなわち二工程均質化サイクルに従う)均質化サイクルを使用すると著しくより微細である。よって、Mn含有分散質は、後続の再結晶焼鈍の間、試料中の粒径を制御した。より微細な粒径は、絞り及び壁部しごき(DWI)後及び後続の吹込成型等の拡張過程の間、材料がゆず肌を形成する傾向を遅延させた。ゆず肌形成は、当業者に既知の望ましくない表面欠陥である。
【0039】
実施例2
引張伸び試験のために、合金H2、合金LC、合金0.2Mg、及び合金0.5Mgを含む5つの合金が調製されるかまたは得られた(表4参照)。合金AA3104は、Novelis,Inc.(ジョージア州アトランタ)から市販される缶体原料等の、従来使用される缶体原料合金である。合金H2、合金LC、合金0.2Mg、及び合金0.5Mgは、引張試験のために調製されたプロトタイプ合金である。合金H2、合金LC、合金0.2Mg、及び合金0.5Mgは、本明細書に記載される二工程均質化サイクルを使用して調製された。具体的には、表4中で下記に示される合金組成物を有する鋳塊を、615℃に加熱し、4時間放置させた。該鋳塊は、次いで480℃に冷却し、14時間その温度で放置させ、Mn含有分散室をもたらした。該鋳塊は、次いで2mm厚さ基準に熱間圧延し、415℃で1時間のバッチ焼鈍サイクルが続いた。次いで、2つの冷間圧延パスを使用して、約0.45mmの最終基準厚さまで冷間圧延が実行された(78.8%分全体基準低減)。試験した合金の元素組成は表4中に示され、残りはアルミニウムである。元素組成は重量パーセントで提供される。
【表4】
【0040】
引張伸びデータは、表4の各合金について得られた。高温引張試験は、加熱炉を備えたInstron引張機械(マサチューセッツ州ノーウッド)内で実行された。3つのプロトタイプ合金及びAA3104から得られた引張伸びデータは、表2a及び2bに示されるように比較された。従来の缶体原料3104から得られたデータは、基準値比較として含まれた。全合金は、引張試験の前に、無焼戻し条件にあった。図2a及び2bは、それぞれ0.58s−1及び0.058s−1の歪み速度を使用した試験の伸びデータを示す。
【0041】
合金AA3104は、約1.13重量%のMgを含有するが、3つのプロトタイプ合金と比較して、周囲温度及び200℃の両方で、より高い歪み速度で変形すると、不良な成形性を示した。0.58s−1のより高い歪み速度にて、各々が0.01重量%のMgを含有する、合金LC及び合金H2の伸びは、周囲温度から200℃に温度を上昇することによって、増加した。図2aを参照されたい。しかしながら、伸び増加は、より多い量のMgを含有した3つの合金(すなわち合金AA3104、合金0.2Mg、及び合金0.5Mg)においては観察されなかった。
【0042】
合金H2を合金0.2Mg及び合金0.5Mgと比較すると、0.2重量%及び0.5重量%のMgの追加が、形成温度の上昇に関連する成形性の上昇を遅延させたことが分かる(図2a参照)。4つ全てのプロトタイプ合金、すなわち、合金LC、合金H2、合金0.2Mg、及び合金0.5Mgは、低及び高歪み速度の両方で、AA3104合金よりも高い全伸びを示す傾向があった。Mgの追加は、より高い歪み速度で形成作業が実行された際に、合金の高温成形性を著しく低減し、これはMg追加がもたらした、予期しなかった効果である。
【0043】
実施例3
上昇温度でのH2及びLC合金の優れた高歪み速度成形性を例示するために、上記実施例2の合金H2、合金LC、及び合金0.2Mgを使用して、吹込成形実験を実施した。冷間圧延時の薄板が、カッパー及び本体作製機を使用して、一連の従来の缶作製過程を受け、プリフォームを生産した。該プリフォームは、次いで焼鈍作業を受けた。焼鈍プリフォームは、上昇温度での材料の高歪み速度成形性を評価するために、吹込成形装置内で試験した。吹込成形実験は250℃で実施した。成形過程の間に材料が受けた歪み速度は、約80s−1であった。結果は表5にまとめられ、プリフォームの元の直径と吹込成形後の容器の最終直径との間の比である、最大%拡張の単位で提供される。
【表5】
【0044】
LC及びH2合金(低Mg含有量を有する)の優れた成形性は、表5に示される結果を比較することによって観察される。具体的には、両方の合金が、早期破壊なく40%拡張を達成した。対照的に、0.2Mg合金の最大拡張比はほんの30%であった。
【0045】
上記に引用された全特許、特許出願、出版物、及び要約は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本発明の様々な目的の履行における本発明の様々な実施形態を記載した。これらの実施形態は、本発明の原則の単なる例示であるということが認識されるべきである。多数の修正及びその適合は、以下の特許請求の範囲において定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者に容易に明白となるだろう。
図1a
図1b
図2a
図2b