特許第6402258号(P6402258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6402258電源装置における静電気放電保護および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402258
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】電源装置における静電気放電保護および方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20181001BHJP
   H02H 9/06 20060101ALI20181001BHJP
   H05F 3/04 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   H02M3/28 C
   H02H9/06
   H05F3/04 B
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-545260(P2017-545260)
(86)(22)【出願日】2015年2月26日
(65)【公表番号】特表2018-511908(P2018-511908A)
(43)【公表日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】US2015017761
(87)【国際公開番号】WO2016137469
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2018年2月22日
(31)【優先権主張番号】14/631,311
(32)【優先日】2015年2月25日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591136377
【氏名又は名称】レイジーボーイ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LA−Z−BOY CHAIR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】アハマッド タヒル
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−143752(JP,A)
【文献】 特開2014−023428(JP,A)
【文献】 特開2012−043860(JP,A)
【文献】 特開2014−064392(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0039838(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H9/00−9/08
H02M1/00−3/44
H05F1/00−7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流(AC)を直流(DC)に変換し、装置に電力を供給する電源装置であって、
交流電源に接続可能とされ、AC基準点を規定する第一共通基準点を有するAC回路と、
前記AC回路に接続され、電力供給対象の装置に接続される直流端子を形成し、DC基準点を規定する第二共通基準点を有し、前記DC基準点は前記AC基準点と電気的に絶縁され、前記AC基準点と前記DC基準点の間の直流の流れを実質的に妨げるDC回路と、
前記AC基準点へのエネルギー経路を形成する第一取付ポイントと、
前記DC基準点へのエネルギー経路を形成する第二取付ポイントと、
前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントに接続され、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の静電気エネルギー経路を形成する一方、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の直流の流れを実質的に妨げるスパークギャップ構造と、
を備え
前記DC回路は、前記DC回路を備える部品に取り付けられる第一金属ヒートシンク構造を備え、この第一金属ヒートシンク構造は前記スパークギャップ構造の一部をなし、
前記AC回路は、前記AC回路を備える部品に取り付けられる第二金属ヒートシンク構造を備え、この第二金属ヒートシンク構造は前記スパークギャップ構造の別の一部をなし、
前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造とは、互いに離間して配置されて、前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造との間に静電気エネルギー経路を形成する一方、前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造との間の直流の流れを妨げることを特徴とした電源装置。
【請求項2】
請求項に記載の電源装置において、前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造とは、離間距離が4mm以上7mm以下で離間することを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項に記載の電源装置において、前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造とは、離間距離が2mm以上8mm以下で離間することを特徴とする電源装置。
【請求項4】
交流(AC)を直流(DC)に変換し、装置に電力を供給する電源装置であって、
交流電源に接続可能とされ、AC基準点を規定する第一共通基準点を有するAC回路と、
前記AC回路に接続され、電力供給対象の装置に接続される直流端子を形成し、DC基準点を規定する第二共通基準点を有し、前記DC基準点は前記AC基準点と電気的に絶縁され、前記AC基準点と前記DC基準点の間の直流の流れを実質的に妨げるDC回路と、
前記AC基準点へのエネルギー経路を形成する第一取付ポイントと、
前記DC基準点へのエネルギー経路を形成する第二取付ポイントと、
前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントとに接続され、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントとの間の静電気エネルギー経路を形成する一方、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントとの間の直流の流れを実質的に妨げるスパークギャップ構造と、を備え、
記スパークギャップ構造は、前記AC回路と前記DC回路の間に橋渡しするように接続されるコンデンサを備え、このコンデンサは、互いに離間されて静電気エネルギー経路をなす間隙を形成する一対のリード線を有することを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項に記載の電源装置において、前記形成された間隙は、4mm以上7mm以下であることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項に記載の電源装置において、前記形成された間隙は、2mm以上8mm以下であることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電源装置において、前記AC回路と前記DC回路はスイッチング電源として機能することを特徴とする電源装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電源装置において、
前記AC回路は、前記交流電源の周波数よりも高い周波数でスイッチ交流を作り出す少なくとも一つのアクティブスイッチング部品を有し、
前記DC回路は変圧器を介して前記AC回路に接続し、前記DC回路は、前記スイッチ交流を直流に変換する整流器を有することを特徴とする電源装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電源装置において、前記AC回路と前記DC回路は、前記AC回路と前記DC回路の間の境界線を規定する変圧器によって接続されることを特徴とする電源装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電源装置において、前記AC基準点は、ACアースと、ACライブと、ACニュートラルからなる群から選択されることを特徴とする電源装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電源装置において、前記DC基準点は、DC正極端子とDC負極端子からなる群から選択されることを特徴とする電源装置。
【請求項12】
装置への電力供給に際して交流(AC)を直流(DC)に変換する電源装置において、静電放電の流れを妨げる方法であって、
交流電源に接続可能とされ、AC基準点を規定する第一共通基準点を有するAC回路を設け、
前記AC回路に接続され、電力供給対象の装置に接続される直流端子と、DC基準点を規定する第二共通基準点とを有するDC回路を設け、
前記AC基準点と前記DC基準点の間を電気的に絶縁し、これら基準点の間の直流の流れを実質的に妨げ、
前記AC基準点へのエネルギー経路として機能する第一取付ポイントを設け、
前記DC基準点へのエネルギー経路として機能する第二取付ポイントを設け、
前記第一取付ポイントおよび前記第二取付ポイントに接続され、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の静電気エネルギー経路を形成する一方、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の直流の流れを実質的に妨げるスパークギャップ構造を
形成し、
前記DC回路を備える部品に取り付けられ、前記スパークギャップ構造の一部をなす第一金属ヒートシンク構造を設け、
前記AC回路を備える部品に取り付けられ、前記スパークギャップ構造の別の一部をなす第二金属ヒートシンク構造を設け、
前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造とを、互いに離間して配置して、前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造との間に静電気エネルギー経路を形成する一方、前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造の間の直流の流れを妨げることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造とは、離間距離が4mm以上7mm以下で離間することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、前記第一金属ヒートシンク構造と前記第二金属ヒートシンク構造とは、離間距離が2mm以上8mm以下で離間することを特徴とする方法。
【請求項15】
装置への電力供給に際して交流(AC)を直流(DC)に変換する電源装置において、静電放電の流れを妨げる方法であって、
交流電源に接続可能とされ、AC基準点を規定する第一共通基準点を有するAC回路を設け、
前記AC回路に接続され、電力供給対象の装置に接続される直流端子と、DC基準点を規定する第二共通基準点とを有するDC回路を設け、
前記AC基準点と前記DC基準点の間を電気的に絶縁し、これら基準点の間の直流の流れを実質的に妨げ、
前記AC基準点へのエネルギー経路として機能する第一取付ポイントを設け、
記DC基準点へのエネルギー経路として機能する第二取付ポイントを設け、
前記第一取付ポイントおよび前記第二取付ポイントに接続され、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の静電気エネルギー経路を形成する一方、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の直流の流れを実質的に妨げるスパークギャップ構造を
形成し、
前記スパークギャップ構造において、前記AC回路と前記DC回路の間に橋渡しするように接続され、互いに離間されて静電気エネルギー経路をなす間隙を形成する一対のリード線を有するコンデンサを配置する
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記形成された間隙、2mm以上8mm以下であることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、前記形成された間隙は、4mm以上7mm以下であることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体としては電気および電子設備用の電源装置に関する。より具体的には、本開示は、電源装置およびそれら電源装置が接続される関連電子機器における静電気放電の損傷の影響を最小限にする保護回路構成に関する。開示される保護回路は、様々な用途に利用可能であり、本明細書では、リフトチェアやリクライニングチェアといった電動家具と共に示される。
【背景技術】
【0002】
本セクションは、本開示事項に関連する背景情報を提供するが、これは必ずしも先行技術にはあたらない。
【0003】
静電気放電(ESD)は、乾燥状態で見られるよくある厄介な現象である。人がカーペットの上を歩いたり、布張りをしたチェアに座ったり立ち上がったりする際に生じる静電気は、例えば、18kvに及ぶことがある。このような静電気は、人や家具から、電子機器、特にACコンセントに接続している電源装置を有する電子機器に伝わることがある。コンセントが三極プラグによって接地している場合、最小限の損傷が観測されるように、静電気放電は通常、精密電子部品を迂回する。第三の極は、静電気放電用の最小抵抗パスとして機能するアースに接続している。しかしながら、接地極付三極プラグを特徴としない電源装置や充電器を装置が用いている場合、静電気放電は精密電子部品を介して広がり、電子機器やその電源装置を損傷させることがある。
【0004】
接地極付コンセントや三極プラグは静電気放電の問題を解決するように思われるが、全ての住宅や建物がこの特徴を備えているわけではない。さらに、三極プラグを備えていない電子機器も多い。このような場合、電子機器は静電気放電により損傷を受けやすい。
【発明の概要】
【0005】
本セクションは、開示事項の概略を示すものであり、その範囲全体又はその全ての特徴を包括的に開示するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示される解決策では、アースは本方法の静電気放電に不要である。電源装置に接続される装置に由来する電源装置の直流出力からのESDは、放電ピンを有するスパークギャップ構造、あるいは、電源装置のDC側およびAC側間に接続される2つ以上の導電面の間の他の構造的な隔たりによって、電源装置内の精密電子部品を通ることなくACラインに安全に放電される。
【0007】
スパークギャップないし放電ピンは、プリント回路基板上で電源装置のDC側とAC側の間に形成されてもよい。構造的に離間した各導電面も同様に、プリント回路基板上に形成されてもよい。DC出力端子において、スパークギャップないし放電ピン、または、導電面は、DC側の(+)正極端子ないし(−)負極端子またはその両方に接続されてもよいし、あるいは、適切な基準ポイントに接続されてもよい。スパークギャップないし放電ピン、または、導電面の反対側は、AC側に接続される。具体的には、例えば、プリント回路基板のAC側のライブ(ホット)端子ないしニュートラル端子またはその両方、あるいは、適切な基準ポイントに接続される。
【0008】
スパークギャップないし放電ピン、または、導電面は、一つ以上の任意の数の面でもよい。スパークギャップないし放電ピン、または、導電面の間隙すなわち距離は、交流成分と直流成分の離間に関する監督局によって許容される最小距離に調整される。このように、電源装置のAC側およびDC側は電気的に絶縁された状態(AC線間電圧がDC側に流れない)に維持されるが、静電エネルギーは、電源装置の電子部品を損傷しない経路を通って、DC側からAC側に伝えられる。
【0009】
本発明の一側面において、電源装置は、装置に電力を供給する際に、交流(AC)を直流(DC)に変換するために設けられる。電源装置は、交流電源に接続するAC回路とAC回路に接続するDC回路を備える。AC回路は、ACアース、ACニュートラル、またはACホット端子といった第一共通基準ポイント(AC基準ポイント)を有する。DC回路は、電力供給対象の装置に接続する直流電極を形成し、DC正極端子、DC負極端子、またはDCアースといった第二共通基準ポイント(DC基準ポイント)を有する。ACアースおよびDCアースは電気的に絶縁され、ACアースとDCアース間の直流の流れを実質的に妨げる(その結果、AC線間電圧のDC側への流れが妨げられる)。第一取付ポイントは、AC基準ポイントへのエネルギー経路を形成し、第二取付ポイントはDC基準ポイントへのエネルギー経路を形成する。このように、損傷を与える静電荷は、電源装置の精密部品を迂回する。
【0010】
スパークギャップ構造は第一および第二取付ポイントに接続する。このようなスパークギャップ構造は、第一取付ポイントと第二取付ポイント間の静電エネルギー経路を形成するとともに、第一取付ポイントと第二取付ポイント間の直流の流れを実質的に妨げることができる。
【0011】
さらなる適用可能な範囲は、本明細書の記載から理解されるだろう。この概要における説明および特定の実施例は、説明のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
ここに示される図面は、選択された実施形態の説明のみを目的とするものであり、可能な全ての実施を示すものではなく、本開示事項の範囲を限定することを意図するものでもない。
図1】電動リクライニングチェアの要素を備える、リクライニングチェアの一例の斜視図であり、電源装置がどのように配置されうるかを示す。
図2】スイッチング電源回路の簡略な電子回路図である。
図3】スイッチング電源回路の一例の詳細な電子回路図である。
図4図1のチェアの切断側面図であり、静電荷がどのように発生し、チェアあるいは使用者に接触しているノートパソコン等の他の装置に接続する電源装置を介して伝わるかを示す。
図5図2の簡略な電子回路図の別図であり、開示される改良の恩恵を受けない回路内における静電荷の放電経路を示す。
図6図3の詳細な電子回路図の別図であり、開示される改良の恩恵を受けない回路内における静電荷の放電経路を示す。
図7】保護スパークギャップ構造の第一実施形態を用いる電源装置の簡略なブロック図である。
図8】保護スパークギャップ構造の第一実施形態を用いる電源装置の簡略なブロック図である。
図9図3の電源装置と類似するが、図7のスパークギャップ構造を備える電源装置の詳細な電子回路図であり、スパークギャップ構造が接続可能な、考えられるいくつかの異なる取付ポイントを示す。
図10】放電ピンを用いたスパークギャップ構造の一実施形態を示す、プリント回路基板の部分平面図である。
図11】互いに離間したヒートシンクを用いたスパークギャップ構造の別の実施形態を示す、プリント回路基板の部分平面図である。
図12】互いに離間した関係にあり、放電ギャップを形成するリード線を有する電源回路部品を詳細に示す。
【0013】
いくつかの図面を通じて、対応する参照番号は、対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照して、例示的実施形態をより詳細に説明する。
【0015】
本明細書では、以下の2種類の従来の使用事例に関連して、静電気放電保護の技術が説明される。DC電源装置を用いてモータおよび制御器回路に動力を供給する電動チェア、および、DC電源装置を用いて内部バッテリを充電すると共に、運転電力を得るノートパソコン。これらは本明細書に記載される回路としての例示的な装置であり、使用の際、通常ACコンセントにプラグが差し込まれるDC電源装置によって電力が供給される他のタイプの装置にも適用可能である。
【0016】
図1を参照して、例示的な電動アシスト式リクライニングチェア10が示される。チェア10は、電動リフトチェアの一例でもあるが、リクライニングチェアとリフトチェアの主な違いは、そのモータアシスト動作領域にある。チェア10のモータや他の電気・電子部品を稼働させる電力は、AC壁コンセント14といった交流(AC)源にも接続されるDC電源装置12から得られる。チェア10に、チェアのアームに装着されるコントローラ15を設けてもよい。コントローラ15に電源装置から電力が供給され、チェアの背もたれやレッグレスト部を調整する内部モータ(図示されず)を動かす制御電圧を供給する。このアーム装着型コントローラ15に代わって、あるいは、加えて、取り外し可能なコントローラ16が設けられてもよい。コントローラ16は、本質的にはコントローラ15と同様に機能するが、図示されるように、アンビリカルコードを介して内部電子部品に取り付けられる。第三の代替案として、チェアの内部電子部品は、BluetoothやWiFiプロトコルと互換性のある無線回路を含んでもよく、これにより、スマートフォンやタブレット型コンピュータといった携帯型装置から遠隔制御が可能となる。
【0017】
電源装置12は、スイッチング電源であることが好ましい。スイッチング電源は、標準60hz(または地域によっては50Hz)のAC電力を、より高周波の交流に変換する。この変換は、従来、スイッチングトランジスタ等の固体デバイスで行われる。AC電力をより高周波に変換することにより、より小型の降圧トランスの使用が可能となり、その結果、より小型で利便性が増した、民生用途にさらに適した電源パッケージが得られる。このようなより高周波の交流の電圧が、DCモータやDC制御器回路と適合する電圧に降圧されると、降圧された電圧は整流され、所望のDC電圧に変換される。このように、スイッチング電源は、降圧トランスの一次側にAC部を有し、降圧トランスの二次側にDC部を有する。
【0018】
さらなる説明のために、図2は、例示的なスイッチング電源回路をブロック図で示す。電源回路は、AC入力端子22で、交流電源に接続可能とされるAC回路部20を有する。端子22は、AC壁コンセントへの接続用の適切な電源コードに接続される。電源回路はまた、正極および負極のDC端子26を有するDC回路部24を有する。正極および負極のDC端子26は、後に、電源装置によって電力が供給される装置に接続される。図2に示される電源装置はスイッチング電源の一例であり、このスイッチング電源は、壁コンセントによって供給される交流電源の周波数より高い周波数でスイッチ交流を生ずるアクティブスイッチング部品28を有する。図示されるように、DC回路部およびAC回路部は、変圧器30を介して互いに接続され、変圧器30は、AC回路部とDC回路部の境界線を規定する。
【0019】
変圧器30は巻回され、降圧トランスとして機能する。他の適切な整流器用のダイオード32は、降圧された電圧を変圧器30の二次側で直流に変換し、この直流はその後、平滑コンデンサ34によって平滑化される。ツェナーダイオード36、または、他の適切な電圧制御装置は、出力DC電圧を用途に応じた所望の公称動作電圧にクランプする。
【0020】
図示される実施形態では、アクティブスイッチング部品28は、電子駆動回路38によって駆動される。回路38はフィードバック回路40の一部をなす。このフィードバック回路40は、異なる負荷の下、端子26におけるDC電圧出力を所望の電圧に維持可能なペースで、アクティブスイッチング部品28へ制御パルスを供給する。フィードバック回路は、AC回路部からDC回路部を電気的に絶縁する光カプラ42を有する。駆動回路38は、 ブリッジ整流器44および平滑コンデンサ46を用いて得られるDC供給電圧で作動する。なお、ブリッジ整流器44および平滑コンデンサ46は、電源装置のAC回路部にあるが、DC動作圧力を供給し、アクティブスイッチング部品28および駆動回路38を作動させる。
【0021】
電波障害(EMI)フィルタ48は、AC入力端子のライン(L)側およびニュートラル(N)側にわたって配置され、AC電源コードを介して回路に入る電気ノイズや電圧サージから回路を保護する。
【0022】
AC回路部20は、ACアース記号50によって示されるACアースを有する。このACアース記号50は、AC回路部20内の多数のポイントで見られる。例えば、AC回路部内の多数のコンデンサと同様にブリッジ整流器44の端子の一つが、ACアースに接続される。同様に、アクティブスイッチング部品28が、バイアス抵抗器52を介してACアース50に接続される。また、同様に、駆動回路38が、自身のアースピン54において回路アースに付される。
【0023】
DC回路部24は、自身のDCアース56を有する。図2のACアースと区別するために、異なる記号がDCアースに用いられている。なお、図示される実施形態において、DC端子26のうち負極端子がDCアース56に接続される。また、反対の極性を有する回路を構築することも可能であり、この場合、正極のDC端子がアースに接続する。電源装置の必要条件次第で、いずれの選択肢も可能である。
【0024】
図3は、電源装置の一実施形態のより詳細な回路図を示す。適用可能であれば、図2と同じ参照番号が、同様の、または、類似する部品を示すために用いられている。図3と関連して記載されるように、変圧器30は通常、AC回路部20とDC回路部24の境界線を規定する。
【0025】
図3の回路(さらに図2のより一般化された回路)を観察すると、ACアースとDCアースが電気的に絶縁され、これらのアース間の直流の流れを実質的に妨げることが分かる。変圧器30は、離間した一次巻き線と二次巻き線とを有するため、変圧器の二次側のDC電流は一次側に流れない。同様に、フィードバック抵抗41によって測定されるDC電圧によっては、光カプラ42を介して流れる電流は生じない。というのは、この装置は、DC電流が装置内を流れないように設計されているからである。図3の回路を注意深く観察すると、コンデンサ58が、ACアース50とDCアース56を接続するように設けられていることが分かる。当然のことながら、このコンデンサもACアースとDCアースの間の直流の流れを妨げる。
【0026】
静電荷が図3の回路にDC端子26から入ると、AC入力端子22のより低い電位に向かって、接続された部品中を電荷が急速に移動するため、電源回路に重大なダメージが後から起こる可能性がある。この点に関し、AC入力端子は、AC送電網にも接続される電源コンセントに差し込まれていることから、静電荷は、アース(AC送電網が堅固に固定されている)に戻るように移動する。図2の回路を例として用い、図5は、静電荷がDC端子26からAC端子22に移動する際の例示的な途中経路を示す。図示されるように、この放電経路は、電源装置が備える精密電子回路の全てではないが多くを横切る。これらの回路は、静電気により生じた、昇圧した電圧で動作するように設計されていないため、永久的な損傷が起こりうる。
【0027】
静電気が、電源装置12の精密電子部品内に到達する状況は多い。非常に一般的な状況として、人がカーペット上を歩いたり、チェアやソファに座ったり立ち上がったりする際に、静電気が起こることが挙げられる。人の洋服とチェアを覆う布といった二つの絶縁する物体が互いに擦り合う時、この現象が起こる。この現象は、湿度水準が低い場合に非常に多く見られる。
【0028】
図4は、静電気がどのように生じ、また、重大な損傷が起こりうる、精密な電源回路に到達しうるかを示す。図4に示されるように、ノートパソコン70を持ちながらチェア10に座っている人が、前方に滑るように移動し、チェアから離れる。このような動作時、その人の臀部がチェアの布地11と擦れ、人の洋服の布がチェアの布ないし他の素材と擦れると、正(+)電荷と負(−)電荷が分離する。人の洋服やチェアの布地ないし他の素材は導電性が比較的低いため、負電荷が一方の素材に蓄積され、正電荷がもう一方に蓄積される。図4に図示されるところでは、人の洋服が正電荷を帯び、チェアの布地が負電荷を帯びている。人が座ったままでいれば、これらの正電荷と負電荷は互いに引きつけ合い、絶縁面が互いに接触する局所領域に留まろうとするだろう。しかしながら、人が立ち上がると、これらの二つの絶縁面が離間し、正電荷と負電荷はもはや互いに引き付け合わなくなる。
【0029】
従って、図4におけるチェアは負に帯電し、一方で、人(および人によって保持される物)は正に帯電する。図4において、人はノートパソコン70を保持しており、このノートパソコンも正に帯電することになる。
【0030】
チェア10とノートパソコン70は共に各々の電源装置12aおよび12bに接続しているため、チェアに帯びた静電気、および、人とノートパソコンが帯びる静電気は、AC電源コンセント14を介してたまたま到達可能な大地に向かって流れることになる。この点に関し、AC電源コンセント14は、電気設備の公共事業会社によって管理される電気送電網に接続されている。この送電網は多くのポイントで慎重にアースされており、AC電源コンセントは非常に大型のアースシンクをなし、正電荷と負電荷の両方を引き付ける。従って、例えば図4において、元々チェアのクッション布地11が帯びていた負(−)電荷は、クッション13とフレーム17を流れることになる。この電荷はその後、フレームから制御回路17およびモータ19に流入する。制御回路17は電源装置12aに接続しているため、電荷はDC電力供給リード線21をたどって、チェアコントローラ用の電源装置12に流入する。
【0031】
同様に、人がチェアから立ち去ると、元々人の洋服に帯電していた正(+)電荷は、ノートパソコン70に流入し、その後、DC電力供給リード線23をたどって、ノートパソコンの電源装置12bに流入することになる。
【0032】
正電荷であろうと負電荷であろうと、図5に示されるように、電荷は通常電源回路を流れることになる。なお、電荷は、DC端子26を通じて電源回路に流入し、その後全てではないが多くの精密電子部品を流れ、最終的に電源装置のAC入力端子22から出ていく。チェア10用の電源装置の場合、静電荷は負電荷である(図4の例に基づく)。ノートパソコン70が人に保持されている場合、電荷は正電荷であろう(図4の例に基づく)。いずれの場合も、これらの静電荷は、対応する電源回路を瞬く間に通り過ぎ、精密電子部品領域にダメージを与えることになる。さらなる説明のために、図6は、図3の電源装置の部品を通る、従来の静電気放電経路を示す。
【0033】
静電気放電の問題を解決するために、改良された電源回路は静電気放電構造を採用する。この静電気放電構造は、静電気エネルギーのルートを精密電子部品を避ける経路に定める。この構造を実装するために、回路は、ACアースへのエネルギー経路を形成する第一取付ポイントと、DCアースへのエネルギー経路を形成する第二取付ポイントを規定する。これらの第一取付ポイントと第二取付ポイントはスパークギャップ構造に接続する。スパークギャップ構造は、第一取付ポイントと第二取付ポイントの間の静電気エネルギー経路を形成する。スパークギャップ構造は単独で、第一取付ポイントと第二取付ポイント間の直流の流れを実質的に妨げる(すなわち、スパークギャップ構造は、第一取付ポイントと第二取付ポイントの間の短絡を起こさない)。図7および8はこの構成を図示する。図7を参照し、AC回路部20は、ACアース50へのエネルギー経路を形成する、少なくとも一つの取付ポイント72を有する。同様に、DC回路部24は、DCアース56へのエネルギー経路75を形成する、少なくとも一つの取付ポイント74を有する。スパークギャップ構造76は、図示されるように、取付ポイント72と取付ポイント74の間に接続される。図7において、この例示的なスパークギャップ構造は、一対または複数対の放電ピン78(図6では3対が図示)を備える。これらの放電ピンは、離間距離が2mm以上8mm以下、好ましくは3mm以上7mm以下のエアギャップを形成する。提示される好ましい実施形態では6.2mmの距離を採用している。
【0034】
図8は、別の実施形態を示す。この実施形態では、スパークギャップ構造76が一対の導電面80を有する。この一対の導電面80は互いに離間し、2mm以上8mm以下、好ましくは、4mm以上7mm以下の離間距離を規定する。これらの導電面は、回路内で別の機能を有する金属部品を用いて実装されてもよい。そのような金属部品としては、例えば、互いに離間した一対のヒートシンクや、コンデンサ等の回路部品上の互いに離間したリード線セットが挙げられる。あるいは、スパークギャップ構造は、気体放電管装置を用いて実装されてもよい。
【0035】
改良された電源回路の実装に際し、第一取付ポイントおよび第二取付ポイントの形成に関してしばしばいくつかの異なる選択肢がある。好ましくは、AC回路部とDC回路部のそれぞれに配置されるアクティブな電子部品が近接して取り付けられていないポイントが選択される。図2において、例えば、適切なAC部の取付ポイントはA1−A5として示され、適切なDC部の取付ポイントは、D1−D2として示される。スパークギャップ構造は、AC部の取付ポイントとDC部の取付ポイント間に接続されることから、本質的に静電放電を精密電子部品を避けて案内する。つまり、取付ポイントD2と取付ポイントA1間に接続されるスパークギャップ構造により、例えば、静電放電エネルギーはポイントD2からポイントA1に直接案内し、ポイントD2とポイントA1の間の全ての精密電子部品を迂回することになる。取付ポイントD1および/または取付ポイントD2と一つ以上のポイントA1−A5の間の他の接続により、同様の回路保護が可能となる。
【0036】
図3も同様に、当該回路の適切な取付ポイントを示す。これらの取付ポイントは、ポイントA1−A7(AC回路部側)とポイントD1−D4(DC回路部側)とされる。適用可能であれば、図2の取付ポイントと合うように同様の符号が用いられている。図3の回路は図2の回路よりさらに詳細であるため、より適切な取付ポイントが図示されている。特に注目すべきは、取付ポイントA5とD4である。これらの取付ポイントは、コンデンサ58のAC回路部側とDC回路部側に対応する。コンデンサ58は、図3においてAC回路部内に示されているが、実際にはACアースとDCアースをつなぐ役割を果たしている。従って、コンデンサ58は、AC回路部とDC回路部間の境界線を規定すると言える。図12に示されるように、コンデンサは回路基板または他の適切な接続ポイントに設置され、コンデンサのリード線が内外に延出して、スパークギャップ構造を形成してもよい。
【0037】
今度は図9を参照すると、図6の回路の変形形態が示される。この回路は、AC回路部取付ポイントとDC回路部取付ポイントの間に接続されるスパークギャップ構造76を有する。図示の便宜上、取付ポイントA1と取付ポイントD1が用いられている。図示されるように、静電エネルギーがDC端子26に入ると、静電エネルギーはスパークギャップ構造76を経由し、全ての精密電子部品を迂回する。この点に関し図6と比較する。図6では、スパークギャップ構造が用いられず、静電エネルギーが精密電子部品の全てないしほとんどを横切り、ダメージを引き起こす。
【0038】
なお、図9では五対の放電ピン78を備える一つのスパークギャップ構造76が示されるが、使用されるスパークギャップ構造の数と、それぞれの放電ピンの対の数は変更可能である。例えば、必要であれば、第二のスパークギャップ構造が取付ポイントA4および取付ポイントD2の間に接続、または、他の適切なAC回路部取付ポイントとDC回路部取付ポイントの間に接続されてもよい。
【0039】
図2および図3は、回路図の観点から考えうるAC回路部取付ポイントおよびDC回路部取付ポイントのいくつかを示す。実際の実体的な実施形態では、取付ポイントは、回路図に従って、電源装置の電子部品が取り付けられているプリント回路基板の領域ないし回路配線に組み込まれてもよい。図10は、複数対の放電ピン78を有するスパークギャップ構造76が、プリント回路基板の一部としてどのように製造されるかを示す。複数対の放電ピンは互いに離間し、距離dの間隙を形成する。ある実施形態では、距離dは、4mm以上7mm以下であるが、2mm以上8mm以下でもよい。例えば、見やすくなるよう拡大された図10に示される実施形態において、距離dは6.4mmである。
【0040】
この場合、金属製の回路配線がプリント回路基板84の片側に配置される。こうして、静電気が対になった配線の間を飛び越えられるように、金属性の放電ピンは大気に曝される。いくつかの回路基板製造工程において、回路配線は非導電性の保護コーティングで覆われる。このようなコーティングが設けられる場合、コーティングの塗布時に金属製の放電ピンの周りの領域はマスクされるため、放電ピンは大気に曝されたままとなり、使用中の静電放電を可能にする。なお、回路基板配線として実装された一つのスパークギャップ構造が図10に示されているが、このようなスパークギャップ構造はいくつか用いられてもよく、これらのスパークギャップ構造は、物理的ないし製造上の制約に応じて、同じ取付ポイントないし異なる取付ポイントに接続されてもよい。
【0041】
スパークギャップ構造の別の実体的な形態が図11に示される。この実施形態では、金属ヒートシンクが設けられ、AC回路部およびDC回路部上の部品から熱を放散させる。例えば、AC回路部上では、アクティブスイッチング部品(例えば、図2および図3の部品28)はヒートシンク90に熱的に接続してもよい。DC回路部上では、ダイオード32がヒートシンク92に熱的に接続してもよい。その後、これら2つのヒートシンクは図11に示されるように位置決めされ、上述の寸法とされる距離dのエアギャップを規定し、これら2つのヒートシンクがスパークギャップ構造として機能してもよい。これらのヒートシンクは、上述のような適切な取付ポイントに電気的に接続される。図11において、ヒートシンク90は、ACアースポイントの全てが取り付けられたAC側シャーシに電導可能に取り付けられることにより、ACアースに電気的に接続する。アクティブスイッチング部品28のショートを妨げるために、マイカ絶縁体(図示されず)が部品28とヒートシンク90の間で用いられる。図11において、ヒートシンク92は導電可能に取付ポイントD3に取り付けられ、取付ポイントD3はまた、ダイオード32の陰極(負極端子)に電気的に接続される(図2および図3参照)。
【0042】
スパークギャップ構造の第三の実体的な形態が図12に示される。この実施形態では、図示されるように、コンデンサ58の2本のリード線93が外方に延出し、かつ、内方に曲がって、94のようなスパークギャップを形成する。図示されないが、第四の実体的な形態は、AC回路部およびDC回路部のそれぞれの取付ポイントの間に接続されるガス放電装置を用いる。
【0043】
スパークギャップ構造の異なる実体的な形態が別個に記載されているが、これらの異なる形態は、必要に応じて組み合わせて用いられてもよい。
【0044】
装置に電力を供給するために交流(AC)を直流(DC)に変換する電力供給装置において、ESDの流れを妨げる保護回路の形成方法もまた実施可能である。当該方法は以下の工程から構成可能である:
交流電源に接続可能とされ、AC基準点を規定する第一共通基準点を有するAC回路を設け、
AC回路に接続され、電力供給対象の装置に接続される直流端子と、DC基準点を規定する第二共通基準点とを有するDC回路を設け、
前記AC基準点と前記DC基準点の間を電気的に絶縁し、これら基準点の間の直流の流れを実質的に妨げ、
前記AC基準点へのエネルギー経路として機能する第一取付ポイントを設け、
前記DC基準点へのエネルギー経路として機能する第二取付ポイントを設け、
前記第一取付ポイントおよび前記第二取付ポイントに接続され、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の静電気エネルギー経路を形成する一方、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の直流の流れを実質的に妨げるスパークギャップ構造を形成する。
【0045】
当該方法はまた、以下の工程から構成可能である:
交流電源に接続可能とされ、AC基準点を規定する第一共通基準点を有するAC回路を設け、
AC回路に接続され、電力供給対象の装置への接続用の直流端子と、DC基準点を規定する第二共通基準点とを有するDC回路を設け、
前記AC基準点と前記DC基準点の間を電気的に絶縁し、これら基準点の間の直流の流れを実質的に妨げ、
前記AC基準点へのエネルギー経路として機能する、プリント回路基板上に規定される第一取付ポイントを設け、
プリント回路基板上に規定され、前記DC基準点へのエネルギー経路として機能する第二取付ポイントを設け、
少なくとも一対の互いに離間した回路配線を形成し、この対の一方の配線は第一取付ポイントに電気的に接続され、この対の他方の配線は第二取付ポイントに電気的に接続されてスパークギャップ構造として機能し、該スパークギャップ構造は前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間に接続され、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の静電気エネルギー経路を形成する一方、前記第一取付ポイントと前記第二取付ポイントの間の直流の流れを実質的に妨げる。
【0046】
各実施形態の上記記載は、図解および説明の目的で提供される。この記載は、網羅的または開示事項を限定することを意図しない。特定の実施形態の個別の要素または特徴は、一般にその特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合には、詳細に図示または説明されないとしても選択された実施形態で交換可能であり、使用可能である。同じものが多くの点で変更されてもよい。そのような変更は本開示事項からの逸脱とはみなされない。そのような変形は全て本開示事項の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12