特許第6402263号(P6402263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6402263フィルタ完全性試験用インターフェースモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402263
(24)【登録日】2018年9月14日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】フィルタ完全性試験用インターフェースモジュール
(51)【国際特許分類】
   B01D 65/10 20060101AFI20181001BHJP
【FI】
   B01D65/10
【請求項の数】34
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-552791(P2017-552791)
(86)(22)【出願日】2015年12月2日
(65)【公表番号】特表2018-501107(P2018-501107A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】US2015063305
(87)【国際公開番号】WO2016109084
(87)【国際公開日】20160707
【審査請求日】2017年6月28日
(31)【優先権主張番号】62/098,724
(32)【優先日】2014年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アディカリ,ジワン
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン,ジョン
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0059603(US,A1)
【文献】 米国特許第05570959(US,A)
【文献】 英国特許出願公開第02132366(GB,A)
【文献】 特開平10−225628(JP,A)
【文献】 特開平04−348252(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/109230(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 61/00−71/82
C02F 1/44
G01N 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験装置とフィルタ装置とをインターフェース接続するためのモジュール装置であって、
試験装置の出口およびフィルタ装置のハウジングと連通する第1の流路と、
第1の流路に配置される第1の弁と、
フィルタ装置のハウジングおよび排気装置と連通する第2の流路と、
第2の流路に配置される第2の弁と、
第1の流路、第1の弁、第2の流路、および第2の弁を囲むエンクロージャと、を備え、
第1の流路が、第1の弁とフィルタ装置との間に配置される垂直セクションを備える、モジュール装置。
【請求項2】
フィルタ装置から試験装置の方向への液体の流れを防止するように構成された第1の流路内の逆止弁をさらに備える、請求項1に記載のモジュール装置。
【請求項3】
第1の流路が垂直セクションを備え、逆止弁が垂直セクションに配置される、請求項に記載のモジュール装置。
【請求項4】
第1の弁および/または第2の弁が空気圧により制御可能である、請求項1に記載のモジュール装置。
【請求項5】
モジュール装置が洗浄可能である、請求項1に記載のモジュール装置。
【請求項6】
モジュール装置が滅菌可能である、請求項1に記載のモジュール装置。
【請求項7】
モジュール装置を試験装置に取り外し可能に取り付けるように構成された取付具をさらに備える、請求項1に記載のモジュール装置。
【請求項8】
モジュール装置が、細長いチューブを介して、第1の流路および第2の流路をフィルタ装置のハウジングと接続するように構成された第1の出口と、第2の流路を排気装置に接続するように構成された第2の出口とをさらに備える、請求項1に記載のモジュール装置。
【請求項9】
第2の出口が、排出装置に通じる細長いチューブと結合するように構成可能である、請求項に記載のモジュール装置。
【請求項10】
モジュール装置が、フィルタ装置のハウジングの近くに配置され、固定具および延長可能なチューブセットを使用して試験装置と接続されるように構成される、請求項1に記載のモジュール装置。
【請求項11】
ハウジングと、試験される多孔質材料とを備えるフィルタ装置に、加圧ガスを導入するための出口を有する試験装置と、
試験装置に取り外し可能に取り付けられるインターフェースモジュールと
を備える機器であって、インターフェースモジュールは、
試験装置の出口およびフィルタ装置のハウジングと連通する第1の流路と、
第1の流路に配置される第1の弁と、
フィルタ装置のハウジングおよび排気装置と連通する第2の流路と、
第2の流路に配置される第2の弁と、
第1の流路、第1の弁、第2の流路、および第2の弁を囲むエンクロージャと、を備え、
インターフェースモジュールの第1の流路が、第1の弁とフィルタ装置との間に垂直セクションを備える、機器。
【請求項12】
試験装置が、フィルタ装置に対して1つまたは複数の非破壊試験を行うように構成される、請求項11に記載の機器。
【請求項13】
試験装置が、バブルポイント試験、拡散試験、および水浸入試験のうちの1つまたは複数を行うように構成される、請求項11に記載の機器。
【請求項14】
インターフェースモジュールが洗浄可能である、請求項11に記載の機器。
【請求項15】
インターフェースモジュールが滅菌可能である、請求項11に記載の機器。
【請求項16】
インターフェースモジュールの第1の弁および/または第2の弁が、空気圧によって制御可能である、請求項11に記載の機器。
【請求項17】
インターフェースモジュールの第1の弁および/または第2の弁が、試験装置によって制御される、請求項16に記載の機器。
【請求項18】
インターフェースモジュールが、フィルタ装置から試験装置の方向への液体の流れを防止するように構成された第1の流路内の逆止弁をさらに備える、請求項11に記載の機器。
【請求項19】
第1の流路が垂直セクションを備え、逆止弁が垂直セクションに配置される、請求項18に記載の機器。
【請求項20】
インターフェースモジュールが、細長いチューブを介して第1の流路および第2の流路をフィルタ装置のハウジングと接続するように構成された第1の出口と、第2の流路を排気装置に接続するように構成された第2の出口とをさらに備える、請求項11に記載の機器。
【請求項21】
インターフェースモジュールの第2の出口が、排気装置に通じる細長いチューブに結合するように構成可能である、請求項20に記載の機器。
【請求項22】
排気装置とインターフェースモジュールが、異なる分類領域に配置され、異なる分類領域が、インターフェースモジュールおよびフィルタ装置である、請求項21に記載の機器。
【請求項23】
試験装置が、フィルタ装置のハウジング内の圧力を測定するように構成された圧力センサまたはトランスデューサを備える、請求項11に記載の機器。
【請求項24】
フィルタ装置の試験方法であって、
試験装置の出口およびフィルタ装置のハウジングと連通する第1の流路と、第1の流路内の第1の弁と、フィルタ装置のハウジングおよび排気装置と連通する第2の流路と、第2の流路内の第2の弁と、第1の流路、第1の弁、第2の流路、および第2の弁を囲むエンクロージャと、を備える、インターフェースモジュールを介して、試験装置をフィルタ装置と接続するステップを含み、インターフェースモジュールの第1の流路が、第1の弁とフィルタ装置との間に垂直セクションを備え、前記フィルタ装置の試験方法がさらに、
フィルタ装置に対して完全性試験を行うステップを含み
加圧ガスがインターフェースモジュールの第1の流路を介して試験装置からフィルタ装置のハウジングに導入され、
フィルタ装置内の加圧ガスの少なくとも一部がインターフェースモジュールの第2の流路を介して排気装置に排出される、フィルタ装置の試験方法。
【請求項25】
加圧ガスをフィルタ装置のハウジングに導入する際に、第1の流路の第1の弁が空気圧で開放され、第2の流路の第2の弁が空気圧で閉鎖される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
フィルタ装置内の加圧ガスの一部を排出する際に、第2の流路の第2の弁が空気圧で開放され、第1の流路の第1の弁が空気圧で閉鎖される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
インターフェースモジュールが、試験装置に取り外し可能に取り付けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
インターフェースモジュールを試験装置から取り外して、続いてインターフェースモジュールを洗浄するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
インターフェースモジュールを試験装置から取り出して、続いてインターフェースモジュールを滅菌するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
第1の流路が、細長いチューブを介してフィルタ装置のハウジングと接続される、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
第2の流路が、細長いチューブを介して排気装置と接続され、排気装置とインターフェースモジュールが、異なる分類領域に配置され、異なる分類領域が、インターフェースモジュールおよびフィルタ装置である、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
完全性試験が、フィルタ装置に対する非破壊試験を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
完全性試験が、フィルタ装置に対するバブルポイント試験、拡散試験、および水浸入試験のうちの1つを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
完全性試験の後に試験装置を排気するステップをさらに含み、第1の流路の第1の弁が、試験装置を排気する際に空気圧で開放される、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全般的には、フィルタ装置の完全性試験に関する。特に、インターフェースモジュール、インターフェースモジュールを含む試験機器、およびインターフェースモジュールを使用してフィルタ装置の完全性を試験する方法の様々な実施形態を示す。
【背景技術】
【0002】
濾過装置および濾過方法は、医薬品、バイオテクノロジー、食品加工および包装、石油およびガス産業など、様々な産業で周知であり、使用されている。例えば、膜濾過装置は、最終生成物から望ましくない不純物および他の潜在的に有害な汚染物質を除去するのに使用されている。
【0003】
濾過装置が所望の性能基準を確実に満たすために、濾過装置の完全性は、使用前および/または使用後に定期的に試験される。完全性試験は、濾過装置において、装置機能を損ない、その結果、最終生成物を有害物質または望ましくない物質で汚染させることになる所望の寸法限界を超える濾過装置の膜または多孔質材料の欠陥または破損がないかどうかを決定する。
【0004】
濾過装置の完全性試験は、破壊試験または非破壊試験とすることができる。破壊試験は、典型的には、製作されたフィルタ製品の製造ロットからのサンプルに対して、ロットごとの基準として実行される。破壊試験では、フィルタ製品は、バクテリアを保持するフィルタの能力を決定するために、バクテリアを使用して行われる。この試験は、実際の用途でフィルタを使用できなくするので、「破壊的」である。非破壊試験は、使用前および使用後に各フィルタ装置に対して定期的に実施される。製薬業界の厳しい要件は、使用時および使用直後のそれぞれの滅菌用途において、フィルタ装置に対する非破壊試験を実施しなければならないと規定している。
【0005】
バブルポイント試験、拡散試験、水浸入試験、およびそれらのバリエーションを含む様々な非破壊試験方法が開発されている。従来の非破壊試験方法では、試験装置は、有害な物質、微粒子、液体、および/または生体成分を含む様々な汚染物質への望ましくない暴露を受けやすい。一般に、完全性試験の開始時に、加圧ガスが試験装置から試験されるフィルタ装置に流れる。試験の終わりに、システムの電源が切られ、かなりの量の排気ガスが試験装置の方向へ流れ、試験装置が汚染の危険に曝される場合がある。濾過後に試験が行われる場合、排気ガスは湿潤流体および/または生成物の残留物を含有する場合がある。
【0006】
完全性試験装置は高感度装置であり、装置の汚染は測定の精度に支障をきたす場合がある。さらに、試験装置の汚染は、異なるフィルタ装置間の相互汚染の原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、汚染から試験装置を保護し、相互汚染を防止することができる機器および方法が必要である。従来のフィルタ完全性試験の欠点を克服することができる機器および方法が一般的に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
フィルタ完全性試験装置をインターフェース接続するためのモジュール装置の実施形態を説明する。さらに、インターフェースモジュールを含む機器、およびフィルタ装置の完全性を試験する方法の実施形態を説明する。
【0009】
本明細書では、さらに他の実施形態を説明する。
【0010】
本開示の上述の特徴および様々な他の特徴および利点は、添付図面および以下で説明する添付の特許請求項と共に、以下の詳細な説明を読むことで、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示のいくつかの実施形態のフィルタ装置を試験するための配置における試験機器の概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態の試験機器のいくつかの細部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
モジュール装置、およびインターフェースモジュールを含む機器の様々な実施形態を説明する。本開示は、説明されている特定の実施形態に限定されず、当然のことながら変化し得ることが理解されるべきである。特定の実施形態に関して説明されている一態様は、必ずしもその実施形態に限定されず、他の任意の実施形態で実施することができる。
【0013】
本明細書で使用する時、様々な実施形態の要素を紹介する場合、冠詞「a」、「an」および「the」は、1つまたは複数の要素が存在することを意味するものとする。用語「または」は、文脈が明確に指示しない限り、非排他的な「または」を意味する。以下の説明では、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の構成要素またはステップを詳細に説明されない場合がある。
【0014】
本明細書で使用する時、「モジュール」または「モジュール装置」という用語は、フィルタ試験装置に着脱可能な分離可能ユニットを指す。このユニットは、完全に同じように、または同様に構築された他のユニットと置換可能または交換可能である。
【0015】
本明細書で使用する時、「フィルタ装置」または「フィルタ」という語句は、溶質または固形物質のサイズに基づいて流体中の特定の溶質または懸濁固形物質を排除または保持することができる多孔質材料を含む装置を指す。フィルタ装置は、多孔質材料を囲むハウジングを含んでよい。あるいは、ハウジングは、フィルタ装置の完全性試験用に特別に設計されてよい。フィルタ装置は、カートリッジ、カセット、シリンダ、カラム、チューブ、シート、チップなどを含む任意の適切な形態であってもよい。多孔質材料は、有機化合物もしくは無機化合物、または有機化合物と無機化合物との組み合わせを含んでよい。多孔質材料は、親水性、疎水性、疎油性、親油性、またはそれらの任意の組み合わせであってよい。多孔質材料は、1つまたは複数の重合体または共重合体を含んでよい。重合体は架橋結合されてよい。多孔質材料は、精密濾過用、限外濾過用および逆浸透用に構成可能である。本譲受人に対する米国特許第7587927号明細書では、多孔質材料を備える様々な多孔質材料およびフィルタ装置が記載されている。米国特許第7587927号明細書の開示内容は、参照により本願明細書に引用したものとする。
【0016】
本明細書で使用する時、「フィルタ完全性試験装置」、「フィルタ試験装置」または「試験装置」という語句は、欠陥(単数または複数)の有無に気が付くこと、および/または多孔質材料の細孔の直径および細孔径分布を決定することを含む、フィルタ装置の完全性および/または他の特性を試験することができる装置を指す。完全性試験は、特定のフィルタ装置が確実に所望の性能基準を満たすことができるようにする手段を提供する。例として、完全性試験は、フィルタ装置において、装置機能を損ない、その結果、最終生成物を有害物質または望ましくない物質で汚染させることになる所望の寸法限界を超えた濾過装置の膜または多孔質材料の欠陥または破損がないかどうかを決定する。バブルポイント試験、拡散試験、水浸入試験、およびそれらのバリエーションに基づく試験装置を含む様々な試験装置が周知であり、市販されている。本開示で説明する原理および実施形態は、特定のタイプの試験装置に限定されず、むしろ、任意の適切な試験装置で実現可能であることに留意されたい。本譲受人に対する米国特許第5282380号明細書、第5786528号明細書、第7587927号明細書、および第8084259号明細書では、様々なフィルタ試験装置が記載されており、これらの開示内容は全て、参照により本明細書に引用したものとする。
【0017】
本明細書で使用する時、「取り外し可能な」という用語は、本開示のモジュール装置の一実施形態を指しており、モジュール装置は、通常、試験機器の一部であり、任意選択で、洗浄および/または滅菌のために、または置換のために、取り外し可能である。
【0018】
本明細書で使用する時、「洗浄可能な」という用語は、本開示のモジュール装置の一実施形態を指しており、モジュール装置またはその構成要素は、拭き取り、水洗い、および適切な洗浄剤による湿式洗浄などの適切な方法を使用して洗浄可能である。
【0019】
本明細書で使用する時、「滅菌可能な」という用語は、本開示のモジュール装置の一実施形態を指しており、モジュール装置またはその構成要素は、例えば、一定時間、オートクレーブ内で、装置またはその構成要素を高圧蒸気に曝すことにより滅菌可能である。
【0020】
モジュール装置が提供される。モジュール装置は、第1の流路、第1の流路に配置される第1の弁、第2の流路、および第2の流路に配置される第2の弁を含んでよい。第1の流路、第1の弁、第2の流路、および第2の弁は、エンクロージャで囲まれてよい。
【0021】
第1の流路は、試験装置の出口およびフィルタ装置のハウジングと連通するように構成される。加圧ガスは、第1の弁が開放状態で、第1の流路を介して試験装置からフィルタ装置のハウジングに導入されてよい。第2の流路は、フィルタ装置のハウジングおよび排気装置と連通するように構成される。フィルタ装置のハウジング内の加圧ガスまたは加圧ガスの少なくとも一部は、第2の弁が開放状態で、第2の流路を介して排出されてよい。
【0022】
モジュール装置は、試験装置に取り外し可能に取り付けられ、フィルタ装置のハウジングに空気圧で接続されてよい。第1の流路および第2の流路、第1の弁および第2の弁、およびエンクロージャを含むモジュール装置またはその部品は、洗浄可能および/または滅菌可能としてよい。したがって、完全性試験の後、モジュール装置は、フィルタ装置から分離され、洗浄および/または滅菌のために試験装置から取り外されてよい。モジュール装置の適切な洗浄および/または滅菌により、異なるフィルタ装置を試験する際の相互汚染を防止することができる。あるいは、モジュール装置は、使い捨て可能としてよく、または完全に同じように、または同様に構築された他のユニットと置換可能であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の流路は、フィルタ装置と第1の弁との間に垂直セクションを含んでよい。垂直セクションは、フィルタハウジングから試験装置への液体の浸入を防止することができる。いくつかの実施形態では、モジュール装置は、第1の流路に配置される逆止弁をさらに含んでよい。逆止弁は、フィルタ装置から試験装置の方向への液体の流れを防止するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、逆止弁は、第1の流路の垂直セクションに配置されてよい。したがって、モジュール装置を使用することにより、フィルタハウジングから試験装置への液体の浸入を防止することによって試験装置を汚染から保護することができる。
【0024】
本開示の別の態様では、試験装置およびインターフェースモジュールを含む機器が提供される。インターフェースモジュールは、試験装置を試験されるフィルタ装置とインターフェース接続させる機能を果たす。加圧ガスは、インターフェースモジュールを介して試験装置からフィルタ装置のハウジングに導入されてよい。フィルタ装置のハウジング内の加圧ガスまたは加圧ガスの少なくとも一部は、インターフェースモジュールを介して排気装置に排出されてよい。インターフェースモジュールは、試験装置に取り外し可能に取り付け可能である。あるいは、インターフェースモジュールは、試験装置に接続された延長取付具によってフィルタ装置のハウジングに取り付け可能である。インターフェースモジュールは、洗浄可能および/または滅菌可能、または置換可能である。インターフェースモジュールを使用することにより、フィルタハウジングから試験装置への液体の浸入を防止することによって試験装置を汚染から保護することができる。インターフェースモジュールの適切な洗浄および/または滅菌により、バッチ間または製品間の相互汚染を防止することができる。
【0025】
インターフェースモジュールは、第1の流路および第1の流路内に配置される第1の弁を含んでよい。第1の流路は、試験装置の出口およびフィルタ装置のハウジングと連通するように構成される。加圧ガスは、第1の弁が開放状態で、第1の流路を介して試験装置からフィルタ装置のハウジングに導入されてよい。第1の流路は、フィルタ装置と第1の弁との間に垂直セクションを含んでよい。垂直セクションは、フィルタ装置から試験装置への液体の浸入を防止することができる。いくつかの実施形態では、第1の流路に逆止弁が配置されてよい。逆止弁は、フィルタ装置から試験装置の方向への液体の流れを防止するように構成されてよい。
【0026】
インターフェースモジュールは、第2の流路と、第2の流路に配置される第2の弁とを含んでよい。第2の流路は、フィルタ装置のハウジングおよび排気装置と連通するように構成される。フィルタ装置のハウジング内の加圧ガスまたは加圧ガスの一部は、第2の弁が開放状態で、第2の流路を介して排気装置に排出されてよい。
【0027】
第1の流路、第1の弁、第2の流路、および第2の弁は、エンクロージャで囲まれてよい。インターフェースモジュールは、細長いチューブを介してフィルタ装置のハウジングに空気圧で接続されてよく、したがって、フィルタ装置の上部には重いものは何も配置されない。インターフェースモジュールはさらに、試験装置への取り外し可能な取り付けのためのナット、ボルトなどの適切な取付具を含んでよい。完全性試験が完了すると、インターフェースモジュールはフィルタ装置から分離され、洗浄および/または滅菌のために試験装置から取り外されてよい。洗浄および/または滅菌されたインターフェースモジュールは、異なるフィルタ装置を試験するために再使用されてよい。
【0028】
インターフェースモジュールが取り付けられる試験装置は、市販されている任意の適切なフィルタ完全性試験装置としてよい。例として、試験装置は、バブルポイント試験、拡散試験、水浸入試験、およびこれらの変形形態、例えば、圧力保持試験、圧力降下試験、または圧力減衰試験などを含む非破壊試験用に構築または構成されてよい。様々な試験装置が周知であるが、それらの詳細な説明は、本開示の実施形態の説明を不明瞭にすることを避けるために本明細書では省略する。一般に、試験装置は、外部加圧ガス源と連通する入口と、フィルタ装置と連通する出口とを含んでよい。様々な非破壊試験を実施する際に、フィルタ装置は、試験の開始時に加圧されてよい。加圧は、典型的には、外部ガス源からの加圧ガスが供給される試験装置から圧縮ガスをフィルタ装置に供給することによって行われる。いくつかの試験手順では、試験装置は、システムサイジングのための基準体積を有する内部ガスタンクを含んでよい。内部ガスタンクは、試験装置の入口を介して外部ガス源と連通し、試験装置の出口を介してフィルタ装置と連通してよい。
【0029】
試験装置は、例えば、外部加圧ガス源から内部ガスタンクへのガス吸入、内部ガスタンクから装置の出口へのガス吸入の制御、および試験装置の排気の制御などのための様々な弁を含んでよい。いくつかの試験手順では、試験装置は、試験中にフィルタ装置の圧力減衰測定のための遮断弁を含んでよい。
【0030】
試験装置は、試験装置、フィルタ装置、または内部ガスタンク内の圧力を監視するための1つまたは複数の圧力センサまたは圧力トランスデューサを含んでよい。フィルタ試験のための試験圧力を測定することは別として、試験装置は、ハウジングを加圧する前および試験終了サイクル中にハウジング圧力を測定して、試験装置への液体の浸入が確実に防止されるようにする手段を有してよい。試験装置はさらに、例えば、内部のガスタンク内の温度を監視するための1つまたは複数の温度センサを含んでよい。
【0031】
試験装置は、マイクロプロセッサおよびメモリユニットを備えることができるコントローラを含んでよい。コントローラは、コントローラに結合された様々な弁を制御および駆動するように構成されてよい。コントローラは、コントローラに結合された様々なセンサを監視することによって圧力および温度を検出するように構成されてよい。アナログ信号をデジタル信号に変換するために、アナログデジタルコンバータが含まれてよい。コントローラは、1つまたは複数のフィルタ装置に対する試験手順のための1つまたは複数のパラメータセット、例えば、臨界圧力、試験圧力、試験時間などを含むパラメータセット記憶するように構成されてよい。これらのパラメータのセットは、例えば、多孔質材料の化学組成および細孔径などに基づいて、特定の種類のフィルタ装置に合わせて調整されてよい。
【0032】
試験装置は、ユーザが試験装置と対話できるようにするためのユーザインターフェースを含んでよい。ユーザインターフェースは、ユーザが試験手順のための命令を入力できるようにする入力デバイス(例えば、キーパッド、タッチスクリーンなど)と、試験結果および/または試験に関する他の情報を表示するためのディスプレイとを含んでよい。試験装置は、自動的に完全性試験を行うように構成されてよい。あるいは、試験装置は、手動で試験を行うように構成されてよい。
【0033】
本開示のさらなる態様では、フィルタ装置を試験する方法が提供される。この方法によれば、試験装置はインターフェースモジュールを介してフィルタ装置と接続される。インターフェースモジュールは、試験装置の出口およびフィルタ装置のハウジングと連通する第1の流路と、第1の流路内の第1の弁と、フィルタ装置のハウジングおよび排気装置と連通する第2の流路と、第2の流路内の第2の弁と、第1の流路、第1の弁、第2の流路、および第2の弁を囲むエンクロージャと、を含んでよい。
【0034】
試験装置がインターフェースモジュールを介してフィルタ装置と接続された後に、フィルタ装置上で完全性試験を行うことができる。完全性試験の間、加圧ガスは、第1の弁が開放状態で、インターフェースモジュールの第1の流路を介して、試験装置からフィルタ装置のハウジングに導入されてよい。完全性試験が終了した後、フィルタ装置のハウジング内の加圧ガスまたは加圧ガスの少なくとも一部は、第2の弁が開放状態で、インターフェースモジュールの第2の流路を介して、排気装置に排出されてよい。排気装置とインターフェースモジュールは、細長いチューブを使用することによって、同じ分類領域または異なる分類領域に配置されてよい。
【0035】
フィルタ装置の完全性試験および減圧の後、インターフェースモジュールは、洗浄および/または滅菌のために、フィルタ装置から分離され、試験装置から取り外されてよい。取り外されたインターフェースモジュールは、その後、洗浄および/または滅菌され、異なるフィルタ装置を試験する際に再使用されてよい。
【0036】
開示されている方法は、バブルポイント試験、拡散試験、および水侵入試験、圧力保持試験、圧力降下試験および圧力減衰試験などの様々な非破壊試験を含む任意の適切なフィルタ完全性試験で実施可能である。
【0037】
バブルポイント試験は、多孔質材料を自発的に濡らす液体が表面張力および毛細管力によって細孔内で保持され、続いて湿潤液体を気体で変位させるには、表面張力および毛細管力を克服するために、細孔径、または存在する場合には欠陥のサイズに基づいて、気体圧力をある臨界レベルまで上昇させる必要があるという事実に基づいている。バブルポイント圧として定義される、細孔から液体を押し出すのに必要な臨界圧力は、以下の式に示されるように、細孔直径の尺度である。
【数1】
ここで、Pはバブルポイント圧を表し、kは細孔形状補正係数であり、θは液体固体接触角であり、σは流体の表面張力であり、dは最大細孔の直径である。したがって、上記式に示されているように、印加される空気圧(P)と細孔の直径(d)との反比例関係に従って、上流側から印加される一定レベルの圧力で、液体を最初に最大細孔の組から押し出すことができる。湿潤流体が最大細孔から排出される時に、バルクガス流がフィルタシステムの下流側で検出可能である。バブルポイント測定は、フィルタ膜の細孔径を決定し、フィルタが完全であるかどうかを決定することができる。
【0038】
バブルポイント試験手順では、フィルタを適切な流体、典型的には、親水性膜に対しては水、または疎水性膜に対してはアルコールと水の混合物で濡らす。フィルタシステムは、上流側から、例えば、予想されるバブルポイント圧の約80%になるまで加圧される。圧力は、下流側で急速な連続気泡が観察されるまで徐々に増加される。気泡が最初に出現する圧力は、サンプルの視覚的バブルポイント圧と呼ばれる。フィルタ製造業者によって指定された最小許容バブルポイントよりも低い視覚的バブルポイント圧は、フィルタが不完全であることを示すことができる。
【0039】
拡散試験は、バブルポイント未満のガス差圧では、フィックの拡散法則に従って、ガス分子が湿潤膜上の水で満たされた細孔を通って移動するという事実に基づいている。
【数2】
ここで、Nは透過速度(単位時間あたりの気体のモル数)であり、Dは液体中の気体の拡散率であり、Hはガスの溶解度係数であり、Lは膜中の液体の厚さ(膜の細孔が液体で完全に満たされている場合は膜の厚さに等しい)であり、ΔPはフィルタの上流側と下流側との差圧である。したがって、フィルタの透過速度またはガス拡散流量は、差圧に比例する。例えば、フィルタ製造業者によって指定された最小バブルポイントの約80%の試験圧力において、膜を通過して拡散するガスが測定されて、フィルタの完全性が決定される。
【0040】
拡散試験手順では、フィルタは、適切な試験流体、典型的には、親水性膜に対しては水、または疎水性膜に対してはアルコールと水の混合物で完全に濡らされる。フィルタの上流側の圧力は、試験圧力まで、典型的には、フィルタ製造業者によって指定された最小許容バブルポイントの少なくとも80%まで、ゆっくり増加される。システムが平衡状態に達すると、下流側のガス流が測定される。フィルタ製造業者によって指定された率よりも高い拡散流の測定値は、膜が不完全であることを示すことができる。
【0041】
圧力減衰試験または圧力降下試験としても周知である圧力保持試験は、拡散試験の変形形態である。この試験では、フィルタを通過するガス拡散による上流側の圧力変化が測定される。フィルタの下流側のガス流を測定する必要がないので、下流側の無菌状態に対する危険性が排除される。
【0042】
水浸入試験は、通水試験としても周知であるが、特に、疎水性フィルタに適している。水浸入試験は、液体は表面張力および毛細管力によって疎水性フィルタの細孔によってはじかれるという事実に基づいている。液体を最大細孔に押し込むのに必要な最小圧力は、水浸入圧と呼ばれる。バブルポイント圧と同様のフィルタ特性である浸入圧は、細孔径に反比例し、種々の膜の相対的な細孔径を示すのに使用され、保持効果を決定するのに相互に関係付けされてよい。浸入圧(P)は、以下の式で表すことができる。
【数3】
ここで、細孔形状補正係数(k)、液体固体接触角(θ)、流体の表面張力(σ)、および最大細孔の直径(d)は、上述のバブル試験の式で定義されたものと同じである。式中の負の符号(−)は、疎水性固体上の水の接触角が90度より大きく、したがってこの角度のコサインが負であることによって導かれたものである。
【0043】
水浸入試験手順では、疎水性フィルタカートリッジのハウジングの上流側が浸水される。その後、加圧された空気または窒素ガスが、水位より上のフィルタハウジングの上流側に、所定の試験圧力になるまで加えられる。圧力安定化の期間は、カートリッジのプリーツが圧力が加えられた状態で位置を調整する間に生じる。システムが安定した後に、試験時間が開始される。上流側の加圧ガス量のさらなる圧力降下は、疎水性の最大細孔への水の浸入の開始を意味する。プリーツ型膜カートリッジの通水試験では、観察される低流量は、主に、プリーツの圧縮状態のみを示し、したがって完全なフィルタであることを示している。一方、大流量は、主に、水が望ましくない大きな細孔を通って流れる状態を示し、試験圧力で水が浸入する欠陥があることを意味する。米国特許第5282380号明細書、第5457986号明細書、第5786528号明細書、第7587927号明細書、および第8084259号明細書では、フィルタの完全性および細孔径分布を決定するための様々な方法が記載されており、これらの開示内容は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
インターフェースモジュールおよびフィルタ装置の完全性を試験する方法の例示的な実施形態を図面を参照しながら説明する。いくつかの図は必ずしも縮尺通りに描かれていないことに留意すべきである。図面は、単に特定の実施形態の説明を容易にするためのものであり、網羅的な説明または本開示の範囲の限定とすることを意図していない。さらに、インターフェースモジュールの実施形態は、例示目的のために試験装置と共に示され説明されているが、本開示の原理および実施形態はその形態に限定されないことを理解されたい。本開示によって提供されるインターフェースモジュールは、洗浄可能および/または滅菌可能、または置換可能であり、洗浄、滅菌、または置換のために、試験される装置とインターフェース接続するための装置に取り外し可能に取り付け可能であり、装置から取り外し可能である。実際に、本開示によって提供されるインターフェースモジュールの上述の特徴および他の新規な特徴は、水の浸入の影響を強く受ける、例えば、腐食などが生じやすい構成要素を有する任意の種類の装置と共に使用可能である。例として、本開示のインターフェースモジュールは、いくつかの装置で使用される流量計の保護にも有用である。
【0045】
図1は、本開示のいくつかの実施形態のフィルタ装置12の完全性試験のための機器10の概略図である。一般に、機器10は、試験装置40と、適切な取付具21を介して試験装置40に取り外し可能に取り付け可能なインターフェースモジュール20とを含む。試験されるフィルタ装置12は、ハウジング14と、ハウジング14内に収容されるメンブレンフィルタ(図示せず)のような多孔質材料とを含んでよい。あるいは、ハウジング14は、フィルタ装置の完全性試験用に特別に設計されてよい。フィルタ装置12は、流体入口17および流体出口18をさらに含んでよい。
【0046】
インターフェースモジュール20は、ハウジング出口22および排気出口24を含んでよい。ハウジング出口22は、細長いチューブ16を介してフィルタ装置12のハウジング14に空気圧で接続することができる。排気出口24は、排気装置(図示せず)に接続することができ、排出装置(図示せず)は、機器10と同じ分類領域に配置されてよく、または細長いチューブを使用することによって異なる分類領域に配置されてよい。インターフェースモジュール20は、試験装置40の出口45と連通する入口(図1には図示せず)をさらに含む。
【0047】
試験装置40は、上述した任意の適切な試験装置とすることができる。例として、試験装置40は、バブルポイント試験、拡散試験、水浸入試験、およびそれらの変形形態を含む1つまたは複数の非破壊試験用に構成された設計または構造を有してよい。図示されているように、インターフェースモジュール20を試験装置40に取り外し可能に取り付けるために、Oリング取付具42、43を設けてよい。当技術分野で周知の他の代替形態の取付具を使用することができることを理解されたい。試験装置40の出口45とインターフェースモジュール20の入口(図示せず)との間を適切に封止するために、Oリングフェースシール44のようなシールを使用することができる。
【0048】
図2を参照すると、例示的な試験装置40は、特に図示しないが、電子圧力調整器46、内部ガスタンク48、およびフィルタ50、52を含む。圧力調整器46は、内部ガスタンク48内の圧力値を調整または設定するように構築または構成されてよい。内部ガスタンク48は、補正容積を有してよく、試験に使用される測定ガスのサイジングまたは減衰に使用されてよい。フィルタ50、52は、試験装置40に供給される外部加圧ガス中の水分および/または大きな粒子を除去するように構築または構成されてよい。
【0049】
試験装置40は、内部ガスタンク48に通じる流路に供給弁54、入口弁56、および遮断弁58を含んでよい。供給弁54は、外部ガス供給源と圧力調整器46との間に配置され、加圧ガスを試験装置40に供給するように動作してよい。入口弁56は、内部ガスタンク48内の圧力を調整するために、内部ガスタンク48と圧力調整器46との間に配置されてよい。遮断弁58は、内部ガスタンク48とフィルタ装置12との間に配置され、いくつかの試験手順において試験中にフィルタ装置内の圧力減衰を測定するように動作してよい。試験装置40はさらに、以下でより詳細に説明するように、インターフェースモジュール20内の出口弁28および排気弁32を制御するために、出口パイロット弁60および排気パイロット弁62を含んでよい。供給弁54、入口弁56、遮断弁58、および出口パイロット弁60および排気パイロット弁62のうちの1つまたは複数は、ソレノイド弁、またはソレノイドを通る電流によって制御される弁としてよい。あるいは、当技術分野で周知の他のタイプの弁を使用することができる。
【0050】
試験装置40は、内部ガスタンク48内の圧力を測定するための圧力センサまたはトランスデューサ64と、内部ガスタンク48内の温度を測定するための温度センサ66とを含んでよい。試験装置40内の圧力およびフィルタ装置12のハウジング14内の圧力を測定するために、圧力トランスデューサ68、70が設けられてよい。
【0051】
試験装置40はさらに、コンピュータプロセッサ、メモリ、ディスプレイ、プリンタ、および他の電子機器などを含む他の周知の構成要素を含んでよい。上述の構成要素および他の周知の構成要素は、図1および図2には示されておらず、これらについての詳細な説明は、本開示の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために省略されている。試験装置40は、手動または自動の完全性試験用に構築されてよい。
【0052】
さらに図2を参照すると、例示的なインターフェースモジュール20は、エンクロージャ26を含んでよい。エンクロージャ26は、インターフェースモジュール20の内部部品の洗浄および/または滅菌のために取り外し可能としてよい。エンクロージャ26内には、第1の流路30に出口弁または第1の弁28、第2の流路34に排気弁または第2の弁32が含まれる。
【0053】
第1の流路30は、ライン72を介して内部ガスタンク48と連通し、ライン16を介してフィルタ装置12のハウジング14に空気圧で接続されたインターフェースモジュール20のハウジング出口22と連通している。第1の流路30は、内部ガスタンク48から通じる流路72に対して垂直であるセクション31を含んでよい。垂直セクション31は、フィルタ装置12から試験装置40への潜在的な液体の浸入を防止するのに役立つ場合がある。いくつかの実施形態では、逆止弁36が垂直セクション31内に配置されてよい。逆止弁36は、フィルタ装置12から試験装置40の方向への液体の流れを防止するように構成されてよい。
【0054】
第2の流路34は、インターフェースモジュール20の排気出口24およびハウジング出口22と連通している。第2の流路34の第2の弁32および第1の流路30の第1の弁28は、空気圧によって制御されてよい。第1の弁28および第2の弁32の動作のための圧力または低減された圧力は、それぞれライン61、63を介して、試験装置40内の出口パイロット弁60および排気パイロット弁62を制御することによって印加されてよく、出口パイロット弁60および排気パイロット弁62は、ソレノイドを通る電流によってオンオフされてよい。
【0055】
有利には、インターフェースモジュール20は、適切な取付具を介して、試験装置40に対して取り付けおよび取り外しができるようにしてよい。インターフェースモジュール20は、洗浄および/または滅菌のために試験装置40から取り外されてよい。洗浄および/または滅菌の後、インターフェースモジュール20は、追加の試験のために試験装置40に再び取り付けられてよい。
【0056】
図2を参照すると、フィルタ装置12の完全性試験のための機器10の動作において、インターフェースモジュール20を介して試験装置40からフィルタ装置12のハウジング14に加圧ガスが導入されてよい。これは、試験装置40のライン72上の遮断弁58を開放し、インターフェースモジュール20内の第1の流路30内の第1の弁28を開放し、第2の流路34内の第2の弁32を閉鎖することによって行われてよい。第1の弁28は、例えば、出口パイロット弁60をオンにすることによって開放されてよい。第2の弁32は、例えば、排気パイロット弁62をオフにすることによって閉鎖されてよい。完全性試験は、所望の圧力がフィルタ装置12のハウジング14内で確立された後に、当技術分野で周知の方法で行われてよい。
【0057】
完全性試験の後にフィルタ装置12を排気する際に、フィルタ装置12のハウジング14内の加圧ガスまたは加圧ガスの少なくとも一部は、インターフェースモジュール20を介して排気装置に放出または排出されてよい。これは、インターフェースモジュール20内の第1の流路30内の第1の弁28を閉鎖し、第2の流路34内の第2の弁32を開放することによって行われてよい。加圧ガスは、機器10が配置されるのと同じ分類領域に排出されてよい。あるいは、加圧ガスが有害な汚染物を含む場合には、細長いチューブが排気出口24に結合されて、ガスが異なる分類領域に方向付けられてよい。流路内に垂直流路セクションおよび/または逆止弁を含むインターフェースモジュール20を使用することにより、フィルタハウジングから試験装置への液体の浸入を有利に防止することができ、その結果、試験装置の汚染のリスクが低減される。試験終了サイクル時に試験装置40を排気するために、弁28は、ハウジング14内の圧力がトランスデューサ70によって監視される所望の低レベルまで低下した後に開放されてよい。あるいは、弁28は、フィルタハウジング14の圧力減衰時間に基づいて開放可能である。
【0058】
完全性試験が完了し、システムの電源が切られた後、インターフェースモジュール20は分離され、試験装置40から取り外されてよい。弁および/または流路を含むインターフェースモジュール20は、その後、拭き取り、水洗い、および適切な洗浄剤による湿式洗浄などの適切な方法を使用して洗浄されてよい。あるいは、インターフェースモジュール20またはその構成要素は、例えば、一定時間、オートクレーブ内で、インターフェースモジュールまたはその構成要素を高圧蒸気に曝すことにより、滅菌されてよい。インターフェースモジュールの洗浄および/または滅菌は、有利には、バッチ間または製品間の相互汚染を防ぐことができる。
【0059】
試験機器およびフィルタ装置の完全性を試験する方法が示されている。当業者であれば、本発明の精神および範囲内で種々の変更が可能であることを理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、インターフェースモジュール20は、試験装置40に接続された固定具および伸張可能なチューブを使用して、フィルタ装置12のハウジング14の近くに配置可能である。上述の実施形態または他の変形形態および修正形態は全て、本発明者らによって意図される形態であり、本発明の範囲内である。
図1
図2