(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
本開示における第1の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の厚み測定装置101の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態の厚み測定装置101は、測定対象の表面までの距離に関する第1の測定信号を出力する第1のプローブ1と、第1のプローブ1と対向して配置され、測定対象の裏面までの距離に関する第2の測定信号を出力する第2のプローブ2と、を有する。なお、本開示において、測定対象には、未知の厚みtxを有し、厚み測定の対象である測定試料152と、既知の厚みt1を有する基準試料151の二つが少なくとも含まれている。
【0013】
第1のプローブ1が出力する第1の測定信号と、第2のプローブ2が出力する第2の測定信号は、演算部6へと伝達される。演算部6は、第1の測定信号と第2の測定信号を用いて、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間に、測定対象として配置された測定試料152の厚みtxを算出する。
【0014】
以下、演算部6による厚み測定の具体例について説明する。
【0015】
まず、
図1に示すように、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間に、測定対象として基準試料151が配置された状態において、第1のプローブ1を用いた距離測定を行う。この測定により、第1のプローブ1は、第1のプローブ1が有する第1の参照面1Aから基準試料151の表面までの距離に関する第1の測定信号を出力する。第1の測定信号とは、例えば第1のプローブ1において受光された、測定対象の表面からの反射光、及び第1のプローブ1が有する第1の参照面1Aからの反射光である。演算部6は、この第1の測定信号に基づき、第1のプローブ1が有する第1の参照面1Aから基準試料151の表面までの距離である第1の距離d1を算出する。なお、第1の測定信号を用いて、第1の参照面1Aから測定対象の表面までの距離を測定する方法としては、例えば、特開2017−133869号公報に記載された方法を用いることが可能である。
【0016】
また、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間に、測定対象として基準試料151が配置された状態において、第2のプローブ2を用いた距離測定を行う。この測定により、第2のプローブ2は、第2のプローブ2が有する第2の参照面2Aから基準試料151の裏面までの距離に関する第2の測定信号を出力する。第2の測定信号とは、例えば第2のプローブ2において受光された、測定対象の裏面からの反射光、及び第2のプローブ2が有する第2の参照面2Aからの反射光である。演算部6は、この第2の測定信号に基づき、第2のプローブ2が有する第2の参照面2Aから基準試料151の裏面までの距離である第2の距離d2を算出する。なお、第2の測定信号を用いて、第2の参照面2Aから測定対象の裏面までの距離を測定する方法としては、例えば、特開2017−133869号公報に記載された方法を用いることが可能である。
【0017】
次に、
図2に示すように、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間に、測定対象として測定試料152が配置された状態において、第1のプローブ1を用いた距離測定を行う。この測定により、第1のプローブ1は、第1の参照面1Aから測定試料152の表面までの距離に関する第1の測定信号を出力する。演算部6は、この第1の測定信号に基づき、第1のプローブ1が有する第1の参照面1Aから測定試料152の表面までの距離である第3の距離d3を算出する。
【0018】
また、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間に、測定対象として測定試料152が配置された状態において、第2のプローブ2を用いた距離測定を行う。この測定により、第2のプローブ2は、第2の参照面2Aから測定試料152の裏面までの距離に関する第2の測定信号を出力する。演算部6は、この第2の測定信号に基づき、第2のプローブ2が有する第2の参照面2Aから基準試料151の裏面までの距離である第4の距離d4を算出する。
【0019】
その後、演算部6は、基準試料151の厚みt1、第1の距離d1、第2の距離d2、第3の距離d3、及び第4の距離d4を用いて、測定試料152の厚みtxを算出する。具体例としては、厚みt1、第1の距離d1、及び第2の距離d2の和を算出することにより、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間の距離dallを算出する。そして、この距離dallから、第3の距離d3、及び第4の距離d4を減算することにより、測定試料152の厚みtxを算出することができる。
【0020】
なお、この算出方法は、上述したものに限定されない。例えば、距離dallを算出せずに、厚みt1、第1の距離d1、及び第2の距離d2の和から、直接、第3の距離d3、及び第4の距離d4を減算する方法としてもよい。
【0021】
なお、本発明における測定試料152の厚みtxの算出方法としては、基準試料151の厚みt1、第1の距離d1、第2の距離d2を加算要素とし、第3の距離d3、第4の距離d4を減算要素として、測定試料152の厚みtxを算出する方法であれば、各要素の加算、減算の順序は問わない。即ち、上述した例においては、先に第1の距離d1、第2の距離d2を測定し、その後、第3の距離d3、第4の距離d4を測定する例を示したが、本発明は、この測定方法に限定されず、先に第3の距離d3、第4の距離d4を測定し、その後、第1の距離d1、第2の距離d2を測定し、各要素の加算、減算を行って、測定試料152の厚みtxを算出してもよい。
【0022】
このような厚み測定装置101を用いた厚み測定方法により、測定精度の向上を図ることが可能となる。即ち、上記厚み測定方法によれば、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間の距離dallを実測する必要がないため、第1のプローブ1から照射される光と、第2のプローブ2から照射される光とが互いに干渉することによる誤差が生じない。そのため、高い測定精度を得ることができる。
【0023】
また、温度条件など、厚み測定装置101が属する環境条件によって、第1のプローブ1と第2のプローブ2と間の距離dallが増減する可能性がある。その場合であっても、上記測定方法によれば、測定結果に与えられる影響を小さくすることができる。例えば、測定対象として基準試料151が配置された状態において測定された第1の距離d1、第2の距離d2が、実際よりも大きく測定されるような環境下においては、測定対象として測定試料152が配置された状態において測定される第3の距離d3、第4の距離d4も、実際よりも大きく測定される。そのため、第1の距離d1、第2の距離d2を含む距離dallから、第3の距離d3、第4の距離d4を減算する際に、それぞれの誤差が相殺される。そのため、環境条件によって、第1のプローブ1と第2のプローブ2と間の距離dallが増減する場合であっても、上記測定方法によれば、測定結果に与えられる影響を小さくすることができる。
【0024】
以下、より具体的な実施例について説明する。
【0025】
図1、
図2に示すように、本実施形態に係る厚み測定装置101は、上述した構成の他に、光源4、光学系5、分光部3、基板載置台7、筐体8などを備える。
【0026】
光学系5は、光ファイバ31、32、33、34、及びファイバジャンクション35を含む。光源4によって出力された光は、光ファイバ34を介してファイバジャンクション35へ伝送され、ファイバジャンクション35において分配される。分配された光の一方は、光ファイバ31を介して第1のプローブ1へ伝送され、他方は、光ファイバ32を介して第2のプローブ2へ伝送される。そして、第1のプローブ1により、第1の測定信号が出力され、第2のプローブ2により、第2の測定信号が出力されると、第1の測定信号、及び第2の測定信号は、光ファイバ31、32、ファイバジャンクション35、光ファイバ33を介して分光部3へ伝送される。なお、本実施形態においては、第1の測定信号は、第1のプローブ1において受光された、測定対象の表面からの反射光、及び第1のプローブ1が有する第1の参照面1Aからの反射光である。また、本実施形態において、第2の測定信号は、第2のプローブ2において受光された、測定対象の裏面からの反射光、及び第2のプローブ2が有する第2の参照面2Aからの反射光である。
【0027】
分光部3は、分光器41とデータ生成部42とを含む。分光器41は、回折格子、及び一次元イメージセンサを含む。光ファイバ33によって伝送された第1の反射光、第2の反射光は、回折格子によって回折され、一次元イメージセンサに照射される。
【0028】
一次元イメージセンサは、回折格子により回折された第1の反射光、第2の反射光を光電変換することにより、各反射光の波長ごとの強度に応じた電荷を蓄積する。
【0029】
データ生成部42は、一次元イメージセンサにおいて所定のゲート時間蓄積された波長ごとの電荷を取得することにより、波長ごとの強度を示す信号を生成し、生成した信号を演算部6へ出力する。
【0030】
演算部6は、データ生成部42から信号を受けると、受けた信号の示す波長ごとの強度を波長ごとの反射率に変換する。
【0031】
演算部6は、例えば、分光器41に光が入らないようにした状態においてデータ生成部42から受けた信号が示す波長ごとの強度を、ダークスペクトルデータとして保持している。
【0032】
また、演算部6は、例えば、アルミ板等の参照物が、第1のプローブ1と第2のプローブ2の間に設けられている状態において、データ生成部42から受けた信号の示す波長ごとの強度に対して、ダークスペクトルデータに含まれる波長ごとの強度をそれぞれ差し引いた波長ごとの強度を、参照スペクトルデータとして保持している。
【0033】
演算部6は、測定対象(測定試料152又は基準試料151)が第1のプローブ1、及び第2のプローブ2の間に設けられている状態において、データ生成部42から受けた信号が示す波長ごとの強度に対して、ダークスペクトルデータに含まれる波長ごとの強度をそれぞれ差し引いた後、参照スペクトルデータに含まれる波長ごとの強度でそれぞれ除することにより、波長ごとの反射率を含む反射スペクトルデータを生成する。
【0034】
演算部6は、生成した反射スペクトルデータをフーリエ変換することにより空間周波数ごとのパワースペクトル強度を算出する。そして、演算部6は、空間周波数を厚さに換算することにより、パワースペクトルを生成する。
【0035】
演算部6は、パワースペクトルを参照し、測定対象の表面からの反射光、及び第1のプローブが有する第1の参照面1Aからの反射光の干渉に基づくピーク位置から、第1のプローブ1の第1の参照面1Aから、測定対象の表面までの距離を算出する。また、演算部6は、パワースペクトルを参照し、測定対象の裏面からの反射光、及び第2のプローブ2が有する第2の参照面2Aからの反射光の干渉に基づくピーク位置から、第2のプローブ2の第2の参照面2Aから、測定対象の裏面までの距離を算出する。
【0036】
本実施形態においては、基板載置台7は、基準試料151が配置される第1の領域A1と、測定試料152が配置される第2の領域A2と、を備えており、基板載置台7は、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動することが可能な構成となっている。第1の領域A1には第1の貫通孔71が、第2の領域A2には第2の貫通孔72が設けられている。第1の貫通孔71からは基準試料151の裏面が露出し、第2のプローブ2から照射された光が、基準試料151の裏面に到達する構成となっている。同様に、第2の貫通孔72からは測定試料152の裏面が露出し、第2のプローブ2から照射された光が、測定試料152の裏面に到達する構成となっている。
【0037】
図1に示すように、基準試料151が配置される第1の領域A1が、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間に配置された時、演算部6は、上述した第1の距離d1と第2の距離d2とを測定し、基準試料の厚みt1に、測定した第1の距離d1と第2の距離d2とを加算して、距離dallを算出する第1の測定モードを実行する。
【0038】
一方、
図2に示すように、測定試料152が配置される第2の領域A2が第1のプローブ1と第2のプローブ2との間に配置された時、演算部6は、上述した第3の距離d3と第4の距離d4とを測定し、距離dallから、測定した第3の距離d3と第4の距離d4を減算して、測定試料152の厚みtxを測定する第2の測定モードを実行する。
【0039】
なお、第1の測定モードにおいて、上述した距離dallを算出せず、第1の距離d1と第2の距離d2の値のみを記憶しておき、第2の測定モードにおいて、基準試料151の厚みt1に、第1の距離d1、第2の距離d2を加算し、第3の距離d3、第4の距離d4を減算して、測定試料152の厚みtxを算出してもよい。また、先に第2の測定モードを実行し、第3の距離d3、第4の距離d4を記憶しておき、その後、第1の測定モードにおいて、基準試料151の厚みt1、第1の距離d1、第2の距離d2を加算要素とし、第3の距離d3、第4の距離d4を減算要素として、測定試料152の厚みtxを算出してもよい。
【0040】
この演算部6における第1の測定モードと第2の測定モードとの切り替え方法について、以下、具体例を挙げて説明する。
(第1の実施例)
【0041】
筐体8は、
図2に示すように、測定試料152の厚みtxを測定する第2の測定モードにおいて、上述した第1のプローブ1、第2のプローブ2、分光部3、演算部6、光源4、及び基板載置台7をその中に収容する。なお、演算部6が筐体8の外部に配置され、第1のプローブ1からの第1の測定信号、及び第2のプローブ2からの第2の測定信号が、筐体8の外部に配置された演算部6に対し、ネットワークを介して通信される構成としても構わない。
【0042】
筐体8には、シャッター81が取り付けられており、また、シャッター81と筐体8とのヒンジ部には、開閉センサ(図示せず)が取り付けられている。
図1に示すように、測定試料152を取り換える際には、シャッター81を開き、基板載置台7がシャッター81の開口から外に出る構成としている。その際、基板載置台7の移動により、基準試料151が配置される第1の領域A1が、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間に配置される。また、シャッター81が開閉を検知した開閉センサが、有線、又は無線のネットワークを介して演算部6に検知信号を送信する。演算部6は、この検知信号をトリガーとし、第1の測定モードと、第2の測定モードとの切り替えを行うことができる。
(第2の実施例)
【0043】
以下、第2の実施例以降では、第1の実施例で用いた開閉センサを設けることなく、演算部6が、第1の測定モードと第2の測定モードとを切り替える例について説明する。
【0044】
第2の実施例においては、演算部6が、第2の測定信号に基づき算出された測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別する。
【0045】
図3、
図4に示すように、第2の実施例においては、第2の領域A2における測定試料152の載置面の高さと、第1の領域A1における基準試料151の載置面の高さと、が異なる構成としている。なお、
図3、
図4に示す例においては、基準試料151の載置面の高さが、測定試料152の載置面の高さよりも低い例を示しているが、基準試料151の載置面の高さが、測定試料152の載置面の高さよりも高い構成としても構わない。
【0046】
このように、第2の領域A2における測定試料152の載置面の高さと、第1の領域A1における基準試料151の載置面の高さと、を異ならせることにより、演算部6が、第2の測定信号に基づく測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別することが可能となる。
【0047】
測定対象の切り替えは、第1のプローブ1と第2のプローブ2とを含むプローブ体と、基板載置台7との相対位置を変化させることにより行う。第2の実施例においては、
図3、
図4に示すように、基板載置台7を、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に略平行な方向に移動させ、第1のプローブ1と第2のプローブ2の間に配置される測定対象を、基準試料151と、測定試料152とで切り替える。プローブ体と、基板載置台7との相対位置を変化させている間、演算部6は、第2のプローブ2からの第2の測定信号を複数の位置で取得する。そして、演算部6が、第2のプローブ2から測定対象の裏面までの距離が短くなったことを認識した場合は、
図3に示すように、測定位置が、基準試料151が配置された第1の領域A1にあると判断し、演算部6は、第1の測定モードを実行する。一方、演算部6が、第2のプローブ2から測定対象の裏面までの距離が長くなったことを認識した場合は、
図4に示すように、測定位置が、測定試料152が配置された第2の領域A2にあると判断し、演算部6は、第2の測定モードを実行する。
【0048】
他の例としては、演算部6が記憶部を備えており、予め、記憶部が、第2の距離d2と第4の距離d4とがとりうるおよその範囲を予測値として記憶している構成としてもよい。そして、第2のプローブ2からの第2の測定信号に基づき、演算部6が算出した値が、記憶していた第2の距離d2の予測値に近い場合、演算部6は、
図3に示すように、測定位置が、基準試料151が配置された第1の領域A1にあると判断し、第1の測定モードを実行する。また、第2のプローブ2からの第2の測定信号に基づき、演算部6が算出した値が、第4の距離d4の予測値に近い場合、演算部6は、
図4に示すように、測定位置が、測定試料152が配置された第2の領域A2にあると判断し、第2の測定モードを実行する構成としてもよい。なお、演算部6が上述した記憶部を備えずに、演算部6が、第2の距離d2、第4の距離d4がとりうるおよその範囲を予測値として記憶するサーバと通信可能な構成としてもよい。
【0049】
なお、
図3、
図4においては、基板載置台7が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成を例に挙げて説明したが、第1のプローブ1と第2のプローブ2とを含むプローブ体が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成としても構わない。即ち、基板載置台7の位置を固定し、プローブ体が、測定対象の載置面に対して略平行に移動する構成とすることにより、演算部6が、第2の測定信号に基づく測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別する構成としても構わない。
(第3の実施例)
【0050】
第3の実施例においても、第2の実施例と同様に、演算部6が、第2の測定信号に基づき算出された測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別する。
【0051】
図5、
図6に示すように、第3の実施例においては、第1の領域A1に設けられた第1の貫通孔71内において、基準試料151の少なくとも一部が保持される構成としている。なお、
図5、
図6に示す例においては、基準試料151の全部が、第1の貫通孔71内において保持される構成を例示しているが、基準試料151の一部のみが、第1の貫通孔71内において保持され、他部が、基板載置台7の表面側、裏面側の少なくとも一方から突出する構成としてもよい。
【0052】
このように、第1の領域A1に設けられた第1の貫通孔71内において、基準試料151の少なくとも一部が保持される構成とすることにより、演算部6が、第2の測定信号に基づく測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別することが可能となる。即ち、
図5、
図6に示す例においては、第2のプローブ2から基準試料151の裏面までの距離は、第2のプローブ2から測定試料152の裏面までの距離よりも小さくなっている。この距離関係を利用して、演算部6が、第2の測定信号に基づく測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別することが可能となる。
【0053】
第3の実施例においては、
図5、
図6に示すように、基板載置台7を、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に略平行な方向に移動させ、プローブ体と、基板載置台7との相対位置を変化させている間、演算部6は、第2のプローブ2からの第2の測定信号を複数の位置で取得する。演算部6が、第2のプローブ2から測定対象の裏面までの距離が短くなったことを認識した場合は、
図5に示すように、測定位置が、基準試料151が配置された第1の領域A1にあると判断し、演算部6は、第1の測定モードを実行する。一方、演算部6が、第2のプローブ2から測定対象の裏面までの距離が長くなったことを認識した場合は、
図6に示すように、測定位置が、測定試料152が配置された第2の領域A2にあると判断し、演算部6は、第2の測定モードを実行する。
【0054】
他の例としては、演算部6が記憶部を備えており、予め、記憶部が、第2の距離d2と第4の距離d4とがとりうるおよその範囲を予測値として記憶している構成としてもよい。そして、第2のプローブ2からの第2の測定信号に基づき演算部6が算出した値が、記憶していた第2の距離d2の予測値に近い場合、演算部6は、第1の測定モードを実行し、第4の距離d4の予測値に近い場合、演算部6は、第2の測定モードを実行する構成としてもよい。なお、演算部6が上述した記憶部を備えずに、演算部6が、第2の距離d2、第4の距離d4がとりうるおよその範囲を予測値として記憶するサーバと通信可能な構成としてもよい。
【0055】
なお、
図5、
図6においては、基板載置台7が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成を例に挙げて説明したが、第1のプローブ1と第2のプローブ2とを含むプローブ体が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成としても構わない。
(第4の実施例)
【0056】
第4の実施例においても、第2の実施例、第3の実施例と同様に、演算部6が、第2の測定信号に基づく測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別する。
【0057】
図7、
図8に示すように、第4の実施例においては、基準試料151の少なくとも一部が、基板載置台7の裏面から突出する構成としている。
図7、
図8においては、基準試料151の全部が、基板載置台7の裏面側において保持されている構成を例示しているが、基準試料151の一部が、基板載置台7の裏面から突出し、他部が、第1の貫通孔71内に保持される構成としてもよい。あるいは、基準試料151が第1の貫通孔71の長さよりも大きい厚みt1を有し、基板載置台7の表面、及び裏面から突出する構成としても構わない。
【0058】
このように、基準試料151の少なくとも一部が、基板載置台7の裏面から突出する構成とすることにより、演算部6が、第2の測定信号に基づく測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別することが可能となる。即ち、
図7、
図8に示す例においては、第2のプローブ2から基準試料151の裏面までの距離は、第2のプローブ2から測定試料152の裏面までの距離よりも小さくなっている。この距離関係を利用して、演算部6が、第2の測定信号に基づく測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別することが可能となる。
【0059】
第4の実施例においては、
図7、
図8に示すように、基板載置台7を、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に略平行な方向に移動させ、プローブ体と、基板載置台7との相対位置を変化させている間、演算部6は、第2のプローブ2からの第2の測定信号を複数の位置で取得する。演算部6が、第2のプローブ2から測定対象の裏面までの距離が短くなったことを認識した場合は、
図7に示すように、測定位置が、基準試料151が配置された第1の領域A1にあると判断し、演算部6は、第1の測定モードを実行する。一方、演算部6が、第2のプローブ2から測定対象の裏面までの距離が長くなったことを認識した場合は、
図8に示すように、測定位置が、測定試料152が配置された第2の領域A2にあると判断し、演算部6は、第2の測定モードを実行する。
【0060】
他の例としては、演算部6が記憶部を備えており、予め、記憶部が、第2の距離d2と第4の距離d4とがとりうるおよその範囲を予測値として記憶している構成としてもよい。そして、第2のプローブ2からの第2の測定信号に基づき演算部6が算出した値が、記憶していた第2の距離d2の予測値に近い場合、演算部6は、第1の測定モードを実行し、第4の距離d4の予測値に近い場合、演算部6は、第2の測定モードを実行する構成としてもよい。なお、演算部6が上述した記憶部を備えずに、演算部6が、第2の距離d2、第4の距離d4がとりうるおよその範囲を予測値として記憶するサーバと通信可能な構成としてもよい。
【0061】
なお、
図7、
図8においては、基板載置台7が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成を例に挙げて説明したが、第1のプローブ1と第2のプローブ2とを含むプローブ体が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成としても構わない。
(第5の実施例)
【0062】
第5の実施例においては、演算部6が、第1の測定信号に基づく測定対象の表面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別する。
【0063】
図9、
図10に示すように、第5の実施例においては、第2の領域A2における測定試料152の載置面の高さから、第1の領域A1における基準試料151の載置面の高さを減算した差分が、基準試料151の厚みt1よりも大きい構成としている。そのため、第2の領域A2における測定試料152の載置面の高さは、基準試料151の表面の高さよりも必ず高くなる構成となっている。従って、測定試料152の厚みtxの値によらず、第1の距離d1は、第3の距離d3よりも大きくなる構成となっている。
【0064】
第5の実施例においては、
図9、
図10に示すように、基板載置台7を、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に略平行な方向に移動させ、プローブ体と、基板載置台7との相対位置を変化させている間、演算部6は、第2のプローブ2からの第2の測定信号を複数の位置で取得する。演算部6が、第1のプローブ1から測定対象の表面までの距離が長くなったことを認識した場合は、
図9に示すように、測定位置が、基準試料151が配置された第1の領域A1にあると判断し、演算部6は、第1の測定モードを実行する。一方、演算部6が、第1のプローブ1から測定対象の表面までの距離が短くなったことを認識した場合は、
図10に示すように、測定位置が、測定試料152が配置された第2の領域A2にあると判断し、演算部6は、第2の測定モードを実行する。
【0065】
他の例としては、演算部6が記憶部を備えており、予め、記憶部が、第1の距離d1と第3の距離d3とがとりうるおよその範囲を予測値として記憶している構成としてもよい。そして、第1のプローブ1からの第1の測定信号に基づき、演算部6が算出した値が、記憶していた第1の距離d1の予測値に近い場合、演算部6は、
図9に示すように、測定位置が、基準試料151が配置された第1の領域A1にあると判断し、演算部6は、第1の測定モードを実行する。また、第1のプローブ1からの第1の測定信号に基づき、演算部6が算出した値が、第3の距離d3の予測値に近い場合、演算部6は、
図10に示すように、測定位置が、測定試料152が配置された第2の領域A2にあると判断し、演算部6は、第2の測定モードを実行する構成としてもよい。なお、演算部6が上述した記憶部を備えずに、演算部6が、第1の距離d1、第3の距離d3がとりうるおよその範囲を予測値として記憶するサーバと通信可能な構成としてもよい。
【0066】
なお、
図9、
図10においては、基板載置台7が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成を例に挙げて説明したが、第1のプローブ1と第2のプローブ2とを含むプローブ体が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成としても構わない。
【0067】
なお、
図9、10においては、第2の領域A2における測定試料152の載置面の高さから、第1の領域A1における基準試料151の載置面の高さを減算した差分が、基準試料151の厚みt1よりも大きい構成した。この構成とは逆に、第1の領域A1における基準試料151の載置面の高さから、第2の領域A2における測定試料152の載置面の高さを減算した差分が、測定試料152の厚みtxよりも大きい構成としてもよい。
【0068】
即ち、測定試料152の厚みtxが、ある程度の範囲内に納まる場合において、その範囲よりも、第2の領域A2における測定試料152の載置面の高さから、第1の領域A1における基準試料151の載置面の高さを減算した差分が大きい場合には、第1の領域A1における基準試料151の載置面の高さは、測定試料152の表面の高さよりも必ず高くなる構成となっている。このような構成としても、演算部6が、第1の測定信号に基づく測定対象の表面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別することが可能である。
(第6の実施例)
【0069】
第6の実施例においても、第5の実施例と同様に、演算部6が、第1の測定信号に基づく測定対象の表面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別する。
【0070】
図5、
図6に示すように、第6の実施例においては、第1の領域A1に設けられた第1の貫通孔71内において、基準試料151の表面が配置される構成としている。なお、
図5、
図6に示す例においては、基準試料151の全部が、第1の貫通孔71内において保持される構成を例示しているが、基準試料151の表面が、第1の貫通孔71内に配置され、基準試料151の裏面が、基板載置台7の裏面から突出する構成としても構わない。
【0071】
このように、第1の領域A1に設けられた第1の貫通孔71内において、基準試料151の表面が配置される構成とすることにより、演算部6が、第1の測定信号に基づく測定対象の表面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別することが可能となる。即ち、基準試料151の表面が第1の貫通孔71内に配置される構成であれば、基準試料151の表面の高さを、意図的に第2の領域A2における測定試料152の載置面の高さよりも低く設定することが可能となる。そのため、第1の距離d1が第3の距離d3よりも必ず長くなるように設定することが可能となる。
【0072】
第6の実施例においては、
図5、
図6に示すように、基板載置台7を、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に略平行な方向に移動させ、プローブ体と、基板載置台7との相対位置を変化させている間、演算部6は、第2のプローブ2からの第2の測定信号を複数の位置で取得する。演算部6が、第1のプローブ1から測定対象の表面までの距離が長くなったことを認識した場合は、
図5に示すように、測定位置が、基準試料151が配置された第1の領域A1にあると判断し、演算部6は、第1の測定モードを実行する。一方、演算部6が、第1のプローブ1から測定対象の表面までの距離が短くなったことを認識した場合は、
図6に示すように、測定位置が、測定試料152が配置された第2の領域A2にあると判断し、演算部6は、第2の測定モードを実行する。
【0073】
他の例としては、演算部6が記憶部を備えており、予め、記憶部が、第1の距離d1と第3の距離d3とがとりうるおよその範囲を予測値として記憶している構成としてもよい。そして、第1のプローブ1からの第1の測定信号に基づき演算部6が算出した値が、記憶していた第1の距離d1の予測値に近い場合、演算部6は、第1の測定モードを実行し、第3の距離d3の予測値に近い場合、演算部6は、第2の測定モードを実行する構成としてもよい。なお、演算部6が上述した記憶部を備えずに、演算部6が、第1の距離d1、第3の距離d3がとりうるおよその範囲を予測値として記憶するサーバと通信可能な構成としてもよい。
【0074】
なお、
図5、
図6においては、基板載置台7が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成を例に挙げて説明したが、第1のプローブ1と第2のプローブ2とを含むプローブ体が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成としても構わない。
(第7の実施例)
【0075】
第7の実施例においても、第5の実施例、第6の実施例と同様に、演算部6が、第1の測定信号に基づく測定対象の表面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別する。
【0076】
図11、
図12に示すように、第7の実施例においては、基準試料151の厚みt1と測定試料152の厚みtxとの差が、温度状態に応じた測定試料152の厚みtxの変化量よりも大きい構成としている。なお、
図11、
図12においては、基準試料151の厚みt1が、測定試料152の厚みtxと比較して小さい例を示したが、逆に、基準試料151の厚みt1が、測定試料152の厚みtxと比較して大きい構成としてもよい。
【0077】
このように、基準試料151の厚みt1と測定試料152の厚みtxとの差が、温度状態に応じた測定試料152の厚みtxの変化量よりも大きい構成構成とすることにより、演算部6が、第1の測定信号に基づく測定対象の表面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1と第2の領域A2のいずれであるかを判別することが可能となる。
【0078】
第7の実施例においては、
図11、
図12に示すように、基板載置台7を、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に略平行な方向に移動させ、プローブ体と、基板載置台7との相対位置を変化させている間、演算部6は、第2のプローブ2からの第2の測定信号を複数の位置で取得する。演算部6が、第1のプローブ1から測定対象の表面までの距離が長くなったことを認識した場合は、
図11に示すように、測定位置が、基準試料151が配置された第1の領域A1にあると判断し、演算部6は、第1の測定モードを実行する。一方、演算部6が、第1のプローブ1から測定対象の表面までの距離が短くなったことを認識した場合は、
図12に示すように、測定位置が、測定試料152が配置された第2の領域A2にあると判断し、演算部6は、第2の測定モードを実行する。
【0079】
他の例としては、演算部6が記憶部を備えており、予め、記憶部が、第1の距離d1と第3の距離d3とがとりうるおよその範囲を予測値として記憶している構成としてもよい。そして、第1のプローブ1からの第1の測定信号に基づき演算部6が算出した値が、記憶していた第1の距離d1の予測値に近い場合、演算部6は、第1の測定モードを実行し、第3の距離d3の予測値に近い場合、演算部6は、第2の測定モードを実行する構成としてもよい。なお、演算部6が上述した記憶部を備えずに、演算部6が、第1の距離d1、第3の距離d3がとりうるおよその範囲を予測値として記憶するサーバと通信可能な構成としてもよい。
【0080】
なお、
図11、
図12においては、基板載置台7が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成を例に挙げて説明したが、第1のプローブ1と第2のプローブ2とを含むプローブ体が、測定試料152、基準試料151が載置される載置面に対して、略平行に移動する構成としても構わない。
(第8の実施例)
【0081】
上述した第1乃至第7の実施例においては、基板載置台7が、測定試料152が載置される第2の領域A2と、基準試料151が載置される第1の領域A1と、を有する構成を例示したが、第8の実施例においては、基板載置台7が、測定試料152が載置される第2の領域A2を有さない構成を例に挙げて説明する。
【0082】
図13に示すように、第8の実施例においては、測定試料152がシート状の試料であり、第1の方向に延伸している。そして、厚み測定装置101が、第1の方向と交差する第2の方向に、シート状の測定試料152と隣り合うよう配置された、基準試料151が載置される基板載置台7を有する構成としている。
【0083】
第8の実施例においては、第1のプローブ1と第2のプローブ2とを含むプローブ体が、基準試料151が載置される載置面に対して略平行に、上述した第1の領域A1から、シート状の測定試料152まで、第2の方向に移動することが可能な構成としている。このような構成とすることにより、測定対象を切り替えることが可能である。
【0084】
演算部6は、例えば、第2の測定信号に基づく測定対象の裏面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1にあるのか、シート状の測定試料152が配置された領域にあるのかを判別することによって、第2の測定モードと、第1の測定モードと、を切り替える構成としてもよい。あるいは、第1の測定信号に基づく測定対象の表面までの距離に応じて、測定位置が第1の領域A1にあるのか、シート状の測定試料152が配置された領域にあるのかを判別することによって、第2の測定モードと、第1の測定モードと、を切り替える構成としてもよい。
【0085】
なお、上述した第1乃至第8の実施例において測定する測定試料152は、第1のプローブ1、第2のプローブ2から照射される波長域の光を透過しない材料からなることが望ましい。第1のプローブ1から照射される光と、第2のプローブ2から照射される光とを互いに干渉させないためである。ただし、測定試料152が、第1のプローブ1、第2のプローブ2から照射される光の一部を透過する材料であっても、本開示の効果を得ることは可能である。即ち、上述した厚み測定方法によれば、第1のプローブ1と第2のプローブ2との間の距離を実測する必要がないため、第1のプローブ1から照射される光そのものと、第2のプローブ2から照射される光そのものとが、干渉することを避けることができ、測定精度の向上を図ることが可能である。
【0086】
なお、第1のプローブ1、及び第2のプローブ2の焦点距離は、そのプローブが有する光学系の構成などに応じて所定の範囲に限られる。そのため、上述した第1乃至第8の実施例において、測定する測定試料152の厚みtxがとりうる範囲に応じて、第1のプローブ1、第2のプローブ2の少なくとも一方を、それぞれの光軸方向に移動することが可能な構成とすることが望ましい。また、この第1のプローブ1、第2のプローブ2の焦点距離と、光軸方向の位置と、に応じて、上述した第1の距離d1、第2の距離d2の測定に用いる基準試料152の厚みt1を変えることにより、測定装置101が測定可能な測定試料152の厚みtxの範囲を変化させることが可能となる。
【0087】
例えば、
図14に示すように、第1の厚みt1を有する第1の基準試料151Aと、第1の厚みt1とは異なる第2の厚みt2を有する第2の基準試料151Bを基板載置台7に載置し、測定試料152の厚みtxに応じて、上述した第1の距離d1、第2の距離d2の測定に用いる基準試料151を変える構成としてもよい。具体例としては、測定試料152の厚みtxが、10μm〜1500μmの場合は、例えば第1の厚みt1が1mmの第1の基準試料151Aを用いて、第1の距離d1、第2の距離d2を測定し、測定試料152の厚みtxが、4000μm〜5500μmの場合は、例えば第2の厚みt2が5mmの第2の基準試料151Bを用いて、第1の距離d1、第2の距離d2を測定する構成としてもよい。測定対象の切り替え方法としては、第1のプローブ1、第2のプローブ2の少なくとも一方を、基板載置台7の載置面に交差する方向(あるいは第1のプローブ1、第2のプローブ2の光軸方向)に移動させるとともに、第1のプローブ1、第2のプローブ2を含むプローブ体と、基板載置台7との少なくともいずれか一方を、基板載置台7の載置面の面方向(あるいは第1のプローブ1、又は第2のプローブ2の光軸に交差する方向)に移動させる。このような構成により、測定対象を第1の基準試料151Aと第2の基準試料151Bとで切り替えることが可能となる。
【0088】
なお、
図14に示した第1の基準試料151Aと第2の基準試料151Bとを、
図15に示すように、一体とする構成としてもよい。即ち、一つの基準試料151が、基板載置台7における載置面の面方向において、複数の厚みを有する構成としてもよい。なお、
図15に示す例においては、基準試料151が階段形状を有する例を示したが、基準試料151の形状はこれに限定されず、載置面の面方向において、複数の厚みを有する構成であれば、同様の効果を得ることが可能である。
【解決手段】本開示の厚み測定装置は、測定対象の表面までの距離に関する第1の測定信号を出力する第1のプローブと、測定対象の裏面までの距離に関する第2の測定信号を出力する第2のプローブと、第1のプローブと第2のプローブとの間に配置された測定試料の厚みを算出する演算部と、を含む。演算部は、第1のプローブと第2のプローブとの間に基準試料が配置された状態で、第1の測定信号に基づき第1の距離を算出し、第2の測定信号に基づき第2の距離を算出し、第1のプローブと第2のプローブとの間に測定試料が配置された状態で、第1の測定信号に基づき第3の距離を算出し、第2の測定信号に基づき第4の距離を算出し、基準試料の厚み、第1の距離、及び第2の距離を加算要素とし、第3の距離、及び第4の距離を減算要素として、測定試料の厚みを算出する。