【実施例】
【0010】
図1は本発明の針穴への糸通し具の一実施例の説明図、
図2は
図1に示した本発明の針穴への糸通し具の実施例の使用説明図である。
図において、1は糸通し具、2は把持部、3は糸通し部、3aは糸通し口、4は針係止機構、5a、5bはクリップ形状部材、6は針、6aは針穴、7は糸である。
【0011】
本発明の針穴への糸通し具1は、
図1(a)に示すように、把持部2と、把持部2の先端に突設された糸通し部3からなり、前記把持部2に針係止機構4が備えられている。
図1に示す一実施例においては、把持部2はクリップ形状をなし、クリップ形状部材5a、5bにより針係止機構4が構成され、クリップ形状部材5a、5bで針6を挟持して係止し、そのまま保持・保管できる構成となっている。
すなわち、本発明の糸通し具1は、まず
図1(b)に示すごとく、把持部2のクリップ形状部材5a、5bを押圧して開口し、その状態で針6の針穴6aに、糸通し部3を挿入する(
図1(c))。そして、針6を針係止機構4の位置まで移動させ(
図1(d))、クリップ形状部材5a、5bの押圧を解除してクリップを閉じ、針6を挟持して係止する(
図1(e))。この時、針係止機構4は、針6の2つの端部のうち、針穴6a側の端部を覆うように挟持される。
本発明の糸通し具1は、上記
図1(e)の糸通し部3が針穴6aに挿入された状態の針6を安全かつ確実に保持し、そのまま保管することを目的としている。
【0012】
そして、保管されている糸通し部3が針穴6aに挿入された状態の針6を使用する場合には、
図2(a)〜(d)に示すごとく、針6を挟持して保管された糸通し具1(
図2(a))の、糸通し部3の糸通し口3aに糸7を挿入し(
図2(b))、把持部2であるクリップ形状部材5a、5bを押圧して開口して針6の針係止機構4での係止を解除し(
図2(c))、針6から糸通し部3を引き抜き(
図2(d))、針穴6aへの糸通し作業を完了する。
【0013】
なお、上記把持部2は、金属や樹脂など、クリップ形状に構成して把持部2の針係止機構4で針6を挟持できる程度の強度がある素材で構成され、糸通し作業がしやすい形状であればよく、特にその素材や形状が限定されるものではない。
また、本実施例において糸通し部3は、細い金属線材で略菱形に形成されているが、針穴6aに貫通させることができる形状、素材であればよく、たとえば、把持部2の一部を突出させて突出糸通し部を形成し、その突出糸通し部に糸通し口を形成したものや、さらにその糸通し口に切欠部を設けたものなど、あらゆる形状・構造の糸通し部についても、本発明を実施することができる。
[実施例2]
【0014】
本発明の針穴への糸通し具1は、把持部2と、把持部2の先端に突設された糸通し部3からなり、針6の針穴6aに糸通し部3が挿入された状態の針6を糸通し具1に保持することができるよう把持部2に針係止機構4を備えて、その目的を達成するものであればよく、把持部2や糸通し部3、針係止機構4の形状、構造及び素材は適宜任意に選択することができる。
【0015】
たとえば、
図3に示した本発明の針穴への糸通し具の他の実施例においては、糸通し具1’は把持部2’と、把持部2’の先端に突設された糸通し部3とからなり、前記把持部2’に針係止機構4’を備えて構成されている。
そして、前記把持部2’は、糸通し作業に支障のない程度の大きさを備えた弾性体で構成され、該把持部2’の先端部に針係止機構4’となるスリット8が形成されてなり(
図3(a))、針係止機構4’となるスリット8の内壁面に固着された糸通し部3を針穴6aに挿入し(
図3(b))、そのまま針6をスリット8内まで挿入する(
図3(c))。
把持部2’は、弾性を有する素材から構成されているため、挿入された針6は把持部2’の弾性により挟持されスリット8内に保持される(
図3(d))。この時、針係止機構4’は、針6の2つの端部のうち、針穴6a側の端部を覆うように挟持される。
この実施例における把持部2’は、スリット8内に挿入された針6を係止できる程度の弾性があればよく、たとえば、シリコンゴム、ウレタンゴム等のゴム、ポリウレタン、軟質プラスチック等の樹脂、あるいは軟質プラスチックと硬質プラスチックとの複合樹脂など、安全かつ確実に針を保持し、そのまま保管できる素材を採用することが望ましい。
【0016】
なお、本発明の針穴への糸通し具1における針係止機構4は、上記実施例のようなクリップによる挟持やスリットへの挟装によるものでなくとも、針6が勝手に抜け出ることなくしっかり保持できる形状や素材であればよい。