(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
標準状態よりも高流速である高流速状態に設定された酸素と窒素との混合ガスを試験片の周囲に流す環境下において、前記試験片を構成する材料が燃焼を維持するのに必要な最小酸素濃度を求める、酸素指数方式の燃焼性試験器であって、
前記試験片を固定するためのホルダを内蔵する燃焼円筒と、
所定の酸素濃度に調節された前記高流速状態の前記混合ガスを、前記燃焼円筒内に供給する本体部と
を備え、
前記本体部は、
酸素ガスの流量を制御して前記高流速状態に設定する酸素ガス流量制御部と、
窒素ガスの流量を制御して前記高流速状態に設定する窒素ガス流量制御部と、
前記酸素ガス流量制御部から出力される前記高流速状態の前記酸素ガスと、前記窒素ガス流量制御部から出力される前記高流速状態の前記窒素ガスとを混合して、前記高流速状態の前記混合ガスを生成する混合部と
を備え、
前記混合部は、
前記高流速状態の前記酸素ガスが流れる第1の剛性管と、
前記高流速状態の前記窒素ガスが流れる第2の剛性管と、
前記高流速状態の前記混合ガスが流れる混合ガス供給管と、
前記第1および第2の剛性管と前記混合ガス供給管とをそれぞれ、T字状に接続する継手部と
を有し、
前記混合ガス供給管は、
配管同士を接続する接続部と、
前記継手部と前記接続部との間に配置された可撓性チューブと、
前記接続部から前記燃焼円筒側に延在する第3の剛性管と
を有する酸素指数方式燃焼性試験器。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(可撓性チューブを混合部内に設けた酸素指数方式の燃焼性試験器の例)
2.変形例
【0016】
<1.実施の形態>
[概略構成例]
図1は、本発明の一実施の形態に係る酸素指数方式燃焼性試験器(酸素指数方式燃焼性試験器1)の概略構成例を、模式的に表したものである。
【0017】
酸素指数方式燃焼性試験器1は、各種の材料からなる試験片(試料)27について、その材料の難燃性(燃焼性)の評価を行う、酸素指数方式の燃焼性試験器である。また、この酸素指数方式燃焼性試験器1では、詳細は後述するが、標準状態よりも高流速である高流速状態に設定された混合ガス(酸素と窒素との混合ガス)を試験片27の周囲に流す環境下において、そのような燃焼性の評価(燃焼性試験)が行われるようになっている。
【0018】
そして、このような高流速状態での燃焼性試験は、詳細は後述するが、地上環境(1Gの重力下)と比較して微小重力下(例えば宇宙環境下)での酸素指数を、数式等を使用して予測するために行われるようになっている。つまり、この酸素指数方式燃焼性試験器1は、そのような微小重力下での酸素指数を予測するために使用される燃焼性試験器である。
【0019】
このような酸素指数方式燃焼性試験器1は、
図1に示したように、燃焼円筒(燃焼コラム)2と、本体部(ガス制御装置)4とを備えている。また、この
図1には、後述する炎点火器3を併せて図示している。なお、上記した試験片27の材料としては、例えば、プラスチックや繊維、ゴムなどの有機材料(高分子材料)が挙げられる。
【0020】
(燃焼円筒2)
燃焼円筒2は、例えば透明な耐熱ガラス製の円筒部材である。この燃焼円筒2は、
図1に示したように、試験片27を固定するための試験片ホルダ21と、拡散部22と、温度計23と、混合ガス導入部24と、開口25とを備えている。これらのうち、試験片ホルダ21、拡散部22および温度計23はそれぞれ、燃焼円筒2の内部に配置されている(内蔵されている)。なお、試験片ホルダ21は、本発明における「ホルダ」の一具体例に対応している。
【0021】
拡散部22は、後述する本体部4から供給される混合ガス(酸素と窒素との混合ガス)を、均質となるように拡散する部分である。このようにして拡散された混合ガスは、燃焼円筒2内において、試験片ホルダ21(試験片27)の周囲を通過して上方へ流れるようになっている。これにより、詳細は後述するが、上記した高流速状態の混合ガスが、試験片27の周囲を流れるようになっている。なお、このような拡散部22は、例えば複数のガラス玉により構成されているが、これに限定されるものではない。
【0022】
温度計23は、燃焼円筒2内の温度を測定するためのものである。
【0023】
混合ガス導入部24は、後述する本体部4から供給される混合ガスを、燃焼円筒2内に導入する部分である。このような混合ガス導入部24は、この例では、燃焼円筒2の下部に配置されている。
【0024】
開口25は、この例では、燃焼円筒2の上部に設けられている。この開口25は、燃焼円筒2内で上方に流れてきた混合ガスの排気口として機能する部分であると共に、後述する炎点火器3を利用して試験片27に炎30を点火させる際の、炎点火器3の挿入口としても機能する部分である。
【0025】
(炎点火器3)
炎点火器3は、上記したように、試験片27を燃焼させるための炎30を生じさせる機器である。この炎点火器3は、
図1に示したように、燃料となるガス(例えばプロパンガス)をその出口31に供給することが可能となっており、例えば金属管により構成されている。
【0026】
このような炎点火器3では、マッチまたはライターなどを使用して、出口31から供給される燃料に着火させることで、炎点火器3の先端部にある出口31から、炎30を生じさせることが可能となっている。また、炎点火器3の出口31に供給される燃料の量を調整することで、炎30の長さ(大きさ)を調整することが可能となっている。
【0027】
(本体部4)
本体部4は、所定の酸素濃度に調節された高流速状態の混合ガスを、燃焼円筒2内(混合ガス導入部24)へと供給する部分である。この本体部4は、
図1に示したように、酸素ガス供給管42a、窒素ガス供給管42b、酸素ガス流量制御部43a、窒素ガス流量制御部43b、混合部40、制御部44、酸素分析計45およびバイパス流路49を備えている。
【0028】
酸素ガス流量制御部43aは、酸素指数方式燃焼性試験器1の外部に設置された酸素ボンベ41aから、酸素ガス供給管42aを介して供給されてきた、酸素ガスの流量を制御する部分である。このようにして酸素ガスの流量が制御されることで、高流速状態に設定された酸素ガスが、後述する混合部40内へと供給されるようになっている。
【0029】
同様に、窒素ガス流量制御部43bは、酸素指数方式燃焼性試験器1の外部に設置された窒素ボンベ41bから、窒素ガス供給管42bを介して供給されてきた、窒素ガスの流量を制御する部分である。このようにして窒素ガスの流量が制御されることで、高流速状態に設定された窒素ガスが、後述する混合部40内へと供給されるようになっている。
【0030】
なお、このような、酸素ガス流量制御部43aおよび窒素ガス流量制御部43bはそれぞれ、例えば、マスフローコントローラにより構成されている。
【0031】
混合部40は、所定の酸素濃度に調節された高流速状態の混合ガス(規定の酸素濃度および流速を有する混合ガス)を生成する部分である。具体的には、混合部40では、上記した酸素ガス流量制御部43aから出力される高流速状態の酸素ガスと、上記した窒素ガス流量制御部43bから出力される高流速状態の窒素ガスとを均質に混合することで、そのような混合ガスを生成するようになっている。
【0032】
この混合部40は、
図1に示したように、酸素ガス供給管46a、窒素ガス供給管46b、継手部(チーズ)47および混合ガス供給管48を備えている。
【0033】
酸素ガス供給管46aは、酸素ガス流量制御部43aから供給される高流速状態の酸素ガスが流れる配管である。同様に、窒素ガス供給管46bは、窒素ガス流量制御部43bから供給される高流速状態の窒素ガスが流れる配管である。混合ガス供給管48は、上記したように、所定の酸素濃度に調節された高流速状態の混合ガスが流れる配管である。なお、この混合ガス供給管48の一端は、前述した混合ガス導入部24まで延在して接続されるようになっている。
【0034】
継手部47は、このような酸素ガス供給管46aおよび窒素ガス供給管46bと、混合ガス供給管48の他端とをそれぞれ、T字状に接続する部分である。例えば、このT字状の接続部分において、酸素ガス供給管46aと窒素ガス供給管46bとを一直線上に対向した状態で配置することで、酸素ガスと窒素ガスとが衝突しながら混合されるため、均質に混合された混合ガスを生成することができる。
【0035】
なお、このような混合部40における各部材の詳細構成については、後述する(
図2)。
【0036】
制御部44は、本体部4内において各種制御(例えば、本体部4内の各部材の動作制御等)を行う部分であり、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)やマイクロコンピュータ等を用いて構成されている。
【0037】
酸素分析計45は、上記した混合部40内から混合ガス供給管48へ出力された混合ガスの一部を取得することで、その混合ガスにおける酸素濃度を測定する機器である。これにより、混合部40内で生成されて燃焼円筒2内へ供給される混合ガスにおける酸素濃度が、所望の酸素濃度と一致しているのか否かなどを、適宜分析することが可能となっている。
【0038】
バイパス流路49は、上記した混合部40の混合ガス供給管48へ出力された混合ガスを、混合部40と混合ガス導入部24との間の位置において、所定期間中にバイパスするための流路である。このバイパス流路49には、
図1に示したように、開閉弁50が設けられている。高流速状態の混合ガスを混合ガス導入部24により燃焼円筒2内に導入する際は、この開閉弁50は閉状態となっている。そして、この開閉弁50を開状態に設定することで、混合ガスの一部がバイパス流路49から本体部4の外部へと排出されるようになり、燃焼円筒2内を低流速状態に切り替えることが可能となっている。このように、所定期間中においては、混合ガス供給管48へ出力された混合ガスにおける混合ガス導入部24側への混合ガス流量を減少させたうえで、この混合ガスをバイパス流路49側へと出力する(出力流路を切り替える)ことが可能となっている。
【0039】
このような出力経路の切り替えを、例えば、前述した炎30を試験片27に点火させる期間(微小期間)において行うようにした場合、その微小期間においては、混合ガス導入部24から供給される混合ガスが高流速状態ではなくなるため、点火作業を容易に行うことが可能となる。
【0040】
[混合部40付近の詳細構成例]
ここで、
図1に加えて
図2を参照して、上記した混合部40付近の詳細構成例について説明する。
図2は、この混合部40付近の詳細構成例を、模式的に斜視図で表したものである。
【0041】
図2に示した例では、酸素ガス供給管42aおよび酸素ガス流量制御部43aと、窒素ガス供給管42bおよび窒素ガス流量制御部43bとはそれぞれ、互いに平行して、Y軸方向に沿って延在している。また、酸素ガス供給管46aおよび窒素ガス供給管46bはそれぞれ、互いに平行してX軸方向に沿って延在した後に、L字状に屈曲して、互いに平行してZ軸方向に沿って延在するようになっている。すなわち、これらの酸素ガス供給管46aおよび窒素ガス供給管46bはそれぞれ、酸素ガス流量制御部43aおよび窒素ガス流量制御部43bと、以下説明する継手部47との間で、L字状に屈曲した状態で配置されている。
【0042】
ここで、これらの酸素ガス供給管46aおよび窒素ガス供給管46bにおいて、屈曲箇所(屈曲部)の前後の長さはそれぞれ、例えば200mm以上となっている。また、この屈曲箇所の前後の長さの合計は、400mm以上となっている。したがって、以下説明する継手部47および混合ガス供給管48(後述する可撓性チューブ481)はそれぞれ、酸素ガス流量制御部43aおよび窒素ガス流量制御部43bから、離間した位置に配置されるようになっている。
【0043】
なお、このような酸素ガス供給管46aおよび窒素ガス供給管46bはそれぞれ、剛性を有する金属管(例えば銅管)により構成されている。ただし、銅管には限られず、剛性を有する金属管であれば、他の材料からなる金属管であってもよく、更には、金属管以外の剛性管であってもよい。
【0044】
(混合ガス供給管48)
ここで、
図2に示したように、本実施の形態の混合ガス供給管48は、可撓性チューブ481、接続部482および金属管483を有している。なお、接続部482は、配管同士を接続する部分(ジョイント部分)であり、この例では、可撓性チューブ481と金属管483とを接続するようになっている。
【0045】
可撓性チューブ481は、
図2に示したように、継手部47と接続部482との間に配置されており、可撓性を有する配管である。具体的には、このような可撓性チューブ481は、例えば、樹脂製の細径チューブ(例えば9mm〜11mm程度の内径を有するチューブ)により構成されており、例えば500mm〜700mm程度の長さを有している。また、この例では可撓性チューブ481は、このような可撓性を利用して、継手部47からZ軸に沿って延在した後、U字状に湾曲して、X軸方向からZ軸方向に延在するようになっている。すなわち、この可撓性チューブ481は、継手部47と接続部482との間において、U字状に湾曲した状態で配置されている。
【0046】
金属管483は、接続部482から燃焼円筒2側(混合ガス導入部24)まで延在する配管であり、この例ではX軸方向に沿って延在している。
【0047】
また、
図2中の破線で示したように、混合部40内(混合ガス供給管48)において、上記した可撓性チューブ481の外周側を覆う金属管484が、更に設けられているのが望ましい。
【0048】
なお、これらの金属管483,484はそれぞれ、剛性を有する金属管であり、例えば銅管により構成されている。ただし、銅管には限られず、剛性を有する金属管であれば、他の材料からなる金属管であってもよく、更には、金属管以外の剛性管であってもよい。
【0049】
ここで、前述した酸素ガス供給管46aおよび窒素ガス供給管46bはそれぞれ、本発明における「第1の剛性管」および「第2の剛性管」の一具体例に対応している。また、上記した金属管483,484はそれぞれ、本発明における「第3の剛性管」および「第4の剛性管」の一具体例に対応している。
【0050】
[動作および作用・効果]
(A.基本動作)
この酸素指数方式燃焼性試験器1では、例えば以下のようにして、いわゆるアップアンドダウン法(JIS K 7201−2を参照)による燃焼性試験が行われる。このような燃焼性試験では、
図1に示したように、まず、燃焼円筒2内に試験片27を設置すると共に、酸素濃度を調節した酸素と窒素との混合ガスを、燃焼円筒2内に流した状態とする。具体的には、炎点火器3を利用してその先端に炎30を生じさせ、その炎30を燃焼円筒2内の試験片27に触れさせることで、試験片27を燃焼させる。次いで、この試験片27の燃焼時間および燃焼長さが規定の条件に達するかを判断し、その酸素濃度において燃焼を維持するか否かを評価する。そして、酸素濃度を変化させて同様の作業を繰り返すことにより、燃焼を維持するのに必要な最小酸素濃度、すなわち酸素指数を求める。これにより、試験片27における材料の難燃性(燃焼性)を評価することが可能となる。
【0051】
つまり、燃焼に必要最小限な酸素濃度(酸素指数)が相対的に低い場合には、その材料は、相対的に燃え易い材料であることになる。一方、逆に、燃焼に必要最小限な酸素濃度(酸素指数)が相対的に高い場合には、その材料は、相対的に燃えにくい材料であることになる。このような酸素指数を利用することで、材料の難燃性を、酸素指数で数値的に表すことが可能となる。
【0052】
(B.高流速による燃焼性試験について)
ところで、本実施の形態の酸素指数方式燃焼性試験器1では、前述したように、標準状態よりも高流速である高流速状態に設定された混合ガスが、試験片27の周囲を流れる環境下において、上記したような燃焼性の評価(燃焼性試験)が行われる。ちなみに、標準状態での燃焼性試験とは、例えば燃焼円筒2内に40(mm/s)程度の流速の混合ガスを流して行う燃焼性試験である。一方、高流速状態での燃焼性試験とは、例えば、燃焼円筒2内に300〜1000(mm/s)程度の流速(高流速)の混合ガスを流して行う燃焼性試験であり、上記した標準状態での燃焼性試験と比較して、大幅に流速を増加させた状態での燃焼性試験となっている。
【0053】
ここで、このような高流速状態での燃焼性試験は、前述したように、地上環境(1Gの重力下)と比較して微小重力下(例えば宇宙環境下)での酸素指数を、数式等を使用して予測するために行われる。つまり、この酸素指数方式燃焼性試験器1は、そのような微小重力下での酸素指数を予測するために使用される。これは、上記した標準状態での燃焼性試験において測定された酸素指数のデータと、このような高流速状態での燃焼性試験において測定された、燃焼を維持するのに必要な最小酸素濃度のデータとの双方を使用することで、上記した微小重力下での酸素指数を、数式等を使用して予測することが可能となるからである。
【0054】
ところが、このような高流速状態での燃焼性試験を行うのに際して、従来の酸素指数方式燃焼性試験器の装置構成をそのまま採用した場合、例えば以下のような問題が生じ得ることが、発明者による実験により判明した。すなわち、混合部において、高流速状態の酸素ガスと高流速状態の窒素ガスとを混合して、高流速状態の混合ガスを生成する際に、この混合部において、異音や配管の振動などが発生するケースがあるという問題である。このような問題は、混合部内において、酸素ガスと窒素ガスと混合ガスとがそれぞれ、高流速状態で流れているために、激しい乱流が発生していることに起因していると予想される。このような異音や配管の振動が混合部で発生すると、酸素ガス流量制御部および窒素ガス流量制御部での制御不良が発生し、酸素ガスおよび窒素ガスの流量制御が、正確にできないおそれがある。また、異音や配管の振動が混合部で生じると、高流速状態での燃焼性試験を行う際の、利便性が損なわれてしまうことになる。
【0055】
ちなみに、例えば、酸素ガスと窒素ガスとを速い管内流速で配管内で合流させないと、酸素分析計の出力にムラが生じてしまう(混合が不十分となってしまう)。また、例えば、金属管の径を極端に太くすると、酸素ガスと窒素ガスとの混合が不十分となる。
【0056】
また、例えば、混合部を銅管等の金属管(剛性管)により構成し(比較例)、酸素ガスと窒素ガスと混合ガスとがそれぞれ、金属管内を大流量で流れると、上記したような異音や配管の振動が発生すると共に、酸素ガス流量制御部および窒素ガス流量制御部での制御不良が生じ、酸素分析計の値が設定値から数%程度ずれてしまうことになる。
【0057】
また、混合ガス供給管を細い管のみで配管することは、配管取り回りの利便性を向上させることになる。
【0058】
(C.混合部40における作用・効果)
そこで、本実施の形態の酸素指数方式燃焼性試験器1では、
図2に示したように、高流速状態の混合ガスを生成する混合部40における混合ガス供給管48に、以下のような可撓性チューブ481および金属管483が設けられている。可撓性チューブ481は、酸素ガス供給管46aおよび窒素ガス供給管46bの各々に接続された継手部47と、接続部482との間に配置されている。また、金属管483は、この接続部482から燃焼円筒2側に延在している。
【0059】
このように、本実施の形態の酸素指数方式燃焼性試験器1では、混合ガス供給管48の一部分が、可撓性チューブ481(この例ではゴム製または高分子材料の細径チューブ)により構成されている。これにより、上記したような、酸素ガスと窒素ガスと混合ガスとがそれぞれ高流速状態で流れていることに起因した、混合部40での異音や配管の振動の発生などが、防止され易くなる(望ましくは防止される)。
【0060】
ちなみに、発明者による実験では、このような可撓性チューブ481を設けることで、例えば、混合ガス供給管の全体を金属管(剛性管)により構成した場合(上記比較例)とは異なり、混合部40において、異音や配管の振動が生じないことが実際に確認された。また、上記したような、酸素分析計の出力におけるムラや設定値からのずれも、低減もしくは防止されることが、実際に確認された。
【0061】
また、酸素指数方式燃焼性試験器1では、
図2に示したように、このような可撓性チューブ481が、継手部47と接続部482との間において、湾曲した状態(例えばU字状の湾曲状態)で配置されている。これにより、混合部40での異音や配管の振動の発生などが、更に防止され易くなる(望ましくは防止される)。なお、この点も、発明者による実験において実際に確認された。
【0062】
更に、酸素指数方式燃焼性試験器1では、
図2に示したように、酸素ガス供給管46aおよび窒素ガス供給管46bがそれぞれ、L字状に屈曲した状態で配置されている。これにより、混合部40での異音や配管の振動の発生などが、更に防止され易くなる(望ましくは防止される)。なお、この点も、発明者による実験において実際に確認された。
【0063】
加えて、酸素指数方式燃焼性試験器1では、
図2に示したように、継手部47および可撓性チューブ481がそれぞれ、酸素ガス流量制御部43aおよび窒素ガス流量制御部43bから離間した位置に配置されている。これにより、混合部40での異音や配管の振動の発生などが、更に防止され易くなる(望ましくは防止される)。なお、この点も、発明者による実験において実際に確認された。
【0064】
また、本実施の形態の酸素指数方式燃焼性試験器1では、
図2中の破線で示したように、このような可撓性チューブ481の外周側を覆う金属管484が、更に設けられているのが望ましい。このような金属管484を可撓性チューブ481の外周側に更に設けるようにした場合、上記したような異音や配管の振動の発生などを防止され易くしつつ、混合ガス供給管48の耐久性を向上させる(酸素指数方式燃焼性試験器1の信頼性を向上させる)ことも可能となる。
【0065】
以上のように本実施の形態では、混合ガス供給管48の一部分を可撓性チューブ481により構成したので、酸素ガスと窒素ガスと混合ガスとがそれぞれ高流速状態で流れていることに起因した、混合部40での異音や配管の振動の発生などが、防止され易くなる。よって、酸素指数方式燃焼性試験器1において、高流速状態での燃焼性試験を行う際の、利便性を向上させることが可能となる。また、そのような高流速状態での燃焼性試験を行う際の、試験精度を向上させることも可能となる。
【0066】
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【0067】
例えば、上記実施の形態では、酸素指数方式燃焼性試験器および混合部等の構成(形状、配置、個数、材料等)を具体的に挙げて説明したが、これらの構成については、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の形状や配置、個数、材料等であってもよい。
【0068】
また、上記実施の形態で説明した一連の制御は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、上記した各機能をコンピュータ(PLCやマイクロコンピュータ等)により実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
【解決手段】酸素指数方式燃焼性試験器1は、燃焼円筒2と、本体部4とを備えている。本体部4は、酸素ガス流量制御部43aと、窒素ガス流量制御部43bと、高流速状態の混合ガスを生成する混合部40とを備えている。混合部40は、高流速状態の酸素ガスが流れる第1の剛性管(酸素ガス供給管46a)と、高流速状態の窒素ガスが流れる第2の剛性管(窒素ガス供給管46b)と、高流速状態の混合ガスが流れる混合ガス供給管48と、第1および第2の剛性管と混合ガス供給管48とをそれぞれ、T字状に接続する継手部47とを有している。混合ガス供給管48は、接続部と、継手部47と接続部との間に配置された可撓性チューブと、接続部から燃焼円筒2側に延在する第3の剛性管とを有している。