特許第6402354号(P6402354)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402354
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】化粧料サンプルシート
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20181001BHJP
   A45D 33/38 20060101ALI20181001BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20181001BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20181001BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20181001BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   A45D40/00 V
   A45D33/38
   A61K8/02
   A61Q1/02
   A61Q1/10
   A61Q1/04
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-58088(P2014-58088)
(22)【出願日】2014年3月20日
(65)【公開番号】特開2015-181531(P2015-181531A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2017年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】八角 梨紗
【審査官】 大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】 特公平07−038813(JP,B2)
【文献】 国際公開第2012/157643(WO,A1)
【文献】 特許第3632230(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/00
A45D 33/38
A61K 8/02
A61Q 1/02
A61Q 1/04
A61Q 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に化粧料が塗布されるベースシートと、前記ベースシートを前記化粧料側から接離可能に覆うカバーシートと、を備えた化粧料サンプルシートにおいて、
前記ベースシートは、その表面が凹凸にされることにより形成された凹凸状の模様を有し、前記凹凸状の模様上に前記化粧料が塗布され、
前記ベースシートの表面において前記凹凸状の模様が形成される模様エリヤを有し、この模様エリヤ内の前記凹凸状の模様の高さが、前記ベースシートの前記模様エリヤを取り囲む部分の高さより低くされるように、前記ベースシートの表面に凹部を設け、前記凹部内に前記模様エリヤが配置され
前記模様エリヤを取り囲む部分であって前記ベースシートの外縁から延びている平坦な表面に、前記カバーシートが接離可能に載置され、前記模様エリヤ内の凸部の凸面と前記カバーシートとの間に隙間を有することを特徴とする化粧料サンプルシート。
【請求項2】
前記凹凸状の模様は、エンボス加工により形成されることを特徴とする請求項1記載の化粧料サンプルシート。
【請求項3】
前記カバーシートは、少なくとも前記凹凸状の模様と対向する部分が、透明になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料サンプルシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料サンプルシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料サンプルシートとして、台紙の平坦な表面に印刷手法を用いて化粧料を単に塗布した無装飾のものや、以下の特許文献1に記載のように、印刷手法により文字を形成した有装飾のものが知られている。一方、立体的な装飾を施すものとしては、以下の特許文献2に記載のように、平坦なベース材料上に化粧料を積層した後に、当該化粧料を例えば唇形にダイカットし立体的な装飾とするものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3632230号公報
【特許文献2】特公平7−38813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記特許文献2に記載のような立体的な装飾を有する化粧料サンプルシートにおいては、立体的な装飾を施すのに手間がかかると共に、サンプルの割りには化粧料を多量に必要とするという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、立体的な装飾を簡易に得ることができると共に、サンプルとしての化粧料を少なくできる新規な化粧料サンプルシートを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による化粧料サンプルシートは、表面に化粧料が塗布されるベースシートと、ベースシートを化粧料側から接離可能に覆うカバーシートと、を備えた化粧料サンプルシートにおいて、ベースシートは、その表面が凹凸にされることにより形成された凹凸状の模様を有し、凹凸状の模様上に化粧料が塗布され、ベースシートの表面において凹凸状の模様が形成される模様エリヤを有し、この模様エリヤ内の凹凸状の模様の高さが、ベースシートの模様エリヤを取り囲む部分の高さより低くされるように、ベースシートの表面に凹部を設け、凹部内に模様エリヤが配置され、模様エリヤを取り囲む部分であってベースシートの外縁から延びている平坦な表面に、カバーシートが接離可能に載置され、模様エリヤ内の凸部の凸面とカバーシートとの間に隙間を有することを特徴としている。
【0007】
このような化粧料サンプルシートによれば、ベースシートの表面が凹凸にされ、ベースシート自体によって立体的な凹凸状の模様が形成されるため、化粧料によって立体的な装飾を形成する場合に比して、立体的な装飾を簡易に得ることができると共に、サンプルとしての化粧料を少なくできる。また、ベースシートの表面において凹凸状の模様が形成される模様エリヤを有し、この模様エリヤ内の凹凸状の模様の高さが、ベースシートの模様エリヤを取り囲む部分の高さより低くされているため、ベースシートを覆うカバーシートは、凹凸状の模様より高くされ模様エリヤを取り囲む部分に載置されるため、模様エリヤ内の凹凸状の模様と当該模様上のカバーシートの部分との間に隙間が生じ、模様上の化粧料がカバーシートに転写することを防止できる。
【0008】
ここで、凹凸状の模様は、エンボス加工により形成されるのが好ましい。このような構成を採用した場合、凹凸状の模様がエンボス加工により容易に形成できる。
【0010】
また、カバーシートは、少なくとも凹凸状の模様と対向する部分が、透明になっていると、シートの透明な部分を通して凹凸状の模様を視認できる。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明によれば、立体的な装飾を簡易に得ることができると共に、サンプルとしての化粧料を少なくできる化粧料サンプルシートを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る化粧料サンプルシートを示す斜視図である。
図2図1に示す化粧料サンプルシートの破断斜視図である。
図3図1中のベースシートの平面図ある。
図4図3のIV-IV矢視図であり、上下のプレス型と共に示す図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る化粧料サンプルシートを示す斜視図である。
図6図5に示す化粧料サンプルシートの平面図である。
図7図6のVII-VII矢視図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る化粧料サンプルシートを示す斜視図である。
図9図8に示す化粧料サンプルシートの平面図である。
図10図9のX-X矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による化粧料サンプルシートの好適な実施形態について図1図10を参照しながら説明する。図1図4は、本発明の第1実施形態を、図5図7は、本発明の第2実施形態を、図8図10は、本発明の第3実施形態を各々示すものである。
【0014】
先ず、図1図4に示す第1実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る化粧料サンプルシートを示す斜視図、図2は、化粧料サンプルシートの破断斜視図、図3は、ベースシートの平面図、図4は、図3のIV-IV矢視図であって上下のプレス型と共に示す図であり、本実施形態の化粧料サンプルシート100は、例えばファンデーションやアイシャドウ等の粉体化粧料の試供品とされるものである。
【0015】
図1及び図2に示すように、化粧料サンプルシート100は、表面Aに粉体化粧料が塗布されたベースシートとしての台紙1と、台紙1を化粧料側(表面A側)から接離可能に覆うカバーシート2と、を概略備える。
【0016】
台紙1は、図1図4に示すように、表面Aに立体的な凹凸状の模様3を有し、この凹凸状の模様3上に粉体化粧料が塗布されている。凹凸状の模様3は、ここでは、意匠性を有する模様とされている。なお、凹凸状の模様は、例えばロゴや文字等であっても良い。
【0017】
このような凹凸状の模様3は、ここでは、両面エンボス加工を施すことにより形成される。具体的には、平坦状の薄い台紙を、図4に示すように、凹凸状の模様を有するプレス型である上型5と、逆形状の凹凸を有するプレス型である下型6との間に挟み込み、平坦状の台紙に型押し加工を施すことによって、表面Aに凹凸状の模様3が形成されると共に、裏面Bに、表面Aの凹凸状の模様3と凹凸が逆の凹凸状の模様4が形成された台紙1を得ることができる。
【0018】
凹凸状の模様3は、具体的には、その凹部3aが表面Aに対して低くされ、凹部3aに対して高くされた凸部3bが、表面Aと同じ高さとされている。
【0019】
なお、本実施形態(後述の実施形態も同様)にあっては、表面Aの凹凸状の模様を際立たせるべく(模様のエッジがはっきりするように)、両面エンボス加工を採用しているが、表面Aにのみに凹凸状の模様を形成する片面エンボス加工を採用することもできる。
【0020】
粉体化粧料は、凹凸状の模様3上に均一に少量が塗布されており、ここでは、容易に塗布できるとして噴霧により塗布されている。なお、例えば刷毛等により塗布を行うこともできる。また、塗布される粉体化粧料は、単色、多色、何れでも良い。
【0021】
図1に示すように、カバーシート2は、粉体化粧料を保護するように表面Aの凹凸状の模様3を上から覆うものであると共に、粉体化粧料を塗布に用いる際に、粉体化粧料(凹凸状の模様3)が露出するように使用者により捲られるものであり、ここでは、樹脂製フィルムとされている。
【0022】
カバーシート2は、ここでは、台紙1全体を覆うように配置されており、凹凸状の模様3が視認できるように、透明とされている。なお、カバーシート2は、凹凸状の模様3が視認できるように、少なくとも凹凸状の模様3と対向する部分が透明になっていれば良い。
【0023】
このように構成された化粧料サンプルシート100によれば、台紙1の表面Aが凹凸にされ、台紙1自体によって立体的な凹凸状の模様3が形成されるため、化粧料によって立体的な装飾を形成する場合に比して、立体的な装飾を簡易に得ることができると共に、サンプルとしての化粧料を少なくできる。
【0024】
また、凹凸状の模様3はエンボス加工により形成されているため、当該模様3を容易に形成できる。
【0025】
ここで、第1実施形態では、カバーシート2と凹凸状の模様3の凸部3bの上面(凸面)とが接触し、凸部3b上の粉体化粧料がカバーシート2に転写してしまうことがあるため、以下の第2、第3実施形態では、これを解決する。
【0026】
図5は、本発明の第2実施形態に係る化粧料サンプルシートを示す斜視図、図6は、化粧料サンプルシートの平面図、図7は、図6のVII-VII矢視図である。
【0027】
この第2実施形態の化粧料サンプルシート200が第1実施形態の化粧料サンプルシート100と主に違う点は、台紙1の表面Aに対して平面視円環状の凸部3cを設け、この凸部3cより内側に凹凸状の模様13を形成した点である。従って、図7に示すように、凸部3cより内側のエリヤが、凹凸状の模様13が形成される模様エリヤCとされる。そして、この第2実施形態では、模様エリヤC内の凹凸状の模様13の高さが、台紙1の模様エリヤCを取り囲む部分である凸部3cの高さより低くされている。なお、凹凸状の模様13を構成する凹部3aは、表面Aと同じ高さとされている。
【0028】
このように構成された第2実施形態によれば、模様エリヤC内の凹凸状の模様13の高さが、模様エリヤCを取り囲む凸部3cの高さより低くされているため、台紙1を覆うカバーシート2は、凹凸状の模様13より高くされた凸部3cに載置され、凹凸状の模様13と当該模様13上のカバーシート2の部分との間に隙間を生じる。このため、模様13上の粉体化粧料がカバーシート2に転写することを防止できる。
【0029】
図8は、本発明の第3実施形態に係る化粧料サンプルシートを示す斜視図、図9は、化粧料サンプルシートの平面図、図10は、図9のX-X矢視図である。
【0030】
この第3実施形態の化粧料サンプルシート300が第1実施形態の化粧料サンプルシート100と主に違う点は、台紙1の表面Aに対して平面視円形にへこむ凹部3dを設け、この凹部3d内に凹凸状の模様23を形成した点である。このように台紙1の表面Aに対して一段低くして凹凸状の模様23を形成しているのは、恰も金皿内に化粧料が充填されている製品のように見せるためである。従って、図10に示すように、台紙1の表面Aに対して一段低くされた凹部3d内が、凹凸状の模様23が形成される模様エリヤCとされる。そして、この第3実施形態では、模様エリヤC内の凹凸状の模様23の高さが、台紙1の模様エリヤCを取り囲む部分である表面Aの高さより低くされている。なお、凹凸状の模様23を構成する凸部3bは、凹部3dの底面と同じ高さとされている。
【0031】
このように構成された第3実施形態によれば、模様エリヤC内の凹凸状の模様23の高さが、模様エリヤCを取り囲む部分である表面Aの高さより低くされているため、台紙1を覆うカバーシート2は、凹凸状の模様23より高くされ模様エリヤCを取り囲む部分である表面Aに載置され、凹凸状の模様23と当該模様23上のカバーシート2の部分との間に隙間を生じる。このため、模様23上の粉体化粧料がカバーシート2に転写することを防止できる。
【0032】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好ましいとして、ベースシートを紙としているが、例えばPOM等の樹脂を成形材とし、凹凸を有する金型を用いて成形した樹脂製シートとしても良い。また、真空成形によるものでも良い。
【0033】
また、上記実施形態においては、特に好ましいとして、化粧料を、例えばファンデーションやアイシャドウ等の粉体化粧料としているが、例えば口紅等の固形化粧料とすることもできる。
【符号の説明】
【0034】
1……台紙(ベースシート)、2…カバーシート、3,13,23…凹凸状の模様、3a…凹部、3b…凸部、3c…凸部(台紙の模様エリヤを取り囲む部分)、100,200,300…化粧料サンプルシート、A…表面(台紙の模様エリヤを取り囲む部分)、B…裏面、C…模様エリヤ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10