(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402370
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】2次送り機器の配置構造
(51)【国際特許分類】
H02B 1/40 20060101AFI20181001BHJP
H02B 1/20 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
H02B1/40 D
H02B1/20 H
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-72474(P2014-72474)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-195681(P2015-195681A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2017年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】松隈 裕史
(72)【発明者】
【氏名】宮山 将
【審査官】
澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−087912(JP,A)
【文献】
特開2009−044801(JP,A)
【文献】
特開平11−187514(JP,A)
【文献】
特開2012−182963(JP,A)
【文献】
特開2012−257343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/40−1/44
H02B 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主幹ブレーカの2次側に機器を配置した2次送り機器の配置構造であって、
分岐ブレーカ接続用の主幹バーと、主幹ブレーカとを主幹リードバーにより接続した構造を有し、
前記主幹リードバーは、前記2次送り機器が接続される延長部を備えるものとし、
該延長部の位置が前記主幹バーに対して、該主幹バーの短手方向に異なるよう、前記主幹リードバーを配置し、
前記主幹バーと前記主幹リードバーとをずらして配置することによって形成された空間の前記主幹リードバー隣接する位置に、この主幹リードバーに接続バーを介して接続される2次送り機器を、分岐ブレーカに対して平行に配置したことを特徴とする2次送り機器の配置構造。
【請求項2】
前記主幹ブレーカを、前記2次送り機器に対して垂直となるよう配置したことを特徴とする請求項1記載の2次送り機器の配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主幹ブレーカの2次側に機器を配置した2次送り機器の配置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主幹ブレーカと分岐ブレーカとを備えた分電盤において、モータ等の高容量負荷や、他の分電盤等に電力を供給するために、主幹ブレーカの2次側に他の機器(2次送り機器)を増設することがある(特許文献1)。この場合、
図5に示すように主幹ブレーカ103と主幹バーとを接続する主幹リードバー105に対して、電線101によって2次送り機器102を接続すると、2次送り機器が高容量である場合には、電線101が太くなってしまいその取り回しが困難となる。このため電線101のサイズが制限され、2次送り機器の容量が制限されるという問題がある。
【0003】
また、
図5のように、2次送り機器102は、主幹ブレーカ103の隣に、分岐ブレーカ104に対して垂直となるよう配置されることが通常である。しかしながら、このような構造では、主幹リードバー105からの出線方向と2次送り機器102への入線方向が異なるため接続作業性が悪く、また外観が悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−87912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は前記した従来の問題点を解決し、高容量の2次送り機器を配置可能であり、接続作業性が高く、かつ良好な外観を呈する2次送り機器の配置構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明は、主幹ブレーカの2次側に機器を配置した2次送り機器の配置構造であって、分岐ブレーカ接続用の主幹バーと、主幹ブレーカとを主幹リードバーにより接続した構造を有し、
前記主幹リードバーは、前記2次送り機器が接続される延長部を備えるものとし、該延長部の位置が前記主幹バーに対して、該主幹バーの短手方向に異なるよう、前記主幹リードバーを配置し、前記主幹バーと前記主幹リードバーとをずらして配置することによって形成された空間に、この主幹リードバーに接続バーを介して接続される2次送り機器を、分岐ブレーカに対して平行に配置したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の2次送り機器の配置構造において、前記主幹ブレーカを、前記2次送り機器に対して垂直となるよう配置したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る2次送り機器の配置構造は、
主幹バーと前記主幹リードバーとをずらして配置することによって形成された空間の前記主幹リードバー隣接する位置に、この主幹リードバーに接続バーを介して接続される2次送り機器を、分岐ブレーカに対して平行
に配置するものとした。これにより、主幹リードバーと2次送り機器の入力端子とをリードバーによって直線状に接続することが可能となるため、接続作業性が向上するとともに、高容量の2次送り機器を配置することが可能となる。また、主幹リードバーと2次送り機器とを直線状に接続することにより、良好な外観を呈するものとすることができる。
【0010】
また本発明では、主幹リードバーは、2次送り機器が接続される延長部を備えるものとし、この延長部の位置が主幹バーに対して、主幹バーの短手方向に異なるよう、主幹リードバーを配置するものとした。このような構成により、延長部を延長させることによって、2次送り機器を増設することが可能となる。また、延長部と主幹バーとの配置を、主幹バーの短手方向にずらしたことにより、主幹ブレーカと主幹バーとの間の2次送り機器を配置する空間が、短手方向にずらした分だけ拡大するため、分電盤のサイズを変更することなく高容量の2次送り機器を配置することが可能となる。
【0011】
請求項2に係る発明は、主幹ブレーカを2次送り機器に対して垂直となるよう配置したものである。これにより、延長部を主幹ブレーカから主幹バーの長手方向に、垂直下向きに直線状に延ばす構造とすることができ、主幹リードバーを短くすることが可能となるため、省スペースで主幹リードバー及び2次送り機器を配置可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】本実施形態の主幹リードバーを複数の部材により構成した正面図である。
【
図5】従来の2次送り機器の配置構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態を示す。なお本実施形態においては、上下方向、左右方向とは、それぞれ
図1の紙面上における上下左右方向を指すものとする。
【0014】
図1において、1は分電盤の内部の基台、2は基台1に取付けられた主幹ブレーカ2である。主幹ブレーカ2の負荷側には、一体形成された略L字形状の主幹リードバー3の一端が接続されている。さらに、この主幹リードバー3の他端には、分岐ブレーカ4に接続される主幹バー5が接続されている。
【0015】
また、主幹リードバー3に隣接し、かつ主幹ブレーカ2と主幹バー5との間となる位置には、2次送り機器6が配置されている。この実施形態では、2次送り機器6は2次送りブレーカである。2次送り機器6は、分岐ブレーカ4に対して同方向、すなわち平行となるよう配置されており、接続バー7を介して主幹リードバー3に接続されている。このような構成によって、主幹リードバー3と2次送り機器6とを直線状に接続バー7で接続することが可能となるため、従来のように電線の取り回しが複雑となることがなく、接続作業性が向上するとともに、接続バー7を使用することができるので、高容量の2次送り機器6を配置することが可能となる。また、主幹リードバー3と2次送り機器6とを直線状に接続することにより、良好な外観を呈するものとすることができる。
【0016】
主幹リードバー3は、接続バー7を介して2次送り機器6が接続される、主幹ブレーカ2の負荷側から垂直下向きに延長した延長部8を備えるものとした。ここで延長部8は、略L字形状の主幹リードバー3の直線部を指しており、2次送り機器6が接続される部分を指している。接続バー7は、延長部8に所定ピッチで形成された取付孔9により固定されている。これにより、高容量の2次送り機器6を接続することが可能となるものである。
【0017】
さらに、この延長部8が主幹バー5に対して、主幹バー5の短手方向、すなわち左右方向に異なる位置となるよう配置されている。このような構成により、延長部8を延長させることによって、2次送り機器6を増設することが可能となる。また、延長部8と主幹バー5との配置を、左右方向にずらしたことにより、主幹ブレーカ2と主幹バー5との間の2次送り機器6を配置する空間が拡大するため、分電盤のサイズを変更することなく高容量の2次送り機器6を配置することが可能となる。なお、この延長部8の長さは、配置する2次送り機器6の数やサイズに合わせて適宜変更することが好ましい。
【0018】
本実施形態においては、
図2のように、3枚の主幹リードバー3が左右方向に並列に配置されており、これら主幹リードバー3に接続される接続バー7のうち、2次送り機器6に最も近い側の接続バー7を直線状に形成し、残りの2つの接続バー7は、他の延長部8と重複しないよう、折り曲げられて形成されている。本実施形態は3極配線であるが、これに限定されず、2極配線または4極配線であっても良い。
【0019】
本実施形態では、主幹リードバー3は一体形成された略L字形状のものとしたが、複数部材により主幹リードバー3を形成しても良い。その場合は、
図3のように、延長部8を備えた直線状の部材と、これに接続される略L字形状の部材とにより、主幹リードバー3を構成することが好ましい。これにより、前記直線状の部材を延長することにより、延長部8を延長させることができ、2次送り機器6の増設等に対応することが可能となる。
【0020】
また、主幹ブレーカ2は、2次送り機器6に対して異なる方向、すなわち垂直方向に配置することが好ましく、これにより、延長部8を主幹ブレーカ2から垂直下向きに直線状に延ばす構造とすることができ、主幹リードバー3を短くすることが可能となるため、省スペースで主幹リードバー3及び2次送り機器6を配置可能となる。
【0021】
なお、本実施形態では、2次送りブレーカを、接続バー7を介して主幹リードバー3に接続したが、2次送り機器6は2次送りブレーカに限定されず、端子台等のその他の機器であっても差し支えない。
【0022】
図4に示す第2の実施形態では、主幹ブレーカ2を2次送り機器6及び分岐ブレーカ4と同方向に配置した。これにより、各機器の出線、入線の方向を統一することができるため、接続作業性が向上し、また良好な外観を呈することができる。なお、第2の実施形態においては、主幹リードバー3は略コ字形状に形成するものとし、延長部8は、略コ字形状のうち上下方向に延びる直線箇所に形成することが好ましい。
【符号の説明】
【0023】
1 分電盤
2 主幹ブレーカ
3 主幹リードバー
4 分岐ブレーカ
5 主幹バー
6 2次送り機器
7 接続バー
8 延長部
9 取付孔
101 電線
102 2次送り機器
103 主幹ブレーカ
104 分岐ブレーカ
105 主幹リードバー