(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、本発明を家庭用デジタル尿糖計に適用した場合について説明する。なお、一般家庭で使用可能なデジタル尿糖計は、既に市販されており、また、様々なデジタル尿糖計が多くの特許出願で既に提案されている。本発明を適用した家庭用デジタル尿糖計において、尿糖測定に係る部分は従来公知のものであるため、尿糖測定に係る詳細な説明は省略する。
【0019】
図1及び
図2には、本実施形態に係る尿糖計10の外観図が示されている。一例として
図1に示すように、尿糖計10は、センサカートリッジ12及び尿糖計本体14を含む。
【0020】
センサカートリッジ12は、尿中の糖分を電気化学的に検出する。
【0021】
尿糖計本体14は、センサカートリッジ12により検出された尿中の糖分に基づいて尿中の糖分濃度を測定し、測定結果を表示装置16に表示する。
【0022】
一例として
図1及び
図2に示すように、センサカートリッジ12は、尿糖計本体14と着脱可能である。このため、センサカートリッジ12の寿命が到来した場合には、センサカートリッジ12のみ交換し、尿糖計本体14はそのまま継続して使用することができる。
【0023】
図2に示すように、尿糖計10を使用しない場合は、磁石18を有するスタンド20にセンサカートリッジ12を挿入することにより尿糖計10を保管できるようになっている。また、スタンド20は、図示は省略するが、保存液を入れたボトルを内蔵している。そして、尿糖計10をスタンド20に正しく挿入した場合に、センサカートリッジ12の先端部分に設けられた尿糖センサ22及びサーミスタ24が、ボトル内の保存液に浸漬されるように構成されている。
【0024】
図3には、尿糖計10の電気系のブロック図が示されている。一例として
図3に示すように、センサカートリッジ12は、尿糖センサ22、サーミスタ24、スタンド検出リードスイッチ26、コネクタ28、及び分圧用負荷30を備えており、これらは
図1に示すハウジング32内に収容されている。分圧用負荷30は、接地されており、後述のプルアップ用負荷66と直列に接続されることで分圧を生成する。なお、コネクタ28は、本発明に係るカートリッジ側コネクタの一例であり、分圧用負荷30は、本発明に係るカートリッジ側負荷の一例である。
【0025】
尿糖計本体14は、表示装置16、電源34、操作ボタン36(36A、36B)、D/A変換器38、センサ駆動回路40、A/D変換器42、ブザー44、外部入出力インターフェイス端子46、コネクタ48、マイクロコンピュータ50、プルアップ用負荷66、及びノード68を備えており、これらは
図1に示すハウジング52内に収容されている。なお、コネクタ48は、本発明に係る本体側コネクタの一例であり、プルアップ用負荷66は、本発明に係る本体側負荷の一例である。
【0026】
尿糖センサ22には寿命があり、使用限度に達すると表示装置16にバイオセンサ交換の旨の表示がなされる。その場合、使用者はセンサカートリッジ12を尿糖計本体14から取り外し、新しいセンサカートリッジ12を尿糖計本体14に取り付ける。センサカートリッジ12と尿糖計本体14は電気的に接続されるので、交換に際してはセンサカートリッジ12のコネクタ28を尿糖計本体14のコネクタ48に容易に接続できることが好ましい。また、センサカートリッジ12には尿や洗浄水が掛けられるので、センサカートリッジ12と尿糖計本体14との接続部は防水性を有する必要があり、その防水性はセンサカートリッジ12を何度交換しても常に維持されることが好ましい。
【0027】
また、尿糖計本体14に内蔵された電池の寿命が到来した場合、新しい電池と交換する必要があるが、電池を尿糖計本体14から容易に取り出せると共に、新しい電池を尿糖計本体14に容易に装着できることが好ましい。
【0028】
尿糖センサ22は、尿中の夾雑物質の影響を排除して、低濃度から高濃度までの広範囲に亘る尿中の糖分濃度を検出する。尿糖センサ22は、酵素を主な材料とした尿成分検知用のバイオセンサである。サーミスタ24は、測定の際における尿の温度を検出し、尿糖センサ22の温度特性を補正するためのものである。
【0029】
スタンド検出リードスイッチ26は、スタンド20に尿糖計10を収納したときに、磁石18による磁場の影響で例えばオフ状態(又はオン状態)になる。マイクロコンピュータ50は、スタンド検出リードスイッチ26がオフ状態(又はオン状態)となった場合は、電力消費を極力少なくするために表示装置16をオフ状態にしたり、クロック周波数を大幅に低下させたりする等の省電力制御を実行する。なお、マイクロコンピュータ50は、省電力制御を実行した場合でも完全なスリープ状態にはならず、本発明に係る機能を実現するために必要な機能の実行は可能である。
【0030】
スタンド20から尿糖計10を取り出すと、スタンド検出リードスイッチ26は磁石18による磁場の影響下から離脱して、オン状態(又はオフ状態)になる。マイクロコンピュータ50は、スタンド検出リードスイッチ26がオン状態(又はオフ状態)になった場合は、尿糖計10の全機能を回復させ、モード設定、較正、及び尿中の糖分濃度の測定等の各機能の実行が可能な状態にする。
【0031】
電源34は、電池であり、尿糖計10の電気系の各部に電力を供給する。
【0032】
プルアップ用負荷66は、A/D変換器42の入力ポート42A及びマイクロコンピュータ50の割り込みポート50Aのプルアップに用いられる負荷である。プルアップ用負荷66の一端は、電源34の高電圧側に接続されており、プルアップ用負荷66の他端は、ノード68に接続されている。なお、A/D変換器42の入力ポート42Aは、本発明に係る受付部の一例である。
【0033】
操作ボタン36(36A、36B)は、モードや食事内容を選択して設定登録したり、較正したりするためのものである。
【0034】
D/A変換器38は、マイクロコンピュータ50からのデジタル信号(駆動信号)をアナログ信号(駆動信号)に変換して出力する。
【0035】
センサ駆動回路40は、D/A変換器38からの駆動信号に基づいて尿糖センサ22に駆動信号を供給するとともに、尿糖センサ22で検出された検出信号を受けてA/D変換器42に出力する。
【0036】
A/D変換器42は、センサ駆動回路40からのアナログ信号(検出信号)をデジタル信号(検出信号)に変換して出力する。また、A/D変換器42の入力ポート42Aはノード68に接続されており、これにより、入力ポート42Aがプルアップされる。更に、割り込みポート50Aはノード68に接続されており、これにより、割り込みポート50Aがプルアップされる。
【0037】
ブザー44は、マイクロコンピュータ50からの信号に基づいて、例えば尿糖測定をする旨を報知するためのブザー音を発生する。
【0038】
表示装置16は、マイクロコンピュータ50からの信号に基づいて、較正の状況、測定の状況、バイオセンサ交換の告知、電池交換の告知、尿糖測定結果の告知、及び判定結果の告知等を表示する。
【0039】
具体的には、
図4に示すように、「基準あわせ」及びその上の水滴マークを較正時に点灯することによって較正の状況を表示する。また、「準備中」、「測定」、「洗浄」、及び「終了」の何れかを測定過程中に点灯することによって測定の状況を表示する。更に、尿糖センサ22の交換時期に「センサ交換」を点灯することによってセンサカートリッジ12の交換の告知を表示する。更に、交換時期に「センサ交換」の右側の電池マークを点灯することによって電池交換の告知を表示する。更に、中央に「1347」と例示してある「4桁の数字」にて尿糖変化値、基準尿糖変化値、及び通常尿糖変化値を各々の測定後に点灯することによって尿糖測定結果の告知を表示する。更に、画面右側の3つの三角マークのうちハウジング52に印刷された判定内容に該当する位置の三角マークを各々の判定後に点灯することによって選択モードの状況を表示する。
【0040】
外部入出力インターフェイス端子46は、マイクロコンピュータ50内の外部入出力インターフェイス54をパーソナルコンピュータ等の外部機器(不図示)と接続するためのものであり、マイクロコンピュータ50と外部機器との間で各種データの通信を行うためのものである。なお、各種データとしては、例えば外部機器からの入力データや尿糖計10からの尿糖測定結果、判定結果等の出力データ等が挙げられる。
【0041】
センサカートリッジ12のコネクタ28と尿糖計本体14のコネクタ48とが接続されると、尿糖センサ22がセンサ駆動回路40に接続され、分圧用負荷30がノード68に接続され、サーミスタ24、及びスタンド検出リードスイッチ26が、マイクロコンピュータ50のそれぞれ対応するポートに接続され、これにより、センサカートリッジ12と尿糖計本体14との間が電気的に接続される。
【0042】
マイクロコンピュータ50は、外部入出力インターフェイス54、制御装置56、ROM58、RAM60、クロック62、補助記憶装置64、及び電気系の各部につながるポート(図示省略)を備える。
【0043】
外部入出力インターフェイス54は、パーソナルコンピュータ等の外部機器と各種データの通信をする。制御装置56は、尿糖値の測定に関する各種処理を実行する。ROM58は、制御プログラム等を記憶する。RAM60は、演算結果及び外部から読み込んだプログラム等を一時的に記憶する。クロック62は、各種の報知を実行するために時間を計測する。補助記憶装置64は、選択されたモードや食事内容、各種尿糖値、判定結果等を更新されるまで記憶する。
【0044】
マイクロコンピュータ50は、例えば食直前尿糖値・食後尿糖値・基準食前尿糖値・基準食後尿糖値・通常食前尿糖値・通常食後尿糖値を測定すべき旨の報知、食前尿糖値・食直前尿糖値・食後尿糖値・基準食前尿糖値・食直前尿糖値・基準食後尿糖値・通常食前尿糖値・通常食直前尿糖値・通常食後尿糖値の測定、尿糖変化値(食後尿糖値と食直前尿糖値との差)・基準尿糖変化値(基準食後尿糖値と基準食直前尿糖値との差)・通常尿糖変化値(通常食後尿糖値と通常食直前尿糖値との差)・食差尿糖変化値(通常尿糖変化値と基準尿糖変化値との差)の演算、尿糖変化値に基づいた身体内の糖量変化の可否についての判定、食差尿糖変化値に基づいた通常の食事内容の可否についての判定、及びこれら演算・判定結果の出力に関する制御を実行する。
【0045】
図5には、
図3に示す分圧用負荷30の一例である抵抗R1、及び
図3に示すプルアップ用負荷66の一例であるプルアップ用の抵抗R2が例示されている。抵抗R1の抵抗値は、センサカートリッジ12の種類毎、すわなち、センサカートリッジ12に含まれる尿糖センサ22の種類(例えば、2000mg/dLや5000mg/dL等の測定レンジ)毎に異なる予め定められた抵抗値である。
【0046】
一例として
図5に示すように、センサカートリッジ12のコネクタ28と尿糖計本体14のコネクタ48とが接続されると、直列回路70が形成される。すなわち、直列回路70は、センサカートリッジ12の抵抗R1と尿糖計本体14の抵抗R2とがノード68を介して直列に接続されることによって形成される回路である。直列回路70において、抵抗R2の一端は、電源34の高電圧(
図5に示す例では、3.3V)側に接続されており、抵抗R2の他端は、ノード68に接続されている。また、直列回路70において、抵抗R1の一端は、接地されており、抵抗R1の他端はノード68に接続されている。
【0047】
従って、A/D変換器42には、直列回路70からノード68を介して取り出された分圧に相当する分圧アナログ信号が入力ポート42Aを介して入力され、A/D変換器42は、分圧デジタル信号をマイクロコンピュータ50に出力する。ここで、分圧アナログ信号とは、直列回路70により得られた分圧値を示すアナログ信号を指し、分圧デジタル信号とは、分圧アナログ信号がA/D変換されて得られたデジタル信号を指す。また、分圧アナログ信号は、割り込みポート50Aを介してマイクロコンピュータ50にも入力され(分圧が割り込みポート50Aに供給(印加)され)、これにより、センサカートリッジ12が尿糖計本体14に装着されたこと、すなわち、センサカートリッジ12のコネクタ28と尿糖計本体14のコネクタ48とが接続されたことがマイクロコンピュータ50によって認識される。
【0048】
なお、センサ駆動回路40からA/D変換器42の入力ポート42Aにアナログ信号として入力される検出信号、及び直列回路70から入力ポート42A及び割り込みポート50Aに入力される分圧アナログ信号は、本発明に係る外部信号の一例である。また、センサ駆動回路40からA/D変換器42にアナログ信号として入力される検出信号の信号レベル、及び直列回路70からA/D変換器42に入力される分圧アナログ信号により示される分圧値は、本発明に係る信号特性の一例である。
【0049】
次に、本発明に係る尿糖計の作用として、マイクロコンピュータ50によって実行されるカートリッジ判別処理について
図6を参照しながら説明する。カートリッジ判別処理は、センサカートリッジ12のコネクタ28が尿糖計本体14のコネクタ48に接続されて電源34がオンされた場合にカートリッジ判別プログラム(図示省略)がマイクロコンピュータ50によって実行されることで実現される処理である。
【0050】
なお、ここでは、カートリッジ判別プログラムがROM58に予め記憶されているが、必ずしも最初からROM58に記憶させておく必要はない。例えば、尿糖計本体14に接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、DVDディスク、ICカード、光磁気ディスク、CD−ROMなどの任意の可搬型の記憶媒体に先ずはカートリッジ判別プログラムを記憶させておいてもよい。そして、マイクロコンピュータ50が可搬型の記憶媒体からカートリッジ判別プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、通信網(図示省略)を介して尿糖計本体14に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部にカートリッジ判別プログラムを記憶させておき、マイクロコンピュータ50が他のコンピュータ又はサーバ装置等からカートリッジ判別プログラムを取得して実行してもよい。
【0051】
図6に示すカートリッジ判別処理では、先ず、ステップ100で、マイクロコンピュータ50は、A/D変換器42から分圧デジタル信号が入力されたか否かを判定する。ステップ100において、A/D変換器42から分圧デジタル信号が入力されていない場合は、判定が否定されて、ステップ100の判定が再び行われる。ステップ100において、A/D変換器42から分圧デジタル信号が入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ102へ移行する。
【0052】
ステップ102で、マイクロコンピュータ50は、ステップ100で入力された分圧デジタル信号により示される分圧値が所定の分圧値であるか否かを判定する。ここで、所定の分圧値とは、尿糖計本体14に装着されて使用されるべきセンサカートリッジ12の種類として予め定められた種類のセンサカートリッジ12が尿糖計本体14に装着された場合に直列回路70からノード68を介して得られる分圧値を指す。予め定められた種類のセンサカートリッジ12とは、例えば、尿糖の測定レンジが5000mg/dLの尿糖計本体14に対して装着されて使用されるべきセンサカートリッジ12として製造されたセンサカートリッジ12(尿糖の測定レンジが5000mg/dLのセンサカートリッジ12)を指す。
【0053】
ステップ102において、ステップ100で入力された分圧デジタル信号により示される分圧値が所定の分圧値でない場合は、尿糖計本体14に装着されて使用されるべきセンサカートリッジ12の種類として予め定められた種類以外のセンサカートリッジ12が尿糖計本体14に装着されたと判定し、ステップ104へ移行する。ステップ102において、ステップ100で入力された分圧デジタル信号により示される分圧値が所定の分圧値である場合は、尿糖計本体14に装着されて使用されるべきセンサカートリッジ12の種類として予め定められた種類のセンサカートリッジ12が尿糖計本体14に装着されたと判定し、本カートリッジ判別処理を終了する。本カートリッジ判別処理を終了すると、マイクロコンピュータ50は、尿糖を測定する処理(図示省略)の実行を開始する条件を満たすまで待機する。
【0054】
なお、本ステップ102では、尿糖計本体14に装着されているセンサカートリッジ12が、尿糖計本体14に装着されて使用されるべきセンサカートリッジ12の種類として予め定められた種類のセンサカートリッジ12か否かを判定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、マイクロコンピュータ50は、直列回路70から得られる分圧値として予め定められた分圧値とセンサカートリッジ12の種類とが予め対応付けられたテーブル(図示省略)を参照して、ステップ100で入力された分圧デジタル信号により示される分圧値から、尿糖計本体14に装着されているセンサカートリッジ12の種類を具体的に特定するようにしてもよい。
【0055】
ステップ104で、マイクロコンピュータ50は、エラー処理を実行し、その後、本カートリッジ判別処理を終了する。なお、本ステップ104では、エラー処理として、現時点で尿糖計本体14に装着されているセンサカートリッジ12に含まれる尿糖センサ22よる尿糖の検出を阻止する処理(阻止処理)が実行される。阻止処理の一例としては、電源34を強制的にオフするシャットダウン処理が挙げられる。
【0056】
また、阻止処理に先立って、センサカートリッジ12が不適切であることをブザー又は表示装置16を用いて報知する処理(報知処理)もエラー処理として行われるようにしてもよい。また、阻止処理に先立って、尿糖計本体14に装着されているセンサカートリッジ12を尿糖計本体14から取り外すことを指示するメッセージを表示装置16に表示する処理(表示処理)もエラー処理として行われるようにしてもよい。また、尿糖計本体14に装着されているセンサカートリッジ12の種類が具体的に特定された場合は、阻止処理に先立って、センサカートリッジ12の種類を表示装置16に表示する処理もエラー処理として行われるようにしてもよい。
【0057】
以上説明したように、センサカートリッジ12は、分圧用負荷30を備えている。分圧用負荷30は、尿糖センサ22の種類毎に予め定められた抵抗値を有しており、A/D変換器42の入力ポート42Aに接続されたプルアップ用負荷66に直列に接続される。従って、センサカートリッジ12が尿糖計本体14に装着されると、直列回路70から得られる分圧が入力ポート42Aに供給され、マイクロコンピュータ50により分圧値が認識される。マイクロコンピュータ50により認識される分圧値はセンサカートリッジ12の種類毎に異なるため、マイクロコンピュータ50により認識された分圧値から、尿糖計本体14に装着されているセンサカートリッジ12の種類が判別される。
【0058】
このように、本実施形態に係るセンサカートリッジ12によれば、出力特性が異なる複数種類のセンサカートリッジ12のうちの何れのセンサカートリッジ12が尿糖計本体14に装着されているかを簡易な構成で判別することができる。
【0059】
また、本実施形態に係るセンサカートリッジ12では、分圧用負荷30が、尿糖計本体14に含まれる既存のA/D変換器42の入力ポート42Aに接続されたプルアップ用負荷66に直列に接続される。これにより、尿糖計本体14に含まれる既存のA/D変換器42の入力ポート42Aに分圧が供給される。このように、本実施形態に係るセンサカートリッジ12によれば、既存のA/D変換器42の入力ポート42Aに分圧が供給されるので、分圧の供給に要する部品点数の増大を抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態に係るセンサカートリッジ12では、センサカートリッジ12のコネクタ28が尿糖計本体14のコネクタ48に接続されることで、分圧用負荷30がプルアップ用負荷66に直列に接続される。このように、本実施形態に係るセンサカートリッジ12によれば、センサカートリッジ12に含まれる分圧用負荷30と尿糖計本体14に含まれるプルアップ用負荷66とを簡易な構成で直列に接続することができる。
【0061】
更に、本実施形態に係る尿糖計10では、センサカートリッジ12のコネクタ28が尿糖計本体14のコネクタ48に接続されることで入力ポート42Aに入力された分圧アナログ信号により示される分圧値が所定の分圧値でない場合に、エラー処理として尿糖センサ22よる尿糖の検出を阻止する処理が行われる。従って、本実施形態に係る尿糖計10は、出力特性が異なる複数種類のセンサカートリッジ12が同じ尿糖計本体14に装着されて使用されることを抑制することができる。
【0062】
なお、上記実施形態では、A/D変換器42の入力ポート42A及びマイクロコンピュータ50の割り込みポート50Aにノード68が接続される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図7に示すように、割り込みポート50Aのみにノード68が接続されるようにしてもよい。割り込みポート50Aとは、割り込み信号が入力されるポートを指す。
【0063】
割り込みポート50Aには、マイクロコンピュータ50が割り込み信号の入力及び非入力(割り込み信号の有無)を識別するための閾値が付与されている。ここで、マイクロコンピュータ50は、割り込みポート50Aに閾値以上の電圧が供給(印加)された場合に、割り込み信号が割り込みポート50Aに入力されたと認識し、割り込みポート50Aに閾値以上の電圧が供給(印加)されていない場合に、割り込み信号が割り込みポート50Aに入力されていないと認識する。
【0064】
そのため、抵抗R1,R2の各々の抵抗値は、センサカートリッジ12が尿糖計本体14に装着された場合にノード68から得られた分圧が閾値未満の電圧で割り込みポート50Aに供給されるように定められている。これにより、マイクロコンピュータ50による割り込み信号の認識と分圧値の検出との両立が可能となる。
【0065】
なお、ノード68を割り込みポート50Aに接続することに代えて、マイクロコンピュータ50に備えられている既存の入力ポートに接続するようにしてもよい。既存の入力ポートの一例としては、スタンド検出リードスイッチ26による検出信号が入力される入力ポート又は操作ボタン36による操作信号が入力される入力ポートが挙げられる。
【0066】
また、上記実施形態では、分圧用負荷30として1つの抵抗R1が採用されている場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図8に示すようにショートパターン200A,200B,200C及び抵抗R1,R2,R3が並列に接続された並列回路204が分圧用負荷30として採用されるようにしてもよい。この場合、並列回路204に含まれるショートパターン200A,200B,200Cを、出荷対象とされるセンサカートリッジ12の種類に応じて選択的に切断することで、並列回路204の合成抵抗値を、出荷対象とされるセンサカートリッジ12の種類に対して予め定められた合成抵抗値にすればよい。
【0067】
具体的には、センサカートリッジ12の製造工程において、最終製品の状態で尿糖センサ22の出力特性を測定し、測定された出力特性に応じて、すなわち、尿糖センサ22の種類に応じてショートパターン200A,200B,200Cのうち、どのショートパターンを切断するかを決定する。そして、決定したショートパターンを例えばルーター式切断機等で切断する。また、ここでは、ショートパターン200A,200B,200Cを切断する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、抵抗R1,R2,R3も、出荷対象とされるセンサカートリッジ12の種類に応じて並列回路204から選択的に切り離すようにしてもよい。
【0068】
また、例えば、
図9に示すように、抵抗R1,R2,R3が直列に接続された直列回路208とショートパターン210とを含む回路212が分圧用負荷30として採用されるようにしてもよい。直列回路208の両端はショートパターン210により短絡しており、抵抗R1,R2,R3の各々の両端もショートパターン210により短絡している。ショートパターン210には、尿糖センサ22の種類に対応して切断対象箇所214A,214B,214Cが予め設けられている。この場合、切断対象箇所214A,214B,214Cを選択的に切断することで、回路212の合成抵抗値を、出荷対象とされるセンサカートリッジ12の種類に対して予め定められた合成抵抗値にすればよい。
【0069】
具体的には、センサカートリッジ12の製造工程において、最終製品の状態で尿糖センサ22の出力特性を測定し、測定された出力特性に応じて、すなわち、尿糖センサ22の種類に応じて切断対象箇所214A,214B,214Cのうち、どの切断対象箇所を切断するかを決定する。そして、決定した切断対象箇所を例えばルーター式切断機等で切断する。
【0070】
また、上記実施形態では、抵抗R1,R2を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コンデンサ、コイル等の他の負荷素子を用いてもよく、異なる種類の負荷素子を適宜組み合わせてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、測定物に含まれる測定対象成分を検出するセンサとして、尿に含まれる糖分を検出するバイオセンサを備えたセンサカートリッジ及び尿糖計に本発明を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。
【0072】
例えば、呼気中に含まれるアルコール成分を検出するアルコールセンサを備えたセンサカートリッジ及びアルコール測定装置に本発明を適用してもよい。また、グルコースセンサ、ブレスチェッカー、塩分計等に本発明を適用してもよい。すなわち、センサに寿命があり、交換可能なセンサカートリッジ及び測定装置であれば本発明を適用可能である。
【0073】
また、上記実施形態では、尿糖計本体14にセンサカートリッジ12が装着される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、尿糖計本体14と同様の機能をソフトウェア構成で実現可能なスマートデバイスやウェアラブル端末などの各種端末装置にケーブルを介してセンサカートリッジ12が接続されるようにしてもよい。この場合、分圧用負荷30が端末装置内のプルアップ用負荷66に直列に接続されるようにすればよい。