特許第6402372号(P6402372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402372
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】除雪機
(51)【国際特許分類】
   E01H 5/09 20060101AFI20181001BHJP
   E01H 5/04 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   E01H5/09 F
   E01H5/04 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-172591(P2014-172591)
(22)【出願日】2014年8月27日
(65)【公開番号】特開2016-47988(P2016-47988A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2017年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】391025914
【氏名又は名称】八鹿鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 宏志
【審査官】 西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−079619(JP,U)
【文献】 実開平01−090308(JP,U)
【文献】 実開昭64−037518(JP,U)
【文献】 特開2007−314961(JP,A)
【文献】 特開2000−142496(JP,A)
【文献】 実開平02−145355(JP,U)
【文献】 特開昭62−118136(JP,A)
【文献】 実開昭62−129422(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0202047(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 5/04
E01H 5/09
B60K 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行部の機体フレームの前部に除雪部を開放可能に取り付けた除雪機において、前記機体フレーム上にエンジンを搭載し、該エンジンの出力軸上に走行出力プーリと嵌合部材を設け、該走行出力プーリからベルト、走行入力プーリを介して機体フレームに設けた変速装置に動力を伝達可能とするとともに、前記除雪部の後面には、除雪出力軸と、該除雪出力軸上に設けられる除雪出力プーリと、除雪出力軸上に設けられ前記嵌合部材と嵌合可能とする被嵌合部材と、除雪入力軸上に固設される除雪入力プーリと、前記除雪出力プーリと前記除雪入力プーリとの間に巻回されるベルトを緊張可能なテンションプーリとが配置されることを特徴とする除雪機。
【請求項2】
前記テンションプーリを支持するテンションアームには嵌合部が形成され、該嵌合部に嵌合する嵌合体が機体フレームに設けられ、該嵌合体は連動部材を介して操作部に設けられる除雪クラッチレバーと連結されることを特徴とする請求項1に記載の除雪機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪機の走行部の前部に配置される除雪部を側方に開放して、エンジンからの動力伝達部のメンテナンス等を容易にできるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、除雪機の機体フレームの前部に掻込オーガやブロア等を配置した除雪部を、機体フレームに対して着脱可能、または、側方に回動して開放可能に構成した技術は、公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記除雪機のエンジンの出力軸には、走行出力プーリと除雪出力プーリが固設され、走行出力プーリからはベルトを介して変速装置の入力軸上に固設した走行入力プーリに動力が伝達され、除雪出力プーリからはベルトを介してブロアケースから後方に突出した除雪入力軸上に固設した除雪入力プーリに動力が伝達される構成としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−314961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記除雪出力プーリは機体フレーム側に配置され、前記除雪入力プーリは除雪部側に配置されていたために除雪部を開放しようとすると、除雪出力プーリと除雪入力プーリとの間に配置されるテンションプーリを緩めてベルトを外さなければならなかった。従って、ベルトを外すには、プーリやベルトを覆うカバーを外して、テンションを緩めなければならず、開放するための作業が面倒であった。また、開放後においては、除雪出力プーリと除雪入力プーリとは別々に配置されるため、ベルトのテンションを調節することはできず、除雪部を機体フレーム側に合体させた状態でしかテンション調節ができないので、狭い空間で作業をしなければならず面倒な作業となっていた。
そこで本発明は、ベルト交換やテンション調節等が容易にできる除雪機を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、走行部の機体フレームの前部に除雪部を開放可能に取り付けた除雪機において、前記機体フレーム上にエンジンを搭載し、該エンジンの出力軸上に走行出力プーリと嵌合部材を設け、該走行出力プーリからベルト、走行入力プーリを介して機体フレームに設けた変速装置に動力を伝達可能とするとともに、前記除雪部の後面には、除雪出力軸と、該除雪出力軸上に設けられる除雪出力プーリと、除雪出力軸上に設けられ前記嵌合部材と嵌合可能とする被嵌合部材と、除雪入力軸上に固設される除雪入力プーリと、前記除雪出力プーリと前記除雪入力プーリとの間に巻回されるベルトを緊張可能なテンションプーリとが配置されるものである。
【0007】
請求項2においては、前記テンションプーリを支持するテンションアームには嵌合部が形成され、該嵌合部に嵌合する嵌合体が機体フレームに設けられ、該嵌合体は連動部材を介して操作部に設けられる除雪クラッチレバーと連結されるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、除雪部を開放すると、除雪部側に除雪出力プーリと除雪入力プーリとテンションプーリとベルトが取り付けられたままとなり、除雪部を開放するだけで容易にメンテナンス等ができるようになる。また、開放または合体操作と同時に嵌合部材と被嵌合部材の着脱が行われ、動力伝達経路の嵌合離脱操作を行う必要がなく開放できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係わる除雪機の全体構成を示す側面図。
図2】同じく平面図。
図3】開放状態の本機側の正面図。
図4】開放状態の除雪部の後面図。
図5】エンジンの出力軸部分と変速装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
なお、図中の矢印Fで示す方向を除雪機の前進方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの前進方向を基準とする。
【0011】
図1図2において、除雪機100の全体構成から説明する。除雪機100は除雪部1と走行部20からなり、走行部20の機体フレーム9の前部に除雪部1が側方に回動開放、及び、着脱可能に取り付けられる。除雪部1はブロア、掻込オーガ45、投雪シュート47等からなり、ブロアは掻き込んで砕かれた雪を飛ばすものであり、走行部20の機体フレーム9の前端に連設したブロアカバー46内に収納され、駆動源となるエンジン60からの動力により駆動される。ブロアカバー46は筒状に構成して、上部に左右回動可能に投雪シュート47を突出し、前部にオーガカバー48を連設している。オーガカバー48は前面を開放し、左右水平方向に螺旋軸を支持し、螺旋状に形成した掻込オーガ45を螺旋軸上に固定してオーガカバー48内に収納している。
【0012】
前記ブロアは円筒状のブロアカバー46の前後方向の中心にブロア軸が設けられ、ブロア軸の後端は後述する除雪入力軸81と連接され、ブロア軸の前端はベベルギヤを介して掻込オーガ45のオーガ軸45aと連動される。こうして、エンジン60からの動力が除雪入力軸81から掻込オーガ45に伝えられて、該掻込オーガ45の回動によって雪を砕いて中央側へ掻き込み、ブロアによって上方へ吹き飛ばし、投雪シュート47によってガイドされて任意の方向へ排出できるようにしている。
【0013】
前記投雪シュート47は、下部が筒状でその上部は前面が解放されて、徐々に前方へ曲げられている。投雪シュート47の下端はブロアカバー46の上部に連通するとともに、左右回転可能に嵌合され、投雪シュート47の下部に形成したギヤ状のフランジ部に歯合させた歯部を投雪シュートモータの駆動軸上に設けた歯部と歯合させ、操作部に設けた操作レバーを操作することで回動する構成としている。前記投雪シュート47の上端には、投雪距離を調節するための投雪キャップ49が配設されている。
【0014】
ブロアカバー46の後部は前後方向の軸心となる除雪入力軸81を中心に回動自在に除雪部取付ブラケット49と連接される。ブロアカバー46と除雪部取付ブラケット49との間には回動アクチュエータとなる電動シリンダ43が介装され、該電動シリンダ43を作動させることにより掻込オーガ45や投雪シュート47等を左右傾倒させ除雪面に合わせられるようにしている。
【0015】
前記機体フレーム9の左右両側部にはクローラ式走行装置50・50が配置され、クローラ式走行装置50はトラックフレーム42の前部に駆動輪軸4が支持され、該駆動輪軸4の端部に駆動輪2が固設され、トラックフレーム42の後部には従動輪軸11が横架され、該従動輪軸11に従動輪3が回転自在に軸支され、該従動輪3と駆動輪2との間にクローラベルト5を巻回して、クローラ式走行装置50を構成している。つまり、駆動輪2、従動輪3、クローラベルト5、トラックフレーム42等により、クローラ式走行装置50を構成している。
【0016】
前記トラックフレーム42の両内側面の後部より後上方に、左右一対のハンドル10・10が突出され、該ハンドル10・10の上部に操作部40が形成されている。つまり、ハンドル10・10の下端がトラックフレーム42の後部内側に固設され、左右のハンドル10・10の上部間に操作ボックス14が配置され、操作ボックス14上に主変速レバー53とアクセルレバー51が配設され、左側のハンドル10の後部上に主クラッチレバー52が配設され、右側のハンドル10後部上に除雪クラッチレバー55が配設されている。前記主クラッチレバー52と除雪クラッチレバー55は握っているときのみ作動し、放すと停止するデッドマンクラッチレバーとしている。左右のハンドル10・10下部にはサイドクラッチレバー54・54が配設される。
【0017】
前記機体フレーム9上にはエンジン60が載置され、該エンジン60の前部より出力軸61が突出されて、該出力軸61上に走行出力プーリ62が固設されている。図3図5に示すように、前記機体フレーム9の下部内に摩擦円板式無段変速装置21が配置され、該摩擦円板式無段変速装置21の入力軸25が機体フレーム9の前面より突出され、該入力軸25の前端に走行入力プーリ26が固設される。そして、前記走行出力プーリ62と走行入力プーリ26との間にベルト63が巻回され、テンションプーリ27により緊張されて、ベルトテンション式の主クラッチを構成している。このベルトテンション式の主クラッチはカバー66によりおおわれる。
こうして、エンジン60からの動力が、出力軸61、走行出力プーリ62、ベルト63、走行入力プーリ26、走行入力軸25を介して、摩擦円板式無段変速装置21に動力が伝達されるようにしている。なお、テンションプーリ27を回転自在に支持するテンションアーム28はワイヤ等を介して主クラッチレバー52と連結され、主クラッチレバー52の操作で動力の断接操作を可能としている。
【0018】
また、前記出力軸61の前端には嵌合部材82が固設される。該嵌合部材82に嵌合可能に被嵌合部材83が前記除雪部取付ブラケット49より後方に突設した除雪出力軸84に固設される。嵌合部材82と被嵌合部材83は、スプライン軸とスプラインボスまたは爪クラッチ等で構成され、軸心方向に一方または他方を移動させることで、嵌合と解除ができ、嵌合させた状態で出力軸61から除雪出力軸84に動力が伝達されるようにしている。
【0019】
図4図5に示すように、前記除雪部取付ブラケット49の左右方向の垂直面の上部の左右中央に、前記除雪出力軸84が後方に突設され、下部の左右中央に除雪入力軸81が前後方向に回転自在に支持される。除雪出力軸84上には除雪出力プーリ85が固設され、除雪入力軸81上には除雪入力プーリ86が固設される。除雪出力プーリ85と除雪入力プーリ86との間にはベルト87が巻回され、該ベルト87はテンションプーリ88により緊張可能に構成され、ベルトテンション式の除雪クラッチを構成している。このベルトテンション式の除雪クラッチは除雪部取付ブラケット49の後部に形成されるカバー部49aにより覆われる。
【0020】
前記テンションプーリ88はテンションアーム89の一端に回転自在に支持され、テンションアーム89の中途部は除雪部取付ブラケット49に回転自在に支持され、テンションアーム89の中途部にはバネ90が係止されてベルト87を弛緩する(クラッチ「切」)方向に付勢されている。
【0021】
前記テンションアーム89には、嵌合部91が形成され、該嵌合部91に嵌合する嵌合体92が機体フレーム9側に設けた回動アーム93に形成され、該回動アーム93はワイヤ等の連動部材を介して操作部40に設けられた除雪クラッチレバー55と連結される。前記嵌合部91と嵌合体92は嵌合することで、テンションアーム89と回動アーム93が同時に一体的に回動するものであればよく限定せず、本実施形態では嵌合部91はピン孔とし、嵌合体92はピンとしている。該嵌合体92は回動アーム93の先端に取り付けられ、該回動アーム93の回動軸心は前記テンションアーム89の回動軸心と一致させて機体フレーム9に取り付けられ、嵌合部91と嵌合体92も回動軸心からの距離を一致させている。そして、回動アーム93はバネ94で付勢され、除雪クラッチ「切」時に嵌合部91と嵌合体92の位置が一致するように配設される。
【0022】
こうして、除雪部1を走行部20に合体させたときには、嵌合部91と嵌合体92が嵌合し、除雪クラッチレバー55を回動すると、ワイヤを介して回動アーム93が回動され、嵌合部91と嵌合体92を介してテンションアーム89が回動されて、ベルト87を緊張し、除雪クラッチ「入」としてエンジン60からの動力を除雪入力プーリ86に伝達できるようにしている。また、後述するように、除雪部1を側方に回動して開放すると、嵌合部91は嵌合体92から外れ(ピンがピン孔から抜け)、テンションアーム89を操作することはできない。
【0023】
また、前記除雪部取付ブラケット49の前部には、前記ブロアカバー46の後面に回動可能に嵌合する嵌合部を形成し、左右方向の垂直面の後部はカバー部49aを形成している。該カバー部49aは機体フレーム9の前面に形成したカバー66に嵌合できるように構成され、除雪部取付ブラケット49のカバー部49aと機体フレーム9のカバー66で構成したケース内に、ベルトテンション式の主クラッチとベルトテンション式の除雪クラッチ(走行出力プーリ62やベルト63や除雪出力プーリ85や除雪入力プーリ86やベルト87やテンションプーリ88等)を収納できるようにしている。
【0024】
前記除雪部取付ブラケット49の左右一側(本実施形態では左側)には枢支部64が形成され、左右他側(本実施形態では右側)にロック部65が形成されている。前記枢支部64はパイプと支持軸により、一方を軸方向に摺動させて抜けるようにして、除雪部1を着脱可能に構成している。但し、蝶番で構成して回転自在に支持してもよくその構成は限定するものではない。なお、枢支部64はクローラ式走行装置50の前端よりも前方に配置して、除雪部1が大きく開放できるようにしている。
【0025】
また、ロック部65は、除雪部取付ブラケット49と機体フレーム9のいずれか一方に固定凹部を設け、他方にロックアームを設けて、ロックアームの回動により固定凹部に係合してロックする構成としている。但し、ロック部65のロックするための構成は限定するものではなく、ボルト等で固定する構成であってもよい。
【0026】
以上のような構成において、エンジン60からの動力は、出力軸61より走行出力プーリ62、ベルト63、入力プーリ26を介して摩擦円板式無段変速装置21の入力軸25に伝えられて、変速され、クローラ式走行装置50に動力が伝達されて走行することができる。
【0027】
また、除雪部1を機体フレーム9に合体させてロック部65においてロックした状態では、嵌合部材82と被嵌合部材83が嵌合し、エンジン60からの動力は、前記入力軸61より、嵌合部材82、被嵌合部材83、除雪出力軸84、除雪出力プーリ85、ベルト87、除雪入力プーリ86を介して除雪入力軸81に動力を伝達し、ブロアや掻込オーガ45を駆動することができる。このとき、嵌合部91と嵌合体92は嵌合状態となっており、テンションアーム89を除雪クラッチレバー55の操作により回動可能としている。
【0028】
前記ロック部65を解除して、枢支部64を中心に除雪部1を側方に回動して開放状態とすると、被嵌合部材83が嵌合部材82から離脱し、エンジン60からの動力は伝達されなくなる。また、嵌合部91は嵌合体92から外れ、除雪クラッチレバー55による操作もできなくなる。
【0029】
この除雪部1が側方に回動されて開放された状態では、走行出力プーリ62、ベルト63、入力プーリ26等で構成された走行ベルトテンション式のクラッチ部分が開放され、ベルト63の交換や、テンションの調整が容易に行える。
また、開放された状態の除雪部取付ブラケット49の後面には、除雪出力プーリ85や除雪入力プーリ86やベルト87やテンションプーリ88等が露出し、ベルト87の交換やテンションアーム89のテンション調整が容易に行えるようになるのである。このとき、従来では、ベルト87が外れた状態となっていたので、ベルト87のテンション調節はできなかった。また、ベルト87を外さないと除雪部1を開放することができなかった。
【0030】
以上のように、走行部20の機体フレーム9の前部に除雪部1を開放可能に取り付けた除雪機100において、前記機体フレーム9上にエンジン60を搭載し、該エンジン60の出力軸61上に走行出力プーリ62と嵌合部材82を設け、該走行出力プーリ62からベルト63、走行入力プーリ26を介して機体フレーム9に設けた変速装置21に動力を伝達可能とするとともに、前記除雪部1の後面には、除雪出力軸84と、該除雪出力軸84上に設けられる除雪出力プーリ85と、除雪出力軸84上に設けられ前記嵌合部材82と嵌合可能とする被嵌合部材83と、テンションプーリ88と、除雪入力軸81上に固設される除雪入力プーリ86が配置されるので、除雪部1を開放するときには、除雪部1側に除雪出力プーリ85と除雪入力プーリ86とテンションプーリ88とベルト87が取り付けられたままとなり、除雪部1を開放するだけで容易にメンテナンス等ができるようになる。また、開放または合体操作と同時に嵌合部材82と被嵌合部材83の着脱が行われ、動力伝達経路の嵌合離脱操作を行う必要がなく開放できる。
【0031】
また、テンションプーリ88を支持するテンションアーム89には嵌合部91が形成され、該嵌合部91に嵌合する嵌合体92が機体フレーム9に設けられ、該嵌合体92は連動部材を介して操作部40に設けられる除雪クラッチレバー55と連結されるので、除雪部1を開放したときに、嵌合部91と嵌合体92が離脱し、連動部材を外す操作が不要となり、メンテナンス時の手間を省き、操作性を往生できる。
【0032】
なお、本実施形態では除雪部1は側方に回動して開放する構成としたが、上方へ回動したり、前方へ完全に外すことも可能であり、開放時に除雪部1側にベルトテンション式のクラッチが残る構成であればよい。また、変速装置は摩擦円板式無段変速装置21としたが油圧式変速装置や歯車摺動式変速装置等でもよく限定するものではない。
【符号の説明】
【0033】
1 除雪部
9 機体フレーム
10 ハンドル
20 走行部
21 摩擦円板式無段変速装置
26 走行入力プーリ
60 エンジン
61 出力軸
62 走行出力プーリ
63 ベルト
84 除雪出力軸
85 除雪出力プーリ
82 嵌合部材
83 被嵌合部材
88 テンションプーリ
81 除雪入力軸
86 除雪入力プーリ
100 除雪機



図1
図2
図3
図4
図5