(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
なお、遊技機には、パチンコ機,スロットマシン,アレンジボール機,雀球機等、遊技球やメダル等の遊技媒体を使用して遊技を行う各種の遊技機が含まれ、本実施形態においては、スロットマシンを例に挙げて説明する。
【0011】
[スロットマシン本体]
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの正面図、
図2は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図、
図3は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0013】
スロットマシン1は、内部がマイクロコンピュータ等で構成された制御部30、後述するパネル部6の光源であるLED671を制御する演出制御部31、及び必要な機械、装置等を収納する正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成されている。
【0014】
前扉1aは、
図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る操作部4が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0015】
操作部4には、メダルが投入されるメダル投入口40と、各リール21a,21b,21cの回転を始動させるスタートレバー41と、回転している各リール21a,21b,21cを停止させる3つの停止ボタン42a,42b,42cが設けられている。
【0016】
前扉1aには、各リール21a,21b,21cに表示された図柄を視認可能とする表示窓5が、操作部4の上側に設けられる。
また、前扉1aには、機種の名称等を表す文字や機種に関連するキャラクタの絵柄等のデザインが表示されるパネル部6が、操作部4の下側に設けられる。
また、前扉1aには、効果音等が出力されるスピーカ7が、例えばパネル部6の下側に設けられる。
【0017】
筐体1bの中央には、リール21a,21b,21cと、各リール21a,21b,21cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等を備えるドラムユニット2が設けられる。
【0018】
また、筐体1bの下部には、メダルを貯留・払出するメダル払出装置8が設けられる。メダル払出装置8には、メダルを貯留するホッパー80が設けられ、メダル投入口40より投入されたメダルは、メダルセレクタ81により検出されるとともに、ホッパー80に誘導されるようになっている。
【0019】
制御部30は、筐体1bの奥側に配置されている。この制御部30は、図示しないCPU、ROMなどの電子部品が搭載され、CPUがROMに記憶された遊技プログラムを実行処理することで、遊技進行に関する制御動作を行う。
具体的には、遊技者がスタートレバー41及び停止ボタン42を操作するとスタート信号やストップ信号が出力され、制御部30は、これらの信号を入力するとリール21a〜21cを回転及び停止させる。
これにより、各リール21a〜21cに付された図柄を所定の入賞配列になるように揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
また、制御部30は、図示しない通信ケーブルを介して演出制御部31と通信可能に接続されており、スロットマシン1の遊技進行に伴って所定の信号が演出制御部31に出力される。
【0020】
演出制御部31は、前扉1の裏側上部に配置されている。この演出制御部31は、図示しないCPU、ROMなどの電子部品が搭載され、CPUがROMに記憶された演出プログラムを実行処理することで、遊技演出に関する制御動作を行う。
例えば、遊技進行を示す信号としてボーナス遊技の開始を指示する信号を入力したときには、スピーカ7を介して効果音を出力させたり、LED671を点灯・点滅させる。
このうち、LED671は、パネル部6に設けられ、その点灯・点滅に応じ、パネル上に文字や絵柄が表示されるようになっている。
特に、パネル部6は、LED671からの光をパネル全体に均一の明るさで効率よく照射させるための特徴的な構成を備えている。
以下、パネル部6について説明する。
【0021】
[パネル部]
図4は、本実施形態のパネル部の分解斜視図であり、
図5は、パネル部の正面図及び断面図である。また、
図6〜9は、パネルの各構成部の六面図及び斜視図である。また、
図10〜12は、パネル部の各種態様を示す図である。
図4,5等に示すように、本実施形態のパネル部6は、操作部4の下部における下パネル凹部69に、複数のLED671(点光源)を有するLED基板67(光源部)と、LED基板67の正面側を覆いLED671からの照射光を拡散する照明光拡散カバー66(拡散カバー)と、前側パネル62、絵柄シート63、ちぢみシート64、及び後側パネル65からなるパネル60と、下パネル枠61と、を備える。
【0022】
このうち、照明光拡散カバー66は、後側パネル65とLED基板67の間に配置するとともに、後側パネル65とは所定の間隔をおいて配置するようにしている(
図5(b)参照)。例えば、本実施形態の照明光拡散カバー66は、その表面(凸面)662が、後側パネル65の後側パネル面658から15mm程度離れるようにしている。
このようにすることで、照明光拡散カバー66により拡散された光を、パネル60に到達するまでに更に拡散させることができる。
また、照明光拡散カバー66は、凹形状(本実施形態ではトレイ状)を有しており、凹部を光源側に向けて配置するようにしている。
このため、照明光拡散カバー66からパネル60側に照射される光は、その形状に基づき広範に射出されるようになっている。
以下、パネル部6の各構成について詳細に説明する。
【0023】
(LED)
LED671は、指向性が高い点光源であり、照射域が狭い光源として知られている。
本実施形態では、このようなLED671を、パネル60を照射するための光源として用いる。
具体的には、複数のLED671を、長尺のLED基板67上に直線状に並べ、これを複数列設ける。
LED基板67は、照射部を正面側に向けた状態で取付板68(取付台座681)に取り付けることで、パネル60を、その裏面側から照明することができる(
図5(b),
図10等参照)。
なお、本実施形態では、2つのLED基板67を取付板68に上下平行に取り付けるようにしているが、LED基板67は、2つに限らず、1つ、又は、3つ以上でもよい。
また、複数のLED671をチューブに入れるなどして製作された棒状の光源を、上記配列に沿って取り付ける態様であってもよい。
また、LED671単体を個々に取り付けることもできる。
【0024】
(照明光拡散カバー)
照明光拡散カバー66は、光を拡散させるための拡散部材であり、これを、LED基板67とパネル60との間に設置することで、パネル60が照明光拡散カバー66を介して均一の明るさで照射される。
照明光拡散カバー66は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)やポリカーボネイトなどの樹脂に、所定の無機系粒子や有機系微粒子の拡散剤を配合し、これを一定の肉厚に成形した乳白色半透明の樹脂板を用いる。
【0025】
特に、本実施形態の照明光拡散カバー66は、トレイ状の形状からなり、パネル面より小さい矩形平面状の底部と、底部の周縁をラウンド状(曲面状)にした周縁部664とを備える。
照明光拡散カバー66は、
図4,5に示すように、底部の裏面(凹面)663をLED671側に向け、上下辺の取付イヤ661を取付板68の図示しない取付孔にビス止めすることで取り付ける(
図9〜11参照)。
また、本実施形態の照明光拡散カバー66は、裏面(凹面)663側における開口境界面の近傍にLED671が配置するように取り付けられる(
図5(b)参照)。
【0026】
このようにすると、LED671と照明光拡散カバー66とが間隔をおいて配置されるため、LED671から発せられた光のうち低指向成分(つまり、LED671から斜め方向に射出される光)を拡散光として効率よく取り入れることができる。
ただし、LED671と照明光拡散カバー66との間隔が大きすぎると照度が著しく低下する。
このため、照明光拡散カバー66は、これらのバランスを考慮し、LED671との間隔が適切(例えば、12mm程度)となるように取り付けることが好ましい。
【0027】
また、本実施形態の照明光拡散カバー66は、取付板68に取り付けたときに、上段のLED基板67が上部周縁部664の近傍に配置するようにしている(
図5(b),
図11参照)。
このため、LED671からの入射光を上部周縁部664の隅々まで、減衰なく拡散させることができ、パネル60の上部方向に対し、より広く光を照射することができる。
また、このようにすると、パネル60より小さい照明光拡散カバー66を用いることができ、このようなコンパクトな照明光拡散カバー66に対応し、少ない光源で効率よくパネル60を照射することができる。
さらに、
図5(b)に示すように、照明光拡散カバー66を斜め上方に向くように取り付けることもできる。
このようにすると、照明光拡散カバー66の下部周縁部664と取付板68との間に空間を生じさせることができる。
このため、LED671から発せられる熱をこの空間を通じて外部に放出させることができる。
【0028】
次に、照明光拡散カバーにおける光の拡散について
図13を参照しながら説明する。
図13に示すように、LED基板67に設置された各LED671からの照射光は、照明光拡散カバー66の裏面から入射すると、一部を除き、当該カバーの内部に散在する拡散剤と衝突することで不特定の方向に屈折して拡散する。
【0029】
拡散光は、一部が、照明光拡散カバー66の表面と外部空間との境界面(以下、境界面という。)から外部に射出され、それ以外は、境界面との反射や各拡散剤との衝突による拡散を繰り返しながら、周縁部664に向かって伝播する。
周縁部664に到達した光は、さらにラウンド状の境界面に沿って、反射等を繰り返しながら周縁部664の端部に向かって伝播し、そのうち、入射角の小さい(境界面に対し直角に近い)光は境界面の法線方向に射出される。
この結果、周縁部664の境界面からは、そのラウンド状の曲面に沿って光が放射状に射出される。
したがって、パネル60の全体を効率よく均一に照射することができる。
【0030】
(パネル)
パネル60は、
図4、5等に示すように、透明な後側パネル65と前側パネル62との間に、透明なシート上に所定の文字、絵柄が表記されその一部に所定のちぢみ加工を施した絵柄シート63を挟装して構成される。また、必要に応じ、透明なシートの全面にちぢみ加工を施したちぢみシート64を絵柄シート63と重ねて使用する。
【0031】
図6,7等に示すように、前側パネル62と後側パネル65は、相似の凹形状であり、前側パネル62の裏面凹部(前側パネル面627)に後側パネル65の正面凸部(後側パネル面658)を重ねることで、前側パネル62の上辺部621の各係止孔622に後側パネル65の上辺部651の各凸条部652が係止されるとともに、前側パネル62の下辺部623の各係止片624に設けられた各係止孔625に後側パネル65の下辺部655の各下辺係止爪656が係止され、これにより前側パネル62と後側パネル65とが一体化される。
【0032】
下パネル枠61は、
図4等に示すように、パネル60の周縁に取り付けられる枠体である。
図8に示すように、下パネル枠61の裏面の四隅には、前側パネル62の各切欠き626、及び、後側パネル65のビス孔657に対応した固定ボス613が設けられている。
このため、前側パネル62と後側パネル65を一体化した状態で、下パネル枠61を、前側パネル62の周縁に嵌め、後側パネル65の各ビス孔657からビス止めすることでパネル60と下パネル枠61とが一体化される。
【0033】
この状態で、下パネル枠61の各係止突出片611を、前扉1aの下パネル凹部69の下部に設けられた各係止孔692(
図11参照)にそれぞれ係止させつつ、後側パネル65の上辺係止爪653を、前扉1aの下パネル凹部69の上部に設けられた係止孔691に係止させることで、パネル60が前扉1aの下パネル凹部69に仮止めされる。
そして、前扉1aの裏側から取付板68の図示しない取付孔にビスを通し、後側パネル65の固定ボス654にビス止めすることで、パネル部6が前扉1aの下部に固定される(
図12参照)。
なお、下パネル枠61の上辺には、前扉1a内の機器との干渉を回避するための回避切欠き部612が設けられている。
【0034】
このように、パネル60は、絵柄シート63と、これを前後から挟む透明な前側パネル62及び後側パネル65とが分離可能に重なり合って、前扉1aに着脱可能に取り付けられる。
このため、パネル部6の全体を交換することなく、ユニット化されたパネル60だけを取り出して絵柄シート63を交換することができ、これにより表示内容を変更することができる。すなわち、絵柄シート63を交換することで、異なる機種に変更できるように、汎用化が図られている。
【0035】
ところで、照明光拡散カバー66によっても、拡散剤の含有量が少ない場合やLED671の輝度が高い場合は、パネル60において粒状光の表示を回避できない場合がある。
このような場合、拡散剤の含有量を増やしたり、LED671の輝度を下げることによって目立たなくすることもできる。
しかしながら、拡散剤の含有量は照明光拡散カバー66の製造後に調整を行うことはできず、また、LED671の輝度を下げる調整によってパネル60全体の明るさが不足することもある。
そこで、本実施形態では、ちぢみ加工が施された絵柄シート63やちぢみシート64を用い、これらの表面に施された凹凸における光の乱反射を利用することによって、上記調整を行うことなく、粒状光を目立たなくしつつ、固有の視覚効果が得られるようにしている。
以下、このような絵柄シート63等について説明する。
【0036】
絵柄シート63は、シルク印刷工法等によって、樹脂製の透明シート等の基材の表面に文字や絵柄等のデザインを所望の色で印刷し、その最終工程において、シートの絵柄部分又は全体に亘ってちぢみ加工(印刷)を施すことで生成することができる。なお、「ちぢみ」とは、皺状の模様のことをいう。
【0037】
ちぢみ加工では、まず、当該加工により視覚効果を生じさせる領域(ちぢみ領域)を除き、光の拡散性の高い白インクを印刷する。
次に、ちぢみ印刷用の透明(又は不透明)の特殊インクを、ちぢみ領域に印刷し、その後、紫外線の照射により乾燥させる工程において、乾燥時間を調整することで、ちぢみ状の凸凹をシートの表面に形成する。なお、本実施形態のように、ちぢみ領域を含むシート全面に特殊インクを印刷してもよい(
図14参照)。
この結果、
図14(a)に示すように、基材の樹脂シートに相当するベース層631と、絵柄等のデザインが印刷された絵柄層632と、白インクが印刷された白インク層633と、上記ちぢみ加工による凹凸層634と、からなる積層構造の絵柄シート63が生成される。
【0038】
この絵柄シート63に対し、裏面から高輝度の光が照射されると、白インク層633が積層されていない領域(A領域)では、凹凸層634で乱反射された光がベース層631を透過してパネル60の表面に表れる。
他方、白インク層633が積層されている領域(B領域)では、乱反射された光は白インク層633を透過せず、白インクが有する光の拡散機能によって領域全体に光が拡散される。
このため、白インク層633の領域は、全体が均一の明るさで照射され、ちぢみ領域は、高輝度の光が乱反射されてギラギラ輝いて表示される視覚効果を奏する。
【0039】
次に、
図14を参照しながら、上記視覚効果について説明する。
なお、
図14に示すように、絵柄層632が施された領域のうち、裏面に白インク層633が施されていない領域をA領域とし、裏面に白インク層633が施されている領域をB領域とする。
また、パネル60を取り付けたときに、A領域とLED671の配置が一致するように、絵柄の構図やLED基板67の位置を調整しておく。つまり、A領域に高輝度・高指向性の光が到達して粒状光が発生し易いようにしておく。
【0040】
図14(a)において、まず、LED671から発せられた光は、照明光拡散カバー66に入射すると拡散され、その拡散光が後側パネル65を透過して絵柄シート63の裏面に到達する。ただし、A領域のように、LED671の位置に対応する部分については、高輝度の光が絵柄シート63の裏面に到達する。
絵柄シート63の裏面に到達した光は、凹凸層634で乱反射される。
このうち、白インク層633が積層されていないA領域では、ベース層631を透過して絵柄層632に到達する。
このため、A領域では、LED671からの高輝度の光が乱反射によってギラギラ輝く視覚効果を奏し、また、このような視覚効果によって、粒状光が目立たなくなる。
【0041】
他方、白インク層633が積層されているB領域では、白インクの拡散機能によって光がB領域内を拡散する。
このため、B領域では、照明光拡散カバー66で拡散された光が、さらに、色インクの機能によって拡散される。
この結果、B領域でも、粒状光は目立たず、また、より均一に光が照射されるため、A領域とB領域とのコントラストによって、A領域における視覚効果を強調させることができる。
【0042】
次に、ちぢみ加工が全面に施されたちぢみシート64について説明する。
ちぢみシート64は、基材の樹脂シートに相当するベース層641と上記ちぢみ加工による凹凸層642とが積層されて生成される(
図14(b)参照)。
ちぢみシート64は、例えば、絵柄シート63のちぢみ加工による視覚効果だけでは粒状光の発生を防げない場合に、絵柄シート63とともに使用することでその解消を図ることができる。
具体的には、ちぢみシート64と絵柄シート63とを、絵柄シート63が正面側になるようにして、前側パネル62と後側パネル65の間に挟装して用いる(
図4,14(b)参照)。
【0043】
図14(b)において、まず、LED671から発せられた光は、照明光拡散カバー66に入射すると拡散され、その拡散光が後側パネル65を透過してちぢみシート64の裏面に到達する。ただし、A領域のように、LED671の位置に対応する部分については、高輝度の光がちぢみシート64の裏面に到達する。
ちぢみシート64の裏面に到達した光は、凹凸層642で乱反射され、ベース層641を透過して絵柄シート63の裏面に到達する。
このうち、白インク層633が積層されていないA領域では、ベース層631を透過して絵柄層632に到達する。
このため、A領域では、高輝度の乱反射光が、さらに凹凸層634で乱反射され、この結果、より緻密にギラギラ輝き、また、このような視覚効果によって、粒状光が一層目立たなくなる。
【0044】
つまり、絵柄シート63とちぢみシート64とを併せて用いることによって、絵柄シート63だけを用いた場合に比べ、A領域をより緻密な光でギラギラ輝かせることができ、このため、A領域における粒状光をより目立たなくすることができる。
なお、B領域については、絵柄シート63を単独で用いた場合とほぼ同様の作用効果を奏するため、具体的な説明については省略する。
【0045】
以上述べたように、絵柄シート63にちぢみ加工を施すことによって固有の視覚効果を得ることができ、また、ちぢみシート64を併せて用いるか否かによって視覚効果を調整することができるようにしている。
なお、このような視覚効果の調整は、ちぢみシート64を用いず、絵柄シート63におけるちぢみ加工における凹凸の程度(凹凸の密度等)に変化を加えることによって、絵柄シート63だけでも実施可能である。
ただし、絵柄シート63は、シルク印刷等によって絵柄の印刷を施したものであり、単にちぢみ加工を施しただけのちぢみシート64に比べ高価である。
このため、ちぢみシート64を併用することで、所望の視覚効果を安価に得ることができる。
【0046】
以上、本発明の遊技機によれば、照明光拡散カバー66をパネル60の裏面側の所定の位置に取り付けることによって、LED(点光源)等、照射域が狭い光源からの光を効果的に拡散させることができるので、パネル全体を均一の明るさで照射することができる。
また、絵柄シート63等に施した凹凸の乱反射を利用することによって、粒状光を視認できないように固有の視覚効果を奏することができる。
また、このような視覚効果を、ちぢみ加工を施したちぢみシート64を用いることで安価に調整することもできる。
【0047】
さらに、本実施形態のようにパネル全面を一様に照射し、均一の明るさで表示することを可能とすることで、パネル部6を介して行われる不正行為を発見し易くすることができる。
例えば、ドリル等の工具を用いて前側パネル62の任意の領域に、取付板68に至る貫通孔を開け、導線等を用いて遊技信号を変化させて遊技を有利にするような不正行為があった場合には、照明光拡散カバー66の孔からはLED671からの高輝度の照射光が漏れ出て絵柄シート63の一部に投影される。
このため、店員は、このような不自然な投影に基づいて不正行為を容易に発見することができる。
これに対し、特許文献1に記載の技術においては、次のような問題があった。
LEDは、点光源であるとともに一般には指向性が高い。
このため、LEDをバックライトとして用いた場合、パネルでは、LEDに対応する箇所が粒状に表示され、見栄えが悪い。
また、複数のLEDを透明又は半透明のチューブに入れるなどして製作される短い棒状の光源を用い、これを断続的に複数配置してパネルを照射する方法も考えられる。
ところが、棒状光源は、点光源ほどではないが、照射域が狭く、これを如何に配置しても、パネル上では、明るさにムラが生じてしまう。
これに対し、本発明に係る遊技機は、照射域が狭い所定の光源を用いつつも、パネル全体を均一の明るさで照射することができるため、上述したような従来の技術が有する問題を解決することができる。
【0048】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、ちぢみシート64を絵柄シート63に直接貼り付けて用いてもよい。
また、上記実施形態では、絵柄シート63やちぢみシート64にちぢみ加工を施すようにしているが、ちぢみ加工を施した絵柄シート63だけを用いてもよく、また、ちぢみ加工を施さない絵柄シート63とちぢみシート64を組合せることによって本発明を構成することもできる。
また、パネル60を構成する前側パネル62や後側パネル65のいずれか、又は、双方に、ちぢみ加工を施すようにすることもできる。
また、上記実施形態では、点光源であるLED671(LED基板67)を取付板68に配列した例について説明したが、点光源に限らず、例えば、短い棒状光源を断続的に取付板68に配列する態様であってもよい。
この場合であっても、棒状光源からの光は、照明光拡散カバー66により効果的に拡散され、パネル全体を均一の明るさで照射することができる。