【実施例1】
【0017】
図1から
図6を用いて本発明の実施例1に係る電動車両の充放電電流量表示装置について説明する。
図1に示すように、本実施例において電動車両1は、バッテリー(蓄電手段)11に蓄積された電力を用いて当該電動車両1内に搭載された電動モーター12を駆動することによって走行する。供給電力は、給電部14に接続された充電用コネクタ2を介して外部電源から供給され、充電器13を介してバッテリー11に蓄電される。
【0018】
図2に示すように、本実施例において給電部14には、通常充電口141及び急速充電口142に加えて、通常充電用電流量表示部(電流量表示手段)143A,急速充電用電流量表示部(電流量表示手段)143Bが設けられている。以下、通常充電用電流量表示部143Aおよび急速充電用電流量表示部143Bを総称する場合は「電流量表示部143」と称する。
【0019】
通常充電口141には、外部電源(充電施設)から伸びる低圧電力ケーブルの一端に設けられた通常充電用コネクタ2A(
図4参照)が着脱可能に接続される通常充電用ソケット141aが設けられている。また、急速充電口142には、外部電源(充電施設)から伸びる高圧電力ケーブルの一端に設けられた急速充電用コネクタ2B(
図1参照)が着脱可能に接続される急速充電用ソケット142aが設けられている。
【0020】
通常充電用電流量表示部143A,急速充電用電流量表示部143Bは、充電時であれば通常充電口141,急速充電口142からバッテリー11へと流れるバッテリー11の充電電流量iを点灯又は消灯により表示し、放電時であればバッテリー11から通常充電口141,急速充電口142へと流れるバッテリー11の放電電流量iを点灯又は消灯により表示するものであり、それぞれ、例えば円環状に形成されて通常充電口141,急速充電口142の周囲を囲んでいる。
【0021】
具体的には、通常充電用電流量表示部143A,急速充電用電流量表示部143Bは、それぞれ周方向に沿って配設された、換言すると、同一円周上に並べられた四つの電流量表示領域(表示体)から構成されている。以下、電流量表示部143A,143Bの正面から見て左下の電流量表示領域を第一電流量表示領域143Aa,143Ba(総称する場合は「第一電流量表示領域143a」)、左上の電流量表示領域を第二電流量表示領域143Ab,143Bb(総称する場合は「第二電流量表示領域143b」)、右上の電流量表示領域を第三電流量表示領域143Ac,143Bc(総称する場合は「第三電流量表示領域143c」)、右下の電流量表示領域を第四電流量表示領域143Ad,143Bd(総称する場合は「第四電流量表示領域143d」)と称する。
【0022】
ここで、通常充電口141,急速充電口142とバッテリー11との間をそれぞれ電気的に接続する図示しないケーブルには、当該ケーブルを流れる電流量iを検出する電流センサ15(
図1参照)が設けられている。
図3に示すように、電流センサ15によって検出された電流量iは、信号化されて電流量表示制御部16に入力される。電流量表示制御部16は、信号処理回路16aと表示処理回路16bとを備え、信号処理回路16aにより電流センサ15から入力される信号を処理し、表示処理回路16bにより電流センサ15により検出された電流量iに基づき第一から第四電流量表示領域143a〜143dを点灯させるか消灯させるかを決定して電流量表示部143へ制御信号を送る。これにより、電流センサ15によって検出した電流量iに応じて第一から第四電流量表示領域143a〜143dの点灯又は消灯が制御される。
【0023】
なお、本実施例では、例えば
図4に示すように通常充電用ソケット141aに家庭充電用コネクタ2Aを接続してバッテリー11の充電を行う場合、電流量表示制御部16から入力される制御信号に基づき、通常充電用電流量表示部143Aが電流量iの大小に応じた表示を行う。また、急速充電用ソケット142aに高圧電力ケーブルの一端に設けられた急速充電用コネクタ2Bを接続してバッテリー11の充電を行う場合、電流量表示制御部16から入力される制御信号に基づき、急速充電用電流量表示部143Bが電流量iの大小に応じた表示を行う。
【0024】
以下、
図5及び
図6を用いて本実施例における電流量iの表示例を説明する。なお、
図6中、点灯している領域には斜線を付し、消灯している領域は白抜きで示している。これは、後述する
図7〜9についても同様である。
【0025】
図5に示すように、バッテリー11の充電は、充電量が所定の値(例えば、満充電を100%とした場合の80%程度)となるまで(
図5ではt=t0からt=t1まで)は定電流充電が行われる一方、充電量が所定の値以上である場合(
図5ではt=t1以降)には定電圧充電となり、充電量が増えるにしたがって電流量iは小さくなる。
【0026】
本実施例では、電流量iが0<i<i
1であれば、
図6(a)に示すように第一電流量表示領域143aを点灯させる一方第二〜第四電流量表示領域143b〜143dを消灯し、電流量iがi
1≦i<i
2であれば
図6(b)に示すように第一,第二電流量表示領域143a,143bを点灯させる一方第三,第四電流量表示領域143c,143dを消灯する。また、電流量iがi
2≦i<i
3であれば
図6(c)に示すように第一〜第三電流量表示領域143a〜143cを点灯させる一方第四電流量表示領域143dを消灯し、電流量iがi
3≦iであれば
図6(d)に示すように第一から第四電流量表示領域143a〜143dすべてを点灯させる。なお図示はしないが、電流量iがi=0である場合は第一〜第四電流量表示領域143a〜143dすべてを消灯する。
ここで、電流量i
1〜i
3は、例えば電流量iの最大値が16[A]であれば、i
1=4[A],i
2=8[A],i
3=12[A]とする等、条件に応じて適宜設定すればよい。
【0027】
このように構成される本実施例に係る電動車両の充放電電流量表示装置によれば、バッテリー11の充電時または放電時に、どの程度の電流が流れているのかを視覚的に認識することが可能となる。
また、例えば、充電を開始してしばらく経ってから電流量表示部143の表示が
図6(a)に示す状態となっている場合は充電が終了に近づいている等、充電状態を感覚的に認識することも可能となる。
【0028】
なお、上述した実施例では、電流量表示部143を充電口を囲むように円環状に設ける例を示したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば楕円形状や星形等として充電口を囲んでもよく、または、例えば第一から第四電流量表示領域143a〜143dを直線的に並べてもよい。
【実施例2】
【0029】
図7及び
図8を用いて本発明の実施例2に係る電動車両の充放電電流量表示装置について説明する。
本実施例に係る電動車両の充放電電流量表示装置は、実施例1の電流量表示部143に代えて、
図7に示す電流量表示部(電流量表示手段)144を採用するものである。その他の構成については上述した実施例1と同様であり、以下、重複する説明は省略し、同一の部材には同一の符号を付して説明する。
【0030】
電流量表示部144は、通常充電口141,急速充電口142を介して流れる電流量iを点滅又は消灯により表示するものであり、通常充電口141及び急速充電口142を囲むように12個の円形の電流量表示体144aが同一円周上に等間隔に並べられ配設されている。
【0031】
本実施例では、通常充電用ソケット141aに家庭充電用コネクタ2を接続してバッテリー11の充電を行う場合、また、急速充電用ソケット142aに図示しない高圧電力ケーブルの一端に設けられた急速充電用コネクタを接続してバッテリー11の充電を行う場合に、電流量表示制御部16から入力される情報に基づき、それぞれ通常充電口141,急速充電口142に対応して設けられた電流量表示部144の電流量表示体144aを周方向(一方向)に順に点灯、消灯(点滅)させて電流量iの大小に応じた表示を行う。
【0032】
具体的に説明すると、例えば、電流量表示制御部16から入力される情報に応じて、電流量iが少ない場合には、電流量iが多い場合に比較して一つの電流量表示体144aを点灯させてから隣の電流量表示体144aを点灯させるまでの間隔を長くする。すなわち、電流量iが少ない場合には電流量表示体144aがゆっくりとした回転速度で周方向に順に点灯、消灯(点滅)を行い、電流量iが多い場合には電流量表示体144aが速い回転速度で周方向に順に点灯、消灯(点滅)を行うように制御する。
【0033】
このように構成される本実施例に係る電動車両の充放電電流量表示装置によれば、上述した実施例1と同様にバッテリー11の充放電電流量iを視覚的に認識することが可能となる。
【0034】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば
図8(a)または
図8(b)に示すように、点状の電流量表示体145aを同一円周上に等間隔に配置した電流量表示部145とする、または面状の電流量表示体146aを同一円周上に円環状に配置した電流量表示部146としてもよい。また、電流量表示体は円状に限らず、通常充電口141,急速充電口142をそれぞれ囲むことができれば他の形状であってもよい。
【実施例3】
【0035】
以下、本発明の実施例3に係る電動車両の充放電電流量表示装置について説明する。
本実施例に係る電動車両の充放電電流量表示装置は、
図7及び
図8に示し上述した実施例2に係る電動車両の充放電電流量表示装置において、バッテリー11の充電時と放電時とで電流量表示体144a(又は145a,146a)が順に点灯する方向(向き)を変えるものである。
【0036】
すなわち、例えば、バッテリー11の充電時には電流量表示体144a(又は145a,146a)が時計回りに順に点灯、消灯(点滅)を行い、放電時には電流量表示体144a(又は145a,146a)が反時計回りに順に点灯、消灯を行うようにする。
その他の構成は上述した実施例2と同様であり、重複する説明は省略する。
【0037】
このように構成される本実施例に係る電動車両の充放電電流表示装置によれば、上述した実施例2の効果に加えて、充電中であるのか放電中であるのかを視覚的に認識することができる。