特許第6402396号(P6402396)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6402396配線巻取具およびそれを用いる携帯型電子機器ならびに紐体の巻取具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6402396
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】配線巻取具およびそれを用いる携帯型電子機器ならびに紐体の巻取具
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20181001BHJP
   A44B 18/00 20060101ALI20181001BHJP
   H04M 1/21 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   H04R1/10 104C
   A44B18/00
   H04M1/21 M
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-95201(P2017-95201)
(22)【出願日】2017年5月12日
【審査請求日】2017年10月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516122117
【氏名又は名称】國枝 史子
(73)【特許権者】
【識別番号】516122128
【氏名又は名称】國枝 利圭
(73)【特許権者】
【識別番号】516122139
【氏名又は名称】國枝 君圭
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
(72)【発明者】
【氏名】國枝 史子
(72)【発明者】
【氏名】國枝 利圭
(72)【発明者】
【氏名】國枝 君圭
【審査官】 下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−174714(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3042118(JP,U)
【文献】 特開2015−228610(JP,A)
【文献】 特開2011−211469(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3175864(JP,U)
【文献】 特開2008−227180(JP,A)
【文献】 JVC、スマホに吸盤で装着する"ぴたスマ"イヤフォン。実売1,840円,[online],2014年 9月22日,[平成30年2月19日検索],URL,https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/667899.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
H04M 1/02 − 1/23
A44B 13/00 − 18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に装着されて、該電子機器に関連する配線を巻取る配線巻取具において、
前記電子機器に貼付けられる第1の係合シートと、
前記配線が巻回される巻取り軸と、
前記巻取り軸の一端部に貼付けられて前記第1の係合シートと係合する第2の係合シートとを含み、
前記巻取り軸は、蛇腹状または望遠鏡状に、軸方向に伸縮可能であることを特徴とする配線巻取具。
【請求項2】
電子機器に装着されて、該電子機器に関連する配線を巻取る配線巻取具において、
前記電子機器に貼付けられる第1の係合シートと、
前記配線が巻回される巻取り軸と、
前記巻取り軸の一端部に設けられ、前記巻取り軸より大径のフランジ板と、
前記フランジ板に貼付けられて前記第1の係合シートと着脱自在に係合する第2の係合シートと、
前記巻取り軸の他端部が固着される基板とを含むことを特徴とする配線巻取具。
【請求項3】
前記巻取り軸は、2本が相互に間隔を開けて配置されて、その巻取り軸間に前記配線が巻掛けられることを特徴とする請求項1または2記載の配線巻取具。
【請求項4】
前記電子機器はスマートフォンまたは携帯音楽プレーヤであり、前記配線はイヤフォンのコードであり、前記配線の他方の端部はイヤフォンプラグが前記電子機器のイヤフォンジャックに差込まれて係止されていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の配線巻取具。
【請求項5】
前記基板には、車両へ取付けるためのブラケットが設けられており、
前記電子機器はスマートフォンであり、前記車両取付け時にナビゲーション機能が使用されることを特徴とする請求項記載の配線巻取具。
【請求項6】
電子機器に関連する配線を巻取る配線巻取具において、
板状に形成される基板と、
前記基板に、2本が相互に間隔を開けて配置されて、その間に前記配線が巻掛けられる巻取り軸と、
前記基板に沿う板状に形成される押えカバーと、
前記押えカバーに貼付けられる第1の係合シートと、
前記巻取り軸の一端部に貼付けられて前記第1の係合シートと着脱自在に係合する第2の係合シートとを含むことを特徴とする配線巻取具。
【請求項7】
前記電子機器は板状に形成され、前記基板および押えカバーはその板に沿う板状に形成され、
前記基板と押えカバーとにおいて、前記2本の巻取り軸の配列方向の端部付近を相互に連結する連結部材とを含み、
前記連結部材の連結によって、前記基板と押えカバーとの間に前記板状の電子機器が挟込み可能となることを特徴とする請求項記載の配線巻取具。
【請求項8】
電子機器に関連する配線を巻取る配線巻取具において、
相対的に径の太い筒状部と、
前記筒状部の一端を閉止するように該一端から延び、2股に割れて形成され、相対的に径の細い巻取り軸とを含み、
前記筒状部および巻取り軸はニット素材から成り、前記筒状部はリブ編みで形成され、
前記筒状部から前記巻取り軸が延びた状態で前記巻取り軸の周囲に前記配線が交互に巻掛けられ、前記筒状部を前記巻取り軸との境界付近で折返した状態で、前記配線が巻掛けられた前記巻取り軸を該筒状部内に収容することを特徴とする配線巻取具。
【請求項9】
余剰の紐体を巻取るための巻取具において、
基板と、
前記基板に相互に間隔を開けて立設され、その周囲に前記紐体が巻き掛けられる2本の巻取り軸と、
前記巻取り軸の一端部に設けられ、前記巻取り軸より大径のフランジと、
前記基板に形成され、巻き掛けられた前記紐体の端部付近を係止する係止部とを含むことを特徴とする紐体の巻取具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤフォンコードなどの配線を巻取る配線巻取具およびそれを備える携帯型電子機器と、一般的な紐体の巻取具とに関する。
【背景技術】
【0002】
前記携帯型電子機器としてスマートフォンの場合には、イヤフォンが使用されることがあり、前記携帯型電子機器として携帯音楽プレーヤの場合は、イヤフォンが必要になる。そのイヤフォンは、極一部、無線を使用するワイヤレスの商品も発売されているが、多くは、従来ながらイヤフォンコードを使用するワイヤードの商品である。特に携帯型電子機器におけるこのような配線は、収納時には簡単に束ねられ、使用時には簡単に引出される必要がある。
【0003】
しかしながら、現状では、使用者がジグザグに折り畳んで中央を束ねたり、環状に束ねたりしていることが多く、上手く束ね、解かないと、コードが絡まってしまうという問題がある。そこで、特許文献1では、イヤフォンプラグの基部に結束バンドを設けてイヤフォンコードを束ね,絡まないようにしたコード絡み防止具が提案されている。また、特許文献2では、携帯電話やプレーヤを首からぶら下げるための紐の途中に、イヤホンケーブルを巻取るようにした携行装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−102404号公報
【特許文献2】特開2003−524460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の従来技術では、イヤフォンプラグに配線の塊が出来てしまうことになり、見場が悪いとともに、元々薄型のスマートフォンや携帯音楽プレーヤの厚みが、その部分で増してしまうという問題がある。特許文献2の従来技術では、コードを巻取っているので、巻取りや引出しは容易であるものの、首からぶら下げる紐を携帯型電子機器に通していなければ使用することができず、また巻取具は携帯型電子機器と別体で扱い難い。
【0006】
本発明の目的は、必要に応じて、配線を絡まないように巻付けて、電子機器に一体にコンパクトに収納することができる配線巻取具およびそれを用いる携帯型電子機器ならびに紐体の巻取具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の配線巻取具は、電子機器に装着されて、該電子機器に関連する配線を巻取る配線巻取具において、前記電子機器に貼付けられる第1の係合シートと、前記配線が巻回される巻取り軸と、前記巻取り軸の一端部に貼付けられて前記第1の係合シートと係合する第2の係合シートとを含むことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、電子機器に装着されて、該電子機器に関連する配線、たとえばスマートフォンや携帯音楽プレーヤなどの電子機器に使用されるイヤフォンのコードを巻取る配線巻取具において、実際に配線が巻回される巻取り軸を、電子機器に貼付けられる第1の係合シートと、該巻取り軸の一端部に貼付けられる第2の係合シートとの係合によって、着脱自在に取付ける。
【0009】
したがって、必要に応じて該配線巻取具を用い、配線を絡まないように巻付けて、電子機器に一体にコンパクトに収納することができる。
【0010】
また、本発明の配線巻取具では、前記巻取り軸は、蛇腹状または望遠鏡状に、軸方向に伸縮可能であることを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、巻取り軸が伸縮可能であるので、任意の巻数、すなわち配線の引出し長さに応じて、巻取り軸の高さ、したがって該配線巻取具が装着される電子機器の厚さを最小限にすることができる。或いは、対応可能な配線の太さの範囲を広くすることができ、複数の配線に該配線巻取具を共用し、製造コストを削減することができる。適宜引出して、その状態で自己保持することができる蛇腹は、ポリプロピレン成形品などで実現することができる。
【0012】
さらにまた、本発明の配線巻取具では、前記第1および第2の係合シートは、一対の面ファスナーで構成されることを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、第1の係合シートを電子機器に貼付けておけば、巻取り軸は適宜着脱自在となる。
【0014】
したがって、たとえばイヤフォンコードなどの配線を、電子機器に接続しない場合には、巻取り軸自体を外しておくことができ、好適である。
【0015】
また、本発明の配線巻取具では、前記巻取り軸は、2本が相互に間隔を開けて配置されて、その巻取り軸間に前記配線が巻掛けられることを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、2本の巻取り軸が間隔を開けて配置されるので、配線を同じ巻取り軸に巻付けるのではなく、巻取り軸間に巻掛けることで、巻取り軸の径が細くても、その間隔が広くなる程、1回の巻付けで巻取れる配線の長さを長くすることができる。
したがって、2本の巻取り軸を用いることで、巻付け回数を少なくし、軸の高さを低く、したがって該配線巻取具を装着した電子機器の厚さを薄くすることができる。
【0017】
さらにまた、本発明の配線巻取具では、前記2本の巻取り軸は、他端部が共通の基板に固着されており、この基板には、前記(巻回された配線が解けないように該)配線の少なくとも一方の端部付近を係止する係止部が設けられることを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、基板に2本の巻取り軸を立設して該配線巻取具を構成することで、前記2本の巻取り軸を一体で電子機器に着脱することができる。そして、基板に、スリットや、フックなどで、巻回された配線の少なくとも一方の端部付近を係止する適宜の係止部を設けておくことで、前記2本の巻取り軸に巻付けた配線の端部付近を、解けないように容易に保持することができる。
【0019】
また、本発明の配線巻取具では、前記電子機器は板状で、前記基板は、前記電子機器と略等しい大きさ(投影面積)に形成されることを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、電子機器と基板とのほぼ同じ大きさの2枚の板の間に、前記2本の巻取り軸と、それに巻掛けられた配線やイヤフォンなどが挟み込まれることになる。
【0021】
したがって、見場がすっきりするとともに、配線を解け難くすることもできる。
【0022】
さらにまた、本発明の配線巻取具では、前記電子機器はスマートフォンまたは携帯音楽プレーヤであり、前記配線はイヤフォンのコードであり、前記配線の他方の端部はイヤフォンプラグが前記電子機器のイヤフォンジャックに差込まれて係止されていることを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、電子機器としてスマートフォンまたは携帯音楽プレーヤの場合、薄い板状に形成されるので、配線を薄く収納できる本発明が好適である。さらに、イヤフォンコードは細く、長く、絡まり易くて、本発明が好適である。また、そのイヤフォンコードは、イヤフォンが取付けられている一端がフリーで、他端はジャックとプラグとで係止できており、イヤフォンコードを巻取って前記一端を係止するだけで、解けないようにコンパクトに収納することができる。
【0024】
また、本発明の配線巻取具では、ブックカバー式に形成され、前記ブックカバーが閉じた状態で、前記配線および巻取り軸を収容することを特徴とする。
【0025】
上記の構成によれば、電子機器の裏面にブックカバー式の該配線巻取具を取付け、カバーを開けて配線の巻取りや引出しを行い、カバーを閉じることで、配線をその状態で容易に固定することができる。
【0026】
さらにまた、本発明の配線巻取具では、前記基板には、車両へ取付けるためのブラケットが設けられており、前記電子機器はスマートフォンであり、前記車両取付け時にナビゲーション機能が使用されることを特徴とする。
【0027】
上記の構成によれば、配線や電子機器と一体化した基板に、さらに車両への取付けを可能にするブラケットを装着可能にする。そして、該配線巻取具および電子機器を車両に取付けた状態で、電子機器は、そのナビゲーション機能が使用されるようにする。
【0028】
したがって、スマートフォンをカーナビなどとして使用するにあたって、自動車などの車両への取付けのために、わざわざホルダを用意する必要はなく、該配線巻取具を共用することができる。
【0029】
また、本発明の配線巻取具は、電子機器に関連する配線を巻取る配線巻取具において、板状に形成される基板と、前記基板に、2本が相互に間隔を開けて配置されて、その間に前記配線が巻掛けられる巻取り軸と、前記基板に沿う板状に形成される押えカバーと、前記押えカバーに貼付けられる第1の係合シートと、前記巻取り軸の一端部に貼付けられて前記第1の係合シートと係合する第2の係合シートとを含むことを特徴とする。
【0030】
上記の構成によれば、電子機器に装着されて、該電子機器に関連する配線、たとえばスマートフォンや携帯音楽プレーヤなどの電子機器に使用されるイヤフォンのコードを巻取る配線巻取具において、実際に配線が巻回される巻取り軸を、2本の一対で基板に設けて、その巻取り軸の上に押えカバーを被せるにあたって、押えカバーの側には第1の係合シートを貼付け、巻取り軸の一端部には前記第1の係合シートと係合する第2の係合シートを貼付け、第1および第2の係合シートを剥がした状態で、配線の着脱、すなわち巻取り軸に配線を巻付けたり解いたりし、第1および第2の係合シートの係合によって、押えカバーと基板との間に配線を挟み込むことができる。
【0031】
したがって、必要に応じて該配線巻取具を用い、配線を絡まないように巻付けて、コンパクトに、かつ電子機器とは切離して、つまり別体で収納することができる。また、2本の巻取り軸が間隔を開けて配置されるので、巻付け回数を少なくし、軸の高さを低く、したがって該配線巻取具を装着した電子機器の厚さを薄くすることもできる。
【0032】
さらにまた、本発明の配線巻取具では、前記電子機器は板状に形成され、前記基板および押えカバーはその板に沿う板状に形成され、前記基板と押えカバーとにおいて、前記2本の巻取り軸の配列方向の端部付近を相互に連結する連結部材とを含み、前記連結部材の連結によって、前記基板と押えカバーとの間に前記板状の電子機器が挟込み可能となることを特徴とする。
【0033】
上記の構成によれば、電子機器が板状に形成されることから、前記基板および押えカバーはその板に沿う板状に形成され、それらの両端が連結部材で連結されることで、第1および第2の係合シートは、相互に係合できなくなるが、基板と押えカバーとの間に電子機器を挟み込み、配線は、その電子機器と基板との間に挟み込むこになる。
【0034】
こうして、配線を巻取った該配線巻取具を、上述のように電子機器とは別体とするだけでなく、一体とすることもできる。
【0035】
また、本発明の配線巻取具では、前記連結部材はゴム紐から成ることを特徴とする。
【0036】
上記の構成によれば、第1および第2の係合シートの係合を解除し、かつゴム紐を伸ばして押えカバーを基板から離した状態で、巻取り軸に配線を、巻付けたり、解いたりすることができる。そして、ゴム紐を縮めると、基板に押えカバーが被さり、第1および第2の係合シートが係合し、該配線巻取具(巻取った配線も含めて)を、電子機器と別体で保管することができる。一方、巻取り軸に配線を、巻付け、或いは解いた状態で、基板と押えカバーとの間に、板状の電子機器や、そのカバーを差込み、ゴム紐を縮めると、該配線巻取具(巻取った配線も含めて)を、電子機器と一体で保管することができる。
【0037】
こうして、ゴム紐で基板と押えカバーとを連結するだけで、該配線巻取具を、電子機器と容易に一体化或いは別体化することができる。
【0038】
さらにまた、本発明の配線巻取具は、電子機器に関連する配線を巻取る配線巻取具において、相対的に径の太い筒状部と、前記筒状部の一端を閉止するように該一端から延び、2股に割れて形成され、相対的に径の細い巻取り軸とを含み、前記筒状部から前記巻取り軸が延びた状態で前記巻取り軸の周囲に前記配線が交互に巻掛けられ、前記筒状部を前記巻取り軸との境界付近で折返した状態で、前記配線が巻掛けられた前記巻取り軸を該筒状部内に収容することを特徴とする。
【0039】
上記の構成によれば、電子機器に関連する配線、たとえばスマートフォンや携帯音楽プレーヤなどの電子機器に使用されるイヤフォンのコードを巻取る配線巻取具において、実際に配線が巻回される巻取り軸を、太い筒状部から2股に割れて形成する。そして、筒状部から巻取り軸が延びた状態で巻取り軸の周囲に配線を交互に巻掛けることで巻取り、その後、筒状部を巻取り軸との境界付近で折返すことで、配線を巻取った巻取り軸を該筒状部内に収容して、解けないようにして保持する。
【0040】
したがって、配線を絡まないように巻付けて、簡単かつコンパクトに収納することができる。
【0041】
また、本発明の配線巻取具では、前記筒状部および巻取り軸は、ニット素材から成り、前記巻取り軸は、手袋状に使用者の2本の指が通った状態で前記配線が巻掛けられることを特徴とする。
【0042】
上記の構成によれば、前記筒状部および巻取り軸をニット素材で形成することで、不使用時は平らに潰して、適宜折畳んだりして、コンパクトに保管することができる。そして、使用時は、自己支持(形状保持)性の乏しいニット素材につき、手袋のように、使用者の2本の指を筒状部から巻取り軸に通した状態で、配線を巻掛けることができるようになる。
【0043】
さらにまた、本発明の配線巻取具では、前記筒状部は、リブ編みで形成されることを特徴とする。
【0044】
上記の構成によれば、ニットから成る筒状部に、袖口などで見られるリブ編みを採用することで、前記配線が巻掛けられた巻取り軸を、該筒状部が収縮して、前記配線が解けないように収容することができ、好適である。
【0045】
また、本発明の配線巻取具では、前記ニット素材は、ポリエステル繊維を含有することを特徴とする。
【0046】
上記の構成によれば、前記のニット素材にポリエステル繊維を含有することで、前記自己支持(形状保持)性を増加することができる。また、或る程度の導電性を持たせることも可能であり、前記配線としてはイヤフォンコード、電子機器としてはスマートフォンの組合わせの場合、手袋状の該配線巻取具を着用したまま、スマートフォンの操作が可能になる。
【0047】
さらにまた、本発明の紐体の巻取具は、余剰の紐体を巻取るための巻取具において、基板と、前記基板に相互に間隔を開けて立設され、その周囲に前記紐体が巻き掛けられる2本の巻取り軸と、前記基板に形成され、巻き掛けられた前記紐体の端部付近を係止する係止部とを含むことを特徴とする。
【0048】
上記の構成によれば、比較的細手の紐、たとえば巾着袋の口を締め上げる紐などで、余剰の部分を巻取っておくための巻取具において、巻取りの軸だけでなく、基板を設けるとともに、前記巻取りの軸も一対の2本を、前記基板に相互に間隔を開けて立設する。さらに、前記基板には、巻き掛けられた紐体の端部付近を係止する係止部を設けておく。
【0049】
したがって、紐体は、2本の巻取り軸に、楕円や8の字に、幅を持って巻き掛けられるので、比較的長くの紐体を、薄く巻取ることができる。また、クリップや、基板に形成したスリットなどから成る係止部で紐体の端部付近を係止することで、不所望に解けてしまうことも防止することができる。こうして、余剰な紐体の長さ調整を行うことで、たとえば前記巾着袋の場合、口を縛って長く伸びた紐を適宜巻き取っておくことができ、ぶら下げ高さを調整することができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明の配線巻取具は、以上のように、スマートフォンや携帯音楽プレーヤなどの電子機器に装着されて、イヤフォンコードなどの関連する配線を巻取る配線巻取具において、実際に配線が巻回される巻取り軸を、電子機器に貼付けられる第1の係合シートと、該巻取り軸の一端部に貼付けられる第2の係合シートとの係合によって着脱自在に取付ける。
【0051】
それゆえ、必要に応じて、配線を絡まないように巻付けて、電子機器に一体にコンパクトに収納することができる。
【0052】
また、本発明の配線巻取具は、以上のように、スマートフォンや携帯音楽プレーヤなどの電子機器に使用されるイヤフォンコードなどの関連する配線を巻取る配線巻取具において、実際に配線が巻回される巻取り軸を、2本の一対で基板に設けて、その巻取り軸の上に押えカバーを被せ、その押えカバーに貼付けられる第1の係合シートと、前記巻取り軸の一端部に貼付けられる第2の係合シートとの係合によって、押えカバーと基板との間に配線を挟み込むようにする。
【0053】
それゆえ、必要に応じて該配線巻取具を用い、配線を絡まないように巻付けて、コンパクトに、かつ電子機器とは切離して、つまり別体で収納することができる。
【0054】
さらにまた、本発明の配線巻取具は、以上のように、スマートフォンや携帯音楽プレーヤなどの電子機器に使用されるイヤフォンなどの関連する配線を巻取る配線巻取具において、太い筒状部から2股に割れて巻取り軸を形成し、筒状部から巻取り軸が延びた状態で巻取り軸の周囲に配線を交互に巻掛けることで巻取り、その後、筒状部を巻取り軸との境界付近で折返すことで、配線を巻取った巻取り軸を該筒状部内に収容して、解けないようにして保持する。
【0055】
それゆえ、配線を絡まないように巻付けて、簡単かつコンパクトに収納することができる。
【0056】
さらにまた、本発明の紐体の巻取具は、以上のように、比較的細手の紐、たとえば巾着袋の口を締め上げる紐などで、余剰の部分を巻取っておくための巻取具において、巻取りの軸だけでなく、基板を設けるとともに、前記巻取りの軸も一対の2本を、前記基板に相互に間隔を開けて立設し、さらに前記基板には、巻き掛けられた紐体の端部付近を係止する係止部を設けておく。
【0057】
それゆえ、紐体は、2本の巻取り軸に、楕円や8の字に、幅を持って巻き掛けられるので、比較的長くの紐体を、薄く巻取ることができる。また、クリップや、基板に形成したスリットなどから成る係止部で紐体の端部付近を係止することで、不所望に解けてしまうことも防止することができる。こうして、余剰な紐体の長さ調整を行うことで、たとえば前記巾着袋の場合、口を縛って長く伸びた紐を適宜巻き取っておくことができ、ぶら下げ高さを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】本発明の実施の一形態に係る配線巻取具の使用状態を説明するための図であり、該配線巻取具にイヤフォンコードを巻付けた状態を示す斜視図である。
図2図1の配線を巻付ける前の状態を示す斜視図である。
図3】巻付けた配線巻取具を携帯音楽プレーヤに組付けた状態を側方から見た斜視図である。
図4】前記組付けた状態を上方から見た斜視図である。
図5】本発明の実施の他の形態に係る配線巻取具の使用状態を説明する斜視図である。
図6】本発明の実施の他の形態に係る配線巻取具の使用状態を説明する斜視図である。
図7】本発明の実施のさらに他の形態に係る配線巻取具の使用状態を説明する斜視図であり、該配線巻取具にイヤフォンコードを巻付ける際の斜視図である。
図8図7で示す配線巻取具の使用状態を説明する斜視図であり、イヤフォンコードを巻付けた該配線巻取具を単体で持運び可能にした状態を示す斜視図である。
図9図7および図8で示す配線巻取具の使用状態を説明する斜視図であり、該配線巻取具をスマートフォンに組付けた状態を示す斜視図である。
図10図7および図8で示す配線巻取具の使用状態を説明する斜視図であり、該配線巻取具をスマートフォンのカバーに組付けた状態を示す斜視図である。
図11】本発明の実施の他の形態に係る配線巻取具の使用状態を説明する斜視図であり、該配線巻取具にイヤフォンコードを巻付ける前の斜視図である。
図12図11で示す配線巻取具の使用状態を説明する斜視図であり、イヤフォンコードを巻付けた状態を示す斜視図である。
図13図11および図12で示す配線巻取具の使用状態を説明する斜視図であり、イヤフォンコードを収納した状態を示す斜視図である。
図14】本発明の実施のさらに他の形態に係る紐体の巻取具の使用状態を説明する斜視図である。
図15】本発明の実施のさらに他の形態に係る紐体の巻取具の斜視図である。
図16図14および図15で示す紐体の巻取具を使用しない場合の問題点を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
(実施の形態1)
図1図4は本発明の実施の一形態に係る配線巻取具1の使用状態を説明するための図であり、図1は該配線巻取具1にイヤフォン2のコード21を巻付けた状態を示す斜視図であり、図2は巻付ける前の状態を示す斜視図であり、図3は巻付けた配線巻取具1を携帯音楽プレーヤ31に組付けた状態を側方から見た斜視図であり、図4は前記組付けた状態を上方、すなわち携帯音楽プレーヤ31の裏面側から見た斜視図である。この配線巻取具1は、スマートフォンや携帯音楽プレーヤなどの携帯型電子機器(本実施形態では携帯音楽プレーヤ31で示す)に装着されて、関連する配線であるイヤフォン2のコード21を巻取る配線巻取具である。
【0060】
配線巻取具1は、携帯音楽プレーヤ31に貼付けられる第1の係合シート11と、携帯音楽プレーヤ31に略等しい大きさ(投影面積)に形成される基板12と、基板12に相互に間隔を開けて立設され、イヤフォン2のコード21を巻取る2本の巻取り軸13,14と、巻取り軸13,14の先端部に貼付けられて第1の係合シート11と係合する第2の係合シート15,16とを備えて構成される。さらに本実施形態では、巻取り軸13,14の先端部には、該巻取り軸13,14よりも径の大きなフランジ板17,18が貼付けられて、前記第2の係合シート15,16は、このフランジ板17,18に貼付けられている。こうして、巻取り軸13,14に巻取られたコード21が、抜け落ちない(軸方向にずれ落ちない)ようになっている。
【0061】
イヤフォン2のプラグ22は、携帯音楽プレーヤ31の側部(本実施形態では底部)に設けられたジャックに差込まれ、このプラグ22からコード21の一端が延びている。コード21の他端には、イヤフォン本体23,24が取付けられている。携帯音楽プレーヤ31の不使用時や、使用時であってもコード21が長い場合には、使用者は、図2から図1で示すように、該コード21を巻取り軸13,14に適宜巻付けて、収納することができる。その巻付けた状態で、巻取り軸13,14の第2の係合シート15,16を、それぞれ第1の係合シート11に係合させる。係合シート11;15,16は、本実施形態では、面ファスナーによって構成され、したがって着脱自在である。こうして、本実施形態の配線巻取具1を用いることで、必要に応じて、コード21を絡まないように巻付けて、携帯音楽プレーヤ31に一体に、コンパクトに収納することができる。
【0062】
また、本実施形態の配線巻取具1では、巻取り軸13,14は、蛇腹状または望遠鏡状に(図2では蛇腹を例示している)、軸方向に伸縮可能となっている。前記蛇腹の巻取り軸13,14の場合、ポリプロピレン成形品などで実現することができ、適宜引出して、その状態で自己保持することができるようになっている。このように、巻取り軸13,14を伸縮可能とすることで、任意の巻数、すなわちコード21の引出し長さに応じて、巻取り軸13,14の高さ、したがって該配線巻取具1が装着される携帯音楽プレーヤ31の厚さを最小限にすることができる。或いは、対応可能なコード21の太さの範囲を広くすることができ、複数のコード21に該配線巻取具1を共用し、製造コストを削減することができる。
【0063】
さらに、本実施形態の配線巻取具1では、係合シート11;15,16は、一対の面ファスナーで構成されるので、第1の係合シート11を携帯音楽プレーヤ31に貼付けておけば、巻取り軸13,14は適宜着脱自在となる。そのためイヤフォン2のコード21を携帯音楽プレーヤ31に接続しない場合には、巻取り軸13,14自体を外しておくことができ、携帯音楽プレーヤ31が嵩張らず、好適である。
【0064】
また、本実施形態の配線巻取具1では、巻取り軸13,14は、2本が相互に間隔を開けて配置されて、その巻取り軸13,14間にコード21が巻掛けられる。つまり、コード21を同じ巻取り軸13,14に連続して巻付けるのではなく、図1では、その2本の巻取り軸13,14間に、コード21が襷状、つまり8の字状に巻掛けられている。
【0065】
そうすることで、巻取り軸13,14の径が細くても、その間隔が広くなる程、1回の巻付けで巻取れるコード21の長さを長くすることができ、巻付け回数を少なくし、巻取り軸13,14の高さを低く、したがって該配線巻取具1を装着した携帯音楽プレーヤ31の厚さを薄くすることができる。また、基板12に2本の巻取り軸13,14を立設して該配線巻取具1を構成することで、2本の巻取り軸13,14を一体で携帯音楽プレーヤ31の裏面に着脱することができる。
【0066】
さらにまた、本実施形態の配線巻取具1では、携帯音楽プレーヤ31は板状で、特に図4で示すように、基板12は、携帯音楽プレーヤ31と略等しい大きさ(投影面積)に形成されるので、図3で示すように、携帯音楽プレーヤ31と基板12とのほぼ同じ大きさの2枚の板の間に、2本の巻取り軸13,14と、それに巻掛けられたコード21やイヤフォン本体23,24などが挟み込まれることになり、見場がすっきりするとともに、コードを解け難くすることもできる。
【0067】
また、本実施形態の配線巻取具1は、使用する電子機器として、スマートフォンまたは上述のような携帯音楽プレーヤ31であり、巻取る配線としては、イヤフォン2のコード21であることが好ましい。それは、前記スマートフォンや携帯音楽プレーヤ31の場合、薄い板状に形成されるので、コード21を薄く収納できる本発明が好適であるためである。また、イヤフォン2のコード21は細く、長く、絡まり易いためである。さらに、そのイヤフォン2コード21は、イヤフォン本体23,24が取付けられている一端がフリーで、他端はジャックとプラグ22とで係止できており、コード21を巻取って一端を係止するだけで、解けないようにコンパクトに収納することができるためである。
【0068】
ここで、図1の例では、コード21は、巻取り軸13,14に巻付けられた後、イヤフォン本体23,24付近のコード21の一端の部分で、前記襷掛けされた(8の字状の)コード21の中央部が束ねられるとともに、該イヤフォン本体23,24も固定されて、解けないようになっている。
【0069】
しかしながら、基板12に、参照符号121,122で示すようなスリットを形成し、前記コード21の一端を係止するようにしてもよい。図1の例では、基板12の側面から内方に向けて、係止部として、一対のスリット121,122を形成し、基板12において巻取り軸13,14が形成される表面側から、スリット121,122の一方で前記コード21の一端を裏面に通し、スリット121,122の他方で、再び、表面に引出すことで、イヤフォン本体23,24を基板12と携帯音楽プレーヤ31との間に挟み込みつつ、前記コード21の一端を係止することができる。
【0070】
図1の例では、スリット121,122の一方(図1の例では122)を、終端で角度を変えている(図1の例では基板12の側面と平行に沿わせている)。そうすることで、コード21の外れ止めを行うことができる。同様に、スリット121,122に限らず、フックやクランプ部材でも、コード21の一端を、解けないように係止することができる。
【0071】
(実施の形態2)
図5および図6は、本発明の実施の他の形態に係る配線巻取具4の使用状態を説明する斜視図である。この配線巻取具4は、装着される電子機器を、スマートフォン32とする。図5および図6では図面の明確化のために図示を省略しているが、スマートフォン32にはイヤフォン2が取付けられ、該配線巻取具4は前述のコード21を巻取る。この配線巻取具4において、前述の配線巻取具1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0072】
注目すべきは、本実施形態の配線巻取具4は、ブックカバー式に形成され、その内部に前記コード21および巻取り軸13,14を収容することである。詳しくは、この配線巻取具4は、搭載部41と、連結部42と、巻取り部43とを備えて構成される。
【0073】
搭載部41は、表面側に、スマートフォン32を収容する凹所411を備え、収容したスマートフォン32を周囲の衝撃から保護する。外周壁412の一部には、前記イヤフォン2のプラグ22を通す切り欠き413が形成されている。この外周壁412には、スマートフォン32の外れ止めのためのフックや爪が、適宜設けられていてもよい。搭載部41の裏面には、前記第1の係合シート11が貼付けられている。
【0074】
一方、巻取り部43は、前記基板12に対応する基板431上に、前記巻取り軸13,14、フランジ板17,18および第2の係合シート15,16を備えて構成される。連結部42は、巻取り軸13,14の高さおよび係合シート11;15,16の厚みに対応した幅を有し、両側の搭載部41および巻取り部43との連結部分で、前記ブックカバー式に巻取り部43を搭載部41から開閉可能にする。
【0075】
このように構成することで、スマートフォン32の保護カバーとなる該配線巻取具4を使用して、カバー(巻取り部43)を開けてコード21やイヤフォン本体23,24の巻取りや引出しを行い、カバー(巻取り部43)を閉じることで、それらのコード21やイヤフォン本体23,24を容易に固定することができる。
【0076】
また注目すべきは、本実施形態の配線巻取具4は、図5で示すように、基板431の裏面には、車両へ取付けるためのブラケット414が設けられていることである。このブラケット414は、自動車のダッシュボードなどに固着されている支持具6に取付くためのものである。支持具6は、前記ダッシュボードなどに粘着などで固定される基台61と、その基台61から立設される支柱62と、支柱の頂点に設けられる角変位機構63と、角変位機構63によって、前記支柱62から所定の角度で支持される支持棒64と、支持棒64の先端に取付けられる取付き板65とを備えて構成される。
【0077】
前記ブラケット414は、取付き板65が差込み可能なように搭載部41の裏面から隆起する隆起部4141を有するとともに、支持棒44が通過するためのスリット部4142を有する。取付き板65は矩形に形成され、隆起部4141も取付き板65の幅より僅かに大きく形成されることで、取付き板65に嵌め込まれたブラケット414、すなわち該配線巻取具4およびスマートフォン32の支持棒44回りの回転が阻止されて、それらは支持具6に支持される。角変位機構63は、玉軸受け631に、固定用のボルト632を備えて構成され、それらによって、支柱62に対する支持棒64の角度を調整し、該配線巻取具4およびスマートフォン32の仰角および左右の回転角を所定範囲で調整可能となる。
【0078】
こうして、前記ダッシュボードなどに取付けられたスマートフォン32は、カーナビとして使用される。したがって、スマートフォン32をカーナビとして使用するにあたって、車両への取付けのために、わざわざホルダを用意する必要はなく、該配線巻取具4を共用することができる。図5の例では、基台61は、ダッシュボードの上に取付ける形状となっているが、空調の吹出口に差込まれて取付く構造であってもよい。また、上述のような車両搭載で使用されることが無い場合のために、ブラケット414は、面ファスナーなどで搭載部41から着脱可能となっていてもよい。さらにまた、ブラケット414と取付き板65とのガタツキを防止するために、支持棒64に、前記隆起部4141を取付き板65との間で締め付ける(挟み込む)ネジなどが設けられてもよい。
【0079】
(実施の形態3)
図7図10は、本発明の実施のさらに他の形態に係る配線巻取具7の使用状態を説明する斜視図である。この配線巻取具7は、装着される電子機器として、スマートフォン32と携帯音楽プレーヤ31とのいずれでもよいが、以下、スマートフォン32で説明する。この配線巻取具7において、前述の配線巻取具1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0080】
注目すべきは、この配線巻取具7は、前述の配線巻取具1が携帯音楽プレーヤ31に直接貼付けられるのに対して、スマートフォン32に直接貼付けられず、別体のコード巻きとして使用可能なことである。そのため、前述の配線巻取具1において携帯音楽プレーヤ31に貼付けられていた第1の係合シート11は、押えカバー71に貼付けられている。板状の基板72に、2本の巻取り軸13,14が相互に間隔を開けて配置されて、それらにはフランジ板17,18が貼付けられて、その上に第2の係合シート15,16が貼付けられている点は、配線巻取具1と同様である。
【0081】
こうして、第1の係合シート11と第2の係合シート15,16との面ファスナーによって、押えカバー71は、基板72から着脱自在となる。そして、図7で示すように、基板72から押えカバー71を外した状態で、コード21の着脱、すなわち巻取り軸13,14にコード21を巻付けたり解いたりすることができ、図8で示すように、第1および第2の係合シート11;15,16の係合によって、押えカバー71と基板72との間にコード21(場合によってはイヤフォン本体23,24も)を挟み込むことができる。
【0082】
これによって、必要に応じて該配線巻取具7を用い、コード21を絡まないように巻付けて、コンパクトに、かつスマートフォン32とは切離して、つまり別体で収納することができる。また、2本の巻取り軸13,14が間隔を開けて配置されるので、巻付け回数を少なくし、軸の高さを低く、したがって該配線巻取具7を装着したスマートフォン32の厚さを薄くすることもできる。
【0083】
また、本実施形態の配線巻取具7において注目すべきは、スマートフォン32は板状に形成されることから、基板72および押えカバー71はその板に沿う板状に形成され、それらにおいて、2本の巻取り軸13,14の配列方向の端部付近が、連結部材73,74で連結されることである。連結部材73,74は、ゴム紐などの伸縮性を有する材料から成る。図7では、分り易くするために、連結部材73,74のゴム紐を、延ばした状態で示している。図8は、連結部材73,74のゴム紐が、縮んだ状態を示している。
【0084】
そうすることで、適宜コード21を巻付けたこの配線巻取具7を、図9で示すようにスマートフォン32に直接取付けたり、図10で示すようにスマートフォン32のカバー4aに取付けることができる。詳しくは、第1および第2の係合シート11;15,16は、相互に係合できなくなるが、図9で示すように、基板72と押えカバー71との間にスマートフォン32を挟み込み、コード21は、そのスマートフォン32と基板71との間に挟み込むことになる。或いは、図10で示すように、スマートフォン32のカバー4aにおいて、蓋45を挟み込む。図10の場合、カバー4aの表に基板72が密着し、裏には、薄い押えカバー71が密着することになる。この配線巻取具7の着脱の際には、ゴム紐から成る連結部材73,74を伸縮させる。
【0085】
こうして、コード21を巻取った該配線巻取具7を、前述のようにスマートフォン32或いはそのカバー4aと別体とするだけでなく、一体とすることもできる。また、連結部材73,74をゴム紐とすることで、該配線巻取具7を、容易に一体化或いは別体化することができる。
【0086】
なお、押えカバー71および第1の係合シート11については、可撓性を有するシート体などでもよく、スマートフォン32に沿うことができればよい。押えカバー71は、巻取り軸13,14間を連結し、該巻取り軸13,14と同径以上で、コード21やイヤフォン本体23,24を基板72との間で挟持できるものであればよい。そのため、図7図11の例では、ゴム紐から成る連結部材73,73を通し、ひっくり返したりすることが容易なように、押えカバー71は、基板72よりも小さく形成されている。
【0087】
(実施の形態4)
図11図13は、本発明の実施の他の形態に係る配線巻取具5の使用状態を説明する斜視図である。この配線巻取具5も、格別、電子機器に装着されなくてもよいが、図13の状態の外周部に面ファスナーを貼付け、それが前述の面ファスナーから成る第1の係合シート11に貼付くことで、電子機器に一体化されてもよい。
【0088】
注目すべきは、この配線巻取具5は、イヤフォン2のコード21を巻取るにあたって、相対的に径の太い筒状部51と、筒状部51の一端511を閉止するように該一端511から延び、2股に割れて形成され、相対的に径の細い巻取り軸52,53とを備えて構成されることである。筒状部51および巻取り軸52,53は、ニット素材から成り、図11で示すように、巻取り軸52,53には、手袋状に使用者59の2本の指591,592が通った状態で、図12で示すように、コード21が巻掛けられる。
【0089】
つまり、この配線巻取具5は、実際にコード21が巻回される巻取り軸52,53を、太い筒状部51から2股に割れて形成し、図11で示すように、筒状部51から巻取り軸52,53が延びた状態で、図12で示すように、巻取り軸52,53の周囲にコード21を交互に巻掛けることで巻取り、その後、図13で示すように、筒状部51を巻取り軸52,53との境界(一端511)付近で折返すことで、コード21を巻取った巻取り軸52,53を該筒状部51内に収容して、解けないようにして保持する。このように構成することで、コード21を絡まないように巻付けて、簡単かつコンパクトに収納することができる。
【0090】
前記筒状部51および巻取り軸52,53は、ニット(編み物)に限らず、形のあるゴム手袋などのような物でもよい。しかしながら、ニット素材で形成することで、不使用時は平らに潰して、適宜折畳んだりして、コンパクトに保管することができる。そして、使用時は、自己支持(形状保持)性の乏しいニット素材につき、上述の通り、手袋のように使用者59の2本の指591,592を筒状部51から巻取り軸52,53に通した状態で、コード21を巻掛けることができるようになる。
【0091】
そのニット素材から成る場合、筒状部51は、袖口などで見られるリブ編みで形成されることが好ましい。リブ編みは、表編みと裏編みとを交互に編む編み方で、フライス編み、ゴム編み、畦(あぜ)編みとも呼ばれ、横方向の伸縮性に富む。そのため、コード21が巻掛けられた巻取り軸52,53を、該筒状部51が収縮して、コード21が解けないように収容することができ、好適である。
【0092】
また、該配線巻取具5がニット素材から成る場合、ポリエステル繊維を含有することが好ましい。そうすることで、前記自己支持(形状保持)性を増加することができる。また、或る程度の導電性を持たせることも可能であり、コードとしてはイヤフォン2のコード21、電子機器としてはスマートフォン32の組合わせの場合、手袋状の該配線巻取具5を着用したまま、スマートフォン32の操作が可能になる。図11および図12の例では、巻取り軸52,53が指591,592にフィットして、前記スマートフォン32の操作がし易いように、巻取り軸52,53の長さを変えているが、同じであってもよい。
(実施の形態5)
図14および図15は、本発明の実施のさらに他の形態に係る紐体の巻取具8の斜視図である。上述の配線巻取具1,4,5,7が配線(コード21)の巻取り用であったのに対して、この巻取具8は、一般的な紐体9の余剰部分を巻取るものである。図14の例では、紐体9は、巾着袋99の口を締め上げる紐である。
【0093】
この巻取具8は、基板82と、基板82に相互に間隔を開けて立設され、その周囲に紐体9が巻き掛けられる2本の巻取り軸83,84と、巻取り軸83,84の先端に固着される抜け止め用のフランジ87,88とを備えて構成される。基板82において、巻取り軸83,84の並ぶ長手方向の一端側には、孔85が形成されており、前記紐体9の先端91は、図15で示すように、この孔85を挿通された後、玉92に括られ、抜け止めされている。基板82の他端側には、巻取り軸83,84に適宜巻回された紐体9を挟み込んで係止するスリット86が形成されている。
【0094】
図14の例では、上述のように、紐体9は、巾着袋99の口を締め上げる紐であり、したがって往復2本分が一対で該巻取具8に巻取られるが、実際の巻取り軸83,84への巻付けは、2本一対で行われてもよく、或いは1本ずつ個別に行われてもよい。図14の例では、紐体9を適宜の長さに調整するために、巻取り軸84よりも、巻取り軸83への巻付けの回数が多くなっている。図14および図15では、紐体9は編み紐で、スリット86の隙間に挟み込むだけで、摩擦で、解けないように係止されている。紐体9がビニルなどの外径が均一で、滑り易い紐の場合には、基板82に、クランパなどの、解け止めを行うための格別の構成が用いられてもよい。
【0095】
このように構成することで、たとえば、巾着袋99が、学校で使用される上履きや体操着の収納に用いられる場合、図16で示すように机10のフック101に紐体9を引っ掛けると、伸びた紐体9によって巾着袋99が床面に引摺ってしまうのに対して、本実施形態の巻取具8を用いることで、巾着袋99を床面から浮かして、フック101に吊下げることができる。
【符号の説明】
【0096】
1 配線巻取具
11 第1の係合シート
12 基板
121,122 スリット
13,14 巻取り軸
15,16 第2の係合シート
17,18 フランジ板
2 イヤフォン
21 コード
22 プラグ
23,24 イヤフォン本体
31 携帯音楽プレーヤ
32 スマートフォン
4 配線巻取具
4a カバー
41 搭載部
411 凹所
412 外周壁
414 ブラケット
4141 隆起部
4142 スリット部
42 連結部
43 巻取り部
431 基板
44 支持棒
45 蓋
5 配線巻取具
51 筒状部
52,53 巻取り軸
59 使用者
591,592 指
6 支持具
61 基台
62 支柱
63 角変位機構
631 玉軸受け
632 ボルト
64 支持棒
65 取付き板
7 配線巻取具
71 押えカバー
72 基板
73,74 連結部材
8 紐体の巻取具
82 基板
83,84 巻取り軸
87,88 フランジ
9 紐体
99 巾着袋
10 机
101 フック
【要約】
【課題】スマートフォンや携帯音楽プレーヤなどの電子機器に装着されてイヤフォンコードなどの関連する配線を巻取る配線巻取具において、配線をコンパクトに収納する。
【解決手段】配線巻取具1は、携帯音楽プレーヤ31の裏面に貼付けられて面ファスナーなどから成る第1の係合シート11と、携帯音楽プレーヤ31と略同じ大きさ(投影面積)に形成される基板12と、基板12に間隔を開けて立設される2つの巻取り軸13,14と、巻取り軸13,14の先端に設けられてコード21の抜け止めを行うフランジ板17,18と、フランジ板17,18に貼付けられて面ファスナーなどから成る第2の係合シート15,16とを備えて構成される。したがって、巻取り軸13,14から基板12は着脱自在で、必要に応じて、コード21を絡まないように巻付けて、携帯音楽プレーヤ31に一体にコンパクトに収納することができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16