特許第6402415号(P6402415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6402415選択加熱を備えたエアロゾル発生システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402415
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】選択加熱を備えたエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20181001BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A61M15/00 Z
【請求項の数】13
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-562219(P2015-562219)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公表番号】特表2016-516402(P2016-516402A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】EP2014055177
(87)【国際公開番号】WO2014140320
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年3月1日
(31)【優先権主張番号】13159398.0
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】グレム オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】プロジュー ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル
(72)【発明者】
【氏名】ヨッホノヴィッツ エヴァン
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0048266(US,A1)
【文献】 特表2010−532672(JP,A)
【文献】 特表2002−527153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A61M 13/00、15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル発生物品であって、
揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第一の方を備える第一の区画、および
前記揮発性送達促進化合物供与源および前記医薬供与源のうち第二の方を備える第二の区画を含む物品と、
エアロゾル発生装置であって、
前記エアロゾル発生物品の前記第一の区画と前記第二の区画を受けるように構成されたくぼみ、および
前記くぼみの周辺付近に位置する外部ヒーターを含む、装置とを含み、
前記エアロゾル発生物品の第一の区画の温度が、前記エアロゾル発生物品の前記第二の区画よりも低くなるように、前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生物品の前記第一の区画と前記第二の区画を加熱するよう構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生物品の前記第一の区画を摂氏40度〜45度の温度に加熱するよう構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生物品の前記第二の区画を摂氏50度〜55度の温度に加熱するよう構成された、請求項1または2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記揮発性送達促進化合物が酸を含む、請求項1、2または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記酸が3-メチル-2-オキソ吉草酸、ピルビン酸、2-オキソ吉草酸、4-メチル-2-オキソ吉草酸、3-メチル-2-オキソブタン酸、2-オキソオクタン酸およびこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記酸がピルビン酸である、請求項5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生装置が、
外部ヒーターであって、
前記エアロゾル発生物品の前記第一の区画を加熱するよう構成された前記くぼみの周辺付近に配置された第一の外部発熱体と、
前記エアロゾル発生物品の前記第二の区画を加熱するよう構成された前記くぼみの周辺付近に配置された第二の外部発熱体と、
前記第一の外部発熱体の温度が前記第二の外部発熱体よりも低くなるように、前記第一の外部発熱体および前記第二の外部発熱体への電力供給を制御するよう構成されたコントローラとを含む、外部ヒーターを含む、エアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記第一の外部発熱体が、前記くぼみの周辺の第一の部分付近に位置し、また前記第二の外部発熱体が、前記くぼみの周辺の前記第一の部分の下流で、前記くぼみの周辺の第二の部分付近に位置する、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
請求項7または8に記載のエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生装置が、
前記エアロゾル発生物品の前記第一の区画の前記温度を感知するよう構成された第一の温度センサーと、
前記エアロゾル発生物品の前記第二の区画の前記温度を感知するよう構成された第二の温度センサーとを含み、
前記コントローラが、前記第一の温度センサーにより感知された前記エアロゾル発生物品の前記第一の区画の前記温度に基づき前記第一の外部発熱体への前記電力供給を制御し、前記第二の温度センサーにより感知された前記エアロゾル発生物品の前記第二の区画の前記温度に基づき前記第二の外部発熱体への前記電力供給を制御するよう構成された、エアロゾル発生システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生装置が、
外部ヒーターであって、
1つ以上の発熱体と、
前記エアロゾル発生物品の前記第一の区画と前記1つ以上の発熱体の間に位置する第一の熱移動要素と、
前記エアロゾル発生物品の前記第二の区画と前記1つ以上の発熱体の間に位置する第二の熱移動要素とを含み、
前記第一の熱移動要素の熱伝導率が前記第二の熱移動要素よりも低い、外部ヒーターを含む、エアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記エアロゾル発生物品の前記第一の区画と前記第二の区画の一方または両方が1つ以上の壊れやすいシールによってシールされている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生装置が、
前記エアロゾル発生物品の前記第一の区画と前記第二の区画を貫通するために、前記くぼみ内に配置された貫通部材をさらに含む、エアロゾル発生システム。
【請求項13】
ニコチン塩粒子のエアロゾルの形成を制御する方法であって、前記方法が、
エアロゾル発生物品の第一の区画で揮発性の送達促進供与源からの揮発性送達促進化合物の放出を、前記第一の区画を加熱することにより制御する工程と、
第二の区画内のニコチン供与源からのニコチンの放出を、前記第二の区画を加熱することによって制御する工程と、
前記第一の区画内の前記揮発性の送達促進供与源から放出される揮発性送達促進化合物が、前記第二の区画の前記ニコチン供与源から放出されるニコチンと気相で反応して、ニコチン塩粒子のエアロゾルを形成できるようにする工程とを含むが、
前記方法が、前記第一の区画を前記第二の区画よりも低い温度に加熱することを含むことで特徴付けられる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システム、およびエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル発生装置に関連する。特に、本発明は、ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生システム、およびそうしたエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル発生装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
WO 2008/121610 A1、WO 2010/107613 A1およびWO 2011/034723 A1は、ニコチンまたはその他の医薬をユーザーに送達するための、揮発性酸(ピルビン酸など)またはその他の揮発性送達促進化合物の供与源、およびニコチンまたはその他の医薬の供与源を含む装置を開示している。揮発性送達促進化合物は気相でニコチンと反応して、ユーザーによって吸い込まれるニコチン塩粒子のエアロゾルを形成する。
【0003】
室温でのピルビン酸およびニコチンはどちらも、気相で互いに反応してニコチンピルビン酸塩粒子を形成するそれぞれの蒸気を形成するのに十分なほど揮発性である。ところが、室温でのピルビン酸の蒸気圧は、ニコチンの蒸気圧よりも実質的に高く、2つの反応物の蒸気濃度の差異につながる。WO 2008/121610 A1、WO 2010/107613 A1およびWO 2011/034723 A1で開示されているタイプの装置での揮発性送達促進化合物とニコチンの間の蒸気濃度の差異は不利なことに、未反応の送達促進化合物蒸気がユーザーに送達されることにつながることがある。
【0004】
最小量の反応物を用いてユーザーに送達するための最大量のニコチン塩粒子を生成することが望ましい。その結果、未反応の揮発性送達促進物質の量が最小化される、WO 2008/121610 A1、WO 2010/107613 A1およびWO 2011/034723 A1で開示されているタイプのエアロゾル発生システムを提供することが望ましい。
【0005】
ユーザーへのニコチン塩粒子送達の一貫性が改良された、WO 2008/121610 A1、WO 2010/107613 A1およびWO 2011/034723 A1で開示されているタイプのエアロゾル発生システムを提供することが特に望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明によれば、エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備える、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生物品は、揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第一の方を備える第一の区画と、揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第二の方を備える第二の区画とを備える。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画を受けるように構成されたくぼみと、くぼみの周辺付近に位置する外部ヒーターとを備える。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画の温度がエアロゾル発生物品の第二の区画よりも低くなるように、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画を加熱するよう構成されている。
【0007】
本発明によれば、本発明によるエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル発生装置も提供されているが、そのエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を受けるように構成されたくぼみと、外部ヒーターであって、くぼみで受けられるエアロゾル発生物品の第一の区画を加熱するよう構成される第一の外部発熱体と、くぼみで受けられるエアロゾル発生物品の第二の区画を加熱するよう構成される第二の外部発熱体と、第一の外部発熱体の温度が第二の外部発熱体よりも低くなるように、第一の外部発熱体と第二の外部発熱体への電力供給を制御するよう構成されたコントローラとを含むものとを備える。
【0008】
本発明によれば、本発明によるエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル発生装置がさらに提供されているが、そのエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を受けるように構成されたくぼみと、外部ヒーターであって、1つ以上の発熱体と、1つ以上の発熱体とくぼみとの間に位置する第一の熱移動要素と、1つ以上の発熱体とくぼみとの間に位置する第二の熱移動要素とを含むものを備え、ここで第一の熱移動要素の熱伝導率が第二の熱移動要素よりも低い。
【0009】
本発明によれば、ニコチン塩粒子のエアロゾルの形成を制御する方法をさらに提供するが、その方法は、エアロゾル発生物品の第一の区画で揮発性の送達促進供与源からの揮発性送達促進化合物の放出を、第一の区画を加熱することにより制御する工程と、第二の区画でニコチン供与源からのニコチンの放出を、第二の区画を加熱することにより制御する工程と、第一の区画で揮発性の送達促進供与源から放出された揮発性送達促進化合物が、第二の区画でニコチン供与源から放出されたニコチンと気相で反応して、ニコチン塩粒子のエアロゾルを形成させる工程とを含むが、その方法は、第一の区画の温度を第二の区画よりも低く加熱することを含むことで特徴付けられる。
【0010】
本発明によれば、エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備える、エアロゾル発生システムがなおもさらに提供されている。エアロゾル発生物品は、揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第一の方を備える第一の区画と、揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第二の方を備える第二の区画とを備える。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画を受けるように構成されたくぼみと、くぼみの周辺付近に位置する外部ヒーターとを備える。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画を加熱するよう構成されている。エアロゾル発生物品の第一の区画の熱伝導率は、エアロゾル発生物品の第二の区画よりも低い。
【0011】
「エアロゾル発生装置」という用語は本明細書で使用されるとき、エアロゾル発生物品と相互作用して、ユーザーの肺にユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生する装置を意味する。
【0012】
「エアロゾル発生物品」という用語は本明細書で使用されるとき、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を持つエアロゾル形成基質を含む物品を意味する。ある一定の実施形態で、エアロゾル発生物品は加熱時にエアロゾルを形成できる揮発性の化合物を放出することができるエアロゾル形成基質を備えうる。
【0013】
「外部ヒーター」および「外部発熱体」という用語は本明細書で使用されるとき、エアロゾル発生装置のくぼみ内に受けられるエアロゾル発生物品の外側に位置するヒーターおよびヒーター要素をそれぞれ意味する。
【0014】
本発明のエアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置による、エアロゾル発生物品の送達促進化合物供与源および医薬供与源の選択加熱により、揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源からそれぞれ放出される揮発性送達促進化合物蒸気および医薬蒸気の量を正確に制御することができる。これにより、有利なことに、揮発性送達促進化合物および医薬の蒸気濃度が制御され比例的に均衡が取れて、効率的な反応化学量論が得られる。これにより、有利なことに、エアロゾルの形成の効率、およびユーザーへの医薬送達の一貫性が改善される。また有利なことに、未反応の送達促進化合物蒸気および未反応の医薬蒸気のユーザーへの送達が低減される。
【0015】
第一の区画は、揮発性送達促進化合物および医薬のうち蒸気圧が高い方を含む。第二の区画は、揮発性送達促進化合物および医薬のうち蒸気圧が低い方を含む。
【0016】
一定の好ましい実施形態で、揮発性送達促進化合物の蒸気圧は医薬よりも高い。こうした実施形態で、第一の区画は揮発性送達促進化合物供与源を含み、また第二の区画は医薬供与源を含む。
【0017】
その他の実施形態で、揮発性送達促進化合物の蒸気圧は医薬よりも低い。こうした実施形態で、第一の区画は医薬供与源を含み、また第二の区画は揮発性送達促進化合物供与源を含む。
【0018】
エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画は互いに隣接しうる。別の方法として、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画は互いに間隙を介しうる。一定の好ましい実施形態で、第一の区画と第二の区画の間の熱移動を低減するために、第一の区画と第二の区画は互いに間隙を介する。
【0019】
エアロゾル発生物品の第一の区画は、1つ以上の壊れやすいバリアでシールされうる。一つの好ましい実施形態で、第一の区画は一対の向かい合った横断する壊れやすいバリアによってシールされる。
【0020】
代替的または追加的に、エアロゾル発生物品の第二の区画は、1つ以上の壊れやすいバリアによってシールされうる。一つの好ましい実施形態で、第二の区画は一対の向かい合った横断する壊れやすいバリアによってシールされる。
【0021】
1つ以上の壊れやすいバリアは適切な任意の材料で形成されうる。例えば、1つ以上の壊れやすいバリアは金属の箔またはフィルムで形成されうる。
【0022】
こうした実施形態で、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画の一方または両方をシールする1つ以上の壊れやすいバリアを貫通するために、エアロゾル発生装置のくぼみ内に位置する貫通部材をさらに含むことが好ましい。
【0023】
第一の区画と第二の区画の容積は同一または異なる容積としうる。一つの好ましい実施形態で、第二の区画の容積は第一の区画の容積よりも大きい。
【0024】
下記にさらに説明する通り、第一の区画と第二の区画はエアロゾル発生物品内に直列または並列に配列されうる。
【0025】
「直列」は本明細書で使用されるとき、使用時にエアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れが、第一の区画と第二の区画のうち一方を通過してから、第一の区画と第二の区画のうちもう一方を通過するように、第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内に配列されることを意味する。
【0026】
第一の区画が揮発性送達促進化合物供与源を含み、第二の区画が医薬供与源を含む実施形態では、揮発性送達促進化合物蒸気は第一の区画内の揮発性送達促進化合物供与源からエアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れ中に放出され、医薬蒸気は第二の区画の医薬供与源から、エアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れ中に放出される。揮発性送達促進化合物蒸気は気相で医薬蒸気と反応して、エアロゾルを形成し、これがユーザーに送達される。
【0027】
第一の区画が医薬供与源を含み、第二の区画が揮発性送達促進化合物供与源を含む実施形態では、医薬蒸気は第一の区画内の医薬供与源からエアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れ中に放出され、揮発性送達促進化合物蒸気は第二の区画の揮発性送達促進化合物供与源から、エアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れ中に放出される。医薬蒸気は気相で揮発性送達促進化合物蒸気と反応して、エアロゾルを形成し、これがユーザーに送達される。
【0028】
第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内で直列に配列されている場合、使用時にエアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れが第一の区画を通過してから第二の区画を通過するように、第二の区画は第一の区画の下流であることが好ましい。ただし、当然のことながら、別の方法として第二の区画は、使用時にエアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れが、第二の区画を通過してから第一の区画を通過するように、第一の区画の上流としうる。
【0029】
第二の区画が第一の区画の下流である実施形態で、揮発性送達促進化合物蒸気は第二の区画内で医薬蒸気と反応しうる。こうした実施形態で、エアロゾル発生物品は第二の区画の下流に第三の区画をさらに備えることができ、揮発性送達促進化合物蒸気は、代替的または追加的に第三の区画内で医薬蒸気と反応してエアロゾルを形成しうる。
【0030】
第二の区画が第一の区画の上流である実施形態で、揮発性送達促進化合物蒸気は第一の区画内で医薬蒸気と反応しうる。こうした実施形態で、エアロゾル発生物品は第一の区画の下流に第三の区画をさらに備えることができ、揮発性送達促進化合物蒸気は、代替的または追加的に第三の区画内で医薬蒸気と反応してエアロゾルを形成しうる。
【0031】
「上流」「下流」「近位」および「遠位」という用語は本明細書で使用されるとき、本発明によるエアロゾル発生物品、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分の相対的位置を描写するために使用される。
【0032】
エアロゾル発生物品は、使用時にそこを通してエアロゾルがエアロゾル発生物品を抜け出る近位端を備える。近位端は口側の端と呼ばれることもある。使用時に、エアロゾル発生物品によって発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザーはエアロゾル発生物品の近位端または口側の端を吸う。エアロゾル発生物品は、近位端または口側の端と向かい合った遠位端を備える。エアロゾル発生物品の近位端または口側の端は下流端と呼ばれることもあり、またエアロゾル発生物品の遠位端は上流端と呼ばれることもある。エアロゾル発生物品の構成要素、または構成要素の部分は、エアロゾル発生物品の近位端または下流端と遠位端または上流端との間の相対的な位置に基づき、互いに上流または下流にあるものとして描写されうる。
【0033】
エアロゾル発生物品の上流端と下流端は、ユーザーがエアロゾル発生物品の近位端または口側の端を吸う時の気流に関連して定義される。遠位端または上流端でエアロゾル発生物品内に吸い込まれる空気は、エアロゾル発生物品を通過して下流に向かい、近位端または下流端でエアロゾル発生物品を抜け出る。
【0034】
「並列」は本明細書で使用されるとき、使用時に、エアロゾル発生物品を通して引き出される第一の空気の流れが第一の区画を通過し、エアロゾル発生物品を通して引き出される第二の空気の流れが第二の区画を通過するように、第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内に配列されることを意味する。
【0035】
第一の区画が揮発性送達促進化合物供与源を含み、第二の区画が医薬供与源を含む実施形態では、揮発性送達促進化合物蒸気は第一の区画内の揮発性送達促進化合物供与源からエアロゾル発生物品を通して引き出される第一の空気の流れ中に放出され、医薬蒸気は第二の区画の医薬供与源から、エアロゾル発生物品を通して引き出される第二の空気の流れ中に放出される。第一の空気の流れ内の揮発性送達促進化合物蒸気は、気相で第二の空気の流れ内の医薬蒸気と反応してエアロゾルを形成し、これがユーザーに送達される。
【0036】
こうした実施形態で、エアロゾル発生物品は第一の区画と第二の区画の下流にある第三の区画をさらに備えることができ、第一の空気の流れ内の揮発性送達促進化合物蒸気は、第三の区画内で第二の空気の流れ内の医薬蒸気と混合・反応してエアロゾルを形成しうる。
【0037】
第一の区画が医薬供与源を含み、第二の区画が揮発性送達促進化合物供与源を含む実施形態では、医薬蒸気は第一の区画の医薬供与源からエアロゾル発生物品を通して引き出される第一の空気の流れ中に放出され、揮発性送達促進化合物蒸気は第二の区画内の揮発性送達促進化合物供与源からエアロゾル発生物品を通して引き出される第二の空気の流れ中に放出される。第一の空気の流れ内の医薬蒸気は、気相で第二の空気の流れ内の揮発性送達促進化合物蒸気と反応してエアロゾルを形成し、これがユーザーに送達される。
【0038】
こうした実施形態で、エアロゾル発生物品は第一の区画と第二の区画の下流にある第三の区画をさらに備えることができ、第一の空気の流れ内の医薬蒸気は、第三の区画内で第二の空気の流れ内の揮発性送達促進化合物蒸気と混合・反応してエアロゾルを形成しうる。
【0039】
特に好ましい実施形態で、エアロゾル発生物品は、空気吸込み口と、空気吸込み口と連通する第一の区画であって、その第一の区画が揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第一の方を含むものと、第一の区画と連通する第二の区画であって、その第二の区画が揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第二の方を含むものと、空気出口とを含むハウジングを備えるが、ここで空気吸込み口および空気出口は、空気が空気吸込み口からハウジング内に入り、ハウジングを通過し、空気出口を通してハウジングから出ることができるように、相互に連通し構成されている。
【0040】
「空気吸込み口」という用語は本明細書で使用されるとき、それを通して空気がエアロゾル発生物品内に引き出されうる1つ以上の開口部を描写するために使用される。
【0041】
「空気出口」という用語は本明細書で使用されるとき、それを通して空気がエアロゾル発生物品から引き出されうる1つ以上の開口部を描写するために使用される。
【0042】
こうした実施形態で、第一の区画と第二の区画は、ハウジング内で空気吸込み口から空気出口まで直列に配列されている。すなわち、第一の区画は空気吸込み口の下流であり、第二の区画は第一の区画の下流であり、空気出口は第二の区画の下流である。使用時に、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジング内に引き出され、第一の区画と第二の区画を通して下流に流れ、空気出口を通してハウジングを出る。
【0043】
エアロゾル発生物品は、第二の区画、および空気出口と連通する第三の区画をさらに備えうる。こうした実施形態での使用において、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジング内に引き出され、第一の区画、第二の区画および第三の区画を通して下流に流れ、空気出口を通してハウジングを出る。
【0044】
エアロゾル発生物品は、第二の区画または第三の区画(存在する場合)、および空気出口と連通するマウスピースをさらに備えうる。こうした実施形態での使用において、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジング内に引き出され、第一の区画、第二の区画、第三の区画(存在する場合)、およびマウスピースを通して下流に流れ、空気出口を通してハウジングを出る。
【0045】
他の好ましい実施形態で、エアロゾル発生物品は、空気吸込み口と、空気吸込み口と連通する第一の区画であって、その第一の区画が揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第一の方を含むものと、空気吸込み口と連通する第二の区画であって、その第二の区画が揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第二の方を含むものと、空気出口とを含むハウジングを備えるが、ここで空気吸込み口および空気出口は、空気が空気吸込み口からハウジング内に入り、ハウジングを通過し、空気出口を通してハウジングから出ることができるように、相互に連通し構成されている。
【0046】
こうした実施形態で、第一の区画と第二の区画は、ハウジング内で空気吸込み口から空気出口まで並列に配列されている。第一の区画と第二の区画はどちらも空気吸込み口の下流でありかつ空気出口の上流である。使用時に、空気の流れは空気吸込み口を通してハウジング内に引き出され、空気の流れの第一の部分は第一の区画を通して下流に引き出され、空気の流れの第二の部分は第二の区画を通して下流に引き出される。
【0047】
エアロゾル発生物品は、第一の区画と第二の区画のうち片方または両方、および空気出口と連通する第三の区画をさらに備えうる。
【0048】
エアロゾル発生物品は、第一の区画、第二の区画または第三の区画(存在する場合)、および空気出口と連通するマウスピースをさらに備えうる。
【0049】
好ましいさらなる実施形態で、エアロゾル発生物品は、第一の空気吸込み口と、第二の空気吸込み口と、第一の空気吸込み口と連通する第一の区画であって、その第一の区画が揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第一の方を含むものと、第二の空気吸込み口と連通する第二の区画であって、その第二の区画が揮発性送達促進化合物供与源および医薬供与源のうち第二の方を含むものと、空気出口とを含むハウジングを備えるが、ここで第一の空気吸込み口、第二の空気吸込み口および空気出口は、空気が第一の空気吸込み口を通過してハウジングに入り、ハウジングを通過し、空気出口を通してハウジングから出ることができるように、また空気が第二の空気吸込み口を通過してハウジングに入り、ハウジングを通過し、空気出口を通してハウジングから出ることができるように相互に連通し構成されている。
【0050】
こうした実施形態で、第一の区画と第二の区画は、ハウジング内で並列に配列されている。第一の区画は第一の空気吸込み口の下流でありかつ空気出口の上流であり、第二の区画は第二の空気吸込み口の下流でありかつ空気出口の上流である。使用時に、第一の空気の流れは、第一の空気吸込み口を通してハウジング内に引き出され、第一の区画を通して下流に流れ、第二の空気の流れは、第二の空気吸込み口を通してハウジング内に引き出され、第二の区画を通して下流に流れる。
【0051】
エアロゾル発生物品は、第一の区画と第二の区画のうち片方または両方、および空気出口と連通する第三の区画をさらに備えうる。
【0052】
エアロゾル発生物品は、第一の区画、第二の区画または第三の区画(存在する場合)、および空気出口と連通するマウスピースをさらに備えうる。
【0053】
エアロゾル発生物品のハウジングは、紙巻たばこ、葉巻、細い葉巻またはパイプなどや、紙巻たばこパックの形状や寸法をまねてもよい。一つの好ましい実施形態で、ハウジングは紙巻たばこの形状および寸法をまねたものである。
【0054】
存在する場合、第三の区画は1つ以上のエアロゾル修飾剤を含みうる。例えば、第三の区画は、活性炭などの吸着剤、メントールなどの風味またはそれらの組み合わせを含みうる。
【0055】
存在する場合、マウスピースはフィルターを備えうる。フィルターは、低い粒子濾過効率または非常に低い粒子濾過効率を有しうる。別の方法として、マウスピースは中空管を備えうる。
【0056】
エアロゾル発生物品の第一の区画または第二の区画は、揮発性送達促進化合物供与源を含む。「揮発性」は本明細書で使用されるとき、送達促進化合物の蒸気圧が少なくとも約20 Paであることを意味する。特に明記しない限り、本明細書で言及したすべての蒸気圧は、ASTM E1194 - 07に従い測定された25℃での蒸気圧である。
【0057】
望ましい実施形態で、エアロゾル発生物品の第一の区画は、揮発性送達促進化合物供与源を含み、エアロゾル発生物品の第二の区画は医薬供与源を含む。
【0058】
揮発性送達促進化合物の25℃での蒸気圧は、少なくとも約50 Paであることが好ましく、少なくとも約75 Paであることがより好ましく、少なくとも100 Paであることが最も好ましい。
【0059】
揮発性送達促進化合物の25℃での蒸気圧は約400 Pa以下であることが好ましく、約300 Pa以下がより好ましく、約275 Pa以下がさらにより好ましく、約250 Pa以下が最も好ましい。
【0060】
一定の実施形態で、揮発性送達促進化合物の25℃での蒸気圧は、約20 Pa〜約400 Paの間としうるが、約20 Pa〜約300 Paの間がより好ましく、約20 Pa〜約275 Paの間がさらにより好ましく、約20 Pa〜約250 Paの間が最も好ましい。
【0061】
その他の実施形態で、揮発性送達促進化合物の25℃での蒸気圧は、約50 Pa〜約400 Paの間としうるが、約50 Pa〜約300 Paの間がより好ましく、約50 Pa〜約275 Paの間がさらにより好ましく、約50 Pa〜約250 Paの間が最も好ましい。
【0062】
さらなる実施形態で、揮発性送達促進化合物の25℃での蒸気圧は、約75 Pa〜約400 Paの間としうるが、約75 Pa〜約300 Paの間がより好ましく、約75 Pa〜約275 Paの間がさらにより好ましく、約75 Pa〜約250 Paの間が最も好ましい。
【0063】
なおさらなる実施形態で、揮発性送達促進化合物の25℃での蒸気圧は、約100 Pa〜約400 Paの間としうるが、約100 Pa〜約300 Paの間がより好ましく、約100 Pa〜約275 Paの間がさらにより好ましく、約100 Pa〜約250 Paの間が最も好ましい。
【0064】
揮発性送達促進化合物は単一の化合物を含みうる。別の方法として、揮発性送達促進化合物は2つ以上の異なる化合物を含みうる。
【0065】
揮発性送達促進化合物が2つ以上の異なる化合物を含む場合、2つ以上の異なる化合物の組み合わせの25℃での蒸気圧は少なくとも約20 Paである。
【0066】
揮発性送達促進化合物は揮発性の液体であることが好ましい。
【0067】
揮発性送達促進化合物は、2つ以上の異なる液体化合物の混合物を含みうる。
【0068】
揮発性送達促進化合物は、1つまたは複数の化合物の水溶液を含みうる。あるいは、揮発性送達促進化合物は、1つまたは複数の化合物の非水溶液を含みうる。
【0069】
揮発性送達促進化合物は2つ以上の異なる揮発性化合物を含みうる。例えば、揮発性送達促進化合物は、2つ以上の異なる揮発性液体化合物の混合物を含みうる。
【0070】
あるいは、揮発性送達促進化合物は、1つまたは複数の不揮発性化合物および1つまたは複数の揮発性化合物を含みうる。例えば、揮発性送達促進化合物は、揮発性溶媒中の1つまたは複数の不揮発性化合物の溶液または1つまたは複数の不揮発性液体化合物および1つまたは複数の揮発性液体化合物の混合物を含みうる。
【0071】
一つの実施形態で、揮発性送達促進化合物は酸を含む。揮発性送達促進化合物は、有機酸または無機酸を含みうる。揮発性送達促進化合物は有機酸を含むことが好ましく、カルボン酸がより好ましく、α-ケト酸または2-オキソ酸が最も好ましい。
【0072】
好ましい実施形態で、揮発性送達促進化合物は、3-メチル-2-オキソペンタン酸、ピルビン酸、2-オキソペンタン酸、4-メチル-2-オキソペンタン酸、3-メチル-2-オキソブタン酸、2-オキソオクタン酸およびこれらの組み合わせから成る群より選択される酸を含む。特に好ましい実施形態で、揮発性送達促進化合物はピルビン酸を含む。
【0073】
一つの好ましい実施形態で、揮発性送達促進化合物供与源は、収着エレメントと、収着エレメントに吸着された揮発性送達促進化合物とを含む。
【0074】
「収着された」は本明細書で使用されるとき、揮発性送達促進化合物が収着エレメントの表面上に吸着された、または収着エレメント中に吸収された、または収着エレメント上に吸着されて収着エレメント中に吸収されたことを意味する。揮発性送達促進化合物は、収着エレメント上に吸着されることが好ましい。
【0075】
収着エレメントを、任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成しうる。例えば、収着エレメントは、ガラス、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)の1つまたは複数を含みうる。
【0076】
好ましい実施形態で、収着エレメントは多孔性収着エレメントである。
【0077】
例えば、収着エレメントは、多孔性プラスチック材料、多孔性重合体繊維および多孔性ガラス繊維から成る群より選択された1つまたは複数の材料を含む多孔性収着エレメントであってもよい。
【0078】
収着エレメントは揮発性送達促進化合物に対して化学的に不活性であることが好ましい。
【0079】
収着エレメントは適切な任意のサイズおよび形状を有しうる。
【0080】
好ましい実施形態で、収着エレメントは実質的に円柱状プラグである。特に好ましい一つの実施形態で、収着エレメントは多孔性の実質的に円柱状のプラグである。
【0081】
好ましい別の実施形態で、収着エレメントは実質的に円柱状の中空管である。特に好ましい別の実施形態で、収着エレメントは多孔性の実質的に円柱状の中空管である。
【0082】
収着エレメントのサイズ、形状および組成物は、揮発性送達促進化合物の所望量が収着エレメント上に収着されるのを可能にするように選んでもよい。
【0083】
好ましい実施形態で、約20μl〜約200μlの間、より好ましくは約40μl〜約150μlの間、最も好ましくは約50μl〜約100μlの間の揮発性送達促進化合物は、収着エレメント上に収着される。
【0084】
収着エレメントは、揮発性送達促進化合物のための貯蔵所としての役割を都合よく果たす。
【0085】
エアロゾル発生物品の第一の区画または第二の区画は医薬供与源を含む。
【0086】
医薬の溶解点は摂氏約150度より低いことが好ましい。
【0087】
代替的または追加的に、医薬の沸点は摂氏約300度より低いことが好ましい。
【0088】
一定の好ましい実施形態で、医薬は、その内部に窒素原子がヘテロ環式環または非環式鎖(置換)として存在する、1つ以上の脂肪族または芳香族の、飽和または不飽和の窒素塩基(アルカリ性化合物を含む窒素)を含む。
【0089】
医薬は、ニコチン、7-ヒドロキシミトラギニン、アレコリン、アトロピン、ブプロピオン、カチン(D-ノルプソイドエフェドリン)、クロルフェニラミン、ジブカイン、ジメモルファン、ジメチルトリプタミン、ジフェンヒドラミン、エフェドリン、ホルデニン、ヒヨスチアミン、イソアレコリン、レボルファノール、ロベリン、メセンブリン、ミトラギニン、ムスカチン、プロカイン、プソイドエフェドリン、ピリラミン、ラクロプリド、リトドリン、スコポラミン、スパルテイン(ルピニジン)およびチクロピジン、たばこ煙構成要素(1,2,3,4テトラヒドロイソキノリン、アナバシン、アナタビン、コチニン、ミオスミン、ニコトリン、ノルコチニン、およびノルニコチンなど)、抗喘息薬(オルシプレナリン、プロプラノロールおよびテルブタリンなど)、抗狭心症薬(ニコランジル、オクスプレノロールおよびベラパミルなど)、抗不整脈薬(リドカインなど)、ニコチン作動薬(エピバチジン、5-(2R)-アゼチジニルメトキシ)-2-クロロピリジン(ABT-594)、(S)-3-メチル-5-(l-メチル-2-ピロリジニル)イソオキサゾール(ABT 418)および(±)-2-(3-ピリジニル)-l-アザビシクロ[2.2.2]オクタン(RJR-2429)など)、ニコチン受容体遮断薬(メチルリカコニチンおよびメカミラミンなど)、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ガランタミン、ピリドスチグミン、フィゾスチグミンおよびタクリンなど)、およびMAO阻害薬(メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン、5-メトキシ-α-メチルトリプタミン、α-メチルトリプタミン、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、リネゾリド、メクロベミド、N,N-ジメチルトリプタミン、フェネルジン、フェニルエチルアミン、トロキサトン、トラニルシプロミンおよびトリプタミンなど)から成る群から選択される1つ以上の化合物を含みうる。
【0090】
薬剤供与源は収着エレメントおよび収着エレメント上に吸着された薬剤を含みうる。
【0091】
望ましい実施形態で、エアロゾル発生物品の第一の区画は、揮発性送達促進化合物供与源とニコチン供与源のうち第一の方を含み、エアロゾル発生物品の第二の区画は揮発性送達促進化合物供与源とニコチン供与源のうち第二の方を含む。
【0092】
特に望ましい実施形態で、エアロゾル発生物品の第一の区画は、揮発性送達促進化合物供与源を含み、エアロゾル発生物品の第二の区画はニコチン供与源を含む。ニコチン供与源は1つまたは複数のニコチン、ニコチン塩基、ニコチン-HCl、ニコチン酒石酸塩またはニコチン二酒石酸塩などのニコチン塩またはニコチン誘導体を含みうる。
【0093】
ニコチン供与源は天然ニコチンまたは合成ニコチンを含みうる。
【0094】
ニコチン供与源は純粋なニコチン、水性溶媒または非水溶媒あるいは液体たばこ抽出物におけるニコチンの溶液を含みうる。
【0095】
ニコチン供与源は電解質形成化合物をさらに含みうる。電解質形成化合物はアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびこれらの組み合わせから成る群より選択しうる。
【0096】
例えば、ニコチン供与源は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化バリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸アンモニウムおよびこれらの組み合わせから成る群より選択された電解質形成化合物を含みうる。
【0097】
一定の実施形態で、ニコチン供与源はニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩またはニコチン誘導体および電解質形成化合物の水溶液を含みうる。
【0098】
代替的または追加的に、ニコチン供与源は天然フレーバー、人工フレーバーおよび酸化防止剤を含むがこれに限定されないその他の成分をさらに含みうる。
【0099】
揮発性ニコチン供与源は収着エレメントおよび収着エレメント上に吸着されたニコチンを含みうる。
【0100】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒形の形状であることが好ましい。
【0101】
エアロゾル発生物品は適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。
【0102】
「長軸方向」という用語は本明細書で使用されるとき、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の下流または近位端とそれに向かい合った上流または遠位端との間の方向を描写するために使用され、また「横断」という用語は、長軸方向と直角を成す方向を描写するために使用される。
【0103】
エアロゾル発生物品の横断断面は実質的に円形または実質的に楕円形であることが好ましい。エアロゾル発生物品の横断断面は実質的に円形であることがより好ましい。
【0104】
エアロゾル発生物品は、紙巻たばこ、葉巻、細い葉巻またはパイプなどの喫煙物品や、紙巻たばこパックの形状や寸法をまねてもよい。一つの好ましい実施形態で、エアロゾル発生物品は紙巻たばこの形状および寸法をまねたものである。
【0105】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画を受けるよう構成されたくぼみを含む。
【0106】
エアロゾル発生装置のくぼみは実質的に円筒形であることが好ましい。
【0107】
エアロゾル発生装置のくぼみは適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。例えば、くぼみの横断断面は、実質的に円形、楕円形、三角形、正方形、菱型、台形、五角形、六角形または八角形としうる。
【0108】
「横断断面」という用語は本明細書で使用されるとき、くぼみの主軸と直角を成す断面を描写するために使用される。
【0109】
エアロゾル発生装置のくぼみの横断断面は、エアロゾル発生物品の横断断面と実質的に同一形状であることが好ましい。
【0110】
ある一定の実施形態で、エアロゾル発生装置のくぼみの横断断面は、エアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品への導電性熱移動を最大化するために、くぼみで受けられるエアロゾル発生物品の横断断面と実質的に同一の形状および寸法を持ちうる。
【0111】
エアロゾル発生装置のくぼみの横断断面は、実質的に円形または実質的に楕円形であることが好ましい。エアロゾル発生装置の横断断面は、実質的に円形であることが最も好ましい。
【0112】
エアロゾル発生装置のくぼみの長さは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置のくぼみで受けられる時に、エアロゾル発生物品の近位端または下流端が、エアロゾル発生装置のくぼみから突出するように、エアロゾル発生物品の長さよりも短いことが好ましい。
【0113】
「長さ」は本明細書で使用されるとき、くぼみおよびエアロゾル発生物品の遠位端または上流端と近位端または下流端の間の最大長軸方向寸法を意味する。
【0114】
エアロゾル発生装置のくぼみの直径は、エアロゾル発生物品の直径と実質的に等しいかまたはわずかに大きいことが好ましい。
【0115】
「直径」は本明細書で使用されるとき、くぼみおよびエアロゾル発生物品の最大横断寸法を意味する。
【0116】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一と第二の区画を貫通するために、くぼみ内に配置された貫通部材をさらに含みうる。貫通部材は適切な任意の材料で形成されうる。
【0117】
エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内で直列に配列される場合、貫通部材はエアロゾル発生装置のくぼみ内の中央に、くぼみの主軸に沿って配置されることが好ましい。
【0118】
エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内で並列で配列される場合、貫通部材は、エアロゾル発生物品の第一の区画を貫通するために、エアロゾル発生装置のくぼみ内に配置された第一の貫通要素と、エアロゾル発生物品の第二の区画を貫通するために、エアロゾル発生装置のくぼみ内に配置された第二の貫通要素とを含みうる。
【0119】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画の温度がエアロゾル発生物品の第二の区画よりも低くなるように、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画を加熱するよう構成されている。
【0120】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画を実質的に同時に加熱するよう構成されうる。
【0121】
エアロゾル発生装置はエアロゾル発生物品の第一の区画を摂氏約30度〜約100度の温度に加熱するよう構成されていることが好ましい。ある一定の実施形態で、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生物品の第一の区画を摂氏約30度〜70度の温度に加熱するよう構成されている。
【0122】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第二の区画を摂氏約50度〜約150度の温度に加熱するよう構成されていることが好ましい。ある一定の実施形態で、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第二の区画を摂氏約50度〜約100度の温度に加熱するよう構成されている。
【0123】
エアロゾル発生装置は、外部ヒーターへの電力供給を制御するよう構成されたコントローラをさらに含みうる。
【0124】
エアロゾル発生装置は、外部ヒーターへ電力を供給するための電源と、電源から外部ヒーターへの電力供給を制御するよう構成されたコントローラとをさらに含みうる。別の方法として、エアロゾル発生装置のコントローラは、外部電源から外部ヒーターへの電力供給を制御するように構成されうる。
【0125】
ヒーターは電源によって電力供給される電熱器としうる。ヒーターが電熱器である場合、エアロゾル発生装置は電源と、電源から電熱器への電力供給を制御するよう構成された電子回路を備えたコントローラとをさらに含みうる。
【0126】
電源はDC電圧供給源としうる。望ましい実施形態で、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウムベースの電池、例えばリチウムコバルト、リチウム鉄リン酸塩またはリチウムポリマー電池としうる。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置としうる。電源は再充電を必要とすることがあり、またエアロゾル発生装置を1つ以上のエアロゾル発生物品とともに使用するのに十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を持つものとしうる。
【0127】
あるいは、ヒーターは化学的加熱手段などの非電気ヒーターとしうる。
【0128】
エアロゾル発生装置の外部ヒーターは1つ以上の外部発熱体を備えうる。
【0129】
1つ以上の外部発熱体は、くぼみの長さに沿って全体的または部分的に延びうる。
【0130】
1つ以上の外部発熱体は、くぼみの周囲に全体的または部分的に延びうる。
【0131】
外部ヒーターは、1つ以上の発熱体がエアロゾル発生物品と直接的な熱的接触状態にあるように構成されうる。別の方法として、外部ヒーターは、1つ以上の発熱体がエアロゾル発生物品の近くに、接触することなく配置されるように構成されうる。その他の実施形態で、外部ヒーターは、1つ以上の発熱体がエアロゾル発生物品と間接的な熱的接触状態にあるように構成されうる。
【0132】
1つ以上の外部発熱体は電気的に加熱されることが好ましい。ただし、1つ以上の外部発熱体を加熱するためにその他の加熱の仕組みを使用しうる。例えば、1つ以上の外部発熱体は別の熱源からの熱伝導により加熱されうる。別の方法として、それぞれの発熱体は赤外線発熱体、光子供給源、または誘導発熱体を備えうる。
【0133】
それぞれの外部発熱体は、熱を吸収・貯蔵して、その後、時間をかけてエアロゾル形成基質に熱を放出する能力を持つ材料を含む、ヒートシンク、または蓄熱体を含みうる。ヒートシンクは、適切な金属またはセラミック材料など、任意の適切な材料で形成しうる。材料は高い熱容量(目的に適った熱貯蔵材料)を持つか、または熱を吸収しその後で可逆的な過程(高温相変化など)を経て放出する能力を持つ材料であることが好ましい。目的に適った適切な熱貯蔵材料は、シリカゲル、アルミナ、炭素、ガラスマット、ガラス繊維、鉱物、金属または合金(アルミニウム、銀または鉛)、およびセルロース材料(紙など)を含む。可逆的な相変化により熱を放出するその他の適切な材料は、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタリン、ろう、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物または合金を含む。
【0134】
ヒートシンクまたは蓄熱体は、エアロゾル発生物品と直接的に接触した状態で、貯蔵された熱がエアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画の片方または両方に直接的に移動できるように、配列されうる。別の方法として、ヒートシンクまたは蓄熱体に貯蔵された熱は、金属管などの熱伝導体の手段によって、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画の片方または両方に移動しうる。
【0135】
一つの好ましい実施形態で、それぞれの外部発熱体は、電気抵抗性の材料を含むことが好ましい。それぞれの発熱体は、例えば、アルミナ(Al2O3)および窒化珪素(Si3N4)、またはプリント基板またはシリコンゴムなど、セラミック焼結材料といった非弾性材料を備えうる。別の方法として、それぞれの発熱体は、例えば鉄合金またはニッケルクロム合金などの弾性金属材料を備えうる。1つ以上の発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基質上の柔軟性のある加熱ホイルとしうる。柔軟性のある加熱ホイルは、エアロゾル発生装置のくぼみの周囲に適合する形状とすることができる。別の方法として、1つ以上の発熱体は、金属格子(単一または複数)、柔軟性のあるプリント基板、または柔軟性のある炭素繊維ヒーターとしうる。
【0136】
その他の適切な電気抵抗性の材料には、添加セラミックなどの半導体、電気的に「伝導性」のセラミック(例えば、ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が含まれるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープまたは非ドープのセラミックを含みうる。適切な添加セラミックの例は、ドープシリコン炭化物を含む。適切な金属の例は、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属を含む。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル-、コバルト-、クロミウム-、アルミニウム-チタン-ジルコニウム-、ハフニウム-、ニオビウム-、モリブデン-、タンタル-、タングステン-、スズ-、ガリウム-、マンガン-合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄-マンガン-アルミニウム系の合金を含む。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporation(1999 Broadway Suite 4300, Denver, Colorado)の登録商標である。複合材料で、電気抵抗性の材料は、エネルギー移動の動態学および要求される外部の物理化学的性質に応じて、随意に絶縁材への埋込、封入、または塗布あるいはその逆ができる。
【0137】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画の温度を感知するように構成された第一の温度センサーと、エアロゾル発生物品の第二の区画の温度を感知するように構成された第二の温度センサーとを備えうる。
【0138】
こうした実施形態で、コントローラは、第一の温度センサーにより感知されたエアロゾル発生物品の第一の区画の温度と、第二の温度センサーにより感知されたエアロゾル発生物品の第二の区画の温度とを基に、1つ以上の外部発熱体への電力供給を制御するよう構成しうる。
【0139】
外部ヒーターは、温度と比抵抗との間に明確な関係を持つ金属を使用して形成される1つ以上の外部発熱体を備えうる。こうした実施形態で、金属は2層の適切な絶縁材の間のトラックとして形成しうる。このように形成された外部発熱体は、エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画の温度の加熱とモニタリングの両方に使用しうる。
【0140】
望ましい実施形態で、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画を加熱するように構成された第一の外部発熱体と、エアロゾル発生物品の第二の区画を加熱するよう構成された第二の外部発熱体とを含む外部ヒーターと、第一の外部発熱体の温度が第二の外部発熱体よりも低くなるように、第一の外部発熱体と第二の外部発熱体への電力供給を制御するよう構成されたコントローラとを備える。
【0141】
こうした実施形態で、第一の外部発熱体と第二の外部発熱体は、コントローラによって独立的に制御され、揮発性送達促進化合物供与源およびニコチン供与源からそれぞれ放出される揮発性送達促進化合物蒸気およびニコチン蒸気の量を制御するために、異なる温度範囲で作動する。
【0142】
こうした実施形態で、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の第一の区画の温度を感知するよう構成された第一の温度センサーと、エアロゾル発生物品の第二の区画の温度を感知するよう構成された第二の温度センサーとを備えうるが、ここで、コントローラは、第一の温度センサーにより感知された第一の区画の温度に基づき、第一の外部発熱体への電力供給を制御し、第二の温度センサーにより感知された第二の区画の温度に基づき、第二の外部発熱体への電力供給を制御するよう構成されている。
【0143】
第一の外部発熱体はくぼみの周辺の第一の部分付近に配置され、また第二の外部発熱体はくぼみの周辺の第二の部分付近に配置されうる。
【0144】
エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内で直列に配列され、第二の区画が第一の区画の下流にある場合、第二の外部発熱体は、第一の外部発熱体の下流に配置されうる。こうした実施形態で、第一の外部発熱体はくぼみの周辺の第一の部分付近に配置され、また第二の外部発熱体は、くぼみの周辺の第一の部分の下流にあるくぼみの周辺の第二の部分付近に配置されうる。
【0145】
エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内で直列に配列され、第二の区画が第一の区画の上流にある場合、第二の外部発熱体は、第一の外部発熱体の上流に配置されうる。こうした実施形態で、第一の外部発熱体はくぼみの周辺の第一の部分付近に配置され、また第二の外部発熱体は、くぼみの周辺の第一の部分の上流にあるくぼみの周辺の第二の部分付近に配置されうる。
【0146】
第一の外部発熱体、第二の外部発熱体、または第一の外部発熱体と第二の外部発熱体の両方は、くぼみの周囲に全体的または部分的に延びうる。
【0147】
エアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内で並列に配列されている場合、第一の外部発熱体は第二の外部発熱体の反対側としうる。こうした実施形態で、第一の外部発熱体はくぼみの周辺の第一の部分付近に配置され、また第二の外部発熱体は、くぼみの周辺の第一の部分の反対側にあるくぼみの周辺の第二の部分付近に配置されうる。
【0148】
第一の外部発熱体、第二の外部発熱体、または第一の外部発熱体と第二の外部発熱体の両方は、くぼみの長さに沿って全体的または部分的に延びうる。
【0149】
代替的な実施形態で、エアロゾル発生装置は、第一の区画の温度が第二の区画よりも低くなるように、第二の区画を加熱するよう構成された高密度部分と、エアロゾル発生物品の第一の区画を加熱するよう構成された低密度部分を持つ、単一の外部発熱体を含む外部ヒーターを備える。
【0150】
その他の実施形態で、エアロゾル発生装置は、1つ以上の発熱体と、エアロゾル発生物品の第一の区画および1つ以上の発熱体との間に配置された第一の熱移動要素と、エアロゾル発生物品の第二の区画および1つ以上の発熱体の間に配置された第二の熱移動要素とを含む、外部ヒーターを備えているが、ここで、第一の熱移動要素の熱伝導率は第二の熱移動要素よりも低い。
【0151】
こうした実施形態で、第一の熱移動要素は1つ以上の発熱体とくぼみの間に配置され、また第二の熱移動要素は1つ以上の発熱体とくぼみの間に配置される。
【0152】
第一の熱移動要素と第二の熱移動要素は、異なる材料で形成されうる。第一の熱移動要素は第一の材料で形成されることができ、第二の熱移動要素は第二の材料で形成されることができるが、第一の材料のバルク熱伝導率は、第二の材料のバルク熱伝導率よりも小さい。
【0153】
第一の熱移動要素は断熱材料で形成されうる。例えば、第一の熱移動要素は、23℃および相対湿度50%で、改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定して、バルク熱伝導率が約5W毎メートルケルビン(W/(m・K))未満である材料で形成されうる。
【0154】
第二の熱移動要素は導電性材料で形成されうる。例えば、第二の熱移動要素は、23℃および相対湿度50%で、改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定して、バルク熱伝導率が約15W毎メートルケルビン(W/(m・K))を超える材料で形成されうる。
【0155】
代替的または追加的に、第一の熱移動要素と第二の熱移動要素は、異なる寸法としうる。例えば、第一の熱移動要素の厚みは、第一の熱移動要素の熱伝導率が第二の熱移動要素よりも低くなるように、第二の熱移動要素の厚みより大きくしうる。
【0156】
こうした実施形態で、1つ以上の発熱体からエアロゾル発生物品の第一の区画への熱移動は、第一の熱移動要素の熱伝導率は第二の熱移動要素と比較して低いため、1つ以上の発熱体からエアロゾル発生物品の第二の区画への熱移動よりも小さい。この結果、エアロゾル発生物品の第一の区画の温度が、エアロゾル発生物品の第二の区画よりも低くなる。
【0157】
なおさらなる実施形態で、エアロゾル発生物品の第一の区画の熱伝導率は、エアロゾル発生物品の第二の区画よりも低い。
【0158】
第一の区画と第二の区画は異なる材料で形成されうる。第一の区画は第一の材料で形成されることができ、第二の区画は第二の材料で形成されることができるが、第一の材料のバルク熱伝導率は、第二の材料のバルク熱伝導率よりも小さい。
【0159】
第一の区画は断熱材料で形成されうる。例えば、第一の区画は、23℃および相対湿度50%で、改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定して、バルク熱伝導率が約5W毎メートルケルビン(W/(m・K))未満である材料で形成される。
【0160】
第二の区画は導電性材料で形成されうる。例えば、第二の区画は、23℃および相対湿度50%で、改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定して、バルク熱伝導率が約15W毎メートルケルビン(W/(m・K))を超える材料で形成される。
【0161】
代替的または追加的に、第一の区画と第二の区画は異なる構造としうる。例えば、第一の区画の周囲の厚みは、第一の区画の熱伝導率が第二の区画よりも低くなるように、第二の区画の周囲の厚みよりも大きくしうる。
【0162】
こうした実施形態で、エアロゾル発生装置の外部ヒーターからエアロゾル発生物品の第一の区画への熱移動は、第一の区画の熱伝導率は第二の区画と比較して低いために、エアロゾル発生装置の外部ヒーターからエアロゾル発生物品の第二の区画への熱移動よりも小さい。この結果、エアロゾル発生物品の第一の区画の温度が、エアロゾル発生物品の第二の区画よりも低くなる。
【0163】
誤解を避けるために、本発明の1つの実施形態に対する上に記述された特徴はまた、本発明のその他の実施形態に適用することができる。特に、本発明によるエアロゾル発生システムに対する上に記述された特徴はまた、本発明によるエアロゾル発生装置に適切な場合、関連し得るとともに、逆もまた同じである。
【0164】
ここで、添付図面を参照しながら本発明に関してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0165】
図1図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略的な長軸方向断面を示す。
図2図2は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略的な長軸方向断面を示す。
図3図3は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略的な長軸方向断面を示す。
図4図4は、カナダ保健省(Health Canada)喫煙方式によるエアロゾル発生システムの動作中の、図1に示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生物品の第一の区画と第二の区画の温度を時間の関数として示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0166】
図1は、エアロゾル発生物品2およびエアロゾル発生装置4を含む、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムを概略的に示す。
【0167】
エアロゾル発生物品2は、細長い円筒形形状を持ち、揮発性送達促進化合物供与源を含む第一の区画6と、ニコチン供与源を含む第二の区画8と、第三の区画10とを含む、ハウジングを含む。図1に示す通り、第一の区画6、第二の区画8、および第三の区画10は、直列にかつエアロゾル発生物品2内に同軸に整列して配列されている。第一の区画6はエアロゾル発生物品2の遠位端または上流端に位置する。第二の区画8は、第一の区画6のすぐ下流に位置し、第一の区画6に隣接する。第三の区画10は第二の区画8の下流のエアロゾル発生物品2の近位端または下流端に位置する。第三の区画10の代わりに、またはそれに加えて、エアロゾル発生物品2はマウスピースをその近位端または下流端に備えうる。
【0168】
エアロゾル発生物品2の第一の区画6と第二の区画8の上流端と下流端は、壊れやすいバリア(図示せず)でシールされる。
【0169】
エアロゾル発生装置4は、電源12と、コントローラ14と、第一の外部発熱体16aと第二の外部発熱体16bを含む外部ヒーターと、エアロゾル発生物品2の第一の区画の温度を感知するよう構成された第一の温度センサー(図示せず)と、エアロゾル発生物品2の第二の区画の温度を感知するよう構成された第二の温度センサー(図示せず)とを含む、ハウジングを含む。第一の外部発熱体16aと第二の外部発熱体16bは、電気抵抗性の外部発熱体である。
【0170】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品2を受ける細長い円筒形くぼみをさらに含む。エアロゾル発生物品2の近位端または下流端がくぼみから突出するように、くぼみの長さはエアロゾル発生物品2の長さよりも短い。
【0171】
電源12は電池である。コントローラ14は電子回路を備え、また電源12、第一の外部発熱体16a、第二の外部発熱体16b、第一の温度センサーと第二の温度センサーに接続されている。コントローラ14は、第一の温度センサーにより感知されたエアロゾル発生物品2の第一の区画の温度に基づき電源12から第一の外部発熱体16aへの電力供給を独立的に制御し、第二の温度センサーにより感知されたエアロゾル発生物品2の第二の区画の温度に基づき電源12から第二の外部発熱体16bへの電力供給を制御するよう構成されている。
【0172】
本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムで、エアロゾル発生装置4の第二の外部発熱体16bはその第一の外部発熱体16aの下流に位置する。
【0173】
第一の外部発熱体16aは、くぼみの第一の部分の周辺付近で、その遠位端または上流端に位置し、くぼみの周囲に全体的に延びる。図1に示す通り、第一の外部発熱体16aはエアロゾル発生物品2の第一の区画6を囲むように位置する。
【0174】
第二の外部発熱体16bは、くぼみの周辺の第一の部分の下流で、くぼみの第二の部分の周辺付近に位置し、くぼみの周囲に全体的に延びる。図1に示す通り、第二の外部発熱体16bはエアロゾル発生物品2の第二の区画8を囲むように位置する。
【0175】
エアロゾル発生装置4は、エアロゾル発生装置4のくぼみ内の中央に位置し、くぼみの主軸に沿って延びる貫通部材18をさらに含む。
【0176】
使用時に、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置4のくぼみに挿入されると、貫通部材18はエアロゾル発生物品2に挿入され、およびエアロゾル発生物品2の第一の区画6と第二の区画8の上流端と下流端にある壊れやすいバリア(図示せず)を貫通する。これにより、ユーザーは、その遠位端または上流端を通してエアロゾル発生物品のハウジングに空気を引き出し、第一の区画6、第二の区画8および第三の区画10を通して下流に流し、その近位端または下流端を通してハウジングから出すことができる。
【0177】
揮発性送達促進化合物蒸気は、第一の区画6内の揮発性送達促進化合物供与源からエアロゾル発生物品2を通して引き出される空気の流れ内に放出され、ニコチン蒸気は第二の区画8のニコチン供与源からエアロゾル発生物品2を通して引き出される空気の流れ内に放出される。揮発性送達促進化合物蒸気は、第二の区画8および第三の区画10内にある気相内のニコチン蒸気と反応してエアロゾルを形成するが、これがエアロゾル発生物品2の近位端または下流端を通してユーザーに送達される。
【0178】
使用時に、コントローラ14は、揮発性送達促進化合物蒸気とニコチン蒸気の濃度のバランスを取り、エアロゾル発生物品2の第一の区画6がその第二の区画8よりも低い温度に保たれるように、電源12から第一の外部発熱体16aと第二の外部発熱体16bへの電力供給を独立的に制御することにより効率的なエアロゾル形成を達成する。
【0179】
図4は、カナダ保健省(Health Canada)喫煙方式によるエアロゾル発生システムの動作中に、図1に示す本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生物品2の第一の区画6(破線で表示)と第二の区画8(実線で表示)の温度を時間の関数として示したグラフである。エアロゾル発生物品2の第一の区画6はピルビン酸供与源を含む。エアロゾル発生装置4のコントローラ14は、エアロゾル発生物品2の第一の区画6が摂氏約40度〜25度の温度に保たれるように、電源12から第一の外部発熱体16aへの電力供給を制御するよう構成されている。エアロゾル発生装置4のコントローラ14は、エアロゾル発生物品2の第二の区画8が摂氏約50度〜55度の温度に保たれるように、電源12から第二の外部発熱体16bへの電力供給を制御するよう構成されている。
【0180】
図2は、エアロゾル発生物品2およびエアロゾル発生装置4を含む、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムを概略的に示す。図2に示す第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの構造および動作は、図1に示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムと類似している。
【0181】
ただし、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムでは、第一の区画6と第二の区画8はエアロゾル発生物品2内で並列に配列される。第一の区画6は、エアロゾル発生物品2の上部の第一の部分内で、その遠位端または上流端に位置する。第二の区画8は、エアロゾル発生物品2の下部の第二の部分内で、上部の第一の部分のすぐ下に位置し、第一の区画6に隣接する。第三の区画10は第一の区画6と第二の区画8の下流で、エアロゾル発生物品2の近位端または下流端に位置する。
【0182】
本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムで、エアロゾル発生装置4の第二の外部発熱体16bはその第一の外部発熱体16aの反対側にある。
【0183】
第一の外部発熱体16aは、その遠位端または上流端で、くぼみの第一の上部分の周辺付近に位置し、くぼみの周囲に部分的に延びる。図2に示す通り、第一の外部発熱体16aはエアロゾル発生物品2の第一の区画6に面するように位置する。
【0184】
第二の外部発熱体16bは、くぼみの周辺の第一の部分の反対側で、くぼみの第二の下部分の周辺付近に位置し、くぼみの周囲に部分的に延びる。図2に示す通り、第二の外部発熱体16bはエアロゾル発生物品2の第二の区画8に面するように位置する。
【0185】
本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置4の貫通部材は、エアロゾル発生装置4のくぼみ内に位置し、くぼみの主軸と平行に延びる、第一の貫通要素18aと第二の貫通要素18bを含む。
【0186】
使用時に、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置4のくぼみに挿入されると、貫通部材はエアロゾル発生物品2に挿入されて、第一の貫通要素18aがエアロゾル発生物品2の第一の区画6の上流端と下流端にある壊れやすいバリア(図示せず)を貫通し、第二の貫通要素18bが、エアロゾル発生物品2の第二の区画8の上流端と下流端にある壊れやすいバリア(図示せず)を貫通する。これにより、ユーザーは、第一の空気の流れをその遠位端または上流端を通してエアロゾル発生物品のハウジングに引き出し、第一の区画6および第三の区画10を通して下流に流し、およびその近位端または下流端を通してハウジングから出し、第二の空気の流れをその遠位端または上流端を通してエアロゾル発生物品のハウジングに引き出し、第二の区画8および第三の区画10を通して下流に流し、その近位端または下流端を通してハウジングから出すことができる。
【0187】
揮発性送達促進化合物蒸気は、第一の区画6内の揮発性送達促進化合物供与源からエアロゾル発生物品2を通して引き出される第一の空気の流れ内に放出され、ニコチン蒸気は第二の区画8のニコチン供与源からエアロゾル発生物品2を通して引き出される第二の空気の流れ内に放出される。第一の空気の流れが第三の区画10内の第二の空気の流れと混合されて、揮発性送達促進化合物蒸気が気相内のニコチン蒸気と反応してエアロゾルを形成するが、これがエアロゾル発生物品2の近位端または下流端を通してユーザーに送達される。
【0188】
使用時に、コントローラ14は、揮発性送達促進化合物蒸気とニコチン蒸気の濃度のバランスを取り、エアロゾル発生物品2の第一の区画6がその第二の区画8よりも低い温度に保たれるように、電源12から第一の外部発熱体16aと第二の外部発熱体16bへの電力供給を独立的に制御することにより効率的なエアロゾル形成を達成する。
【0189】
図3は、エアロゾル発生物品2およびエアロゾル発生装置4を含む、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生システムを概略的に示す。図3に示す第三の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生物品2の構造は、図1に示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生物品2の構造と同一である。
【0190】
図3に示す第三の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置4の構造は、図1に示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置4の構造と類似している。
【0191】
ところが、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生システムでは、エアロゾル発生装置4は、くぼみの周囲に全体的に延びるくぼみの周辺付近に位置する、単一の電気抵抗性の外部発熱体16を含む。図3に示す通り、単一の外部発熱体16は、エアロゾル発生装置4のくぼみ内に受けられるエアロゾル発生物品2の第一の区画6を囲むように位置する。
【0192】
本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生システムで、エアロゾル発生装置4の外部ヒーターは、単一の外部発熱体16とエアロゾル発生装置4のくぼみ内に受けられるエアロゾル発生物品2の第一の区画6の間に位置する第一の熱移動要素20をさらに含む。外部ヒーターはまた、単一の外部発熱体16とエアロゾル発生装置4のくぼみ内に受けられるエアロゾル発生物品2の第二の区画8の間に位置する第二の熱移動要素22をさらに含む。第二の熱移動要素22は第一の熱移動要素20の下流に位置し、第一の熱移動要素20よりも高い熱伝導率を持つ。
【0193】
第一の熱移動要素20は、その遠位端または上流端で、くぼみの第一の部分の周辺付近に位置し、くぼみの周囲に全体的に延びる。図3に示す通り、第一の熱移動要素20は、エアロゾル発生装置4のくぼみ内に受けられるエアロゾル発生物品2の第一の区画6を囲むように位置する。
【0194】
第二の熱移動要素22は、くぼみの周辺の第一の部分の下流で、くぼみの第二の部分の周辺付近に位置し、くぼみの周囲に全体的に延びる。図3に示す通り、第二の熱移動要素22は、エアロゾル発生装置4のくぼみ内に受けられるエアロゾル発生物品2の第二の区画8を囲むように位置する。
【0195】
エアロゾル発生装置4は、エアロゾル発生装置4のくぼみ内の中央に位置し、くぼみの主軸に沿って延びる貫通部材18をさらに含む。
【0196】
使用時に、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置4のくぼみに挿入されると、貫通部材18はエアロゾル発生物品2に挿入され、およびエアロゾル発生物品2の第一の区画6と第二の区画8の上流端と下流端にある壊れやすいバリア(図示せず)を貫通する。これにより、ユーザーは、その遠位端または上流端を通してエアロゾル発生物品のハウジングに空気を引き出し、第一の区画6、第二の区画8および第三の区画10を通して下流に流し、その近位端または下流端を通してハウジングから出すことができる。
【0197】
揮発性送達促進化合物蒸気は、第一の区画6内の揮発性送達促進化合物供与源からエアロゾル発生物品2を通して引き出される空気の流れ内に放出され、ニコチン蒸気は第二の区画8のニコチン供与源からエアロゾル発生物品2を通して引き出される空気の流れ内に放出される。揮発性送達促進化合物蒸気は、第二の区画8および第三の区画10内にある気相内のニコチン蒸気と反応してエアロゾルを形成するが、これがエアロゾル発生物品2の近位端または下流端を通してユーザーに送達される。
【0198】
使用時に、コントローラ14は電源12から単一の外部発熱体16への電力供給を制御する。効率的なエアロゾル形成を達成するために、揮発性送達促進化合物蒸気およびニコチン蒸気の濃度のバランスを取るために、外部ヒーターの第一の熱移動要素20と第二の熱移動要素22は、エアロゾル発生物品2の第一の区画6がその第二の区画8よりも低い温度に保たれるように構成される。
【0199】
本発明は、1つ以上の電気抵抗性の外部発熱体を含む外部ヒーターを含むエアロゾル発生装置を備えたエアロゾル発生システムを参照しながら上に例示してきた。ところが、当然のことながら、本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生装置は、その他のタイプの外部ヒーターを備えうる。
図1
図2
図3
図4