特許第6402456号(P6402456)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6402456無線通信ネットワークシステム、無線端末、時刻補正方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402456
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】無線通信ネットワークシステム、無線端末、時刻補正方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20181001BHJP
   G04G 5/00 20130101ALI20181001BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20181001BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20181001BHJP
【FI】
   H04W56/00 130
   G04G5/00 J
   H04W84/18
   H04W4/38
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-50487(P2014-50487)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-177247(P2015-177247A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】星野 充紀
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−110677(JP,A)
【文献】 特開2010−233071(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0177574(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
G04G5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、該無線通信ネットワークシステムは、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含み、
収集装置となる前記無線端末は、
時刻補正情報を下り通信パケットに付加するための送信事象が発生すると、所定の期間、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段と、
該受信確認信号を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段と、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段と、を有し、
中継装置となる前記無線端末は、
一定周期で間欠的に、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンを送信し、前記ビーコンを送信した後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の上位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第1の他の無線端末から送信される送信要求を受信できるようにする間欠動作制御手段と、
自無線端末の前記無線受信回路の動作状態中に前記第1の他の無線端末から送信された送信要求を受信する送信要求受信手段と、
該送信要求受信手段が前記送信要求を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記第1の他の無線端末に受信確認信号を送信する受信確認信号送信手段と、
該受信確認信号を送信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを前記第1の他の無線端末から受信するデータ受信手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末時刻を前記時刻補正情報に基づいて補正する時刻補正手段と、
該データを受信した場合に、前記データを中継するために自無線端末の中継時間計測タイマをスタートさせて自無線端末における中継時間を計測する中継時間計測手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第2の他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自端末装置の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段と、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記第2の他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として前記収集装置となる前記無線端末が設定した送信開始時刻と前記データの受信時点から前記ビーコン送信元である前記第2の他の無線端末に対するデータ送信時点までの経過時間と前記データを受信した時点の経過時間とを加算した経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段と、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記第2の他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段と、を有することを特徴とする無線通信ネットワークシステム。
【請求項2】
前記時刻補正情報は、下り通信パケットのヘッダ部の時刻情報欄に付加され、該時刻情報欄は、送信開始時刻(Tstart)と中継時間(Ttrans)を領域に含んでいることを特徴とする請求項1に記載の無線通信ネットワークシステム。
【請求項3】
データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、該無線通信ネットワークシステムは、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成り、
収集装置となる前記無線端末は、
時刻補正情報を下り通信パケットに付加するための送信事象が発生すると、所定の期間、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段と、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段と、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段と、を有することを特徴とする収集装置となる無線端末。
【請求項4】
データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、該無線通信ネットワークシステムは、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成り、
中継装置となる前記無線端末は、
一定周期で間欠的に、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にしてビーコンを送信し、前記ビーコンを送信した後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の上位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第1の他の無線端末から送信される送信要求を受信できるようにする間欠動作制御手段と、
自無線端末の前記無線受信回路の動作状態中に前記第1の他の無線端末から送信された送信要求を受信する送信要求受信手段と、
該送信要求受信手段が前記送信要求を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記第1の他の無線端末に受信確認信号を送信する受信確認信号送信手段と、
該受信確認信号を送信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを前記第1の他の無線端末から受信するデータ受信手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末時刻を前記時刻補正情報に基づいて補正する時刻補正手段と、
該データを受信した場合に、前記データを中継するために自無線端末の中継時間計測タイマをスタートさせて自無線端末における中継時間を計測する中継時間計測手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第2の他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段と、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記第2の他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として前記収集装置となる前記無線端末が設定した送信開始時刻と前記データの受信時点から前記ビーコン送信元である前記第2の他の無線端末に対するデータ送信時点までの経過時間と前記データを受信した時点の経過時間とを加算した経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段と、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記第2の他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段と、を有することを特徴とする中継装置となる無線端末。
【請求項5】
データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成る無線通信ネットワークシステムにおける時刻補正方法であって、
収集装置となる前記無線端末は、
時刻補正情報を下り通信パケットに付加するための送信事象が発生すると、所定の期間、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末に送信要求を送信し、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末からの受信確認信号を受信し、
該受信確認信号を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを送信し、
該データ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信し、
一方、中継装置となる前記無線端末は、
一定周期で間欠的に、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンを送信し、前記ビーコンを送信した後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の上位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第1の他の無線端末から送信される送信要求を受信し、
該送信要求を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記第1の他の無線端末に受信確認信号を送信し、
該受信確認信号を送信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを前記第1の他の無線端末から受信し、
該データを受信した場合に、自無線端末時刻を前記時刻補正情報に基づいて補正すると共に前記データを中継するために自無線端末の中継時間計測タイマをスタートさせて自無線端末における中継時間を計測し、さらに該データを受信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第2の他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末に送信要求を送信して、前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末からの受信確認信号を受信し、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記第2の他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として前記収集装置となる前記無線端末が設定した送信開始時刻と前記データの受信時点から前記ビーコン送信元である前記第2の他の無線端末に対するデータ送信時点までの経過時間と前記データを受信した時点の経過時間とを加算した経過時間を内包するデータを送信し、
該データ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記第2の他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信する時刻補正方法。
【請求項6】
データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成る無線通信ネットワークシステムにおける収集装置となる前記無線端末のコンピュータを、
時刻補正情報を下り通信パケットに付加するための送信事象が発生すると、所定の期間、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段、および、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段、として機能させる為のプログラム。
【請求項7】
データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成る無線通信ネットワークシステムにおける中継装置となる前記無線端末のコンピュータを、
一定周期で間欠的に、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンを送信し、前記ビーコンを送信した後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の上位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第1の他の無線端末から送信される送信要求を受信できるようにする間欠動作制御手段、
自無線端末の前記無線受信回路の動作状態中に前記第1の他の無線端末から送信された送信要求を受信する送信要求受信手段、
該送信要求受信手段が前記送信要求を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記第1の他の無線端末に受信確認信号を送信する受信確認信号送信手段、
該受信確認信号を送信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを前記第1の他の無線端末から受信するデータ受信手段、
該データを受信した場合に、自無線端末時刻を前記時刻補正情報に基づいて補正する時刻補正手段、
該データを受信した場合に、前記データを中継するために自無線端末の中継時間計測タイマをスタートさせて自無線端末における中継時間を計測する中継時間計測手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第2の他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記第2の他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として前記収集装置となる前記無線端末が設定した送信開始時刻と前記データの受信時点から前記ビーコン送信元である前記第2の他の無線端末に対するデータ送信時点までの経過時間と前記データを受信した時点の経過時間とを加算した経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段、および、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記第2の他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段、として機能させる為のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークシステムに関し、特に上位の収集装置の下り通信で付加された時刻補正情報を用いて下位の各端末が時刻を補正し、補正した時刻に基づいて各端末が一斉に決められた時刻に計測を行い収集装置が計測データを収集する無線通信ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
計測データを取得する無線端末を用いて、一定の時間間隔で何らかの計測結果を上位の収集装置に無線送信する従来の無線通信ネットワークシステムは、小型化、低価格化などの制約から、システム全体を統括する収集装置が有する時計に対して自端末の動作を同期させる時計に精度の高いものを使用することができない。
【0003】
そのため従来は、各端末が計測した計測データをパケット化し他の無線端末を中継しながら上位の収集装置に送信する際には、各端末が計測し発信するパケットに対して途中の無線端末が当該パケットの中継のために要した時間を記録させながら当該パケットを中継し、当該パケットの情報を収集する収集装置で時刻を補正することで各端末が計測した時点の正しい時刻を算出する無線通信ネットワークシステムが採用されていた。
【0004】
一方、下記特許文献1の図1、4〜6には、基幹装置を根元として複数の無線装置がツリー状に接続されたマルチホップ無線ネットワークにおいて、基幹装置12は、カウンタ20でカウントしたスーパーフレーム50の開始時刻からの経過時間に応じたカウント値をパケット72内のネットワーク情報部中のスロット同期格納部96に設定し、設定したパケット72を基幹装置12に割り当てられたタイムスロット62で同報送信し、第1無線装置16aのカウンタ22aは、カウントしているカウント値をスロット同期格納部96中に設定されたカウント値に変更し、変更したカウント値からカウントを再開することで、カウンタ値を用いて時刻同期を取る、すなわち、基幹装置12と第1無線装置16aとの間での相対時刻の同期(時刻同期、従属同期)を取ることができる無線ネットワークシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−233071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、センサネットワーク等の無線通信システムにおいては、一定の時間間隔で何らかの計測結果を上位の収集装置に無線送信する無線端末は、小型化、低価格化などの制約から、上位の収集装置が有する時計に同期させて自端末の動作タイミングを規定する時計に精度の高いものを使用することができないため、各端末が計測し上位の収集装置に発信するパケットに中継に要した時間を記録させ、それに基づいて上位の収集装置で補正することで計測した正しい時刻を算出していたが、一斉に決められた時刻に各端末が計測を行って上位の収集装置に計測結果を送信することは不可能であった。
【0007】
また上記特許文献1に記載された無線ネットワークシステムにおける基幹装置及び各無線装置間の時刻同期方式では、基幹装置12がネットワーク情報部中のスロット同期格納部96に設定したスーパーフレーム50の開始時刻からの経過時間に応じたカウント値に基づき、時刻同期を取ることで、基幹装置12と第1無線装置16aとの間での相対時刻の同期を取るものであり、一斉に決められた時刻に各端末が計測を行って上位の収集装置に計測結果を送信することについては何も触れていない。
【0008】
そこで本発明の目的は、収集装置の下り通信に付加した時刻補正情報に基づいて各端末が時刻を補正することで、各端末が一斉に決められた時刻に計測を実施し収集装置に送信可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の無線通信ネットワークシステムは、データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、該無線通信ネットワークシステムは、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含み、
収集装置となる前記無線端末は、
時刻補正情報を下り通信パケットに付加するための送信事象が発生すると、所定の期間、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段と、
該受信確認信号を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段と、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段と、を有し、
中継装置となる前記無線端末は、
一定周期で間欠的に、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンを送信し、前記ビーコンを送信した後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の上位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第1の他の無線端末から送信される送信要求を受信できるようにする間欠動作制御手段と、
自無線端末の前記無線受信回路の動作状態中に前記第1の他の無線端末から送信された送信要求を受信する送信要求受信手段と、
該送信要求受信手段が前記送信要求を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記第1の他の無線端末に受信確認信号を送信する受信確認信号送信手段と、
該受信確認信号を送信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを前記第1の他の無線端末から受信するデータ受信手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末時刻を前記時刻補正情報に基づいて補正する時刻補正手段と、
該データを受信した場合に、前記データを中継するために自無線端末の中継時間計測タイマをスタートさせて自無線端末における中継時間を計測する中継時間計測手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第2の他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自端末装置の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段と、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記第2の他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として前記収集装置となる前記無線端末が設定した送信開始時刻と前記データの受信時点から前記ビーコン送信元である前記第2の他の無線端末に対するデータ送信時点までの経過時間と前記データを受信した時点の経過時間とを加算した経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段と、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記第2の他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
上記において、前記時刻補正情報は、下り通信パケットのヘッダ部の時刻情報欄に付加され、該時刻情報欄は、送信開始時刻(Tstart)と中継時間(Ttrans)を領域に含んでいることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために本発明の無線通信ネットワークシステムにおける収集装置となる無線端末は、データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、該無線通信ネットワークシステムは、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成り、
収集装置となる前記無線端末は、
時刻補正情報を下り通信パケットに付加するための送信事象が発生すると、所定の期間、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段と、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段と、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段と、を有することを特徴とする
【0012】
上記目的を達成するために本発明の無線通信ネットワークシステムにおける中継装置となる無線端末は、データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、該無線通信ネットワークシステムは、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成り、
中継装置となる前記無線端末は、
一定周期で間欠的に、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にしてビーコンを送信し、前記ビーコンを送信した後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の上位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第1の他の無線端末から送信される送信要求を受信できるようにする間欠動作制御手段と、
自無線端末の前記無線受信回路の動作状態中に前記第1の他の無線端末から送信された送信要求を受信する送信要求受信手段と、
該送信要求受信手段が前記送信要求を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記第1の他の無線端末に受信確認信号を送信する受信確認信号送信手段と、
該受信確認信号を送信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを前記第1の他の無線端末から受信するデータ受信手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末時刻を前記時刻補正情報に基づいて補正する時刻補正手段と、
該データを受信した場合に、前記データを中継するために自無線端末の中継時間計測タイマをスタートさせて自無線端末における中継時間を計測する中継時間計測手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第2の他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段と、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記第2の他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として前記収集装置となる前記無線端末が設定した送信開始時刻と前記データの受信時点から前記ビーコン送信元である前記第2の他の無線端末に対するデータ送信時点までの経過時間と前記データを受信した時点の経過時間とを加算した経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段と、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記第2の他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために本発明の時刻補正方法は、データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成る無線通信ネットワークシステムにおける時刻補正方法であって、
収集装置となる前記無線端末は、
時刻補正情報を下り通信パケットに付加するための送信事象が発生すると、所定の期間、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末に送信要求を送信し、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末からの受信確認信号を受信し、
該受信確認信号を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを送信し、
該データ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信し、
一方、中継装置となる前記無線端末は、
一定周期で間欠的に、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンを送信し、前記ビーコンを送信した後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の上位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第1の他の無線端末から送信される送信要求を受信し、
該送信要求を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記第1の他の無線端末に受信確認信号を送信し、
該受信確認信号を送信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを前記第1の他の無線端末から受信し、
該データを受信した場合に、自無線端末時刻を前記時刻補正情報に基づいて補正すると共に前記データを中継するために自無線端末の中継時間計測タイマをスタートさせて自無線端末における中継時間を計測し、さらに該データを受信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第2の他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末に送信要求を送信して、前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末からの受信確認信号を受信し、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記第2の他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として前記収集装置となる前記無線端末が設定した送信開始時刻と前記データの受信時点から前記ビーコン送信元である前記第2の他の無線端末に対するデータ送信時点までの経過時間と前記データを受信した時点の経過時間とを加算した経過時間を内包するデータを送信し、
該データ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記第2の他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するようにしたものである。
【0014】
また本発明の収集装置となる無線端末を制御するコンピュータに実行させるプログラムは、データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成る無線通信ネットワークシステムにおける収集装置となる前記無線端末のコンピュータを、
時刻補正情報を下り通信パケットに付加するための送信事象が発生すると、所定の期間、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段、および、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段、として機能させるようにしたものである。
【0015】
また本発明の中継装置となる無線端末を制御するコンピュータに実行させるプログラムは、データを無線にて送信する無線送信回路と、無線で送信されたデータを受信する無線受信回路とを有する複数の無線端末で構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、一つの収集装置となる無線端末と、該収集装置となる無線端末からの下り通信経路に位置する複数の中継装置となる無線端末を含んで成る無線通信ネットワークシステムにおける中継装置となる前記無線端末のコンピュータを、
一定周期で間欠的に、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンを送信し、前記ビーコンを送信した後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の上位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第1の他の無線端末から送信される送信要求を受信できるようにする間欠動作制御手段、
自無線端末の前記無線受信回路の動作状態中に前記第1の他の無線端末から送信された送信要求を受信する送信要求受信手段、
該送信要求受信手段が前記送信要求を受信したら、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記第1の他の無線端末に受信確認信号を送信する受信確認信号送信手段、
該受信確認信号を送信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記時刻補正情報として送信開始時刻と前記送信事象の発生時点からデータ送信時点までの経過時間を内包するデータを前記第1の他の無線端末から受信するデータ受信手段、
該データを受信した場合に、自無線端末時刻を前記時刻補正情報に基づいて補正する時刻補正手段、
該データを受信した場合に、前記データを中継するために自無線端末の中継時間計測タイマをスタートさせて自無線端末における中継時間を計測する中継時間計測手段と、
該データを受信した場合に、自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、自無線端末よりも前記下り通信経路の下位に位置し且つ自無線端末との間で直接通信可能な第2の他の無線端末からのビーコンの受信待ち状態となり、該期間中に前記ビーコンを受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末に送信要求を送信する送信要求送信手段と、
該送信要求を受信した前記ビーコンの送信元である前記第2の他の無線端末からの受信確認信号を受信する受信確認信号受信手段、
該受信確認信号を受信すると、自無線端末の前記無線送信回路を動作状態にして、前記受信確認信号の送信相手である前記第2の他の無線端末に対して、前記時刻補正情報として前記収集装置となる前記無線端末が設定した送信開始時刻と前記データの受信時点から前記ビーコン送信元である前記第2の他の無線端末に対するデータ送信時点までの経過時間と前記データを受信した時点の経過時間とを加算した経過時間を内包するデータを送信するデータ送信手段、および、
該データ送信手段によるデータ送信後に自無線端末の前記無線受信回路を動作状態にして、前記データの送信相手である前記第2の他の無線端末から送信されるデータ確認信号を受信するデータ確認信号受信手段、として機能させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一つの収集装置となる無線端末と、複数の中継装置となる無線端末を含んで成る無線通信ネットワークシステムにおける収集装置の下り通信において時刻補正情報を付加し、付加された時刻補正情報に基づいて各端末が時刻を補正するだけなので、無線通信ネットワークシステムにおける時刻同期の構成を簡易化することができる。
【0017】
また本発明の収集装置は、従来のような時刻補正処理をしなくて済むため、収集装置の構成を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る無線通信ネットワークシステムの構成例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る無線端末の構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る収集装置のパケット送信シーケンスを示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る下り通信パケットフォーマット例を示す図である。
図5】本発明の実施形態にかかる収集装置の処理フローを示す図である。
図6】本発明の実施形態にかかる下り通信パケットの中継シーケンスを示す図である。
図7A】本発明の実施形態に係る中継端末の処理フロー(その1)を示す図である。
図7B】本発明の実施形態に係る中継端末の処理フロー(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信ネットワークシステムの構成例を示す図である。図1において、本発明の実施形態に係る無線通信ネットワークシステムは、例えば、メッシュを構成する各端末AないしFが目的の端末へパケットを中継するためのネットワーク構成情報をあらかじめ作成し各端末に保持しているものとする。すなわち、
図1(a)は、端末AないしFがメッシュ状に配置された無線通信ネットワークシステムを示すものである。なお、図示の実線は、端末間が無線で直接通信可能であることを示し、実線が接続されていない端末間は、他の端末を中継することで通信が行うことができるものである。そして図1(a)に示す本発明の実施形態に係る無線通信ネットワークシステムは、使用環境を選ばないため、無線による監視制御装置を構成するうえで非常に有効である。
【0020】
図1(a)に示す本発明の実施形態に係る無線通信ネットワークシステムを構成する各端末は、インターフェース(後述する)を介してセンサ等の計器、パソコンや上位装置(図示省略)などと接続可能にされており、所定の通信シーケンスに基づいた他の端末からの要求により自端末に係るセンサ等の計器から取り込んだ情報をメッシュ状に配置された他の端末を中継しながら目的の端末に送信するものである。
【0021】
なお、各端末は、ネットワークトポロジーにおける自己位置を公知の存在確認パケット(図示せず)を相互に遣り取りして把握し、相互に遣り取りして更新した位置情報を通信開始前にそれぞれ図1(b),(c)に示す構成情報テーブルに保存している。図1(b)は上記のように存在確認パケット(図示せず)を相互に遣り取りして把握した端末A自身の構成情報テーブルの内容の一例を示すものであり、また図1(c)は、端末Aで把握されている隣接する他の端末B,C,Dの構成情報テーブルの内容の一例を示すものである。なお、構成情報テーブル自体は既に公知であり、これ以上の説明を省くものとする。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係る無線端末の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、本発明の実施形態に係る無線端末11は、情報の送受信の制御を行う制御部12、無線部13内にあって、情報を無線にて送信する無線送信回路14及び無線で送信された情報を受信する無線受信回路15、情報送受信の切り替えを行う切り替え部16、情報を電波として空間に送出したり受信したりするアンテナ17、制御部12無線部13間欠動作制御部20に電源を供給する直流電源(例.電池)18、不図示の上位装置と情報のやり取りを行うインターフェース19、タイマ(不図示)が設けられ制御部12や無線部13に所定の周期で動作信号を送って制御部12や無線部13を間欠的に動作させる間欠動作制御部20を備えている。
【0023】
なお、インターフェース19を介して情報のやり取りを行う上位装置としては、例えば、パソコン等の情報処理装置、計装機器を構成するスイッチ、センサ、表示器などを挙げることができる。
【0024】
さらに制御部12には、メモリ33を内蔵するパケット送受信制御部32、データ送信部34、データ受信部36およびシーケンス制御部35が設けられている。
ここでパケット送受信制御部32は、メモリ33に格納されたパケットデータ(例えば、計測データ、中継データなど)を読取ってデータ送信部34に渡すとともにデータ受信部36で受信したパケットをメモリ33に格納する制御を行う。またシーケンス制御部35は、パケットの送信および受信、並びに切り替え部16の切り替え制御を行う。シーケンス制御部35は適宜、パケット送受信制御部32と制御信号を遣り取りしパケットの送信、および、受信を所定のシーケンスで実行する。
【0025】
本発明の実施形態に係る無線端末の通信シーケンスで使用する各種制御信号、例えば、同期用ビーコン(RNO)、送信要求信号(SREQ)、受信確認信号(RACK)、データ受信確認信号(DACK)は、パケット送受信制御部32内で作成され、シーケンス制御部35の制御の下に送受信無線端末間で遣り取りを行うようにしている。なお具体的な通信シーケンスについては後述する。
【0026】
パケット送受信制御部32は、同期用ビーコン(RNO)を作成しており、間欠動作制御部20およびシーケンス制御部35の制御の下に同期用ビーコン(RNO)を定周期に無線送信回路14を介して送信する。
【0027】
シーケンス制御部35は、パケットの送受に関する一連のシーケンスに必要な制御信号、すなわち、送信要求信号(SREQ)、その受信確認信号(RACK)、データ(DATA)送信に対するデータ受信確認信号(DACK)の各フォーマットデータの送受信に関与して、無線送信回路14および無線受信回路15を介して送受信する。この際、無線受信回路15で受信した送信要求信号(SREQ)の受信確認信号(RACK)、データ(DATA)のデータ受信確認信号(DACK)は適宜、パケット送受信制御部32に伝達される。
【0028】
なお間欠動作制御部20、パケット送受信制御部32およびシーケンス制御部35は、例えばCPU/MPU等を含んで構成され、当該CPU/MPU等が予めメモリ等に記憶されている所定のアプリケーションプログラムを実行することにより所定の制御を行う。特にパケット送受信制御部32におけるメモリ33には、上記図1(b)、(c)に示す構成情報等も記憶される。また、メモリ33には、自端末に予め任意に割り当てられている端末識別ID(無線端末識別子)が予め(例えば設置の際の初期登録作業等で)登録・記憶される。
【0029】
図3は、本発明の実施形態に係る収集装置のパケット送信シーケンスを示す図である。図1に示す本発明の実施形態に係る無線通信ネットワークシステムには、端末AないしFと記載されているだけで、どの端末が“収集装置(集計端末とも呼ばれる)”であるかを明示していないが、複数の端末のうちどれか一つが“収集装置”に設定されることになる。
【0030】
図3において収集装置(TMx)は、送信要求が発生(送信事象の発生とも云う)すると、図4の下り通信パケットフォーマットに示すヘッダ部110の時刻情報140における送信開始時刻(Tstart)部141に自己の保持する現在時刻を、また中継時間(Ttrans)部142に0(ゼロ)をそれぞれ設定し、同期待ち(同期用ビーコン受信待ち)に移行する。同期待ちへの移行と同時に中継時間計測用タイマ(図示せず)による計測をスタートさせる。なお、上述したように図2に示す制御部12は、CPU/MPU等およびメモリ等を含んでおり、上記タイマを“ソフトタイマ”として実現することができる。
【0031】
ここで図4の下り通信パケットフォーマットについてさらに説明すると、下り通信パケットのフォーマットは、ヘッダ部110とデータ部120に分けられ、ヘッダ部110は、更に、宛先情報130と時刻情報140とに分けられている。
【0032】
ヘッダ部110における時刻情報140は、送信開始時刻(Tstart)部141と、中継時間(Ttrans)部142とから成り、送信開始時刻(Tstart)部141は、収集装置が自端末の時刻を設定して送信するための情報領域を表しており、中継時間(Ttrans)部142は、各中継端末が中継に要した時間を積算して他の端末に送信するための情報領域を表している。また、下り通信パケットフォーマットのデータ部120は、送信されるデータの内容を表す情報領域として送信データ部150として設けられている。
【0033】
なお本実施形態における「送信要求」は、図3図6に例示するように、収集装置であれば収集装置が発する時刻補正指令、また中継端末であれば上位装置からの送信指令、他の端末から送信された中継情報を受信した際の中継指令などで、それぞれ送信要求が立上る(送信事象の発生となる)。
【0034】
図3に戻って、本発明の実施形態に係る無線通信ネットワークシステムが例えばセンサネットワークであれば上位の収集装置に計測データを送信することとなる送信端末(TMa)からRNO(同期用ビーコン)を上位の収集装置が受信する。なお図3に示した端末(TMa)は、図1に示した端末Aを指すものでない。
【0035】
RNO(同期用ビーコン)を受信すると、これに応答して収集装置(TMx)は端末(TMa)に送信要求信号(SREQ)を送信する。これを受信すると送信端末(TMa)は、受信確認信号(RACK)を収集装置(TMx)に送信するので収集装置(TMx)はこれを受信する。収集装置(TMx)は、これに応じてデータ(DATA)を送信端末(TMa)に送信する。このとき収集装置(TMx)はヘッダ部110の中継時間(Ttrans)部142を「Ttrans + Tx」に更新して送信する。中継時間(Ttrans)部142が更新された下り通信用のパケットに示すデータ(DATA)を送信端末(TMa)が受信すると、送信端末(TMa)はデータ受信確認信号(DACK)を送信して、一連の通信シーケンスを終了する。
【0036】
ここで収集装置を基点にした時刻補正機能を説明する。上記したように収集装置は、下り通信パケットで図4に示すフォーマットの時刻情報140の送信開始時刻(Tstart)部141と、中継時間(Ttrans)部142に所定の時刻情報を設定した上で送信する。この下り通信パケットを受信した全ての端末は、自端末の時刻を、収集装置が設定した送信開始時刻(Tstart)部141に設定してある“Tstart”と、図4に示すフォーマットの時刻情報140の中継時間(Ttrans)部142に設定している時間にこの下り通信パケットを無線通信ネットワークの中継端末が中継に要した中継時間を加算した時刻とを合算した時刻に変更する。この操作を収集装置との通信シーケンスに関係した宛先の端末だけでなく、中継に携わった全ての中継端末も実施する。これにより各端末が一斉に決められた時刻に計測を行い、計測した情報を上り通信で上位の収集装置に送信することができるようになる。
【0037】
このように本発明の無線通信ネットワークシステムは、上位の収集装置からの下り通信において、時刻補正情報を付加することにより、下り通信に付加された時刻補正情報を受信した各端末は自端末の時刻を当該時刻補正情報を用いて補正し、補正した時刻に基づいて各端末一斉に決められた時刻に計測を行い、計測したデータを上り通信で上位の収集装置に送信するようにしたものである。
【0038】
図5は、本発明の実施形態にかかる収集装置の処理フローを示す図である。図5において、収集装置は、ステップS51において、下り通信用パケットを作成し、図4に示す下り通信パケットフォーマットに送信するパケットの情報を格納する。すなわち、図4の宛先情報130にデータの宛先を格納し、送信開始時刻(Tstart)部141に現在時刻を格納し、中継時間(Ttrans)部142に0(ゼロ)を格納し、送信データ150に送信したいデータを格納する。
【0039】
次に、ステップS52において、無線受信を開始する。すなわち、同期用ビーコン受信待ちとなって、同期用ビーコン(RNO)が送られてくるのを待ち受ける。
そしてステップS53において、不図示の中継時間計測用タイマによる計測をスタートさせる。
【0040】
次いで、ステップS54において、RNO(同期用ビーコン)を受信したかを判定する。RNOを受信できるまでループする。受信したならば、ステップS55に進む。そしてステップS55において、送信要求信号(SREQ)を送信する。
【0041】
次いで、ステップS56において、RACK(受信確認信号)を受信したかを判定する。RACKを受信できるまでループする。受信したならば、ステップS57に進む。
ステップS57においては、下り通信用パケットを編集して、ヘッダ部110の時刻情報140中の中継時間(Ttrans)部142を当初の「0(ゼロ)」から不図示の中継時間計測用タイマが計測した値である「Ta」に更新する。
【0042】
そしてステップS58において、図4に示される下り通信用パケットのデータ部120に送信データが格納されたDATAパケットとして送信する。
なお、図4の下り通信パケットは、無線端末が他の無線端末とやりとりする一連のシーケンスに使用される制御信号のうちのデータ(DATA)に相当し、図4には同期用ビーコン(RNO)、送信要求信号(SREQ)、受信確認信号(RACK)、および、データ受信確認信号(DACK)の各種フォーマットについては省略している。
【0043】
次いで、ステップS59において、DACK(データ受信確認信号)を受信したかを判定する。DACKを受信できるまでループする。受信したならば、収集装置は待機状態になる。
【0044】
図6は、本発明の実施形態にかかる下り通信パケットの中継シーケンスを示す図である。図6においては、一例として、端末(TMa)、端末(TMb)および端末(TMc)が、下り通信パケットの中継動作に関わる端末であるとして説明する。なお図6に示した端末(TMa)、端末(TMb)および端末(TMc)は、図1に示した端末A、端末Bおよび端末Cを指すものでない。
【0045】
図6において、中継端末(TMa)は、送信要求が発生すると、同期待ち(同期用ビーコン受信待ち)となると共に中継時間計測用タイマ(図示せず)による計測をスタートさせ、中継端末(TMa)における中継待ち時間を上記タイマの計測開始によってカウントする。一方、中継端末(TMb)は、自端末の時間スケジュールに基づいて待機時間が経過したら同期用ビーコン(RNO)を送信する。
【0046】
中継端末(TMb)が送信する同期用ビーコン(RNO)を中継端末(TMa)が受信したならば、中継端末(TMb)に対して送信要求信号(SREQ)を送信する。中継端末(TMb)は送信要求信号(SREQ)を受信したら、中継端末(TMa)にRACK(受信確認信号)を送信する。RACK(受信確認信号)を受信できたら中継端末(TMa)は、データ(DATA)を中継端末(TMb)に送信する。このデータ(DATA)の送信時、中継端末(TMa)は中継時間計測用タイマ(図示せず)が計数した中継待ち時間(Ta)を図4に示される下り通信パケットフォーマットに示すヘッダ部110の中継時間(Ttrans)部142を“Ttrans + Ta ”に更新し、中継パケットとして図4に示す下り通信パケットフォーマットに含めて送信する。
【0047】
中継端末(TMb)は中継パケットとしての図4に示す下り通信パケットを受信したら、図4に示される下り通信パケットフォーマットに示すヘッダ部110の中継時間(Ttrans)部142が中継端末(TMa)によって中継時間(Ttrans + Ta )に更新されていることから、自端末の時刻を、受信した図4に示す下り通信パケットの「受信パケットの送信開始時刻+中継時間」に、すなわち、図4の下り通信パケットフォーマットに示されるヘッダ部110の時刻情報140における送信開始時刻(Tstart)部141と中継時間(Ttrans)部142に格納されている情報に基づいて編集を行い、「受信パケットの送信開始時刻+中継時間」に時刻補正する。そのうえで中継端末(TMb)は、端末(TMc)に対するパケットの中継動作を開始する。中継動作を開始する前に、中継端末(TMb)は中継端末(TMa)に対して、DACK(データ受信確認信号)を送信する。
【0048】
次に、中継端末(TMb)は自端末の時刻を補正したら、自身の中継時間計測用タイマ(図示せず)による計測をスタートさせ、中継端末(TMb)における中継待ち時間を上記タイマの計測開始によってカウントする。そして中継端末(TMb)は、DACK(データ受信確認信号)を中継端末(TMa)に送信したら、同期待ち(同期用ビーコン受信待ち)となる。
【0049】
一方、中継端末(TMc)は、自端末の時間スケジュールに基づいて待機時間が経過したら同期用ビーコン(RNO)を中継端末(TMb)に送信する。中継端末(TMb)は中継端末(TMc)から同期用ビーコン(RNO)を受信したら、中継端末(TMc)に対して送信要求信号(SREQ)を送信する。
【0050】
中継端末(TMc)は送信要求信号(SREQ)を受信したら、中継端末(TMb)にRACK(受信確認信号)を送信する。RACK(受信確認信号)を受信したら、中継端末(TMb)は、データ(DATA)を中継端末(TMc)に送信する。このとき中継端末(TMb)は中継時間計測用タイマ(図示せず)が計測した中継待ち時間(Tb)を図4の下り通信パケットフォーマットに示すヘッダ部110の中継時間(Ttrans)部142を“Ttrans + Tb ”に更新し、中継パケットとして図4に示す下り通信パケットフォーマットに含めて送信する。中継端末(TMc)は、中継端末(TMb)からデータ(DATA)を受信したら、DACK(データ受信確認信号)を中継端末(TMb)に送信し、待機状態になる。
【0051】
以上のように図4の下り通信パケットフォーマットに示すヘッダ部110の中継時間(Ttrans)部142には、中継端末が計測した中継待ち時間(=中継時間)が合算されていくので、その合算時間を考慮して各端末が一斉に同時刻で計測可能となるタイミングで計測データを計測することが可能となる。
【0052】
図7A及び図7Bは、本発明の実施形態にかかる中継端末の処理フローを示す図である。図6を参照しながら図7Aから順に説明すると、図7Aにおいて中継端末(TMb)は、ステップS61において、自端末の時間スケジュールに基づいて待機時間が経過したかを監視し、待機時間が経過したらステップS62において同期用ビーコン(RNO)を送信する。
【0053】
ついでステップS63で、中継端末(TMb)は、送信要求信号(SREQ)を受信したかを監視する。送信要求信号(SREQ)を受信したら、ステップS64で、受信確認信号(RACK)を送信する。
【0054】
次にステップS65で中継端末(TMb)は中継パケットを示すデータ(DATA)を受信するまで監視を続け、データ(DATA)を受信したら、中継端末(TMb)はステップS66で、データ(DATA)の内容である図4に示される下り通信パケットフォーマットを参照して、自端末時刻を受信したパケットの送信開始時刻に中継時間(=中継待ち時間)を加算した値に設定する。そして中継端末(TMb)はステップS67で、中継時間計測用タイマ(不図示)による計測をスタートさせる。その後、ステップS68において、データ受信確認信号(DACK)を中継端末(TMa)に送信する。
【0055】
ここで図7Bに移って、ステップS69において、中継端末(TMb)は無線受信を開始する。すなわち同期用ビーコン(RNO)受信待ちとなって、同期用ビーコンが送られてくるのを待ち受ける。そして、ステップS70において中継端末(TMb)は中継端末(TMc)からの同期用ビーコン(RNO)の受信を監視する。
【0056】
同期用ビーコン(RNO)が受信されたら、ステップS71において中継端末(TMb)は送信要求信号(SREQ)を送信する。次いでステップS72において中継端末(TMc)からの受信確認信号(RACK)の受信を監視する。
【0057】
中継端末(TMb)がステップS72で受信確認信号(RACK)を受信したら、ステップS73に進み、ステップS73において中継端末(TMb)は、下り通信用パケットの編集を行う。ここでの下り通信用パケットの編集は、中継端末(TMb)の中継時間計測用タイマで計測したタイマ値を図4に示される下り通信パケットフォーマット中の中継時間(Ttrans)部142の値に加算することである。
【0058】
そしてステップS74に進み、ステップS74において中継端末(TMb)は、中継端末(TMa)から受信した中継パケットを、中継端末(TMc)にデータ(DATA)として送信する。そしてステップS75においてデータ受信確認信号(DACK)の受信を監視し、受信できたならば待機状態に移行することで一連の中継動作を終了する。
【0059】
以上のようにして、各中継端末は中継時間を更新しながら目的の端末まで上記と同様に中継を行うことで目的の端末にデータ(DATA)を届けることができる。
そして全ての端末に時刻補正情報が付加されたデータ(DATA)を届けたあとは各端末が自端末の時刻を上記時刻補正情報に基づいて補正することで、計測周期に基づく所定の時間後に、例えば30分後に、各端末が一斉に同時刻にセンスしたデータを上り通信パケットに含ませて収集装置に送信するので、収集装置は全ての端末が同時刻にセンスしたデータを収集することが可能となる。つまり、従前のような収集装置が各端末から送信されたデータの時刻補正を行う必要を無くし、収集装置が同時刻でセンスしたデータを正確に収集することが可能となるものである。
【符号の説明】
【0060】
11 無線端末
12 制御部
13 無線部
14 無線送信回路
15 無線受信回路
16 切り替え部
17 アンテナ
18 直流電源
19 インターフェース
20 間欠動作制御部
32 パケット送受信制御部
33 メモリ
34 データ送信部
35 シーケンス制御部
36 データ受信部
110 ヘッダ
120 データ
130 宛先情報
140 時刻情報
141 送信開始時刻(Tstart)
142 中継時間(Ttrans)
150 送信データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B