(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態に係る生体情報測定装置用カバーの一例について、図面を用いて詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態の生体情報測定装置用カバー10は、カバー本体12と、保持層(保持手段)16とが積層されて構成されている。
【0026】
カバー本体12は、パイル(毛羽)がループ状に織り込まれたタオル生地の布素材である。カバー本体12は、
図1(A)に示すように、1辺に四角形状の切欠き12Aが形成されたコの字型形状を有している。また、カバー本体12には、カバー本体12の表面及び裏面間を導通させる導電部14が4箇所に設けられている。
【0027】
導電部14は、カバー本体12を構成する布素材に、パイルとともに導電性繊維である金属繊維14Aを織り込むことによって形成されている。本実施形態では、金属繊維14Aはアルミや鉄等の金属から成り、パイルの繊維の太さと同等の太さに形成されているが、例えば、金属繊維14Aが、パイルの繊維に螺旋状に巻回されて布素材に織り込まれていてもよく、これらに限られるものではない。
【0028】
導電部14は、後述する生体情報測定装置20の足電極26にそれぞれ対応する部位に設けられており、絶縁性材料である布素材で隔てられている。また、導電部14は、周囲のカバー本体12と異なる模様又は色彩とされている。具体的には、導電部14のパイルを染色する、又は他の部位と異なる色彩のパイルを織り込むことによって、カバー本体12の他の部位と識別されている。
【0029】
保持層16は、粘着性を有するシリコン樹脂又はウレタン樹脂等の樹脂材料から成り、カバー本体12の裏面に塗布、又は貼着されている。また、
図1(B)に示すように、保持層16のカバー本体12の導電部14に対応する部位には、それぞれ導電性樹脂部18が形成されている。本実施形態では、絶縁性材料である樹脂材料に、導電性物質であるアルミや鉄等の金属粒子等を含有させることにより、導電性樹脂としているが、例えば、導電性高分子を用いるなど、他の手法も用いてもよい。
【0030】
一方、生体情報測定装置20は、足を測定面22に載せて体重等の生体情報を測定するタイプであり、
図1(A)に示すように、測定面22には数値が表示される四角形状の情報表示部24が設けられている。また、測定面22には、通電用右足電極26A、測定用右足電極26B、通電用左足電極26C、測定用左足電極26Dから成る4個の足電極(電極部)26が設けられている。さらに、生体情報測定装置20の裏面(底面)には4個の脚部28が形成されており、脚部28には図示しない体重計測用のセンサが設けられている。
【0031】
図1(B)に示すように、生体情報測定装置用カバー10は、保持層16を下側に向けて生体情報測定装置20の測定面22に載置される。このとき、生体情報測定装置用カバー10は、情報表示部24を覆わないよう、切欠き12Aが情報表示部24の上となるように生体情報測定装置20の測定面22に載置される。なお、着脱を容易にするために、保持層16の裏面にストライプ状の凸凹を形成し、凸部分のみが生体情報測定装置20の測定面22に当接するようにしてもよい。
【0032】
また、カバー本体12の導電部14、及び保持層16の導電性樹脂部18は、測定面22の足電極26上に位置する。そのため、生体情報測定装置用カバー10の上に足を載せると、導電部14及び導電性樹脂部18を介して足裏と足電極26とが導通する。なお、導電部14及び導電性樹脂部18の足電極26に対向する面の面積は、足電極26の面積より大きくてもよく、逆に小さくてもよい。
【0033】
第1実施形態では、足が載る生体情報測定装置用カバー10のカバー本体12は、タオル生地から成るため、暖かく、肌触りがよい。また、吸水性がよく、洗濯機で洗濯することができ、取り扱いが容易である。
【0034】
また、生体情報測定装置用カバー10は、切欠き12Aが形成されたコの字型形状であるため、生体情報測定装置20の情報表示部24の目視を可能にしつつ、測定面22全体を保護することができる。
【0035】
また、生体情報測定装置用カバー10は、粘着性を有する保持層16によって生体情報測定装置20の測定面22に着脱可能に保持されているため、洗濯して繰り返し使用することができ、カバー本体12を清潔に保つことができる。
【0036】
さらに、布素材に導電性の金属繊維14Aを織り込むことでカバー本体12に導電部14を設けたため、測定面22に足電極26が設けられている生体情報測定装置20であれば、生体情報測定装置用カバー10を取り付けた状態で体重とともに生体インピーダンスを測定することができる。
【0037】
また、導電部14は、周囲のカバー本体12と異なる模様又は色彩とされることによって、カバー本体12の他の部位と識別されている。したがって、生体情報測定装置用カバー10に手や足を接触させる際の目印となり、導電部14に確実に手や足を接触させることができる。
【0038】
(第2実施形態)
第2実施形態では、
図2に示すように、生体情報測定装置用カバー30は、カバー本体32と、2種類の保持手段34、36とから構成されている。第2実施形態において、保持手段34、36は、「マジックテープ(登録商標)」などの名称で知られる面ファスナであり、34が雄側面ファスナ、36が雌側面ファスナである。
【0039】
カバー本体32は、第1実施形態と同様のタオル生地の布素材であり、四角形状の穴32Aが形成された帯形状を有している。また、生体情報測定装置20の測定面22から裏面にかけて巻きつけることができる大きさとされている。さらに、カバー本体32には、カバー本体32の表面及び裏面間を導通させる導電部33が4箇所に設けられている。
【0040】
導電部33は、パイルに導電性部材である金属材料33Aを被覆した後、カバー本体12を構成する布素材にパイルを織り込むことによって形成されている。金属材料33Aはアルミや鉄等の金属から成り、無電解めっきや真空蒸着等によってパイルに被覆される。
【0041】
また、導電部33及び導電部33の周囲の足が載る部位の厚さは、他の部位のカバー本体32の厚さに比べて厚くされており、導電部33及び導電部33の周囲は、他の部位のカバー本体32から足型に盛り上がった形状となっている。
【0042】
雄側面ファスナ(保持手段)34は、フック状の起毛が形成された布であり、2個の雄側面ファスナ34が、カバー本体32の一端の表面に貼り付けられている。雌側面ファスナ(保持手段)36は、ループ状の起毛が形成された布であり、2個の雌側面ファスナ36がカバー本体32の他端の裏面に貼り付けられている。
【0043】
図2(C)に示すように、生体情報測定装置用カバー30は、生体情報測定装置20に巻きつけられ、生体情報測定装置20の裏面で雌側面ファスナ36が雄側面ファスナ34に係合されることで、生体情報測定装置20に固定される。このとき、カバー本体32の導電部33は、測定面22の足電極26上に位置する。
【0044】
また、
図2(B)に示すように、生体情報測定装置20の情報表示部24上にカバー本体32の穴32Aが位置するため、情報表示部24が生体情報測定装置用カバー30で覆われる虞はない。
【0045】
(第3実施形態)
第3実施形態では、保持手段として、第2実施形態の雄側面ファスナ34と雌側面ファスナ36の代わりに、磁石(保持手段)38と磁性体(保持手段)39が用いられる。その他の構成は第2実施形態と同様であるため、同じ符号を使用し、説明を省略する。
【0046】
2個の磁石38がカバー本体32の一端の表面に貼り付けられ、2個の磁性体39がカバー本体32の他端の裏面に取り付けられている。生体情報測定装置用カバー30は、生体情報測定装置20に巻きつけられ、生体情報測定装置20の裏面で磁性体39が磁石38に貼り付けられることで、生体情報測定装置20に固定される。
【0047】
第2実施形態、第3実施形態では、保持手段として、雄側面ファスナ34及び雌側面ファスナ36、または磁石38及び磁性体39を用いて、生体情報測定装置用カバー30を生体情報測定装置20の測定面22に着脱可能に取り付けることができる。
【0048】
また、生体情報測定装置用カバー30を生体情報測定装置20に巻きつけて固定するため、生体情報測定装置用カバー30を生体情報測定装置20に確実に取り付けることができる。また、導電部33及び導電部33の周囲が、他の部位のカバー本体32から足型に盛り上がった形状とされているため、足を載せる位置が認識し易い。
【0049】
また、パイルに金属材料33Aを被覆することでカバー本体32に導電部33を設けることができるため、測定面22に足電極26が設けられている生体情報測定装置20であれば、生体情報測定装置用カバー30を取り付けた状態で体重とともに生体インピーダンスを測定することができる。
【0050】
なお、雌側面ファスナ36または磁性体39を、カバー本体32ではなく生体情報測定装置20に取り付け、カバー本体32に取り付けられた雄側面ファスナ34または磁石38を、生体情報測定装置20に取り付けられた雌側面ファスナ36または磁性体39に、係合または貼着させるようにしてもよい。
【0051】
(第4実施形態)
図3に示すように、第4実施形態の生体情報測定装置用カバー40は、カバー本体42と保持手段44とから構成されている。第4実施形態において、保持手段44は、一対のテープ46とフック48とで構成されており、8個の保持手段44がカバー本体42の外周部分に設けられている。
【0052】
カバー本体42は、第1実施形態〜第3実施形態と同様のタオル生地の布素材であり、1辺に四角形状の切欠き42Aが形成されたコの字型形状を有している。また、カバー本体42には、金属繊維43Aが織り込まれることによって、4箇所に導電部43が設けられている。
【0053】
導電部43及び導電部43の周囲の足が載る部位の厚さは、他の部位のカバー本体42の厚さに比べて薄くされており、導電部43及び導電部43の周囲は他の部位のカバー本体42から足型に窪んだ形状となっている。
【0054】
テープ46は柔軟性及び伸縮性を有する帯状の布素材であり、8個のテープ46の一端がカバー本体42の外周部分の裏面にそれぞれ縫い付けられている。また、テープ46の他端にはそれぞれフック48が取り付けられている。
【0055】
フック48はプラスチック製のU字型フックである。フック48には、突出部49及び突出部49に形成された貫通孔49Aが設けられており、テープ46の他端が貫通孔49Aに通されて突出部49に結び付けられることにより、テープ46とフック48とが固定されている。なお、フック48は、テープ46から取り外し可能となっていてもよい。
【0056】
一方、
図3(C)に示すように、生体情報測定装置20の裏面(底面)の外周部分には、溝(取付部)20Aが全周に亘って形成されている。生体情報測定装置用カバー40を生体情報測定装置20に取り付ける際には、カバー本体42を生体情報測定装置20の測定面22に載置した後、8個のフック48をそれぞれ生体情報測定装置20の溝20Aに嵌合させることにより、生体情報測定装置用カバー40を生体情報測定装置20上に固定することができる。
【0057】
なお、溝20Aは、必ずしも全周に亘って形成する必要はなく、例えば、保持手段44に対応する位置だけに溝20Aを形成してもよい。
【0058】
このとき、カバー本体42の導電部43は、測定面22の足電極26上に位置する。また、生体情報測定装置20の情報表示部24上にカバー本体42の切欠き42Aが位置するため、情報表示部24が生体情報測定装置用カバー40で覆われる虞はない。
【0059】
第4実施形態では、生体情報測定装置用カバー40は、テープ46とフック48とから成る保持手段44によって生体情報測定装置20の測定面22に取り付けられている。したがって、生体情報測定装置用カバー40の着脱、及び位置決めが容易であり、カバー本体42の導電部43を測定面22の足電極26上に確実に配置することができる。
【0060】
また、導電部43及び導電部43の周囲が、他の部位のカバー本体42から足型に窪んだ形状とされているため、足を載せる位置が認識し易い。さらに、他の部位のカバー本体42の厚さに比べて、導電部43の周囲の厚さが薄いため、窪んでいる部位に足を載せることで足裏と足電極26との距離が近くなり、生体インピーダンスの測定精度を向上させることができる。
【0061】
(第5実施形態)
第5実施形態では、
図4に示すように、生体情報測定装置用カバー50はカバー本体52と、環状の紐54から成る保持手段とから構成されている。カバー本体52は、第1実施形態〜第4実施形態と同様のタオル生地の布素材であり、人の足型に裁断された一対の布素材から成る。
【0062】
また、カバー本体52には、パイルに金属材料53Aを被覆することによって、それぞれ2箇所ずつ導電部53が設けられている。導電部53の厚さは、周囲のカバー本体52の厚さに比べて厚くされており、導電部53はカバー本体52から盛り上がった形状となっている。
【0063】
紐(保持手段)54は伸縮性を有するゴム紐であり、両端がカバー本体52の側面に縫い付けられることによって環状とされている。一対のカバー本体52にはそれぞれ2個ずつ紐54が設けられている。
【0064】
一方、生体情報測定装置20の溝20Aには、4個の留め具56が着脱可能に取り付けられている。留め具56はプラスチック製のU字フックであり、先端が下向きに曲がった鉤型の突起部(凸部)57を有している。
【0065】
生体情報測定装置用カバー50を生体情報測定装置20に取り付ける際には、カバー本体52を生体情報測定装置20の測定面22に載置した後、4個の環状の紐54をそれぞれ引き伸ばして留め具56の突起部57に係止させることにより、生体情報測定装置用カバー50を生体情報測定装置20上に固定することができる。なお、突起部57は先端が下向きに曲がっているため、係止された紐54が外れにくくなっている。
【0066】
このとき、カバー本体52の導電部53は、測定面22の足電極26上に位置する。そのため、生体情報測定装置用カバー50の上に足を載せると、導電部53を介して足裏と足電極26とが導通する。
【0067】
第5実施形態では、生体情報測定装置用カバー50が布素材のカバー本体52とゴム製の紐54のみから成るため、取り扱いが容易であり、繰り返し洗濯することができる。
【0068】
また、生体情報測定装置用カバー50が足型に裁断された一対のカバー本体52から成るため、生体情報測定装置20の測定面22の足が載る部分のみを確実に覆うことができ、情報表示部24を覆うことがない。
【0069】
また、導電部53はカバー本体52から盛り上がった形状とされているため、導電部53の位置が認識し易い。また、足を載せた際に足裏を導電部53に接触させ易く、厚みがあるため肌触りがよい。
【0070】
(第6実施形態)
第6実施形態では、
図5に示すように、生体情報測定装置用カバー60は、カバー本体62と、2本のバンド64から成る保持手段とから構成されている。また、生体情報測定装置用カバー60は、シリコン樹脂カバー66を介して生体情報測定装置20の測定面22に載置されている。
【0071】
カバー本体62は、第1実施形態のカバー本体12と同様の、切欠き62Aが形成されたコの字型形状のタオル生地の布素材である。また、カバー本体62には、パイルに金属材料63Aを被覆することによって、4箇所に導電部63が設けられている。周囲のカバー本体62の厚さに比べて、導電部63の厚さは厚くされており、導電部63はカバー本体62から盛り上がった形状となっている。
【0072】
バンド(保持手段)64は、伸縮性を有する帯状のゴムバンドであり、2本のバンド64がカバー本体62に並設されている。具体的には、2本のバンド64の一端がカバー本体62の一辺にそれぞれ縫い付けられ、他端がカバー本体62の対向する他辺にそれぞれ縫い付けられることによって、バンド64がそれぞれ環状とされている。
【0073】
シリコン樹脂カバー66は、粘着性を有する薄いシリコン樹脂製のカバーであり、粘着力によって生体情報測定装置20に密着して取り付けられている。また、シリコン樹脂カバー66は、生体情報測定装置20の側面と測定面22を覆う大きさとされており、生体情報測定装置20の脚部28はシリコン樹脂カバー66で覆われることなく露出している。
【0074】
また、シリコン樹脂カバー66のカバー本体62の導電部63に対応する部位には、それぞれ導電性樹脂部68が形成されている。具体的には、絶縁性材料である樹脂材料に、導電性物質であるアルミや鉄等の金属粒子等を含有させることにより、導電性樹脂としている。
【0075】
生体情報測定装置用カバー60を生体情報測定装置20に取り付ける際には、
まず、生体情報測定装置20にシリコン樹脂カバー66を取り付け、カバー本体62をシリコン樹脂カバー66上に載置した後、シリコン樹脂カバー66を介してバンド64を生体情報測定装置20の側面から裏面(底面)に亘って掛け渡す。
【0076】
ここで、バンド64の長さは、生体情報測定装置20の側面から裏面(底面)に亘る長さより短くされている。したがって、バンド64の収縮力により生体情報測定装置用カバー60のカバー本体62が生体情報測定装置20の測定面22に密着固定される。
【0077】
なお、
図5(B)に示すように、バンド64は、生体情報測定装置20の脚部28を避けて生体情報測定装置20の裏面(底面)に掛け渡されており、バンド64の厚さとシリコン樹脂カバー66の厚さとを合わせた厚さは、脚部28の高さ(厚さ)より薄くされている。したがって、脚部28に設けられたセンサによる体重の計測が阻害されることはない。
【0078】
また、シリコン樹脂カバー66には、生体情報測定装置20の情報表示部24と対応する位置に四角形状の穴66Aが形成されている。したがって、情報表示部24上にシリコン樹脂カバー66の穴66A及びカバー本体
62の切欠き
62Aが位置するため、情報表示部24が目視可能となっている。
【0079】
さらに、カバー本体62の導電部63、及びシリコン樹脂カバー66の導電性樹脂部68は、測定面22の足電極26上に位置する。そのため、生体情報測定装置用カバー60の上に足を載せると、導電部63及び導電性樹脂部68を介して足裏と足電極26とが導通する。
【0080】
第6実施形態では、保持手段としてのバンド64のみで、生体情報測定装置用カバー60を生体情報測定装置20に容易に取り付けることができる。また、生体情報測定装置用カバー60が、シリコン樹脂カバー66を介して生体情報測定装置20に取り付けられているため、生体情報測定装置用カバー60とシリコン樹脂カバー66とで、二重に生体情報測定装置20の測定面22を保護することができる。
【0081】
(第7実施形態)
第7実施形態では、
図6に示すように、生体情報測定装置用カバー70は、カバー本体72と、ゴム74から成る保持手段とから構成されている。
【0082】
カバー本体72は、第1実施形態〜第6実施形態と同様のタオル生地の布素材であり、天面に穴72A、底面に開口72Bが形成された略直方体形状の袋形状とされている。また、カバー本体72には、金属繊維73Aが織り込まれることによって、4箇所に導電部73が設けられている。
【0083】
ゴム(保持手段)74は、伸縮性を有する1本のゴム紐である。ゴム74は、カバー本体72の周縁部に縫いこまれ、もしくは周縁部に形成された隙間に挿入されて、カバー本体72の周縁部、すなわち開口72Bの周縁部に、全周に亘って設けられている。
【0084】
生体情報測定装置用カバー70を、図示しない生体情報測定装置に取り付ける際には、カバー本体72のゴム74を手で引き伸ばした状態で、生体情報測定装置用カバー70を生体情報測定装置に被せる。その後、手を離すと、ゴム74が収縮して生体情報測定装置の裏面(底面)の周縁部に巻き締められ、生体情報測定装置用カバー70が生体情報測定装置に固定される。
【0085】
このとき、生体情報測定装置用カバー70は、カバー本体72の天面の穴72Aが生体情報測定装置の情報表示部上となるように取り付けられる。また、カバー本体72の導電部73は、生体情報測定装置の足電極上に位置する。
【0086】
第7実施形態の生体情報測定装置用カバー70によると、カバー本体72が、袋形状の布素材であるため、生体情報測定装置全体を保護することができる。さらに、生体情報測定装置用カバー70は、ゴム74によって生体情報測定装置に着脱可能に取り付けられているため、洗濯して繰り返し使用することができ、カバー本体72を清潔に保つことができる。
【0087】
(変形例)
本体部82と、足側測定部84と、一対の手側測定部86と、を有するタイプの生体情報測定装置80を用いた変形例を
図7〜
図9に示す。
【0088】
図7に示すように、足側測定部84は、本体部82の下端に設けられており、足を載せる略長方形形状の足側測定面84Aを有する。また、足側測定面84Aには、通電用右足電極85A、測定用右足電極85B、通電用左足電極85C、測定用左足電極85Dから成る4個の足電極(電極部)85が設けられている。
【0089】
本体部82の上端には情報表示部88が設けられており、情報表示部88の左右両側面に一対の手側測定部86が着脱可能に取り付けられている。手側測定部86は円柱形状であり、側面の外周面が手側測定面86Aとなっている。さらに、手側測定面86Aには、それぞれ通電用手電極及び測定用手電極から成る手電極(電極部)87が2個ずつ設けられている。
【0090】
足側測定部84用の生体情報測定装置用カバー90は、第7実施形態と同様にカバー本体92と、カバー本体92の周縁部(下端部)に設けられたゴム94から成る保持手段とから構成されている。また、カバー本体92には、金属繊維93Aが織り込まれることによって、4箇所に導電部93が設けられている。
【0091】
生体情報測定装置用カバー90を足側測定部84に取り付ける際には、ゴム94を手で引き伸ばした状態で、生体情報測定装置用カバー90を足側測定部84に被せる。その後、手を離すと、ゴム94が収縮して足側測定部84の側面に巻き締められ、生体情報測定装置用カバー90が生体情報測定装置80の足側測定部84に固定される。
【0092】
このとき、カバー本体92の導電部93は、足側測定面84Aの足電極85上に位置する。そのため、生体情報測定装置用カバー90の上に足を載せると、導電部93を介して足裏と足電極85とが導通する。
【0093】
なお、足側測定部84用の生体情報測定装置用カバー90は、第7実施形態の生体情報測定装置用カバー70と同様の構成とされていたが、第1実施形態〜第6実施形態のいずれの生体情報測定装置用カバー10、30、40、50、60と同様の構成とされていてもよい。
【0094】
一方、手側測定部86用の生体情報測定装置用カバー100は、
図8に示すように、カバー本体102と、ゴム104から成る保持手段とから構成されている。
【0095】
カバー本体102は、足側測定部84用の生体情報測定装置用カバー90と同様のタオル生地の布素材であり、下端部に開口102Aが形成された円筒状の袋形状とされている。また、カバー本体102には、金属繊維103Aが織り込まれることによって、2箇所に導電部103が設けられている。
【0096】
ゴム(保持手段)104は、伸縮性を有する1本のゴム紐である。ゴム104は、カバー本体102の周縁部に縫いこまれ、もしくは周縁部に形成された隙間に挿入されて、カバー本体102の周縁部、すなわち開口102Aの周縁部に、全周に亘って設けられている。
【0097】
生体情報測定装置用カバー100を手側測定部86に取り付ける際には、ゴム104を手で引き伸ばした状態で、生体情報測定装置用カバー100を手側測定部86に被せる。その後、手を離すと、ゴム104が収縮して手側測定部86の下端の外周面に巻き締められ、生体情報測定装置用カバー100が生体情報測定装置80の手側測定部86に固定される。
【0098】
このとき、カバー本体102の導電部103は、手側測定面86Aの手電極87上に位置する。そのため、生体情報測定装置用カバー100を手で握ると、導電部103を介して手のひらと手電極87とが導通する。
【0099】
上述したように、変形例のような手側測定部86を備える生体情報測定装置80であっても、生体情報測定装置用カバー100のカバー本体102で手側測定面86Aを覆って保護することができ、手側測定面86Aを清潔に保つことができる。また、カバー本体102に導電部103が設けられているため、手側測定部86に生体情報測定装置用カバー100を取り付けた状態で、生体インピーダンスを測定することができる。
【0100】
なお、変形例では、手側測定部86用の生体情報測定装置用カバー100は、足側測定部84用の生体情報測定装置用カバー90と同様の構成とされていたが、第1実施形態〜第6実施形態のいずれの生体情報測定装置用カバー10、30、40、50、60と同様の構成とされていてもよい。
【0101】
例として、第2実施形態の生体情報測定装置用カバー30と同様の構成の、手側測定部86用の生体情報測定装置用カバー110を
図9に示す。生体情報測定装置用カバー110は、カバー本体112と、雄側面ファスナ114と雌側面ファスナ116とから成る保持手段と、から構成されている。
【0102】
カバー本体112は、帯形状を有するタオル生地の布素材であり、手側測定部86の手側測定面86Aの側面に巻きつけることができる大きさとされている。また、カバー本体112には、パイルに金属材料113Aを被覆することによって導電部113が2箇所に設けられている。
【0103】
さらに、カバー本体112の一端の表面には2個の雄側面ファスナ114が貼り付けられており、カバー本体112の他端の裏面には2個の雌側面ファスナ116が貼り付けられている。
【0104】
生体情報測定装置用カバー110は、手側測定部86の手側測定面86Aに巻きつけられ、雄側面ファスナ114と雌側面ファスナ116とが係合されることで、手側測定部86に固定される。このとき、カバー本体112の導電部113は、手側測定面86Aの手電極87上に位置する。
【0105】
(その他の実施形態)
なお、本発明について実施形態の一例を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
【0106】
例えば、上記の実施形態では、カバー本体12、32、42、52、62、72、92、102、112は、パイルがループ状に織り込まれたタオル生地の布素材であったが、パイル表面をカットしたシャーリング生地の布素材から構成されていてもよい。
【0107】
また、生体情報測定装置20、80の測定面22、足側測定面84Aには4個の足電極26、85が設けられ、生体情報測定装置80の手側測定面86Aには2個ずつ手電極87が設けられていたが、足電極26、85、手電極87は何個設けられていてもよい。さらに、生体情報測定装置用カバー10、30、40、50、60、70、90、100、110の導電部14、33、43、53、63、73、93、103、113も何個設けられていてもよく、1個の足電極26、85又は手電極87に対して複数の導電部14、33、43、53、63、73、93、103、113が設けられていてもよい。
【0108】
また、金属繊維14A、43A、73A、93A、103Aを織り込む、もしくは金属材料33A、53A、63A、113Aを被覆することによって導電部14、33、43、53、63、73、93、103、113を形成していたが、炭素繊維等を付着させることにより導電部14、33、43、53、63、73、93、103、113を形成してもよい。
【0109】
また、変形例では、本体部82に無線タイプの手側測定部86が着脱可能に取り付けられていたが、有線タイプの手側測定部86が本体部82とコードによって繋がれて取り付けられていてもよい。
【0110】
さらに、上記第1実施形態〜第7実施形態及び変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、第2実施形態〜第7実施形態及び変形例の導電部33、43、53、63、73、93、103、113は、第1実施形態の導電部14のように、カバー本体32、42、52、62、72、92、102、112の他の部位と異なる模様又は色彩とすることによって、識別されていてもよい。
【0111】
また、第1実施形態〜第7実施形態及び変形例において、カバー本体12、32、42、52、62、72、92、102、112は、第2実施形態、第3実施形態のように足型(手型)に盛り上がった形状とされていてもよく、第4実施形態のように足型(手型)に窪んだ形状とされていてもよい。また、第5実施形態、第6実施形態のように、導電部14、33、43、53、63、73、93、103、113のみが盛り上がった形状とされていてもよい。