(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402521
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】交流−直流変換装置の並列接続システム
(51)【国際特許分類】
H02M 7/493 20070101AFI20181001BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
H02M7/493
H02M3/155 W
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-149334(P2014-149334)
(22)【出願日】2014年7月23日
(65)【公開番号】特開2016-25780(P2016-25780A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】近藤 泰裕
【審査官】
佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−166499(JP,A)
【文献】
特開2010−148173(JP,A)
【文献】
特開2013−172494(JP,A)
【文献】
特開平05−015164(JP,A)
【文献】
特開2000−134803(JP,A)
【文献】
特開2002−176735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/493
H02M 3/155
H02J 3/32,3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧源に接続され、充電または放電を行う双方向チョッパ回路と、
前記双方向チョッパ回路と直流リンク部を介して接続され、直流電力を交流電力に変換し、負荷に交流電力を供給するコンバータユニットと、
を有する交流−直流変換装置を複数台並列に接続した交流−直流変換装置の並列接続システムであって、
各交流−直流変換装置の前記双方向チョッパ回路の制御部は、
直流リンク電圧検出値と直流リンク電圧指令値とに基づいて定電圧制御を行う定電圧制御部と、
全交流−直流変換装置における有効電力の平均値を演算し、この有効電力の平均値を電力指令値として出力する平均値演算部と、
電力指令値を直流電圧源の電圧検出値で除算することにより直流電圧源の電流指令値を生成する除算器と、
直流電圧源の電流指令値に定電圧制御部の制御出力値を加算した値と直流電圧源の電流検出値との偏差出力から定電流制御を行う定電流制御部と、
定電流制御部の制御出力値に基づいて双方向チョッパ回路のゲート信号を生成するPWM信号生成部と、
を備え、
前記双方向チョッパ回路の制御部は、
各交流−直流変換装置における有効電力の変化率と、全交流−直流変換装置における有効電力の平均値の変化率と、を比較し、
全交流−直流変換装置における有効電力の平均値の変化率よりも各交流−直流変換装置における有効電力の変化率の方が大きい場合は各交流−直流変換装置における有効電力を電力指令値とし、
各交流−直流変換装置における有効電力の変化率よりも全交流−直流変換装置における有効電力の平均値の変化率の方が大きい場合は、全交流−直流変換装置における有効電力の平均値を電力指令値とすることを特徴とする交流−直流変換装置の並列接続システム。
【請求項2】
直流電圧源に接続され、充電または放電を行う双方向チョッパ回路と、
前記双方向チョッパ回路と直流リンク部を介して接続され、直流電力を交流電力に変換し、負荷に交流電力を供給するコンバータユニットと、
を有する交流−直流変換装置を複数台並列に接続した交流−直流変換装置の並列接続システムであって、
各交流−直流変換装置の前記双方向チョッパ回路の制御部は、
直流リンク電圧検出値と直流リンク電圧指令値とに基づいて定電圧制御を行う定電圧制御部と、
全交流−直流変換装置における有効電力の平均値を演算し、この有効電力の平均値を電力指令値として出力する平均値演算部と、
電力指令値を直流電圧源の電圧検出値で除算することにより直流電圧源の電流指令値を生成する除算器と、
直流電圧源の電流指令値に定電圧制御部の制御出力値を加算した値と直流電圧源の電流検出値との偏差出力から定電流制御を行う定電流制御部と、
定電流制御部の制御出力値に基づいて双方向チョッパ回路のゲート信号を生成するPWM信号生成部と、
を備え、
前記双方向チョッパ回路の制御部は、
各交流−直流変換装置における有効電力の変化率が閾値よりも大きい場合は、各交流−直流変換装置における有効電力を電力指令値とし、各交流−直流変換装置における有効電力の変化率が閾値以下の場合は、全交流−直流変換装置における有効電流の平均値を電力指令値とすることを特徴とする交流−直流変換装置の並列接続システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電圧源に接続された双方向チョッパ回路と、この双方向チョッパ回路と直流リンク部を介して接続されたコンバータユニットと、を有する交流−直流変換装置を複数台並列に接続した交流−直流変換装置の並列接続システムに係り、特に双方向チョッパ回路の直流電圧源の電流指令値の振動を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における交流−直流変換装置の回路構成の一例を
図5に示す。
図5に示すように、交流−直流変換装置10は、双方向チョッパ回路2と、直流リンク部3と、コンバータユニット1と、を有している。また、交流−直流変換装置10内の双方向チョッパ回路2の制御ブロック図を
図6に示す。 コンバータユニット1の制御は、従来から知られている技術であるため、ここでの説明は省略する。
【0003】
図6に示すように、双方向チョッパ回路2の制御部20は、直流リンク電圧検出値Vdcと直流リンク電圧指令値Vdc
*が一致するように制御する定電圧制御部(以下、AVRと称する)4と、出力電圧検出値Voutと出力電流検出値Ioutから有効電力を演算する有効電力演算部5と、この有効電力を電力指令値P
*とし、直流電圧源Batの電圧検出値Vbatを除算することで直流電圧源Batの電流指令値Ibat
*を生成する除算器6と、 直流電圧源Batの電流指令値Ibat
*にAVR4の制御出力値を加算する加算器Aと、加算器Aから出力された値と直流電圧源Batの電流検出値Ibatとの偏差を減算器Bから出力して、加算器Aの出力と直流電圧源Batの電流検出値Ibatが一致するように制御する定電流制御部(以下、ACRと称する)7と、ACR7の制御出力値に基づいて双方向チョッパ回路2のゲート信号を生成するPWM信号生成部8と、を備える。
【0004】
前記AVR4は、目的の制御量のフィードバックであるメジャーループの制御を行う。また、ACR7は、前記メジャーループの内側のフィードバックループであるマイナーループの制御である。
【0005】
上記のように、双方向チョッパ回路2の制御部20において、有効電力(電力指令値P
*)に基づく直流電圧源Batの電流指令値Ibat
*をフィードフォワード項としてAVR4の制御出力値に加算することにより、負荷急変などの過渡応答特性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−23875号公報
【特許文献2】特開2002−315350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、
図7に示すように複数の交流−直流変換装置10a,10bを並列接続し、それぞれの交流−直流変換装置10a,10bを自立運転した場合、横流が発生することがあった。 この横流が発生することにより、 各交流−直流変換装置10a,10bの出力電流検出値Iout1,Iout2の実効値が振動し、有効電力演算結果の電力指令値P
*も振動する。この電力指令値P
*を直流電圧源Batの電流指令値Ibat
*に使用するため、直流電圧源Batの電流検出値Ibatが振動する。
【0008】
図7に示す交流−直流変換装置の並列接続システムと同様な回路として、例えば特許文献1が開示されている。交流−直流変換装置では、各々の交流−直流変換装置10の電力指令値P
*を直流電圧源Batの電池電圧検出値Vbatで割った値を各々の交流−直流変換装置10の直流電圧源Batの電流指令値Ibat
*として使用しているため、各々の交流−直流変換装置10の直流電圧源Batの電流検出値Ioutが振動する。
【0009】
ここで、例えば特許文献2の従来技術に記載されているように、並列接続されるインバータ装置の電圧指令値の位相と振幅を合わせることで横流抑制制御できることが従来から知られている。
【0010】
しかし、過渡応答特性を向上させるため、直流電圧源Batの電流指令値Ibat
*をフィードフォワード制御とした場合、上記の横流抑制制御を行ったとしても、制御応答遅れや構成部品の特性誤差によって完全に横流を抑制することはできなかった。そのため、直流電圧源Batの電流指令値Ibat
*には振動が残り、その電流指令値Ibat
*の振動がフィードフォワード制御によって増幅されてしまい、各交流−直流変換装置の制御が安定しないという問題があった。
【0011】
以上示したようなことから、交流−直流変換装置の並列接続システムにおいて、過渡応答特性を改善させると共に、交流−直流変換装置の制御指令値を安定させることが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、直流電圧源に接続され、充電または放電を行う双方向チョッパ回路と、前記双方向チョッパ回路と直流リンク部を介して接続され、直流電力を交流電力に変換し、負荷に交流電力を供給するコンバータユニットと、を有する交流−直流変換装置を複数台並列に接続した交流−直流変換装置の並列接続システムであって、各交流−直流変換装置の前記双方向チョッパ回路の制御部は、直流リンク電圧検出値と直流リンク電圧指令値とに基づいて定電圧制御を行う定電圧制御部と、全交流−直流変換装置における有効電力の平均値を演算し、この有効電力の平均値を電力指令値として出力する平均値演算部と、電力指令値を直流電圧源の電圧検出値で除算することにより直流電圧源の電流指令値を生成する除算器と、直流電圧源の電流指令値に定電圧制御部の制御出力値を加算した値と直流電圧源の電流検出値との偏差出力から定電流制御を行う定電流制御部と、定電流制御部の制御出力値に基づいて双方向チョッパ回路のゲート信号を生成するPWM信号生成部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、その一態様として、前記双方向チョッパ回路の制御部は、各交流−直流変換装置における有効電力の変化率と、全交流−直流変換装置における有効電力の平均値の変化率と、を比較し、全交流−直流変換装置における有効電力の平均値の変化率よりも各交流−直流変換装置における有効電力の変化率の方が大きい場合は各交流−直流変換装置における有効電力を電力指令値とし、各交流−直流変換装置における有効電力の変化率よりも全交流−直流変換装置における有効電力の平均値の変化率の方が大きい場合は、全交流−直流変換装置における有効電力の平均値を電力指令値とすることを特徴とする。
【0014】
また、他の態様として、前記双方向チョッパ回路の制御部は、各交流−直流変換装置における有効電力の変化率が閾値よりも大きい場合は、各交流−直流変換装置における有効電力を電力指令値とし、各交流−直流変換装置における有効電力の変化率が閾値以下の場合は、全交流−直流変換装置における有効電流の平均値を電力指令値とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、交流−直流変換装置の並列接続システムにおいて、過渡応答特性を改善させると共に、交流−直流変換装置の制御指令値を安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1における交流−直流変換装置の並列接続システムを示すブロック図。
【
図2】実施形態1における交流−直流変換装置と統括制御装置間の制御を示すブロック図。
【
図3】交流−直流変換装置の有効電力演算値を示すイメージ図。
【
図4】実施形態2における交流−直流変換装置と統括制御装置間の制御を示すブロック図。
【
図5】従来における交流−直流変換装置を示す概略図。
【
図6】双方向チョッパ回路の制御部を示すブロック図。
【
図7】交流−直流変換装置の並列運転時の出力電流を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る交流−直流変換装置の並列接続システムの実施形態1,2を
図1〜
図4に基づいて説明する。
【0018】
[実施形態1]
図1は、本実施形態1における交流−直流変換装置の並列接続システムを示す概略図である。本実施形態1における交流−直流変換装置の並列接続システムは、負荷LOADに複数の交流−直流変換装置10a,10b,・・・が並列接続されている。従来技術と異なる点は、交流−直流変換装置10a,10b,・・・に、統括制御装置11を接続した点である。また、交流−直流変換装置10a,10b,・・・と統括制御装置11とは双方向通信できる構成となっている。
【0019】
各交流−直流変換装置10a,10b,・・・は、
図5に示すように、直流電圧源(例えば、二次電池)Batに接続され充電または放電を行う双方向チョッパ回路2と、双方向チョッパ回路2に接続された直流リンク部3と、双方向チョッパ回路2に直流リンク部3を介して接続され直流電力を交流電力に変換し負荷LOADに出力するコンバータユニット1と、出力電圧Vout,出力電流Iout,直流リンク電圧Vdc,直流電圧源の電圧Vbat,直流電圧源の電流Ibatを検出する各検出回路と、を備えている。
【0020】
前記双方向チョッパ回路2は、直流電圧源Batの電圧に関わらず直流リンク電圧Vdcを一定に制御する。また、直流リンク部3は、平滑コンデンサCを有する。
【0021】
図2は、交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・と統括制御装置11との間で行う制御を示す制御ブロック図である。双方向チョッパ回路2の制御部20は、
図2で示す箇所以外は
図6と同様である。
図2に示すように、 各交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・における有効電力演算部5a,5b,5c,・・・と統括制御装置11における平均値演算部12との間で双方向通信が行われる。
【0022】
有効電力演算部5a,5b,5cは、各交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・の出力電圧検出値Vout1,Vout2,Vout3および出力電流検出値Iout1,Iout2,Iout3から電力指令値 P1
*,P2
*,・・・,Pn
*(並列数nの場合)を演算し、統括制御装置11の平均値演算部12に電力指令値P1
*,P2
*,・・・,Pn
*を送信する。
【0023】
平均値演算部12は、電力指令値 P1
*,P2
*,・・・,Pn
*から全交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・の電力指令値の平均値P_all_aveを演算し、それぞれの交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・の除算器6に送信する。この平均値P_all_aveを電力指令値P
*として、直流電圧源Batの電流制御のフィードフォワード項とする。すなわち、各交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・において個別の電力指令値P
*を演算し、その平均値P_all_aveを電力指令値P
*として利用する。
【0024】
2台並列運転する交流−直流変換装置10a,10bの有効電力演算値P_local1,P_local2のイメージ を
図3に示す。各交流−直流変換装置10a,10bが出力する有効電力演算値P_local1,P_local2は横流の影響で振動する。
【0025】
しかし、負荷Loadが要求する電力Ploadが一定であれば、運転台数に関わらず、各交流−直流変換装置10a,10bが出力する有効電力演算値の合計値P_allは振動しない。
【0026】
従って、全交流−直流変換装置10a,10b,・・・の有効電力の平均値P_all_aveを、電力指令値P
*として直流電圧源Batの電流制御のフィードフ ォワード項とすれば、各交流−直流変換装置10a,10b,・・・が出力する有効電力演算値P_local1,P_local2の振動が電池電流指令値Ibat
*に干渉しない。
【0027】
また、電力指令値P
*に基づく直流電圧源Batの電流指令値Ibat
*をフィードフォワード項として加算することにより、負荷急変などの過渡応答性を向上させることが可能となる。
【0028】
以上示したように、本実施形態1によれば、負荷Loadに並列接続された交流−直流変換装置の過渡応答特性の改善および制御指令値の安定化の両立を図ることが可能となる。
【0029】
[実施形態2]
図4は、本実施形態2における交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・と統括制御装置11との間で行う制御を示す制御ブロック図である。
【0030】
本実施形態2では、実施形態1における交流−直流変換装置の並列接続システムに対して、統括制御装置11から出力される全交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・の有効電力演算値の平均値P_all_aveの変化率と、交流−直流変換装置10aの有効電力演算値P_localの変化率の2つの有効電力の変化率を比較する変化率比較器CNPが設けられる。
【0031】
また、本実施形態2では、変化率比較器CNPの出力信号により、除算器6に送る電力指令値P
*を全交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・の有効電力演算値の平均値P_all_aveと、交流−直流変換装置10aの有効電力演算値P_localのうち何れか一方を選択する指令値切替スイッチSWを設けた点が実施形態1と異なる。
【0032】
全交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・の有効電力演算値の平均値P_all_aveと、交流−直流変換装置の有効電力演算値P_localを変化率比較器CNPに入力し、1サンプリング前の有効電力演算値の平均値P_all_ave_oldと現在サンプリングした有効電力演算値の平均値P_all_aveから、有効電力演算値の平均値の変化率ΔP_all_aveを得る。
【0033】
また、1サンプリング前の有効電力演算値P_local_oldと現在サンプリングした有効電力演算値P_localから、有効電力検出値の変化率ΔP_localを得る。
【0034】
そして、有効電力演算値の平均値の変化率ΔP_all_aveと有効電力演算値の変化率ΔP_localを比較し、有効電力演算値の平均値の変化率ΔP_all_aveの方が大きい場合は有効電力演算値の平均値P_all_aveを、有効電力演算値の変化率ΔP_localの方が大きい場合は有効電力演算値P_localを電力指令値P
*として、双方向チョッパ回路2の除算器6に出力し、直流電流指令値Ibat
*の演算に用いる。
【0035】
また、上記とは異なり、変化率比較器CNPに所定の閾値を予め設定しておき、閾値より交流−直流変換装置10の有効電力演算値 の変化率ΔP_localが大きくなった場合のみ、切替スイッチSWを有効電力演算値P_local側に切替えて電力指令値P
*として双方向チョッパの電池電流制御の除算器6に出力し、直流電流指令値Ibat
*の演算に用いてもよい。この場合、前記閾値より有効電力演算値の変化率ΔP_localが小さい場合は、 切替スイッチSWを有効電力演算値の平均値P_all_ave側に切替えて電力指令値P
*として双方向チョッパ回路2の除算器6に送信し、直流電流指令値Ibat
*の演算に用いる。
【0036】
実施形態1における交流−直流変換装置の並列接続システムでは、全交流−直流変換装置10a,10b,10c,・・・の有効電力演算値の平均値P_all_aveを
図4の統括制御装置11で演算するため、通信による遅れが発生する場合があり、その通信による遅れで過渡応答性が低下する。本実施形態2では、負荷急変などで出力する有効電力が大きく変化する場合、その時のみ、各交流−直流変換装置10の有効電力演算値P_localを用いるため、過渡応答性を改善することが可能となる。
【0037】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【符号の説明】
【0038】
1…コンバータユニット
2…双方向チョッパ回路
3…直流リンク部
4…定電圧制御部(AVR)
5…有効電力演算部
6…除算器
7…定電流制御部(ACR)
8…PWM制御部
10…交流−直流変換装置
11…統括制御装置
12…平均値演算部
CNP…変化率比較器
SW…切替スイッチ