(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
トナー画像を像担持体に形成する現像器と、装置本体に対して着脱自在のトナー収容容器からトナーを受けるトナー貯蔵部と、前記トナー収容容器に設けられるとともに前記トナー貯蔵部に前記トナーを補給させる第1トナー補給部と、前記トナー貯蔵部に設けられるとともに前記現像器に前記トナーを補給させる第2トナー補給部と、前記トナー貯蔵部のトナー量を検知する第1検知部と、前記現像器のトナー量を検知する第2検知部と、前記第1トナー補給部を駆動させる第1駆動源と、前記第2トナー補給部を駆動させる第2駆動源と、前記トナー収容部内のトナーの有無を放置する報知部と、装置内各部を制御する制御部とを備えた画像形成装置において、
前記トナー消費量が、前記第2トナー補給部の駆動回数により算出される前記トナー貯蔵部から前記現像器へのトナー補給量であって、
前記トナー収容容器が空であることを前記報知部で報知した後、前記現像器でのトナー消費量が前記トナー貯蔵部のトナー貯蔵容量以上となったときに、前記制御部が、新たなトナー収容容器に交換されたものと判定することを特徴とする画像形成装置。
前記制御部は、新たなトナー収容容器に交換されたものと判定したとき、前記トナー収容容器内のトナー残量を最大トナー量から前記トナー消費量を減算した値により予測し、予測したトナー残量を前記報知部により報知させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
前記第1検知部が、前記トナー貯蔵部で揺動するフロート部材に取り付けられた磁石の位置に応じて作動することで、前記トナー貯蔵部内の残留トナー量を検知するものであって、
前記第2駆動源により前記フロート部材を揺動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
前記第1検知部が、前記トナー貯蔵部で揺動するフロート部材に取り付けられた磁石の位置に応じて作動することで、前記トナー貯蔵部内の残留トナー量を検知するものであって、
前記第2駆動源と異なる第3駆動源により前記フロート部材を揺動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<本発明を実施するための形態における基本構成>
以下、本発明の実施形態における基本構成につき、図面を参照しながら説明する。以下の図では、同一部分又は対応する部分に同一符号を付してある。又、本基本構成は、以下の各実施形態における構成において共通する構成を説明するものである。尚、以下の各実施形態を含め、本発明による画像形成装置は、画像読取機構及び画像検査機構の双方を備える装置であればよく、例えば、コピー機や、コピー機能を備えたプリンター又は複合機などであっても構わない。
【0018】
1.画像形成装置の構成
図1及び
図2を参照して、画像形成装置1の構成について説明する。
図1は、画像形成装置1の構成を示す外観斜視図であり、
図2は、画像形成装置1の内部構成を示す概略構成図である。
【0019】
画像形成装置1は、
図1及び
図2に示すように、記録紙に画像を印字する画像形成部2と、原稿から画像を読み取る画像読取部3とを備え、画像形成部2上方に画像読み取り部3を載置した構成を備える。又、画像形成装置1は、ユーザーに対して各種の表示を行うとともにユーザーによる入力操作を受け付ける操作パネル116を備えている。
【0020】
画像読取部3は、原稿ガラス板の上に載置された原稿を、スキャナーを移動して読み取る公知のものである。原稿画像は、赤(R)・緑(G)・青(B)の三色に色分解されて、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサにより電気信号に変換され、R・G・Bの画像データが得られる。画像読み取り部3で得られた各色成分の画像データは、後述の画像制御部11(
図7参照)において各種処理が行われて、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換される。
【0021】
画像形成部2は、画像データに基づくトナー画像を記録紙に転写する作像装置4と、作像装置4で記録紙に転写されたトナー画像を定着させる定着装置5と、画像を印刷するための記録紙を収納するとともに記録紙を給紙する給紙機構6と、定着装置5によりトナー画像が定着されて画像形成された記録紙を排紙する排紙機構7と、を備える。又、画像読取部3は、原稿からの画像を読み取るスキャナー装置31と、スキャナー部31の上部に設けられるとともにスキャナー装置31に原稿を1枚ずつ搬送させる自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)32とを備える。
【0022】
画像形成部2内の中央部に位置する作像装置4は、像坦持体の一例である感光体上に形成されたトナー像を記録材Pに転写する役割を担うものであり、中間転写ベルト42、及びイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色に対応する計4つの作像機構41を備えている。尚、
図2では、説明の便宜上、各作像機構41に、再現色に応じて符号Y,M,C,Kを添えている。
【0023】
中間転写ベルト42は、駆動ローラー43と従動ローラー44の間に張設され、従動ローラー44が不図示のスプリングで
図2の左方向へ付勢されることにより、中間転写ベルト42に張力が与えられている。そして、転写駆動モーター(図示省略)からの動力伝達にて、駆動ローラー43が反時計回りに回転する。中間転写ベルト42にはポリカーボネート、ポリイミド、ポリイミドアミドなどの樹脂材料が使用される。中間転写ベルト42のうち従動ローラー44に巻き掛けられた部分の外周側には、転写ベルトクリーナー421が配置されている。転写ベルトクリーナー421は、中間転写ベルト42上に残留する未転写トナーを除去するためのものであり、中間転写ベルト42に当接している。
【0024】
中間転写ベルト42の下方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の作像機構4が所定間隔で配置されている。そして、それぞれ作像機構41の感光体ドラム45と、中間転写ベルト42を挟んで対向する位置に、一次転写ローラー46が配置されている。感光体ドラム45の外周には、
図2における時計回りの回転方向に沿って順に、帯電器47、現像器48、一次転写ローラー46及び感光体クリーナー49が配置されている。
【0025】
感光体ドラム45は負帯電性のものであり、感光体モーター(図示省略)からの動力伝達にて、
図2の時計方向に回転駆動するように構成されている。帯電器47はローラー帯電式のものであり、該帯電器47には、帯電用電源(図示省略)から所定のタイミングにて感光体帯電のための電圧が印加される。現像器48は、負の極性を呈するトナーを利用して、感光体ドラム45上に形成された静電潜像を反転現像にて顕在化させるものである。
【0026】
一次転写ローラー46は、中間転写ベルト42の内周側に位置しており、中間転写ベルト42の回転に伴って
図2の反時計方向に回転する。中間転写ベルト42と一次転写ローラー46との間(当接部分)に、一次転写領域である一次転写ニップ部を構成している。感光体クリーナー49は、感光体ドラム45上に残留する未転写トナーを除去するものであり、感光体ドラム45に当接している。4つの作像機構41の下方には露光部50が配置されている。露光部50は、画像データに基づき、レーザービームにて各感光体ドラム45に静電潜像を形成するものである。画像データは、位置ズレ補正のための補正を受けた後、記録紙の供給と同期して1走査ラインごとに読み出され、露光部50に設けられた発光ダイオードの駆動信号となっている。
【0027】
中間転写ベルト42のうち駆動ローラー43に巻き掛けられた部分の外周側には、二次転写ローラー51が配置されている。二次転写ローラー51は、中間転写ベルト42に当接していて、中間転写ベルト42と二次転写ローラー51との間(当接部分)が二次転写領域である二次転写ニップ部を形成している。二次転写ローラー51は、中間転写ベルト42の回転に伴って、又は二次転写ニップ部に挟持搬送される記録紙の移動に伴って
図2の時計方向に回転する。
【0028】
作像装置4は、帯電器47で感光体ドラム45表面を帯電させた後、露光部50で画像データに応じた静電潜像を形成し、この静電潜像に現像器48からのトナーを付着させて感光体ドラム45表面にトナー像を形成する。感光体ドラム45表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト42が感光体ドラム45と一次転写ローラー46との間(一次転写ニップ部)を通過する時に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、中間転写ベルト42上に1次転写される。感光体ドラム45に残った未転写トナーは感光体クリーナー49にて掻き取られ、感光体ドラム45上から取り除かれる。そして、記録紙が二次転写ニップ部を通過する際に、重ね合わされた4色のトナー像が記録紙に一括して二次転写される。中間転写ベルト42に残った未転写トナーは転写ベルトクリーナー421にて掻き取られ、中間転写ベルト42上から取り除かれて、廃トナーボックス(図示省略)に蓄えられる。
【0029】
二次転写ローラー51の上方に位置する定着装置5は、記録紙の搬送方向との直交方向に長い加熱ローラー55、及び、加熱ローラー55と平行状に延びる加圧ローラー56を備えている。加圧ローラー56は、加熱ローラー55に当接していて、加熱ローラー55と加圧ローラー56との間(当接部分)が定着領域である定着ニップ部を形成している。二次転写ローラー51における二次転写ニップ部を通過して未定着トナー像を載せた記録紙が、加熱ローラー55と加圧ローラー56との間の定着ニップ部を通過する際、加熱ローラー55と加圧ローラー56とが記録紙を加熱・加圧して、記録紙上の未定着トナー像を定着させる。
【0030】
作像装置4の下方に位置する給紙装置6は、記録紙を収容する複数段(実施形態では2段)の給紙カセット、給紙カセット61内の記録紙を1枚ずつ繰り出す繰り出しローラー62、及び繰り出された記録紙を所定のタイミングにて二次転写ニップ部(二次転写領域)に搬送する一対のレジストローラー63等を備えている。又、排紙機構7は、定着装置5でトナー像が定着された記録紙を装置外部に排紙させる排出ローラー71と、排紙された記録紙を受ける排紙トレイ72とを備えている。
【0031】
各給紙カセット61は画像形成部2の下部に着脱可能に配置されている。各給紙カセット61内の記録紙は、対応する繰り出しローラー62の回転にて、最上部のものから1枚ずつ搬送経路30に送り出される。搬送経路30は、給紙装置6の各給紙カセット61から、両レジストローラー63間のニップ部、及び作像装置4における二次転写ニップ部(二次転写領域)を経て、定着装置5の定着ニップ部に至る。そして、搬送経路30は、定着装置5の定着ニップ部から一対の排出ローラー71を介して画像形成部2上面の排紙トレイ72にまで延びている。
【0032】
2.トナー補給路の構成
画像形成装置1は、現像器48にトナーを補給させるために、トナーボトル(トナー収容容器)81を着脱可能としている。
図2に示すように、中間転写ベルト42の上方にはボトル収容室80が設けられており、ボトル収容室80内には、各現像器48に供給される補給用トナーを収容するトナーボトル81が着脱可能に配置されている。尚、
図2では、説明の便宜上、ボトル収容室80及びトナーボトル81にも、再現色に応じて符号Y,M,C,Kを添えている。このトナーボトル81から現像器48へのトナー補給路の詳細について、
図3〜
図5を参照して以下に説明する。
【0033】
図3〜
図5に示すように、作像機構41の現像器48には、トナーを一定量補給するサブホッパー(トナー貯蔵部)82が設けられており、ここからジョイント83を介して現像器48に供給される。サブホッパー82の上方には、トナーボトル81が着脱自在に設けられている。サブホッパー82内のトナー残量が少なくなると、トナーボトル81からにトナーが供給される。トナーボトル81内のトナーがなくなると、新しいトナーボトル81と交換される。尚、
図3では、説明の便宜上、トナーボトル81及びサブホッパー82にも、再現色に応じて符号Y,M,C,Kを添えている。
【0034】
トナーボトル81は、トナーを収納しているボトル部812と、供給口813aが外周面に形成されたキャップ部813と、供給口813aを開閉するシャッター部815とを有する。ボトル部812とキャップ部813とは相対的に回転可能に取り付けられている。キャップ部813の正面側にはトナーボトル81を回転させるツマミ814が形成されている。この色別に設けられるトナーボトル81のそれぞれのキャップ部813は、色別のサブホッパー82が一体に構成された上面に載置されている。
【0035】
トナーボトル81の裏面側には、ボトル部812を回転させるボトル回転機構811が設けられている。ボトル回転機構811は、駆動源となるステッピングモーター811aを備えており、不図示のギヤ機構を介してステッピングモーター811aの回転力をトナーボトル81に伝達させる。又、
図3では、ボトル回転機構811は2個記載されているのみであるが、1個の回転駆動機構で2色のトナーボトル81を駆動するもので、不図示のクラッチ機構で切り換える構成になっている。ボトル回転機構811でボトル部812を回転させると、ボトル部812内に収納されたトナーは、ボトル部812の内周面に形成された螺旋状溝817(第1トナー補給部)によって、キャップ部813の供給口813aに導かれる。そして、トナーは供給口813aからサブホッパー82に落下供給される。
【0036】
図4に示すように、トナーボトル81のキャップ部813におけるキャップ部813の供給口813aがサブホッパー82の上部に位置する。サブホッパー82内には、トナーの上面レベルを検出するフロート部材824が、軸824aを中心として揺動自在に設けられている。そして、フロート部材824の下方には撹拌軸と共に回転するカム822が設けられており、カム822の回転によってフロート部材824は上下に揺動する。
【0037】
一方、
図5に示すように、現像器48にはトナー濃度センサー481が設けられていて、現像器48のトナー濃度が低くなった場合には、所定のトナー濃度となるようにサブホッパー82の補給ローラー(第2トナー補給部)823が回転して現像器48にトナーが補給される。尚、これら撹拌軸及び補給ローラー823はサブホッパー駆動機構821で駆動される。サブホッパー駆動機構821は、駆動源となるステッピングモーター821aを備えており、不図示のギヤ機構を介してステッピングモーター821aの回転力をサブホッパー82に伝達させる。
【0038】
次に、サブホッパー82におけるフロート部材824の動作について、
図6を参照して説明する。
図4に示すように、フロート部材824の自由端側には浮体824bが設けられており、トナーの上面レベルに応じて上下動する。浮体824bの上面には磁石824cが設けられており、サブホッパー82の外側面には、エンプティセンサー(第1検知部)825が取り付けられている。エンプティセンサー825としては、リードスイッチが用いられ、浮体824bの上面に設けられた磁石824cの位置に応じてON又はOFFの信号が得られる。
【0039】
図6(a)及び
図6(b)に示すように、サブホッパー82内にトナーが十分にある場合は、フロート部材824及び磁石824cは上方に位置する。従って、エンプティセンサー825はOFF状態となる。一方、
図6(c)に示すように、サブホッパー82内のトナー量が少なくなると、トナーの上面が低下し、フロート部材824及び磁石824cが下方に下がり、エンプティセンサー825がONとなる。
【0040】
エンプティセンサー825がONになると、ボトル回転機構811が駆動してトナーボトル81のボトル部812を所定時間(例えば10秒間)回転させ、トナーボトル81からサブホッパー82内にトナーを供給する。サブホッパー82にトナーボトル81からトナーが補給されると、フロート部材824及び磁石824cが上方に上がるため、エンプティセンサー825はON信号からOFF信号となる。ところが、トナーボトル81にトナーがない場合には、ボトル部812を回転させてもサブホッパー82内にトナーは補給されない。尚、カム822と補給ローラー823は共に、サブホッパー駆動機構821によって回転駆動するため、エンプティセンサー825の変化を確認するためにカム822を動作させた時、補給ローラー823も同時に回転することとなる。
【0041】
他方、現像器48には、二成分現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度センサー(第2検知部)481(
図5参照)が設けられている。そして、現像器48内のトナー濃度が低くなった場合には、所定のトナー濃度を維持するように、サブホッパー駆動機構821によりサブホッパー82の補給ローラー823を回転させて、現像器48にトナーを補給する。例えば、トナー濃度の通常設定値が5%の場合、トナー濃度が4.5%以下となると、補給ローラー823が回転して、サブホッパー82から現像器48にトナー補給が行われる。そして、トナー濃度が5%になると、補給ローラー823の回転が停止する。
【0042】
又、画像形成装置1は、トナーボトル81を回転させたときに、エンプティセンサー825がON信号からOFF信号となれば、トナーボトル81からサブホッパー82にトナーが供給されたと認識するため、トナーボトル81が新品に交換されたと判断する。又、補給ローラー823が1回転することで、所定グラム数のトナーを現像器48に送るため、補給ローラー823の回転数により現像器48に送るトナー量を管理することが出来る。そして、サブホッパー82の容量が決まっているため、サブホッパー82の容量以上にトナーを消費しても、トナー濃度センサー821により検出されたトナー濃度が低下していない場合は、トナーボトル82が交換されていたものと判別できる。
【0043】
3.制御ブロックの構成
画像形成装置1の各部動作を制御する制御ブロックについて、
図7を参照して以下に説明する。
図7に示すように、画像形成装置1は、画像データを処理する画像制御部11と、画像形成を全般的に処理するエンジン制御部12とからなる制御系を備えている。そして、画像制御部11は、シリアル通信により、エンジン制御部12との通信を実行する。すなわち、画像制御部11は、画像バスを介して画像データをエンジン制御部12に提供するとともに、装置内の環境状態や記録紙の用紙サイズ等に応じて、記録紙の搬送速度を決定し、エンジン制御部12に通知する。
【0044】
画像制御部11は、記憶媒体であるRAM112、ハードディスク装置(HDD)等からなる記憶部113、画像読取部3、FAXインターフェース(IF)115、及び操作パネル116等を制御する。又、画像制御部11は、ネットワーク回線を介して、装置外部の端末装置117と通信し、データの授受を実行する。画像制御部11は、画像読取部3、FAXインターフェース115、及び端末装置117それぞれからデータを受信すると、RAM112及び記憶部113を活用して、印字用の画像データを生成して、エンジン制御部12に転送する。
【0045】
RAM112は、転送速度の点で優れており、又、記憶部113を構成するハードディスク装置は、転送速度はRAM112よりも劣るものの、記憶容量の点では有利な記憶媒体である。FAXインターフェース115は、通信回線を介して外部のファクシミリ装置と画像データのファクシミリ送受信を実行する。又、操作パネル116は、表示部を構成するタッチパネルと、押しボタン部とを備え、ユーザーに対して表示を行うとともに、ユーザーから入力操作を受け付ける。
【0046】
エンジン制御部12は、作像制御部120、定着制御部121、搬送制御部122、及びトナー制御部123と通信し、画像形成部2内の各部の動作を制御する。作像制御部120は、作像機構41、駆動ローラー43、一次転写ローラー46、及び露光部50それぞれの駆動を制御することで、中間転写ベルト42にトナー像を形成させ、更に二次転写ローラー51の駆動を制御することで、中間転写ベルト42のトナー像を記録紙に転写させる。定着制御部121は、加熱ローラー55及び加圧ローラー56それぞれの駆動を制御することで、記録紙上のトナー像を定着させる。搬送制御部122は、給紙機構6及び排紙機構7を含む搬送経路30における各部品を駆動させることで、記録紙の搬送動作を制御する。
【0047】
トナー制御部123は、トナーボトル81からサブホッパー82へのトナー補給動作や、サブホッパー82から現像器48へのトナー補給動作を制御する。トナー制御部123は、ボトル回転機構811のステッピングモーター811a、及びサブホッパー駆動機構821のステッピングモーター821aに制御信号を与える一方で、現像器48のトナー濃度センサー481、及びサブホッパー82のエンプティセンサー825からの信号を受ける。従って、トナー制御部123は、トナー濃度センサー481からの信号を受けて、サブホッパー82からのトナー補給を実行させる一方で、エンプティセンサー825からの信号を受けて、トナーボトル81からのトナー補給を実行させる。
【0048】
4.トナー残量の表示例
画像形成装置1は、
図8に示す表示例ように、操作パネル116のタッチパネル部分(報知部)に、トナーボトル81のトナー残量とともに交換の必要なトナーボトル81を表示して、ユーザーに通知する。
図8の表示例では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各再現色に対して、トナーボトル81のトナー残量を、長尺矩形状の外枠内に表示された棒グラフ(トナー残量表示)161で示している。又、
図8の表示例では、トナーボトル81のトナー残量(棒グラフ161)の表示と併せて、「黒トナー交換時期です」のようなトナーボトル81の交換と交換対象となっている再現色を示唆するメッセージ(トナーエンプティ表示)162を表示させる。尚、
図8では、説明の便宜上、棒グラフ161に、再現色に応じて符号Y,M,C,Kを添えている。
【0049】
トナー残量を示す棒グラフ161は、トナーボトル81に予め充填されるトナー量を表す外枠内で長さを推移させるもので、その長さによって、トナーボトル81交換後のトナー残量を示唆する。即ち、トナーボトル81交換直後であってトナーボトル81からのトナー補給がない場合は、棒グラフの長さが外枠と同等であり、その後、トナーボトル81のトナーが消費されていくと、外枠の内側に表示される棒グラフ161の長さは短くなっていく。そして、トナーボトル81のトナー残量が少なく、棒グラフ161の長さが0に近づくと、操作パネル116は、トナーボトル81の交換時期が近づいたことを示す上記メッセージ162を表示する。
【0050】
以下の各実施形態は、上述した画像形成装置1を基本構成とする画像形成装置を説明するものであり、トナー検出動作について、より詳細に説明するものである。よって、以下の各実施形態では、画像形成装置におけるトナー検出動作を中心に、その詳細について説明する。
【0051】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態の画像形成装置について、以下に、図面を参照して説明する。
図9は、本実施形態の画像形成装置におけるトナー残量検出動作を示すフローチャートである。尚、本実施形態の画像形成装置の構成については、上述の基本構成で示した構成となるため、以下では、トナー残量検出動作について説明する。
【0052】
本実施形態の画像形成装置1は、画像制御部11からの画像データに基づいて、エンジン制御部12が、作像制御部120、定着制御部121、及び搬送制御部122を通じて、画像形成部2の各部を動作させて、印字処理を行うと(S1−1)、トナー制御部123が、サブホッパー駆動機構821を駆動させて、現像器48へのトナー補給を実行させる(S1−2)。サブホッパー駆動機構821が駆動することで、サブホッパー82内の補給ローラー823が回転して、サブホッパー82内のトナーが現像器48へ補給される。
【0053】
そして、トナー制御部123は、補給ローラー823とともにカム822を回転させることで、エンプティセンサー825からON信号が入力されたか否かを確認する(S1−3)。エンプティセンサー825からON信号が入力された場合(S1−3でYes)、サブホッパー82のトナー量に不足が生じているため、トナー制御部123が、トナーボトル回転機構811を駆動させて、サブホッパー82へのトナー補給を実行させる(S2−1)。サブホッパー駆動機構821が駆動することで、トナーボトル81が回転して、トナーボトル81内のトナーがサブホッパー82へ補給される。
【0054】
その後、S1−1及びS1−2と同様にして、画像形成部2の各部を動作させて、印字処理を行った後(S2−2)、サブホッパー821から現像器48へトナーを補給させる(S2−3)。トナー制御部123は、サブホッパー82内の補給ローラー823の回転数を積算して、現像器48へのトナー補給量に基づき、現像器48でのトナー消費量TAを算出する(S2−4)。そして、トナー制御部123は、現像器48のトナー濃度センサー481からの検出信号を受けて、現像器48におけるトナー濃度が所定濃度TC1(例えば、4.5%)以下となったか否かを確認する(S3−1)。
【0055】
このとき、トナー濃度センサー481で検出されたトナー濃度が所定濃度TC1以下となる場合(S3−1でYes)、トナー制御部123は、トナーボトル81内にトナーがないものと判断し、画像制御部11及びエンジン制御部12を通じて、操作パネル116にトナーエンプティ表示を表示させる(S5)。一方、トナー濃度センサー481で検出されたトナー濃度が所定濃度TC1より大きい場合(S3−1でNo)、トナー制御部123は、トナー消費量TAがサブホッパー82容量以上であるか否かを判別する(S3−2)。そして、トナー消費量TAがサブホッパー82容量未満である場合は(S3−2でNo)、エンプティセンサー825からの信号がON信号からOFF信号に切り替わったか否かを確認する(S3−3)。このとき、エンプティセンサー825からの信号がON信号のままの場合は(S3−3でNo)、S2−1に移行して、トナーボトル81によるトナー補給動作を実行させる。
【0056】
一方、トナー消費量TAがサブホッパー82容量以上となる場合(S3−2でYes)、又は、エンプティセンサー825からの信号がOFF信号に切り替わった場合(S3−3でYes)、トナー制御部123は、トナーボトル81が新品に交換されたものと判断する。そして、トナー制御部123は、画像制御部11及びエンジン制御部12を通じて、操作パネル116にトナーエンプティ表示を非表示にさせる(S4−1)。
【0057】
本実施形態の画像形成装置1は、トナーボトル(トナー収容容器)81が空であることを操作パネル(報知部)116で報知した後、操作パネル(報知部)116のトナー残量が所定値以上となったことをエンプティセンサー(第1検知部)825が検知したとき、又は、現像器48でのトナー消費量が所定量以上となったときに、新たなトナーボトル(トナー収容容器)81に交換されたものと判定する。従って、現像器48へのトナー補給量がトナーボトル(トナー収容容器)81からのトナー補給量を上回った場合でも、正確にトナーボトル(トナー収容容器)81の交換を判定できる。
【0058】
尚、本実施形態を含めた各実施形態において、説明を簡単にするために、上述したように、エンプティセンサー825がサブホッパー82のトナー残量の低下を検知すると同時に、トナー濃度センサー481が現像器48のトナー残量の低下を検知したときに、トナーボトル81が空であること(トナーエンプティ表示)を操作パネル116で報知するものとしたが、これに限るものではない。
【0059】
例えば、エンプティセンサー825がON信号を出力した後(S1−4でYes)、エンプティセンサー825の出力信号の切換判定(S3−3)が所定回数(例えば、3回)以上連続して、エンプティセンサー824がON信号のままである(S3−3でNo)となる場合にも、トナーボトル81が空であること(トナーエンプティ表示)を操作パネル116で報知するものであってもよい。この場合、ステップS1−4で、エンプティセンサー825がON信号を出力した後(Yes)、ステップS2−1〜S3−3を所定回数(例えば、3回)繰り返し、ステップS3−3において連続してエンプティセンサー825がON信号であることを確認した場合に(No)、操作パネル116にトナーエンプティ表示を表示させる。
【0060】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態の画像形成装置について、以下に、図面を参照して説明する。
図10は、本実施形態の画像形成装置におけるトナー残量検出動作を示すフローチャートである。尚、
図10において、
図9におけるフローチャートと同一の動作ステップについては同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施形態の画像形成装置1は、第1の実施形態における制御動作に、トナーボトル81交換後のトナー残量を表示させる動作を更に追加したものである。すなわち、本実施形態の画像形成装置1におけるトナー残量検出動作は、第1の実施形態における画像形成装置による
図9に示す動作フローに対して、トナー残量を表示させる動作を追加したものである。よって、以下では、トナー残量表示のための動作ステップについて、詳細に説明する。
【0062】
本実施形態の画像形成装置1は、第1の実施形態と同様、印字処理後に現像器48へのトナー補給を実行し、エンプティセンサー824がON信号を出力したか否かを確認する(S1−1〜S1−3)。エンプティセンサー824からON信号が出力されていない場合(S1−3でNo)、サブホッパー82における補給ローラー823の回転数に基づいて、現像器48でのトナー消費量を算出して(S6)、前回のトナー残量からトナー消費量を減算した値を新たにトナー残量として算出し(S7)、トナー残量を操作パネル116に表示させる(S8)。
【0063】
一方、エンプティセンサー824からON信号が出力された場合(S1−3でYes)、トナーボトル81によるトナー補給を実行させた後に印字処理を行って、現像器48へのトナー補給を実行し、トナー消費量TAを算出する(S2−1〜S2−4)。その後、現像器48におけるトナー濃度が所定濃度TC1(例えば、4.5%)以下となったか否かを確認する(S3−1)。このとき、現像器48におけるトナー濃度が所定濃度TC以下となる場合(S3−1でNo)、操作パネル116にトナーエンプティ表示を表示させた後(S5)、前回のトナー残量からトナー消費量を減算した値を新たにトナー残量として算出し(S7)、トナー残量を操作パネル116に表示させる(S8)。
【0064】
また、トナー濃度センサー481で検出されたトナー濃度が所定濃度TC1より大きい場合(S3−1でNo)、トナー消費量TAがサブホッパー82容量以上となる場合(S3−2でYes)、又は、エンプティセンサー824からの出力がOFF信号に切り替わった場合(S3−3でYes)に、操作パネル116のトナーエンプティ表示を非表示にする(S4−1)。その後、トナーボトル81内のトナー残量を、トナーボトル81における最大トナー量からトナー消費量TAを減算した値として算出し(S4−2)、トナー残量を操作パネル116に表示させる(S8)。
【0065】
本実施形態の画像形成装置1は、新たなトナーボトル(トナー収容容器)81に交換されたものと判定したとき、トナーボトル(トナー収容容器)81内のトナー残量を最大トナー量からトナー消費量TAを減算した値により予測し、予測したトナー残量を操作パネル(報知部)116により報知させる。従って、ユーザーに正確なトナー残量を報知できるとともに、トナーボトル(トナー収容容器)81の交換時期の誤判定を防止できる。
【0066】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態の画像形成装置について、以下に、図面を参照して説明する。
図11は、本実施形態の画像形成装置におけるトナー残量検出動作を示すフローチャートである。尚、
図11において、
図10におけるフローチャートと同一の動作ステップについては同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0067】
本実施形態の画像形成装置1は、第2の実施形態と異なり、画像形成部2のボトル収容室80にトナーボトル81を収容させるべく、装置本体に設けた扉を開閉させたか否かを検知し、扉の開閉があった場合にトナーボトル81の交換の有無を判定する。そして、本実施形態の画像形成装置1は、第2の実施形態と異なり、トナーボトル81交換時のトナー残量を、トナーボトル81からサブホッパー82へのトナー補給量により補正する。以下では、本実施形態におけるトナー残量検出動作について説明する。
【0068】
本実施形態の画像形成装置1は、第2の実施形態と異なり、エンプティセンサー824からON信号が出力された場合に(S1−3でYes)、トナーボトル81によるトナー補給、印字処理、現像器48へのトナー補給それぞれを実行した後に、トナー消費量TAを算出すると(S2−1〜S2−4)、ボトル収容室80に対する上記扉の開閉の有無を検出する(S20)。ボトル収容室80に対する上記扉の開閉があった場合(S20でYes)、トナーボトル81が新品に交換されたものと推測して、上記扉の開閉時刻(開閉タイミング)を記憶する(S21)。上記扉の開閉がなかった場合(S20でNo)、又は、上記扉が開閉されてその開閉時刻を記憶した場合(S21)、第2の実施形態と同様、現像器48のトナー濃度が所定濃度TC1以下か否かを判定する(S3−1)。
【0069】
現像器48のトナー濃度が所定濃度TC1より大きい場合は(S3−1でNo)、トナー消費量TAがサブホッパー82容量以上となる場合(S3−2でYes)、又は、エンプティセンサー824からの出力がOFF信号に切り替わった場合(S3−3でYes)に、S21で記憶した上記扉の開閉時刻からのトナーボトル81の回転数により、トナーボトル81からサブホッパー82へのトナー補給量TBを算出する(S3−4)。そして、操作パネル116のトナーエンプティ表示を非表示にした後(S4−1)、トナーボトル81内のトナー残量を、トナーボトル81における最大トナー量からトナー補給量TBを減算した値として算出し(S4−2)、トナー残量を操作パネル116に表示させる(S8)。
【0070】
本実施形態の画像形成装置1は、新たなトナーボトル(トナー収容容器)81に交換されたものと判定したとき、扉の開閉タイミングからのトナーボトル(トナー収容容器)81によるトナー補給慮TBを算出して、トナーボトル(トナー収容容器)81内のトナー残量を最大トナー量からトナー補給量TBを減算した値により予測し、予測したトナー残量を操作パネル(報知部)116により報知させる。従って、ユーザーに正確なトナー残量を報知できるとともに、トナーボトル(トナー収容容器)81の交換時期の誤判定を防止できる。
【0071】
尚、本実施形態において、トナーボトル81が新品と交換されたかどうかの判断について、装置本体に設けられた扉が開閉された場合に、トナーボトル81が新品に交換されたもの判定することとしたが、主電源がONされた場合や、電力消費を抑制するスリープモードから回復した場合などに、上述の判定動作を実行するものとしても構わない。更に、これらの場合のいずれが実行されたときに、トナーボトル81が新品に交換されたもの判定するものとし、新品交換後のトナーボトル81からサブホッパー82へのトナー補給量を算出するものとしても構わない。
【0072】
上述の実施形態において、本発明における画像形成装置として、サブホッパー82におけるカム822と補給ローラー823が同一の駆動源に基づいて駆動するものとしたが、カム822と補給ローラー823を異なる駆動源により独立した駆動構成であるものとしてもよい。又、トナーボトル81及びサブホッパー82の補給ローラー823を異なる駆動源で回転させるものとしたが、トナーボトル81及びサブホッパー82の補給ローラー823を同一の駆動源で回転させるべく、回転駆動機構811と補給ローラー823とを連結軸で結合して、トナーボトル82とサブホッパー82の補給ローラー823とを同時に回転させるものとしてもよい。
【0073】
更に、サブホッパー82のカム822と補給ローラー823とが、サブホッパー駆動機構821により同時に駆動するものとしたが、カム822を駆動させる駆動源と、補給ローラー823を駆動させる駆動源を異なるものとしても構わない。即ち、補給ローラー823を駆動させる駆動源を第2駆動源とし、カム822を駆動する駆動源を第3駆動源とすることで、現像器47へのトナー補給動作と、サブホッパー82内のトナー残量の検出動作とを異なるタイミングで実行させるものとできる。