特許第6402579号(P6402579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402579
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】送受信回路及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20181001BHJP
【FI】
   H04L25/02 S
   H04L25/02 R
   H04L25/02 V
   H04L25/02 G
【請求項の数】10
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-212576(P2014-212576)
(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公開番号】特開2016-82426(P2016-82426A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松田 晶詳
【審査官】 谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−059443(JP,A)
【文献】 特開2011−061351(JP,A)
【文献】 特開2004−096351(JP,A)
【文献】 特開平08−023354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力ノードが第1終端抵抗を介して第1外部端子に接続された第1送信回路と、
出力ノードが第2終端抵抗を介して第2外部端子に接続された第2送信回路と、
を含み、
前記第1送信回路及び前記第2送信回路はそれぞれ、
第1電圧と第2電圧とに基づいて動作し、第1駆動信号及び第2駆動信号を生成する駆動回路と、
前記第1電圧が印加される第1電源配線と第1配線との間に接続された第1スイッチと、
前記第2電圧が印加される第2電源配線と第2配線との間に接続された第2スイッチと、
前記第2電源配線と前記第1配線との間に接続された第1コンデンサと、
前記第1配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第1駆動信号が印加される第1トランジスタと、
前記第2配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第2駆動信号が印加される第2トランジスタと、
を有すること、を特徴とする送受信回路。
【請求項2】
前記駆動回路は、送信データと送信制御信号と終端制御信号に基づいて、送信時に前記送信データに応じて前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを相補的に駆動し、受信時に前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオンする、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の送受信回路。
【請求項3】
前記駆動回路は、非通信時に前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオフする、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成すること、
を特徴とする請求項2に記載の送受信回路。
【請求項4】
前記第1送信回路及び第2送信回路はそれぞれ、前記第1電源配線と前記第2配線との間に接続された第2コンデンサを有すること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の送受信回路。
【請求項5】
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、スイッチ制御信号に基づいてオンオフすること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の送受信回路。
【請求項6】
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、送信制御信号に基づいてオンオフすること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の送受信回路。
【請求項7】
出力ノードが第1終端抵抗を介して第1外部端子に接続された第1送信回路及び第2送信回路と、
出力ノードが第2終端抵抗を介して第2外部端子に接続された第3送信回路及び第4送信回路と、
を含み、
前記第1送信回路及び前記第3送信回路はそれぞれ、
第1電圧と第2電圧とに基づいて動作し、第1駆動信号及び第2駆動信号を生成する第1駆動回路と、
前記第1電圧が印加される第1電源配線と第1配線との間に接続され、第1スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第1スイッチと、
前記第2電圧が印加される第2電源配線と第2配線との間に接続され、前記第1スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第2スイッチと、
前記第2電源配線と前記第1配線との間に接続された第1コンデンサと、
前記第1配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第1駆動信号が印加される第1トランジスタと、
前記第2配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第2駆動信号が印加される第2トランジスタと、
を有し、
前記第2送信回路及び前記第4送信回路はそれぞれ、
前記第1電圧と前記第2電圧とに基づいて動作し、第3駆動信号及び第4駆動信号を生成する第2駆動回路と、
前記第1電圧が印加される第1電源配線と第3配線との間に接続され、第2スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第3スイッチと、
前記第2電圧が印加される第2電源配線と第4配線との間に接続され、前記第2スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第4スイッチと、
前記第2電源配線と前記第3配線との間に接続された第2コンデンサと、
前記第3配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第3駆動信号が印加される第3トランジスタと、
前記第4配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第4駆動信号が印加される第4トランジスタと、
を有すること、を特徴とする送受信回路。
【請求項8】
前記第1駆動回路は、送信データと送信制御信号と終端制御信号に基づいて、送信時に前記送信データに応じて前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを相補的に駆動し、受信時に第1選択信号に基づいて前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを駆動する、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成すること、
前記第2駆動回路は、送信データと送信制御信号と終端制御信号に基づいて、送信時に前記送信データに応じて前記第3トランジスタと前記第4トランジスタとを相補的に駆動し、受信時に第2選択信号に基づいて前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタを駆動する、前記第3駆動信号及び前記第4駆動信号を生成すること、
を特徴とする請求項7に記載の送受信回路。
【請求項9】
前記第1送信回路及び第3送信回路はそれぞれ、前記第1電源配線と前記第2配線との間に接続された第3コンデンサを有し、
前記第2送信回路及び第4送信回路はそれぞれ、前記第1電源配線と前記第4配線との間に接続された第4コンデンサを有すること、
を特徴とする請求項7または8に記載の送受信回路。
【請求項10】
出力ノードが第1終端抵抗を介して第1外部端子に接続された第1送信回路と、
出力ノードが第2終端抵抗を介して第2外部端子に接続された第2送信回路と、
を含み、
前記第1送信回路及び前記第2送信回路はそれぞれ、
第1電圧が印加される第1電源配線と第1配線との間に接続された第1スイッチと、
第2電圧が印加される第2電源配線と第2配線との間に接続された第2スイッチと、
前記第2電源配線と前記第1配線との間に接続された第1コンデンサと、
前記第1配線と前記出力ノードとの間に接続された第1トランジスタと、
前記第2配線と前記出力ノードとの間に接続された第2トランジスタと、
を有する制御回路を制御する制御方法であって、
送信時に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオンし送信データに応じて前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを相補的に駆動し、
受信時に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオフし前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオンすること、
を特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
送受信回路及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの電子機器間の通信速度の向上に伴い、相補な信号を用いた通信が一般的になっている。一方向の通信の場合、一方の電子機器は、相補な信号を出力する出力回路を有し、他方の電子機器は、相補な信号を受信する受信回路を有している。また、双方向通信の場合、2つの電子機器はそれぞれ、相補な信号を出力する出力回路と、相補な信号を受信する受信回路とを有している。このような電子機器は、信号の伝送路に接続された終端抵抗を有している(たとえば、特許文献1,2参照)。終端抵抗により、信号の反射による波形歪みが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2011/052141号
【特許文献2】特開2009−49672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、信号線に接続された終端抵抗は、送受信回路の端子に対する寄生容量の容量値の増加を招く。このような寄生容量は、信号の伝達速度の高速化を妨げる要因となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、出力ノードが第1終端抵抗を介して第1外部端子に接続された第1送信回路と、出力ノードが第2終端抵抗を介して第2外部端子に接続された第2送信回路と、を含み、前記第1送信回路及び前記第2送信回路はそれぞれ、第1電圧と第2電圧とに基づいて動作し、第1駆動信号及び第2駆動信号を生成する駆動回路と、前記第1電圧が印加される第1電源配線と第1配線との間に接続された第1スイッチと、前記第2電圧が印加される第2電源配線と第2配線との間に接続された第2スイッチと、前記第2電源配線と前記第1配線との間に接続された第1コンデンサと、前記第1電源配線と前記第2配線との間に接続された第2コンデンサと、前記第1配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第1駆動信号が印加される第1トランジスタと、前記第2配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第2駆動信号が印加される第2トランジスタとを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一観点によれば、通信速度の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】双方向通信を行うシステムの概略説明図である。
図2】第1実施形態の送信回路における各種信号の論理を示す説明図である。
図3】(a)は第1実施形態の送受信回路の回路図、(b)は第1実施形態の駆動回路の回路図である。
図4】第1実施形態の送信回路の等価回路図である。
図5】第1実施形態の送信回路における容量値の説明図である。
図6】第1実施形態の送信回路における各種信号を示すタイミング図である。
図7】第2実施形態の送受信回路の回路図である。
図8】第2実施形態の駆動回路の回路図である。
図9】第2実施形態の送信回路における各種信号の論理を示す説明図である。
図10】第2実施形態の送信回路の等価回路図である。
図11】(a)は送信時の状態を示すブロック図、(b)は受信時の状態を示すブロック図である。
図12】(a)(b)は比較例の通信システムの概略説明図である。
図13】比較例の送信回路の回路図である。
図14】比較例の送信回路における各種信号の論理を示す説明図である。
図15】比較例の送信回路における容量値の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(通信システムの概要)
図1に示すように、この通信システムは、2つの電子装置11,12と、電子装置11,12を互いに接続する伝送路13を有している。電子装置11の外部端子E1p,E1nは、伝送路13を介して電子装置12の外部端子E2p,E2nに接続される。電子装置11,12は、伝送路13を介して互いに通信可能に接続されている。
【0009】
電子装置11は、たとえばコンピュータやデジタルスチルカメラなどのホスト装置であり、電子装置12は、たとえばメモリカードなどの周辺装置である。伝送路13は、2つの電子装置11,12の間において信号を伝達する経路を示すものである。なお、電子装置11,12が互いに直接的に接続される場合、伝送路13は、電子装置11,12に含まれるケーブルや回路基板の配線等である。
【0010】
電子装置11は、制御回路(CPU)21と送受信回路22とを有している。
制御回路21は、送信データTDと送信イネーブル信号TXENを送受信回路22に出力する。
【0011】
送受信回路22は、送信回路23、受信回路24を有している。
送信回路23は、2つの送信バッファ25,26、インバータ回路27を含む。送信バッファ25は第1送信回路の一例、送信バッファ26は第2送信回路の一例である。
【0012】
インバータ回路27は、送信データTDを論理反転した反転データTDxを出力する。
送信バッファ25の入力端子には送信データTDが供給される。送信バッファ25の出力端子は終端抵抗R1pの第1端子に接続され、終端抵抗R1pの第2端子は外部端子E1pに接続ざれている。終端抵抗R1pは第1終端抵抗の一例である。外部端子E1pは第1外部端子の一例である。
【0013】
送信バッファ26の入力端子には反転データTDxが供給される。送信バッファ26の出力端子は終端抵抗R1nの第1端子に接続され、終端抵抗R1nの第2端子は外部端子E1nに接続されている。終端抵抗R1nは第2終端抵抗の一例である。外部端子E1nは第2外部端子の一例である。終端抵抗R1p,R1nは、送信バッファ25,26のインピーダンスを、伝送路13の特性インピーダンスと整合する直列終端抵抗である。
【0014】
外部端子E1p,E1nは受信回路24の2つの入力端子にそれぞれ接続されている。つまり、受信回路24の入力端子は、外部端子E1p,E1nと終端抵抗R1p,R1nとが接続されたノードN1p,N1nに接続されている。受信回路24は外部端子E1p,E1nのレベルに応じた受信データRDを制御回路21に出力する。
【0015】
電子装置12は、電子装置11と同様の部材を有している。このため、電子装置12の部材について、電子装置11と同じ符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
次に、送受信回路の第1実施形態を説明する。
【0016】
図3(a)に示すように、制御回路21は、送信データTD、送信イネーブル信号TXEN、終端イネーブル信号TREN、スイッチ制御信号SWENを出力する。
送信バッファ25は、終端抵抗R1pの第1端子に接続されたトランジスタT1p,T2pと、トランジスタT1p,T2pを駆動する駆動回路25aを有している。トランジスタT1pは第1トランジスタの一例、トランジスタT2pは第2トランジスタの一例である。
【0017】
駆動回路25aは、高電位電圧VDDが印加される配線(以下、高電位電源配線VDD)と、低電位電圧VSSが印加される配線(以下、低電位電源配線VSS)に接続されている。駆動回路25aは、高電位電圧VDDと低電位電圧VSSに基づいて動作する。駆動回路25aは、送信データTD、送信イネーブル信号TXEN、終端イネーブル信号TRENに基づいて、トランジスタT1pに対する駆動信号D1pと、トランジスタT2pに対する駆動信号D2pを生成する。駆動信号D1pは第1駆動信号の一例、駆動信号D2pは第2駆動信号の一例である。高電位電圧VDDは第1電圧の一例、低電位電圧VSSは第2電圧の一例である。高電位電源配線VDDは第1電源配線の一例、低電位電源配線VSSは第2電源配線の一例である。
【0018】
トランジスタT1pはたとえばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT2pはたとえばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT1pのソース端子は配線PL1に接続され、トランジスタT1pのドレイン端子はトランジスタT2pのドレイン端子に接続され、トランジスタT2pのソース端子は配線PL2に接続されている。なお、図示しないが、トランジスタT1pのバックゲート端子は高電位電源配線VDDに接続、トランジスタT2pのバックゲート端子は低電位電源配線VSSに接続されている。トランジスタT1pのドレイン端子とトランジスタT2pのドレイン端子とが接続されたノードN2pは送信バッファ25の出力端子であり、終端抵抗R1pの第1端子に接続されている。配線PL1は第1配線の一例、配線PL2は第2配線の一例である。
【0019】
配線PL1は、スイッチSW1pの第1端子に接続され、スイッチSW1pの第2端子は高電位電源配線VDDに接続されている。配線PL2は、スイッチSW2pの第1端子に接続され、スイッチSW2pの第2端子は低電位電源配線VSSに接続されている。スイッチSW1p,SW2pは、スイッチ制御信号SWENに基づいてオンオフする。たとえば、スイッチSW1p,SW2pは、Hレベルのスイッチ制御信号SWENに応答してオンし、Lレベルのスイッチ制御信号SWENに応答してオフする。スイッチSW1pは第1スイッチの一例、スイッチSW2pは第2スイッチの一例である。
【0020】
コンデンサC1pの第1端子は配線PL1に接続され、コンデンサC1pの第2端子は配線VSSに接続されている。コンデンサC2pの第1端子は配線VDDに接続され、コンデンサC2pの第2端子は配線PL2に接続されている。コンデンサC1pは第1コンデンサの一例、コンデンサC2pは第2コンデンサの一例である。
【0021】
送信バッファ26は、終端抵抗R1nの第1端子に接続されたトランジスタT1n,T2nと、トランジスタT1n,T2nを駆動する駆動回路26aを有している。トランジスタT1nは第1トランジスタの一例、トランジスタT2nは第2トランジスタの一例である。
【0022】
駆動回路26aは、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSに接続されている。駆動回路26aは、高電位電圧VDDと低電位電圧VSSに基づいて動作する。駆動回路26aは、反転データTDx、送信イネーブル信号TXEN、終端イネーブル信号TRENに基づいて、トランジスタT1nに対する駆動信号D1nと、トランジスタT2nに対する駆動信号D2nを生成する。駆動信号D1nは第1駆動信号の一例、駆動信号D2nは第2駆動信号の一例である。
【0023】
トランジスタT1nはたとえばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT2nはたとえばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT1nのソース端子は配線PL1に接続され、トランジスタT1nのドレイン端子はトランジスタT2nのドレイン端子に接続され、トランジスタT2nのソース端子は配線PL2に接続されている。なお、図示しないが、トランジスタT1nのバックゲート端子は高電位電源配線VDDに接続され、トランジスタT2nのバックゲート端子は低電位電源配線VSSに接続されている。トランジスタT1nのドレイン端子とトランジスタT2nのドレイン端子とが接続されたノードN2nは送信バッファ26の出力端子であり、終端抵抗R1nの第1端子に接続されている。
【0024】
配線PL1は、スイッチSW1nの第1端子に接続され、スイッチSW1nの第2端子は高電位電源配線VDDに接続されている。配線PL2は、スイッチSW2nの第1端子に接続され、スイッチSW2nの第2端子は低電位電源配線VSSに接続されている。スイッチSW1n,SW2nは、スイッチ制御信号SWENに基づいてオンオフする。たとえば、スイッチSW1n,SW2nは、Hレベルのスイッチ制御信号SWENに応答してオンし、Lレベルのスイッチ制御信号SWENに応答してオフする。スイッチSW1nは第1スイッチの一例、スイッチSW2nは第2スイッチの一例である。
【0025】
コンデンサC1nの第1端子は配線PL1に接続され、コンデンサC1nの第2端子は配線VSSに接続されている。コンデンサC2nの第1端子は配線VDDに接続され、コンデンサC2nの第2端子は配線PL2に接続されている。コンデンサC1nは第1コンデンサの一例、コンデンサC2nは第2コンデンサの一例である。
【0026】
図3(b)に示すように、駆動回路25aは、アンド回路31、オア回路32、ナンド回路33、ノア回路34、インバータ回路35,36を有している。
終端イネーブル信号TRENは、インバータ回路35に供給される。インバータ回路35の出力端子はアンド回路31の入力端子に接続されている。送信データTDは、ナンド回路33に供給される。そのナンド回路33の入力端子には送信イネーブル信号TXENが供給される。ナンド回路33の出力端子はアンド回路31の入力端子に接続され、アンド回路31は、駆動信号D1pを出力する。
【0027】
送信イネーブル信号TXENは、インバータ回路36に供給される。インバータ回路36の出力端子はノア回路34の入力端子に接続されている。そのノア回路34の入力端子には送信データTDが供給される。ノア回路34の出力端子はオア回路32の入力端子に接続されている。そのオア回路32の入力端子には終端イネーブル信号TRENが供給される。オア回路32は、駆動信号D2pを出力する。
【0028】
図2は、第1実施形態の送受信回路22における信号の論理値を示す。
図3(a)に示す制御回路21は、たとえば、”0”送信時に、Lレベルの送信データTD、Hレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TREN、Hレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。
【0029】
スイッチSW1p,SW2pは、Hレベルのスイッチ制御信号SWENに応答してオンする。これにより、配線PL1に高電位電圧VDDが供給され、配線PL2に低電位電圧VSSが供給される。
【0030】
送信バッファ25の駆動回路25aは、Hレベルの送信イネーブル信号TXENとLレベルの終端イネーブル信号TRENとに基づいて、送信データTDに応じたレベルの駆動信号D1p,D2pを生成する。たとえば、駆動回路25aは、Lレベルの送信データTDに基づいて、Hレベルの駆動信号D1p,D2pを生成する。トランジスタT1pは、Hレベルの駆動信号D1pに応答してオフし、トランジスタT2pは、Hレベルの駆動信号D2pに応答してオンする。オンしたトランジスタT2pは、ノードN2pを配線PL2に接続する。したがって、送信バッファ25は、外部端子E1pを低電位電圧VSSレベル(Lレベル)に駆動する。
【0031】
また、制御回路21は、”1”送信時に、Hレベルの送信データTD、Hレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TREN、Hレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。駆動回路25aは、Hレベルの送信データTDに基づいて、Lレベルの駆動信号D1p,D2pを生成する。トランジスタT1pは、Lレベルの駆動信号D1pに応答してオンし、トランジスタT2pは、Lレベルの駆動信号D2pに応答してオフする。オンしたトランジスタT1pは、ノードN2pを配線PL1に接続する。したがって、送信バッファ25は、外部端子E1pを高電位電圧VDDレベル(Hレベル)に駆動する。
【0032】
また、制御回路21は、受信時に、Lレベルの送信イネーブル信号TXEN、Hレベルの終端イネーブル信号TREN、Lレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。駆動回路25aは、Hレベルの終端イネーブル信号TRENに基づいて、Lレベルの駆動信号D1pとHレベルの駆動信号D2pを生成する。トランジスタT1pは、Lレベルの駆動信号D1pに応答してオンする。トランジスタT2pは、Hレベルの駆動信号D2pに応答してオンする。このとき、スイッチSW1p,SW2pは、Lレベルのスイッチ制御信号SWENに基づいてオフする。駆動回路25aは、ノードN2pを、配線PL1と配線PL2とに接続する。
【0033】
また、制御回路21は、非通信時に、Lレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TREN、Lレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。駆動回路25aは、Lレベルの送信イネーブル信号TXENとLレベルの終端イネーブル信号TRENに基づいて、Hレベルの駆動信号D1pとLレベルの駆動信号D2pを生成する。トランジスタT1pは、Hレベルの駆動信号D1pに応答してオフし、トランジスタT2pは、Lレベルの駆動信号D2pに応答してオフする。
【0034】
図3(a)に示す駆動回路26aは、駆動回路25aと同様である。図3(b)において、括弧内に駆動回路26aにかかる符号を示す。駆動回路26aは、反転データTDx,送信イネーブル信号TXEN,終端イネーブル信号TRENに基づいて、駆動信号D1n,D2nを生成する。
【0035】
(比較例)
次に、比較例の通信システムを説明する。
なお、比較例の説明において、上記実施形態と同様の部材については同じ符号を用いることがある。
【0036】
図12(a)に示すように、この通信システムの2つの電子装置101,102は、伝送路103を介して互いに通信可能に接続されている。電子装置101の外部端子E1p,E1nは、伝送路103を介して電子装置102の外部端子E2p,E2nに接続されている。
【0037】
電子装置101は、送受信回路110を有している。電子装置102は電子装置101と同様の送受信回路を有している。なお、電子装置102について、電子装置101の送受信回路と同じ符号を付す。そして、電子装置101の送受信回路110について説明する。
【0038】
送受信回路110は、送信回路111と受信回路112を有している。送信回路111は2つの送信バッファ113,114を含む。送信バッファ113,114の出力端子はそれぞれ終端抵抗R1p,R1nを介して外部端子E1p,E1nに接続されている。外部端子E1p,E1nは受信回路112の入力端子に接続され、受信回路112は外部端子E1p,E1nのレベルに応じた受信データRDを出力する。
【0039】
外部端子E1pと終端抵抗R1pとの間の配線L1と、外部端子E1nと終端抵抗R1nとの間の配線L2の間には終端回路115が接続されている。
図12(b)に示すように、終端回路115は、終端抵抗R2p,R2n、スイッチSWC1,SWC2、コンデンサCcを含む。終端抵抗R2p,スイッチSWC1,SWC2、終端抵抗R2nは、この順番で、配線L1と配線L2の間に直列に接続されている。スイッチSWC1,SWC2がオンされると、終端抵抗R2p,R2nは、配線L1と配線L2との間、つまり、図12(a)に示す外部端子E1p,E2n間を終端する。スイッチSWC1,SWC2の間のノードNCに一端が接続され、低電位電源配線VSSに他端が接続されたコンデンサCcはセンタータップ容量であり、コモンモードノイズに対する対策として用いられている。
【0040】
図13に示すように、制御回路120は、送信データTD、送信イネーブル信号TXEN、終端イネーブル信号TRENを出力する。
送信バッファ113は、ナンド回路121、ノア回路122、インバータ回路123、トランジスタT101,T102を有している。トランジスタT101はたとえばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT102はたとえばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT101,T102は、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSの間に直列に接続され、両トランジスタT101,T102の間のノードは終端抵抗R1pに接続されている。
【0041】
ナンド回路121は、制御回路120から出力される送信データTDと送信イネーブル信号TXENとに基づいて、駆動信号を出力する。
インバータ回路123は、制御回路120から出力される送信イネーブル信号TXENを論理反転した信号を出力する。ノア回路122は、送信データTDとインバータ回路123の出力信号とに基づいて、駆動信号を出力する。
【0042】
高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSの間には、コンデンサC31が接続されている。コンデンサC31は、電源配線VDD,VSSにおける電圧変動を抑制する。
送信バッファ114は、ナンド回路131、ノア回路132、インバータ回路133、トランジスタT111,T112を有し、これらは上記の送信バッファ113と同様に接続されている。高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSの間に接続されたコンデンサC32は、電源配線VDD,VSSにおける電圧変動を抑制する。
【0043】
図12(b)に示すスイッチSWC1,SWC2は、図13に示すように、たとえばNチャネルMOSトランジスタである。制御回路120は、動作状態(送信時、受信時)に応じたレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。スイッチSWC1,SWC2はスイッチ制御信号SWENに基づいてオンオフする。
【0044】
図14は、”0”送信時、”1”、送信時、受信時、非通信時における送信データTD,送信イネーブル信号TXEN,終端イネーブル信号TRENの論理値と、外部端子E1p,E1nの状態を示す。
【0045】
図13に示す送信回路111において、外部端子E1p,E1nにおける端子容量は、通信速度の高速化に影響する。外部端子E1pにおける端子容量は、外部端子E1pと終端抵抗R1pの間の線路における寄生容量Cp11と、外部端子E1pと終端抵抗R2pの間の線路における寄生容量Cp12を含む。同様に、外部端子E1nにおける端子容量は、外部端子E1nと終端抵抗R1nの間の配線L2における寄生容量Cp21と、外部端子E1nと終端抵抗R2nの間の線路における寄生容量Cp22を含む。
【0046】
図15には、送信時と受信時における、端子容量、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSの間の容量(電源間容量)、センタータップ容量(Center−Tap容量)の容量値が示されている。なお、「Cptx」は、図12に示す寄生容量Cp11,Cp21の容量値、「Cptm」は寄生容量Cp12,Cp22の容量値である。また、「Cpas」はコンデンサC31,C32の容量値、「Ctap」はコンデンサCcの容量値である。
【0047】
通信速度の高速化のためには端子容量の削減が必要である。信号の電圧とインピーダンスが決まっている場合、端子容量は通信速度の上限を決定する重要なパラメータである。
また、過渡的な電圧降下を抑える電源間容量の容量値、コモンモードノイズを抑えるセンタータップ容量の容量値は一般的に大きい方が良い。しかし、容量の大きなコンデンサは、送受信回路が形成された半導体装置(チップ)の面積の増加を招き、コストの上昇を招く。
【0048】
(作用)
次に、第1実施形態の送受信回路22の作用を説明する。
[送信時]
図3(a)に示す制御回路21は、Hレベル(「1」)の送信イネーブル信号TXENとLレベル([0])の終端イネーブル信号TRENを出力する。また、制御回路21は、Hレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。各スイッチSW1p,SW2p,SW1n,SW2nは、Hレベルのスイッチ制御信号SWENに基づいてオンする。
【0049】
オンしたスイッチSW1pにより配線PL1に高電位電圧VDDが印加される。また、オンしたスイッチSW2pにより配線PL2に低電位電圧VSSが印加される。そして、コンデンサC1p,C2pは、高電位電圧VDDが印加される配線(高電位電源配線VDD及び配線PL1)と、低電位電圧VSSが印加される配線(低電位電源配線VSS及び配線PL2)との間に接続される。したがって、コンデンサC1p,C2pは、送信回路23の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。
【0050】
同様に、オンしたスイッチSW1nにより配線PL1に高電位電圧VDDが印加される。また、オンしたスイッチSW2nにより配線PL2に低電位電圧VSSが印加される。そして、コンデンサC1n,C2nは、高電位電圧VDDが印加される配線(高電位電源配線VDD及び配線PL1)と、低電位電圧VSSが印加される配線(低電位電源配線VSS及び配線PL2)との間に接続される。したがって、コンデンサC1n,C2nは、送信バッファ26の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。
【0051】
そして、図3(b)に示す駆動回路25aは、送信データTDに基づいて、駆動信号D1p,D2pを生成する。たとえば、駆動回路25aは、Hレベルの送信データTDに基づいてLレベルの駆動信号D1p,D2pを生成する。トランジスタT1pは、Lレベルの駆動信号D1pに基づいてオンし、トランジスタT2pはLレベルの駆動信号D2pに基づいてオフする。したがって、送信回路23は、Hレベルの送信データTDに基づいてHレベル(高電位電圧VDDレベル)の送信信号TXpを出力する。また、送信回路23は、Lレベルの送信データTDに基づいてLレベル(低電位電圧VSSレベル)の送信信号TXpを出力する。
【0052】
同様に、駆動回路26aは、反転データTDxに基づいて、駆動信号D1n,D2nを生成する。たとえば、駆動回路26aは、Lレベルの反転データTDxに基づいてHレベルの駆動信号D1n,D2nを生成する。トランジスタT1nは、Hレベルの駆動信号D1nに基づいてオフし、トランジスタT2nはHレベルの駆動信号D2nに基づいてオンする。したがって、送信回路23は、Lレベルの反転データTDx(Hレベルの送信データTD)に基づいてLレベルの送信信号TXnを出力する。また、送信回路23は、Hレベルの反転データTDx(Lレベルの送信データTD)に基づいてHレベルの送信信号TXnを出力する。
【0053】
図3(a)に示すように、外部端子E1pは終端抵抗R1pに接続され、外部端子E1nは終端抵抗R1nに接続されている。そして、本実施形態は、外部端子E1p,E1n間の終端回路(図13参照)を含まない。したがって、外部端子E1pと終端抵抗R1pの間の配線における寄生容量Cp11は、外部端子E1pに対する端子容量となる。同様に、外部端子E1nと終端抵抗R1nとの間の配線における寄生容量Cp21は、外部端子E1nに対する端子容量なる。これらの寄生容量Cp11,Cp21の容量値を「Cptx」とする。
【0054】
コンデンサC1p,C2pは、送信バッファ25の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働き、コンデンサC1n,C2nは、送信バッファ26の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。コンデンサC1p,C2nの容量値を「Cpas」、コンデンサC2p,C1nの容量値を「Ctap」の1/2とする。
【0055】
図5に示すように、送信時における端子容量は、「Cptx」となる。したがって、本実施形態の送受信回路22(送信回路23)において、送信時における端子容量は、図13に示す送信回路111における端子容量よりも小さな値となる。このため、送信回路23における送信信号TXp,TXnの高速化を図ることが可能となる。
【0056】
そして、電源間容量の容量値は、「2×Cpas+Ctap」となる。つまり、本実施形態の送受信回路22(送信回路23)において、送信時における電源間容量は、図13に示す送信回路111における電源間容量よりも大きな値となる。したがって、送信時において、高電位電圧VDDと低電位電圧VSSの電圧変動が抑制される。
【0057】
[受信時]
図3(a)に示す制御回路21は、Lレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。各スイッチSW1p,SW2p,SW1n,SW2nは、Lレベルのスイッチ制御信号SWENに基づいてオフする。
【0058】
また、制御回路21は、Lレベル(「1」)の送信イネーブル信号TXENとHレベル([0])の終端イネーブル信号TRENを出力する。
駆動回路25aは、Hレベルの終端イネーブル信号TRENに基づいて、Lレベルの駆動信号D1pとHレベルの駆動信号D2pを生成する。トランジスタT1pは、Lレベルの駆動信号D1pに基づいてオンし、トランジスタT2pはHレベルの駆動信号D2pに基づいてオンする。オンしたトランジスタT1pは、配線PL1を終端抵抗R1pの第1端子に接続する。これにより、コンデンサC1pは、低電位電源配線VSSと終端抵抗R1pの間に接続される。同様に、オンしたトランジスタT2pは、配線PL2を終端抵抗R1pの第1端子に接続する。これにより、コンデンサC2pは、高電位電源配線VDDと終端抵抗R1pの間に接続される。
【0059】
同様に、駆動回路26aは、Hレベルの終端イネーブル信号TRENに基づいて、Lレベルの駆動信号D1nとHレベルの駆動信号D2nを生成する。トランジスタT1nは、Lレベルの駆動信号D1nに基づいてオンし、トランジスタT2nはHレベルの駆動信号D2nに基づいてオンする。オンしたトランジスタT1nは、配線PL1を終端抵抗R1nの第1端子に接続する。これにより、コンデンサC1nは、低電位電源配線VSSと終端抵抗R1nの間に接続される。同様に、オンしたトランジスタT2nは、配線PL2を終端抵抗R1nの第1端子に接続する。これにより、コンデンサC2nは、高電位電源配線VDDと終端抵抗R1nの間に接続される。
【0060】
図4は、受信時における送受信回路22の等価回路である。なお、図4では、図3(a)に示す受信回路24,駆動回路25a,26aを省略している。また、トランジスタT1p,T2p,T1n,T2nをオン状態のスイッチとして示している。
【0061】
図4において、外部端子E1pは、終端抵抗R1p、トランジスタT1p,T2p(T1n,T2n)、終端抵抗R1nを介して外部端子E1nに接続される。したがって、外部端子E1pと外部端子E1nは、終端抵抗R1p,R1nにより短絡される。
【0062】
そして、トランジスタT1pとトランジスタT2pとが接続されたノードは図3(a)に示す配線PL1であり、この配線PL1にはコンデンサC1p,C1nの第1端子が接続され、コンデンサC1p,C1nの第2端子は低電位電源配線VSSに接続されている。したがって、コンデンサC1p,C1nは、外部端子E1pと外部端子E1nの中間のノードと低電位電源配線VSSとの間に接続されたセンタータップ容量(Center−Tap容量)として働く。
【0063】
また、トランジスタT1nとトランジスタT2nとが接続されたノードは図3(a)に示す配線PL2であり、この配線PL2にはコンデンサC2p,C2nの第2端子が接続され、コンデンサC2p,C2nの第1端子は高電位電源配線VDDに接続されている。したがって、コンデンサC2p,C2nは、外部端子E1pと外部端子E1nの中間のノードと高電位電源配線VDDとの間に接続されたセンタータップ容量(Center−Tap容量)として働く。
【0064】
図5に示すように、受信時における端子容量は、「Cptx」となる。したがって、本実施形態の送受信回路22において、受信時における端子容量は、図12(a)に示す送受信回路110における端子容量よりも小さな値となる。
【0065】
そして、センタータップ容量(Center−Tap容量)の容量値は、「2×Cpas+Ctap」となる。つまり、本実施形態の送受信回路22において、受信時におけるセンタータップ容量(Center−Tap容量)は、図13に示すセンタータップ容量(コンデンサC2)よりも大きな値となる。したがって、本実施形態の送受信回路22は、比較例よりも受信時におけるコモンモードノイズが抑制される。
【0066】
[非通信時]
図3(a)に示す制御回路21は、Lレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。各スイッチSW1p,SW2p,SW1n,SW2nは、Lレベルのスイッチ制御信号SWENに基づいてオフする。
【0067】
また、制御回路21は、Lレベル(「1」)の送信イネーブル信号TXENとLレベル([0])の終端イネーブル信号TRENを出力する。このとき、駆動回路25aは、Hレベルの駆動信号D1pとLレベルの駆動信号D2pを生成する。トランジスタT1pは、Hレベルの駆動信号D1pに基づいてオフする。トランジスタT2pはLレベルの駆動信号D2pに基づいてオフする。同様に、駆動回路26aは、Hレベルの駆動信号D1nとLレベルの駆動信号D2nを生成する。トランジスタT1nは、Hレベルの駆動信号D1nに基づいてオフする。トランジスタT2nはLレベルの駆動信号D2nに基づいてオフする。したがって、外部端子E1pと外部端子E1nの間はオープン状態となる。
【0068】
図6は、制御回路21による送信イネーブル信号TXEN,終端イネーブル信号TREN,スイッチ制御信号SWENの変化を示す。
制御回路21は、送受信回路22の状態を、「受信時」から「非通信時」とした後、「送信時」とする。つまり、図6に示すように、終端イネーブル信号TRENをHレベルからLレベルへと立ち下げた後、スイッチ制御信号SWENをLレベルからHレベルへと立ち上げる。また、制御回路21は、送受信回路22の状態を、「送信時」から「非通信時」とした後、「受信時」とする。つまり、図6に示すように、スイッチ制御信号SWENをHレベルからLレベルへと立ち下げた後、終端イネーブル信号TRENをLレベルからHレベルへと立ち上げる。図6において、期間k1,k2が「非通信時」である。したがって、制御回路21は、送信バッファ25,26のトランジスタT1p,T2p,T1n,T2nをオフした状態で、スイッチSW1p,SW2p,SW1n,SW2nをオンオフする。これにより、制御回路21は、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSの間の貫通電流を防止する。
【0069】
そして、Lレベルの終端イネーブル信号TRENを出力する期間において、送信イネーブル信号TXENをHレベルとする。このHレベルの送信イネーブル信号TXENに基づいて、送信データTDが有効なデータ(Valid Data)となり、送信データTD(反転データTDx)に応じた送信信号TXp,TXnが出力される。なお、送信イネーブル信号TXENのタイミングは、スイッチ制御信号SWENのタイミングと同時としてもよい。いいかえれば、送信イネーブル信号TXENに基づいてスイッチ制御信号SWENを生成するようにしてもよい。また、送信イネーブル信号TXENをスイッチ制御信号SWENとして各スイッチSW1p,SW2p,SW1n,SW2nに印加してもよい。
【0070】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1−1)送受信回路22の送信バッファ25,26の出力ノードN2p,N2nは、終端抵抗R1p,R1nを介して外部端子E1p,E1nに接続されている。
【0071】
送信バッファ25は、出力ノードN2pと配線PL1に接続されたトランジスタT1pと、出力ノードN2pと配線PL2に接続されたトランジスタT2pを有している。配線PL1はスイッチSW1pを介して高電位電圧VDDが供給される電源配線VDDに接続され、配線PL2はスイッチSW2pを介して低電位電圧VSSが供給される電源配線VSSに接続されている。配線PL1と低電位電源配線VSSの間にコンデンサC1pが接続されている。
【0072】
送信バッファ26は、出力ノードN2nと配線PL1に接続されたトランジスタT1nと、出力ノードN2nと配線PL2に接続されたトランジスタT2nを有している。配線PL1はスイッチSW1nを介して高電位電圧VDDが供給される電源配線VDDに接続され、配線PL2はスイッチSW2nを介して低電位電圧VSSが供給される電源配線VSSに接続されている。配線PL1と低電位電源配線VSSの間にコンデンサC1nが接続されている。
【0073】
受信時に、スイッチSW1p,SW2p,SW1n,SW2nがオフされ、配線PL1,PL2が高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSから切り離される。そして、トランジスタT1p,T2p,T1n,T2nがオンされる。これにより、外部端子E1pは、終端抵抗R1p,R1nを介して外部端子E1nに接続される。両終端抵抗R1p,R1nの間のノードとなる配線PL1にはコンデンサC1p,C1nの一端が接続され、コンデンサC1p,C1nの他端は低電位電源配線VSSに接続されている。したがって、コンデンサC1p,C1nは、外部端子E1p,E1nの中間のノードに接続されたセンタータップ容量(Center−Tap容量)として働く。
【0074】
本実施形態の送受信回路22は、受信回路24に対応する終端回路が設けられていない。このため、受信時における端子容量は、終端回路が設けられた送受信回路110における端子容量よりも小さな値となる。このため、送信回路23における送信信号TXp,TXnの高速化を図ることが可能となる。
【0075】
(1−2)センタータップ容量(Center−Tap容量)の容量値は、「2×Cpas+Ctap」となる。つまり、本実施形態の送受信回路22において、受信時におけるセンタータップ容量(Center−Tap容量)は、図13に示すセンタータップ容量(コンデンサC2)よりも大きな値となる。したがって、本実施形態の送受信回路22は、比較例よりも受信時におけるコモンモードノイズを抑制することができる。
【0076】
(1−3)配線PL1と低電位電源配線VSSの間にコンデンサC1pが接続され、配線PL2と高電位電源配線VDDの間にコンデンサC2pが接続されている。これらコンデンサC1p,C2pは、スイッチSW1p,SW2pがオンされ、電源間容量として働く。同様に、配線PL1と低電位電源配線VSSの間にコンデンサC1nが接続され、配線PL2と高電位電源配線VDDの間にコンデンサC2nが接続されている。これらコンデンサC1n,C2nは、スイッチSW1n,SW2nがオンされ、電源間容量として働く。
【0077】
コンデンサC1p,C2pは、送信バッファ25の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働き、コンデンサC1n,C2nは、送信バッファ26の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。コンデンサC1p,C2nの容量値を「Cpas」、コンデンサC2p,C1nの容量値を「Ctap」の1/2とする。電源間容量の容量値は、「2×Cpas+Ctap」となる。つまり、本実施形態の送受信回路22(送信回路23)において、送信時における電源間容量は、図13に示す送信回路111における電源間容量よりも大きな値となる。したがって、送信時において、高電位電圧VDDと低電位電圧VSSの電圧変動を抑制することができる。
【0078】
(1−4)本実施形態の送受信回路22は、受信回路24に対応する終端回路が設けられていない。このため、容量値の増加に対して、コンデンサC1p,C2p,C1n,C2nを形成するために必要な面積の増加が少ない。したがって、送受信回路22を含む半導体装置のチップ面積の増加を抑制することができる。
【0079】
(第2実施形態)
以下、送受信回路の第2実施形態を説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明の全てまたは一部を省略することがある。
【0080】
図7に示すように、送受信回路50は、送信回路51、受信回路24を有している。
送信回路51は、2つの送信回路52,53、インバータ回路54、オア回路55,56を含む。
【0081】
送信回路52は、複数(本実施形態では2つ)の送信バッファ61,62を有している。送信バッファ61は第1送信回路の一例、送信バッファ62は第2送信回路の一例である。また、送信回路53は、複数(本実施形態では2つ)の送信バッファ71,72を有している。送信バッファ71は第3送信回路の一例、送信バッファ72は第4送信回路の一例である。
【0082】
制御回路21aは、送信データTD、送信イネーブル信号TXEN、終端イネーブル信号TREN、スイッチ制御信号SWENを出力する。また、制御回路21aは、送信回路52の送信バッファ61,62と、送信回路53の送信バッファ71,72に応じた選択信号SEL1,SEL2を出力する。
【0083】
オア回路55(第1オア回路)は、スイッチ制御信号SWENと選択信号SEL1とに基づいて、スイッチ制御信号SE1を出力する。スイッチ制御信号SE1は送信バッファ61,71に供給される。
【0084】
オア回路56(第2オア回路)は、スイッチ制御信号SWENと選択信号SEL2とに基づいて、スイッチ制御信号SE2を出力する。スイッチ制御信号SE2は送信バッファ62,72に供給される。
【0085】
送信バッファ61は、終端抵抗R1pの第1端子に接続されたトランジスタT11p,T12pと、トランジスタT11p,T12pに対する駆動信号D11p,D12pを生成する駆動回路61aとを有している。駆動回路61aは第1駆動回路の一例である。
【0086】
駆動回路61aは、高電位電圧VDDが印加される配線(高電位電源配線VDD)と、低電位電圧VSSが印加される配線(低電位電源配線VSS)に接続されている。駆動回路61aは、高電位電圧VDDと低電位電圧VSSに基づいて動作する。駆動回路61aは、送信データTD、送信イネーブル信号TXEN、終端イネーブル信号TREN、選択信号SEL1に基づいて、トランジスタT11pに対する駆動信号D11pと、トランジスタT12pに対する駆動信号D12pを生成する。
【0087】
トランジスタT11pはたとえばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT12pはたとえばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT11pのソース端子は配線PL1aに接続され、トランジスタT11pのドレイン端子はトランジスタT12pのドレイン端子に接続され、トランジスタT12pのソース端子は配線PL2aに接続されている。なお、図示しないが、トランジスタT11pのバックゲート端子は高電位電源配線VDDに接続、トランジスタT12pのバックゲート端子は低電位電源配線VSSに接続されている。トランジスタT11pのドレイン端子とトランジスタT12pのドレイン端子とが接続されたノードN22pは送信バッファ61の出力端子であり、終端抵抗R1pの第1端子に接続されている。配線PL1aは第1配線の一例、配線PL2aは第2配線の一例である。
【0088】
配線PL1aは、スイッチSW11pの第1端子に接続され、スイッチSW11pの第2端子は高電位電源配線VDDに接続されている。配線PL2aは、スイッチSW12pの第1端子に接続され、スイッチSW12pの第2端子は低電位電源配線VSSに接続されている。スイッチSW11p,SW2pは、スイッチ制御信号SE1に基づいてオンオフする。たとえば、スイッチSW11p,SW2pは、Hレベルのスイッチ制御信号SE1に応答してオンし、Lレベルのスイッチ制御信号SE1に応答してオフする。
【0089】
コンデンサC11pの第1端子は配線PL1aに接続され、コンデンサC11pの第2端子は配線VSSに接続されている。コンデンサC12pの第1端子は配線VDDに接続され、コンデンサC12pの第2端子は配線PL2aに接続されている。
【0090】
送信バッファ62は、終端抵抗R1pの第1端子に接続されたトランジスタT21p,T22pと、トランジスタT21p,T22pに対する駆動信号D21p,D22pを生成する駆動回路62aとを有している。駆動回路62aは第2駆動回路の一例である。
【0091】
駆動回路62aは、高電位電圧VDDが印加される配線(高電位電源配線VDD)と、低電位電圧VSSが印加される配線(低電位電源配線VSS)に接続されている。駆動回路62aは、高電位電圧VDDと低電位電圧VSSに基づいて動作する。駆動回路62aは、送信データTD、送信イネーブル信号TXEN、終端イネーブル信号TREN、選択信号SEL2に基づいて、トランジスタT21pに対する駆動信号D1pと、トランジスタT22pに対する駆動信号D2pを生成する。
【0092】
トランジスタT21pはたとえばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT22pはたとえばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT21pのソース端子は配線PL1bに接続され、トランジスタT21pのドレイン端子はトランジスタT22pのドレイン端子に接続され、トランジスタT22pのソース端子は配線PL2bに接続されている。なお、図示しないが、トランジスタT21pのバックゲート端子は高電位電源配線VDDに接続、トランジスタT22pのバックゲート端子は低電位電源配線VSSに接続されている。トランジスタT21pのドレイン端子とトランジスタT22pのドレイン端子とが接続されたノードN22pは送信バッファ62の出力端子であり、終端抵抗R1pの第1端子に接続されている。配線PL1bは第3配線の一例、配線PL2bは第4配線の一例である。
【0093】
配線PL1bは、スイッチSW21pの第1端子に接続され、スイッチSW21pの第2端子は高電位電源配線VDDに接続されている。配線PL2bは、スイッチSW22pの第1端子に接続され、スイッチSW22pの第2端子は低電位電源配線VSSに接続されている。スイッチSW21p,SW2pは、スイッチ制御信号SE2に基づいてオンオフする。たとえば、スイッチSW21p,SW2pは、Hレベルのスイッチ制御信号SE2に応答してオンし、Lレベルのスイッチ制御信号SE2に応答してオフする。
【0094】
コンデンサC21pの第1端子は配線PL1bに接続され、コンデンサC21pの第2端子は配線VSSに接続されている。コンデンサC22pの第1端子は配線VDDに接続され、コンデンサC22pの第2端子は配線PL2bに接続されている。
【0095】
送信バッファ71は、終端抵抗R1nの第1端子に接続されたトランジスタT11n,T12nと、トランジスタT11n,T12nに対する駆動信号D11n,D12nを生成する駆動回路71aとを有している。駆動回路71aは第1駆動回路の一例である。
【0096】
駆動回路71aは、高電位電圧VDDが印加される配線(高電位電源配線VDD)と、低電位電圧VSSが印加される配線(低電位電源配線VSS)に接続されている。駆動回路71aは、高電位電圧VDDと低電位電圧VSSに基づいて動作する。駆動回路71aは、反転データTDx、送信イネーブル信号TXEN、終端イネーブル信号TREN、選択信号SEL1に基づいて、トランジスタT11nに対する駆動信号D11nと、トランジスタT12nに対する駆動信号D12nを生成する。
【0097】
トランジスタT11nはたとえばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT12nはたとえばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT11nのソース端子は配線PL1aに接続され、トランジスタT11nのドレイン端子はトランジスタT12nのドレイン端子に接続され、トランジスタT12nのソース端子は配線PL2aに接続されている。なお、図示しないが、トランジスタT11nのバックゲート端子は高電位電源配線VDDに接続、トランジスタT12nのバックゲート端子は低電位電源配線VSSに接続されている。トランジスタT11nのドレイン端子とトランジスタT12nのドレイン端子とが接続されたノードN22nは送信バッファ71の出力端子であり、終端抵抗R1nの第1端子に接続されている。
【0098】
配線PL1aは、スイッチSW11nの第1端子に接続され、スイッチSW11nの第2端子は高電位電源配線VDDに接続されている。配線PL2aは、スイッチSW12nの第1端子に接続され、スイッチSW12nの第2端子は低電位電源配線VSSに接続されている。スイッチSW11n,SW2nは、スイッチ制御信号SE1に基づいてオンオフする。たとえば、スイッチSW11n,SW2nは、Hレベルのスイッチ制御信号SE1に応答してオンし、Lレベルのスイッチ制御信号SE1に応答してオフする。
【0099】
コンデンサC11nの第1端子は配線PL1aに接続され、コンデンサC11nの第2端子は配線VSSに接続されている。コンデンサC12nの第1端子は配線VDDに接続され、コンデンサC12nの第2端子は配線PL2aに接続されている。
【0100】
送信バッファ72は、終端抵抗R1nの第1端子に接続されたトランジスタT21n,T22nと、トランジスタT21n,T22nに対する駆動信号D21n,D22nを生成する駆動回路72aとを有している。駆動回路72aは第2駆動回路の一例である。
【0101】
駆動回路72aは、高電位電圧VDDが印加される配線(高電位電源配線VDD)と、低電位電圧VSSが印加される配線(低電位電源配線VSS)に接続されている。駆動回路72aは、高電位電圧VDDと低電位電圧VSSに基づいて動作する。駆動回路72aは、反転データTDx、送信イネーブル信号TXEN、終端イネーブル信号TREN、選択信号SEL2に基づいて、トランジスタT21nに対する駆動信号D1nと、トランジスタT22nに対する駆動信号D2nを生成する。
【0102】
トランジスタT21nはたとえばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT22nはたとえばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT21nのソース端子は配線PL1bに接続され、トランジスタT21nのドレイン端子はトランジスタT22nのドレイン端子に接続され、トランジスタT22nのソース端子は配線PL2bに接続されている。なお、図示しないが、トランジスタT21nのバックゲート端子は高電位電源配線VDDに接続、トランジスタT22nのバックゲート端子は低電位電源配線VSSに接続されている。トランジスタT21nのドレイン端子とトランジスタT22nのドレイン端子とが接続されたノードN22nは送信バッファ72の出力端子であり、終端抵抗R1nの第1端子に接続されている。
【0103】
配線PL1bは、スイッチSW21nの第1端子に接続され、スイッチSW21nの第2端子は高電位電源配線VDDに接続されている。配線PL2bは、スイッチSW22nの第1端子に接続され、スイッチSW22nの第2端子は低電位電源配線VSSに接続されている。スイッチSW21n,SW2nは、スイッチ制御信号SE2に基づいてオンオフする。たとえば、スイッチSW21n,SW2nは、Hレベルのスイッチ制御信号SE2に応答してオンし、Lレベルのスイッチ制御信号SE2に応答してオフする。
【0104】
コンデンサC21nの第1端子は配線PL1bに接続され、コンデンサC21nの第2端子は配線VSSに接続されている。コンデンサC22nの第1端子は配線VDDに接続され、コンデンサC22nの第2端子は配線PL2bに接続されている。
【0105】
図8に示すように、駆動回路61aは、アンド回路81,82、オア回路83,84、ナンド回路85、ノア回路86、インバータ回路87,88,89を有している。
終端イネーブル信号TRENは、インバータ回路87に供給される。インバータ回路87の出力端子はオア回路84の入力端子に接続されている。そのオア回路84の入力端子には選択信号SEL1が供給される。オア回路84の出力端子はアンド回路81の入力端子に接続されている。
【0106】
送信データTDは、ナンド回路85に供給される。そのナンド回路85の入力端子には送信イネーブル信号TXENが供給される。ナンド回路85の出力端子はアンド回路81の入力端子に接続され、アンド回路81は、駆動信号D11pを出力する。
【0107】
送信イネーブル信号TXENは、インバータ回路88に供給される。インバータ回路88の出力端子はノア回路86の入力端子に接続されている。そのノア回路86の入力端子には送信データTDが供給される。ノア回路86の出力端子はオア回路83の入力端子に接続されている。
【0108】
選択信号SEL1は、インバータ回路89に供給される。インバータ回路89の出力端子はアンド回路82の入力端子に接続されている。そのアンド回路82の入力端子には終端イネーブル信号TRENが供給される。アンド回路82の出力端子はオア回路83に接続されている。オア回路83は、駆動信号D12pを出力する。
【0109】
図7に示す駆動回路62a,71a,72aは、図8に示す駆動回路61aと同様の部材を含む。このため、駆動回路62a,71a,72aの回路例を示す図面及び説明を省略する。
【0110】
(作用)
次に、第2実施形態の送受信回路50の作用を説明する。
図9は、第2実施形態の送受信回路50における信号の論理値を示す。
【0111】
[送信時]
図7に示す制御回路21aは、たとえば、Lレベルの選択信号SEL1とHレベルの選択信号SEL2を出力する。そして、制御回路21aは、たとえば、”0”送信時に、Lレベルの送信データTD、Hレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TREN、Hレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。
【0112】
オア回路55は、Hレベルのスイッチ制御信号SWENとLレベルの選択信号SEL1に基づいて、Hレベルのスイッチ制御信号SE1を出力する。
送信バッファ61のスイッチSW11p,SW12pは、Hレベルのスイッチ制御信号SE1に応答してオンする。同様に、送信バッファ71のスイッチSW11n,SW12nは、Hレベルのスイッチ制御信号SE1に応答してオンする。これにより、配線PL1aに高電位電圧VDDが供給され、配線PL2aに低電位電圧VSSが供給される。
【0113】
そして、コンデンサC11p,C12pは、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSとの間にそれぞれ接続される。したがって、コンデンサC11p,C12pは、送信バッファ61の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。同様に、コンデンサC11n,C12nは、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSとの間にそれぞれ接続される。したがって、コンデンサC11n,C12nは、送信バッファ71の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。
【0114】
オア回路56は、Hレベルのスイッチ制御信号SWENとHレベルの選択信号SEL2に基づいて、Hレベルのスイッチ制御信号SE2を出力する。
送信バッファ62のスイッチSW21p,SW22pは、Hレベルのスイッチ制御信号SE2に応答してオンする。同様に、送信バッファ72のスイッチSW21n,SW22nは、Hレベルのスイッチ制御信号SE2に応答してオンする。これにより、配線PL1bに高電位電圧VDDが供給され、配線PL2bに低電位電圧VSSが供給される。
【0115】
そして、コンデンサC21p,C22pは、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSとの間にそれぞれ接続される。したがって、コンデンサC21p,C22pは、送信バッファ62の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。同様に、コンデンサC21n,C22nは、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSとの間にそれぞれ接続される。したがって、コンデンサC21n,C22nは、送信バッファ72の電源端子間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。
【0116】
送信バッファ61の駆動回路61aは、Hレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TREN、Lレベルの選択信号SEL1に基づいて、送信データTDに応じたレベルの駆動信号D11p,D12pを生成する。たとえば、駆動回路61aは、Lレベルの送信データTDに基づいて、Hレベルの駆動信号D11p,D12pを生成する。トランジスタT11pは、Hレベルの駆動信号D11pに応答してオフし、トランジスタT12pは、Hレベルの駆動信号D12pに応答してオンする。オンしたトランジスタT12pは、ノードN21pを配線PL2aに接続する。
【0117】
送信バッファ62の駆動回路62aは、Hレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TREN、Hレベルの選択信号SEL2に基づいて、送信データTDに応じたレベルの駆動信号D21p,D22pを生成する。たとえば、駆動回路62aは、Lレベルの送信データTDに基づいて、Hレベルの駆動信号D21p,D22pを生成する。トランジスタT21pは、Hレベルの駆動信号D21pに応答してオフし、トランジスタT22pは、Hレベルの駆動信号D22pに応答してオンする。オンしたトランジスタT22pは、ノードN22pを配線PL2bに接続する。
【0118】
したがって、送信回路52は、外部端子E1pを低電位電圧VSSレベル(Lレベル)に駆動する。つまり、送信回路52は、Lレベルの送信データTDに基づいてLレベル(低電位電圧VSSレベル)の送信信号TXpを出力する。
【0119】
送信バッファ71の駆動回路71aは、Hレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TREN、Lレベルの選択信号SEL1に基づいて、反転データTDxに応じたレベルの駆動信号D11n,D12nを生成する。たとえば、駆動回路61aは、Hレベルの反転データTDxに基づいて、Lレベルの駆動信号D21n,D22nを生成する。トランジスタT21nは、Lレベルの駆動信号D21nに応答してオンし、トランジスタT22nは、Lレベルの駆動信号D22nに応答してオフする。オンしたトランジスタT21nは、ノードN21nを配線PL1aに接続する。
【0120】
送信バッファ72の駆動回路72aは、Hレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TREN、Hレベルの選択信号SEL2に基づいて、反転データTDxに応じたレベルの駆動信号D21n,D22nを生成する。たとえば、駆動回路62aは、Hレベルの反転データTDxに基づいて、Lレベルの駆動信号D21n,D22nを生成する。トランジスタT21nは、Lレベルの駆動信号D21nに応答してオンし、トランジスタT22nは、Lレベルの駆動信号D22nに応答してオフする。オンしたトランジスタT21nは、ノードN22nを配線PL1bに接続する。
【0121】
したがって、送信回路53は、外部端子E1nを高電位電圧VDDレベル(Hレベル)に駆動する。つまり、送信回路53は、Hレベルの反転データTDx(Lレベルの送信データTD)に基づいてHレベル(高電位電圧VDDレベル)の送信信号TXnを出力する。
【0122】
送信バッファ61において、ノードN21pは終端抵抗R1pの第1端子に接続されている。送信バッファ61のトランジスタT11pは、ノードN21pと配線PL1aの間に接続されている。その配線PL1aは、スイッチSW11pを介して高電位電源配線VDDに接続されている。同様に、送信バッファ62において、ノードN22pは終端抵抗R1pの第1端子に接続されている。送信バッファ62のトランジスタT21pは、ノードN22pと配線PL1bの間に接続されている。その配線PL1bは、スイッチSW21pを介して高電位電源配線VDDに接続されている。
【0123】
したがって、送信バッファ61のトランジスタT11pと、送信バッファ62のトランジスタT21pは、高電位電源配線VDDと終端抵抗R1pの間に、互いに並列に接続される。このように、トランジスタT11p,T21pを並列に接続することにより、高電位電源配線VDDと終端抵抗R1pの間の抵抗値(トランジスタのオン抵抗値)を、1つのトランジスタを用いる場合と比べて小さくする。
【0124】
送信バッファ61のトランジスタT12pと送信バッファ62のトランジスタT22pも同様に、終端抵抗R1pと低電位電源配線VSSとの間の抵抗値を小さくする。送信バッファ71,72についても同様である。
【0125】
また、制御回路21aは、”1”送信時に、Hレベルの送信データTD、Hレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TRENを出力する。
駆動回路61aは、Hレベルの送信データTDに基づいて、Lレベルの駆動信号D11p,D12pを生成する。トランジスタT11pは、Lレベルの駆動信号D11pに応答してオンし、トランジスタT12pは、Lレベルの駆動信号D12pに応答してオフする。同様に、駆動回路62aは、Hレベルの送信データTDに基づいて、Lレベルの駆動信号D21p,D22pを生成する。トランジスタT21pは、Lレベルの駆動信号D21pに応答してオンし、トランジスタT22pは、Lレベルの駆動信号D22pに応答してオフする。したがって、送信回路52は、Hレベルの送信データTDに基づいてHレベル(高電位電圧VDDレベル)の送信信号TXpを出力する。
【0126】
駆動回路71aは、Lレベルの反転データTDxに基づいて、Hレベルの駆動信号D11n,D12nを生成する。トランジスタT11nは、Hレベルの駆動信号D11nに応答してオフし、トランジスタT12nは、Hレベルの駆動信号D12nに応答してオンする。同様に、駆動回路72aは、Lレベルの反転データTDxに基づいて、Hレベルの駆動信号D21n,D22nを生成する。トランジスタT21nは、Hレベルの駆動信号D21nに応答してオフし、トランジスタT22nは、Hレベルの駆動信号D22nに応答してオンする。したがって、送信回路53は、Lレベルの反転データTDx(Hレベルの送信データTD)に基づいてLレベル(低電位電圧VSSVDDレベル)の送信信号TXnを出力する。
【0127】
[受信時]
図7に示す制御回路21aは、Lレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。
オア回路55は、Lレベルのスイッチ制御信号SWENとLレベルの選択信号SEL1に基づいて、Lレベルのスイッチ制御信号SE1を出力する。送信バッファ61のスイッチSW11p,SW12pは、Lレベルのスイッチ制御信号SE1に応答してオフする。同様に、送信バッファ71のスイッチSW11n,SW12nは、Lレベルのスイッチ制御信号SE1に応答してオフする。
【0128】
オア回路56は、Lレベルのスイッチ制御信号SWENとHレベルの選択信号SEL2に基づいて、Hレベルのスイッチ制御信号SE2を出力する。送信バッファ62のスイッチSW21p,SW22pは、Hレベルのスイッチ制御信号SE2に応答してオンする。同様に、送信バッファ72のスイッチSW21n,SW22nは、Hレベルのスイッチ制御信号SE2に応答してオンする。
【0129】
また、制御回路21aは、Lレベルの送信イネーブル信号TXEN、Hレベルの終端イネーブル信号TREN、Lレベルの選択信号SEL1、Hレベルの選択信号SEL2を出力する。
【0130】
駆動回路61aは、Hレベルの終端イネーブル信号TREN、Lレベルの選択信号SEL1に基づいて、Lレベルの駆動信号D11pとHレベルの駆動信号D12pを生成する。トランジスタT1pは、Lレベルの駆動信号D1pに応答してオンする。トランジスタT2pは、Hレベルの駆動信号D2pに応答してオンする。同様に、駆動回路71aは、Hレベルの終端イネーブル信号TREN、Lレベルの選択信号SEL1に基づいて、Lレベルの駆動信号D11nとHレベルの駆動信号D12nを生成する。トランジスタT11nは、Lレベルの駆動信号D11nに基づいてオンし、トランジスタT12nはHレベルの駆動信号D12nに基づいてオンする。
【0131】
駆動回路62aは、Hレベルの終端イネーブル信号TREN、Hレベルの選択信号SEL2に基づいて、Hレベルの駆動信号D21pとLレベルの駆動信号D22pを生成する。トランジスタT21pは、Hレベルの駆動信号D21pに基づいてオフし、トランジスタT22pはHレベルの駆動信号D22pに基づいてオフする。同様に、駆動回路72aは、Hレベルの終端イネーブル信号TREN、Hレベルの選択信号SEL2に基づいて、Hレベルの駆動信号D21nとLレベルの駆動信号D22nを生成する。トランジスタT21nは、Hレベルの駆動信号D21nに基づいてオフし、トランジスタT22nはLレベルの駆動信号D22nに基づいてオフする。
【0132】
図10は、受信時における送受信回路22の等価回路である。なお、図10では、図7に示す受信回路24,駆動回路61a,62a,71a,72aを省略している。また、トランジスタT11p,T12p,T11n,T12nをオン状態のスイッチとして示し、トランジスタT21p,T22p,T21n,T22nをオフ状態のスイッチとして示している。
【0133】
図10において、外部端子E1pは、終端抵抗R1p、トランジスタT11p,T12p(T11n,T12n)、終端抵抗R1nを介して外部端子E1nに接続される。したがって、外部端子E1pと外部端子E1nは、終端抵抗R1p,R1nにより短絡される。
【0134】
そして、トランジスタT11pとトランジスタT12pとが接続されたノードは図7に示す配線PL1aであり、この配線PL1aにはコンデンサC11p,C11nの第1端子が接続され、コンデンサC11p,C11nの第2端子は低電位電源配線VSSに接続されている。したがって、コンデンサC11p,C11nは、外部端子E1pと外部端子E1nの中間のノードと低電位電源配線VSSとの間に接続されたセンタータップ容量(Center−Tap容量)として働く。
【0135】
また、トランジスタT11nとトランジスタT12nとが接続されたノードは図7に示す配線PL2aであり、この配線PL2aにはコンデンサC12p,C12nの第2端子が接続され、コンデンサC12p,C12nの第1端子は高電位電源配線VDDに接続されている。したがって、コンデンサC12p,C12nは、外部端子E1pと外部端子E1nの中間のノードと高電位電源配線VDDとの間に接続されたセンタータップ容量(Center−Tap容量)として働く。
【0136】
一方、トランジスタT21pとトランジスタT22pとが接続されたノードは図7に示す配線PL1bであり、この配線PL1bにはコンデンサC21p,C21nの第1端子が接続され、コンデンサC21p,C21nの第2端子は低電位電源配線VSSに接続されている。そして、配線PL1bは、オンしたスイッチSW21p.SW21nにより高電位電源配線VDDに接続されている。したがって、コンデンサC21p,C21nは、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSとの間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。
【0137】
また、トランジスタT21nとトランジスタT22nとが接続されたノードは図7に示す配線PL2bであり、この配線PL2bにはコンデンサC22p,C22nの第2端子が接続され、コンデンサC22p,C22nの第1端子は高電位電源配線VDDに接続されている。そして、配線PL2bは、オンしたスイッチSW22p.SW22nにより低電位電源配線VSSに接続されている。したがって、コンデンサC22p,C22nは、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSとの間に接続されたバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。
【0138】
[非通信時]
図7に示す制御回路21aは、Lレベルの送信イネーブル信号TXEN、Lレベルの終端イネーブル信号TREN、Lレベルのスイッチ制御信号SWENを出力する。駆動回路61aは、Lレベルの送信イネーブル信号TXENとLレベルの終端イネーブル信号TRENに基づいて、Hレベルの駆動信号D11pとLレベルの駆動信号D12pを生成する。トランジスタT11pは、Hレベルの駆動信号D11pに応答してオフし、トランジスタT12pは、Lレベルの駆動信号D12pに応答してオフする。同様に、駆動回路62aは、Lレベルの送信イネーブル信号TXENとLレベルの終端イネーブル信号TRENに基づいて、Hレベルの駆動信号D21pとLレベルの駆動信号D22pを生成する。トランジスタT21pは、Hレベルの駆動信号D21pに応答してオフし、トランジスタT22pは、Lレベルの駆動信号D22pに応答してオフする。同様に、駆動回路71a,72aは、Lレベルの送信イネーブル信号TXENとLレベルの終端イネーブル信号TRENに基づいて、Hレベルの駆動信号D11n,D21nとLレベルの駆動信号D21n,D22nを生成する。トランジスタT11n,T21nは、Hレベルの駆動信号D11n,D21nに応答してオフし、トランジスタT12n,T22nは、Lレベルの駆動信号D12n,D22nに応答してオフする。したがって、外部端子E1pと外部端子E1nの間はオープン状態となる。
【0139】
つまり、図11(a)に示すように、[送信時]において、送受信回路50は、受信回路24、送信回路52,53を有している。さらに、送受信回路50は、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSの間に、オンしたスイッチSW41,SW42により接続されるコンデンサC41,C42を含む。スイッチSW41は、図7に示すスイッチSW11p,SW12p,SW21p,SW22pである。コンデンサC41は、図7に示すコンデンサC11p,C12p,C21p,C22pである。つまり、コンデンサC41の容量値は、並列に接続されるコンデンサC11p,C12p,C21p,C22pの合計値となる。このようなコンデンサC41は、電源配線VDD,VSSにおける電圧変動を抑制する。
【0140】
同様に、スイッチSW42は、図7に示すスイッチSW11n,SW12n,SW21n,SW22nである。そして、コンデンサC42は、図7に示すコンデンサC11n,C12n,C21n,C22nである。つまり、コンデンサC42の容量値は、並列に接続されるコンデンサC11n,C12n,C21n,C22nの合計値となる。このようなコンデンサC42は、電源配線VDD,VSSにおける電圧変動を抑制する。
【0141】
そして、図11(b)に示すように、[受信時]において、送受信回路50は、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSの間に、オンしたスイッチSW51,SW52により接続されるコンデンサC51,C52を含む。スイッチSW51は、図10に示すように、オンしたスイッチSW21p,SW22pである。そして、コンデンサC51は、図10に示すコンデンサC21p,C22pである。同様に、スイッチSW52は、図10に示すように、オンしたスイッチSW21n、SW22nであり、コンデンサC52は、図10に示すコンデンサC21p,C22pである。つまり、図7に示すように、送信バッファ62、72に応じたコンデンサC21p,C22p,C21n,C22nが、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSの間のバイパスコンデンサ(電源間容量)として働く。
【0142】
さらに、図11(b)に示すように、送受信回路50は、オンしたスイッチSW53により終端抵抗R1p,R1nに接続されたコンデンサC53a,C53bを含む。スイッチSW53は、[受信時]にオンしたスイッチ、つまり図10に示すトランジスタT11p,T12p,T11n,T12nである。そして、コンデンサC53aは、オンしたスイッチSW53により終端抵抗R1p,R1nに接続されるコンデンサ、つまり図10に示すコンデンサC12p,C12nである。同様に、コンデンサC53bは、オンしたスイッチSW53により終端抵抗R1p,R1nに接続されるコンデンサ、つまり図10に示すコンデンサC11p,C11nである。これらのコンデンサC11p,C11n,C12p,C12nは、センタータップ容量(Center−Tap容量)として働く。
【0143】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2−1)第1実施形態における(1−1)〜(1−4)と同様の効果を奏する。
(2−2)上記のコンデンサC21p,C22p,C21n,C22nは、スイッチ制御信号SE2に基づいてオンしたスイッチSW21p,SW22p,SW21n,SW22nにより、高電位電源配線VDDと低電位電源配線VSSの間に接続される。つまり、スイッチ制御信号SWENがLレベルのとき、Hレベルの選択信号SEL2は、コンデンサC21p,C22p,C21n,C22nを、バイパスコンデンサ(電源間容量)として作用させる。
【0144】
また、上記のコンデンサC11p,C11n,C12p,C12nは、スイッチ制御信号SE1に基づいてスイッチSW11p,SW12p,SW11n,SW12nがオフすることにより、センタータップ容量(Center−Tap容量)として働く。つまり、スイッチ制御信号SWENがLレベルのとき、Lレベルの選択信号SEL2は、コンデンサC11p,C11n,C12p,C12nを、センタータップ容量(Center−Tap容量)として作用させる。
【0145】
したがって、選択信号SEL1,SEL2は、図7に示すコンデンサを、バイパスコンデンサ(電源間容量)と、センタータップ容量(Center−Tap容量)とに、割り当てる。そして、選択信号SEL1,SEL2のレベル設定により、コンデンサの割り当てを変更することができる。
【0146】
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記第2実施形態において、たとえば、選択信号SEL1,SEL2をLレベル(論理値”0”)とすることにより、図7に示す全てのコンデンサを、[受信時]にセンタータップ容量(Center−Tap容量)として作用させることができる。
【0147】
・上記第2実施形態において、たとえば各送信回路52,53を、3つの送信回路を含む送信バッファとし、3つの選択信号のレベルを適宜設定する。これにより、コンデンサの割り当てを適宜変更することができる。
【0148】
・上記第2実施形態において、複数の送信バッファ61,71を含む送受信回路としてもよい。また、複数の送信バッファ62,72を含む送受信回路としてもよい。
また、複数の送信バッファ61,71と、複数の送信バッファ62,72を含む送受信回路としてもよい。この場合、送信バッファ61,71の数と、送信バッファ62,72の数が同じであっても、相違してもよい。
【0149】
上記各形態に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
出力ノードが第1終端抵抗を介して第1外部端子に接続された第1送信回路と、
出力ノードが第2終端抵抗を介して第2外部端子に接続された第2送信回路と、
を含み、
前記第1送信回路及び前記第2送信回路はそれぞれ、
第1電圧と第2電圧とに基づいて動作し、第1駆動信号及び第2駆動信号を生成する駆動回路と、
前記第1電圧が印加される第1電源配線と第1配線との間に接続された第1スイッチと、
前記第2電圧が印加される第2電源配線と第2配線との間に接続された第2スイッチと、
前記第2電源配線と前記第1配線との間に接続された第1コンデンサと、
前記第1配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第1駆動信号が印加される第1トランジスタと、
前記第2配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第2駆動信号が印加される第2トランジスタと、
を有すること、を特徴とする送受信回路。
(付記2)
前記駆動回路は、送信データと送信制御信号と終端制御信号に基づいて、送信時に前記送信データに応じて前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを相補的に駆動し、受信時に前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオンする、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成すること、
を特徴とする付記1に記載の送受信回路。
(付記3)
前記駆動回路は、非通信時に前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオフする、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成すること、
を特徴とする付記2に記載の送受信回路。
(付記4)
前記第1送信回路及び第2送信回路はそれぞれ、前記第1電源配線と前記第2配線との間に接続された第2コンデンサを有すること、
を特徴とする付記1〜3のいずれか一項に記載の送受信回路。
(付記5)
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、スイッチ制御信号に基づいてオンオフすること、
を特徴とする付記1〜4のいずれか一項に記載の送受信回路。
(付記6)
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、送信制御信号に基づいてオンオフすること、
を特徴とする付記1〜4のいずれか一項に記載の送受信回路。
(付記7)
出力ノードが第1終端抵抗を介して第1外部端子に接続された第1送信回路及び第2送信回路と、
出力ノードが第2終端抵抗を介して第2外部端子に接続された第3送信回路及び第4送信回路と、
を含み、
前記第1送信回路及び前記第3送信回路はそれぞれ、
第1電圧と第2電圧とに基づいて動作し、第1駆動信号及び第2駆動信号を生成する第1駆動回路と、
前記第1電圧が印加される第1電源配線と第1配線との間に接続され、第1スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第1スイッチと、
前記第2電圧が印加される第2電源配線と第2配線との間に接続され、前記第1スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第2スイッチと、
前記第2電源配線と前記第1配線との間に接続された第1コンデンサと、
前記第1配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第1駆動信号が印加される第1トランジスタと、
前記第2配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第2駆動信号が印加される第2トランジスタと、
を有し、
前記第2送信回路及び前記第4送信回路はそれぞれ、
前記第1電圧と前記第2電圧とに基づいて動作し、第3駆動信号及び第4駆動信号を生成する第2駆動回路と、
前記第1電圧が印加される第1電源配線と第3配線との間に接続され、第2スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第3スイッチと、
前記第2電圧が印加される第2電源配線と第4配線との間に接続され、前記第2スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第4スイッチと、
前記第2電源配線と前記第3配線との間に接続された第2コンデンサと、
前記第3配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第3駆動信号が印加される第3トランジスタと、
前記第4配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第4駆動信号が印加される第4トランジスタと、
を有すること、を特徴とする送受信回路。
(付記8)
前記第1駆動回路は、送信データと送信制御信号と終端制御信号に基づいて、送信時に前記送信データに応じて前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを相補的に駆動し、受信時に第1選択信号に基づいて前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを駆動する、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成すること、
前記第2駆動回路は、送信データと送信制御信号と終端制御信号に基づいて、送信時に前記送信データに応じて前記第3トランジスタと前記第4トランジスタとを相補的に駆動し、受信時に第2選択信号に基づいて前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタを駆動する、前記第3駆動信号及び前記第4駆動信号を生成すること、
を特徴とする付記7に記載の送受信回路。
(付記9)
スイッチ制御信号と前記第1選択信号に基づいて前記第1スイッチ制御信号を生成する第1オア回路と、
スイッチ制御信号と前記第2選択信号に基づいて前記第2スイッチ制御信号を生成する第2オア回路と、
を有することを特徴とする付記8に記載の送受信回路。
(付記10)
前記第1駆動回路は、非通信時に前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオフする、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成し、
前記第2駆動回路は、非通信時に前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタをオフする、前記第3駆動信号及び前記第4駆動信号を生成すること、
を特徴とする付記8または9に記載の送受信回路。
(付記11)
前記第1送信回路及び第3送信回路はそれぞれ、前記第1電源配線と前記第2配線との間に接続された第3コンデンサを有し、
前記第2送信回路及び第4送信回路はそれぞれ、前記第1電源配線と前記第4配線との間に接続された第4コンデンサを有すること、
を特徴とする付記7〜10のいずれか一項に記載の送受信回路。
(付記12)
前記スイッチ制御信号は送信制御信号であること、
を特徴とする付記9に記載の送受信回路。
(付記13)
出力ノードが第1終端抵抗を介して第1外部端子に接続された第1送信回路と、
出力ノードが第2終端抵抗を介して第2外部端子に接続された第2送信回路と、
を含み、
前記第1送信回路及び前記第2送信回路はそれぞれ、
第1電圧が印加される第1電源配線と第1配線との間に接続された第1スイッチと、
第2電圧が印加される第2電源配線と第2配線との間に接続された第2スイッチと、
前記第2電源配線と前記第1配線との間に接続された第1コンデンサと、
前記第1配線と前記出力ノードとの間に接続された第1トランジスタと、
前記第2配線と前記出力ノードとの間に接続された第2トランジスタと、
を有する制御回路を制御する制御方法であって、
送信時に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオンし送信データに応じて前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを相補的に駆動し、
受信時に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオフし前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタをオンすること、
を特徴とする制御方法。
(付記14)
出力ノードが第1終端抵抗を介して第1外部端子に接続された第1送信回路及び第2送信回路と、
出力ノードが第2終端抵抗を介して第2外部端子に接続された第3送信回路及び第4送信回路と、
を含み、
前記第1送信回路及び前記第3送信回路はそれぞれ、
第1電圧と第2電圧とに基づいて動作し、第1駆動信号及び第2駆動信号を生成する第1駆動回路と、
前記第1電圧が印加される第1電源配線と第1配線との間に接続され、第1スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第1スイッチと、
前記第2電圧が印加される第2電源配線と第2配線との間に接続され、前記第1スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第2スイッチと、
前記第2電源配線と前記第1配線が接続された第1コンデンサと、
前記第1配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第1駆動信号が印加される第1トランジスタと、
前記第2配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第2駆動信号が印加される第2トランジスタと、
を有し、
前記第2送信回路及び前記第4送信回路はそれぞれ、
前記第1電圧と前記第2電圧とに基づいて動作し、第3駆動信号及び第4駆動信号を生成する第2駆動回路と、
前記第1電圧が印加される第1電源配線と第3配線との間に接続され、第2スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第3スイッチと、
前記第2電圧が印加される第2電源配線と第4配線との間に接続され、前記第2スイッチ制御信号に基づいてオンオフする第4スイッチと、
前記第2電源配線と前記第3配線との間に接続された第2コンデンサと、
前記第3配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第3駆動信号が印加される第3トランジスタと、
前記第4配線と前記出力ノードとの間に接続され、制御端子に前記第4駆動信号が印加される第4トランジスタと、
を有しする送受信回路の制御方法であって、
送信時に、送信データに応じて前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを相補的に駆動し、前記送信データに応じて前記第3トランジスタと前記第4トランジスタとを相補的に駆動し、
受信時に、第1選択信号に基づいて前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを駆動し、第2選択信号に基づいて前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタを駆動すること、
を特徴とする制御方法。
【符号の説明】
【0150】
25,26 送信回路
25a,26a 駆動回路
N2p,N2n 出力ノード
E1p,E1n 外部端子
R1p,R1n 終端抵抗
VDD 高電位電圧
VSS 低電位電圧
D1p,D1n 駆動信号
D2p,D2n 駆動信号
PL1 配線
PL2 配線
SW1p,SW1n スイッチ
SW2p,SW2n スイッチ
C1p,C1n コンデンサ
C2p,C2n コンデンサ
T1p,T1n トランジスタ
T2p,T2n トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15