特許第6402604号(P6402604)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402604
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】接地付電源プラグ受け装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20181001BHJP
   H01R 31/02 20060101ALI20181001BHJP
   H01R 25/00 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
   H01R31/02 B
   H01R25/00 B
   H01R25/00 G
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-239914(P2014-239914)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-103336(P2016-103336A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】西 勉正
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−205808(JP,A)
【文献】 実開昭60−074485(JP,U)
【文献】 特開2006−210141(JP,A)
【文献】 実開昭55−075975(JP,U)
【文献】 実開昭55−047199(JP,U)
【文献】 特開2006−204045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
H01R 25/00
H01R 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ケース体と、
該絶縁ケース体に配置された、接地コードを有する電源プラグの電圧側極刃を受ける電圧側極刃受けばねを有する複数のコンセント部と、
各コンセント部に隣接して個別に設けられた接地コードを有する前記電源プラグの接地コードを挿入保持する接地用挿入部とを備え、
前記コンセント部は、前記電源プラグの電圧側極刃の挿入及び引き抜きを許容するロック解除位置及び前記電源プラグの電圧側極刃の引き抜きを抑制するロック位置を有する挿入孔を備えるとともに、前記電源プラグの電圧側極刃は、各コンセント部の前記挿入孔のロック解除位置に挿入されてからロック位置まで回動されると、前記電圧側極刃受けばねに挟持されるとともに、前記ロック位置から前記ロック解除位置まで回動されると、前記電圧側極刃受けばねによる挟持状態が解除されて各コンセント部から引き抜き可能となり
前記接地用挿入部は、前記接地コードの挿入を許容するとともに前記接地コードの先端を保持する上端が開口となるように対向配置された一対の板部と、前記電源プラグの電圧側極刃が前記ロック解除位置から前記ロック位置に回動するときに前記電圧側極刃の回動に連動して前記一対の板部による接地コードの保持を達成させる保持機構とを備え
前記保持機構は、前記絶縁ケース体に回動可能に支持され、前記電源プラグの電圧側極刃が前記ロック解除位置から前記ロック位置に回動するときに、前記電源プラグの電圧側極刃に係合して前記電圧側極刃の回動に伴って回動する回動アームと、該回動アームに形成され、前記一対の板部のうちの一方を内側に可動させて前記一対の板部間に挿入されている前記接地コードの先端を挟持する押圧係合部とを備えていることを特徴とする接地付電源プラグ受け装置。
【請求項2】
前記押圧係合部は、前記回動アームの先端に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の接地付電源プラグ受け装置。
【請求項3】
前記一対の板部は、1枚の板状部材を折り曲げて一体に形成されたU字状の板ばね部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接地付電源プラグ受け装置。
【請求項4】
前記接地コードは、その先端に装着された端子部が前記一対の板部によって保持されることを特徴とする請求項に記載の接地付電源プラグ受け装置。
【請求項5】
前記接地コードは、その先端の絶縁被覆除去されて内部導体を露出させた端子部が前記一対の板部によって保持されることを特徴とする請求項に記載の接地付電源プラグ受け装置。
【請求項6】
前記絶縁ケース体に、前記コンセント部と対応する前記接地用挿入部とを囲む識別表示部が形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の接地付電源プラグ受け装置。
【請求項7】
絶縁ケース体が、テーブルタップ形状及びコンセント形状の何れか一方の形状に構成されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の接地付電源プラグ受け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接地用コードを有する電源プラグを嵌合させるテーブルタップ、コンセント等の接地付電源プラグ受け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の接地付電源プラグ受け装置として、例えば特許文献1に記載された接地テーブルタップが知られている。
この接地テーブルタップは、2つの電圧側極刃受けばねブロックと1つの接地側極刃受けばねブロックとで構成されるコンセントを外殻に複数例えば4組直列に配置し、外殻の一方の端部にアースターミナルが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−205820
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された接地テーブルタップでは、電圧側極刃及び接地側極刃を端面に有する電源プラグを装着する場合には、電源プラグの電圧側極刃及び接地側極刃を所望のコンセントの電圧側極刃受けばねブロック及び接地側極刃受けばねブロックに嵌合することにより、電気的に接続することができる。
しかしながら、端面に電圧側極刃のみを有し、接地側極刃に代えて接地コードを有する電源プラグを接地テーブルタップに装着する場合には、電圧側極刃については電圧側極刃受けばねブロックに装着し、接地コード先端の接続部については接地テーブルタップの端面に形成されたアースターミナルに接続することになる。このとき、接地コードが長ければ良いが、通常10cm程度であるため接地コードを有する電源プラグを複数テーブルタップに装着する場合には接地コードの先端がアースターミナルに届かず、アースターミナルに全ての接地コードを接続することができない場合が生じるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来例の課題に着目してなされたものであり、接地コードを有する電源プラグの接地を容易且つ確実に行うことができる接地付電源プラグ受け装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る接地付電源プラグ受け装置は、絶縁ケース体と、この絶縁ケース体に配置された、接地コードを有する電源プラグの電圧側極刃を受ける電圧側極刃受けばねを有する複数のコンセント部と、各コンセント部に隣接して個別に設けられた接地コードを有する電源プラグの接地コードを挿入保持する接地用挿入部とを備え、コンセント部は、電源プラグの電圧側極刃の挿入及び引き抜きを許容するロック解除位置及び電源プラグの電圧側極刃の引き抜きを抑制するロック位置を有する挿入孔を備えるとともに、電源プラグの電圧側極刃は、各コンセント部の挿入孔のロック解除位置に挿入されてからロック位置まで回動されると、電圧側極刃受けばねに挟持されるとともに、ロック位置からロック解除位置まで回動されると、電圧側極刃受けばねによる挟持状態が解除されて各コンセント部から引き抜き可能となり、接地用挿入部は、接地コードの挿入を許容するとともに接地コードの先端を保持する上端が開口となるように対向配置された一対の板部と、電源プラグの電圧側極刃がロック解除位置からロック位置に回動するときに電圧側極刃の回動に連動して一対の板部による接地コードの保持を達成させる保持機構とを備え、保持機構は、絶縁ケース体に回動可能に支持され、電源プラグの電圧側極刃がロック解除位置からロック位置に回動するときに、電源プラグの電圧側極刃に係合して電圧側極刃の回動に伴って回動する回動アームと、回動アームに形成され、一対の板部のうちの一方を内側に可動させて一対の板部間に挿入されている接地コードの先端を挟持する押圧係合部とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、接地コードを有する電源プラグを装着する際に、接地コードの先端を容易且つ確実に保持することができる接地付電源プラグ受け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一態様であるテーブルタップを示す平面図である。
図2図1の上部ケースを取り外した状態のコンセント部の拡大平面図である。
図3図2のIII−III線上の断面図である。
図4】接地コード付電源プラグを示す平面図である。
図5】本発明の一態様である埋め込みコンセントを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0010】
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明の一の実施の形態を接地付電源プラグ受け装置の一つであるテーブルタップについて説明する。
【0011】
テーブルタップ10は、図1に示すように、絶縁ケース体11とこの絶縁ケース体11から導出された接続コード12と、この接続コード12の先端に接続された接地付電源プラグ13とを備えている。接地付電源プラグ13は、プラグ本体13aの端面から突出する一対の平行な板状の電圧側極刃13b,13cと、これら電圧側極刃13b,13cの中間位置から一方に所定距離離れた位置から電圧側極刃13b,13cと平行に突出する接地側極刃13dとを備えている。
【0012】
テーブルタップ10に装着する電源プラグとしては、上述した接地付電源プラグ13と同様な形状のものの他に、図4に示すパーソナルコンピュータや液晶ディスプレイ等の接地を必要とする機器15に使用される接地コード付電源プラグ14がある。この電源プラグ14は接地付電源プラグ13の接地側極刃が省略され代わりに接地コード14dが突出されている。
【0013】
接地コード14dは、プラグ本体14aの側面又は背面から突出され絶縁被覆された絶縁コード部14eと、この絶縁コード14eの先端に装着された導電性の端子部14fとを備えている。ここで、端子部14fは、丸形やU形等の種々の形状に形成された圧着端子で構成することができる。さらに、接地コード14dとしては、図示しないが圧着端子に代えて絶縁コード14eの先端の被覆を切除して内部導体を露出させることにより導電が取れる端子部14fとしているものもある。
【0014】
一方、絶縁ケース体11は、図3に示すように、上部ケース体11aと下部ケース体11bとを嵌合させて図示しないねじ等の固定部材で一体に連結されている。上部ケース体11aには、電源プラグ13又は14を装着する複数例えば4個のコンセント部21A、21B、21C及び21Dが形成されている。
各コンセント部21A〜21Dのそれぞれは、上部ケース体11aに形成された接地付電源プラグ13の電圧側極刃13b,13c及び接地側極刃13dを挿入する3つの極刃挿入孔22a,22b及び22cと、接地コード付電源プラグ14の接地コード14dの先端を挿入する接地用挿入孔22dとを備えている。ここで、接地用挿入孔22dは、極刃挿入孔22aの極刃挿入孔22bとは反対側に絶縁ケース体11の長手方向と直交する方向に延長して形成されている。
【0015】
そして、各コンセント部21A〜21Dは、極刃挿入孔22a〜22c及び接地用挿入孔22dを囲んで電源プラグの接続範囲を表す識別表示部23が形成されている。
また、各コンセント部21A〜21Dのそれぞれは、図2に示すように、下部ケース体11bの底部に配置された電源プラグ13及び14の電圧側極刃13b,13c及び14b,14cを受ける電圧側極刃受けばね24a及び24bと、接地側極刃13dを受ける接地側極刃受けばね24cとを有する。
【0016】
また、各コンセント部21A〜21Dのそれぞれは、電圧側極刃受けばね24aの電圧側極刃受けばね24bとは反対側に接地コード付電源プラグ14の接地コード14dの先端を挿入保持する接地用挿入部25が形成されている。
電圧側極刃受けばね24a,24b及び接地側極刃受けばね24cのそれぞれは、図3に示すように、下部ケース体11bの底部にねじ止め等によって固定された側面から見てU字状の基部26aと、この基部26aの対向板部の上端から内方に傾斜延長して互いに接触する内側傾斜延長部26b及び26cと、これら傾斜延長部26b及び26cの接触部から外側に傾斜する外側傾斜延長部26d及び26eとを備えている。
【0017】
そして、電圧側極刃受けばね24a,24bと接地側極刃受けばね24cとは平面からみて各極刃13b,13c及び13dの回動を許容するように接触部が円弧状に形成されている。さらに、電圧側極刃受けばね24a,24b及び接地側極刃受けばね24cは、上部ケース体11aに形成された挿入孔22a,22b及び22cに対して、時計方向の端部側に配置されている。
【0018】
したがって、挿入孔22a,22b及び22cの反時計方向の端部側には電圧側極刃受けばね24a,24b及び接地側極刃受けばね24cが存在しない。このため、挿入孔22a,22b及び22cの反時計方向側が電源プラグ13の電圧側極刃13b,13c及び接地側極刃13dの挿入及び抜き出しを容易に行うことができるロック解除位置となる。そして、電圧側極刃13b,13c及び接地側極刃13dを挿入孔22a,22b及び22cに挿入した状態で、時計方向に回動させることで電圧側極刃13b,13c及び接地側極刃13dが電圧側極刃受けばね24a,24b及び接地側極刃受けばね24cで挟持されて抜け出しが抑制されるロック位置となる。
【0019】
接地用挿入部25は、図3に示すように、下部ケース体11bに形成されたばね受け部11cに支持された荷重がかかっていない状態で側面から見てU字状となる圧接部となる板ばね部材25aを有する。この板ばね部材25aの開放端が上部ケース体11aに形成された接地用挿入孔22dに対向している。この板ばね部材25aは、図2及び図3に示すように、その電圧側極刃受けばね24aに対向する側の板部が保持機構を構成する回動アーム27によって電源プラグ13又は14のロック位置への回動に連動して内側に傾斜されて接地コード14dの先端を挟持する。
【0020】
回動アーム27は、下部ケース体11bの例えば電圧側極刃受けばね24a及び24bの円弧の中心点に形成された支持軸28に回動可能に支持されている。この回動アーム27は、支持軸28に回動可能に支持されて電圧側極刃受けばね24aの後方側を通って接地用挿入部25に達する略L字状のアーム部27aを有する。このアーム部27aには、電源プラグ13又は14をロック位置に回動させる際に電圧側極刃13b又は14bに係合して後方に移動される第1係合片27bと、接地用挿入部25の板ばね部材25aの電圧側極刃受けばね24a側の板部25cに接触する支持軸28の中心を中心とする円弧状の押圧係合部となる第2係合片27cとを備えている。
【0021】
第2係合片27cは、アーム部27aの先端に連結された第1円弧状板部27dと、この第1円弧状板部27dの反時計方向端部にテーパー状板部27eを介して連結された第2円弧状板部27fとを備えている。
第1円弧状板部27dは、支持軸28の中心を中心点とし、この中心点から板ばね部材25aの板部25cまでの最短距離を半径とする円弧状外周面27gを有する。
【0022】
第2円弧状板部27fは、支持軸28の中心点から板ばね部材25aの板部25cまでの最短距離より長い半径を有する外周面27hを有する。テーパー状板部27eは、第1円弧状板部27d及び第2円弧状板部27fの外周面を接続するテーパー面27iを有する。
また、回動アーム27には、アーム部27aと下部ケース体11bの底部に突出された位置決めピン29との間にアーム部27aを回動開始位置に復帰させる復帰スプリング30が設けられている。
【0023】
そして、回動アーム27は復帰スプリング30によってアーム部27aが支持ピン29に接触している状態では、第1円弧状板部27dの外周面が接地用挿入部25の板ばね部材25aの板部25cの外周面に接触している。
この状態から電源プラグ13又は14を時計方向にロック位置まで回動させると、その途中で電圧側極刃13bが第1係合片27bに係合して、この第1係合片27bを時計方向に移動させる。これにより、回動アーム27が時計方向に回動して、接地用挿入部25の板ばね部材25aの板部25cの外周面にテーパー状板部27e及び第2円弧状板部27fが順に接触することになり、板ばね部材25aの板部25cが内側に傾斜されて板ばね部材25aの板部25b及び25c間に接地コード付電源プラグ14の接地コード14dの端子部14fが挿入されている場合に、端子部14fを挟持する。
【0024】
その後、電源プラグ13又は14がロック位置からロック解除位置に回動されると、回動アーム27が復帰スプリング30によって支持ピン29に当接する初期位置まで復帰される。これによって、板ばね部材25aの板部25cの外周面に第2円弧状板部27f、テーパー状板部27e及び第1円弧状板部27dの順に接触して、板部25cが傾斜状態から垂直状態に復帰し、接地付電源プラグ13に設けられた接地コード14dの端子部14fの挟持を解除する。
【0025】
なお、各コンセント部21A〜21Dの接地側極刃受けばね24cと、接地用挿入部25の板ばね部材25aとは互いに電気的に接続されて接続コード12内の絶縁接地コードを介して接地付電源プラグ13の接地側極刃13dに電気的に接続されている。また、ケース体11の接続コード12とは反対側の端面に形成されたアースターミナル31もコンセント部21Aの接地側極刃受けばね24c及び板ばね部材25aと電気的に接続されている。
【0026】
同様に、各コンセント部21A〜21Dの電圧側極刃受けばね24a同士が互いに電気的に接続されて接続コード12の内部導体を介して接地付電源プラグ13の電圧側極刃13bに電気的に接続されている。さらに、電圧側極刃受けばね24b同士が互いに接続されて接続コード12の内部導体を介して接地付電源プラグ13の電圧側極刃13cに電気的に接続されている。
【0027】
次に、上記実施形態の動作を説明する。テーブルタップ10に接地付電源プラグ13を装着する場合には、先ず、電圧側極刃13b及び13cを極刃挿入孔22a及び22bのロック解除位置側に挿入すると同時に接地側極刃13dを極刃挿入孔22cのロック解除位置側に挿入する。
この状態から接地付電源プラグ13を平面から見て時計方向に回動させることにより、電圧側極刃13b及び13cが電圧側極刃受けばね24a及び24bで挟持され、接地側極刃13dが接地側極刃受けばね24cで挟持されるロック位置となる。
【0028】
この接地付電源プラグ13をテーブルタップ10に装着する場合には、電圧側極刃13b及び13cと一体に接地側極刃13dが形成されているので、テーブルタップ10の接地付電源プラグ13を壁等に接地したコンセントに接続することにより、テーブルタップ10に装着する接地付電源プラグ13をロック位置に回動させるだけで接地側極刃13dを接続コード12及び接地付電源プラグ13を介してコンセントに接地することができる。
【0029】
一方、接地側極刃13dを省略し、これに代えて接地コード14dを有する接地コード付電源プラグ14をテーブルタップ10のコンセント部21A〜21Dの何れかに装着する場合には、接地コード付電源プラグ14の電圧側極刃14b及び14cをテーブルタップ10の所望のコンセント部21A〜21Dの極刃挿入孔22a及び22bにロック解除位置で挿入する。その前又は後に接地コード14dの端子部14fを接地用挿入孔22dに挿入する。
【0030】
この初期状態では、回動アーム27の第2係合片27cにおける第1円弧状板部27dの外周面が接地用挿入部25の板ばね部材25aの板部25cに接触しているが、板部25cは垂直状態を維持する。このため、接地用挿入部25への接地コード14dの端子部14fの挿入を容易に行うことができる。
この状態で、接地コード付電源プラグ14を時計方向にロック位置まで回動させると、電圧側極刃14bの時計方向への回動に伴って、その後端が回動アーム27の第1係合片27bに接触して回動アーム27が図2で一点鎖線図示のように時計方向に回動する。これによって、第2係合片27cのテーパー状板部27e及び第2円弧状板部27fがその順に接地用挿入部25の板ばね部材25aの板部25cに外側から接触することになる。このため、板ばね部材25aの板部25cが内側に傾斜されて、板ばね部材25aの板部25b及び25c間に挿入された端子部14fを挟持してロック状態とする。これにより、接地コード14dとコンセント側の接地極との導通が確保される。
【0031】
このように、接地コード付電源プラグ14をテーブルタップ10に装着する場合に、電圧側極刃14b及び14cを挿入する極刃挿入孔22a及び22bと接地コード14dの先端を挿入する接地用挿入部25とが識別表示部23で囲まれているので、接地コード14dを電圧側極刃14b及び14cを挿入したコント部に隣接するコンセント部に挿入する挿入間違いを抑制することができる。
【0032】
このように、本願の第1の実施形態によると、テーブルタップ10に複数のコンセント部21A〜21Dを形成した場合に、各コンセント部21A〜21Dの電圧側極刃挿入孔22aに対して所定間隔離れた位置に接地用挿入部25が形成される。
このため、接地コード付電源プラグ14をテーブルタップ10の所望のコンセント部21i(i=21A〜21D)に装着する場合に、接地コード付電源プラグ14の電圧側極刃14b及び14cをテーブルタップ10の極刃挿入22a及び22bのロック解除位置に挿入するとともに、その前後に接地コード14dの端子部14fまたは露出された内部導体を接地用挿入部25に挿入する。
【0033】
このとき、接地コード付電源プラグ14がロック解除位置にあるので、回動アーム27の第1係合片27bと接地コード付電源プラグ14の電圧側極刃14bとが図2に示すように非接触状態で対向している。このため、回動アーム27は図2で実線図示のように復帰スプリング30によって位置決めピン29に当接している。
この状態では、回動アーム27は、その第2係合片27cの第1円弧状板部27dが接地用挿入部25の板ばね部材25aの電圧側極刃受けばね24a側の板部25cが垂直状態を維持している。したがって、接地用挿入部25の板ばね部材25aの開放端部から接地コード14dの先端を容易に挿入することができる。
【0034】
そして、接地コード付電源プラグ14を時計方向にロック位置まで回動させると、接地コード付電源プラグ14の電圧側極刃14b及び14cが電圧側極刃受けばね24a及び24bの内側傾斜板部26b及び26cの接触部に電圧側極刃14b及び14cが分け入ることになる。そして、接地コード付電源プラグ14がロック位置に達すると、電圧側極刃14b及び14cが電圧側極刃受けばね24a及び24bに挟持されて接地コード付電源プラグ14の抜け出しが抑制される。
【0035】
このように、接地コード付電源プラグ14がロック位置側に回動されると、接地コード付電源プラグ14の時計方向の回動に伴って電圧側極刃14bによって回動アーム27の第1係合片27bが時計方向に押され、回動アーム27が支持軸28を支点として時計方向に回動する。この回動アーム27の回動によって、その第2係合片27cの第1円弧状板部27dからテーパー状板部27eを越えて第2円弧状板部27fが接地用挿入部25の板ばね部材25aの板部25cに接触することになる。このため、板ばね部材25aの板部25cが内側に傾斜して接地コード14dの端子部14fを挟持する。したがって、接地用挿入部25からの接地コード14dの端子部14fの抜け出しが抑制される。
【0036】
また、テーブルタップ10に装着されている接地コード付電源プラグ14を抜き出すには、接地コード付電源プラグ14をロック位置から反時計方向のロック解除位置に回動させる。これにより、電圧側極刃受けばね24a及び24bによる電圧側極刃14b及び14cの挟持が解除される。
この接地コード付電源プラグ14の反時計方向の回動により、電圧側極刃14bが図2の実線図示の状態に戻り、これに伴って復帰スプリング30の弾発力によって回動アーム27の第1係合片27bが電圧側極刃14bと接触しながら反時計方向に戻り、回動アーム27も反時計方向に回動する。
【0037】
この回動アーム27の反時計方向への回動によって、第2係合片27cの第2円弧状板部27fが接地用挿入部25の板ばね部材25aの板部25cにおける外周面に係合している状態からテーパー部17eを経て第1円弧状板部27dが板ばね部材25aの板部25cの外周面に係合する状態に復帰する。このため、板ばね部材25aの板部25cが垂直状態に復帰し、接地コード14dの先端の挟持が解除される。これにより、接地用挿入部25から接地コード14dの端子部14fを容易に外すことができる。
【0038】
したがって、接地コード付電源プラグ14がロック解除位置に達すると、電圧側極刃14b及び14cの挟持状態及び接地コード14dの端子部14fの挟持状態が解除されるので、接地コード付電源プラグ14を容易にテーブルタップ10のコンセント部21iから引き抜くことができる。
このように、上記実施形態によると、接地コード付電源プラグ14であっても、テーブルタップ10に容易に挿入及び抜き出しを行うことができ、接地コード14dの先端の装着も接地用挿入部25に挿入するだけで、接地コード付電源プラグ14のロック位置への回動に伴って板ばね部材25aで確実に挟持される。また、接地コード付電源プラグ14をロック位置からロック解除位置に回動させることにより、電圧側極刃14b及び14cの挟持が解除されるとともに、接地コード14dの先端の挟持も自動的に解除される。
【0039】
しかも、保持機構として回動アーム27を適用し、第1係合片27bより先端側に第2係合片27cを設けることにより、接地コード付電源プラグ14のロック解除位置からロック位置への回動量が少なくても第2係合片27cの回動量を多くすることが可能となる。このため、第1円弧状板部27d、テーパー状板部27eおよび第2円弧状板部27fの形成が容易となる。
【0040】
さらに、回動アーム27の回動中心を板ばね部材25の板部25cの側面と直交する線上に配置することにより、接地コード付電源プラグ14のロック位置で第2円弧状板部27fを板ばね部材25の板部25cに接触させたときに、板バネ部材25の板部25c側面と第2円弧状板部27fの接線とが一致することになり、板ばね部材25の板部25cの弾性力による第2円弧状板部27fの回動を確実に防止することができる。したがって、接地コード14dの先端の保持を確実に行うことができる。
【0041】
なお、上記第1の実施形態においては、接地付電源プラグ受け装置としてテーブルタップ10を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図5に示すように、壁等に埋め込んで配置される例えば2口の埋め込みコンセント40に対しても、コンセント部に41A及び41Bに個別に接地挿入部42を形成するようにしてもよい。この実施形態では、接地側極刃13dを挿入する極刃挿入孔22cの下側に接地用挿入部25を形成しているので、前述した実施形態における回動アーム27の第2係合片27cを接地用挿入部42まで延長して、その端部側に接地用挿入部25の板ばね部材25aに係合するテーパー状板部27e及び第2円弧状板部27fを形成するようにすればよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、コンセント部21A〜21Dの電圧側極刃受けばね24aに対向する外側に接地用挿入部25を形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電圧側極刃受けばね24b側に接地用挿入部25を形成することもでき、さらには図5に示すように、接地側極刃挿入孔22cに対向させて配置することもできる。その他、接地コード付電源プラグ14のロック位置への移動に伴って移動する可動部材を設け、この可動部材によって接地用挿入部25で接地コード14dを保持可能とすれば極刃挿入孔22a〜22cの周囲の任意の位置に接地用挿入部25を形成することができる。
【0043】
また、上記実施形態においては、回動アーム27のアーム部27aの先端に第2係合片27cを一体に形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなくアーム部27aの先端に長孔を形成し、この長孔に接地用挿入部25の板ばね部材25aと平行に摺動する摺動アームを係合させ、この摺動アームに第1係合板部と、この第1係合板部に対して板ばね部材26側に突出する第2係合板部と、第1係合板部及び第2係合板部を結ぶテーパー板部とを形成するようにしても上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、回動アームに代えて電源プラグ14のロック位置への回動に伴って摺動する摺動部材を設け、この摺動部材に接地用挿入部25の板ばね部材25aを傾斜させる係合部を形成するようにしてもよい。要は、接地コード付電源プラグ14のロック位置への回動に連動して接地コード14dの先端を保持可能な保持機構を構成すればよいものである。
【0044】
さらに、上記実施形態においては、接地用挿入部25にU字状の板ばね部材25aを配置した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、板バネ部材25aを板部25cのみの形状とし、板部25cに対向する位置に固定壁を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、接地側極刃を有する接地付電源プラグ13を装着するテーブルタップ及びコンセントについて説明したが、これに限定されるものではなく、極刃挿入孔22c及び接地側極刃受けばね24cを省略して接地コード付電源プラグ14のみを装着可能なコンセント部を備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10…テーブルタップ、11…絶縁ケース体、12…接続コード、13…接地付電源プラグ、13a…プラグ本体、13b,13c…電圧側極刃、13d…接地側極刃、14…接地コード付電源プラグ、14a…プラグ本体、14b,14c…電圧側極刃、14d…接地コード、21A〜21D…コンセント部、22a〜22c…極刃挿入孔、24a,24b…電圧側極刃受けばね、24c…接地側極刃受けばね、25…接地用挿入部、25a…板ばね部材、27…回動アーム、27a…アーム部、27b…第1係合片、27c…第2係合片、27d…第1円弧状板部、27e…テーパー状板部、27f…第2円弧状板部、28…支持軸、29…位置決めピン、30…復帰スプリング、40…埋め込みコンセント、41A,41B…コンセント部、42…接地挿入部
図1
図2
図3
図4
図5