特許第6402608号(P6402608)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6402608
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】開口部開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/302 20060101AFI20181001BHJP
   E06B 9/02 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   E06B9/302
   E06B9/02 G
【請求項の数】16
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-242613(P2014-242613)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-102381(P2016-102381A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】503428703
【氏名又は名称】オイレスECO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098095
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 武志
(72)【発明者】
【氏名】大石 守
【審査官】 小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−173285(JP,A)
【文献】 特開平5−231079(JP,A)
【文献】 特開平8−312268(JP,A)
【文献】 特開2012−237109(JP,A)
【文献】 特開2015−68020(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3032167(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第0501939(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/26−9/388
E06B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに並置された第一及び第二の縦枠並びにこの第一及び第二の縦枠を橋絡した横枠を有した枠体と、第一及び第二の縦枠及び横枠で規定された開口部に上下方向に互いに並置された複数の羽根と、複数の羽根のうちの上下方向において隣接された羽根を相互に接近離反自在に連結する連結機構と、開口部において昇降させられる羽根の枚数の増減に応じて増減すると共に開口部における羽根の荷重の方向と反対の方向をもった反力を発生する反力発生機構とを具備しており、複数の羽根において上下方向における最上位の羽根の降下及び上昇で又は最下位の羽根の上昇及び降下で開口部を開閉するようになっており、反力発生機構は、一端では第一の縦枠側において複数の羽根のうちの最上位又は最下位の羽根に連結されていると共に他端では第二の縦枠内において昇降自在になっており、且つ、横枠内を通って走行自在に配された可撓性の第一の長尺体と、一端では第二の縦枠側において複数の羽根のうちの最上位又は最下位の羽根に連結されていると共に他端では第一の縦枠内において昇降自在になっており、且つ、横枠内を通って走行自在に配された可撓性の第二の長尺体と、第一及び第二の長尺体の走行を案内する案内機構とを具備しており、最上位又は最下位の羽根の上昇は、少なくとも、その上昇で第一及び第二の縦枠の夫々において第一及び第二の長尺体の増加する部位の重量に基づいて反力発生機構で発生されると共に増大する反力によって行われるようになっている開口部開閉装置。
【請求項2】
第一の長尺体は、可撓性の第一の長尺体本体と、この第一の長尺体本体の第二の縦枠内において昇降する部位に取付けられた第一の重錘列とを具備しており、第二の長尺体は、可撓性の第二の長尺体本体と、この第二の長尺体本体の第一の縦枠内において昇降する部位に取付けられた第二の重錘列とを具備している請求項1に記載の開口部開閉装置。
【請求項3】
第一及び第二の長尺体本体の夫々は、チエーン又はノーバックチエーンを具備している請求項2に記載の開口部開閉装置。
【請求項4】
第一及び第二の重錘列の夫々は、チエーン又はノーバックチエーンに回転自在に取付けられた複数の重錘を具備している請求項3に記載の開口部開閉装置。
【請求項5】
案内機構は、第一の長尺体の第一の縦枠及び横枠間の相互の走行を案内する第一の転向回転体と、第一の長尺体の第二の縦枠及び横枠間の相互の走行を案内する第二の転向回転体とを具備している請求項1から4のいずれか一項に記載の開口部開閉装置。
【請求項6】
第一及び第二の転向回転体の夫々は、スプロケットホイールからなる請求項5に記載の開口部開閉装置。
【請求項7】
案内機構は、第二の長尺体の第一の縦枠及び横枠間の相互の走行を案内する第三の転向回転体と、第二の長尺体の第二の縦枠及び横枠間の相互の走行を案内する第四の転向回転体とを具備している請求項1から6のいずれか一項に記載の開口部開閉装置。
【請求項8】
第三及び第四の転向回転体の夫々は、スプロケットホイールからなる請求項7に記載の開口部開閉装置。
【請求項9】
最上位の羽根の降下及び上昇又は最下位の羽根の上昇及び降下で複数の羽根による開口部の開閉を行わせるべく、第一及び第二の長尺体を走行させる走行機構を更に具備している請求項1から8のいずれか一項に記載の開口部開閉装置。
【請求項10】
走行機構は、第一及び第二の長尺体に係合する係合回転体を具備している請求項9に記載の開口部開閉装置。
【請求項11】
係合回転体は、スプロケットホイールからなる請求項10に記載の開口部開閉装置。
【請求項12】
最上位の羽根は、第一及び第二の縦枠に固定されており、複数の羽根のうちの最上位の羽根を除く残る羽根は、昇降自在となっており、最下位の羽根は、第一及び第二の長尺体の一端に連結されていると共に昇降自在である開口部開閉装置であって、開口部における最下位の羽根を先行して上昇させて開口部を開口する一方、当該最下位の羽根を先行して下降させて開口部を閉鎖するようになっている請求項1から11のいずれか一項に記載の開口部開閉装置。
【請求項13】
複数の羽根は、昇降自在となっており、最上位の羽根は、第一及び第二の長尺体の一端に連結されていると共に昇降自在である開口部開閉装置であって、開口部における最上位の羽根を先行して下降させて開口部を開口する一方、当該最上位の羽根を先行して上昇させて開口部を閉鎖するようになっている請求項1から11のいずれか一項に記載の開口部開閉装置。
【請求項14】
最下位の羽根は、第一及び第二の縦枠に固定されており、複数の羽根のうちの最下位の羽根を除く残る羽根は、昇降自在となっており、最上位の羽根は、第一及び第二の長尺体の一端に連結されていると共に昇降自在である開口部開閉装置であって、開口部における最上位の羽根を先行して下降させて開口部を開口する一方、当該最上位の羽根を先行して上昇させて開口部を閉鎖するようになっている請求項1から11のいずれか一項に記載の開口部開閉装置。
【請求項15】
複数の羽根を傾動させる傾動機構を更に具備している請求項1から14のいずれか一項に記載の開口部開閉装置。
【請求項16】
開口部開閉装置は、ブラインド装置又はシャッタである請求項1から15のいずれか一項に記載の開口部開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の窓又は入口等の開口部に配されて、当該開口部を開閉するために用いられるブラインド装置又はシャッター装置等の開口部開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ブラインド装置は、特許文献1に記載のように、窓等の建物の開口部に配される枠体と、この枠体に囲まれた開口部に互いに並置された複数の羽根と、この複数の羽根のうちの最上位の羽根を吊り下げる吊り下げ機構と、複数の羽根を相互に連結すると共に折り畳み自在なリンク機構と、複数の羽根のうちの最下位の羽根から上昇させると共に当該最下位の羽根を下降させて、複数の羽根を昇降させる昇降機構とを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再表2011/099078号公報
【特許文献2】特開2011−132806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、斯かるブラインド装置において、開口部の開閉における複数の羽根の昇降は、電動モータで自動的に行われるが、電動モータに代えて、回転軸にプーリを固着し、このプーリに紐又は玉チェーンを捲き掛け、羽根の昇降を紐又は玉チェーンの手動走行で、複数の羽根で閉鎖された開口部を最下位の羽根から先行して上昇させて当該開口部を開口するように構成した場合又は開口された開口部を最上位の羽根から先行して上昇させて開口部を閉鎖するように構成した場合のいずれの場合にも、開口度又は閉鎖度が増すに従って上昇させる羽根の枚数が増加するため、増加する羽根の枚数に従って徐々に大きな上昇力を最下位又は最上位の羽根に加える必要がある結果、紐又は玉チェーンの手動走行を行う操作者は、それに応じた手動走行力を紐又は玉チェーンに加えることになり、操作のし難さ等を感じることになり、また、操作者による紐又は玉チェーンの特定の手動操作で、複数の羽根による開口部の特定の開閉動作、例えば、操作者による紐又は玉チェーンの瞬時的な手動操作で、複数の羽根による開口部の自動開閉動作を行わせ難い。
【0005】
斯かる問題は、ブラインド装置に限らないのであって、紐若しくは玉チェーンを使用するシャッター装置において、紐若しくは玉チェーンを使用しないで、又は、紐若しくは玉チェーンを使用しないシャッター装置において、手動で最下位の羽根を昇降させ、開口部の開閉を行うようにしたシャッター装置においても生じ得る。
【0006】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、操作者による手動操作のし難さを解消できる構成とし得る上に、また、操作者による特定の手動操作で、複数の羽根による開口部に対する特定の開閉動作を行わせることができる構成にもし得る開口部開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の開口部開閉装置は、互いに並置された第一及び第二の縦枠並びにこの第一及び第二の縦枠を橋絡した横枠を有した枠体と、第一及び第二の縦枠及び横枠で規定された開口部に上下方向に互いに並置された複数の羽根と、複数の羽根のうちの上下方向において隣接された羽根を相互に接近離反自在に連結する連結機構と、開口部において昇降させられる羽根の枚数の増減に応じて増減すると共に開口部における羽根の荷重の方向と反対の方向をもった反力を発生する反力発生機構とを具備しており、複数の羽根において上下方向における最上位の羽根の降下及び上昇で又は最下位の羽根の上昇及び降下で開口部を開閉するようになっており、反力発生機構は、一端では第一の縦枠側において複数の羽根のうちの最上位又は最下位の羽根に連結されていると共に他端では第二の縦枠内において昇降自在になっており、且つ、横枠内を通って走行自在に配された可撓性の第一の長尺体と、一端では第二の縦枠側において複数の羽根のうちの最上位又は最下位の羽根に連結されていると共に他端では第一の縦枠内において昇降自在になっており、且つ、横枠内を通って走行自在に配された可撓性の第二の長尺体と、第一及び第二の長尺体の走行を案内する案内機構とを具備しており、最上位又は最下位の羽根の上昇は、少なくとも、その上昇で第一及び第二の縦枠の夫々において第一及び第二の長尺体の増加する部位の重量に基づいて反力発生機構で発生されると共に増大する反力によって行われるようになっている。
【0008】
本発明の開口部開閉装置によれば、反力発生機構を具備し、しかも、最上位又は最下位の羽根の上昇は、その上昇で第一及び第二の縦枠の夫々において第一及び第二の長尺体の増加する部位の重量に基づいて反力発生機構で発生されると共に増大する反力によって行われるようになっているために、当該反力によって操作者による手動操作のし難さを解消できる上に、反力の増加率を所望に設定することにより、操作者による特定の手動操作で、複数の羽根による開口部に対する特定の開閉動作を行わせることができる。
【0009】
例えば、複数の羽根で閉鎖された開口部を最下位の羽根から先行して上昇させて最下位の羽根に上位の羽根を次々に重ね合せて持上げ、これにより、当該開口部を開口するように構成した場合又は開口された開口部を最上位の羽根から先行して上昇させて最上位の羽根で下位の羽根を次々に吊り上げて持上げ、これにより、開口部を閉鎖するように構成した場合のいずれの場合にも、斯かる反力発生機構で発生される反力の増加率を、上昇させる羽根及びこの上昇させる羽根に付随して上昇させられる部材の重量の増加率に等しくするように構成することにより、開口部の開閉において上昇させる羽根の枚数が増大しても、操作者の手動操作力を大きくしないで略一定の手動操作力で開口部の開閉を行い得、操作者による手動操作のし難さを解消できることになり、また、反力発生機構で発生される反力の増加率を、上昇させる羽根及びこの上昇させる羽根に付随して上昇させられる部材の重量の増加率よりも大きくするように構成することにより、複数の羽根で閉鎖された開口部を最下位の羽根から先行して上昇させて最下位の羽根に上位の羽根を次々に重ね合わせて持上げ、これにより、当該開口部を開口するように構成した場合には、開口部の閉鎖状態において開口部を開口すべく外部から瞬時的な操作力を最下位の羽根に付与した際には、羽根を最下位の羽根から自動的に次々と上昇させられることになり、一方、開口された開口部を最上位の羽根から先行して上昇させて最上位の羽根で下位の羽根を次々に吊り上げて持上げ、これにより、開口部を閉鎖するように構成した場合には、開口部の開口状態において開口部を閉鎖すべく外部から瞬時的な操作力を最上位の羽根に付与した際には、羽根を最上位の羽根から自動的に次々と上昇させられることになり、いずれにしても、手動操作にも拘わらず、開口部の開閉を自動的に行わせることができるようになり、而して、操作者による特定の手動操作で、複数の羽根による開口部に対する特定の開閉動作を行わせることができる。
【0010】
本発明の好ましい例では、第一の長尺体は、可撓性の第一の長尺体本体と、この第一の長尺体本体の第二の縦枠内において昇降する部位に取付けられた第一の重錘列とを具備しており、第二の長尺体は、可撓性の第二の長尺体本体と、この第二の長尺体本体の第一の縦枠内において昇降する部位に取付けられた第二の重錘列とを具備しており、この場合、第一及び第二の長尺体本体の夫々は、チエーン又はノーバックチエーンを具備していてもよく、また、第一及び第二の重錘列の夫々は、チエーン又はノーバックチエーンに回転自在に取付けられた複数の重錘を具備していてもよく、斯かる複数の重錘は、互いに同一の質量を有していてもよいが、互いに異なる質量を有していてもよく、互いに異なる質量を有している複数の重錘を用いる場合には、互いに連結された複数の重錘からなる重錘列において、第一及び第二の長尺体の夫々において、他端側から一端側にかけて質量が順次増大するように重錘を配列していてもよい。
【0011】
案内機構は、第一の長尺体の第一の縦枠及び横枠間の相互の走行を案内する第一の転向回転体と、第一の長尺体の第二の縦枠及び横枠間の相互の走行を案内する第二の転向回転体とを具備していてもよく、また、第二の長尺体の第一の縦枠及び横枠間の相互の走行を案内する第三の転向回転体と、第二の長尺体の第二の縦枠及び横枠間の相互の走行を案内する第四の転向回転体とを具備していてもよく、この場合、第一及び第二の転向回転体並びに第三及び第四の転向回転体は、第一及び第二の長尺体がベルト、ワイヤー等の場合には、単なる滑車(プーリー)でもよいが、第一及び第二の長尺体がチエーン又はノーバックチエーン等のチエーン又は歯付ベルト(タイミングベルト)等の場合には、スプロケットホイール又は歯付滑車でもよい。
【0012】
本発明では、最上位の羽根の降下及び上昇又は最下位の羽根の上昇及び降下で複数の羽根による開口部の開閉を行わせるべく、第一及び第二の長尺体を走行させる走行機構を更に具備していてもよく、斯かる走行機構は、第一及び第二の長尺体を同期して走行させるべく、第一及び第二の長尺体に係合する係合回転体を具備しているとよく、この場合、係合回転体は、第一及び第二の長尺体がチエーン又はノーバックチエーン等のチエーン又は歯付ベルト(タイミングベルト)等の場合には、スプロケットホイール又は歯付滑車からなっているとよい。
【0013】
本発明の開口部開閉装置では、最上位の羽根は、第一及び第二の縦枠に固定されており、複数の羽根のうちの最上位の羽根を除く残る羽根は、昇降自在となっており、最下位の羽根は、第一及び第二の長尺体の一端に連結されていると共に昇降自在であってもよく、斯かる例の開口部開閉装置は、開口部における最下位の羽根を先行して上昇させて開口部を開口する一方、当該最下位の羽根を先行して下降させて開口部を閉鎖するようになっていてもよく、また、これらに代えて、本発明の開口部開閉装置では、最上位の羽根は、第一及び第二の長尺体の一端に連結されていると共に昇降自在であってもよく、斯かる例の開口部開閉装置は、開口部における最上位の羽根を先行して下降させて開口部を開口する一方、当該最上位の羽根を先行して上昇させて開口部を閉鎖するようになっていてもよく、この場合、複数の羽根は、昇降自在となっていてもよいが、これに代えて、最下位の羽根は、第一及び第二の縦枠に固定されており、複数の羽根のうちの最下位の羽根を除く残る羽根は、昇降自在となっていてもよい。
【0014】
本発明の開口部開閉装置は、複数の羽根を傾動させる傾動機構を更に具備していてもよく、斯かる傾動機構を具備していると、複数の羽根を傾動させて、複数の羽根による開口部の完全閉鎖、即ち、複数の羽根の夫々の間に隙間を生じさせない開口部の閉鎖と、すだれ状の閉鎖、即ち、複数の羽根の夫々の間に隙間を生じさせた開口部の閉鎖とを選択的に行い得る。
【0015】
本発明の開口部開閉装置は、シャッター装置又はブラインド装置であり、シャッター装置の場合は、建物の入口等に配され、ブラインド装置の場合には、建物の窓等に配されるとよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、操作者による手動操作のし難さを解消できる構成とし得る上に、また、操作者による特定の手動操作で、複数の羽根による開口部の特定の開閉動作を行わせることができる構成にもし得る開口部開閉装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の好ましい実施の形態の例の斜視説明図である。
図2図2は、図1に示す例の一方の縦枠側の平面断面説明図である。
図3図3は、図1に示す例の一方の縦枠側の側面断面説明図である。
図4図4は、図1に示す例の一方の縦枠側の正面断面説明図である。
図5図5は、図1に示す例の他方の縦枠側の平面断面説明図である。
図6図6は、図1に示す例の他方の縦枠側の側面断面説明図である。
図7図7は、図1に示す例の他方の縦枠側の正面断面説明図である。
図8図8は、図1に示す例の動作説明図である。
図9図9は、図1に示す例の動作説明図である。
図10図10は、図1に示す例の動作説明図である。
図11図11は、図1に示す例の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい実施例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に何等限定されないのである。
【実施例】
【0019】
図1から図7において、本例の開口部開閉装置としてのブラインド装置1は、建物の窓等に配されると共に互いに並置された中空の縦枠2及び3、縦枠2及び3を橋絡した横枠としての中空の上枠4、上枠4と同様に縦枠2及び3を橋絡した中空の下枠5並びに縦枠2及び3及び上枠4の上部開口を閉鎖した蓋板6を有した枠体7と、縦枠2及び3並びに上枠4及び下枠5で規定された開口部8に上下方向Vに互いに並置されていると共に開口部8における昇降により開口部8を開閉する複数の羽根9と、複数の羽根9のうちの上下方向Vにおいて隣接された羽根9を相互に接近離反自在に連結する連結機構としてのリンク機構10と、開口部8において昇降させられる羽根9の枚数の増減に応じて増減すると共に開口部8における羽根9の荷重(羽根9に加わる重力)Gの方向(下方向:重力方向)V1と反対の方向(上方向)V2をもった反力Fを発生する反力発生機構11と、複数の羽根9のうちの上下方向Vにおいて最下位の羽根9の昇降で複数の羽根9による開口部8の開閉を行わせるべく、反力発生機構11の可撓性の長尺体12及び13を走行させる走行機構14と、複数の羽根9を傾動させる傾動機構15とを具備しており、最下位の羽根9の昇降で最上位の羽根9及び最下位の羽根9間の羽根9を昇降させて開口部8を開閉するようになっている。
【0020】
縦枠2及び3の夫々は、中空部20を規定する外側側壁部21、外側側壁部21に対面して配された内側側壁部22並びに外側側壁部21及び内側側壁部22を橋絡すると共に互いに対面して配された前壁部23及び後壁部24を有して一体形成されており、外側側壁部21は、側壁板部25と、上下方向Vに伸びて側壁板部25に一体形成されていると共に後壁部24と協働して案内通路26を規定する案内壁部27と、上下方向Vに伸びて側壁板部25に一体形成されていると共に互いに協働して案内通路28を規定する一対の案内壁部29とを具備しており、内側側壁部22は、上下方向Vに伸びたスリット30並びに長尺体12及び13を通過させる開口31を有している側壁板部32と、上下方向Vに伸びて側壁板部32に一体形成されていると共に後壁部24と協働して案内通路33を規定する案内壁部34とを具備しており、後壁部24は、後壁板部35と、後壁板部35に一体形成された円弧状の案内壁部36及び37とを具備しており、案内通路26及び案内壁部27は、上下方向Vに直交する水平方向(横方向)Hにおいて案内通路33及び案内壁部34に対峙している。
【0021】
上枠4は、水平方向Hの両端で縦枠2及び3の夫々の中空部20に夫々の開口31を介して連通した中空部40を規定する後壁部41、後壁部41に対面した前壁部42、後壁部41及び前壁部42を橋絡した底壁部43を有して一体形成されており、後壁部41は、後壁板部44と、水平方向Hに伸びて後壁板部44に一体形成されていると共に互いに協働して案内通路45を規定する一対の案内壁部46と、水平方向Hに伸びて後壁板部44に一体形成されていると共に底壁部43と協働して案内通路47を規定する案内壁部48とを具備しており、一対の案内壁部46の一方は、その一端で縦枠3の後壁部24の案内壁部36の一端に連接しており、案内壁部48は、その一端で縦枠2の後壁部24の案内壁部37の一端に連接している。
【0022】
羽根9の夫々は、水平方向Hにおいて伸びて長尺であって円弧凸表面及び円弧凹裏面を有した円弧板部50、円弧板部50の前縁及び後縁に一体的に形成された半円筒部51及び52並びに円弧板部50の円弧凹裏面に一体的に形成された一対の爪部53を具備した羽根本体54と、円弧板部50の長手方向における夫々の端部55をリンク機構10に取付ける取付具56とを具備しており、各取付具56は、対応の円弧板部50の端部55に爪部53を介して嵌合固定された取付板部57と、一端で取付板部57に固着されていると共にスリット30を通った軸部材58と、軸部材58が回転自在に貫通していると共にスリット30において側壁板部32に嵌合された嵌合部材59とを具備しており、嵌合部材59のうちで最上位の縦長の嵌合部材59は、上下方向Vに移動しないように、スリット30において側壁板部32に嵌合固定されている一方、最上位の嵌合部材59を除く他の嵌合部材59は、上下方向Vに移動自在となるように、スリット30において側壁板部32に上下方向Vに滑り移動自在に嵌合されており、而して、最上位の羽根9は、側壁板部32に嵌合固定された嵌合部材59に軸部材58を介して吊下げられて縦枠2及び3に傾動自在(軸部材58を中心として方向Rに回転自在)に固定されており、複数の羽根9のうちの最上位の羽根9を除く残る羽根9は、軸部材58を中心として方向Rに回転自在であって上下方向Vに昇降自在となっている。
【0023】
縦枠2及び3の夫々の中空部20に配されたリンク機構10は、軸部材70を介して互いに軸部材70を中心として方向rに回転自在に連結されて折り畳み自在となっている複数の前縁リンク部材71の列と、軸部材72を介して互いに軸部材72を中心として方向rに回転自在に連結されて折り畳み自在となっている複数の後縁リンク部材73の列と、最上位及び最下位の前縁リンク部材71及び後縁リンク部材73並びにそれらに続く一つ置きの前縁リンク部材71及び後縁リンク部材73に夫々軸部材70及び72を介して軸部材70及び72を中心として方向rに回転自在に連結されていると共に略中央部に軸部材58の他端が固着された横部材74の列と、軸部材70及び72を介して相互に回転自在に連結された複数の前縁リンク部材71及び後縁リンク部材73の夫々の折り畳み方向を決定すべく、一つ置きの前縁リンク部材71及び後縁リンク部材73の夫々に一体的に形成された折り曲げ部75とを具備している。
【0024】
前縁リンク部材71及び後縁リンク部材73は、最下位の横部材74の上昇においては、各横部材74での軸部材70及び72を除いて対応の軸部材70及び72が互いに接近するように折り曲げ部75に規制されて折り畳まれるようになっており、折り畳まれた前縁リンク部材71と後縁リンク部材73とは、水平方向Hにおいて互いに離間して重なるようになっている一方、最下位の横部材74の降下においては、各横部材74での軸部材70及び72を除いて対応の軸部材70及び72が互いに離反して、前縁リンク部材71と後縁リンク部材73とは、上下方向Vに伸びるようになっており、而して、リンク機構10の夫々は、複数の羽根9のうちの上下方向Vにおいて隣接された羽根9を相互に上下方向Vにおいて接近離反自在に連結している。
【0025】
反力発生機構11は、一端80では縦枠2側において複数の羽根9のうちの最下位の羽根9に連結機構81を介して連結されていると共に他端82では縦枠3内、即ち、縦枠3の中空部20において上下方向Vに昇降自在になっており、且つ、上枠4内、即ち、上枠4の中空部40を通って上下方向V及び水平方向Hに走行自在、即ち、方向Aと方向Aに対して逆の方向Bに走行自在に配された長尺体12と、一端83では縦枠3側において複数の羽根9のうちの最下位の羽根9に連結機構84を介して連結されていると共に他端85では縦枠2内、即ち、縦枠2の中空部20において上下方向Vに昇降自在になっており、且つ、上枠4内、即ち、上枠4の中空部40を通って上下方向V及び水平方向Hに走行自在、即ち、方向Cと方向Cに対して逆の方向Dとに走行自在に配された長尺体13と、長尺体12及び13の上下方向V及び水平方向Hの走行、即ち、長尺体12の方向A及びBの走行及び長尺体13の方向C及びDの走行の夫々を案内する案内機構86及び87とを具備している。
【0026】
長尺体12は、一方向のみに撓み(曲がり)得るノーバックチエーン91を具備した長尺体本体92と、ノーバックチエーン91の縦枠3の中空部20において昇降するノーバックチエーン91の他端でもある他端82を含む部位に取付けられた重錘列93とを、長尺体13は、ノーバックチエーン91と同様に一方向のみに撓み(曲がり)得るノーバックチエーン94を具備した長尺体本体95と、ノーバックチエーン94の縦枠2の中空部20において昇降するノーバックチエーン94の他端でもある他端85を含む部位に取付けられた重錘列96とを夫々具備しており、重錘列93及び96の夫々は、ノーバックチエーン91及び94の夫々のピンの両端に夫々回転自在に取付けられていると共に夫々質量の大きい金属からなるローラ等の複数の重錘97を具備しており、ノーバックチエーン91の走行に伴う重錘列93の走行は、上枠4の中空部40では、一対の案内壁部46のうちの下方の案内壁部46への重錘97の回転接触を伴う一対の案内壁部46による上下方向Vの変動規制をもって案内されて行われ、縦枠3の中空部20では、縦枠3における後壁部24と案内壁部27及び34とによる前後方向の変動規制をもって案内されて行われ、ノーバックチエーン94の走行に伴う重錘列96の走行は、上枠4の中空部40では、底壁部43への重錘97の回転接触を伴う底壁部43と案内壁部48とによる上下方向Vの変動規制をもって案内されて行われ、縦枠2の中空部20では、縦枠2における後壁部24と案内壁部27及び34とによる前後方向の変動規制をもって案内されて行われる。
【0027】
連結機構81は、一方では、ノーバックチエーン91の一端でもある一端80に回転自在に連結されており、他方では、最下位の羽根9の縦枠2側における取付具56の軸部材58の他端に回転自在に連結された連結板100と、連結板100に回転自在に取付けられていると共に縦枠2の案内通路28に上下方向Vに離間して配された一対のローラ101とを具備しており、連結機構81と同様の連結機構84は、一方では、ノーバックチエーン94の一端でもある一端83に回転自在に連結されており、他方では、最下位の羽根9の縦枠3側における取付具56の軸部材58の他端に回転自在に連結された連結板102と、連結板102に回転自在に取付けられていると共に縦枠3の案内通路28に上下方向Vに離間して配された一対のローラ103とを具備しており、而して、最下位の羽根9は、連結機構81及び84を介してノーバックチエーン91及び94の一端80及び83、即ち、長尺体12及び13の一端80及び83に連結されている。
【0028】
案内機構86は、長尺体12の縦枠2及び上枠4間の上下方向V及び水平方向Hの相互の走行を案内する転向回転体としてのスプロケットホイール111と、長尺体12の縦枠3及び上枠4間の上下方向V及び水平方向Hの相互の走行を案内する転向回転体としてのスプロケットホイール112とを具備しており、ノーバックチエーン91に噛合うスプロケットホイール111は、縦枠2の後壁部24に軸部材113を介して回転自在に取付けられており、同じくノーバックチエーン91に噛合うと共にスプロケットホイール111よりも大径のスプロケットホイール112は、縦枠3の後壁部24に軸部材114を介して回転自在に取付けられており、スプロケットホイール111へのノーバックチエーン91の噛合いは、スプロケットホイール111と協働してノーバックチエーン91の上下方向V及び水平方向Hの相互の走行を案内する縦枠2の案内壁部36で確保されるようになっており、スプロケットホイール112へのノーバックチエーン91の噛合いは、スプロケットホイール112と協働してノーバックチエーン91の上下方向V及び水平方向Hの相互の走行を重錘列93に対しての案内を介して案内する縦枠3の案内壁部36で確保されるようになっている。
【0029】
案内機構87は、長尺体13の縦枠2及び上枠4間の上下方向V及び水平方向Hの相互の走行を案内する転向回転体としてのスプロケットホイール121と、長尺体13の縦枠3及び上枠4間の上下方向V及び水平方向Hの相互の走行を案内する転向回転体としてのスプロケットホイール122とを具備しており、ノーバックチエーン94に噛合うスプロケットホイール121は、縦枠2の後壁部24に軸部材123を介して回転自在に取付けられており、同じくノーバックチエーン94に噛合うと共にスプロケットホイール121よりも小径のスプロケットホイール122は、縦枠3の後壁部24に軸部材124を介して回転自在に取付けられており、スプロケットホイール121へのノーバックチエーン94の噛合いは、スプロケットホイール121と協働してノーバックチエーン94の上下方向V及び水平方向Hの相互の走行を重錘列96に対しての案内を介して案内する縦枠2の案内壁部37で確保されるようになっており、スプロケットホイール122へのノーバックチエーン94の噛合いは、スプロケットホイール122と協働してノーバックチエーン94の上下方向V及び水平方向Hの相互の走行を案内する縦枠3の案内壁部37で確保されるようになっている。
【0030】
走行機構14は、上枠4の後壁部41及び前壁部42に回転自在に支持された軸部材131と、軸部材131に固着された玉チェーン用のホイール132と、ホイール132に捲き掛けられていると共に建物の室内側に垂れ下がって手動で走行させることができる無端の玉チェーン133と、軸部材131に固着されていると共に長尺体12及び13のノーバックチエーン91及び94の夫々に噛合って係合する係合回転体としてのスプロケットホイール134と、玉チェーン133に対する手動操作で当該玉チェーン133の走行を一時的に禁止する図示しない公知のラチェット機構とを具備しており、玉チェーン133に対する手動操作で、ホイール132を介してスプロケットホイール134が回転されると、ノーバックチエーン91及び94を同期して方向A及びC又は方向B及びDに走行させるようになっている。
【0031】
傾動機構15は、上枠4の前壁部42に取付けられた支持部材141と、支持部材141の一対の鍔部142を上下方向Vに移動自在に貫通して支持部材141に支持された操作棒143と、操作棒143の上端に取付けられていると共にスリット144を有した係合部材145と、係合部材145のスリット144を貫通していると共に最上位の羽根9における半円筒部52内に挿入されて当該半円筒部52に固定された丸棒146と、操作棒143の下端に取付けられた操作ノブ147と、上下方向Vにおける適宜の位置で操作棒143を解除自在に係止させる係止機構148と、操作棒143の上下方向Vにおける昇降において一対の鍔部142の夫々に接触して操作棒143の上下方向Vの昇降自在範囲を限定するように、操作棒143に取付けられた停止板149及び150とを具備しており、係止機構148は、操作棒143に上下方向Vに一列に配列されて設けられた複数の円弧突起151と、支持部材141に設けられていると共に支持部材141の上下方向Vの移動で円弧突起151間の凹所のいずれか一つに弾性的に係合する板ばね152とを具備している。
【0032】
以上のブラインド装置1では、図1図3図6及び図8に示すように複数の羽根9が開口部8を閉鎖するように開口部8の全体に亘って配され且つ各羽根本体54が略水平方向Hに向くように傾動された状態において、玉チェーン133の一方の方向の走行に対する手動操作がなされて、ホイール132及び軸部材131を介してスプロケットホイール134が回転され、この回転によりノーバックチエーン91が方向Aに、ノーバックチエーン94が方向Cに夫々走行されると、ノーバックチエーン91及び94の方向A及びCのスプロケットホイール111及び112並びに121及び122の回転を伴う走行と共にノーバックチエーン91及び94の一端80及び83に連結されている連結板100及び102も案内通路28での一対のローラ101及び103の案内移動に補助されて上昇され、この上昇で連結板100及び102に連結された最下位の羽根9も、当該最下位の羽根9と最下位の羽根9に上方で隣接する羽根9との間の前縁リンク部材71と後縁リンク部材73との折り畳みを伴って上昇され、最下位の羽根9の上昇での当該最下位の羽根9の嵌合部材59の最下位の羽根9に上方で隣接する羽根9の嵌合部材59への衝突により最下位の羽根9に上方で隣接する羽根9も上下方向Vにおいて上昇され、以下、玉チェーン133の一方の方向の更なる手動走行で、最下位の羽根9に上方で隣接する羽根9よりも上方に位置する羽根9も同様にして次々に上下方向Vにおいて上昇されて、上昇される羽根9の枚数(個数)が増加する一方、ノーバックチエーン91及び94の他端82及び85の夫々は、縦枠3の中空部20及び縦枠2の中空部20の夫々において下降され、この下降で他端82及び85並びに他端82及び85に続くノーバックチエーン91及び94に取付けられている重錘列93及び96の夫々の重錘97も縦枠3の中空部20及び縦枠2の中空部20の夫々において下降されると共にこの下降と伴に上枠4の中空部40の重錘列93及び96の夫々の重錘97も縦枠3の中空部20及び縦枠2の中空部20に引き出され、縦枠3の中空部20及び縦枠2の中空部20の夫々に垂れ下がって位置する重錘97の個数が増加し、ノーバックチエーン91及び94の他端82及び85側での中空部20での重錘97の個数の増加に伴ってノーバックチエーン91及び94の一端80及び83には、増加した重錘97の重量に応じた方向V2をもった増大する反力Fが生じ、反力Fの増大と共にスプロケットホイール134の更なる回転で最上位の羽根9を除く複数の羽根9の全体が上昇されることにより、図9及び図10に示すように開口部8が開放され、斯かる開口部8の開放状態の維持は、玉チェーン133の走行をラチェット機構で禁止させることにより行い得る。
【0033】
而して、ブラインド装置1では、最下位の羽根9の開口部8での上昇は、スプロケットホイール134の回転に基づく手動操作力に加えて、その上昇で縦枠2及び3の中空部20の夫々において長尺体12及び13の部位の重量に基づいて、具体的には、ノーバックチエーン91及び94の増加する部位の重量と個数が増加する重錘97の重量との合計重量に基づいて反力発生機構11で発生される増大する反力Fのノーバックチエーン91及び94の一端80及び83への付加によって行われるようになっている結果、開口部8の閉鎖から開放における玉チェーン133への手動操作力を、上昇させる羽根9の枚数(個数)の増加に応じて大きくする必要がなく、従って、ブラインド装置1によれば、反力発生機構11で発生される増大する反力Fによって開口部8の閉鎖から開放における操作者による手動操作のし難さを解消できる。
【0034】
また、ブラインド装置1では、図9及び図10に示すように複数の羽根9が開口部8を開放するように開口部8の上方に配された状態において、玉チェーン133の走行のラチェット機構による解除と共に玉チェーン133の他方の方向の走行に対する手動操作がなされて、ホイール132及び軸部材131を介してスプロケットホイール134が回転され、この回転によりノーバックチエーン91が方向Bに、ノーバックチエーン94が方向Dに夫々走行されると、ノーバックチエーン91及び94の方向B及びDのスプロケットホイール111及び112並びに121及び122の回転を伴う走行と共にノーバックチエーン91及び94の一端80及び83に連結されている連結板100及び102も案内通路28での一対のローラ101及び103の案内移動に補助されて下降され、この下降で連結板100及び102に連結された最下位の羽根9も、最上位の羽根9と最上位の羽根9に下方で隣接する羽根9との間の前縁リンク部材71と後縁リンク部材73との折り畳みの解除と最上位の羽根9に下方で隣接する羽根9と最下位の羽根9との間の複数の羽根9の下降を伴って上下方向Vにおいて下降され、以下、玉チェーン133の他方の方向の更なる手動走行で、上方から下方に向かっての前縁リンク部材71と後縁リンク部材73との折り畳みの次々の解除を伴っての羽根9の下降で下降される羽根9の枚数(個数)が減少する一方、ノーバックチエーン91及び94の他端82及び85の夫々は、縦枠3の中空部20及び縦枠2の中空部20の夫々において上昇され、この上昇で他端82及び85並びに他端82及び85に続くノーバックチエーン91及び94に取付けられている重錘列93及び96の夫々の重錘97も縦枠3の中空部20及び縦枠2の中空部20の夫々において上昇されて上枠4の中空部40に移動され上枠4の中空部40に引き戻されて下方の案内壁部46及び底壁部43で支持され、縦枠3の中空部20及び縦枠2の中空部20の夫々に垂れ下がって位置する重錘97の個数が減少し、中空部20での重錘97の個数の減少に伴ってノーバックチエーン91及び94の一端80及び83には、減少した重錘97の重量に応じた方向(上方向)V2をもった減少する反力Fが生じ、反力Fの減少と共にスプロケットホイール134の更なる回転で最下位の羽根9を除く複数の羽根9の全体が下降されることにより、図1図3図6及び図8に示すように複数の羽根9の全体で開口部8が閉鎖される。
【0035】
而して、ブラインド装置1においては、スプロケットホイール134の回転に基づく手動操作力による最下位の羽根9の開口部8での下降では、縦枠2及び3の中空部20の夫々において長尺体12及び13の部位の重量に基づいて、具体的には、ノーバックチエーン91及び94の減少する部位の重量と個数が減少する重錘97の重量との合計重量に基づく減少する反力Fがノーバックチエーン91及び94の一端80及び83に対して反力発生機構11で発生される結果、ブラインド装置1によれば、開口部8の開放から閉鎖における玉チェーン133への手動操作力を、下降させる羽根9の枚数(個数)の減少に相俟って、一定にでき、従って、ブラインド装置1によれば、反力発生機構11で発生される減少する反力Fによって開口部8の開放から閉鎖における操作者による手動操作のし難さを解消できる。
【0036】
更に、上記のブラインド装置1では、玉チェーン133の走行に対する手動操作に代えて、手動にて最上位の羽根9を直接持上げ又は引下げることにより、開口部8の開放又は閉鎖を軽く行い得、斯かる観点からも、開口部8の開閉の操作者による手動操作のし難さを解消できる。
【0037】
更に、ブラインド装置1においては、図1図3図6及び図8に示す開口部8の全体のすだれ状の閉鎖、即ち、複数の羽根9の夫々の間に隙間を生じさせた開口部8の全体の閉鎖において又は図1図3図6及び図8に示す開口部8の閉鎖状態と図9及び図10に示す開口部8の開放状態との間の開口部8の部分的なすだれ状の閉鎖において、停止板150を一対の鍔部142の下方の鍔部142に接触させるまで操作ノブ147を上昇させて操作棒143を介して同じく係合部材145を上昇させ、この上昇でスリット144において係合部材145に係合した丸棒146を介して最上位の羽根9の羽根本体54を軸部材58を中心として方向Rに回転させると共にこの回転に連れて前縁リンク部材71及び後縁リンク部材73を介して最上位の羽根9よりも下位の羽根9も軸部材58を中心として方向Rに回転させることにより、図11に示すように、複数の羽根9の全体を傾動させて、傾動させた複数の羽根9の全体で開口部8を完全に閉鎖させることができ、この完全な閉鎖状態を板ばね152の円弧突起151間の一つの凹所への弾性的な係合で維持することができ、そして、複数の羽根9の傾動状態の変更は、操作ノブ147を昇降させて、板ばね152の円弧突起151間の他の凹所への弾性的な係合で操作ノブ147の昇降位置を維持することにより行うことができ、更に図11に示す複数の羽根9の傾動状態を解除して、図1図3図6及び図8に示す開口部8の閉鎖状態に戻す場合には、停止板149を一対の鍔部142の上方の鍔部142に接触させるまで操作ノブ147を下降させて操作棒143を介して同じく係合部材145を下降させ、この下降でスリット144において係合部材145に係合した丸棒146を介して最上位の羽根9の羽根本体54を軸部材58を中心として方向Rに回転させると共にこの回転に連れて前縁リンク部材71及び後縁リンク部材73を介して最上位の羽根9よりも下位の羽根9も軸部材58を中心として方向Rに回転させればよい。
【0038】
以上のブラインド装置1では、開口部8における複数の羽根9のうちの上下方向Vにおいて最下位の羽根9を先行して上昇させて開口部8を開口する一方、当該最下位の羽根9を先行して下降させて開口部8を閉鎖するようになっているが、例えば、特開2011−132806号公報に記載のように、開口部8の開口状態では、複数の羽根9を開口部8の下方に互いに重ね合わせて配置し、開口部8の閉鎖に際しては、開口部8における互いに重ね合わされた複数の羽根9のうちの上下方向Vにおいて最上位の羽根9を先行して上昇させて、最上位の羽根9の上昇によりリンク機構10を介して次々に連れて残る下方の羽根9を上昇させて開口部8を閉鎖する一方、開口部8の開口に際しては、当該最上位の羽根9を先行して下降させて、最上位の羽根9の下降によりリンク機構10を介して次々に連れて残る下方の羽根9を下降させて開口部8を開口するようになっているブラインド装置であってもよい。
【0039】
また、以上のブラインド装置1では、重錘97の夫々の重量を同一としたが、例えば、他端82及び85から一端80及び83に向かって重錘97の夫々の重量を徐々に大きくしてもよく、また、他端82及び85からの重錘列93及び96の長さを縦枠2及び3の高さ程度としたが、他端82及び85から一端80及び83までノーバックチエーン91及び94に重錘97が設けられ重錘列93及び96の長さとしてもよく、更には、重錘97を設けることなしに、ノーバックチエーン91及び94の個々のチエーン素子自体を重錘としてもよい。
【0040】
更に、ブラインド装置1における走行機構14は、スプロケットホイール134を手動操作可能な玉チェーン133で回転させるようになっているが、これに代えて又はこれと共に電動モータでスプロケットホイール134を回転させるようになっていてもよい。
【0041】
加えて、ブラインド装置1における連結機構は、板状の前縁リンク部材71及び後縁リンク部材73を具備したリンク機構10からなっているが、斯かる連結機構は、板状の前縁リンク部材71及び後縁リンク部材73に代えて、羽根9を相互に接近離反自在に連結する紐又はワイヤを具備して構成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 ブラインド装置
2、3 縦枠
4 上枠
7 枠体
8 開口部
9 羽根
10 リンク機構
11 反力発生機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11