(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成システム100の全体構成を概略的に示す図である。
図2は、本実施の形態に係る画像形成システム100が備える画像形成装置2の制御系の主要部を示す。画像形成システム100は、
図1において太線で示す長尺紙Pまたは用紙S(非長尺紙)を記録媒体として使用し、当該長尺紙P上または用紙S上に画像を形成するシステムである。ここで、長尺紙Pとは、連帳ロール紙や折り畳み紙等の連続した用紙で、搬送方向において所定の長さ(例えば、画像形成装置2の本体幅(
図1における左右方向の幅))を超える長さを有する用紙である。
【0020】
図1に示すように、画像形成システム100は、長尺紙Pの搬送方向(以下、「用紙搬送方向」とも言う)に沿って上流側から、給紙装置1、画像形成装置2および巻き取り装置3が接続されて構成される。給紙装置1および巻き取り装置3は、長尺紙P上に画像を形成する場合に使用される。
【0021】
給紙装置1は、長尺紙Pを画像形成装置2へ給紙する装置である。給紙装置1の筐体内では、
図1に示すように、ロール状の長尺紙Pが支持軸に巻回されて回転可能に保持されている。給紙装置1は、支持軸に巻回された長尺紙Pを、複数の搬送ローラー対(例えば、繰り出しローラー、給紙ローラー等)を経由して、一定の速度で画像形成装置2へ搬送する。給紙装置1の給紙動作は、画像形成装置2が備える制御部101(
図2参照)によって制御される。
【0022】
なお、給紙装置1において、長尺紙Pは、必ずしもロール状に保持されている必要はなく、所定サイズ(例えば、210[mm]×1200[mm])の複数の長尺紙Pが保持されていても良い。
【0023】
画像形成装置2は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置2は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に転写(一次転写)し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙装置1から給紙された長尺紙P、または、給紙トレイユニット51a〜51cから送出された用紙Sに転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
【0024】
また、画像形成装置2には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
【0025】
図2に示すように、画像形成装置2は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、圧接力調整部80、温度検出部90、冷却部91A,91Bおよび制御部101を備える。
【0026】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備える。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置2の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
【0027】
制御部101は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて長尺紙Pまたは用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
【0028】
画像読取部10は、
図1に示すADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
【0029】
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
【0030】
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
【0031】
図2において、操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部101から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部101に出力する。
【0032】
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部101の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
【0033】
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
【0034】
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。
図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
【0035】
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414およびドラムクリーニング装置415等を備える。
【0036】
感光体ドラム413は、例えばドラム径が80[mm]のアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
【0037】
制御部101は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
【0038】
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
【0039】
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
【0040】
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
【0041】
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、およびベルトクリーニング装置426等を備える。
【0042】
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
【0043】
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に体積抵抗率が8〜11[logΩ・cm]である高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部101からの制御信号によって回転駆動される。なお、中間転写ベルト421については、導電性および弾性を有するものであれば、材質、厚さおよび硬度を限定しない。
【0044】
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
【0045】
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から長尺紙Pまたは用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
【0046】
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加して、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
【0047】
その後、長尺紙Pまたは用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が長尺紙Pまたは用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加して、長尺紙Pまたは用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は長尺紙Pまたは用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された長尺紙Pまたは用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
【0048】
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用しても良い。
【0049】
定着部60は、長尺紙Pまたは用紙Sの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、長尺紙Pまたは用紙Sの裏面(定着面と反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、および断熱部材介挿部60C等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、長尺紙Pまたは用紙Sを狭持して搬送する定着ニップ部が形成される。
【0050】
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた長尺紙Pまたは用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、長尺紙Pまたは用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材又は裏面側支持部材から長尺紙Pまたは用紙Sを分離させるエア分離ユニットが配置されていても良い。
【0051】
上側定着部60Aは、定着面側部材である加熱ローラー63を有する(ローラー定着方式)。加熱ローラー63は、例えば鉄等からなる円柱状の芯金の外周面に、シリコンゴム等からなる弾性層と、PFA(フッ素樹脂)チューブからなる表層が順に積層形成された構成を有する。また、加熱ローラー63は、加熱源(ハロゲンヒーター)を内蔵し、加熱ローラー63自体を加熱する。加熱ローラー63の加熱源の温度は、制御部101によって制御される。加熱ローラー63は、トナー像が形成された長尺紙Pまたは用紙Sに接触して、当該トナー像を長尺紙Pまたは用紙Sに定着温度(例えば、160〜200[℃])で加熱定着する。ここで、定着温度とは、長尺紙Pまたは用紙S上のトナーを溶融するのに必要な熱量を供給しうる温度であり、画像形成される長尺紙Pまたは用紙Sの紙種等によって異なる。
【0052】
加熱ローラー63の駆動制御(例えば、回転のオン/オフ、周速度等)は、制御部101によって行われる。制御部101は、加熱ローラー63を時計回り方向に回転させる。
【0053】
下側定着部60Bは、裏面側支持部材である加圧ローラー64を有する(ローラー加圧方式)。加圧ローラー64は、加熱ローラー63と同様に、例えば鉄等からなる円柱状の芯金の外周面に、シリコンゴム等からなる弾性層と、PFAチューブからなる表層が順に積層形成された構成を有する。加圧ローラー64は、圧接離間部80(
図2参照)により加熱ローラー63に所定の定着荷重(例えば、1000[N])で圧接される。圧接力調整部80は、加圧ローラー64の加熱ローラー63への圧接力を調整する。また、圧接力調整部80は、加熱ローラー63と加圧ローラー64とを互いに圧接および離間させる。加圧ローラー64が加熱ローラー63に圧接することで、加熱ローラー63と加圧ローラー64との間には、長尺紙Pまたは用紙Sを狭持して搬送する定着ニップ部が形成される。圧接力調整部80における圧接力の調整は、後述する断熱部材130(
図4参照)が定着ニップ部に介挿される際に行われる。断熱部材130の定着ニップ部への介挿と連動して行われる。加圧ローラー64の駆動制御(例えば、回転のオン/オフ、周速度等)および圧接力調整部80の駆動制御は、制御部101によって行われる。制御部101は、加圧ローラー64を反時計回り方向に回転させる。
【0054】
図3は、加熱ローラー63と加圧ローラー64が圧接したときと、離間したときのそれぞれの状態を示す図である。
図3の(a)は圧接中の状態、
図3の(b)は離間中の状態である。
図3の(a)に示すように、長尺紙Pの搬送時において、圧接力調整部80は、制御部101の制御を受けて、加熱ローラー63と加圧ローラー64とを互いに圧接させる。加圧ローラー64が加熱ローラー63に圧接することで、加熱ローラー63と加圧ローラー64との間に定着ニップ部NPが形成される。また、
図3の(b)に示すように、圧接力調整部80は、制御部101の制御を受けて、加熱ローラー63と加圧ローラー64とを互いに離間させることもできる。
【0055】
断熱部材介挿部60Cは、長尺紙Pを使用した場合で、長尺紙Pの定着面に形成されたトナー像を定着する定着処理が行われたときに、定着ニップ部NPに断熱部材130(
図4参照)を介挿する。すなわち、2つの断熱部材130の一方を上側定着部60Aの加熱ローラー63と長尺紙Pの定着面側との間に介挿し、他方の断熱部材130を下側定着部60Bの加圧ローラー64と長尺紙Pの裏面側との間に介挿する。
【0056】
断熱部材介挿部60Cが断熱部材130の介挿を行う際、圧接力調整部80は、制御部101の制御を受けて、加熱ローラー63と加圧ローラー64との間の圧接力(すなわち、定着ニップ部NPの圧力)を若干弱めて、断熱部材130の介挿を容易にする。定着ニップ部NPに断熱部材130を介挿することで、加熱ローラー63と加圧ローラー64からの熱(すなわち、定着ニップ部NPにおける熱)の長尺紙Pへの影響を抑えることができる。
【0057】
断熱部材130は、柔軟性を有するとともに定着温度に耐えられる耐熱性を有する材料でシート状に形成されたものである。断熱部材130の長さ(搬送方向)は、定着ニップ部NPの熱の影響を受ける範囲を鑑みて、少なくとも定着ニップ部NPのニップ幅よりも長く、好ましくは、加熱ローラー63および加圧ローラー64のうちの大きい方の直径と同程度以上である。断熱部材130の幅(軸方向)は、少なくとも長尺紙Pの幅よりも広い。断熱部材130の材料としては、フッ素樹脂、PI(ポリイミド樹脂)、シリコンゴム、シリコンスポンジ、不織布、紙(厚紙)が好適であるが、柔軟性を有するとともに定着温度に耐えられる耐熱性を有し、シート状に形成できるものであればどのようなものでも構わない。
【0058】
ここで、連続紙である長尺紙Pは、その一部が常に定着ニップ部NPにあるため、定着処理時以外は、定着ニップ部NPにおける熱の影響を受けて、定着ニップ部NPにおける部分が変形する虞がある。長尺紙Pに部分的に変形が生じた場合、その部分が加熱ローラー63や加圧ローラー64に傷を付けたり、加熱ローラー63または加圧ローラー64に引っかかって引き込まれてしまう用紙巻き付きジャムが発生したりする。
【0059】
熱による長尺紙Pへの影響を抑えるために、本実施の形態では、用紙搬送時以外で加熱を行っている場合、加熱ローラー63と加圧ローラー64との間に断熱部材130を介挿するようにしている。
【0060】
図4は、断熱部材介挿部60Cの概略構成を示す図である。同図の(a)は、定着処理中の状態を示し、同図の(b)は定着処理終了後の状態を示している。同図に示すように、断熱部材介挿部60Cは、2枚の断熱部材130−1,130−2および断熱部材130−1,130−2を搬送する2組の駆動ローラー部140−1,140−2を有している。駆動ローラー部140−1は、対向配置された2個の駆動ローラーを少なくとも1組有し、これらの駆動ローラーで断熱部材130−1を狭持して加熱ローラー63と長尺紙Pの定着面側の間を往復搬送する。駆動ローラー部140−2も駆動ローラー部140−1と同様に、対向配置された2個の駆動ローラーを少なくとも1組有し、これらの駆動ローラーで断熱部材130−2を狭持して加圧ローラー64と長尺紙Pの裏面側の間を往復搬送する。なお、図中点線の矢印は断熱部材130−1,130−2の搬送方向を示している。この矢印は示す意味は、後述する実施の形態2および3においても同様である。また、長尺紙Pの搬送方向は、図中の右から左の方向である。これも、後述する実施の形態2および3において同様である。また、図中、加熱ローラー63と加圧ローラー64とが互いに圧接していないように示されているが、これは図示事項を見やすくするためであり、実際には加熱ローラー63と加圧ローラー64とは互いに圧接して定着ニップ部NPを形成している。
【0061】
断熱部材130−1,130−2を往復搬送する動作は、画像形成装置2が備える制御部101によって制御される。すなわち、断熱部材介挿部60Cは、制御部101の制御によって動作する。
【0062】
断熱部材130−1,130−2は、長尺紙Pの定着面に形成されたトナー像を定着する定着処理中は定着ニップ部NPから離れた場所に退避されて、定着処理を妨げないように、あるいは定着ニップ部NPにおける熱の影響を受けないようにしている。
【0063】
定着処理が終了すると、断熱部材介挿部60Cは、駆動ローラー部140−1の各駆動ローラーを回転させて、断熱部材130−1を、退避場所から、定着ニップ部NPが形成される加熱ローラー63と長尺紙Pの定着面側の間に向けて搬送するとともに、駆動ローラー部140−2の各駆動ローラーを回転させて、断熱部材130−2を、退避場所から、定着ニップ部NPが形成される加圧ローラー64と長尺紙Pの裏面側の間に向けて搬送する。断熱部材130−1,130−2の搬送方向は、用紙搬送方向上流側から用紙搬送方向下流側に向かう方向である。また、断熱部材130−1,130−2を搬送するときには、圧接力調整部80によって、定着ニップ部NPにおける圧力が若干弱められる。
【0064】
断熱部材介挿部60Cは、断熱部材130−1,130−2の搬送開始後、断熱部材130−1,130−2が定着ニップ部NPに到達すると搬送を止める。
【0065】
このように、断熱部材介挿部60Cは、定着処理終了時に、定着ニップ部NPが形成される加熱ローラー63と長尺紙Pの定着面側の間に向けて断熱部材130−1を搬送するとともに、定着ニップ部NPが形成される加圧ローラー64と長尺紙Pの裏面側の間に向けて断熱部材130−2を搬送して、これら断熱部材130−1,130−2で長尺紙Pの定着ニップ部NPにおける部分を挟み込むので、定着ニップ部NPにおける熱が長尺紙Pに伝わり難くなり、長尺紙Pの熱による変形を抑えることができる。また、長尺紙Pの熱による変形を抑えることができることで、無駄な用紙の発生を防ぐことができる。
【0066】
断熱部材介挿部60Cは、定着処理再開時には、定着ニップ部NPが形成される加熱ローラー63と長尺紙Pの定着面側の間にある断熱部材130−1を退避場所に向けて搬送するとともに、定着ニップ部NPが形成される加圧ローラー64と長尺紙Pの裏面側の間にある断熱部材130−2を退避場所に向けて搬送する。
【0067】
なお、断熱部材130−1,130−2の定着処理終了後の搬送開始タイミングは、加熱ローラー63および加圧ローラー64の回転が完全に停止する直前にするのが好ましい。さらに、定着ニップ部NPへの断熱部材130−1,130−2の搬入速度およびその減速は、定着ニップNPへの長尺紙Pの搬入速度およびその減速に合わせることが好ましい。このようにすることで、断熱部材130−1,130−2が長尺紙Pに擦れることなく、断熱部材130−1,130−2を定着ニップ部NPへ向けて搬送することができる。断熱部材130−1,130−2が長尺紙Pに擦れた場合、特に長尺紙Pの定着面側に形成されたトナー像を傷付けてしまう虞があるが、断熱部材130−1,130−2の搬送を上記のようにすることで、トナー像を傷付けることなく断熱部材130−1,130−2を定着ニップ部NPに介挿することができる。
【0068】
また、断熱部材130−1,130−2の搬送方向は、用紙搬送上流側から下流側に向かう方向に限らず紙搬送下流側から上流側に向かう方向であってもよい。
【0069】
また、断熱部材130−1,130−2を何度も使用すると、断熱部材130−1,130−2そのものが熱を持ってしまう。そこで、断熱部材130−1,130−2を一度使用したときから、次に使用するまでの間に、温度検出部90で断熱部材130−1,130−2の温度を検出し、検出した温度が所定の温度に達していれば、送風機等の冷却部91A,91Bを動作させて冷やすようにするとよい。但し、加熱ローラー63や加圧ローラー64まで冷やしてしまうと、定着処理に時間がかかってしまうので(必要な定着温度に達するまで加熱しなければならなので)、断熱部材130−1,130−2を冷やす時には送風が加熱ローラー63や加圧ローラー64にかからないように、冷却部91A,91Bの位置を決めることが好ましい。
【0070】
図1において、用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、および搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aを含む複数の搬送ローラー対を有する。
【0071】
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。また、給紙装置1から画像形成装置2へ給紙された長尺紙Pは、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が長尺紙Pの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された長尺紙Pまたは用紙Sは、搬送ローラー対(排紙ローラー対)52aを備えた排紙部52により巻き取り装置3に搬送される。
【0072】
巻き取り装置3は、画像形成装置2から搬送されてきた長尺紙Pを巻き取る装置である。巻き取り装置3の筐体内では、例えば、
図1に示すように、長尺紙Pが支持軸に巻回されてロール状に保持される。そのために、巻き取り装置3は、画像形成装置2から搬送されてきた長尺紙Pを、複数の搬送ローラー対(例えば、繰り出しローラー、排紙ローラー)を経由して、一定の速度で支持軸に巻き取る。巻き取り装置3の巻き取り動作は、画像形成装置2が備える制御部101によって制御される。
【0073】
このように構成した本実施の形態によれば、定着処理終了時に、長尺紙Pの定着ニップ部NPにおける部分と加熱ローラー63との間に断熱部材130−1を介挿し、加圧ローラー64との間に断熱部材130−2を介挿するので、定着ニップ部NPにおける熱が長尺紙Pに伝わり難くなり、長尺紙Pの熱による変形が抑えられる。また、長尺紙Pの熱による変形が抑えられることから、無駄な用紙の発生を防げる。
【0074】
なお、本実施の形態では、シート状の断熱部材130−1,130−2を退避場所でも平面状に広げた状態で使用したが、収納スペースを少なくするために退避場所では丸めた状態にしてもよい。
【0075】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る画像形成システムの画像形成装置について説明する。
図5は、本実施の形態に係る画像形成システム100の画像形成装置2が有する断熱部材介挿部60Dの概略構成を示す図である。同図に示す断熱部材介挿部60Dは、2巻の断熱部材150−1,150−2、断熱部材150−1,150−2を搬送する2組の駆動ローラー部140−1,140−2および断熱部材150−1,150−2を所定長で切断するカッター部200−1,200−2を有している。実施の形態1と共通する構成および動作については詳しい説明を省略する。
【0076】
断熱部材150−1,150−2は、共に同一の長さ、同一の幅を有する長尺帯状に形成されたもので、巻回状態に保持されている。特に、幅方向のサイズは前述した断熱部材介挿部60Cの断熱部材130−1,130−2と同一である。カッター部200−1,200−2は、断熱部材150−1,150−2を切断する。断熱部材150−1,150−2を切断する長さは、前述した断熱部材介挿部60Cの断熱部材130−1,130−2の長さと同程度である。本実施の形態では、断熱部材150−1,150−2を切断して得られた断熱部材片を、長尺紙Pの定着ニップ部NPにおける部分と加熱ローラー63との間および加圧ローラー64との間に介挿するようにしている。
【0077】
駆動ローラー部140−1は、前述したように、対向配置された2個の駆動ローラーを少なくとも1組有し、これらの駆動ローラーで断熱部材150−1を狭持して定着ニップ部NPの加熱ローラー63と長尺紙Pの定着面側の間に向けて搬送する。駆動ローラー部140−2も同様に、対向配置された2個の駆動ローラーを少なくとも1組有し、これらの駆動ローラーで断熱部材150−2を狭持して定着ニップ部NPの加圧ローラー64と長尺紙Pの裏面側の間に向けて搬送する。断熱部材150−1,150−2を搬送させる動作および断熱部材150−1,150−2をカッター部200−1,200−2で切断する動作は、画像形成装置2が備える制御部101によって制御される。すなわち、断熱部材介挿部60Dは、制御部101の制御によって動作する。また、断熱部材介挿部60Dが断熱部材150−1,150−2を搬送する際、圧接力調整部80は、制御部101の制御を受けて、加熱ローラー63と加圧ローラー64との間の圧接力を若干弱めて、断熱部材150−1,150−2の搬送を容易にする。
【0078】
長尺紙Pの定着面に形成されたトナー像を定着する定着処理が終了すると、断熱部材介挿部60Dは、駆動ローラー部140−1,140−2の各駆動ローラーを回転させて、断熱部材150−1を定着ニップ部NPの加熱ローラー63と長尺紙Pの定着面側の間に向けて搬送するとともに、断熱部材150−2を定着ニップ部NPの加圧ローラー64と長尺紙Pの裏面側の間に向けて搬送する。この場合、断熱部材150−1,150−2の搬送方向は、用紙搬送方向上流側から用紙搬送方向下流側に向かう方向である。また、断熱部材150−1,150−2を搬送するときには、定着ニップ部NPの圧力が若干弱められる。
【0079】
断熱部材介挿部60Dは、断熱部材150−1,150−2の搬送を開始した後、断熱部材150−1,150−2が定着ニップ部NPに到達すると搬送を止める。断熱部材150−1,150−2の搬送を止めた後、カッター部200−1,200−2で断熱部材150−1,150−2を切断し、断熱部材片を得る。そして、得られた断熱部材片は、定着処理の再開時に長尺紙Pと一緒に同じ排出口(図示略)に排出される。このように、断熱部材片は使い捨てとなるため、断熱部材150−1,150−2の材料としては、例えば厚紙が好適である。なお、断熱部材片を長尺紙Pと一緒に排出する際に、図示せぬ分離爪によって長尺紙Pから分離させて専用の排出口(図示略)に排出するようにしてもよい。
【0080】
このように構成した本実施の形態によれば、定着処理終了時に、長尺紙Pの定着ニップ部NPにおける部分と加熱ローラー63との間に断熱部材150−1を介挿し、加圧ローラー64との間に断熱部材150−2を介挿するので、定着ニップ部NPにおける熱が長尺紙Pに伝わり難くなり、長尺紙Pの熱による変形が抑えられる。また、長尺紙Pの熱による変形が抑えられることから、無駄な用紙の発生を防げる。
【0081】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る画像形成システムの画像形成装置について説明する。
図6は、本実施の形態に係る画像形成システム100の画像形成装置2が有する断熱部材介挿部60Eの概略構成を示す図である。同図に示す断熱部材介挿部60Eは、2枚の断熱部材130−1,130−2を搬送する少なくとも8組の駆動ローラー部140−1〜140−8および長尺紙Pから断熱部材130−1,130−2を分離するための2個の分離爪160−1,160−2を有している。駆動ローラー部140−1〜140−8のそれぞれは、対向配置された2個の駆動ローラーを少なくとも1組有している。実施の形態1と共通する構成および動作については詳しい説明を省略する。
【0082】
駆動ローラー部140−1〜140−4は、長尺紙Pの定着面側の上方で、加熱ローラー63の周囲で楕円を描く軌跡上に離間配置されている。駆動ローラー部140−5〜140−8は、長尺紙Pの裏面側の下方で、加圧ローラー64の周囲で楕円を描く軌跡上に離間配置されている。長尺紙Pの定着面側の上方に配置された駆動ローラー部140−1〜140−4は、それぞれが有する駆動ローラーで断熱部材130−1を狭持して加熱ローラー63の周りを循環搬送する。長尺紙Pの裏面側の下方に配置された駆動ローラー部140−5〜140−8は、それぞれが有する駆動ローラーで断熱部材130−2を狭持して加圧ローラー64の周りを循環搬送する。断熱部材130−1は時計回りで搬送され、断熱部材130−2は反時計回りで搬送される。断熱部材130−1と断熱部材103−2の回転方向が互いに逆になっているが、同期させているので、断熱部材130−1の先端が定着ニップ部NPに到達するタイミングと、断熱部材130−2の先端が定着ニップ部NPに到達するタイミングが一致する。
【0083】
このように、断熱部材130−1は加熱ローラー63の周囲を時計方向に周回するようにして搬送され、断熱部材130−2は加圧ローラー64の周囲を反時計方向に周回するようにして搬送される。そして、断熱部材130−1,130−2を搬送させる動作は、画像形成装置2が備える制御部101によって制御される。すなわち、断熱部材介挿部60Eは、制御部101の制御によって動作する。
【0084】
長尺紙Pの定着面に形成されたトナー像を定着する定着処理が終了すると、断熱部材介挿部60Eは、駆動ローラー部140−1〜140−4それぞれの駆動ローラーを回転させて、定着ニップ部NPの加熱ローラー63と長尺紙Pの定着面側の間に向けて断熱部材130−1を搬送するとともに、駆動ローラー部140−5〜140−8それぞれの駆動ローラーを回転させて、定着ニップ部NPの加圧ローラー64と長尺紙Pの裏面側の間に向けて断熱部材130−2を搬送する。断熱部材介挿部60Eが断熱部材130−1,130−2を搬送する際、圧接力調整部80は、制御部101Bの制御を受けて、加熱ローラー63と加圧ローラー64との間の圧接力を若干弱めて、断熱部材130−1,130−2の搬送を容易にする。
【0085】
断熱部材介挿部60Eは、断熱部材130−1,130−2の搬送を開始した後、断熱部材130−1,130−2が定着ニップ部NPに到達すると搬送を止める。その後、定着処理が再開されると、断熱部材介挿部60Eは、まず分離爪160−1,160−2それぞれの角度を変更する。この場合の角度は、分離爪160−1,160−2それぞれの先端が長尺紙Pの表面に接触しない程度である。断熱部材介挿部60Eは、分離爪160−1,160−2それぞれの角度を変更した後、駆動ローラー部140−1〜140−4それぞれの駆動ローラーを回転させて、定着ニップ部NPから離れる方向に断熱部材130−1を搬送して分離爪160−1で長尺紙Pから分離させ、定着ニップ部NPから最も離れた位置まで搬送するとともに、駆動ローラー部140−5〜140−8それぞれの駆動ローラーを回転させて、定着ニップ部NPから離れる方向に断熱部材130−2を搬送して分離爪160−3で長尺紙Pから分離させ、定着ニップ部NPから最も離れた位置まで搬送する。この場合、定着ニップ部NPから最も離れた位置とは、例えば断熱部材130−1においては加熱ローラー63の直上の位置であり、断熱部材130−2においては加熱ローラー63の直下の位置である。断熱部材130−1,130−2を定着ニップ部NPから最も離れた位置まで搬送することで、長尺紙Pが定着ニップ部NPから受ける熱の影響を最小限にすることができる。
【0086】
ここで、前述した実施の形態1の場合と同様に、断熱部材130−1,130−2を何度も使用すると、断熱部材130−1,130−2そのものが熱を持ってしまう。そこで、実施の形態3においても、断熱部材130−1,130−2を一度使用したときから、次に使用するまでの間に、温度検出部90で断熱部材130−1,130−2の温度を検出し、検出した温度が所定の温度に達していれば、送風機等の冷却部91A,91Bを動作させて冷やすようにすれるとよい。但し、加熱ローラー63や加圧ローラー64まで冷やしてしまうと、定着処理に時間がかかってしまうので(必要な定着温度に達するまで加熱しなければならなので)、断熱部材130−1,130−2を冷やす時には送風が加熱ローラー63や加圧ローラー64にかからないように、冷却部91A,91Bの位置を決めることが好ましい。最適な位置は、断熱部材130−1を冷やすための冷却部91Aにおいては加熱ローラー63の直上であり、断熱部材130−2を冷やすための冷却部91Bにおいては加圧ローラー64の直下である。
【0087】
また、冷却部91A,91Bを使用しなくても、断熱部材130−1を加熱ローラー63の直上に移動させ、断熱部材130−2を加圧ローラー64の直下に移動させて、温度検出部90で検出した温度が所定の温度を下回るまで待機させるようにすることも可能である。
【0088】
このように構成した本実施の形態によれば、定着処理終了時に、長尺紙Pの定着ニップ部NPにおける部分と加熱ローラー63との間に断熱部材130−1を介挿し、加圧ローラー64との間に断熱部材130−2を介挿するので、定着ニップ部NPにおける熱が長尺紙Pに伝わり難くなり、長尺紙Pの熱による変形が抑えられる。また、長尺紙Pの熱による変形が抑えられることから、無駄な用紙の発生を防げる。
【0089】
なお、上記実施の形態1から実施の形態3では、上側定着部60Aに加熱源を持たせたが、下側定着部60Bが加熱源を持っていてもよいし、両方とも加熱源を持っていてもよい。
【0090】
また、上記実施の形態1から実施の形態3では、長尺紙Pの定着ニップ部NPにおける部分と加熱ローラー63との間および長尺紙Pの定着ニップ部NPにおける部分と加圧ローラー64との間の両方に断熱部材130を介挿したが、少なくともいずれか一方に介挿すればよい。
【0091】
また、上記実施の形態1から実施の形態3では、定着ニップ部NPが形成されているとき、つまり加熱ローラー63と加圧ローラー64とが圧接しているときに断熱部材130を介挿したが、加熱ローラー63と加圧ローラー64とが離間しているときに断熱部材130を介挿しても、同様の効果を得ることができる。但し、上記実施の形態1から実施の形態3は、加熱ローラー63と加圧ローラー64とが圧接した状態のままでも各ローラーと長尺紙Pとの間を断熱できる点で、特に有利である。
【0092】
また、上記実施の形態1から実施の形態3では、加熱ローラー63のみを有するローラー定着方式を用いたが、上側定着部60Aは、複数のローラーに張架された定着ベルトを有するベルト定着方式の構成を採っていてもよい。